画像形成装置
【課題】 記録紙の繊維配向方向と光照射方向との関係次第では、同じ記録紙であっても、異なる判別結果になってしまう恐れがある
【解決手段】 画像を形成する記録紙の表面状態を検出する画像形成装置であって、第1光束と第2光束を出射する光源と、前記第1光束に照射された状態の記録紙表面の第1画像、及び、前記第2光束に照射された状態の記録紙表面の第2画像を撮像する撮像器と、を有し、前記第1光束の中心の光線を含む直線と前記第2光束の中心の光線を含む直線とを夫々記録紙表面に投影すると交差しており、前記第1画像及び、前記第2画像に基づいて記録紙表面の凹凸に関する情報を検出することを特徴とする画像形成装置。
【解決手段】 画像を形成する記録紙の表面状態を検出する画像形成装置であって、第1光束と第2光束を出射する光源と、前記第1光束に照射された状態の記録紙表面の第1画像、及び、前記第2光束に照射された状態の記録紙表面の第2画像を撮像する撮像器と、を有し、前記第1光束の中心の光線を含む直線と前記第2光束の中心の光線を含む直線とを夫々記録紙表面に投影すると交差しており、前記第1画像及び、前記第2画像に基づいて記録紙表面の凹凸に関する情報を検出することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段によって撮像された表面画像に基づいて記録紙の表面状態を検出する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置は、記録紙に現像装置によって可視化された現像剤像を所定の転写条件にて転写し、転写された記録紙を所定の定着条件にて加熱及び加圧することにより現像剤像を記録紙に定着させている。
【0003】
従来、かかる画像形成装置においては、例えば、画像形成装置本体に設けられた操作パネル等に記録紙としての記録紙のサイズや種類(以下、紙種ともいう)がユーザによって設定されている。そして、その設定に応じて転写条件(例えば転写バイアスや転写時の記録紙の搬送速度)や定着条件(例えば、定着温度や定着時の記録紙の搬送速度)が制御されている。
【0004】
また近年では、記録紙の表面状態をエリアセンサによって撮像し、撮像した表面画像から表面平滑度を検知して、記録紙の種類を判別し、その判別結果に応じて転写条件あるいは定着条件を制御する手法が提案されている(特許文献1参照)。このように、記録紙の表面をエリアセンサによって撮像する手法は、表面の凹凸に起因して生じる陰影を直接的に撮影しているため、判別精度が優れている。特にコート紙(光沢紙)とノンコート紙(普通紙)を区別する時のように、凹凸の有無あるいはその大きさや深さが視覚的にはっきりと区別できる記録紙の判別において優れた精度が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−38879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば記録紙としての一般オフィス用紙を判別する場合などにおいて、表面の凹凸に起因して生じる陰影の様子は用紙の繊維配向方向(漉き目方向)によって大きく異なる。即ち、用紙の繊維配向方向と直交する方向から光を照射すると表面の凹凸の様子が強調されたコントラストの高い撮影像が得られるが、繊維配向方向と同一方向から光を照射した場合には凹凸に起因した陰影が出づらくコントラストの低い撮影像となってしまう。このため、同一の用紙であっても縦通紙した場合と横通紙した場合では、両者の撮影像のコントラスト差が激しく、異なる判別結果になってしまう場合があった。
【0007】
このような課題に対し、特許文献1では、大半の記録紙の繊維配向方向が縦方向あるいは横方向に対して一致(0°)もしくは±15°以内に収まっていると仮定し、記録紙の搬送方向に対して光を15°〜75°の範囲で斜めに照射している。そして、その照射領域をエリアセンサで撮像することにより、判別精度の向上を図っている。ところが、記録紙の繊維配向方向は、製造過程における記録紙の原材料の配合率によって異なる。このため、近年のように、様々な製造拠点での製造過程を経た記録紙の繊維配向方向は、多種多様であり、必ずしも記録紙の縦方向あるいは横方向に対して一致(0°)もしくは±15°以内に収まっているとは限らない。従って、特許文献1のように、一方向からの光が照射した領域を1箇所撮像するのみでは、記録紙の繊維配向方向と光照射方向との関係次第では、同じ記録紙であっても、異なる判別結果になってしまう恐れがある。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、いかなる繊維配向方向の記録紙に対しても、記録紙の繊維配向方向と光照射方向との関係に起因する検出結果のばらつきを軽減し、判別精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下のように画像形成装置を構成する。
【0010】
画像を形成する記録紙の表面状態を検出する画像形成装置であって、第1光束と第2光束を出射する光源と、前記第1光束に照射された状態の記録紙表面の第1画像、及び、前記第2光束に照射された状態の記録紙表面の第2画像を撮像する撮像器と、を有し、前記第1光束の中心の光線を含む直線と前記第2光束の中心の光線を含む直線とを夫々記録紙表面に投影すると交差しており、
前記第1画像及び、前記第2画像に基づいて記録紙表面の凹凸に関する情報を検出することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、いかなる繊維配向方向の記録紙に対しても、記録紙の繊維配向方向と光照射方向の関係に起因する検出結果のばらつきを軽減し、判別精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)第一実施形態に係るカラー画像形成装置を示す断面図。(b)第一実施形態に係る画像形成装置の動作の制御を示すブロック図。
【図2】(a)第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す斜視図。(b)第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。(c)第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す断面図。
【図3】(a)紙(1)の縦方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。(b)紙(1)の横方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。
【図4】(a)図3(a)における表面凹凸像の明度分布を示すヒストグラム。(b)図3(b)における表面凹凸像の明度分布を示すヒストグラム。
【図5】第一実施形態における紙(1)、(2)に関する明度差の検出結果を示すグラフ。
【図6】第二実施形態に係る記録紙表面検出装置の課題を示す図。
【図7】第二実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図8】(a)第三実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す斜視図。(b)第三実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。(c)第三実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す側面図。
【図9】(a)紙(1)の縦方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。(b)紙(1)の横方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。
【図10】第三実施形態の変形例1に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図11】第三実施形態の変形例2に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図12】第三実施形態の変形例3に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図13】(a)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す斜視図。(b)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。(c)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す側面図。
【図14】(a)第四実施形態の変形例に係る記録紙表面検出装置を示す正面図。(b)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す側面図。
【図15】第一実施形態に対する比較形態としての記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図16】第一実施形態に対する比較形態における紙(1)、(2)に関する明度差の検出結果を示すグラフ。
【図17】記録紙表面検出装置における課題を説明するための上視図。
【図18】記録紙表面検出装置における課題を説明するための上視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0014】
<第一実施形態>
本発明を適用可能な第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を備えた画像形成装置について説明する。なお、以下の説明では、まず第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を備えた画像形成装置を例示して説明し、次いで画像形成装置に用いられる記録紙表面検出装置について詳しく説明する。
【0015】
[画像形成装置の構成]
第一実施形態にかかる記録紙表面検出装置は、例えば電子写真方式のカラー画像形成装置で用いられることが可能であり、図1(a)はその一例である中間転写ベルトを採用したタンデム方式のカラー画像形成装置の内部構成を示す断面図である。
【0016】
図1(a)に示すカラー画像形成装置には、第1から第4画像形成部を構成する4個のプロセスカートリッジ31(31Y,31M,31C,31Bk)が装着されている。各画像形成部は、順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色画像を形成するものであり、トナーの色が異なる以外は同じ構成である。そこで、図1(a)に示した符号Y,M,C,Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部に対応した部材を示すが、以下の説明では、特に色を区別する必要がない場合には、符号Y,M,C,Bkは省略する。
【0017】
まず図1(a)を用いて本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の動作を説明する。制御部10が印刷画像信号を受け取ると、記録紙Pは、給紙カセット15から給紙ローラ17及び搬送ローラ18によって画像形成部へと送り出される。そして、後述の画像形成動作と記録紙Pの搬送との同期をとるための搬送手段であるレジストローラ対19a、19bに一旦挟持され、停止して待機する。
【0018】
一方、制御部10は、受け取った画像信号に応じて、露光スキャナユニット11によって露光することにより、帯電ローラ2の作用によって一定電位に帯電した感光体としての感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する。ここで、前記感光ドラム1は、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて、画像形成動作に応じて時計周り方向に回転するものである。
【0019】
現像器8は前記静電潜像を可視化する現像手段である。現像器8には、現像スリーブ5が設けられており、前記静電潜像を可視化するための現像バイアスが印加されている。このように、感光ドラム1の表面に形成された前記静電潜像は、現像器8の作用によりトナー像として現像される。各感光ドラム1、帯電ローラ2、現像器8は一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能な1つのユニットであるプロセスカートリッジ31を構成している。
【0020】
中間転写ベルト24は、各感光ドラム1に接触しており、カラー画像形成時に反時計周り方向に各感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkの回転と同期して回転する。現像された各色トナー像は一次転写ローラ4に印加された一次転写バイアスの作用により順次転写され、中間転写ベルト24上で多色トナー像となる。その後、中間転写ベルト24上に形成された多色トナー像は二次転写ローラ25とで形成される二次転写ニップ部に搬送される。これと同時に、レジストローラ対19a、19bに挟持された状態で待機していた記録紙Pがレジストローラ対19a、19bの作用により中間転写ベルト24上の多色トナー像と同期を取りながら二次転写ニップ部に搬送される。そして、中間転写ベルト24上の多色トナー像が二次転写ローラ25に印加された二次転写バイアスの作用により記録紙P上に一括転写される。
【0021】
定着部21は、記録紙Pを搬送させながら、転写された多色トナー像を溶融定着させるものであり、図1(a)に示すように記録紙Pを加熱する加熱ローラ21aと記録紙Pを加熱ローラ21aに圧接させるための加圧ローラ21bを備えている。多色トナー像を保持した記録紙Pは、加熱ローラ21aと加圧ローラ21bにより搬送されるとともに、熱および圧力を加えられ、トナーが記録紙Pの表面に定着される。トナー像定着後の記録紙Pは、排出ローラ20によって排紙トレイ16に排出され画像形成動作を終了する。
【0022】
クリーニング手段28は、中間転写ベルト24上に転写残トナーとして残ったトナーをクリーニングするものであり、ここでクリーニングされた転写残トナーはクリーナ容器29に廃トナーとして蓄えられる。
【0023】
このような一連の画像形成動作は画像形成装置内に設けられた制御部10によって制御動作される。
【0024】
図1(a)の画像形成装置において、本実施形態の記録紙表面検出装置40は、レジストローラ対19a、19bの手前(記録紙搬送方向における上流側)に設置されている。記録紙表面検出装置40は、給紙カセット15から搬送された記録紙Pの表面凹凸状態(表面平滑性)に関する情報を検出することが可能である。記録紙表面検出装置40による記録紙Pの表面状態の検出は、記録紙Pが給紙カセット15から画像形成部へと送り出され、搬送手段としてのレジストローラ対19a、19bに挟持されて停止している間に行われる。
【0025】
図1(b)に画像形成装置の動作の制御ブロック図を示す。制御部10は、記録紙表面検出装置40の駆動・演算部40Cから送られてくる検出情報をもとに、各画像形成手段を最適な画像形成条件に制御して画像形成装置を動作させる。具体的に、制御部10が制御する画像形成条件とは、二次転写ローラ25の二次転写バイアス、定着部21が備える加熱ローラ21aの定着温度等である。
【0026】
[記録紙表面検出装置の構成]
次に、第一実施形態に係る記録紙表面検出装置40について説明する。図2は記録紙の表面凹凸状態を撮像するための概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上視図、(c)は(b)におけるA−A’断面図である。本実施形態に係る記録紙表面検出装置40は、光源である照射用LED42A、42B、撮像手段であるCMOSエリアセンサ43A、43B、及び、結像手段である結像レンズ44SA、44SBを備える。なお、記録紙表面検出装置40は、記録紙Pの画像が形成される面と対向するように設けられるものであり、図2では、説明の便宜上、図1(a)の記録紙表面検出装置40を180°回転して上下を反転させた状態を示している。
【0027】
本実施形態に用いる照射用LED42A、42Bとしては、高い指向性を有する白色LED(日亜化学工業製:型番NSPW300DS)を用いている。図2(a)及び図2(b)に示すように、第1光源としての照射用LED42Aは第1光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向と一致するように配置されている。また、第2光源としての照射用LED42Bは第2光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向と垂直になるように配置されている。図2(c)に示すように、これら2つの光源からの光はそれぞれ記録紙Pの表面に対して15°の角度で照射されている。このように、記録紙表面に対して小さい角度から斜めに光を照射させることにより、記録紙Pの表面の凹凸によって生じる陰影を際立たせることが可能となる。なお、記録紙Pの表面の凹凸によって生じる陰影を際立たせるためには、記録紙表面に対して0°より大きく20°以下の範囲の小さい角度で光を照射することが好ましい。
【0028】
このように記録紙Pは特定の方向から光を照射され、表面の凹凸により陰影が生じる。この陰影が生じた領域(光照射領域)からの反射光は、結像レンズ44SA、44SBによって集光されてCMOSエリアセンサ43A(第1撮像手段)、43B(第2撮像手段)に導かれる。第1エリアセンサとしてのCMOSエリアセンサ43A及び第2エリアセンサとしてのCMOSエリアセンサ43Bは、その反射光を利用して記録紙Pの表面の所定サイズのエリアの画像をそれぞれ撮像する。その反射光には記録紙Pの表面の陰影が生じた領域(光照射領域)の表面凹凸状態(表面平滑性)が反映されている。CMOSエリアセンサ43A、43Bは画像として撮像した撮像領域(光照射領域)内の画素毎に反射光量に応じて変化する映像電圧信号を検出し、駆動・演算部40Cに出力する。検出手段としての駆動・演算部40Cは、CMOSエリアセンサ43A、43Bから出力された映像電圧信号を受け取るとこれをA−D変換し、変換後の256階調のデジタル信号(明度情報)から算出したコントラスト(明度差)を検出し、制御部10へ出力する。つまり、検出手段としての駆動・演算部40Cは、撮像手段としてのCMOSエリアセンサ43によって撮像された表面画像のコントラストを検出している。また、駆動・演算部40Cは、照射用LED42の光量や発光タイミングを駆動制御している。ここで、CMOSエリアセンサ43及び駆動・演算部40Cは、記録紙表面検出装置40に備えられている。
【0029】
本実施形態において、CMOSエリアセンサ43A、43Bの有効画素サイズは縦1.5mm×横1.5mmで600dpiの解像度である。これを結像レンズ44SA、44SBと組み合わせることによって、記録紙表面における縦3.0mm×横3.0mmのエリアを300dpiの解像度で撮像できる構成としている。ここで、エリアセンサとは、縦、横にそれぞれ複数画素の情報を2次元的に1度で撮像可能なセンサのことをいう。図2に示すように、CMOSエリアセンサ43A、43Bは、照射用LED42A、42Bから光を照射される領域(光照射領域)の真下(記録紙P表面に略直交する方向にずれた位置)に設けられている。即ち光照射領域で反射し、結像レンズ44SA、44SBによって集光され、CMOSエリアセンサ43A、43Bに導かれる反射光の光軸は、記録紙Pの表面に対し略直交している。
【0030】
本実施形態においては、記録紙Pの繊維配向方向に対して異なる2方向から光を照射し、それぞれの光照射領域(第1光照射領域及び第2光照射領域)を表面画像をCMOSエリアセンサ43A、43Bが撮像している。即ち、第1光源から出射され第1光照射領域を照射する光の光軸(第1光軸)を含む直線と、第2光源から出射され第2光照射領域を照射する光の光軸(第2光軸)を含む直線とを記録紙Pの表面に投影すると、交差する関係である。このため、例えば一方の光源の光軸を記録紙Pに投影した直線と記録紙Pの繊維配向方向が一致してしまい、表面の凹凸レベルの割にコントラストの低い撮影像しか得ることができなくても、もう一方の光源の光軸を記録紙に投影した直線は繊維配向方向とは異なる方向を向くので表面の凹凸レベルを反映したコントラストの高い撮影像を得ることが可能となる。よって、これら二つの撮影像を平均化処理するなどして総合的に勘案することにより、記録紙Pの繊維配向方向と光照射方向の関係に起因する検出結果のばらつきを軽減し、記録紙Pの表面凹凸状態の判別精度を向上させることができる。なお、記録紙の繊維配向方向とは、記録紙表面の繊維の一つ一つが向く方向のその記録紙における平均の方向のことを示す。
【0031】
このような効果を良く表すための具体的な実験例を示す。実験にはLedgerサイズの普通紙(商品名:Xerox Business(登録商標) 4200 20Lb)を意図的に斜めに断裁して得たA4サイズの紙(1)と、繊維配向方向に縦方向(長手方向)で断裁して得たA4サイズの紙(2)を用いた。次に紙(1)、(2)をそれぞれ検出した場合について説明する。尚、得られたA4サイズ紙(1)を顕微鏡観察したところ、繊維方向は紙の縦方向に対して20°傾いていた。紙(1)を本実施形態における記録紙表面検出装置を用いて撮影した際に得られる撮影像は図3のようになる。図3(a)は、照射用LED42Aによって紙(1)の縦方向と同一方向から光が照射する領域内における所定サイズのエリアを表面画像としてCMOSエリアセンサ43Aで撮影した表面凹凸像である。図3(b)は、照射用LED42Bによって紙(1)の縦方向と垂直な方向(横方向)から光が照射する領域内における所定サイズのエリアを表面画像としてCMOSエリアセンサ43Bで撮影した表面凹凸像である。これらの表面凹凸像に対応する明度情報(デジタル信号レベル)をそれぞれヒストグラム化すると図4(a)、図4(b)のような分布が得られる。図4(a)、図4(b)において、横軸は、各表面凹凸像に対応する明度情報(デジタル信号レベル)を階級分けして表し、縦軸は、撮像領域内での該当画素数を頻度として表している。
【0032】
駆動・演算部40Cは、明度情報(デジタル信号レベル)のうち明度が最も高い(電圧が高い)方から順に5つの画素からの信号の平均値Imaxを算出する。また、駆動・演算部40Cは、明度の最も低い(電圧が低い)方から順に5つの画素からの信号の平均値Iminを算出する。そして、駆動・演算部40Cは、それらImaxとIminの差分である明度差ΔIをそれぞれの画像に対して求める。図5に、前述した2種類のA4サイズ紙(1)、(2)に関する明度差の検出結果を示す。例えば紙(1)の縦方向と垂直な方向(横方向)から光を照射された領域の像は陰影がはっきりしているので明度差ΔI(1)(b)は大きくなる。そして、紙(1)の縦方向と同一方向から光を照射された領域では像の陰影の差があまり無いので明度差ΔI(1)(a)は小さくなる。駆動・演算部40CはこれらΔI(1)(a)とΔI(1)(b)の平均値である平均明度差ΔI(1)(ave)の大きさを求める。同様にして、紙(2)についてもΔI(2)(a)とΔ(2)I(b)を求め、そこから平均明度差ΔI(2)(ave)を算出した。図5に示すとおり、A4サイズ紙の縦方向(長手方向)に繊維配向方向を一致させた紙(2)ではΔI(2)(a)とΔI(2)(b)の差が大きくなる。これに対して、紙の縦方向に対して繊維配向方向が20°傾いた紙(1)ではΔI(1)(a)とΔI(1)(b)の差が小さくなっている。つまり、個々の表面凹凸像の明度差は、紙の繊維配向方向に依存している様子が判る。一方、それぞれの紙(1)、(2)の平均明度差ΔI(ave)はほぼ同じ値に収束しており、2つの光源を用いて照射した2つの光照射領域をそれぞれ撮像することによって、検出結果の繊維配向方向に対する依存性が低下していることが判る。
【0033】
本実施形態に対する比較形態として図15に示すような従来公知の一光源一撮像タイプの記録紙表面検出装置を試作し、前述した2種類のA4サイズ紙(1)、(2)の検出を行った。照射用LED42の光軸を記録紙(紙)に投影した直線が記録紙の搬送方向に対して45°傾くように、照射用LED42を配置した構成以外は、本実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0034】
この記録紙表面検出装置を用いて得られた記録紙の表面状態に関する検出結果は図16の通りである。A4サイズ紙の縦方向(長手方向)に繊維配向方向が一致するよう断裁した紙(2)を検出した際の明度差ΔIに比べ、紙の縦方向に対して繊維配向方向が20°傾いた紙(1)を検出した際の明度差ΔIが大幅に小さくなってしまっている。つまり、比較形態では、同一の用紙を検出しているにも関わらず、その検出結果が紙の繊維配向方向に依存して大幅に変動してしまっている。
【0035】
これに対して、本実施形態では、紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減できるので、判別精度を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態においては、照射用LED42A(第1光源)の光軸と照射用LED42B(第2光源)の光軸とが垂直な関係にある構成を用いている。この構成により、記録紙の表面に対して一方の光照射領域における撮影像の明度差(コントラスト)が低い場合には、もう一方の光照射領域における撮影像の明度差(コントラスト)が必ず高くなる。このように、いかなる繊維配向方向の記録紙に対しても、2つの撮影像のコントラストを平均化した平均明度差ΔI(ave)を用いることにより、記録紙の繊維配向方向に起因する検出結果のばらつきを最も抑えることができる。しかしながら、第1光源の光軸と第2光源の光軸とが必ず垂直な関係にある必要はない。このことは従来公知の単一光源の一方向からの光が照射した領域を1箇所のみ撮像する構成と比較すればわかる。つまり、2つの異なる方向から光を照射することにより陰影の生じ方の異なった2つの領域をそれぞれ撮像し、2つの撮影像の平均明度差ΔI(ave)を用いることで、検出結果のばらつきを軽減させることができる。そして、判別精度を向上させることができる。つまり、第1光源と第1光照射領域とを結ぶ直線を記録紙に投影した直線と、第2光源と第2光照射領域とを結ぶ直線を記録紙に投影した直線とが交差する関係になるように第1光源及び第2光源を配置する構成であればよい。
【0037】
上述した構成では2つの撮影像の平均明度差ΔI(ave)を用いて判別を行ったが、判別方法はこの方法に限定されない。他の方法として、例えば、2つの明度差ΔI(1)(a)とΔI(1)(b)を足し合わせた明度差を用いて判別する方法。2つの明度差ΔI(1)(a)とΔI(1)(b)の差に応じて2つの明度差の合成比を変える方法でもよい。また、2つの撮影像のうち例えば明度差が大きい方の撮影像等どちらか一方の撮影像を用いて判別を行う方法でもよい。この方法でも、一方向からの光が照射した領域を1箇所のみ撮像する方法と比較して、同じ記録紙であっても異なる判別結果となってしまう可能性を減らすことができる。
【0038】
上述した構成では、第1光照射領域と第2光照射領域とは記録紙Pの表面において共通の領域を有していない別の領域として配置されているが、これら2つの領域が少なくとも一部に共通の領域を有するように配置してもよい。この場、一方の光源を発光して一方の光照射領域の撮像する時に、他方の光源を発光しないようにする。つまり、照明用LED42A、42Bの発光タイミングを時間的にずらす。これに合わせて撮像のタイミングも第1光照射領域の撮像と第2光照射領域の撮像とで時間的にずらし、片方ずつ画像の撮像を行う。撮像した2つの画像は上述したのと同様の方法によって処理されるので説明は省略する。
【0039】
また、本実施形態においては、光源としてLEDを用いたが、例えばキセノンランプやハロゲンランプを光源として用いることもできる。要は、記録紙の表面凹凸状態によって生じる陰影を際立たせるのに十分な光量を照射できる光源であればよい。また、撮像手段としては、エリアセンサに換えて、記録紙Pの搬送方向に直行する方向に画素を配列したラインセンサを用い、記録紙Pを搬送方向に移動させながら撮像を行ってもよい。また、CMOSタイプのセンサの代わりにCCDタイプのセンサを用いてもよい。要するに、撮像手段は記録紙の表面凹凸状態を撮像できるようなセンサであればよい。
【0040】
また、本実施形態においては、CMOSエリアセンサ43によって撮像された表面画像のコントラストを検出する検出機能を、記録紙表面検出装置40の駆動・演算部40Cに備える構成を例示しているが、画像形成装置の制御部10に備える構成であってもよい。また、本実施形態においては、記録紙表面検出装置40での記録紙の表面凹凸状態に関する検出結果に基づき、制御部10が転写バイアスもしくは定着温度を制御すると説明している。しかしながら、制御対象は、これらに限られるものではなく、制御部10が、例えば潜像形成や現像の各プロセスにおける各種制御パラメータや、一連の画像形成速度(プロセス速度)を制御することも可能である。つまり、制御部10は、画像形成装置内における記録紙に画像を形成する画像形成手段に関する条件であれば、いかなる画像形成条件を制御するものであってもよい。
【0041】
<第二実施形態>
第一実施形態においては、照射用LED42A、42Bからの照射光を搬送方向下流側から見てハの字型に広げる配置構成を例示したが、本実施形態では配置構成を工夫した記録紙表面検出装置40について説明する。なお、第一実施形態と同様のものついては同じ符号を付し、配置構成以外の構成については第一実施形態と同様なので説明を省略する。
【0042】
図6(a)、(b)は、第一の実施形態の図2で示した記録紙表面検出装置において、LED42A、42Bを、エリアセンサ43A、43B、結像レンズ44SA、44SBに近づけて配置した装置を示している。(a)は上視図、(b)は(a)におけるA−A’断面図である。LED42A、42Bから出射され光照射領域を照射する光を、図2(b)と図6(a)で比較すると、図6(a)の方が光が広がってしまっている(角度αが大きい)ことがわかる。このように光が広がり過ぎると、一つの光照射領域の中にコントラストの高い部分と低い部分が混在してしまうこととなり、判別アルゴリズムが複雑になってしまったり、判別精度を低下させたりする要因となり得る。このためLED42A、42Bを、エリアセンサ43A、43B、結像レンズ44SA、44SBからある程度離して配置する必要がある。また、図6(b)に示すように、記録紙Pの法線方向において、LED42A、42Bが記録紙Pの搬送路に干渉(図中X付近)してしまう虞がある。このことからも、LED42A、42Bを、エリアセンサ43A、43B、結像レンズ44SA、44SBからある程度離して配置する必要(制約条件)がある。
【0043】
本実施形態では、このような制約条件を考慮しつつも、装置の小型化を実現する配置構成について説明する。図7は本実施形態による記録紙表面検出装置40の上面図である。このように照射光が交差するように2つの照射用LED42A、42Bを配置させるとよい。つまり、照射用LED42A(第1光源)から出射されて第1光照射領域を照射する光の光軸を記録紙Pに投影した線分と、照射用LED42B(第2光源)から出射されて第2光照射領域を照射する光の光軸を記録紙Pに投影した線分とが交差する関係である。この構成によれば、少なくとも光源から光照射領域までの光路において、その光路を形成するために必要な構成をコンパクトに配置することができる。つまり、第1光源、第2光源、第1光照射領域、第2光照射領域を記録紙P表面に投影した時に、これらの構成に占有される面積を小さく抑えることができる。このため、記録紙表面検出装置の小型化を図ることができる。
【0044】
次に、光照射領域からCMOSセンサ43A、43Bまでの光路について説明する。CMOSセンサ43A、43Bを記録紙P表面に投影した時に、CMOSセンサ43A、43Bが照射用LED42A、照射用LED42B、第1光照射領域、第2照射領域の夫々の中心を記録紙P表面に投影し、それら4点を直線で結んで形成される四角形の領域に位置するようにするとよい。このようにCMOSセンサ43A、43Bを配置すると、記録紙P表面の法線方向から見て、光源から光照射領域までの光路が占有する範囲内に、光照射領域からCMOSセンサ43A、43Bまでの光路を収めることができる。つまり、記録紙P表面の法線方向から見て、光源から光照射領域までの光路と光照射領域からCMOSセンサ43A、43Bまでの光路とを重ねることにより、装置を記録紙Pの表面に投影した時に占有する面積を抑えることができる。その結果として記録紙表面検出装置全体として更なる小型化を図ることができる。なお、本実施形態では、CMOSセンサ43A、43B(撮像手段)は第一実施形態と同様に、それぞれ光照射領域から記録紙表面に略直交する方向にずれて配置されている。従って、光源から光照射領域までの光路及び光照射領域から撮像手段までの光路、及びそれらを形成するために必要な構成の配置は上述した条件を満たしている。図7に示すように、上述した条件で第1光源、第2光源、第1光照射領域、第2光照射領域、撮像手段を配置した検出装置では、図2の検出装置の横幅Wに比べて約半分の横幅(W×0.5)に削減することができた。
【0045】
本実施形態では、第一実施形態と同様に、2つの光源の異なる2方向からの光が照射した領域をそれぞれ撮像する構成としたので、記録紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減でき、判別精度を向上させることができる。更に加えて、本実施形態においては、検出装置を小型化することができる。
【0046】
<第三実施形態>
図8は記録紙の表面凹凸状態を撮像するための概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上視図、(c)は側面図である。本実施形態に係る記録紙表面検出装置40は、光源である照射用LED42A、42B、遮光手段としての遮光板46、撮像手段であるCMOSラインセンサ43L、及び、結像手段である結像レンズアレイ44Aを備えている。なお、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0047】
本実施形態に用いる光源としての照射用LED42A、42Bは、スタンダードタイプの砲弾型白色LED(ローム社製:型番SLR343WBC7T)を用いている。図8(a)及び図8(b)に示すように、第1光源としての照射用LED42Aは、第1光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向に対して時計周りを正方向として+45°になるように配置されている。また、第2光源としての照射用LED42Bは、第2光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向に対して−45°になるように配置されている。つまり、2つの光源の光軸は、搬送方向下流側から見て逆ハの字型に配置されている。図8(c)に示すように、これら2つの光源からの光は記録紙Pの表面に対して15°の角度で、記録紙搬送方向と直交する同一直線上の2つの領域を照射している。CMOSラインセンサ43Lおよび結像レンズアレイ44Aは、それらの長手方向が記録紙搬送方向と直交するように設置されている。そして、照射用LED42A、42Bが照射する記録紙搬送方向と直交する直線上に配置された2つの光照射領域(第1光照射領域及び第2光照射領域)を撮影可能である。ここで、第1光照射領域と第2光照射領域は異なる領域である。
【0048】
遮光板46は、記録紙搬送方向と平行に設けられている板状部材である。遮光板46は、照射用LED42Aからの光が照射する第1光照射領域を照射用LED42Bからの光が照射することを遮り、また、照射用LED42Bからの光が照射する第2光照射領域を照射用LED42Aからの光が照射することを遮る。また、遮光板46は、照射用LEDからの光が照射したときに遮光板46の表面で乱反射してしまうのを防止するために黒色の部材が用いられている。更には、遮光板46の表面で正反射することも防止するためにその表面をマット処理しておくと望ましい。
【0049】
記録紙Pの表面凹凸状態(表面平滑性)を反映した陰影情報を含む領域の反射光は、結像レンズアレイ44Aによって集光されてCMOSラインセンサ43Lによってライン画像として撮像される。CMOSラインセンサ43Lはライン画像として撮像したライン内の画素毎に反射光量に応じて変化する映像電圧信号を検出し、駆動・演算部40Cに出力する。検出手段としての駆動・演算部40Cは、CMOSラインセンサ43Lから出力された映像電圧出力信号を受け取るとこれをA−D変換し、変換後のデジタル信号(明度情報)を検出する。記録紙Pを搬送方向に移動させながら、このような一ライン毎の撮像動作を行いつつ、デジタル信号(明度情報)を逐次つなぎ合わせることによりエリアとしての明度情報が作成される。ここで、駆動・演算部40Cは、エリアとしてのデジタル信号(明度情報)からコントラスト(明度差)を算出し、制御部10へ出力する。つまり、検出手段としての駆動・演算部40Cは、撮像手段としてのCMOSラインセンサ43Lによって撮像されたライン画像を逐次つなぎ合わせたエリアの明度情報から算出したコントラストを検出している。ここで、CMOSラインセンサ43L及び駆動・演算部40Cは、記録紙表面検出装置40に備えられている。
【0050】
本実施形態に用いたCMOSラインセンサ43Lは有効画素長(長手方向)が20mmで解像度は600dpiである。制御部10は、記録紙Pを搬送手段であるレジストローラ対19a、19bに挟持されながら二次転写ニップ部に搬送されるまでの間に、搬送方向に5mm移動させながら前述した一ライン毎の撮像動作を行う。つまり、CMOSラインセンサ43Lは、記録紙Pの表面の第1光照射領域内における所定サイズの画素と、記録紙Pの表面の第2光照射領域内における所定サイズの画素とを結ぶラインをライン画像として撮像するものである。そして、CMOSラインセンサ43Lは、搬送手段としてのレジストローラ対19a、19bが記録紙Pを搬送している状態で、記録紙Pの表面を順次撮像している。これによって、記録紙表面における縦5mm×横20mmのエリアの明度情報を600dpi×600dpiの解像度で得ることができる。ここで、ラインセンサとは、縦に1画素、横に複数画素のライン情報を撮像可能なセンサのことをいう。なお、デバイスとしては、このようなラインセンサを縦方向に複数並べて複数ラインの情報を同時に撮像可能なセンサとして利用することもできる。このように、ラインセンサを用いることによって、記録紙Pを搬送しながら記録紙表面を撮像することができるので、記録紙Pを停止させた状態で撮像する場合に比べて、画像形成装置のスループットを損なわず、記録紙の表面状態を検出することができる。
【0051】
一ライン毎の撮像動作を順次行うことによって得られたエリア画像のうち、半分の5mm×10mmのエリアは照射用LED42Aの照射によって生じた陰影像であり、残り半分の5mm×10mmのエリアは照射用LED42Bの照射によって生じた陰影像である。駆動・演算部40Cは、照射用LED42A,42Bの照射によって各々得られた半分のエリア画像から更にその中心付近5mm×5mmのエリアを抽出する。例えば、第一実施形態で説明したものと同様な手法で得たA4サイズの紙(1)を検出した場合に得られる2つの表面画像は、図9(a)及び図9(b)のようになる。駆動・演算部40Cは、第一実施形態で説明したものと同様な手法により解析することで記録紙Pの表面凹凸状態を検出する。制御部10は、その検出結果から最適な転写バイアスや定着温度といった画像形成手段の画像形成条件を制御する。
【0052】
以上のように、本実施形態では、第一実施形態と同様に、2つの光源の異なる2方向からの光が照射した領域をそれぞれ撮像する構成とした。このため、記録紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減でき、判別精度を向上させることができる。
【0053】
更に加えて、本実施形態においては、遮光板46を設けているため、所定の一方向からの光がそれぞれ照射される第1光照射領域及び第2光照射領域に、他方向からの光が照射してしまうことを遮り、判別精度の低下を抑えることができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、遮光手段として記録紙搬送方向に平行に設置した遮光板46を用いる構成としたが、これに限られるものではない。例えば本実施形態の変形例1として図10に示すように、記録紙搬送方向に非平行に設置され、スリットを有する遮光板47を遮光手段として用いても良い。遮光板47は、照射用LED42Aからの光が第1光照射領域に到達するまでの第1光路上に設けられた第1スリット47Aと、照射用LED42Bからの光が第1光照射領域に到達するまでの第1光路上に設けられた第2スリット47Bと、を有している。このようなスリットを有する遮光板47を用いることにより、照射用LEDの指向性に対する制約が緩和されるので、照射用LED(光源)の光軸調整が容易になり、光源の選択肢も広がるというメリットがある。
【0055】
また、第一実施形態の変形例として図7に示したような、2つの照射用LEDの光軸を交差させる記録紙表面検出装置に、スリットを有する遮光板を用いることも可能である。図11に、本実施形態の変形例2としての遮光板を有する記録紙表面検出装置を示す。この場合には、第1光路と第2光路とが交差する位置に1つのスリット48Aを有する遮光板48を設けている。この構成により、図7に示す第一実施形態の変形例と同様に、2つの照射用LEDの光軸を交差させることで、記録紙表面検出装置の小型化を図ることができる。図11に示した構成では図10の構成に比べて記録紙装置幅を約4割削減することができた。更に、この構成によれば、遮光板48に1つのスリット48Aを設けるだけで2つの異なる方向からの光路を遮ることができるので、スリットを設け、かつ、スリットのエッジを精度良く加工するためのコストを低減することができる。
【0056】
但し、本実施形態の変形例2の構成にした場合には、図17に示すように照射用LED42Aからの光が第2光照射領域を、また照射用LED42Bからの光が第1光照射領域を、それぞれ直接照射してしまう恐れがある。よって、これを防ぐために、照射用LED42A、42Bの配置とスリットを有する遮光板の配置を工夫する必要がある。また、図17図18に示すように、照射用LED42A、42Bからの光が遮光板48や記録紙表面検出装置40の壁面で多重反射を起こした後にスリットを通過してしまい、得られる陰影像のコントラストを低下させてしまう恐れもある。
【0057】
これらの現象を抑制する手段として、2つの遮光板を有する記録紙表面検出装置を図12に示す。図12に示す記録紙表面検出装置40では、図11に示す遮光板48に加えて、2つの照射用LED42と遮光板48との間に第2遮光板49を設けている。ここで、第2遮光板49は、照射用LED42Aからの光が第1光照射領域に到達するまでの第1光路上に設けられた第1スリット49Aと、照射用LED42Bからの光が第2光照射領域に到達するまでの第2光路上に設けられた第2スリット49Bとを有している。この構成により、所定の一方向からの光がそれぞれ照射する第1光照射領域及び第2光照射領域に他方向からの光が照射してしまうことを抑制し、判別精度の低下を抑えることができる。
【0058】
<第四実施形態>
本実施形態による記録紙表面検出装置40について説明する。図13は本実施形態における表面凹凸状態を撮像するための概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【0059】
本実施形態による記録紙表面検出装置40は、光源である照射用LED42A、42B撮像手段であるCMOSラインセンサ43L、及び結像手段である結像レンズアレイ44Aを備える。また、照射用LED42A、42Bからの光を記録紙表面に導くライトガイドとしての導光体45、を備える。その他の構成は第一、第二、第三実施形態と同様であり説明は省略する。
【0060】
本実施形態に用いる光源としての照射用LED42A、42Bは、スタンダードタイプのチップ型白色LED(日亜化学工業製:型番NSSW100CT)を用いている。照射用LED42A、42Bから出射した光は導光体45に入射した後、導光体45内の反射、屈折の作用によって記録紙Pの表面に対して15°の角度で、記録紙搬送方向と直交する同一直線上の2箇所を照射している。
【0061】
CMOSラインセンサ43Lおよび結像レンズアレイ44Aはそれらの長手方向が記録紙搬送方向と直交するように設置されている。そして、照射用LED42A、42Bが照射する記録紙搬送方向と直交する同一直線上の2つの光照射領域(第1光照射領域及び第2光照射領域)を撮影可能に設置されている。ここで、第1光照射領域と第2光照射領域は異なる領域である。
【0062】
このような構成の記録紙表面検出装置40を、第三実施形態で説明したのと同様に動作させることで、記録紙Pの表面状態を検出し、その検出結果から最適な転写バイアスや定着温度といった画像形成手段の画像形成条件を制御している。
【0063】
以上のように、本実施形態では、第一、第二、第三実施形態と同様に、2つの光源の異なる2方向からの光が照射した領域をそれぞれ撮像する構成とした。このため、記録紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減でき、判別精度を向上させることができる。
【0064】
更に加えて、本実施形態においては、ライトガイドを介して照射用LEDからの光を記録紙表面に照射する構成とすることで、ライトガイド内で光路を稼ぐことができるので記録紙表面検出装置の小型化が図れる。例えば図13に示した検出装置では、図11の検出装置の縦幅Dに比べて約4割削減した縦幅(D×0.6)にすることができた。また、ライトガイドの使用により照射用LEDとして安価なチップ型のものを用い、かつ、撮像手段(エリアセンサ・ラインセンサ)と同一基板上に設置することが可能となるので、コストダウンを図れる。
【0065】
次に、本実施形態の変形例としての記録紙表面検出装置40を図14に示す。図14(a)は紙搬送方向下流側からみた正面図、図14(b)は側面図である。図14に示すように、導光体45の光入射面には、照射用LED42A、42Bからの光にそれぞれ対応し、断面が曲率を持った第1レンズ部45A及び第2レンズ部45Bを設けている。この導光体45のレンズ部45A、45Bにより、照射用LED42A、42Bから出射した光はそれぞれ平行な光に揃えられる。この構成により、検出装置40の横幅方向において2つの照射用LEDが配置される間隔を狭めることが可能となるので、記録紙表面検出装置の更なる小型化を図ることができる。例えば図14に示した検出装置では、図8の検出装置の横幅Wに比べて約半分の横幅(W×0.5)にすることができた。更に、導光体45の光入射面に平行化機能を持ったレンズ部45A、45Bを設けることで、照射用LEDから出射した発散光を平行化して記録紙表面に対して斜めに照射できる。このため、S/N比(信号対雑音比)の改善や高速化を図るのに十分な光量を確保することが可能となり、記録紙の表面凹凸状態を反映した陰影を際立たせることができる。
【0066】
以上、本発明を適用可能な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術思想内であらゆる変形が可能である。
【符号の説明】
【0067】
40 記録紙表面検出装置
40C 駆動・演算部(検出手段)
42A、42B 照射用LED(第1光源及び第2光源)
43A、43B CMOSエリアセンサ(撮像手段)
43L CMOSラインセンサ(撮像手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像手段によって撮像された表面画像に基づいて記録紙の表面状態を検出する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置は、記録紙に現像装置によって可視化された現像剤像を所定の転写条件にて転写し、転写された記録紙を所定の定着条件にて加熱及び加圧することにより現像剤像を記録紙に定着させている。
【0003】
従来、かかる画像形成装置においては、例えば、画像形成装置本体に設けられた操作パネル等に記録紙としての記録紙のサイズや種類(以下、紙種ともいう)がユーザによって設定されている。そして、その設定に応じて転写条件(例えば転写バイアスや転写時の記録紙の搬送速度)や定着条件(例えば、定着温度や定着時の記録紙の搬送速度)が制御されている。
【0004】
また近年では、記録紙の表面状態をエリアセンサによって撮像し、撮像した表面画像から表面平滑度を検知して、記録紙の種類を判別し、その判別結果に応じて転写条件あるいは定着条件を制御する手法が提案されている(特許文献1参照)。このように、記録紙の表面をエリアセンサによって撮像する手法は、表面の凹凸に起因して生じる陰影を直接的に撮影しているため、判別精度が優れている。特にコート紙(光沢紙)とノンコート紙(普通紙)を区別する時のように、凹凸の有無あるいはその大きさや深さが視覚的にはっきりと区別できる記録紙の判別において優れた精度が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−38879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば記録紙としての一般オフィス用紙を判別する場合などにおいて、表面の凹凸に起因して生じる陰影の様子は用紙の繊維配向方向(漉き目方向)によって大きく異なる。即ち、用紙の繊維配向方向と直交する方向から光を照射すると表面の凹凸の様子が強調されたコントラストの高い撮影像が得られるが、繊維配向方向と同一方向から光を照射した場合には凹凸に起因した陰影が出づらくコントラストの低い撮影像となってしまう。このため、同一の用紙であっても縦通紙した場合と横通紙した場合では、両者の撮影像のコントラスト差が激しく、異なる判別結果になってしまう場合があった。
【0007】
このような課題に対し、特許文献1では、大半の記録紙の繊維配向方向が縦方向あるいは横方向に対して一致(0°)もしくは±15°以内に収まっていると仮定し、記録紙の搬送方向に対して光を15°〜75°の範囲で斜めに照射している。そして、その照射領域をエリアセンサで撮像することにより、判別精度の向上を図っている。ところが、記録紙の繊維配向方向は、製造過程における記録紙の原材料の配合率によって異なる。このため、近年のように、様々な製造拠点での製造過程を経た記録紙の繊維配向方向は、多種多様であり、必ずしも記録紙の縦方向あるいは横方向に対して一致(0°)もしくは±15°以内に収まっているとは限らない。従って、特許文献1のように、一方向からの光が照射した領域を1箇所撮像するのみでは、記録紙の繊維配向方向と光照射方向との関係次第では、同じ記録紙であっても、異なる判別結果になってしまう恐れがある。
【0008】
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、いかなる繊維配向方向の記録紙に対しても、記録紙の繊維配向方向と光照射方向との関係に起因する検出結果のばらつきを軽減し、判別精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、以下のように画像形成装置を構成する。
【0010】
画像を形成する記録紙の表面状態を検出する画像形成装置であって、第1光束と第2光束を出射する光源と、前記第1光束に照射された状態の記録紙表面の第1画像、及び、前記第2光束に照射された状態の記録紙表面の第2画像を撮像する撮像器と、を有し、前記第1光束の中心の光線を含む直線と前記第2光束の中心の光線を含む直線とを夫々記録紙表面に投影すると交差しており、
前記第1画像及び、前記第2画像に基づいて記録紙表面の凹凸に関する情報を検出することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、いかなる繊維配向方向の記録紙に対しても、記録紙の繊維配向方向と光照射方向の関係に起因する検出結果のばらつきを軽減し、判別精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)第一実施形態に係るカラー画像形成装置を示す断面図。(b)第一実施形態に係る画像形成装置の動作の制御を示すブロック図。
【図2】(a)第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す斜視図。(b)第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。(c)第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す断面図。
【図3】(a)紙(1)の縦方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。(b)紙(1)の横方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。
【図4】(a)図3(a)における表面凹凸像の明度分布を示すヒストグラム。(b)図3(b)における表面凹凸像の明度分布を示すヒストグラム。
【図5】第一実施形態における紙(1)、(2)に関する明度差の検出結果を示すグラフ。
【図6】第二実施形態に係る記録紙表面検出装置の課題を示す図。
【図7】第二実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図8】(a)第三実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す斜視図。(b)第三実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。(c)第三実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す側面図。
【図9】(a)紙(1)の縦方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。(b)紙(1)の横方向から光が照射する領域を撮影した表面凹凸像。
【図10】第三実施形態の変形例1に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図11】第三実施形態の変形例2に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図12】第三実施形態の変形例3に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図13】(a)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す斜視図。(b)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す上視図。(c)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す側面図。
【図14】(a)第四実施形態の変形例に係る記録紙表面検出装置を示す正面図。(b)第四実施形態に係る記録紙表面検出装置を示す側面図。
【図15】第一実施形態に対する比較形態としての記録紙表面検出装置を示す上視図。
【図16】第一実施形態に対する比較形態における紙(1)、(2)に関する明度差の検出結果を示すグラフ。
【図17】記録紙表面検出装置における課題を説明するための上視図。
【図18】記録紙表面検出装置における課題を説明するための上視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0014】
<第一実施形態>
本発明を適用可能な第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を備えた画像形成装置について説明する。なお、以下の説明では、まず第一実施形態に係る記録紙表面検出装置を備えた画像形成装置を例示して説明し、次いで画像形成装置に用いられる記録紙表面検出装置について詳しく説明する。
【0015】
[画像形成装置の構成]
第一実施形態にかかる記録紙表面検出装置は、例えば電子写真方式のカラー画像形成装置で用いられることが可能であり、図1(a)はその一例である中間転写ベルトを採用したタンデム方式のカラー画像形成装置の内部構成を示す断面図である。
【0016】
図1(a)に示すカラー画像形成装置には、第1から第4画像形成部を構成する4個のプロセスカートリッジ31(31Y,31M,31C,31Bk)が装着されている。各画像形成部は、順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色画像を形成するものであり、トナーの色が異なる以外は同じ構成である。そこで、図1(a)に示した符号Y,M,C,Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部に対応した部材を示すが、以下の説明では、特に色を区別する必要がない場合には、符号Y,M,C,Bkは省略する。
【0017】
まず図1(a)を用いて本実施形態に係る画像形成装置の画像形成部の動作を説明する。制御部10が印刷画像信号を受け取ると、記録紙Pは、給紙カセット15から給紙ローラ17及び搬送ローラ18によって画像形成部へと送り出される。そして、後述の画像形成動作と記録紙Pの搬送との同期をとるための搬送手段であるレジストローラ対19a、19bに一旦挟持され、停止して待機する。
【0018】
一方、制御部10は、受け取った画像信号に応じて、露光スキャナユニット11によって露光することにより、帯電ローラ2の作用によって一定電位に帯電した感光体としての感光ドラム1の表面に静電潜像を形成する。ここで、前記感光ドラム1は、図示しない駆動モータの駆動力が伝達されて、画像形成動作に応じて時計周り方向に回転するものである。
【0019】
現像器8は前記静電潜像を可視化する現像手段である。現像器8には、現像スリーブ5が設けられており、前記静電潜像を可視化するための現像バイアスが印加されている。このように、感光ドラム1の表面に形成された前記静電潜像は、現像器8の作用によりトナー像として現像される。各感光ドラム1、帯電ローラ2、現像器8は一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能な1つのユニットであるプロセスカートリッジ31を構成している。
【0020】
中間転写ベルト24は、各感光ドラム1に接触しており、カラー画像形成時に反時計周り方向に各感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkの回転と同期して回転する。現像された各色トナー像は一次転写ローラ4に印加された一次転写バイアスの作用により順次転写され、中間転写ベルト24上で多色トナー像となる。その後、中間転写ベルト24上に形成された多色トナー像は二次転写ローラ25とで形成される二次転写ニップ部に搬送される。これと同時に、レジストローラ対19a、19bに挟持された状態で待機していた記録紙Pがレジストローラ対19a、19bの作用により中間転写ベルト24上の多色トナー像と同期を取りながら二次転写ニップ部に搬送される。そして、中間転写ベルト24上の多色トナー像が二次転写ローラ25に印加された二次転写バイアスの作用により記録紙P上に一括転写される。
【0021】
定着部21は、記録紙Pを搬送させながら、転写された多色トナー像を溶融定着させるものであり、図1(a)に示すように記録紙Pを加熱する加熱ローラ21aと記録紙Pを加熱ローラ21aに圧接させるための加圧ローラ21bを備えている。多色トナー像を保持した記録紙Pは、加熱ローラ21aと加圧ローラ21bにより搬送されるとともに、熱および圧力を加えられ、トナーが記録紙Pの表面に定着される。トナー像定着後の記録紙Pは、排出ローラ20によって排紙トレイ16に排出され画像形成動作を終了する。
【0022】
クリーニング手段28は、中間転写ベルト24上に転写残トナーとして残ったトナーをクリーニングするものであり、ここでクリーニングされた転写残トナーはクリーナ容器29に廃トナーとして蓄えられる。
【0023】
このような一連の画像形成動作は画像形成装置内に設けられた制御部10によって制御動作される。
【0024】
図1(a)の画像形成装置において、本実施形態の記録紙表面検出装置40は、レジストローラ対19a、19bの手前(記録紙搬送方向における上流側)に設置されている。記録紙表面検出装置40は、給紙カセット15から搬送された記録紙Pの表面凹凸状態(表面平滑性)に関する情報を検出することが可能である。記録紙表面検出装置40による記録紙Pの表面状態の検出は、記録紙Pが給紙カセット15から画像形成部へと送り出され、搬送手段としてのレジストローラ対19a、19bに挟持されて停止している間に行われる。
【0025】
図1(b)に画像形成装置の動作の制御ブロック図を示す。制御部10は、記録紙表面検出装置40の駆動・演算部40Cから送られてくる検出情報をもとに、各画像形成手段を最適な画像形成条件に制御して画像形成装置を動作させる。具体的に、制御部10が制御する画像形成条件とは、二次転写ローラ25の二次転写バイアス、定着部21が備える加熱ローラ21aの定着温度等である。
【0026】
[記録紙表面検出装置の構成]
次に、第一実施形態に係る記録紙表面検出装置40について説明する。図2は記録紙の表面凹凸状態を撮像するための概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上視図、(c)は(b)におけるA−A’断面図である。本実施形態に係る記録紙表面検出装置40は、光源である照射用LED42A、42B、撮像手段であるCMOSエリアセンサ43A、43B、及び、結像手段である結像レンズ44SA、44SBを備える。なお、記録紙表面検出装置40は、記録紙Pの画像が形成される面と対向するように設けられるものであり、図2では、説明の便宜上、図1(a)の記録紙表面検出装置40を180°回転して上下を反転させた状態を示している。
【0027】
本実施形態に用いる照射用LED42A、42Bとしては、高い指向性を有する白色LED(日亜化学工業製:型番NSPW300DS)を用いている。図2(a)及び図2(b)に示すように、第1光源としての照射用LED42Aは第1光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向と一致するように配置されている。また、第2光源としての照射用LED42Bは第2光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向と垂直になるように配置されている。図2(c)に示すように、これら2つの光源からの光はそれぞれ記録紙Pの表面に対して15°の角度で照射されている。このように、記録紙表面に対して小さい角度から斜めに光を照射させることにより、記録紙Pの表面の凹凸によって生じる陰影を際立たせることが可能となる。なお、記録紙Pの表面の凹凸によって生じる陰影を際立たせるためには、記録紙表面に対して0°より大きく20°以下の範囲の小さい角度で光を照射することが好ましい。
【0028】
このように記録紙Pは特定の方向から光を照射され、表面の凹凸により陰影が生じる。この陰影が生じた領域(光照射領域)からの反射光は、結像レンズ44SA、44SBによって集光されてCMOSエリアセンサ43A(第1撮像手段)、43B(第2撮像手段)に導かれる。第1エリアセンサとしてのCMOSエリアセンサ43A及び第2エリアセンサとしてのCMOSエリアセンサ43Bは、その反射光を利用して記録紙Pの表面の所定サイズのエリアの画像をそれぞれ撮像する。その反射光には記録紙Pの表面の陰影が生じた領域(光照射領域)の表面凹凸状態(表面平滑性)が反映されている。CMOSエリアセンサ43A、43Bは画像として撮像した撮像領域(光照射領域)内の画素毎に反射光量に応じて変化する映像電圧信号を検出し、駆動・演算部40Cに出力する。検出手段としての駆動・演算部40Cは、CMOSエリアセンサ43A、43Bから出力された映像電圧信号を受け取るとこれをA−D変換し、変換後の256階調のデジタル信号(明度情報)から算出したコントラスト(明度差)を検出し、制御部10へ出力する。つまり、検出手段としての駆動・演算部40Cは、撮像手段としてのCMOSエリアセンサ43によって撮像された表面画像のコントラストを検出している。また、駆動・演算部40Cは、照射用LED42の光量や発光タイミングを駆動制御している。ここで、CMOSエリアセンサ43及び駆動・演算部40Cは、記録紙表面検出装置40に備えられている。
【0029】
本実施形態において、CMOSエリアセンサ43A、43Bの有効画素サイズは縦1.5mm×横1.5mmで600dpiの解像度である。これを結像レンズ44SA、44SBと組み合わせることによって、記録紙表面における縦3.0mm×横3.0mmのエリアを300dpiの解像度で撮像できる構成としている。ここで、エリアセンサとは、縦、横にそれぞれ複数画素の情報を2次元的に1度で撮像可能なセンサのことをいう。図2に示すように、CMOSエリアセンサ43A、43Bは、照射用LED42A、42Bから光を照射される領域(光照射領域)の真下(記録紙P表面に略直交する方向にずれた位置)に設けられている。即ち光照射領域で反射し、結像レンズ44SA、44SBによって集光され、CMOSエリアセンサ43A、43Bに導かれる反射光の光軸は、記録紙Pの表面に対し略直交している。
【0030】
本実施形態においては、記録紙Pの繊維配向方向に対して異なる2方向から光を照射し、それぞれの光照射領域(第1光照射領域及び第2光照射領域)を表面画像をCMOSエリアセンサ43A、43Bが撮像している。即ち、第1光源から出射され第1光照射領域を照射する光の光軸(第1光軸)を含む直線と、第2光源から出射され第2光照射領域を照射する光の光軸(第2光軸)を含む直線とを記録紙Pの表面に投影すると、交差する関係である。このため、例えば一方の光源の光軸を記録紙Pに投影した直線と記録紙Pの繊維配向方向が一致してしまい、表面の凹凸レベルの割にコントラストの低い撮影像しか得ることができなくても、もう一方の光源の光軸を記録紙に投影した直線は繊維配向方向とは異なる方向を向くので表面の凹凸レベルを反映したコントラストの高い撮影像を得ることが可能となる。よって、これら二つの撮影像を平均化処理するなどして総合的に勘案することにより、記録紙Pの繊維配向方向と光照射方向の関係に起因する検出結果のばらつきを軽減し、記録紙Pの表面凹凸状態の判別精度を向上させることができる。なお、記録紙の繊維配向方向とは、記録紙表面の繊維の一つ一つが向く方向のその記録紙における平均の方向のことを示す。
【0031】
このような効果を良く表すための具体的な実験例を示す。実験にはLedgerサイズの普通紙(商品名:Xerox Business(登録商標) 4200 20Lb)を意図的に斜めに断裁して得たA4サイズの紙(1)と、繊維配向方向に縦方向(長手方向)で断裁して得たA4サイズの紙(2)を用いた。次に紙(1)、(2)をそれぞれ検出した場合について説明する。尚、得られたA4サイズ紙(1)を顕微鏡観察したところ、繊維方向は紙の縦方向に対して20°傾いていた。紙(1)を本実施形態における記録紙表面検出装置を用いて撮影した際に得られる撮影像は図3のようになる。図3(a)は、照射用LED42Aによって紙(1)の縦方向と同一方向から光が照射する領域内における所定サイズのエリアを表面画像としてCMOSエリアセンサ43Aで撮影した表面凹凸像である。図3(b)は、照射用LED42Bによって紙(1)の縦方向と垂直な方向(横方向)から光が照射する領域内における所定サイズのエリアを表面画像としてCMOSエリアセンサ43Bで撮影した表面凹凸像である。これらの表面凹凸像に対応する明度情報(デジタル信号レベル)をそれぞれヒストグラム化すると図4(a)、図4(b)のような分布が得られる。図4(a)、図4(b)において、横軸は、各表面凹凸像に対応する明度情報(デジタル信号レベル)を階級分けして表し、縦軸は、撮像領域内での該当画素数を頻度として表している。
【0032】
駆動・演算部40Cは、明度情報(デジタル信号レベル)のうち明度が最も高い(電圧が高い)方から順に5つの画素からの信号の平均値Imaxを算出する。また、駆動・演算部40Cは、明度の最も低い(電圧が低い)方から順に5つの画素からの信号の平均値Iminを算出する。そして、駆動・演算部40Cは、それらImaxとIminの差分である明度差ΔIをそれぞれの画像に対して求める。図5に、前述した2種類のA4サイズ紙(1)、(2)に関する明度差の検出結果を示す。例えば紙(1)の縦方向と垂直な方向(横方向)から光を照射された領域の像は陰影がはっきりしているので明度差ΔI(1)(b)は大きくなる。そして、紙(1)の縦方向と同一方向から光を照射された領域では像の陰影の差があまり無いので明度差ΔI(1)(a)は小さくなる。駆動・演算部40CはこれらΔI(1)(a)とΔI(1)(b)の平均値である平均明度差ΔI(1)(ave)の大きさを求める。同様にして、紙(2)についてもΔI(2)(a)とΔ(2)I(b)を求め、そこから平均明度差ΔI(2)(ave)を算出した。図5に示すとおり、A4サイズ紙の縦方向(長手方向)に繊維配向方向を一致させた紙(2)ではΔI(2)(a)とΔI(2)(b)の差が大きくなる。これに対して、紙の縦方向に対して繊維配向方向が20°傾いた紙(1)ではΔI(1)(a)とΔI(1)(b)の差が小さくなっている。つまり、個々の表面凹凸像の明度差は、紙の繊維配向方向に依存している様子が判る。一方、それぞれの紙(1)、(2)の平均明度差ΔI(ave)はほぼ同じ値に収束しており、2つの光源を用いて照射した2つの光照射領域をそれぞれ撮像することによって、検出結果の繊維配向方向に対する依存性が低下していることが判る。
【0033】
本実施形態に対する比較形態として図15に示すような従来公知の一光源一撮像タイプの記録紙表面検出装置を試作し、前述した2種類のA4サイズ紙(1)、(2)の検出を行った。照射用LED42の光軸を記録紙(紙)に投影した直線が記録紙の搬送方向に対して45°傾くように、照射用LED42を配置した構成以外は、本実施形態と同じであるため説明を省略する。
【0034】
この記録紙表面検出装置を用いて得られた記録紙の表面状態に関する検出結果は図16の通りである。A4サイズ紙の縦方向(長手方向)に繊維配向方向が一致するよう断裁した紙(2)を検出した際の明度差ΔIに比べ、紙の縦方向に対して繊維配向方向が20°傾いた紙(1)を検出した際の明度差ΔIが大幅に小さくなってしまっている。つまり、比較形態では、同一の用紙を検出しているにも関わらず、その検出結果が紙の繊維配向方向に依存して大幅に変動してしまっている。
【0035】
これに対して、本実施形態では、紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減できるので、判別精度を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態においては、照射用LED42A(第1光源)の光軸と照射用LED42B(第2光源)の光軸とが垂直な関係にある構成を用いている。この構成により、記録紙の表面に対して一方の光照射領域における撮影像の明度差(コントラスト)が低い場合には、もう一方の光照射領域における撮影像の明度差(コントラスト)が必ず高くなる。このように、いかなる繊維配向方向の記録紙に対しても、2つの撮影像のコントラストを平均化した平均明度差ΔI(ave)を用いることにより、記録紙の繊維配向方向に起因する検出結果のばらつきを最も抑えることができる。しかしながら、第1光源の光軸と第2光源の光軸とが必ず垂直な関係にある必要はない。このことは従来公知の単一光源の一方向からの光が照射した領域を1箇所のみ撮像する構成と比較すればわかる。つまり、2つの異なる方向から光を照射することにより陰影の生じ方の異なった2つの領域をそれぞれ撮像し、2つの撮影像の平均明度差ΔI(ave)を用いることで、検出結果のばらつきを軽減させることができる。そして、判別精度を向上させることができる。つまり、第1光源と第1光照射領域とを結ぶ直線を記録紙に投影した直線と、第2光源と第2光照射領域とを結ぶ直線を記録紙に投影した直線とが交差する関係になるように第1光源及び第2光源を配置する構成であればよい。
【0037】
上述した構成では2つの撮影像の平均明度差ΔI(ave)を用いて判別を行ったが、判別方法はこの方法に限定されない。他の方法として、例えば、2つの明度差ΔI(1)(a)とΔI(1)(b)を足し合わせた明度差を用いて判別する方法。2つの明度差ΔI(1)(a)とΔI(1)(b)の差に応じて2つの明度差の合成比を変える方法でもよい。また、2つの撮影像のうち例えば明度差が大きい方の撮影像等どちらか一方の撮影像を用いて判別を行う方法でもよい。この方法でも、一方向からの光が照射した領域を1箇所のみ撮像する方法と比較して、同じ記録紙であっても異なる判別結果となってしまう可能性を減らすことができる。
【0038】
上述した構成では、第1光照射領域と第2光照射領域とは記録紙Pの表面において共通の領域を有していない別の領域として配置されているが、これら2つの領域が少なくとも一部に共通の領域を有するように配置してもよい。この場、一方の光源を発光して一方の光照射領域の撮像する時に、他方の光源を発光しないようにする。つまり、照明用LED42A、42Bの発光タイミングを時間的にずらす。これに合わせて撮像のタイミングも第1光照射領域の撮像と第2光照射領域の撮像とで時間的にずらし、片方ずつ画像の撮像を行う。撮像した2つの画像は上述したのと同様の方法によって処理されるので説明は省略する。
【0039】
また、本実施形態においては、光源としてLEDを用いたが、例えばキセノンランプやハロゲンランプを光源として用いることもできる。要は、記録紙の表面凹凸状態によって生じる陰影を際立たせるのに十分な光量を照射できる光源であればよい。また、撮像手段としては、エリアセンサに換えて、記録紙Pの搬送方向に直行する方向に画素を配列したラインセンサを用い、記録紙Pを搬送方向に移動させながら撮像を行ってもよい。また、CMOSタイプのセンサの代わりにCCDタイプのセンサを用いてもよい。要するに、撮像手段は記録紙の表面凹凸状態を撮像できるようなセンサであればよい。
【0040】
また、本実施形態においては、CMOSエリアセンサ43によって撮像された表面画像のコントラストを検出する検出機能を、記録紙表面検出装置40の駆動・演算部40Cに備える構成を例示しているが、画像形成装置の制御部10に備える構成であってもよい。また、本実施形態においては、記録紙表面検出装置40での記録紙の表面凹凸状態に関する検出結果に基づき、制御部10が転写バイアスもしくは定着温度を制御すると説明している。しかしながら、制御対象は、これらに限られるものではなく、制御部10が、例えば潜像形成や現像の各プロセスにおける各種制御パラメータや、一連の画像形成速度(プロセス速度)を制御することも可能である。つまり、制御部10は、画像形成装置内における記録紙に画像を形成する画像形成手段に関する条件であれば、いかなる画像形成条件を制御するものであってもよい。
【0041】
<第二実施形態>
第一実施形態においては、照射用LED42A、42Bからの照射光を搬送方向下流側から見てハの字型に広げる配置構成を例示したが、本実施形態では配置構成を工夫した記録紙表面検出装置40について説明する。なお、第一実施形態と同様のものついては同じ符号を付し、配置構成以外の構成については第一実施形態と同様なので説明を省略する。
【0042】
図6(a)、(b)は、第一の実施形態の図2で示した記録紙表面検出装置において、LED42A、42Bを、エリアセンサ43A、43B、結像レンズ44SA、44SBに近づけて配置した装置を示している。(a)は上視図、(b)は(a)におけるA−A’断面図である。LED42A、42Bから出射され光照射領域を照射する光を、図2(b)と図6(a)で比較すると、図6(a)の方が光が広がってしまっている(角度αが大きい)ことがわかる。このように光が広がり過ぎると、一つの光照射領域の中にコントラストの高い部分と低い部分が混在してしまうこととなり、判別アルゴリズムが複雑になってしまったり、判別精度を低下させたりする要因となり得る。このためLED42A、42Bを、エリアセンサ43A、43B、結像レンズ44SA、44SBからある程度離して配置する必要がある。また、図6(b)に示すように、記録紙Pの法線方向において、LED42A、42Bが記録紙Pの搬送路に干渉(図中X付近)してしまう虞がある。このことからも、LED42A、42Bを、エリアセンサ43A、43B、結像レンズ44SA、44SBからある程度離して配置する必要(制約条件)がある。
【0043】
本実施形態では、このような制約条件を考慮しつつも、装置の小型化を実現する配置構成について説明する。図7は本実施形態による記録紙表面検出装置40の上面図である。このように照射光が交差するように2つの照射用LED42A、42Bを配置させるとよい。つまり、照射用LED42A(第1光源)から出射されて第1光照射領域を照射する光の光軸を記録紙Pに投影した線分と、照射用LED42B(第2光源)から出射されて第2光照射領域を照射する光の光軸を記録紙Pに投影した線分とが交差する関係である。この構成によれば、少なくとも光源から光照射領域までの光路において、その光路を形成するために必要な構成をコンパクトに配置することができる。つまり、第1光源、第2光源、第1光照射領域、第2光照射領域を記録紙P表面に投影した時に、これらの構成に占有される面積を小さく抑えることができる。このため、記録紙表面検出装置の小型化を図ることができる。
【0044】
次に、光照射領域からCMOSセンサ43A、43Bまでの光路について説明する。CMOSセンサ43A、43Bを記録紙P表面に投影した時に、CMOSセンサ43A、43Bが照射用LED42A、照射用LED42B、第1光照射領域、第2照射領域の夫々の中心を記録紙P表面に投影し、それら4点を直線で結んで形成される四角形の領域に位置するようにするとよい。このようにCMOSセンサ43A、43Bを配置すると、記録紙P表面の法線方向から見て、光源から光照射領域までの光路が占有する範囲内に、光照射領域からCMOSセンサ43A、43Bまでの光路を収めることができる。つまり、記録紙P表面の法線方向から見て、光源から光照射領域までの光路と光照射領域からCMOSセンサ43A、43Bまでの光路とを重ねることにより、装置を記録紙Pの表面に投影した時に占有する面積を抑えることができる。その結果として記録紙表面検出装置全体として更なる小型化を図ることができる。なお、本実施形態では、CMOSセンサ43A、43B(撮像手段)は第一実施形態と同様に、それぞれ光照射領域から記録紙表面に略直交する方向にずれて配置されている。従って、光源から光照射領域までの光路及び光照射領域から撮像手段までの光路、及びそれらを形成するために必要な構成の配置は上述した条件を満たしている。図7に示すように、上述した条件で第1光源、第2光源、第1光照射領域、第2光照射領域、撮像手段を配置した検出装置では、図2の検出装置の横幅Wに比べて約半分の横幅(W×0.5)に削減することができた。
【0045】
本実施形態では、第一実施形態と同様に、2つの光源の異なる2方向からの光が照射した領域をそれぞれ撮像する構成としたので、記録紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減でき、判別精度を向上させることができる。更に加えて、本実施形態においては、検出装置を小型化することができる。
【0046】
<第三実施形態>
図8は記録紙の表面凹凸状態を撮像するための概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上視図、(c)は側面図である。本実施形態に係る記録紙表面検出装置40は、光源である照射用LED42A、42B、遮光手段としての遮光板46、撮像手段であるCMOSラインセンサ43L、及び、結像手段である結像レンズアレイ44Aを備えている。なお、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0047】
本実施形態に用いる光源としての照射用LED42A、42Bは、スタンダードタイプの砲弾型白色LED(ローム社製:型番SLR343WBC7T)を用いている。図8(a)及び図8(b)に示すように、第1光源としての照射用LED42Aは、第1光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向に対して時計周りを正方向として+45°になるように配置されている。また、第2光源としての照射用LED42Bは、第2光源の光軸を記録紙に投影した直線が記録紙の搬送方向に対して−45°になるように配置されている。つまり、2つの光源の光軸は、搬送方向下流側から見て逆ハの字型に配置されている。図8(c)に示すように、これら2つの光源からの光は記録紙Pの表面に対して15°の角度で、記録紙搬送方向と直交する同一直線上の2つの領域を照射している。CMOSラインセンサ43Lおよび結像レンズアレイ44Aは、それらの長手方向が記録紙搬送方向と直交するように設置されている。そして、照射用LED42A、42Bが照射する記録紙搬送方向と直交する直線上に配置された2つの光照射領域(第1光照射領域及び第2光照射領域)を撮影可能である。ここで、第1光照射領域と第2光照射領域は異なる領域である。
【0048】
遮光板46は、記録紙搬送方向と平行に設けられている板状部材である。遮光板46は、照射用LED42Aからの光が照射する第1光照射領域を照射用LED42Bからの光が照射することを遮り、また、照射用LED42Bからの光が照射する第2光照射領域を照射用LED42Aからの光が照射することを遮る。また、遮光板46は、照射用LEDからの光が照射したときに遮光板46の表面で乱反射してしまうのを防止するために黒色の部材が用いられている。更には、遮光板46の表面で正反射することも防止するためにその表面をマット処理しておくと望ましい。
【0049】
記録紙Pの表面凹凸状態(表面平滑性)を反映した陰影情報を含む領域の反射光は、結像レンズアレイ44Aによって集光されてCMOSラインセンサ43Lによってライン画像として撮像される。CMOSラインセンサ43Lはライン画像として撮像したライン内の画素毎に反射光量に応じて変化する映像電圧信号を検出し、駆動・演算部40Cに出力する。検出手段としての駆動・演算部40Cは、CMOSラインセンサ43Lから出力された映像電圧出力信号を受け取るとこれをA−D変換し、変換後のデジタル信号(明度情報)を検出する。記録紙Pを搬送方向に移動させながら、このような一ライン毎の撮像動作を行いつつ、デジタル信号(明度情報)を逐次つなぎ合わせることによりエリアとしての明度情報が作成される。ここで、駆動・演算部40Cは、エリアとしてのデジタル信号(明度情報)からコントラスト(明度差)を算出し、制御部10へ出力する。つまり、検出手段としての駆動・演算部40Cは、撮像手段としてのCMOSラインセンサ43Lによって撮像されたライン画像を逐次つなぎ合わせたエリアの明度情報から算出したコントラストを検出している。ここで、CMOSラインセンサ43L及び駆動・演算部40Cは、記録紙表面検出装置40に備えられている。
【0050】
本実施形態に用いたCMOSラインセンサ43Lは有効画素長(長手方向)が20mmで解像度は600dpiである。制御部10は、記録紙Pを搬送手段であるレジストローラ対19a、19bに挟持されながら二次転写ニップ部に搬送されるまでの間に、搬送方向に5mm移動させながら前述した一ライン毎の撮像動作を行う。つまり、CMOSラインセンサ43Lは、記録紙Pの表面の第1光照射領域内における所定サイズの画素と、記録紙Pの表面の第2光照射領域内における所定サイズの画素とを結ぶラインをライン画像として撮像するものである。そして、CMOSラインセンサ43Lは、搬送手段としてのレジストローラ対19a、19bが記録紙Pを搬送している状態で、記録紙Pの表面を順次撮像している。これによって、記録紙表面における縦5mm×横20mmのエリアの明度情報を600dpi×600dpiの解像度で得ることができる。ここで、ラインセンサとは、縦に1画素、横に複数画素のライン情報を撮像可能なセンサのことをいう。なお、デバイスとしては、このようなラインセンサを縦方向に複数並べて複数ラインの情報を同時に撮像可能なセンサとして利用することもできる。このように、ラインセンサを用いることによって、記録紙Pを搬送しながら記録紙表面を撮像することができるので、記録紙Pを停止させた状態で撮像する場合に比べて、画像形成装置のスループットを損なわず、記録紙の表面状態を検出することができる。
【0051】
一ライン毎の撮像動作を順次行うことによって得られたエリア画像のうち、半分の5mm×10mmのエリアは照射用LED42Aの照射によって生じた陰影像であり、残り半分の5mm×10mmのエリアは照射用LED42Bの照射によって生じた陰影像である。駆動・演算部40Cは、照射用LED42A,42Bの照射によって各々得られた半分のエリア画像から更にその中心付近5mm×5mmのエリアを抽出する。例えば、第一実施形態で説明したものと同様な手法で得たA4サイズの紙(1)を検出した場合に得られる2つの表面画像は、図9(a)及び図9(b)のようになる。駆動・演算部40Cは、第一実施形態で説明したものと同様な手法により解析することで記録紙Pの表面凹凸状態を検出する。制御部10は、その検出結果から最適な転写バイアスや定着温度といった画像形成手段の画像形成条件を制御する。
【0052】
以上のように、本実施形態では、第一実施形態と同様に、2つの光源の異なる2方向からの光が照射した領域をそれぞれ撮像する構成とした。このため、記録紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減でき、判別精度を向上させることができる。
【0053】
更に加えて、本実施形態においては、遮光板46を設けているため、所定の一方向からの光がそれぞれ照射される第1光照射領域及び第2光照射領域に、他方向からの光が照射してしまうことを遮り、判別精度の低下を抑えることができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、遮光手段として記録紙搬送方向に平行に設置した遮光板46を用いる構成としたが、これに限られるものではない。例えば本実施形態の変形例1として図10に示すように、記録紙搬送方向に非平行に設置され、スリットを有する遮光板47を遮光手段として用いても良い。遮光板47は、照射用LED42Aからの光が第1光照射領域に到達するまでの第1光路上に設けられた第1スリット47Aと、照射用LED42Bからの光が第1光照射領域に到達するまでの第1光路上に設けられた第2スリット47Bと、を有している。このようなスリットを有する遮光板47を用いることにより、照射用LEDの指向性に対する制約が緩和されるので、照射用LED(光源)の光軸調整が容易になり、光源の選択肢も広がるというメリットがある。
【0055】
また、第一実施形態の変形例として図7に示したような、2つの照射用LEDの光軸を交差させる記録紙表面検出装置に、スリットを有する遮光板を用いることも可能である。図11に、本実施形態の変形例2としての遮光板を有する記録紙表面検出装置を示す。この場合には、第1光路と第2光路とが交差する位置に1つのスリット48Aを有する遮光板48を設けている。この構成により、図7に示す第一実施形態の変形例と同様に、2つの照射用LEDの光軸を交差させることで、記録紙表面検出装置の小型化を図ることができる。図11に示した構成では図10の構成に比べて記録紙装置幅を約4割削減することができた。更に、この構成によれば、遮光板48に1つのスリット48Aを設けるだけで2つの異なる方向からの光路を遮ることができるので、スリットを設け、かつ、スリットのエッジを精度良く加工するためのコストを低減することができる。
【0056】
但し、本実施形態の変形例2の構成にした場合には、図17に示すように照射用LED42Aからの光が第2光照射領域を、また照射用LED42Bからの光が第1光照射領域を、それぞれ直接照射してしまう恐れがある。よって、これを防ぐために、照射用LED42A、42Bの配置とスリットを有する遮光板の配置を工夫する必要がある。また、図17図18に示すように、照射用LED42A、42Bからの光が遮光板48や記録紙表面検出装置40の壁面で多重反射を起こした後にスリットを通過してしまい、得られる陰影像のコントラストを低下させてしまう恐れもある。
【0057】
これらの現象を抑制する手段として、2つの遮光板を有する記録紙表面検出装置を図12に示す。図12に示す記録紙表面検出装置40では、図11に示す遮光板48に加えて、2つの照射用LED42と遮光板48との間に第2遮光板49を設けている。ここで、第2遮光板49は、照射用LED42Aからの光が第1光照射領域に到達するまでの第1光路上に設けられた第1スリット49Aと、照射用LED42Bからの光が第2光照射領域に到達するまでの第2光路上に設けられた第2スリット49Bとを有している。この構成により、所定の一方向からの光がそれぞれ照射する第1光照射領域及び第2光照射領域に他方向からの光が照射してしまうことを抑制し、判別精度の低下を抑えることができる。
【0058】
<第四実施形態>
本実施形態による記録紙表面検出装置40について説明する。図13は本実施形態における表面凹凸状態を撮像するための概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図、(c)は側面図である。
【0059】
本実施形態による記録紙表面検出装置40は、光源である照射用LED42A、42B撮像手段であるCMOSラインセンサ43L、及び結像手段である結像レンズアレイ44Aを備える。また、照射用LED42A、42Bからの光を記録紙表面に導くライトガイドとしての導光体45、を備える。その他の構成は第一、第二、第三実施形態と同様であり説明は省略する。
【0060】
本実施形態に用いる光源としての照射用LED42A、42Bは、スタンダードタイプのチップ型白色LED(日亜化学工業製:型番NSSW100CT)を用いている。照射用LED42A、42Bから出射した光は導光体45に入射した後、導光体45内の反射、屈折の作用によって記録紙Pの表面に対して15°の角度で、記録紙搬送方向と直交する同一直線上の2箇所を照射している。
【0061】
CMOSラインセンサ43Lおよび結像レンズアレイ44Aはそれらの長手方向が記録紙搬送方向と直交するように設置されている。そして、照射用LED42A、42Bが照射する記録紙搬送方向と直交する同一直線上の2つの光照射領域(第1光照射領域及び第2光照射領域)を撮影可能に設置されている。ここで、第1光照射領域と第2光照射領域は異なる領域である。
【0062】
このような構成の記録紙表面検出装置40を、第三実施形態で説明したのと同様に動作させることで、記録紙Pの表面状態を検出し、その検出結果から最適な転写バイアスや定着温度といった画像形成手段の画像形成条件を制御している。
【0063】
以上のように、本実施形態では、第一、第二、第三実施形態と同様に、2つの光源の異なる2方向からの光が照射した領域をそれぞれ撮像する構成とした。このため、記録紙の繊維配向方向に対する検出結果の依存性が低くなり、検出結果のばらつきを軽減でき、判別精度を向上させることができる。
【0064】
更に加えて、本実施形態においては、ライトガイドを介して照射用LEDからの光を記録紙表面に照射する構成とすることで、ライトガイド内で光路を稼ぐことができるので記録紙表面検出装置の小型化が図れる。例えば図13に示した検出装置では、図11の検出装置の縦幅Dに比べて約4割削減した縦幅(D×0.6)にすることができた。また、ライトガイドの使用により照射用LEDとして安価なチップ型のものを用い、かつ、撮像手段(エリアセンサ・ラインセンサ)と同一基板上に設置することが可能となるので、コストダウンを図れる。
【0065】
次に、本実施形態の変形例としての記録紙表面検出装置40を図14に示す。図14(a)は紙搬送方向下流側からみた正面図、図14(b)は側面図である。図14に示すように、導光体45の光入射面には、照射用LED42A、42Bからの光にそれぞれ対応し、断面が曲率を持った第1レンズ部45A及び第2レンズ部45Bを設けている。この導光体45のレンズ部45A、45Bにより、照射用LED42A、42Bから出射した光はそれぞれ平行な光に揃えられる。この構成により、検出装置40の横幅方向において2つの照射用LEDが配置される間隔を狭めることが可能となるので、記録紙表面検出装置の更なる小型化を図ることができる。例えば図14に示した検出装置では、図8の検出装置の横幅Wに比べて約半分の横幅(W×0.5)にすることができた。更に、導光体45の光入射面に平行化機能を持ったレンズ部45A、45Bを設けることで、照射用LEDから出射した発散光を平行化して記録紙表面に対して斜めに照射できる。このため、S/N比(信号対雑音比)の改善や高速化を図るのに十分な光量を確保することが可能となり、記録紙の表面凹凸状態を反映した陰影を際立たせることができる。
【0066】
以上、本発明を適用可能な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術思想内であらゆる変形が可能である。
【符号の説明】
【0067】
40 記録紙表面検出装置
40C 駆動・演算部(検出手段)
42A、42B 照射用LED(第1光源及び第2光源)
43A、43B CMOSエリアセンサ(撮像手段)
43L CMOSラインセンサ(撮像手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する記録紙の表面状態を検出する画像形成装置であって、
第1光束と第2光束を出射する光源と、
前記第1光束に照射された状態の記録紙表面の第1画像、及び、前記第2光束に照射された状態の記録紙表面の第2画像を撮像する撮像器と、
を有し、
前記第1光束の中心の光線を含む直線と前記第2光束の中心の光線を含む直線とを夫々記録紙表面に投影すると交差しており、
前記第1画像及び、前記第2画像に基づいて記録紙表面の凹凸に関する情報を検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記光源は、前記第1光束を出射する第1光源と、前記第2光光束を出射する第2光源とを備え、
前記第1光束の中心の光線と前記第2光束の中心の光線とを夫々記録紙表面に投影すると、交差する関係であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記録紙表面の領域であって、前記第1光束が照射され、前記撮像器によって前記第1画像を撮像される領域を第1光照射領域、前記第2光束が照射され、前記撮像器によって前記第2画像を撮像される領域を第2光照射領域とすると、
記録紙表面において、前記第1光照射領域は、前記第2光照射領域と共通の領域を有していない前記第2光照射領域とは異なる領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記撮像器は、前記第1画像を撮像する第1撮像器と、前記第2画像を撮像する第2撮像器とを備え、
前記第1撮像器は前記第1光照射領域から記録紙表面に略直交する方向にずれた位置に配置され、前記第2撮像器は前記第2光照射領域から記録紙表面に略直交する方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記撮像器を記録紙表面に投影すると、前記第1光源、前記第2光源、前記第1光照射領域、前記第2光照射領域の夫々の中心を記録紙表面に投影し、それら4点を結んで形成される四角形の領域内に位置すること特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録紙表面の領域であって、前記第1光束が照射され、前記撮像器によって前記第1画像を撮像される領域を第1光照射領域、前記第2光束が照射され、前記撮像器によって前記第2画像を撮像される領域を第2光照射領域とすると、
記録紙表面において、前記第1光照射領域は、少なくとも一部に前記第2光照射領域と共通の領域を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1画像が撮像した記録紙表面と、前記第2画像が撮像した記録紙表面とでは、記録紙表面の繊維配向方向に対する光束を照射された方向が異なることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検出された記録紙表面の凹凸に関する情報に基づいて、記録紙に画像を形成する条件を制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
画像を形成する記録紙の表面状態を検出する画像形成装置であって、
第1光束と第2光束を出射する光源と、
前記第1光束に照射された状態の記録紙表面の第1画像、及び、前記第2光束に照射された状態の記録紙表面の第2画像を撮像する撮像器と、
を有し、
前記第1光束の中心の光線を含む直線と前記第2光束の中心の光線を含む直線とを夫々記録紙表面に投影すると交差しており、
前記第1画像及び、前記第2画像に基づいて記録紙表面の凹凸に関する情報を検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記光源は、前記第1光束を出射する第1光源と、前記第2光光束を出射する第2光源とを備え、
前記第1光束の中心の光線と前記第2光束の中心の光線とを夫々記録紙表面に投影すると、交差する関係であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
記録紙表面の領域であって、前記第1光束が照射され、前記撮像器によって前記第1画像を撮像される領域を第1光照射領域、前記第2光束が照射され、前記撮像器によって前記第2画像を撮像される領域を第2光照射領域とすると、
記録紙表面において、前記第1光照射領域は、前記第2光照射領域と共通の領域を有していない前記第2光照射領域とは異なる領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記撮像器は、前記第1画像を撮像する第1撮像器と、前記第2画像を撮像する第2撮像器とを備え、
前記第1撮像器は前記第1光照射領域から記録紙表面に略直交する方向にずれた位置に配置され、前記第2撮像器は前記第2光照射領域から記録紙表面に略直交する方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記撮像器を記録紙表面に投影すると、前記第1光源、前記第2光源、前記第1光照射領域、前記第2光照射領域の夫々の中心を記録紙表面に投影し、それら4点を結んで形成される四角形の領域内に位置すること特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録紙表面の領域であって、前記第1光束が照射され、前記撮像器によって前記第1画像を撮像される領域を第1光照射領域、前記第2光束が照射され、前記撮像器によって前記第2画像を撮像される領域を第2光照射領域とすると、
記録紙表面において、前記第1光照射領域は、少なくとも一部に前記第2光照射領域と共通の領域を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1画像が撮像した記録紙表面と、前記第2画像が撮像した記録紙表面とでは、記録紙表面の繊維配向方向に対する光束を照射された方向が異なることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記検出された記録紙表面の凹凸に関する情報に基づいて、記録紙に画像を形成する条件を制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−266432(P2010−266432A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89581(P2010−89581)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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