説明

画像形成装置

【課題】簡単な構成でドラムユニットと現像器ユニットとの結合がなし得、結合を解除することができる画像形成プロセスユニットを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】プロセスユニットは、感光体ドラム51を含むドラムユニット5と、現像ローラ43を含む現像器ユニット4とが結合手段によって結合されてなる。前記結合手段は、プロセスユニット8の長手方向に沿った一端側において、前記それぞれのユニット筐体50,40に形成された突起部61,62及び孔部63,64の前記長手方向に沿った相互の嵌め合いによる第一結合部6と、プロセスユニット8の他端側において、前記それぞれのユニット筐体50,40に形成されたピン孔にピン77,78を挿入して相互にピン結合する第二結合部7とよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラムユニットと現像器ユニットとよりなる画像形成プロセスユニットを備えた電子写真方式の画像形装置に関し、より好ましくは、非磁性二成分現像剤による現像方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、電子写真方式の画像形成装置においては、非磁性二成分現像剤による現像方式が広く採用されるようになった。このような画像形成装置は、少なくとも感光体ドラムを含むドラムユニットと、少なくとも現像ローラ(マグローラ)を含み非磁性二成分現像剤が充填された現像器ユニットとが結合された画像形成プロセスユニットを着脱自在に備える。非磁性二成分現像剤は、キャリアとトナーとからなり、所定の配合比率で混合されて現像器ユニットに充填される。画像形成プロセスでは、トナーのみが消費されてゆくので、現像器ユニット内のトナー量(トナー濃度)を随時検知し、この検知情報に基づき、別部位に設置されたトナー補給装置から現像器ユニットへのトナーの補給が適宜なされる。
【0003】
現像器ユニットの初期状態では、所定の配合比率で混合された前記現像剤が充填された状態で使用に供される。また、経時的にキャリアが劣化して印字品質が低下すると、現像剤の入れ替えがなされる。このような現像剤の充填や入れ替えは、サービスマンがユーザーサイドに赴き、ドラムユニットと現像器ユニットとの結合部分を解除し、開放された現像ローラの配置部分に現像剤を直接供給することによってなされる。特に、画像形成装置の納品、或いは、プロセスユニット自体をパーツ交換する際には、出荷時に現像剤を充填した状態で輸送すると、輸送時の振動等により現像剤(トナー)がわずかな隙間から飛散して装置内、或いはプロセスユニットの外面等を汚染することがある。その為、事前に調合された現像剤を納品先で充填してプロセスユニットを組立て、装置本体内に装着するようなメンテナンスシステムがとられる。ドラムユニットと現像器ユニットとの結合は、通常雄ねじのねじ込み締結によってなされる為、サービスマンは常時ドライバー等の工具の携行が必要とされる。また、ねじの付け外しが繰返されると、ねじ穴のねじ部が崩れ、前記締結が確実になされず、現像器ユニットの継続使用が不可となる事態も生じる。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、感光体ユニットと現像ユニットとを結合して構成されるプロセスユニット(プロセスカートリッジ)が開示されている。特許文献1に示されるプロセスユニットは、トナー容器と現像部材(現像ローラ)を保持する現像枠体とを開口規制部材を挟んで結合し、さらにこれに感光体ドラムが収納されたクリーニング枠体(感光体ユニット)を結合して構成される。また、特許文献2に示されるプロセスユニットは、感光体ユニットと現像ユニットとが、結合部材のスナップフィットによって結合されて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−302031号公報
【特許文献2】特開平8−339152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に示されたプロセスユニットの場合、感光体ユニットに相当する部分と現像ユニットに相当する部分とが結合されてプロセスユニットが構成される記載はあるが、その具体的な結合手段の開示はない。ましてや、感光体ユニットと現像ユニットとは、その結合状態において、それぞれに含まれる感光体ドラム及び現像ローラが、上下に近接状態で配置されるよう構成されているものではない。したがって、感光体ユニットと現像ユニットとの結合を解除したとしても、現像ユニットの感光体ユニット側に形成された開口部より、現像ユニット内にトナー(現像剤)を充填すると言う技術思想とは無縁であると考えられる。また、特許文献2に示されたプロセスユニットの場合、感光体ユニットと現像ユニットとは、結合部材のスナップフィットによって結合されるが、この場合も、その結合状態において、感光体ドラム及び現像ローラが、上下に近接状態で配置されるものではない。したがって、感光体ユニットと現像ユニットとの結合を解除したとしても、同様に、現像ユニットの前記開口部より、現像ユニット内にトナー(現像剤)を充填すると言う技術思想とは無縁であると考えられる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、簡単な構成でドラムユニットと現像器ユニットとの結合がなし得、結合を解除することによって、現像器ユニットに対する現像剤の充填を行うことができる画像形成プロセスユニットを備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、画像形成プロセスユニットを備える電子写真方式の画像形成装置であって、前記プロセスユニットは、感光体ドラムを含むドラムユニットと、現像ローラを含む現像器ユニットとが結合手段によって結合されてなり、前記ドラムユニットと現像器ユニットとの結合状態では、前記感光体ドラム及び前記現像ローラが、ドラムユニット及び現像器ユニットのそれぞれのユニット筐体に形成された開口部を介して上下に近接状態となるよう配置され、前記結合手段は、前記プロセスユニットの長手方向に沿った一端側において、前記それぞれのユニット筐体に形成された突起部及び孔部の前記長手方向に沿った相互の嵌め合いによる第一結合部と、前記プロセスユニットの他端側において、前記それぞれのユニット筐体に形成されたピン孔にピンを挿入して相互にピン結合する第二結合部とよりなることを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記プロセスユニットを、前記一端側を先側として、前記画像形成装置の装置本体に対して長手方向に沿って着脱自在に装着可能に構成しても良い。この場合、前記プロセスユニットは、前記一端側に、前記装置本体への装着時に前記感光体ドラム及び現像ローラに対する回転駆動伝達系を確立するカップリング部を備えるよう構成しても良い。
【0010】
本発明において、前記ピンが、スナップフィット爪片を備え、該ピンをそれぞれのユニット筐体に形成されたピン孔に挿入した上で、その軸心周りに回転させ、前記スナップフィット爪片を前記現像器ユニットのユニット筐体に形成された保持孔に弾性変形を伴い挿入して、その爪部を該保持孔の開口縁部に掛け止めることによって、前記ピンによるピン結合状態を維持するよう構成しても良い。
【0011】
本発明において、前記第二結合部を複数備え、これら複数の第二結合部における前記ピンは、前記ピン孔に対する挿入方向が前記感光体ドラムの軸心に平行とされ、これら複数の第二結合部のうちの1結合部は、前記感光体ドラムの軸心に最も近い位置に形成されていることが望ましい。
【0012】
本発明において、前記現像器ユニットには、非磁性二成分現像剤が充填され、この非磁性二成分現像剤の充填は、前記結合手段の結合を解除し、現像器ユニットのユニット筐体における開放された前記開口部より前記現像ローラの配置位置においてなされるよう構成しても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置によれば、ドラムユニットと現像器ユニットとの結合状態では、前記感光体ドラム及び前記現像ローラが、ドラムユニット及び現像器ユニットのそれぞれのユニット筐体に形成された開口部を介して上下に近接状態となるよう配置されている。したがって、結合手段を解除して、ドラムユニットと現像器ユニットとを相互に分離すれば、現像器ユニットの前記開口部は上方に開放されることになり、この開口部より現像剤の充填が可能となる。また、前記結合手段が、前記突起部及び孔部の相互の嵌め合いによる第一結合部と、前記ピン結合による第二結合部とよりなるから、ドラムユニット及び現像器ユニットの結合及び分離操作にドライバー等の工具を必要としない。しかも、ねじによる締結を伴わないから、結合及び分離を繰返しても、ねじ部が崩れて締結ができなくなることがなく、ドラムユニット或いは現像器ユニットの継続的使用が不可となる懸念もない。そして、このような結合手段を採用することにより、ユーザーサイドでもドラムユニット及び現像器ユニットの結合及び分離操作を簡易に行うことができる。
【0014】
前記プロセスユニットを、前記一端側を先側として、前記画像形成装置の装置本体に対して長手方向に沿って着脱自在に装着可能に構成すれば、嵌め合い結合部分の嵌め合い方向と、装置本体に対するプロセスユニットの装着方向とが一致する。したがって、プロセスユニットを装置本体に装着する際に、嵌め合い結合状態を阻害するような外力が作用することがない。この場合、前記プロセスユニットが、前記一端側に、前記装置本体への装着時に前記感光体ドラム及び現像ローラに対する回転駆動伝達系を確立するカップリング部を備えているものとすれば、安定した結合状態と相俟って、回転駆動伝達系の確立が的確になされる。
【0015】
また、前記ピンが、前記現像器ユニットのユニット筐体に形成された保持孔に弾性変形を伴い挿入し得るスナップフィット爪片を備えている場合、簡易な操作で前記ピンによるピン結合状態を維持することができる。すなわち、前記ピンを前記ピン孔に挿入した上で、その軸心周りに回転させ、前記スナップフィット爪片を前記保持孔に弾性変形を伴い挿入すれば、その爪部が該保持孔の開口縁部に復元弾力を伴い掛け止められ、これによって、安定したピン結合状態が維持される。
【0016】
さらに、前記第二結合部を複数備えた場合、これら第二結合部における前記ピンの、前記ピン孔に対する挿入方向が前記感光体ドラムの軸心に平行とすれば、ピンのピン孔に対する挿入操作の際に、感光体ドラムの軸心の位置ずれを来たすような力が作用しない。特に、複数の第二結合部のうちの1結合部を、前記感光体ドラムの軸心に最も近い位置に形成すれば、前記ユニット筐体等に多少の加工公差があっても、現像ローラと感光体ドラムとの相対位置を所期の位置に的確に位置決めすることができる。
【0017】
そして、前記現像器ユニットには、非磁性二成分現像剤が充填されるものとすれば、前記結合手段の結合を解除し、この結合解除により開放される現像器ユニットのユニット筐体の前記開口部より現像剤を前記現像ローラの配置位置に充填することができる。充填後、前記結合手段によってドラムユニットと現像器ユニットとを結合すれば、トナーとキャリアとが所定の配合比率で調製された現像剤を含む初期状態の画像形成プロセスユニットが構成される。したがって、これを画像形成装置の装置本体に装着することにより画像形成の待機状態が簡易に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態の概略的縦断面図である。
【図2】同画像形成装置に用いられるプロセスユニットの概略的部分破断平面図である。
【図3】図2におけるA−A線矢視断面図である。
【図4】図2における矢印B方向に沿った矢視図である。
【図5】図2における矢印C方向に沿った矢視図である。
【図6】同実施形態に係る結合手段における第一結合部の部分破断分解斜視図である。
【図7】同実施形態に係る結合手段における第二結合部の部分破断分解斜視図である。
【図8】図5におけるD−D線矢視拡大断面図である。
【図9】図5におけるE−E線矢視拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式の画像記録部を備えたプリンタを示しているが、これに画像読取部を付加して、複写装置、ファクシミリ装置、さらには、これらが組み合わさったいわゆる複合機として構成することもできる。図例の画像形成装置1は、下部より記録紙(記録媒体)の供給部2、電子写真方式の画像記録部3及び記録済記録紙の排出部100が上下に積層された状態で構成されている。
【0020】
画像記録部3は、非磁性二成分現像剤を用いる電子写真装置からなり、画像形成プロセス部30と、該プロセス部30にトナーを補給するトナー補給部31と、プロセス部30によって転写されたトナー像を記録紙に永久画像として定着する定着部32とよりなる。非磁性二成分現像剤は、磁性キャリアとトナーとからなり、初期状態では所定割合で混合されてプロセス部30の後記する現像装置4に充填され、使用と共にトナーが消費されてゆくので、適宜トナーの補給を行えるようなシステムが採用される。すなわち、トナー補給部31は、トナーボトル(不図示)のボトル装着部310と、該ボトル装着部310から供給されるトナーを一時的に貯留するサービスホッパー311と、該サービスホッパー311からトナーを現像装置4に逐次供給する為の搬送スクリュー(パイプスクリュー)312とよりなる。ボトル装着部310には、図1の紙面垂直方向よりトナーボトルが着脱自在に装着可能とされ、ボトル装着部310に装着されたトナーボトルは、支持台313の上に横向きに支持されるよう構成されている。現像装置4には、トナー濃度検知センサー44が設置され、このトナー濃度検知センサーの検出情報に基づき、前記搬送スクリュー312及びサービスホッパー311内に設置された不図示の排出スクリューが作動して、サービスホッパー311から現像装置4内へのトナーの補給がなされる。また、サービスホッパー311内にも不図示のトナー有無センサーが設置され、このトナー有無センサーの検出情報に基づき、前記ボトル装着部310の回転により、装着されたトナーボトルからサービスホッパー311へのトナーの供給がなされる。ここで、図1の紙面垂直方向奥側を装置のリヤ側、手前側を同フロント側とする。
【0021】
プロセス部30は、感光体ドラム51と、該感光体ドラム51の周りに配されたスコロトロン帯電器52、LED(発光ダイオード)ユニットからなる露光器53、現像装置4、転写ローラ54及びクリーニング装置55により構成されている。このプロセス部30の記録紙の搬送方向下流側には定着部32が設置されている。画像記録部3は、プロセス部30においてトナー画像が転写された記録紙を、定着部32において加熱ローラ321及びプレスローラ322によって加熱・加圧し、トナー画像を永久画像として定着させるよう構成されている。トナー像が定着された記録紙は、定着部32の下流側の排出ローラ対101により排出トレイ102上に排出され、排出ローラ対101及び排出トレイ102により前記記録済記録紙の排出部100が構成されている。プロセス部30の詳細構成については後記する。
【0022】
記録紙の供給部2は、画像形成装置1の装置本体10に形成されたカセット室20に、装置のフロント側より抜差し可能に装着される記録紙供給の為の記録紙カセット21を備える。記録紙カセット21の抜差し方向は、装置本体10のフロント側からリヤ側に沿った方向の他、装置本体10の側部から左右方向に沿った方向とすることも可能である。カセット室20における記録紙供給方向の前端側壁部は記録紙ガイド壁部201とされている。また、前記記録紙カセット21における記録紙供給方向の前端側壁部の上面中央部には、圧縮ばね(不図示)により上向きに弾力が付与された状態でパッド台22が組み込まれ、さらに、該パッド台22の上面には摩擦分離パッド23が固着されている。
【0023】
前記記録紙カセット21の前端側には、記録紙供給ローラ24が回転自在に設置されている。前記分離パッド23は、該供給ローラ24の周面に弾性的に押付けられ、供給ローラ24と分離パッド23とにより、記録紙カセット21に堆積された記録紙を最上層部より1枚ずつ分離し繰出して装置本体10内に供給する記録紙分離供給部材が構成される。図例では、記録紙分離供給部材が分離パッド方式による例を示しているが、ピックアップローラを上流側近傍に配し、これに供給ローラ及びリタードローラを組み合わせたリタードローラ方式であっても良い。前記記録紙カセット21内には、ヒンジピン(不図示)を支点として上下揺動可能とされた押上板25が設けられ、該押上板25は図示を省略した圧縮ばねによりその先側が上向きに弾力が付与された状態とされる。記録紙カセット21内には、その他、図示及び説明を省略するが、記録紙の後端を規制するエンドガイド、記録紙の幅方向を規制するサイドガイド、或いは、エンドガイド及びサイドガイドの位置決め部等も装備される。
尚、記録紙カセット21の下に、さらにオプションカセット(不図示)を配置し、2段以上のマルチカセットシステムを構成することも可能である。
【0024】
前記装置本体10内には、記録紙カセット21が装着された際に構成される前記記録紙分離供給部材(分離パッド23及び供給ローラ24)に連なる湾曲状の記録紙主搬送路11が形成され、該主搬送路11の途中には、レジストローラ対12が設置されている。記録紙カセット21から記録紙分離供給部材23,24によって1枚ずつ分離され繰出された記録紙は、レジストローラ対12によってレジスト搬送され、前記感光体ドラム51と転写ローラ54とのニップ部に導入されるよう構成されている。前記記録紙ガイド壁部201の背後には下段カセットからの記録紙の搬送路11´が形成され、該搬送路11´はレジストローラ対12の上流側で前記主搬送路11に合流する。
【0025】
前記プロセス部30について、図2〜図5も参照してさらに詳述する。感光体ドラム51、帯電器52、クリーニング装置55は、樹脂成型されたドラムユニット筐体50に一括して組み込まれて、ドラムユニット5が構成される。感光体ドラム51は、支持軸511を介してドラムユニット筐体50に回転自在に支持される。現像装置4は、樹脂成型された現像器ユニット筐体40内に、2本の平行な攪拌搬送スクリュー41,42、現像ローラ(マグローラ)43及びその他の付帯部材(例えば、トナーシール部材等)を組込み、現像器ユニットとして構成されている。以下、現像器ユニットと現像装置とを同一の符号4で示す。攪拌搬送スクリュー41,42及び現像ローラ43は、現像器ユニット筐体40内に回転自在に収容されている。現像器ユニット筐体40は、非磁性二成分現像剤の収容部を兼ね、その外側部には、該トナーの濃度を検出するトナー濃度検知センサー(磁気センサー)44が取付けられている(図1参照)。ドラムユニット5及び現像器ユニット4は、後記する相互の結合手段6,7によって結合され、画像形成プロセスユニット8を構成する。この結合状態で、感光体ドラム51及び現像ローラ43が互いに近接するよう、ドラムユニット筐体50及び現像器ユニット筐体40のそれぞれの対応部位に開口部500,400(図3参照)が形成されている。現像器ユニット筐体40は、前記攪拌搬送スクリュー41,42の設置位置の上部を覆う蓋部材407を備え、この天蓋部材407の現像ローラ43側辺部に開口部400が形成されている。
【0026】
前記プロセスユニット8は、図2に示す白抜矢示方向80に沿って、装置本体10のフロント側からリヤ側に向かって図1に示す所定位置に水平状態で装着される。ここでの白抜矢示方向80は、以下では装着方向と言う。このプロセスユニット8の着脱操作の際には、前記露光器53は、プロセスユニット8の着脱操作に支障のない位置に退避しており、プロセスユニット8の装着が完了すると、感光体ドラム51の表面に近接する所定の位置に位置決めされるよう構成されている。また、プロセスユニット8の装着方向80先側における前記攪拌搬送スクリュー41の上部の現像器ユニット筐体40には、トナーの受入口401が形成されている。該トナーの受入口401には、プロセスユニット8の前記着脱操作に伴い開閉するシャッター部材402が取付けられている。該シャッター部材402は、圧縮スプリング403によって装着方向80に弾力付勢され、プロセスユニット8を装置本体10に未装着の状態では受入口401を閉止した状態に維持される。そして、シャッター部材402は現像器ユニット筐体40の側部に突出する突片4021を有しており、プロセスユニット8を装着する際、該突片4021が装置本体10内に形成された不図示の作用部の作用を受ける。この作用により、シャッター部材402が圧縮スプリング403の弾力に抗して後退し、これにより受入口401が開とされる。同時に、この受入口401は、前記搬送スクリュー312のトナー排出口314の下に潜り込むようにして位置付けられ、該排出口314と受入口401とによりトナーの受渡部が確立される。排出口314には図示を省略するシャッター部材が装着され、前記プロセスユニット8が装着されたときには排出口314を開き、プロセスユニット8が離脱されたときには排出口314を閉止するよう構成される。前記トナーの受渡部の確立によって、前記サービスホッパー311から搬送スクリュー312を介したトナーの補給系が形成される。
【0027】
前記攪拌搬送スクリュー41,42は、図3に示すように、現像器ユニット筐体40内に仕切壁404を隔てて平行に、且つ、それぞれのトナーの搬送方向が互いに逆向きとなるよう設置されている。そして、仕切壁404の長手方向両端部は切欠かれており、この不図示の切欠部を通じて、トナーが両攪拌搬送スクリュー41,42によって循環搬送され、この搬送中にトナーとキャリアとの攪拌混合がなされる。プロセスユニット8の前記装着方向80先側端部には、感光体ドラム51の回転駆動用カップリング部512、攪拌搬送スクリュー41の回転駆動用カップリング部411及び現像ローラ43の回転駆動用カップリング部431が露出している(図4参照)。装置本体10にプロセスユニット8を装着した際には、装置本体10内に設置された不図示の駆動源にこれらカップリング部512,411,431がそれぞれカップリング結合し、感光体ドラム51、攪拌搬送スクリュー41及び現像ローラ43の駆動伝達系が形成されるよう構成されている。前記攪拌搬送スクリュー42は、攪拌搬送スクリュー41の前記カップリング411から不図示のギヤを介して駆動伝達がなされる。このギヤによる駆動伝達部は、現像器ユニット筐体40の前記装着方向80前側端部に取り付けられたギヤカバー408によって覆われている。また、後記するクリーニング装置55の除去トナー排出用の搬送スクリュー551には、感光体ドラム51から不図示のアイドラギヤを介して駆動伝達がなされる。
【0028】
帯電器52は、スコロトロン型放電器からなり、箱型のシールドケース521と、該シールドケース521内にその長手方向に沿って架設された針電極522と、シールドケース521の感光体ドラム51側開口部に設けられたグリッド523とを含む。帯電器52は、グリッド523が感光体ドラム51の表面に近接するよう前記ドラムユニット筐体50に組付けられ、コロナ放電により感光体ドラム51の表面を一様に帯電する。プロセスユニット8が装置本体10の所定部位に装着されたときには、装置本体10内に設置された転写ローラ54と感光体ドラム51とが近接関係となるよう構成され、その為、感光体ドラム51の転写ローラ54との近接部位は、ドラムユニット筐体50より露出した状態とされる。而して、感光体ドラム51の表面は傷付き易く、プロセスユニット8の輸送時或いは着脱操作時等における衝撃による傷付を防止するため、この露出部分を覆う開閉自在な保護カバー501がドラムユニット筐体50に取付けられている。該保護カバー501はドラムユニット筐体50に対してヒンジ結合されており、プロセスユニット8を装置本体10の所定部位に装着する際には、装置本体10内の不図示の作用部の作用を受けて、ヒンジ部を支点として上方に押し上げられる。図3は、保護カバー501が押し上げられ、感光体ドラム51の転写ローラ54側部位が開放された状態を示している。また、図4及び図5は、プロセスユニット8が装置本体に装着される前の状態を示し、したがって、保護カバー501が前記露出部分を覆っている。さらに、感光体ドラム51の転写ローラ54との近接部位の回転方向下流側近傍には、感光体ドラム51と転写ローラ54とのニップ部を経た記録紙を感光体ドラム51から剥離するための複数の剥離爪502が、感光体ドラム51の長手方向に沿って適宜間隔で取付けられている。図2では、該保護カバー501及び剥離爪502の図示を省略している。
【0029】
クリーニング装置55は、ドラムユニット筐体50の一部をなすクリーニングケース550と、前記搬送スクリュー551と、前記感光体ドラム51の表面に接するスクレーパ552とを主たる構成部材として備える。搬送スクリュー551は、該クリーニングケース550内にその長手方向に沿って(感光体ドラム51の軸方向に平行に)設置されている。該搬送スクリュー551のトナー搬送方向先端部は、クリーニングケース550に形成されたトナー排出口553に臨んでいる。スクレーパ552は、ゴム等の弾性部材からなり、取付板554に基部が固着され、その自由端側が感光体ドラム51の表面に弾性的に接するよう、ビス555によって自由端側の出幅が調整自在にクリーニングケース550に取付けられている。図例では、スクレーパ552はその自由端が感光体ドラム51の回転方向に対向する向きで配置(カウンター配置)されているが、これとは逆向きに配置することも可能である。
【0030】
前記クリーニングケース550における前記装着方向80先側の外側部に沿って、前記クリーニングケース550の排出口553と、前記現像器ユニット筐体40とを繋ぐトナー回収搬送路556が設置されている。該トナー回収搬送路556は、角形パイプからなり、前記排出口553に接続され、斜め下向きに屈曲されてその下端は前記現像器ユニット筐体40における前記装着方向先側の攪拌搬送スクリュー42の上部に形成された回収トナー受入口405に接続されている。回収トナー受入口405の開口周縁部には、フエルトや発泡体からなるシール部材(不図示)が固着され、前記トナー回収搬送路556の下端部はこのシール部材に食い込むように接続されている。
尚、図例では、前記感光体ドラム51の露出部を覆う保護カバー501の開閉支点のヒンジ部5011,5012は、トナー回収搬送路556の外側部及びドラムユニット筐体50に設けられている(図4及び図5参照)。これはレイアウト上の関係であって、両者共ドラムユニット筐体50に直接設けることも除外されるものではない。また、トナー回収搬送路556を、円形その他の形状のパイプによって構成しても良い。
【0031】
前記トナー回収搬送路556内には、コイルスプリング557が配置されており、該コイルスプリング557の基部は、前記クリーニングケース550内に設置された搬送スクリュー551のスクリュー軸の先端部に巻き付け連結されている。そして、該コイルスプリング557は、スクリュー軸との連結部において下向きに屈曲され、その先端部は前記トナー回収搬送路556と前記現像器ユニット筐体40との接続部の近傍、すなわち、前記回収トナー受入口405内に自由端として臨んでいる。このように搬送スクリュー551の先端部にコイルスプリング557が連結されていることにより、前記スクレーパ552によって掻き取られ搬送スクリュー551によって搬送される転写残トナーが、トナー回収搬送路556内で凝集することなく現像器ユニット筐体40に回収される。
【0032】
次に、第一結合部6及び第二結合部7とより構成される現像器ユニット4及びドラムユニット5の連結手段について図6〜図9も参照して述べる。該第一結合部6は、プロセスユニット8の長手方向に沿った一端側(前記装着方向80の先側)に設けられ、ドラムユニット筐体50に形成された2個の突起部61,62と、現像器ユニット筐体40に形成された2個の孔部63,64とより構成される。より具体的には、突起部61,62は、ドラムユニット筐体50の前記装着方向80先側に鍔状に形成された底板部502に、該装着方向80に突出するよう平行に形成されている。また、孔部63,64は、現像器ユニット筐体40における装着方向80の先側壁部406に、突起部61,62に対応するよう形成されている。突起部61の先端部には、上向きの爪状突部611がさらに形成されている。
【0033】
第二結合部7は、プロセスユニット8の長手方向に沿った他端側(前記装着方向80の後側)に設けられる。すなわち、該第二結合部7は、ドラムユニット筐体50及び現像器ユニット筐体40に形成されたピン孔71〜76と、ピン孔71,72,75及びピン孔73,74,76にそれぞれ挿入される2個のピン77,78とより構成される。より具体的には、ピン孔71,73,74は、ドラムユニット筐体50の前記装着方向80後側に鍔状に形成された底板部503に設けられたボス部710,730,740に形成されている。また、ピン孔72はドラムユニット筐体50の後側壁部504に形成されている。ピン孔75,76は、現像器ユニット筐体40における前記装着方向80後側の上面に設けられたボス部750,760に形成されている。ドラムユニット5と現像器ユニット4とが未結合の状態では、前記天蓋部材407の辺部に位置する開口部400より、現像器ユニット筐体40における前記現像ローラ43の配置位置が露見される。前記ピン孔76は、前記装着方向80に直交する方向で前記天蓋部材407の上面に沿った方向に延びる長孔とされている。そして、前記ドラムユニット筐体50の底板部503には、方形の抜き孔505,506が形成されており、該抜き孔505,506には、前記ボス部750,760が下から挿入し得るようになされている。抜き孔505,506にボス部750,760が挿入された状態では、ピン孔71,75,72及び73,76,74が、それぞれ同一軸心に整合するよう構成されている。
【0034】
前記ピン77,78は、それぞれが、一対のスナップフィット爪片771,771及び781,781を備えている。また、前記ドラムユニット筐体50の前記底板部503には、これらスナップフィット爪片771,771及び781,781に対応する方形の保持孔507,508が形成されている。各対をなすスナップフィット爪片771,771及び781,781は、ピン77,78の基部より長手方向に直交する方向に伸びるアーム部770,780に下向きに二股状に形成されており、互いに向き合う方向に弾性変形が可能となるよう形成されている。また、保持孔507,508は、前記整合状態のピン孔71,75,72及び73,76,74に、ピン77,78をそれぞれ挿入してその軸心周りに回転させた際に、スナップフィット爪片771,771及び781,781を受入れ得る位置に形成されている。したがって、この状態で、スナップフィット爪片771,771及び781,781を互いに向き合う方向に撓ませ、保持孔507,508に挿入することができる。そして、挿入後手離すと、スナップフィット爪片771,771及び781,781の復元弾力によって、各先端爪部772,772及び782,782が保持孔507,508の開口縁部に掛け止めされる。ピン孔71,75,72及びピン77からなる結合部は、前記感光体ドラム51の軸心510(図5参照)に最も近い位置、すなわち、該軸心510から前記底板部503に対する垂線と交差する位置に設けられている。
【0035】
このような構成の結合手段6,7を用いて現像器ユニット4とドラムユニット5とを結合してプロセスユニット8を構成する要領について説明する。図6及び図7に示すように、現像器ユニット4とドラムユニット5とが未結合の状態では、現像器ユニット筐体40の前記開口部400が開放され、なおかつ天蓋部材407を取外した状態で、この開口部400より事前に配合調製された現像剤が現像器ユニット筐体40内に充填される。次いで、図6に示すように、ドラムユニット5をその前記装着方向80先側が下向きになるよう斜めに傾けて、前記突起部61,62を現像器ユニット筐体40の孔部63,62に挿入して嵌め合わせる。突起部61,62を孔部63,62に挿入した状態で、ドラムユニット筐体50を現像器ユニット筐体40の上面に載せ置く。この載せ置いた状態では、前記抜き孔505,506にボス部750,760が下から挿入される。そして、ドラムユニット筐体50を、両ユニット筐体40,50間に介在される不図示のシール部材の弾力に抗して、現像器ユニット筐体40の上に押付けると、ピン孔71,75,72及び73,76,74がそれぞれ同一軸心に沿った整合状態とされる。また、この状態では、前記突起部61、62が各孔部63,64の上辺部に当たり、突起部61の先端に形成された爪状突部611が孔部63の上辺部に引っ掛かり、これらにより、安定した嵌め合い状態が得られる。
【0036】
前記のように、ピン孔71,75,72及び73,76,74がそれぞれ同一軸心に沿って整合した状態で、ピン77,78をこれらピン孔71,75,72及び73,76,74にそれぞれ挿入する。その後、ピン77,78を軸心周りに回転させ、スナップフィット爪片771,771及び781,781を、方形の保持孔507,508に臨む底板部503に形成された互いに対向する2つの内壁507a,507a及び508a,508aに沿わせて、前記のとおり撓ませ、保持孔507,508に挿入し、各先端爪部772,772及び782,782を保持孔507,508の開口縁部に掛け止めさせる。これによって、現像器ユニット4とドラムユニット5とが安定的に結合一体化される。この結合状態では、現像ローラ43と感光体ドラム51とが、それぞれのユニット筐体40,50に形成された開口部400,500を通じて互いに近接且つ平行状態に位置設定される。この場合、前記のようにピン孔71,75,72及びピン77からなる結合部は、前記感光体ドラム51の軸心510に最も近い位置に形成されているから、現像ローラ43と感光体ドラム51との相対位置が所期の位置に的確に設定される。また、ピン孔73,76,74及びピン78からなる結合部においては、ピン孔76が長孔とされているから、前記ユニット筐体40,50に多少の加工公差があっても、この加工公差がピン孔76に吸収され、前記ピン78による結合が支障なくなされる。
【0037】
前記構成のプロセス部を備えた画像形成装置1における画像形成プロセスについて説明する。前記結合手段6,7によって現像器ユニット4及びドラムユニット5が結合一体とされて構成されるプロセスユニット8が、前記装着方向80に沿って図1に示す装置本体10の所定位置に装着される。そして、露光器53が感光体ドラム51に近接するよう位置決めされる。現像器ユニット筐体40における装着方向80の後側端部には取っ手409(図2及び図5参照)が形成されており、前記装着操作及び脱着操作はこの取っ手409によってなされる。この状態で、前記カップリング512,411,431のカップリング結合により、プロセスユニット8における回転駆動部の伝達系が確立され、また、図示及び説明を省略したが、各電気作動部の給電系等も確立される。そして、図1及び図3に示すように、感光体ドラム51は矢印方向に回転駆動され、この回転に伴い、帯電器52によって感光体ドラム51の表面が一様に帯電される。画像読取部(不図示)で読取られた画情報、或いはファクシミリやパソコン等の外部端末(不図示)から送信された画情報が、露光器53によって光情報として書き込まれ、これにより、感光体ドラム51の表面には光情報に基づく静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体ドラム51の回転に伴い、現像装置(現像器ユニット)4によって現像されてトナー像とされ、転写ローラ54とのニップ部に至る。
【0038】
現像装置4においては、2本の攪拌搬送スクリュー41,42によって、トナーとキャリアとが現像器ユニット筐体40内を攪拌されながら循環搬送されている。循環搬送される過程で現像剤が現像ローラ43側に供給され、バイアス印加された現像ローラ43によって、前記静電潜像がトナーで逐次現像される。前記記録紙カセット21からは、記録紙分離供給部材23,24により、記録紙が1枚ずつ分離され繰出されて、レジストローラ対12に至る。記録紙は、レジストローラ対12により前記トナー像に同期するようレジスト搬送されて感光体ドラム51と転写ローラ54とのニップ部に導入され、感光体ドラムの表面のトナー像が記録紙上に逐次転写される。記録紙に転写されたトナー像は、定着部32によって永久画像として定着され、永久画像が形成された記録紙は、前記主搬送路11を搬送され、前記排出ローラ対101によって排出トレイ102上に排出・堆積される。
【0039】
転写ローラ54とのニップ部を経た感光体ドラム51の表面には、若干のトナーが付着残留しており、この残留トナー(転写残トナー)は、クリーニング装置55のスクレーパ552によって掻き取られ、感光体ドラム51の表面より除去される。除去されたトナーは、クリーニングケース550内に一時的に滞留するが、引き続き除去されるトナーによって搬送スクリュー551側に押しやられる。搬送スクリュー551に至った除去トナーは、搬送スクリュー551のスクリュー羽根の推進作用を受けて、排出口553側に搬送される。該排出口553には、下向き屈曲状態でトナー回収搬送路556が接続されており、排出口553に搬送された除去トナーは、このトナー回収搬送路556内を落下して、現像装置の前記回収トナー受入口405を経て現像器ユニット筐体40内に回収される。現像器ユニット筐体40内に回収されたトナーは、再利用に供される。
【0040】
トナー回収搬送路556内を落下する除去トナーは、その特性上トナー回収搬送路556の内壁に付着して凝集し易いが、トナー回収搬送路556内には搬送スクリュー551の先端部に連結されたコイルスプリング557が配置されているから、この凝集の発生が抑えられる。すなわち、コイルスプリング557は、搬送スクリュー551との連結部において下向きに屈曲され、先端部は自由端として前記回収トナー受入口405内に臨んでいる。その為、コイルスプリング557は、前記搬送スクリュー551の回転に連動して回転するが、屈曲部から先端部にかけては円錐形の軌跡を描き、トナー回収搬送路556の内壁に摺れるようにして回転することになる。従って、トナー回収搬送路556の内壁に付着しようとするトナーは、コイルスプリング557の回転に伴って掻き取られ、凝集することなく現像器ユニット筐体40内に回収される。
【0041】
前記のように、画像形成され、トナー画像が定着された記録紙は、主搬送路11を経て、主給送パス110を描いて排出トレイ102の上に排出されるが、本実施形態の画像形成装置1は両面記録機能を備えている。すなわち、定着部32の下流側における主搬送路11には、切替ゲート13が設けられており、この切替ゲート13の取付け位置から、前記レジストローラ対12の上流側で前記主搬送路11に循環合流する反転搬送路14が形成されている。前記排出ローラ対41は正逆転可能とされ、また、この反転搬送路14の途中には搬送ローラ対141,142が設置されている。両面記録する場合は、上記のように片面記録がされた記録紙が主搬送路11に沿って搬送され、記録紙の後端が排出ローラ対101に至ると、該排出ローラ対101は一旦停止して記録紙の後端をニップする。次いで、排出ローラ対101が逆転し、記録紙はその後端より搬送ローラ対141,142によって反転搬送路14を搬送され、反転給送パス140を描いて主搬送路11に導入されてレジストローラ対12に至る。記録紙は、該レジストローラ対12によってレジスト搬送されて、再度感光体ドラム51と転写ローラ54とのニップ部に導入されてその裏面の記録がなされる。両面記録された記録紙は、その後、上記同様主搬送路11に沿って排出トレイ102上に排出される。
【0042】
本実施形態の画像形成装置1は、記録紙の手差機能をさらに備えており、装置本体10の側部には上下に開閉可能な手差トレイ16が設けられている。該手差トレイ16は、使用しない時は、図1に示すように閉止されており、使用時には把手161をして、図1において右側に倒すように開けられる。該手差トレイ16の前端部には、手差記録紙供給ローラ162と分離パッド163とが弾性的に接するよう設置され、さらにその下流側には、レジストローラ対12の上流側で前記主搬送路11に合流する手差搬送路17が連なっている。手差トレイ16に置かれた手差記録紙は、手差記録紙供給ローラ162と分離パッド163との作用によって1枚ずつ分離されて、手差搬送路17を搬送され、手差給送パス170を描いて主搬送路11に導入され、前記と同様に手差記録紙への画像記録がなされる。さらに、本実施形態の画像形成装置1は、ジャムアクセスカバー18が設けられており、このジャムアクセスカバー18を開けることにより、前記主搬送路11、反転搬送路14が開放可能とされ、これにより、各ローラ対のニップが解除され、ジャム記録紙を取り出すことができる。
【0043】
尚、前記実施形態では、モノクロの電子写真装置による画像形成装置を例示したが、カラーの電子写真装置による画像形成装置であっても良い。この場合は、各色毎の画像形成プロセス部を備え、それぞれのプロセスユニットに本発明の結合手段が採用されることになる。また、露光器としてLEDユニットを用いた例を示したが、レーザーユニットを用いることも可能である。加えて、帯電器としては、スコロトロン方式以外の帯電器(例えば、ブラシ帯電器、ローラ帯電器等)も使用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置
10 装置本体
4 現像器ユニット(現像装置)
40 現像器ユニット筐体
43 現像ローラ
431 カップリング部
400 開口部
5 ドラムユニット
50 ドラムユニット筐体
51 感光体ドラム
512 カップリング部
500 開口部
507,508 保持孔
510 感光体ドラムの軸心
6 第一結合部(結合手段)
61,62 突起部
63,64 孔部
7 第二結合部(結合手段)
71〜76 ピン孔
77,78 ピン
771,781 スナップフィット爪片
772,782 爪部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成プロセスユニットを備える電子写真方式の画像形成装置であって、
前記プロセスユニットは、感光体ドラムを含むドラムユニットと、現像ローラを含む現像器ユニットとが結合手段によって結合されてなり、
前記ドラムユニットと現像器ユニットとの結合状態では、前記感光体ドラム及び前記現像ローラが、ドラムユニット及び現像器ユニットのそれぞれのユニット筐体に形成された開口部を介して上下に近接状態となるよう配置され、
前記結合手段は、前記プロセスユニットの長手方向に沿った一端側において、前記それぞれのユニット筐体に形成された突起部及び孔部の前記長手方向に沿った相互の嵌め合いによる第一結合部と、前記プロセスユニットの他端側において、前記それぞれのユニット筐体に形成されたピン孔にピンを挿入して相互にピン結合する第二結合部とよりなることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記プロセスユニットは、前記一端側を先側として、前記画像形成装置の装置本体に対して長手方向に沿って着脱自在に装着可能とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置において、
前記プロセスユニットは、前記一端側に、前記装置本体への装着時に前記感光体ドラム及び現像ローラに対する回転駆動伝達系を確立するカップリング部を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記ピンは、スナップフィット爪片を備え、該ピンをそれぞれのユニット筐体に形成されたピン孔に挿入した上で、その軸心周りに回転させ、前記スナップフィット爪片を前記現像器ユニットのユニット筐体に形成された保持孔に弾性変形を伴い挿入して、その爪部を該保持孔の開口縁部に掛け止めることによって、前記ピンによるピン結合状態を維持するよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記第二結合部を複数備え、これら複数の第二結合部における前記ピンは、前記ピン孔に対する挿入方向が前記感光体ドラムの軸心に平行とされ、これら複数の第二結合部のうちの1結合部は、前記感光体ドラムの軸心に最も近い位置に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記現像器ユニットには、非磁性二成分現像剤が充填され、この非磁性二成分現像剤の充填は、前記結合手段の結合を解除し、現像器ユニットのユニット筐体における開放された前記開口部より前記現像ローラの配置位置においてなされるよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−243832(P2010−243832A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92990(P2009−92990)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】