説明

画像形成装置

【課題】第1の記憶素子が通信できないことを検知し、第1の記憶素子が正常な画像形成部へ優先的に残留トナーを回収することで、残留トナー容器のトナー漏れを防止又は低減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】CPU70は、ASIC71を介して第1ステーション〜第4ステーションのメモリタグ100a〜100dと通信を行い(S102)、正常に通信を行うことができるメモリタグ100を有するステーションを、残留トナーの回収先として選択する(S103 N以降)構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、例えば、複写機、プリンタ、FAX(ファクシミリ)等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やレーザビームプリンタなどの画像形成装置として、中間転写体を使用する構成を有する画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、1次転写工程と2次転写工程とにより、紙などの記録材上にカラー画像(多色画像)を形成するものである。
【0003】
まず、1次転写工程として、像担持体としての感光ドラムの表面に形成された可転写画像としてのトナー像を、中間転写体に転写する。その後、この1次転写工程を、複数色のトナー像に関して繰り返し実行することにより、中間転写体の表面に複数色のトナー像を形成する。続けて、2次転写工程として、中間転写体の表面に形成された複数色のトナー像を、紙などの記録材表面に一括して転写する。
【0004】
このような中間転写体を利用した画像形成装置においては、それぞれの色のトナー像における重ね合わせずれ、いわゆる色ズレが抑制されたカラー画像を形成可能であるという利点を有する。
【0005】
ところが、中間転写体を利用した画像形成装置では、中間転写体上に不要なトナーが残留してしまうという問題があった。残留するトナーとしては、例えば、連続プリント中(連続印刷中)において、中間転写体から記録材に2次転写を行った後に、記録材に転写されずに中間転写体の表面に残ったトナー(以下、残留トナーという)である。この他、画像形成装置の色ずれを校正するために使用するテスト画像用トナーや、ジャム時に記録材に転写されずに中間転写体上に残ったトナーなどもある。
【0006】
そこで、中間転写体の表面に残留した残留トナーの除去を図るために、特許文献1などに記載された、次のような画像形成装置が提案された。特許文献1に記載された画像形成装置の基本構造は、移動可能な第1像担持体の表面に、移動可能な第2像担持体の表面を接触させることによって1次転写ニップ部を形成する。そしてこれとともに、この第2像担持体の表面に、2次転写部材を対向配置して2次転写位置が設けられている。また、この画像形成装置は、まず、第1像担持体の表面に順次形成したトナー像を、1次転写ニップ部を介して第2像担持体の表面に順次1次転写する。そして、この第2像担持体の表面に1次転写された複数のトナー像を2次転写位置において、2次転写部材により第3像担持体に一括して2次転写する構成を有する。
【0007】
そして、このような画像形成装置に、2次転写前のトナー像に電荷を付与する電荷付与手段と、第2像担持体表面の移動方向についての、2次転写位置の下流側で、かつ1次転写ニップ部の上流側に配置した帯電手段とを設ける。そして、この帯電手段が、2次転写位置において第3像担持体に転写されずに第2像担持体表面に残った残留トナーを、第1像担持体の表面電位と逆極性に帯電させる。これとともに、この第2像担持体上の逆極性の残留トナーを、1次転写と同時に1次転写ニップを介して第1像担持体表面に戻されるように構成されている。
【0008】
また特許文献2には残留トナーを帯電する帯電器を有するインライン方式の画像形成装置についての提案がある。インライン方式の画像形成装置では特定の残留トナー容器に残留トナーが多く入り、そのカートリッジのみ交換頻度が上昇し、不経済となる。このため残留トナーが多く入るカートリッジのみ残留トナーを収容する容器の容量を大きくする提案がなされている。
【0009】
また特許文献3には画像形成装置の各種校正用のテスト画像形成時やジャム時等に転写体上に残余したトナーを異なる画像形成ステーションに振り分ける方法について提案がなされている。
【特許文献1】特開平09−050167号公報
【特許文献2】特開2004−021134号公報
【特許文献3】特開2001−175047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献3によれば、転写体上に残余した残留トナーを異なる画像形成ステーションに振り分けて回収できる。特許文献3では回収ステーションを選択する方法として、各色成分の画像データから、転写体上の残留トナー振り分け方法を変えていく方法等が例示されている。具体的には、各色成分の画像データから各色のトナー使用量を求め、この値から転写体上の残留トナー量を算出するというものである(以後ピクセルカウントによる残留トナー量の算出と称す)。
【0011】
しかし、各ステーションに具備される不揮発性記憶素子としてのメモリタグと通信できない場合には、ステーション内の残留トナー量が分からないために、回収可能な残留トナー量を見積もることができない。この状態で残留トナーを回収し続けると、プロセスカートリッジから残留トナーが溢れ出てしまう(以後トナー漏れと称す)可能性があり、ユーザビリティを低下させる可能性があった。
【0012】
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、画像形成部が有する第1の記憶素子と通信できない場合に、画像形成部の残留トナー容器に回収した残留トナーのトナー漏れを防止または低減することが可能となる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
【0014】
(1)トナー像が形成される像担持体と、前記像担持体の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、前記クリーニング手段により前記像担持体の表面から除去されたトナーを貯留する残留トナー容器と、前記残留トナー容器に貯留されたトナーの蓄積量の情報を記憶する第1の記憶素子と、を有する複数の画像形成部と、前記像担持体の表面に形成されたトナー像が1次転写される中間転写体と、前記像担持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体に転写する1次転写手段と、前記中間転写体上に残留したトナーを帯電させるトナー帯電手段と、前記トナー帯電手段により帯電されたトナーを前記中間転写体上から画像形成部に回収する動作を制御する制御手段と、前記制御手段により前記中間転写体に残留したトナーを回収する動作を制御する際に、前記複数の画像形成部から前記トナーの回収先となる画像形成部を選択する選択手段と、を備え、前記選択手段は、前記複数の画像形成部から、正常に通信を行うことができる第1の記憶素子を有する画像形成部を、前記トナーの回収先として選択することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1の記憶素子が通信できないことを検知し、第1の記憶素子が正常な画像形成部を優先的に残留トナーの回収先とすることができる。これにより、残留トナー容器のトナー漏れを防止又は低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0017】
<画像形成装置の構成>
図1に本発明の実施例1を説明する画像形成装置の断面概略構成を示す。なお、本実施例では、第1ステーションをイエロー(Y)色のトナー画像形成用のステーション、第2ステーションをマゼンタ(M)色のトナー画像形成用のステーションとしている。また、第3ステーションをシアン(C)色のトナー画像形成用のステーション、第4ステーションをブラック(K)色のトナー画像形成用のステーションとしている。
【0018】
第1ステーションでは、1aは像担持体としてのOPC(有機光導電体)感光ドラムである。感光ドラム1aは金属円筒上に感光して電荷を生成するキャリア生成層、発生した電荷を輸送する電荷輸送層などからなる機能性有機材料が複数層積層されたものであり、最外層は電気的導電性が低くほぼ絶縁である。帯電手段として帯電ローラ2aが感光ドラム1aに当接され、感光ドラム1aの回転にともない、従動回転しながら感光ドラム1a表面を均一に帯電する。帯電ローラ2aには直流電圧もしくは交流電圧を重畳した電圧が印加され、帯電ローラ2aと感光ドラム1a表面の当接ニップ部から上下流側の微小な空気ギャップで放電が発生することにより感光ドラム1aは帯電される。クリーニングユニット3aは、感光ドラム1a表面の残留トナーをかきとるクリーニング手段としての、クリーニングブレードと、かきとった残留トナーを貯留する残留トナー容器からなる。現像手段としての現像ユニット8aは、現像ローラ4a、非磁性1成分現像剤(以下、単にトナーとする)5a、現像剤塗布ブレード7aからなる。第1の記憶素子としてのメモリタグ100aには、残留トナー容器内のトナー量を記憶する。上述の1a〜100aは、画像形成部としての画像形成装置から着脱自在な一体型のプロセスカートリッジ9aとなっている。
【0019】
11aは露光手段としての露光装置であり、レーザ光を多面鏡によって走査させるスキャナユニット又はLEDアレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1a上に照射する。また、帯電ローラ2aは、帯電ローラ2aへの電圧供給手段である帯電バイアス電源20aに接続されている。現像ローラ4aは、現像ローラ4aへの電圧供給手段である現像バイアス電源21aに接続されている。1次転写ローラ81aは、1次転写手段としての1次転写ローラ81aへの電圧供給手段である1次転写バイアス電源84aに接続されている。
【0020】
以上が第1ステーションの構成であり、第2、第3、第4ステーションも同様の構成をしており、同一の番号の後ろにb、c、dの符号を付している。なお、以降、第1ステーションから第4ステーションまでの全てを対象として述べる際には、例えば、「感光ドラム1a〜1d」とすべきところを「感光ドラム1」のようにa〜dの符号を省略して記載する場合もあることとする。
【0021】
中間転写体としての中間転写ベルト80は、その張架部材として2次転写対向ローラ86、駆動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることにより、中間転写ベルト80は感光ドラム1a〜1dに対して順方向にほぼ同速度で移動する。また、中間転写ベルト80は、矢印方向(時計回り)に回転し、1次転写ローラ81aは中間転写ベルト80をはさんで感光ドラム1aと反対側に配置されている。また、1次転写ローラ81aの中間転写ベルト80回転方向下流側には除電部材23aが配置されている。駆動ローラ14、テンションローラ15および除電部材23a、2次転写対向ローラ86は電気的に接地されている。トナー帯電手段としてのトナー帯電ローラ88(以後ICLローラと称す)は、2次転写ローラ82よりも回転方向下流で、第1ステーションの1次転写ローラ81aよりも回転方向上流に配置されている。
【0022】
また、89はICLローラ88に電圧を印加する高圧電源、85は2次転写ローラ82に電圧を印加する2次転写バイアス電源である。16は記録材Pを積載する記録材カセット、17は記録材Pをピックアップする給紙ローラ、18は記録材Pを中間転写ベルト80と2次転写ローラ82とで形成される当接部へ搬送するレジストローラである。19は記録材P上に転写されたトナー像を加熱定着する定着装置である。また、記録材検知手段たるフォトインタラプタ200が具備されている。
【0023】
<CPU周りのブロック図>
図2は本発明の画像形成装置の主な電気的構成を説明するブロック図を示す。ホストコンピュータ40は印刷指令を出し、印刷画像の画像データを画像形成装置内に設置される画像形成装置コントローラ41に転送する役割を担う。画像形成装置コントローラ41はホストコンピュータ40からの画像データを露光データに変換し、エンジンコントローラ42に印刷指令を出す。エンジンコントローラ42は低圧電源43から電力供給されて動作し、印刷指令を受け取ると各種センサ54の状態を監視しながら画像形成シーケンスをスタートさせる。エンジンコントローラ42にはCPU70、ASIC71、第2の記憶素子たる不揮発性メモリ65等が搭載されており、予めプログラムされた動作を行う。なお、第2の記憶素子である不揮発性メモリ65は、エンジンコントローラ42が有する構成でなくても、画像形成装置内であってプロセスカートリッジ9以外すなわち画像形成部以外に設けられる構成であればよい。
【0024】
具体的にはメインモータ、現像ユニット8、感光ドラム1の駆動装置等の、各種駆動装置56の動作を制御する。同時に露光光量が安定するよう露光装置11の制御を行う。また定着装置19に接続された電力制御装置57を制御して定着装置19の温度が所定の温度を維持するよう電力制御を行う。
【0025】
またエンジンコントローラ42は高圧電源44に設けられた複数の高圧電源の印加電圧、電流をモニタしながら予めプログラムされた制御電圧、制御電流、タイミングで高圧電源の制御を行う。高圧電源44には画像形成を司る各種の機能部品が接続される。各ステーション(図中「1st」等と記す)に設けられた感光ドラム1を帯電する帯電ローラ2は、高圧電源44から高圧電圧の給電を受けて各ステーションの感光ドラム1と当接又は近接して感光ドラム1表面を均一な電位に帯電する役割を担う。この帯電電位の制御は高圧電源44内で生成する高圧電圧をエンジンコントローラ42が制御することにより行われる。同様に各ステーションに設けられた現像ローラ4、各ステーションに設けられた1次転写ローラ81aから81d、2次転写ローラ82、トナー帯電ローラ(ICLローラ)88にも高圧電圧が高圧電源44から給電される。そして、その印加電圧、印加電流はエンジンコントローラ42で制御される。
【0026】
また、エンジンコントローラ42は、残留トナー容器内のトナー量を認識する方法として次に示す方法を用いている。画像形成装置コントローラ41から出力される各色成分の画像データをASIC71内部の画像データカウント部72でカウントする。つまり、画像データからトナーの使用量を見積もる。次に、トナーの使用量から、中間転写ベルト80上の残留トナーの量を算出し、残留トナーを回収したステーションに具備されるメモリタグ100a〜100dに、トナー量のデータを書き込む。この一連の動作により、プロセスカートリッジ9a〜9dのいずれかが交換された場合などでも、CPU70は残留トナー容器内のトナー量を認識することが可能となる。
【0027】
また、CPU70は印刷枚数を認識するために、給紙装置55から給紙された記録材を検知する記録材検知手段たるフォトインタラプタ200からの信号をカウントすることにより、印刷枚数を認識することができる。
【0028】
<画像形成の方法>
次に本発明の画像形成装置の画像形成動作を、図1を参照して説明する。画像形成装置は待機状態から印刷指令を受けると画像形成動作がスタートする。感光ドラム1a〜1dや中間転写ベルト80等は所定のプロセススピードで矢印方向に回転を始める。感光ドラム1aは帯電ローラ2aに帯電バイアス電源20aよって一様に負極性(本実施例では感光ドラム1表面電位を−500Vとした)に帯電され、続いて露光装置11aからの走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。
【0029】
現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて現像ローラ4aに塗布される。そして、現像ローラ4aには、現像バイアス電源21aより、−300Vのバイアスが供給される。感光ドラム1aが回転して感光ドラム1a上に形成された静電潜像が現像ローラ4aに到達すると、静電潜像は負極性のトナー5aによって可視化され、感光ドラム1a上には第1色目(本実施の形態では、Y)のトナー像が形成される。他のM,C,Kの第2〜第4ステーションも同様に動作し、各色の1次転写位置間の距離に応じて、色毎に、一定のタイミングで画像形成装置コントローラ41からの書き出し信号を遅らせながら、露光による静電潜像を各感光ドラム1a〜1d上に形成する。そして、それぞれの1次転写ローラ81a〜81dに適当なトナーと逆極性(すなわち正極性)のDCバイアスを印加する。以上の工程により、順に中間転写ベルト80にトナー像を転写していき、中間転写ベルト80上に多重画像が形成される。
【0030】
その後、露光による静電潜像の作像に合わせて、記録材カセット16に積載されている記録材Pは、給紙ローラ17によりピックアップされ、不図示の搬送ローラによりレジストローラ18にまで搬送される。そして、記録材Pは中間転写ベルト80上のトナー像に同期してレジストローラ18によって、中間転写ベルト80と2次転写ローラ82とで形成される当接部へ搬送される。その後、2次転写ローラ82には2次転写バイアス電源85により、トナーと逆極性(すなわち正極性)のバイアスの印加を行い、記録材P上に中間転写ベルト80上に担持された4色の多重トナー像は一括して2次転写される。
【0031】
2次転写終了後の記録材は定着装置19へと搬送され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として画像形成装置外へと排出される。画像形成物が画像形成装置外に正常に排出されたことを不図示の各種センサで検知すると画像形成装置は各駆動装置の動作を停止して待機状態に戻る。
【0032】
<残留トナーの回収方法>
中間転写ベルト80上の残トナーは、中間転写ベルト80に当接配置されたICLローラ88により逆極性に帯電される。ICLローラ88はΦ6のニッケルメッキ鋼棒にEPDMゴムにカーボンが分散されたソリッド弾性体を肉厚5mmで被覆したものを用いている。抵抗値は、絶対水分量1g/m3においては、100V印加時に4×10Ω、絶対水分量25g/m3においては、100V印加時に2.5×10Ωである。ICLローラ88は高圧電源89(ICLバイアス電源)が接続され周波数1kHzでピーク間電圧が1800VのAC電圧に+500VのDC電圧が重畳された電圧が印加されている。
【0033】
ICLローラ88と中間転写ベルト80間では当接ニップ部の上流側および下流側の微小ギャップ部で放電が起きており、中間転写ベルト80上の残留トナーを正規の帯電極性とは逆極性(すなわち正極性)側により帯電する作用がある。
【0034】
帯電を受け逆極性となった残トナーは中間転写ベルト80上に乗ったまま画像形成ステーションへと移動し、1次転写バイアス電源84に正バイアスを印加することによって、感光ドラム1に逆転写される。そして、残トナーは、そのステーションのクリーニングユニット3のクリーニングブレードによってかきとられ残留トナー容器に回収される。
【0035】
<残留トナー振り分け回収方法>
ICLローラ88によって逆極性に変化した残留トナーを、ステーションに振り分けて回収する場合には、回収先のステーションの1次転写バイアス電源84を正バイアスにし、その他のステーションの1次転写バイアス電源84を負バイアスにすれば良い。その結果、ICLローラ88によって逆極性に変化した残留トナーは、中間転写ベルト80上に乗ったまま画像形成ステーションへと移動し、回収先のステーションの感光ドラムにのみ逆転写され、そのステーションの残留トナー容器に回収される。
【0036】
残留トナー振り分け回収する場合の各ステーションの1次転写バイアス電源設定を表1に示す。表1は、残留トナー振り分け回収時の1次転写バイアス電源設定を示す表である。
【0037】
【表1】

【0038】
また、残留トナーの回収先のプロセスカートリッジを選択する選択手段としてのCPU70は、後述するシーケンス(図3、4、5)によって残留トナーの回収先を決定する。
【0039】
なお、残留トナーを回収する動作は、エンジンコントローラ42によって制御される。
【0040】
<実施例1で解決する問題点>
これより、実施例1で解決する残留トナーについて述べる。
【0041】
前述したように、中間転写ベルト80を利用した画像形成装置では、中間転写ベルト80上に不要なトナーが残留してしまうという問題がある。例えば、画像形成装置の色ずれを校正するために使用するテスト画像用トナーや、ジャム時に記録材Pに転写されずに中間転写ベルト80上に残ったトナーである。また、中間転写ベルト80から記録材Pに2次転写を行った後に、記録材Pに転写されずに中間転写ベルト80の表面に残った残留トナーである。
【0042】
このような残留トナーのうち、実施例1では、画像形成装置の色ずれを校正するために使用するテスト画像用トナーや、ジャム時に記録材Pに転写されずに中間転写ベルト80上に残った残留トナーを除去する方法について具体的に述べる。
【0043】
<実施例1におけるシーケンス>
画像形成装置の色ずれを校正するために使用するテスト画像用トナーや、ジャム時に記録材Pに転写されずに中間転写ベルト80上に残ったトナーを回収するシーケンスを図3に示す。
【0044】
中間転写ベルト80上の残留トナーを回収するクリーニングシーケンスを開始すると、ステップ102(以降、S102のように記す)で、CPU70はASIC71を介して各ステーションのメモリタグ100a〜100dと通信を行う。メモリタグからの応答が無い場合には、CPU70は、応答の無いメモリタグが故障していると判断する。すなわち、CPU70は、ASIC71を介してメモリタグ100a〜100dとの通信を行うことによって、メモリタグ100a〜100dの故障検知を行うこととなる。S103で、全ステーションのメモリタグ100a〜100dが故障しているかの判断を行う。
【0045】
S103で全ステーションのメモリタグ100a〜100dが故障している場合、S110で、前回クリーニングシーケンスを行ったときに回収したステーションの次ステーションに残留トナーを回収する。例えば、前回第1ステーション(1st)に残留トナーを回収した場合には、今回は第2ステーション(2st)で残留トナーの回収を行うようにする。また、例えば前回第4ステーション(4st)に残留トナーを回収した場合には、今回は第1ステーション(1st)で残留トナーの回収を行うようにする。ここで、最後に残留トナーを回収したステーション(例えば、第1ステーション)の情報は、エンジンコントローラ42上の不揮発性メモリ65に記憶されている(後述するS112の処理となる)。S111で、残留トナーの回収先となるステーションを順次変更し、それぞれのステーションで順次回収する(例えば、第1ステーション(1st)→第2ステーション(2st)→第3ステーション(3st)→第4ステーション(4st)等)。
【0046】
S103で1つでも正常なメモリタグがある場合、S104で、メモリタグが正常な(すなわち、CPU70と通信を行うことができたメモリタグを有する)ステーションの残留トナー容器が満杯かの判断を行う。ここで、残留トナー容器が満杯か否かは、例えば、メモリタグに記憶された残留トナーの蓄積量T(Tは後述する)に基づき判断する。メモリタグが正常な全ステーションの残留トナー容器が満杯の場合、クリーニングシーケンスを終了する(S113)。
【0047】
一方、S104で、メモリタグが正常なステーションの残留トナー容器に空きがある場合、S105の処理に進む。S105で、画像形成装置コントローラ41から出力される各色成分の画像データをASIC71内部の画像データカウント部72でカウントし、中間転写ベルト80上の残留トナー量Tを算出する。S106で、2次転写バイアス電源85を負バイアスに設定し、中間転写ベルト80上の残留トナーを2次転写ローラ82に付着させないようにする。S107で、ICLローラ88に正バイアスを印加し、残留トナーの極性を正規の極性とは逆極性(正極性)に変える(すなわち、残留トナーの極性を反転させる)。S108で、前述した残留トナー振り分け回収方法を用いて(表1参照)、メモリタグが正常なステーションに不要を回収する。S109で、今回回収した残留トナー量T(S105で算出した値T)を、回収先のステーションが具備するメモリタグ内の残留トナー量に積算する(T=Tn−1+T、ここでTn−1は前回までに回収した残留トナー量、Tは残留トナーの蓄積量)。S112で、エンジンコントローラ42上の不揮発性メモリ65に、最後に残留トナーを回収したステーションの情報を記録し、クリーニングシーケンスを終了する。
【0048】
<本実施例の効果>
本実施例によれば、画像形成装置の色ずれを校正するために使用するテスト画像用トナーや、ジャム時に記録材に転写されずに中間転写体上に残ったトナー等をクリーニングする際に、残留トナー容器のトナー漏れを防止又は低減することができる。これは、メモリタグと通信できないことを検知し、メモリタグが正常なステーションへ優先的に残留トナーを回収する構成によって実現される。
【実施例2】
【0049】
<実施例2で解決する問題>
実施例2では、連続プリント中において、中間転写体から記録材に2次転写を行った後に、記録材に転写されずに中間転写体の表面に残った残留トナーを除去する方法について具体的に述べる。なお、画像形成装置の構成やCPU周りのブロック図、画像形成の方法は、実施例1で説明したものと同様であるため説明を省略し、図1、図2で説明したものと同じ符号を用いて説明する。
【0050】
<残留トナーの回収方法>
2次転写を終えた後、中間転写ベルト80上に残留した残留トナーは、中間転写ベルト80に当接配置されたICLローラ88により帯電される。ICLローラ88はΦ6のニッケルメッキ鋼棒にEPDMゴムにカーボンが分散されたソリッド弾性体を肉厚5mmで被覆したものを用いている。抵抗値は、絶対水分量1g/m3においては、100V印加時に4×10Ω、絶対水分量25g/m3においては、100V印加時に2.5×10Ωである。ICLローラ88は高圧電源89が接続され周波数1kHzでピーク間電圧が1800VのAC電圧に+500VのDC電圧が重畳された電圧が印加されている。
【0051】
2次転写前に正規の帯電極性(負極性)をもつトナーは2次転写工程で記録紙P上に転移するため、残留トナーは、正規の帯電極性(負極性)とは逆極性(正極性)に帯電されているものが多い。しかし、全ての残留トナーが正極性に反転しているわけではなく、中和され電荷をもたないトナーや、負極性を維持しているトナーも一部存在する。このため、ICLローラ88により帯電させて、全ての残留トナーを正極性とする必要がある。ICLローラ88と中間転写ベルト80間では当接ニップ部の上流側および下流側の微小ギャップ部で放電が起きており、中間転写ベルト80上の残留トナーを正規の帯電極性とは逆極性(すなわち正極性)側により帯電する作用がある。
【0052】
帯電を受けた残留トナーは中間転写ベルト80上に乗ったまま画像形成ステーションへと移動し、感光ドラム1に逆転写され、そのステーションのクリーニングユニット3のクリーニングブレードによりかきとられ、残留トナー容器に回収される。
【0053】
<実施例2におけるシーケンス>
連続プリント中において、中間転写ベルト80から記録材Pに2次転写を行った後に、記録材Pに転写されずに中間転写ベルト80の表面に残った残留トナーを回収するシーケンスを図4に示す。
【0054】
連続プリント中の2次転写後に中間転写ベルト80上に残留した残留トナーを回収する1次転写同時クリーニングを開始する。S202で、CPU70はASIC71を介して各ステーションのメモリタグ100a〜100dと通信を行う。メモリタグからの応答が無い場合には、CPUはメモリタグが故障していると判断する。すなわち、CPU70は、ASIC71を介してメモリタグ100a〜100dとの通信を行うことによって、メモリタグ100a〜100dの故障検知を行うこととなる。S203で、全ステーションのメモリタグが故障しているかの判断を行う。
【0055】
S203で全ステーションのメモリタグが故障している場合、S214で、連続プリントの給紙間隔を広げる。給紙間隔を広げるのは、給紙された記録材と次に給紙される記録材との間(給紙間)(以下、記録材間とする)で、残留トナーを回収できるようにするためである。なお、図2に示すように、記録材の給紙間隔の制御、すなわち記録材給紙制御は、エンジンコントローラ42のCPU70が給紙装置55を制御することにより行う。
【0056】
S215で、連続プリントの給紙間隔を広げた結果できた記録材間において、前回クリーニングで回収先となったステーションの次ステーションに残留トナーを回収する。例えば、前回第1ステーション(1st)に残留トナーを回収した場合には、今回は第2ステーション(2st)で残留トナーの回収を行うようにする。また、例えば、前回第4ステーション(4st)に残留トナーを回収した場合には、今回は第1ステーション(1st)で残留トナーの回収を行うようにする。ここで、最後に残留トナーを回収したステーションの情報は、エンジンコントローラ42上の不揮発性メモリ65に記憶されている(後述するS217の処理となる)。S216で、残留トナーの回収先となるステーションを順次変更する(例えば、第1ステーション(1st)→第2ステーション(2st)→第3ステーション(3st)→第4ステーション(4st)等)。
【0057】
S203で、1つでも正常なメモリタグがある場合、S204の処理に進む。S204で、実施例1で説明したように、画像形成装置コントローラ41から出力される各色成分の画像データをASIC71内部の画像データカウント部72でカウントし、中間転写ベルト80上の残留トナー量Tを算出する。S205で、第1ステーション(1st)のメモリタグ100aが故障しているかの判断を行う。ここで、第1ステーション(1st)のメモリタグ100aが故障している場合、S209で、第1ステーション(1st)以外のメモリタグ100b〜100dが故障しているかの判断を行う。
【0058】
第1ステーション(1st)以外のメモリタグ100b〜100dも故障している場合、前述したS214以降の処理を行う。
【0059】
S209で、第1ステーション(1st)以外のメモリタグ100b〜100dが、少なくとも1つ以上正常である場合、S210の処理に進む。S210で、メモリタグが正常な(すなわち、CPU70と通信を行うことができたメモリタグを有する)ステーションの残留トナー容器が満杯かの判断を行う。ここで、残留トナー容器が満杯か否かは、例えば、メモリタグに記憶された残留トナーの蓄積量Tに基づき判断する。なお、トナー容器が満杯かを検知するためにトナー容器内にトナー量を検出するセンサを設けて、そのセンサからの出力に基づき検知してもよい。メモリタグが正常な全ステーションの残留トナー容器が満杯の場合、1次転写同時クリーニングを終了する。
【0060】
S210で、メモリタグが正常なステーションの残留トナー容器に空きがある場合、S211で、記録材間で残留トナーを回収するために連続プリントの給紙間隔を広げる。S212で、連続プリントの給紙間隔を広げた結果できた記録材間において、前述した残留トナー振り分け回収方法(表2参照)を用いて、メモリタグが正常なステーションに残留トナーを回収する。S213で、今回回収した残留トナー量Tを、回収先となったステーションが具備するメモリタグ内の残留トナー量に積算する(T=Tn−1+T、ここでTn−1は前回までに回収した残留トナー量、Tは残留トナーの蓄積量)。
【0061】
S217で、エンジンコントローラ42上の不揮発性メモリ65に、最後に残留トナーを回収したステーションの情報を記録し、1次転写同時クリーニングを終了する。
【0062】
S205で、第1ステーション(1st)のメモリタグ100aが故障していない場合は、S206で第1ステーション(1st)の残留トナー容器が満杯かの判断を行う。ここで、第1ステーションの残留トナー容器が満杯の場合、S209以降の処理を行う。
【0063】
S206で、第1ステーションの残留トナー容器に空きがある場合、S207で、第1ステーションの残留トナー容器に残留トナーを回収する。そして、S208で、今回回収した残留トナー量Tを、第1ステーションが具備するメモリタグ100a内の残留トナー量に積算する(T=Tn−1+T、ここでTn−1は前回までに回収した残留トナー量、Tは残留トナーの蓄積量)。その後、S217で、エンジンコントローラ42上の不揮発性メモリ65に、最後に残留トナーを回収したステーションの情報、すなわち、第1ステーションの情報を記録し、1次転写同時クリーニングを終了する。
【0064】
このように、1次転写同時クリーニングでは、第1ステーションのメモリタグ100aが通信可能で残留トナー容器に空きがあれば、残留トナーの回収先として第1ステーションを選択するようにする。一方、第1ステーションのメモリタグ100aが通信不能又は残留トナー容器が満杯であれば、その他のステーションを回収先として選択し、この場合は給紙間隔を広げて記録材間で残留トナーを回収するようにする。
【0065】
<本実施例の効果>
本実施例により、連続プリント中に1次転写同時クリーニングを行う際に、メモリタグが通信できないことを検知し、メモリタグが正常なステーションへ優先的に残留トナーを回収することで、残留トナー容器のトナー漏れを防止または低減することができる。
【実施例3】
【0066】
<実施例3で解決する問題>
実施例2に記載の連続プリント中の1次転写同時クリーニングシーケンスでは、第1ステーションに積極的に残留トナーを回収するため、第1ステーション(1st)の残留トナー回収量が大きくなる。そこで、少しでも第1ステーションの残留トナー回収量を少なくするために、連続プリント中の最後の記録材については、第1ステーション以外のステーションにも回収することを考える。なお、画像形成装置の構成やCPU周りのブロック図、画像形成の方法、残留トナーの回収方法は、実施例1で説明したものと同様であるため説明を省略し、図1、図2で説明したものと同じ符号を用いて説明する。また、残留トナーの回収方法は、実施例2で説明したものと同様であるため説明を省略する。
【0067】
<実施例3におけるシーケンス>
連続プリントの最後の記録材(最終記録材)において、中間転写ベルト80から記録材Pに2次転写を行った後に、記録材Pに転写されずに中間転写ベルト80の表面に残った残留トナーを除去するシーケンスを図5に示す。
【0068】
1次転写同時クリーニングが開始されると、S302で、CPU70は、記録材検知手段たるフォトインタラプタ200からの通紙枚数をカウントし、印刷ジョブの最後の記録材かの判断を行う。
【0069】
印刷ジョブの最後の記録材Pである場合には(S302 Y)、実施例1で説明した図3に示すクリーニングシーケンスを実行する。
【0070】
印刷ジョブの最後の記録材ではない場合には(S302 N)、実施例2で説明した図4に示す1次転写同時クリーニングシーケンスを実行する。
【0071】
<本実施例の効果>
本実施例により、印刷ジョブの最後の記録材(ラスト紙)である場合に1次転写同時クリーニングではなく、実施例1記載のクリーニング方法を行うことで、残留トナーが第1ステーションの残留トナー容器に集中して回収されることを防ぐことができる。
【実施例4】
【0072】
<実施例4で解決する問題>
全てのメモリタグ100a〜100dが故障している場合に、特定ステーションに残留トナーを回収し続けると、特定ステーションの残留トナー容器が一杯になる。そこで、残留トナーを各ステーションに均一に回収させる必要がある。
【0073】
実施例1、2、3で説明した全メモリタグ故障時の残留トナー回収方法とは別の回収方法を、実施例4で説明する。なお、画像形成装置の構成やCPU周りのブロック図、画像形成の方法は、実施例1で説明したものと同様であるため説明を省略し、図1、図2で説明したものと同じ符号を用いて説明する。
【0074】
<実施例4におけるシーケンス>
全てのメモリタグ100a〜100dが故障している場合に、残留トナーを各ステーションに均一に回収させるシーケンスを図6に示す。
【0075】
クリーニングシーケンスが開始されると、S402で、全ステーションのメモリタグが故障しているかの判断を行う。すなわち、CPU70は、ASIC71を介してメモリタグ100a〜100dとの通信を行うことによって、メモリタグ100a〜100dの故障検知を行うこととなる。
【0076】
S403で、メモリタグ100a〜100dが全て故障している場合には、S405でエンジンコントローラ42上の不揮発性メモリ65に記憶してある、各ステーションのピクセルカウント値が平均値になるように、残留トナーを各ステーションに振り分ける。例えば、各ステーションのピクセルカウント値を比較し、ピクセルカウント値が最も小さいステーションに残留トナーを回収するなどする。そして、クリーニングシーケンスを終了する。
【0077】
一方、S403で、メモリタグ100a〜100dが少なくとも1つ正常な場合には、実施例1の図3で説明したクリーニングシーケンス、又は、実施例2の図4で説明した1次転写同時クリーニングシーケンスを実行する。なお、残留トナーの回収方法又は残留トナーの回収方法は、実施例1又は2で説明したものと同様であるため説明を省略する。
【0078】
<本実施例の効果>
本実施例により、全てのメモリタグが故障している場合に、残留トナーを各ステーションに均一に回収するため、残留トナー容器のトナー漏れを防止または低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1〜4の画像形成装置を説明する概略構成断面図
【図2】実施例1〜4の電気的構成を説明するブロック図
【図3】実施例1のクリーニングシーケンスを説明するフローチャート
【図4】実施例2のクリーニングシーケンスを説明するフローチャート
【図5】実施例3のクリーニングシーケンスを説明するフローチャート
【図6】実施例4のクリーニングシーケンスを説明するフローチャート
【符号の説明】
【0080】
1a〜1d 感光ドラム(像担持体)
2a〜2d 帯電ローラ
3a〜3d クリーニングユニット
11a〜11d 露光装置
15 テンションローラ
19 定着装置
42 エンジンコントローラ(制御手段)
65 不揮発性メモリ(第2の記憶素子)
70 CPU(選択手段)
80 中間転写ベルト(中間転写体)
81a〜81d 1次転写ローラ(1次転写手段)
82 2次転写ローラ
84a〜84d 1次転写バイアス電源
85 2次転写バイアス電源
86 2次転写対向ローラ
88 トナー帯電ローラ(トナー帯電手段)
89 トナー帯電バイアス電源
100a〜100d メモリタグ(第1の記憶素子)
200 フォトインタラプタ(記録材検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体の表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、
前記クリーニング手段により前記像担持体の表面から除去されたトナーを貯留する残留トナー容器と、
前記残留トナー容器に貯留されたトナーの蓄積量の情報を記憶する第1の記憶素子と、
を有する複数の画像形成部と、
前記像担持体の表面に形成されたトナー像が1次転写される中間転写体と、
前記像担持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体に転写する1次転写手段と、
前記中間転写体上に残留したトナーを帯電させるトナー帯電手段と、
前記トナー帯電手段により帯電されたトナーを前記中間転写体上から画像形成部に回収する動作を制御する制御手段と、
前記制御手段により前記中間転写体に残留したトナーを回収する動作を制御する際に、前記複数の画像形成部から前記トナーの回収先となる画像形成部を選択する選択手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記複数の画像形成部から、正常に通信を行うことができる第1の記憶素子を有する画像形成部を、前記トナーの回収先として選択することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記第1の記憶素子に記憶された前記トナーの蓄積量の情報に基づいて、前記トナーの回収先となる画像形成部を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記録材の給紙間隔を制御する記録材給紙制御手段を備え、
前記制御手段は、前記記録材給紙制御手段により記録材の給紙間隔を広くするように制御し、記録材の給紙間に前記トナーを回収するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録材を検知する記録材検知手段を備え、
前記選択手段は、前記記録材検知手段により検知された記録材が連続印刷の最終記録材であるか否かに応じて、前記トナーの回収先となる画像形成部を選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の画像形成部以外に設けられ、前記トナーの回収先となった画像形成部の情報を記憶する第2の記憶素子を備え、
前記複数の画像形成部の全ての画像形成部で第1の記憶素子と正常に通信が行えない場合には、
前記選択手段は、前記複数の画像形成部を前記トナーの回収先として選択し、
前記制御手段は、前記第2の記憶素子に記憶された前記画像形成部の情報に基づき、前記トナーを前記複数の画像形成部に順次回収するように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の画像形成部以外に設けられ、画像情報を記憶する第2の記憶素子を備え、
前記複数の画像形成部の全ての画像形成部で第1の記憶素子と正常に通信が行えない場合には、
前記選択手段は、前記第2の記憶素子に記憶された前記画像情報より算出したトナー量の情報に基づき、前記トナーの回収先となる画像形成部を選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−26225(P2010−26225A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187054(P2008−187054)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】