説明

画像形成装置

【課題】出力用紙トレイの出力用紙を取り忘れたときに、この出力用紙を適切に処理することで、出力用紙が放置されることによる情報漏洩を防止し、また放置された出力用紙の余白部分を有効利用することで、ゴミの量を削減する画像形成装置を提供する。
【解決手段】
画像形成装置の出力用紙処理は、出力用紙トレイから出力用紙を取込(S20)、出力用紙ボックスに保管(S21)する。そして、一定時間が経過するまで待ち状態(S23)とし、出力用紙ボックスから出力用紙を取出(S24)、取出した出力用紙の画像データを保存(S26)する。予め検出しておいた出力用紙の余白有無に基づいて、余白があれば(S28)、出力用紙を余白部分と余白以外の部分に裁断(S30)し、余白部分をメモ用紙ボックスに保管(S31)、余白以外の部分を廃棄用紙ボックスに保管(S32)する。余白がなければ、出力用紙を廃棄用紙ボックスに保管(S29)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、特に画像形成装置から出力された用紙(以下、出力用紙という)をユーザが取り忘れたときに、自動的に出力用紙を取り込み、この出力用紙を処理する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスなどにおいては、プリンタやMFP(Multifunction Peripheral、多機能周辺装置、多機能プリンタ)、又は複合機等の画像形成装置が普及している。画像形成装置で読み取った原稿を画像イメージのデータ(以下、画像データという)に変換し、用紙に印刷して出力する画像形成装置において、画像形成装置で読み取った原稿や画像形成装置から出力された用紙(以下、出力用紙という)を取り忘れてしまうことがあった。
【0003】
画像形成装置で読み取った原稿の取り忘れを防止する対策として、画像形成装置が読み取った原稿が読取手段から取り除かれたか否かを判定する判定手段を画像形成装置に設け、この判定手段により読取手段から原稿が取り除かれたかを判定し、読取手段から原稿が取り除かれていないと判定されたときは、所望の処理を実行することができないようにして、原稿の取り忘れを防ぐ技術が特許文献1に記載されている(以下、従来技術1とする)。
【特許文献1】特開平2006−319724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術1では、読取手段から原稿が取り除かれたと判定される前は、所望の処理を実行することができないようにすることで、原稿の取り忘れを防いでいる。しかし、このような画像形成装置においては、原稿の取り忘れを防ぐことができるが、画像形成装置の出力用紙の取忘れを防ぐことができなかった。このため、出力用紙を取忘れたときは出力用紙トレイに放置されたままとなり、情報が漏洩してしまう虞があった。また、このように放置された出力用紙はシュレッターなどで裁断しゴミとして処分されるので、ゴミの量を増加させるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解消することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、出力した出力用紙を取り込むことができる画像形成装置であって、前記出力用紙の余白部分を検出する余白検出手段と、前記出力用紙を前記余白部分と余白以外の部分とに分けて裁断する出力用紙裁断手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記出力用紙を保管する出力用紙保管手段を備えたことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記出力用紙に印刷された画像データを保存する画像データ保存手段を備えたことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記出力用紙を出力要求したユーザのユーザIDと、前記画像データの画像形成日時と、前記出力用紙のサイズと、前記出力用紙の余白有無が設定されている出力用紙管理テーブルを記憶する出力用紙管理テーブル記憶手段を備え、前記画像データ保存手段は前記ユーザIDと前記画像形成日時を前記画像データのヘッダ部に設定することを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記画像データにユーザIDと画像形成日時を書込むことができる画像データ書込手段と、前記出力用紙から前記ユーザIDと前記画像形成日時を読取ることができる出力用紙読取手段とを備え、前記出力用紙読取手段で読み取った前記ユーザIDと前記画像形成日時から前記画像データ保存手段で保存した前記画像データを取り出すことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記出力用紙裁断手段で裁断した前記出力用紙の前記余白部分をメモ用紙として保管するメモ用紙保管手段を備えたことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記出力用紙裁断手段で裁断した前記出力用紙の前記余白以外の部分を廃棄用紙として保管する廃棄用紙保管手段を備えたことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記ユーザIDと前記ユーザIDに対応するユーザのメールアドレスが設定されているユーザメールアドレステーブルを記憶するユーザメールアドレス記憶手段を備え、前記出力用紙保管手段で前記出力用紙を保管したことを前記出力用紙の前記ユーザ宛にメールで送信することを特徴としている。
本発明の画像形成装置の出力用紙処理方法は、出力した出力用紙を取り込むことができる画像形成装置の出力用紙処理方法であって、前記出力用紙の余白部分を検出する余白検出工程と、前記出力用紙を前記余白部分と余白以外の部分とに分けて裁断する出力用紙裁断工程と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置において、画像形成装置の出力用紙トレイの出力用紙を取り忘れたときに、この出力用紙を適切に処理することで、出力用紙が放置されることによる情報漏洩を防止し、また放置された出力用紙の余白部分を有効利用することで、ゴミの量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における処理には、原稿印刷処理と出力用紙処理がある。原稿印刷処理は、画像形成装置の原稿台または原稿給送装置から原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データにユーザIDと画像形成日時を書き込み、画像データを用紙に印刷して出力用紙トレイに出力する処理である。また、出力用紙処理は、出力用紙トレイに放置されている出力用紙を画像形成装置が取り込み保管し、予め決められた時間が経過すると保管した出力用紙に書き込まれているユーザIDと画像形成日時を読み取り、読み取ったこのユーザIDと画像形成日時に対応する画像データを保存し、更に出力用紙の余白部分と余白以外の部分に分けて保管する処理である。
【0009】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成と動作について説明する。図1に示すように画像形成装置100は、原稿載置装置110、操作パネル120、原稿読取装置130、画像印刷装置140、出力用紙トレイ150、出力用紙処理装置160、及び供給用紙装置170から構成されている。
【0010】
原稿載置装置110は、コンタクトガラス等の透明板からなる原稿台111、原稿給送装置112から構成されている。原稿台111に原稿を載置し、操作パネル120から印刷操作を行うと原稿読取装置130が、原稿を読み取る。また、原稿給送装置112の原稿トレイ113に原稿を載置し、操作パネル120から印刷操作を行うと原稿給送装置112の原稿搬送機構により1枚ずつ原稿搬送路114へ自動的に送り出される。この原稿搬送路114を通ると原稿読取装置130が原稿を読み取り、読み取られた原稿は原稿排出トレイ115に排出される。
【0011】
操作パネル120は、画像形成装置100が備えている機能の操作項目の表示や、ユーザの指による接触検出を受け付ける装置で、ユーザはユーザIDを操作パネル120から設定することができる。更に、操作パネル120には、現在時刻を出力することができる時計装置が備えられている。
【0012】
原稿読取装置130については、原稿台111に載置された原稿の画像を読み取る部分の構成について説明する。原稿読取装置130には、走査光学系の装置で第1キャリッジ131、第2キャリッジ132、集光レンズ133が設けられ、第1キャリッジ131には線状の光源134およびミラー135が設けられ、第2キャリッジ132にはミラー136およびミラー137が設けられている。光源134は原稿を照明し、ミラー135、ミラー136、ミラー137は、原稿からの反射光を集光レンズ133に導き、集光レンズ133はその光像をラインイメージセンサ138の受光面に結像する。このような原稿読取装置130において、第1キャリッジ131および第2キャリッジ132は、副走査方向139に往復動可能となっている。第1キャリッジ131および第2キャリッジ132を副走査方向139に移動することによって、原稿台111に載置された原稿の画像を原稿読取装置130に設けられているラインイメージセンサ138で読み取りことができる。ラインイメージセンサ138は、受光面に入射した光像から、原稿の画像データを生成するとともに、原稿の画像データから画像がない部分(以下、余白部分という)を検出することができる。更に、原稿読取装置130は、操作パネル120からユーザIDと現在時刻を入力し文字コードに変換し、生成した画像データの所定の位置にユーザIDと現在時刻(以下、画像生成時刻という)の文字コードの書き込みを行う。
【0013】
画像印刷装置140は、原稿読取装置130で生成した画像データを供給用紙装置170から取り出した用紙に印刷する装置である。画像印刷装置140には、感光体ドラム141が設けられている。この感光体ドラム141は、一定速度で感光体ドラム矢印方向142に回転する。感光体ドラム141の周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器143、露光器144、現像器145、転写器146、クリーニングユニット147が配置されている。帯電器143は、感光体ドラム141の表面を一様に帯電させる。露光器144は、一様に帯電した感光体ドラム141の表面に、画像データに応じて光を照射し、感光体ドラム141上に静電潜像を形成する。現像器145は、その静電潜像にトナーを付着させ、感光体ドラム141上にトナー像を形成する。転写器146は、感光体ドラム141上のトナー像を用紙に転写する。クリーニングユニット147は、転写後も感光体ドラム141の表面に残留した廃トナーを感光体ドラム141から除去して感光体ドラム141の表面をクリーニングする。感光体ドラム141が回転することによりこれらのプロセスが一連で行われる。トナー像を転写した用紙は、定着器148に搬送される。定着器148は、定着ローラ149aおよび加圧ローラ149bを有しており、熱と押圧力によってトナー像を用紙に定着する。画像印刷装置140は、定着器148を通過した用紙を出力用紙トレイ150へ排出する。
【0014】
出力用紙トレイ150は、画像形成装置100から排出される出力用紙が載置されるトレイである。
【0015】
出力用紙処理装置160は、予め決められた時刻になると出力トレイ150に排出された出力用紙を取り込み、施錠されている出力用紙ボックス161に保管する。更に、一定時間が経過したら出力用紙ボックス161から出力用紙を取出し、出力用紙センサー162で出力用紙に印刷されているユーザIDと画像生成時刻を読み取り、裁断装置163に出力用紙を送る。裁断装置163では、出力用紙を余白部分と余白以外の部分に分けて裁断し、余白部分をメモ用紙ボックス164に、それ以外は施錠されている廃棄用紙ボックス165に送る。この場合、余白部分はメモ用紙サイズに裁断される。裁断装置163の詳細な構成については、後述する。また、出力用紙処理装置160には、本発明の第2の実施の形態において、出力トレイ150に排出された出力用紙を取り込んだときに、出力用紙のユーザIDを読取る第2の出力用紙センサー166を備えている。
【0016】
供給用紙装置170は、異なる2種類のサイズの白い用紙が保管されている供給用紙ボックス171と供給用紙ボックス172を備え、画像印刷装置140からの要求により、指定されたサイズの用紙を供給用紙ボックス171または供給用紙ボックス172から取出し、画像印刷装置140に供給する。
【0017】
次に、図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置100の裁断装置163の構成と動作について説明する。図2に示すように裁断装置163は、裁断用搬送路163aの上流側から下流側に向かう下流側に裁断機163bが配設されている。また、裁断用搬送路163aには出力用紙を搬送する搬送用モータローラ163cと搬送用モータローラ163dが配設されている。裁断機163bは、出力用紙のサイズを検知する機能と、出力用紙を垂直方向と水平方向に切断できる機能を備えているので、各種定型サイズの出力用紙を部分に裁断することができる。
【0018】
次に、図3を参照して画像形成装置100の機能ブロックについて説明する。図3に示すように画像形成装置機能ブロック200は、それぞれ各機能のまとまりである機能部位である制御部210、操作パネル部220、原稿読取部230、画像印刷部240、出力用紙裁断部250、補助記憶部260、及びデータ保存部270を備えている。そして、制御部210と、操作パネル部220と、原稿読取部230と、画像印刷部240と、出力用紙裁断部250、補助記憶部260、及びデータ保存部270は、部位を接続するバスなどにより接続される構成となっている。
【0019】
制御部210は、RAMやROM等の主記憶手段、及びMPU(Micro Processing Unit)やCPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備えている。また、制御部210は、各種I/Oや、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)等のインターフェイス、バスコントローラ等を含む総合的な画像形成装置100のコントロールを行う部位である。また、制御部210には読み取った原稿を印刷して出力用紙トレイ150に排出を行う原稿印刷処理部211、出力用紙トレイ150に排出された出力用紙を読み込んで処理する出力用紙処理部212を備えている。
【0020】
操作パネル部220は、図1に示す操作パネル120の動作をコントロールする部位で、操作パネル120に操作項目の表示や、ユーザの指による操作パネル120からの接触操作の検出を行う。原稿読取部230は、図1に示す原稿読取装置130の動作をコントロールする部位で、原稿載置装置110に載置された原稿の読取を行う。画像印刷部240は、図1に示す原稿読取装置130の動作をコントロールする部位で、原稿読取装置130が読取った原稿の画像データを用紙に印刷する。出力用紙裁断部250は、図1に示す裁断装置163の動作をコントロールする部位で、出力用紙の裁断を行う。
【0021】
補助記憶部260は、フラッシュメモリ等からなる補助記憶装置で、制御部210が実行する処理のプログラムやデータを保存する部位である。補助記憶部260には、図1に示す出力用紙トレイ150に排出された出力用紙の管理データが設定されている出力用紙管理テーブル261と、出力用紙の画像データを一時的に保存する画像データ一時保存エリア262を備えている。また、補助記憶部260には、本発明の第2の実施の形態において、出力用紙処理部212が参照するユーザメールアドレステーブル263を備えている。ユーザメールアドレステーブル263の構成については、本発明の第2の実施の形態の説明で述べる。データ保存部270は、データやプログラムを保存するハードディスクドライブで、図1に示す裁断装置163で裁断される前の出力用紙の画像データを保存する画像データ保存エリア271を備えている。
【0022】
次に、図4と図5を参照して出力用紙管理テーブル261の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る出力用紙管理テーブル261の構成図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る出力用紙の余白領域を示す例である。この余白領域のそれぞれのサイズはメモ用紙として利用することを考慮して、所定の大きさになるように決めておくとよい。出力用紙管理テーブル261は、図4に示すように原稿読取装置130によって出力用紙ごとのユーザID261a、画像形成日時261b、出力用紙サイズ262c、余白有無フラグ261dが設定されているテーブルである。ユーザID261aは、原稿の印刷要求を行ったユーザが操作パネル120から設定したユーザIDである。画像形成日時261bは、画像形成装置100が原稿印刷処理を行った日時である。出力用紙サイズ261cは、原稿を印刷した出力用紙のサイズである。余白有無フラグ261dは、原稿読取装置130が原稿を読み取ったときに、その原稿を印刷する出力用紙の用紙サイズごとに予め決められた領域に対する余白を検出し、その検出した余白の領域を示すフラグである。余白が検出された領域に対応する余白有無フラグに1がセットされ、余白が検出されない領域に対応する余白有無フラグは初期値である0のままとなる。例えば、図4のユーザID「aaa」、画像形成日時「08−07−31 08:30:55」、出力用紙サイズ「A4」に対応するA4サイズの出力用紙は、図5(1)に示すように6つの領域に分けられ、領域のNo.5とNo.6が余白である。このようなときは、図4の余白有無フラグのNo.5とNo.6に「1」がセットされ、それ以外のNo.1からNo.4は「0」となる。
【0023】
図6は、本発明の第1の実施の形態である画像形成装置100の制御部210の原稿印刷処理部211が実行する原稿印刷処理の流れを示すフローチャートである。図7は、本発明の第1の実施の形態である画像形成装置100の制御部210の出力用紙処理部212が実行する出力用紙処理の流れを示すフローチャートである。
【0024】
まず、図6の原稿印刷処理フローチャートを参照して、原稿を印刷するまでの処理を説明する。ユーザが画像形成装置100の原稿載置装置110に原稿を載置し、操作パネル120からユーザIDと出力用紙のサイズを設定し印刷要求を行うと、制御部210が原稿印刷処理部211に通知し、原稿印刷処理部211は原稿印刷処理を開始する。
【0025】
(ステップS10)
原稿印刷処理部211が操作パネル部220に対してユーザID、出力用紙のサイズ、現在日時の入力を要求すると、操作パネル部220は操作パネル120からユーザID、出力用紙のサイズ、現在日時を入力し、原稿印刷処理部211に出力する。原稿印刷処理部211は、ユーザID、出力用紙のサイズ、現在日時を入力する。
【0026】
(ステップS11)
原稿印刷処理部211が原稿読取部230に対して原稿載置装置110に載置された原稿の読取を要求すると、原稿読取部230は原稿載置装置110に載置された原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。そして、原稿読取部230は、生成した原稿の画像データに、ステップS10で入力したユーザID、現在日時(以下、画像形成日時という)を書き込み、原稿印刷処理部211に出力する。
【0027】
(ステップS12)
原稿印刷処理部211が原稿読取部230に対して原稿の余白部分の検出を要求すると、原稿読取部230は原稿の余白部分を検出し、検出した余白部分のデータを、原稿印刷処理部211に出力する。
【0028】
(ステップS13)
原稿印刷処理部211は、ステップS12で原稿読取部230から出力された余白部分のデータを入力する。そして、原稿印刷処理部211は、ステップS10で入力したユーザID、出力用紙のサイズ、画像形成日時と、余白部分のデータに基づいて、図4に示す出力用紙管理テーブル261に出力用紙の管理データを設定する。例えば、ユーザID「bbb」、現在日時「08−08−01 09:40:20」、出力用紙サイズ「A3」、図5(2)に示すような余白部分のデータが入力されたときは、図4のNo.1にデータが既に設定されていれば、次のNo.2のユーザID261aに「bbb」、画像形成日時261bに「08−08−01 09:40:20」、用紙サイズ262cに「A3」、余白有無フラグ261dのNo.3、No.5、No.7、No.8、No.10に「1」がセットされ、それ以外は「0」となる。
【0029】
(ステップS14)
原稿印刷処理部211は、ステップS11で原稿読取部230から出力された原稿の画像データを入力する。そして原稿印刷処理部211は、入力した画像データにヘッダ部を設け、そのヘッダ部にユーザIDと画像形成日時を設定し、その画像データを補助記憶部260の画像データ一時保存エリア262に保存する。
【0030】
(ステップS15)
原稿印刷処理部211が画像印刷部240に対して原稿の画像データの印刷を要求すると、画像印刷部240は画像印刷装置140に画像データを印刷させ、印刷された原稿の出力用紙を出力用紙トレイ150に排出し、原稿印刷処理を終了する。
【0031】
次に、図7の出力用紙処理フローチャートを参照して、出力用紙トレイ150に載置されている出力用紙の処理を説明する。予め決められた時刻になると制御部210が出力用紙処理部212に通知し、出力用紙処理部212は出力用紙処理を開始する。
【0032】
(ステップS20)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙トレイ150から出力用紙を取り込むよう要求すると、出力用紙処理装置160は出力用紙トレイ150から出力用紙を取り込む。
【0033】
(ステップS21)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して取り込んだ出力用紙を出力用紙ボックス161へ保管するよう要求すると、出力用紙処理装置160は取り込んだ出力用紙を出力用紙ボックス161に保管する。
【0034】
(ステップS22)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙トレイ150が空であるかの判定を要求すると、出力用紙処理装置160は出力用紙トレイ150が空であるかを判定し出力用紙処理部212に通知する。出力用紙処理部212は、出力用紙トレイ150が空であるとき(ステップS22のYes)は、予め決められた一定時間が経過するまで待ち状態とするステップS23に進む。また、出力用紙トレイ150が空でないとき(ステップS22のNo)は、出力用紙トレイ150から出力用紙を取り込むステップS20に戻る。
【0035】
(ステップS23)
出力用紙処理部212は、予め決められた一定時間が経過するまで出力用紙処理を待ち状態とする。
【0036】
(ステップS24)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙ボックス161から出力用紙の取り出しを要求すると、出力用紙処理装置160は出力用紙ボックス161から出力用紙を取り出す。
【0037】
(ステップS25)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙に書き込まれているユーザIDと画像形成日時の読み取りを要求すると、出力用紙処理装置160は出力用紙センサー162を使用して出力用紙に書き込まれているユーザIDと画像形成日時を読み取る。
【0038】
(ステップS26)
出力用紙処理部212は、ステップS25で出力用紙から読み取ったユーザIDと画像形成日時と同じユーザIDと画像形成日時がヘッダ部に設定されている画像データを補助記憶部260の画像データ一時保存エリア262から取出す。そして、出力用紙処理部212は、取出した画像データをデータ保存部270の画像データ保存エリア271に保存する。
【0039】
(ステップS27)
出力用紙処理部212は、ステップS25で読み取ったユーザIDと画像形成日時に対応する出力用紙サイズと余白有無フラグを出力用紙管理テーブル261から取り出す。例えば、ユーザIDが「bbb」、画像形成日時が「08−08−01 09:40:20」であれば、出力用紙管理テーブル261のユーザID261aが「bbb」、画像形成日時261bが「08−08−01 09:40:20」に対応する用紙サイズ262cの「A3」、余白有無フラグ261dの余白有無フラグが取り出される。
【0040】
(ステップS28)
出力用紙処理部212は、ステップS27で取り出した余白有無フラグから出力用紙に余白部分があるかを判定する。出力用紙処理部212は、出力用紙に余白部分があるとき(ステップS28のYes)は、出力用紙を余白部分と余白以外の部分とに分けて裁断するステップS30に進む。また、出力用紙に余白部分がないとき(ステップS28のNo)は、出力用紙を廃棄用紙ボックス165に保管するステップS29に進む。
【0041】
(ステップS29)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙ボックス161の出力用紙を廃棄用紙ボックス165へ移動させる要求を行うと、出力用紙処理装置160は出力用紙ボックス161から出力用紙を取り出し、廃棄用紙ボックス165に保管する。
【0042】
(ステップS30)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙ボックス161から出力用紙の取り出しを要求すると、出力用紙処理装置160は出力用紙ボックス161から出力用紙を取出す。そして、出力用紙処理部212がステップS27で取り出した出力用紙サイズと余白有無フラグに基づいて、出力用紙裁断部250に出力用紙の裁断を要求すると、出力用紙裁断部250は出力用紙を余白部分と余白以外の部分とに分けて裁断する。例えば、出力用紙サイズが「A3」で、余白有無フラグのNo.3、No.5、No.7、No.8、No.10が「1」であれば、図5(2)に示すA3サイズの出力用紙のNo.3、No.5、No.7、No.8、No.10が余白部分として裁断される。
【0043】
(ステップS31)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙裁断部250が裁断した出力用紙の余白部分をメモ用紙ボックス164への保管を要求すると、出力用紙処理装置160は出力用紙の余白部分をメモ用紙ボックス164に保管する。
【0044】
(ステップS32)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙裁断部250が裁断した出力用紙の余白以外の部分を廃棄用紙ボックス165への保管を要求すると、出力用紙処理装置160は出力用紙の余白以外の部分を廃棄用紙ボックス165に保管する。そして、出力用紙処理部212は、出力用紙処理を終了する。
【0045】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、画像形成装置100において、画像形成装置100の出力用紙トレイ150の出力用紙を取り忘れたときに、予め決められた時刻になると出力用紙トレイ150に放置されている出力用紙が出力用紙ボックス161に保管されるので、情報漏洩を防止できる。また、廃棄用紙ボックス165に保管されている出力用紙の余白以外の部分を裁断し廃棄することで、ゴミの量を削減することができる。本発明の第1の実施の形態では、原稿印刷処理で原稿の画像データにユーザIDと画像形成日時を書き込むようにしたが、地紋印刷などの技術で書き込むようにすることも可能である。
【0046】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態は、本発明の第1の実施の形態の出力用紙処理において、出力用紙トレイ150から出力用紙を取り込んだときに、出力用紙からユーザIDを読み取りそのユーザIDのユーザに出力用紙が放置されていることを通知することができる実施の形態である。第2の実施の形態における画像形成装置100の構成は、図1に示す第1の実施の形態の画像形成装置100の出力用紙処理装置150に、第2の出力用紙センサー166を備えている以外は同じである。
【0047】
図8は、本発明の第2の実施の形態である画像形成装置100の制御部210の出力用紙処理部212が実行する出力処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、本発明の第2の実施の形態の出力用紙処理は、本発明の第1の実施の形態の出力用紙処理のステップS21とステップS22の間にステップS21aからステップS21dの処理が追加されている以外は同じである。
【0048】
図9を参照してユーザメールアドレステーブル263の構成について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態であるユーザメールアドレステーブル263の構成を示すテーブルである。図9に示すようにユーザメールアドレステーブル263は、ユーザID263a、メールアドレス263bが設定されているテーブルである。ユーザID263aは、画像形成装置100を使用するユーザの予め登録しているユーザIDである。メールアドレス263bは、ユーザID263aに対応するユーザが保持しているメールアドレスである。例えば、ユーザのユーザIDが「aaa」で、そのユーザが保持しているメールアドレスが「aaa@XXX.co.jp」であれば、図9のユーザIDには「aaa」、メールアドレスには「aaa@XXX.co.jp」が設定される。
【0049】
図8と図9を参照して本発明の第2の実施の形態の出力用紙処理のステップS21aからステップS21dの処理について説明する。
【0050】
(ステップS21a)
出力用紙処理部212が出力用紙処理装置160に対して出力用紙に書き込まれているユーザIDの読み取りを要求すると、出力用紙処理装置160は第2の出力用紙センサー166を使用して出力用紙に書き込まれているユーザIDを読み込む。
【0051】
(ステップS21b)
出力用紙処理部212は、ステップS21aで読み込んだユーザIDに対応するユーザアドレスを補助記憶部260のユーザメールアドレステーブル263から取り出す。例えば、ユーザIDが「bbb」であれば、ユーザメールアドレステーブル263のユーザID263aに「bbb」が設定されているユーザID263aに対応するメールアドレス263bの「bbb@XXX.co.jp」が取り出される。
【0052】
(ステップS21c)
出力用紙処理部212は、前回のメールアドレスと同じであるかを判定する。出力用紙処理部212が、前回のメールアドレスと同じであると判定したとき(ステップS21cのYes)は、取り込んだ出力用紙を出力用紙ボックス161へ保管するステップS21に進む。また、出力用紙処理部212が、前回のメールアドレスと同じでないと判定したとき(ステップS21cのNo)は、ユーザにメールを送信するステップS21dに進む。但し、メールアドレスの初期値は、0でクリアされているものとする。
【0053】
(ステップS21d)
出力用紙処理部212は、ステップS21bで取出したメールアドレスに、出力用紙トレイ150に放置されているユーザの出力用紙を出力用紙ボックス161に保管したことを通知するメールを送信する。
【0054】
このような本発明の第2の実施の形態によれば、ユーザが画像形成装置100の出力用紙トレイ150から出力用紙を取り忘れたときに、その出力用紙を出力用紙ボックス161に保管したことを、メールを送信することでユーザに通知することができる。そしてメールを受信したユーザは、出力用紙ボックス161の施錠を解除して、出力用紙ボックス161から出力用紙を取り出すことができる。
【0055】
以上のように本発明の実施の形態によれば、画像形成装置の出力用紙トレイの出力用紙を取り忘れたときに、この出力用紙を適切に処理することができるので、出力用紙が放置されることによる情報漏洩を防止し、また放置された出力用紙の余白部分を有効利用することで、ゴミの量を削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、画像形成装置、その出力用紙の処理方法に好適であるが、画像形成装置以外の電子機器の出力用紙の処理方法にも応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の裁断装置の構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る出力用紙管理テーブルの構成図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る出力用紙の余白部分を示す例である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る原稿印刷処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る出力用紙処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る出力用紙処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るユーザメールアドレステーブルの構成図である。
【符号の説明】
【0058】
100・・・画像形成装置、 110・・・原稿載置装置、 111・・・原稿台、
112・・・原稿給送装置、 113・・・原稿トレイ、 114・・・原稿搬送路、
115・・・原稿排出トレイ、 120・・・操作パネル、 130・・・原稿読取装置、
131・・・第1キャリッジ、 132・・・第2キャリッジ、
133・・・集光レンズ、 134・・・光源、 135・・・ミラー、
136・・・ミラー、 137・・・ミラー、 138・・・ラインイメージセンサ、
139・・・副走査方向、 140・・・画像印刷装置、 141・・・感光体ドラム、
142・・・感光体ドラム矢印方向、 143・・・帯電器、 144・・・露光器、
145・・・現像器、 146・・・転写器、 147・・・クリーニングユニット、
148・・・定着器、 149a・・定着ローラ、 149b・・加圧ローラ、
150・・・出力用紙トレイ、 160・・・出力用紙処理装置、
161・・・出力用紙ボックス、 162・・・出力用紙センサー、
163・・・裁断装置、 163a・・裁断用搬送路、 163b・・裁断機、
163c・・搬送用モータローラ、 163d・・搬送用モータローラ、
164・・・メモ用紙ボックス、 165・・・廃棄用紙ボックス、
166・・・第2の出力用紙センサー、 170・・・供給用紙装置、
171・・・供給用紙ボックス、 172・・・供給用紙ボックス、
200・・・画像形成装置機能ブロック、 210・・・制御部、
211・・・原稿印刷処理部、 212・・・出力用紙処理部、
220・・・操作パネル部、 230・・・原稿読取部、 240・・・画像印刷部、
250・・・出力用紙裁断部、 260・・・補助記憶部、
261・・・出力用紙管理テーブル、 262・・・画像データ一時保存エリア、
263・・・ユーザメールアドレステーブル、 270・・・データ保存部、
271・・・画像データ保存エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力した出力用紙を取り込むことができる画像形成装置であって、
前記出力用紙の余白部分を検出する余白検出手段と、
前記出力用紙を前記余白部分と余白以外の部分とに分けて裁断する出力用紙裁断手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記出力用紙を保管する出力用紙保管手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力用紙に印刷された画像データを保存する画像データ保存手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記出力用紙を出力要求したユーザのユーザIDと、前記画像データの画像形成日時と、前記出力用紙のサイズと、前記出力用紙の余白有無が設定されている出力用紙管理テーブルを記憶する出力用紙管理テーブル記憶手段を備え、
前記画像データ保存手段は前記ユーザIDと前記画像形成日時を前記画像データのヘッダ部に設定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像データにユーザIDと画像形成日時を書込むことができる画像データ書込手段と、
前記出力用紙から前記ユーザIDと前記画像形成日時を読取ることができる出力用紙読取手段とを備え、
前記出力用紙読取手段で読み取った前記ユーザIDと前記画像形成日時から前記画像データ保存手段で保存した前記画像データを取り出すことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記出力用紙裁断手段で裁断した前記出力用紙の前記余白部分をメモ用紙として保管するメモ用紙保管手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記出力用紙裁断手段で裁断した前記出力用紙の前記余白以外の部分を廃棄用紙として保管する廃棄用紙保管手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ユーザIDと前記ユーザIDに対応するユーザのメールアドレスが設定されているユーザメールアドレステーブルを記憶するユーザメールアドレス記憶手段を備え、
前記出力用紙保管手段で前記出力用紙を保管したことを前記出力用紙の前記ユーザ宛にメールで送信することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
出力した出力用紙を取り込むことができる画像形成装置の出力用紙処理方法であって、
前記出力用紙の余白部分を検出する余白検出工程と、
前記出力用紙を前記余白部分と余白以外の部分とに分けて裁断する出力用紙裁断工程と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置の出力用紙処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−74402(P2010−74402A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238224(P2008−238224)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】