説明

画像形成装置

【課題】装置全体の小型化、構造の簡素化、低コスト化を図ることができ、シートを複数の搬送先へ選択的に搬送できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成部により画像が形成されたシートを第1のシート搬送先へ向けて搬送する第1搬送路L3,L4と、第1搬送路L3から分岐され、シートを反転部Qbまで搬送する反転搬送路Lcと、反転部Qbに設けられシートを挟持して搬送方向を反転させる反転ローラ対430と反転ローラ対430により搬送方向が反転されたシートを反転搬送路Lcから画像形成部の上流側まで戻す戻し搬送路Lbと、反転搬送路Lcから分岐され、反転ローラ対430により搬送方向が反転されたシートを第2のシート搬送先50bへ向けて搬送する第2搬送路Ldと、搬送方向が反転されたシートを戻し搬送路Lbへ導く第1状態と第2搬送路Ldへ導く第2状態とに切り換え可能なシート搬送先切り換え部470と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、コピー機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機等の画像形成装置において、感光体ドラム等からなる画像形成部においてトナー画像が形成された用紙等のシートを後処理するにあたって、シートをそのまま排紙トレイ等が設置される箇所へ搬送して排出したり、他の機器へ移行させるために仕分け処理した後、前記箇所とは異なる別の箇所へ搬送して排出したりするといったように、画像形成後のシートを複数の搬送先へ選択的に搬送して排出できる機能を備えていることが望まれている。
【0003】
画像形成後のシートを複数の搬送先へ選択的に搬送して排出できる機能を有する画像形成装置として、従来、装置本体の上方部に、排紙トレイ等が設置される箇所とは別の箇所へシートを搬送させて排出することが可能なシート搬送排出ユニット(ジョブセパレータユニット)を設置すると共に、それら両箇所へのシート搬送を、例えばゲート部材の姿勢変化等の搬送経路切換機構により選択的に切り換えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−154083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置においては、装置本体の上方部にシート搬送排出ユニットが設置されるため、装置全体が大型化しやすい。
また、特許文献1に記載の画像形成装置においては、シート搬送排出ユニットは、その内部に専用のシート搬送ローラ、シート搬送路等を備えていなければならず、更に、装置本体の内部に搬送経路切換機構を設ける必要があるため、画像形成装置全体の構造が複雑化し、更に、コストアップしやすい。
【0006】
従って、本発明は、装置全体の小型化、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができると共に、シートを複数の搬送先へ選択的に搬送することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを第1のシート搬送先へ向けて搬送する第1搬送路と、前記第1搬送路から第1分岐部において分岐し、シートを反転部まで搬送する反転搬送路と、前記反転部に設けられ、該反転部に位置するシートを挟持して搬送方向を反転させる反転ローラ対と、前記反転ローラ対により搬送方向が反転されたシートを前記反転搬送路から前記画像形成部の上流側まで戻す戻し搬送路と、前記反転搬送路から第2分岐部において分岐し、前記反転ローラ対により搬送方向が反転されたシートを第2のシート搬送先へ向けて搬送する第2搬送路と、前記反転ローラ対により搬送方向が反転されたシートを、前記第2分岐部から前記戻し搬送路へ導く第1状態と前記第2搬送路へ導く第2状態とに切り換え可能なシート搬送先切り換え部と、を備える画像形成装置に関する。
【0008】
また、前記第2のシート搬送先には、該第2のシート搬送先に搬送されてきたシートを受け止めるシート受け止め部が設けられ、該シート受け止め部は、画像形成装置の装置本体の外側面と面一又は略面一になるように折り畳み可能に構成されていることが好ましい。
【0009】
また、前記シート受け止め部が前記装置本体に対して折り畳まれているか否かを検知する検知部と、前記検知部により前記シート受け止め部が前記装置本体に対して折り畳まれていると検知された場合にその旨を報知する報知部と、を更に備えることが好ましい。
【0010】
また、前記反転ローラ対は、該反転ローラ対の間に2枚のシートを配置可能に相互に離間させる離間機構を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置全体の小型化、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができると共に、シートを複数の搬送先へ選択的に搬送することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】本実施形態のコピー機1において、用紙Tの搬送方向を反転する反転部Qb及びジョブセパレータ400の構成を示す要部の概略断面図である。
【図3】本実施形態のコピー機1において、用紙Tの搬送方向を反転する反転部Qb及びジョブセパレータ400の具体的構成を示す要部の拡大概略断面図である。
【図4】本実施形態のコピー機1において、定着部9から排出される用紙Tが第1排紙部50aから排出される場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。
【図5】本実施形態のコピー機1において、定着部9から排出される用紙Tが反転部Qbまで搬送される場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。
【図6】本実施形態のコピー機1において、反転部Qbに搬送された用紙Tが第2排紙部50bから排出される場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。
【図7】本実施形態のコピー機1において、定着部9から排出される用紙Tを2枚、反転ローラ対430の間に配置させる場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。
【図8】本実施形態のコピー機1において、第2分岐部材450による用紙Tの分岐動作を説明する要部の拡大概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
図1により、実施形態における画像形成装置としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、本実施形態に係るコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置としてのコピー機1は、コピー機1における上下方向Zの上方側に配置される画像読取装置300と、コピー機1における上下方向Zの下方側に配置され画像読取装置300により読み取られた画像情報に基づいてシート(被転写材)としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
なお、コピー機1の説明において、副走査方向Xをコピー機1の「左右方向」ともいい、主走査方向Y(図1を貫く方向)をコピー機1の「前後方向」ともいう。コピー機1の上下方向Zは、副走査方向X及び主走査方向Yと直交する。
【0015】
まず、画像読取装置300について説明する。
図1に示すように、画像読取装置300は、原稿Gの画像を読み取る読取部301と、読取部301の上方側に配置され読取部301に原稿Gを搬送する原稿搬送部70と、を備える。
読取部301は、上方側に、第1読取面302A及び第2読取面302Bを備える。第1読取面302Aの上には、原稿搬送部70からの原稿Gが搬送される。第2読取面302Bには、ユーザにより、原稿Gが載置される。
【0016】
原稿搬送部70は、読取部301に対して不図示の連結部により開閉可能に連結されている。原稿搬送部70は、上方側に原稿載置部71を有し、原稿搬送部70の内部に送りローラ(図示せず)を有する。原稿搬送部70は、読取部301の第1読取面302A及び第2読取面302Bを覆う機能を有する。
【0017】
第1読取面302Aは、原稿搬送部70により搬送される原稿Gを読み取る場合に用いられる読取面である。第1読取面302Aは、第1コンタクトガラス335Aの上面に沿って形成される。第1読取面302Aは、読取部301における左側面近傍に位置する。
【0018】
第2読取面302Bは、原稿搬送部70を用いずに原稿Gを読み取る場合に用いられる読取面である。第2読取面302Bは、第2コンタクトガラス335Bの上面に沿って形成される。第2読取面302Bは、第1読取面302Aよりも右側であって、読取部301における副走査方向Xの大部分に亘っている。
第1読取面302A及び第2読取面302Bは、副走査方向X及び主走査方向Yに拡がる。
【0019】
原稿搬送部70により搬送される原稿Gを読み取る場合、原稿Gは、原稿載置部71に載置される。原稿載置部71に載置された原稿Gは、原稿搬送部70の内部に設けられた前記送りローラにより、読取部301の第1読取面302Aへ搬送される。原稿搬送部70により原稿Gが第1読取面302Aの上に搬送されることで、読取部301により、原稿Gの表面に形成された画像が読み取られる。
【0020】
また、原稿搬送部70が開状態において、ユーザにより、原稿Gは、第2読取面302Bに載置される。読取部301により、第2読取面302Bに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
【0021】
次に、装置本体Mについて説明する。
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0022】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0023】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、カール矯正用ローラ対85と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bを含むジョブセパレータ400と、を備える。搬送路Lは、第1主搬送路L1と、第2主搬送路L2と、第3主搬送路L3と、第4主搬送路L4と、手差し搬送路Laと、戻し搬送路Lbと、反転搬送路Lcと、サブ搬送路Ldと、合流搬送路Leとの集合体である。
なお、搬送路Lの詳細については後述する。
【0024】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0025】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0026】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0027】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0028】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0029】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0030】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0031】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0032】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラからなる対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡される。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0033】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0034】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0035】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0036】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0037】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0038】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0039】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0040】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対向ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写される。
【0041】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
【0042】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、給紙カセット52は、用紙Tを収容するカセットであり、装置本体Mの下部に上下に2個配列される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により、搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63とからなる重送防止機構を備える。
【0043】
手差し給紙部64は、装置本体Mの右側面(図1において右側)に設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0044】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1主搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2主搬送路L2と、定着部9から第1分岐部Q1までの第3主搬送路(第1搬送路)L3と、第1分岐部Q1から第1排紙部50aまでの第4主搬送路(第1搬送路)L4と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1主搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、戻し搬送路Lbと、を備える。その他の搬送路については後述する。
【0045】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、片面に印刷が施された用紙Tを表裏反転させて第1主搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0046】
第1主搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1主搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻し搬送路Lbが第1主搬送路L1に合流する合流部である。
【0047】
レジストローラ対80は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためローラ対である。このレジストローラ対80、及び用紙Tを検出するためのセンサ(図示せず)は、第1主搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラ8との間)に配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0048】
カール矯正用ローラ対85は、用紙Tのカールを矯正(低減)する。カール矯正用ローラ対85は、ローラ対の間に用紙Tを挿通させることで、用紙Tのカールを矯正する。カール矯正用ローラ対85は、第4主搬送路L4の途中(詳細には、第1分岐部Q1と第3合流部P3との間)に配置される。
【0049】
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態のコピー機1における特徴部分の構成について説明する。図2は、本実施形態のコピー機1において、用紙Tの搬送方向を反転する反転部Qb及びジョブセパレータ400の構成を示す要部の概略断面図である。図3は、本実施形態のコピー機1において、用紙Tの搬送方向を反転する反転部Qb及びジョブセパレータ400の具体的構成を示す要部の拡大概略断面図である。
【0050】
図1から図3に示すように、装置本体Mにおける上方側には、第1のシート搬送先としての第1排紙部50a及び第2のシート搬送先としての第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50aは、用紙Tを装置本体Mの一方側(図1において左側)の外部に排出する。第2排紙部50bは、ジョブセパレータ400に設けられ、用紙Tを装置本体Mの他方側(図1において右側)の外部に排出する。
【0051】
第1排紙部50aは、第1搬送路としての第4主搬送路L4の端部に設けられる。第1排紙部50aは、装置本体Mの左側面側(図1において左側、手差し給紙部64とは反対側)の上方側に配置され、外方へ向けて開口している。
第1排紙部50aにおける開口側には、後処理装置(図示せず)を連結することができる。後処理装置は、第1排紙部50aから排出される用紙Tの後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
【0052】
第1搬送路としての第3主搬送路L3と第4主搬送路L4との間には、第1分岐部Q1が設けられている。第4主搬送路L4の途中には、第3合流部P3が設けられている。反転搬送路Lcの途中には、第2分岐部Q2が設けられている。反転搬送路Lcにおける反転ローラ対430の近傍には、反転部Qbが設けられている。
第1分岐部Q1は、第3主搬送路L3から第4主搬送路L4と反転搬送路Lcとが分岐する分岐部である。第2分岐部Q2は、反転搬送路Lcからサブ搬送路Ldが分岐する分岐部である。反転部Qbは、用紙Tの搬送方向の反転が行われる部位である。第3合流部P3は、合流搬送路Leが第4主搬送路L4に合流する合流部である。
【0053】
搬送路Lとしては、前述した第1主搬送路L1から第4主搬送路L4の他に、第1分岐部Q1から反転部Qbまでの反転搬送路Lcと、反転搬送路Lcを搬送する用紙を第2分岐部Q2を介して第1主搬送路L1に戻す戻し搬送路Lbと、反転搬送路Lcを搬送する用紙を第2分岐部Q2を介して第2排紙部50bへ搬送する第2搬送路としてのサブ搬送路Ldと、反転搬送路Lcを搬送する用紙Tを反転部Qb及び第3合流部P3を介して第4主搬送路L4へ合流させる合流搬送路Leと、を備える。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0054】
第2排紙部50bは、装置本体Mの右側面側(図1において右側、手差し給紙部64側)の上方側に配置され、外方へ向けて開口している。装置本体Mにおける第2排紙部50bが開口している外部には、ジョブセパレータトレイ410(図1、図2参照)が装着されている。
【0055】
ジョブセパレータ400は、用紙Tに対して所定の仕分け処理などを行う部位であり、装置本体Mにおける上方の右側(図1において右側)に設けられる。例えば、ジョブセパレータ400は、用紙Tを第2排紙部50bから排出させる仕分け処理を行う。また、ジョブセパレータ400は、両面印刷を行う際に及び用紙Tを第2排紙部50bから排出させる際に、用紙Tの搬送方向を反転させる処理を行う。
また、詳述しないが、装置本体Mにおける第2排紙部50b側にシートインサータ(図示せず)が装着される場合には、ジョブセパレータ400は、シートインサータからジョブセパレータ400へ挿入されるインサート紙T1を、第4主搬送路L4へ合流させる仕分け処理を行う。
【0056】
図1から図3に示すように、ジョブセパレータ400は、ジョブセパレータトレイ410と、第2排出ローラ対420と、反転ローラ対430と、第1分岐部材440と、第2分岐部材450と、第3分岐部材460と、シート搬送先切り換え部としての搬送路切換駆動部470と、制御部500と、を備える。
【0057】
ジョブセパレータトレイ410は、その基端部を支点411として揺動させることにより、第2排紙部50bを開放する外方への展開姿勢(図1、図3参照)と、第2排紙部50bを閉塞する折り畳み姿勢(図2参照)とに変更可能に構成されている。ジョブセパレータトレイ410は、図1及び図3に示す展開姿勢にあるときには、ジョブセパレータ400により仕分けられて第2排紙部50bから排出される用紙Tを受け止めるシート受け止め部として機能する。一方、ジョブセパレータトレイ410は、図2に示す折り畳み姿勢に変更されたときには、装置本体Mの外側面と面一(ツライチ)又は略面一になり、装置本体Mの外側面の一部を形成する。
【0058】
図2に示すように、装置本体Mには、検知部としての接触式センサ480が設けられている。接触式センサ480は、ジョブセパレータトレイ410が装置本体Mに対して折り畳まれているか否かを検知する検知部であり、ジョブセパレータトレイ410が折り畳み姿勢に変更されているときに、検知信号S5を出力する。
【0059】
第2排出ローラ対420は、第2排紙部50bに設けられており、反転部Qbにおいて反転された用紙Tを、第2排紙部50bから排出するように送り出すローラ対である。
【0060】
反転ローラ対430は、反転部Qbに設けられており、反転部Qbに位置する用紙Tを挟持して搬送方向を反転させるローラ対である。反転ローラ対430は、ローラ対を相互に離間させる離間機構490を備えている。
離間機構490は、例えば、ソレノイド等から構成される。離間機構490は、反転ローラ対430の間に2枚の用紙Tを配置させるように、反転ローラ対430を相互に離間させるものである。
【0061】
第1分岐部材440は、第1分岐部Q1に設けられる。第1分岐部材440は、第3主搬送路L3を搬送する用紙Tの搬送方向を、第4主搬送路L4又は反転搬送路Lcに分岐させる(切り換える)。
【0062】
第2分岐部材450は、反転部Qbに設けられる。第2分岐部材450は、反転搬送路Lcを搬送する用紙Tを第2分岐部材450の上方に向けて、又は第4主搬送路L4に向けて分岐させる(切り換える)。第2分岐部材450の上方の空間は、反転ローラ対430により挟持した用紙Tを反転させる反転スペースとして機能する。
【0063】
第3分岐部材460は、第2分岐部Q2に設けられる。第3分岐部材460は、反転搬送路Lcを搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lb又はサブ搬送路Ldに向けて分岐させる(切り換える)。図3に示すように、第3分岐部材460は、リンク機構471を介して搬送路切換駆動部470に連結されている。
なお、第1分岐部材440及び第2分岐部材450もそれぞれ個別に搬送路切換駆動部(図示せず)を備えている。搬送路切換駆動部470を含む各搬送路切換駆動部は、例えば、ソレノイド等から構成される。
【0064】
そして、第1分岐部材440は、搬送路切換駆動部(図示せず)を介して図3の実線に示す姿勢と図3の点線に示す姿勢とに姿勢を変更することにより、定着部9から排出される用紙Tを、反転部Qbへ導く(分岐する)状態と、第4主搬送路L4へ導く(分岐する)する状態と、に切り換えられる。
また、第3分岐部材460は、搬送路切換駆動部470を介して図3の実線に示す姿勢と図3の点線に示す姿勢とに姿勢を変更することにより、反転部Qbで反転された用紙Tを戻し搬送路Lbへ導く(分岐する)第1状態と、サブ搬送路Ldへ導く(分岐する)第2状態と、に切り換えられる。
なお、第2分岐部材450の分岐動作については、後で略述する。
【0065】
次に、制御部500について詳述する。図2に示すように、制御部500は、搬送路切換駆動制御部501と、離間機構駆動制御部502と、報知部503と、を備える。搬送路切換駆動制御部501及び離間機構駆動制御部502は、切換指令操作部504に接続される。報知部503には、警告音出力部505が接続される。
なお、報知部503に接続される警告音出力部505に代えて、警告を点灯表示する警告灯出力部、警告を文字表示する警告表示出力部、又は警告音と点灯表示若しくは文字表示とを組み合わせた複合警告出力部を用いてもよい。
【0066】
搬送路切換駆動制御部501は、切換指令操作部504に入力される指令信号S1に基づいて、搬送路切換駆動部470を含む各搬送路切換駆動部に制御信号S2を出力することにより、第3分岐部材460を含む各分岐部材の姿勢を変更して、搬送路を切り換える(分岐する)制御を行う。
離間機構駆動制御部502は、切換指令操作部504に入力される指令信号S3に基づいて離間機構490に制御信号S4を出力することにより、反転ローラ対430を離間又は近接させる制御を行う。
【0067】
また、報知部503は、接触式センサ480による検知信号S5が入力されたか否かに基づいて、警告音出力部505に制御信号S6を出力することにより、警告音を発するか又は発しない制御を行う。
【0068】
次に、第1実施形態のコピー機1の全体動作について簡単に説明する。
まず、画像の形成動作について簡単に説明する。
読取部301により読み取られた画像情報は、装置本体Mに出力される。装置本体Mに入力された画像情報は、不図示の画像形成制御部に入力される。画像形成制御部は、画像情報に基づいて、画像形成部GKを構成する感光体ドラム2aから2d、帯電部10aから10d、レーザスキャナユニット4aから4dや現像器16aから16d等を制御する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dには、画像情報に基づいて、所定のトナー画像が形成される。
【0069】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像は、1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dにおいて中間転写ベルト7に順次1次転写される。中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像は、2次転写ニップN2において、搬送路Lを搬送される用紙Tに2次転写される。これにより、用紙Tには、原稿Gと同じ画像が形成される(コピーされる)。画像が形成された用紙Tは、第1排紙部50a及び第2排紙部50bから装置本体Mの外部に排紙される。
【0070】
次に、各搬送パターンにおける用紙Tの搬送動作について、画像の形成動作と併せて説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷が行われ、第1排紙部50aへ搬送される場合の搬送動作について説明する。
【0071】
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1主搬送路L1に送り出され、レジストローラ対80を経由して、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、2次転写ニップN2において、トナー画像が(2次)転写される。
その後、用紙Tは、2次転写ニップN2から排出され、第2主搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0072】
次いで、用紙Tは、第3主搬送路L3及び第4主搬送路L4を通して、第1排紙部50aへ搬送される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷が行われ、片面印刷が行われた用紙Tは、第1排紙部50aへ搬送され、後処理装置(図示せず)に供給されて後処理される。
【0073】
次に、手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合の搬送動作について説明する。
手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1主搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、給紙カセット52に収容された用紙Tに印刷を行う場合と同様であり、説明を省略する。
【0074】
次に、両面印刷を行う場合の搬送動作について説明する。
片面印刷がされた用紙Tが定着部9から排出されるまでは、片面印刷の場合と同様である。一方、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tは、定着部9から排出された後、第3主搬送路L3を搬送され、第1分岐部Q1において反転搬送路Lcに向けて搬送される。そして、用紙Tは、反転部Qbにおいて反転ローラ対430により第3主搬送路L3を逆方向(反転ローラ対430から第2分岐部Q2へ向かう方向)に搬送される。
【0075】
第3主搬送路L3を逆方向に搬送される用紙Tは、第2分岐部Q2を介して戻し搬送路Lbに導入される。この用紙Tは、第2合流部P2を介して、第1主搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0076】
更に、用紙Tは、第1主搬送路L1を介して、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間に導入される。このように、用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が2次転写ローラ8に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0077】
次に、図4から図8を参照して、本実施形態の特徴部分に係る搬送動作について説明する。
図4は、本実施形態のコピー機1において、定着部9から排出される用紙Tが第1排紙部50aから排出される場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。図5は、本実施形態のコピー機1において、定着部9から排出される用紙Tが反転部Qbまで搬送される場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。
【0078】
図6は、本実施形態のコピー機1において、反転部Qbに搬送された用紙Tが第2排紙部50bから排出される場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。図7は、本実施形態のコピー機1において、定着部9から排出される用紙Tを2枚、反転ローラ対430の間に配置させる場合における各部の動作状態を説明する要部の拡大概略断面図である。図8は、本実施形態のコピー機1において、第2分岐部材450による用紙Tの分岐動作を説明する要部の拡大概略断面図である。
【0079】
まず、定着部9から排出される用紙Tを第1排紙部50aから排出する場合には、切換指令操作部504に入力される指令信号S1及び搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動制御部501は、搬送路切換駆動部(図示せず)を介して第1分岐部材440を、図4に示す姿勢に変更させる。これによって、第3主搬送路L3を搬送されてくる用紙Tの搬送方向は、第4主搬送路L4に向かう方向a1に切り換えられる。これ以降は、片面印刷を行う場合と同様であり、説明を省略する。
【0080】
次に、定着部9から排出される用紙Tを反転部Qbまで搬送させる場合には、切換指令操作部504に入力される指令信号S1及び搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動制御部501は、搬送路切換駆動部(図示せず)を介して第1分岐部材440を、図5に示す姿勢に変更させる。これによって、第3主搬送路L3を搬送されてくる用紙Tの搬送方向は、反転搬送路Lcに向かう方向a2に切り換えられ、反転部Qbに搬送される。反転部Qbまで搬送された用紙Tは、反転ローラ対430に挟持されて搬送方向が反転(スイッチバック)され、戻し搬送路Lbに向かう方向a3に切り換えられる。これ以降は、両面印刷を行う場合と同様であり、説明を省略する。
【0081】
また、定着部9から排出される用紙Tを第2排紙部50bから排出させる場合には、用紙Tが反転部Qbに搬送された後において、切換指令操作部504に入力される指令信号S1及び搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動部470は、第3分岐部材460を図6に示す姿勢に変更させる。これによって、反転部Qbに位置する用紙Tは、反転ローラ対430に挟持されて搬送方向が反転(スイッチバック)され、第2分岐部Q2に向かう方向a4に切り換えられる。その後、用紙Tは、第2分岐部Q2を介してサブ搬送路Ldに導入され、第2排紙部50bからジョブセパレータトレイ410に排出される。
【0082】
また、定着部9から排出される複数枚の用紙Tをジョブセパレータトレイ410に排出させる場合には、反転部Qbに位置する用紙Tは、反転ローラ対430に挟持されて搬送方向が反転(スイッチバック)され、第2排出ローラ対420に挟持される。この状態において、切換指令操作部504に入力される指令信号S3に基づく離間機構駆動制御部502からの制御信号S4により、離間機構490は、反転ローラ対430を、図7に示すように相互に離間させる。同時に、搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動部470は、第3分岐部材460を、図7に示す姿勢、つまり、第3分岐部材460の先端部と反転搬送路Lcの底面との間に用紙Tが通過できる隙間sを確保する姿勢に変更させる。
【0083】
図7に示すように、反転ローラ対430が相互に離間された状態において、反転搬送路Lcに搬送されてくる用紙Tは、前述の隙間sを通り、第2排出ローラ対420に挟持されている用紙Tの下側に潜り込むようにして、反転部Qbに搬送される。これによって、反転部Qbには、2枚の用紙Tが配置される。
【0084】
その後、用紙Tを挟持する第2排出ローラ対420は、用紙Tを、繰り出し、第2排紙部50bからジョブセパレータトレイ410に排出させる。これとほぼ同時に、離間機構駆動制御部502からの制御信号S4に基づいて、離間機構490は、反転ローラ対430を相互に接触させて、反転部Qbに残った用紙Tを反転ローラ対430の間に挟持する。そして、搬送路切換駆動制御部501から出力される制御信号S2に基づいて、搬送路切換駆動部470は、第3分岐部材460を図6に示す姿勢に変更する(戻す)。このようにして、2枚の用紙Tを反転ローラ対430の間に配置させることができるため、第2排紙部50bから排出される用紙Tの排出(搬送)のピッチ(間隔)を向上させることができる。
【0085】
上述のような種々の搬送形態のうち、ジョブセパレータ400を使用して第2排紙部50b側へ用紙Tを搬送しない搬送形態を採るときには、図2に示すように、ジョブセパレータトレイ410を装置本体M側への折り畳み姿勢に変更する。これによって、ジョブセパレータトレイ410は、装置本体Mの外側面と面一又は略面一になり、装置本体Mの幅を小さくすることが可能である。
【0086】
そして、ジョブセパレータトレイ410が装置本体M側に折り畳まれているときには、接触式センサ480は、ジョブセパレータトレイ410の折り畳み状態を検知する。その後、その検知信号S5は報知部503に入力されて、報知部503から警告音出力部505へ制御信号S6は出力される。この制御信号S6の出力によって、警告音出力部505が作動し、警告音が発せられる。この警告音をコピー機1の使用者が聴くことにより、使用者は、ジョブセパレータトレイ410が装置本体M側に折り畳まれていることを認識し、用紙Tがジョブセパレータ400のサブ搬送路Ldを通して第2排紙部50b側に誤って搬送される事態を避けることができる。
【0087】
なお、装置本体Mにおける第2排紙部50b側にシートインサータ(図示せず)が装着される場合における第2分岐部材450の分岐動作について、図8を用いて説明する。
ジョブセパレータ400は、シートインサータからジョブセパレータ400へ挿入されるインサート紙T1を、第4主搬送路L4へ合流させる仕分け処理を行う。具体的には、シートインサータ(図示せず)から導入されたインサート紙は、ジョブセパレータ400に挿入され、サブ搬送路Ldを搬送され、第2分岐部Q2を介して反転搬送路Lcを搬送される。そして、このインサート紙は、図8に示すように、第2分岐部材450により搬送方向を合流搬送路Leに分岐され(切り換えられ)、第3合流部P3を介して、第4主搬送路L4へ合流する。更に、インサート紙は、第1排紙部50aから排出され、後処理装置に送り込まれて、複数の用紙Tの所定位置に挿入する等の後処理が行われる。
【0088】
上述した実施形態のコピー機1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態のコピー機1は、用紙Tに画像を形成する画像形成部GKと、画像形成部GKにより画像が形成された用紙Tを第1排紙部50aへ向けて搬送する第3主搬送路L3及び第4主搬送路L4と、第3主搬送路L3から第1分岐部Q1において分岐し、用紙Tを反転部Qbまで搬送する反転搬送路Lcと、反転部Qbに設けられ、反転部Qbに位置する用紙Tを挟持して搬送方向を反転させる反転ローラ対430と、反転ローラ対430により搬送方向が反転された用紙Tを反転搬送路Lcから画像形成部GKの上流側まで戻す戻し搬送路Lbと、反転搬送路Lcから第2分岐部Q2において分岐し、反転ローラ対430により搬送方向が反転された用紙Tを第2排紙部50bへ向けて搬送するサブ搬送路Ldと、反転ローラ対430により搬送方向が反転された用紙Tを、第2分岐部Q2から戻し搬送路Lbへ導く第1状態とサブ搬送路Ldへ導く第2状態とに切り換え可能な搬送路切換駆動部470と、を備える。
【0089】
そのため、用紙Tの両面印刷を行うために装置本体M内に設けられている反転搬送路Lc及び反転ローラ対430を、用紙Tの通常の排出先である第1排紙部50aとは別の搬送先である第2排紙部50bに搬送するための搬送路及び搬送ローラとして、有効に利用することが可能である。従って、画像形成後の用紙Tを第2排紙部50bへ搬送するための専用の構成を削減でき、用紙Tを複数の搬送先(第1排紙部50a及び第2排紙部50b)へ選択的に搬送して排出できる機能を備えるコピー機1の小型化、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【0090】
しかも、第2排紙部50bを、装置本体Mの上方ではなく、装置本体Mの側面など比較的低い位置に設けることが可能であると共に、反転部Qbで反転された用紙Tを、第1排紙部50aからの排出時と同じように印刷面が下向き(フェイスダウン)のままの状態で第2排紙部50bから装置本体Mの外部に排出することが可能である。従って、第2排紙部50bから外部へ排出される用紙Tの視認性も確保することができる。
【0091】
また、本実施形態のコピー機1においては、第2排紙部50bには、第2排紙部50bに搬送されてきた用紙Tを受け止めるジョブセパレータトレイ410が設けられ、ジョブセパレータトレイ410は、コピー機1の装置本体Mの外側面と面一又は略面一になるように折り畳み可能に構成されている。
そのため、第2排紙部50bから用紙Tを排出しないときには、ジョブセパレータトレイ410を折り畳むことにより、コピー機1の幅を小さく収めることが可能である。従って、ジョブセパレータトレイ410の不使用時に誤ってジョブセパレータトレイ410に衝突して破損する等の不都合を抑制することができる。
【0092】
また、本実施形態のコピー機1においては、ジョブセパレータトレイ410が装置本体Mに対して折り畳まれているか否かを検知する接触式センサ480と、この接触式センサ480によりジョブセパレータトレイ410が装置本体Mに対して折り畳まれていると検知された場合にその旨を報知する報知部503と、を更に備える。
そのため、ジョブセパレータトレイ410が折り畳まれた状態にあるときに、その旨を報知し、周囲の使用者に認識させることが可能である。従って、コピー機1の使用者等が誤ってサブ搬送路Ldを通して用紙Tを第2排紙部50b側に搬送してしまい、その結果、コピー機1の内部に紙詰り(JAM)を生じる等の不具合の発生を低減することができる。
【0093】
また、本実施形態のコピー機1においては、反転ローラ対430は、反転ローラ対430の間に2枚の用紙Tを配置可能に相互に離間させる離間機構490を備える。
そのため、反転ローラ対430を相互に離間させることにより、画像が形成された用紙Tを次々と反転ローラ対430の間に配置して挟持させることが可能である。従って、コピー機1の内部において、複数枚の用紙Tが第2排紙部50bに搬送される(第2排紙部50bから排出される)ピッチ(間隔)を向上させることができる。これにより、ジョブセパレータ400による排紙能力、ひいてはコピー機1の印刷生産性の向上を図ることができる。
【0094】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、ジョブセパレータ400が装置本体Mの内部に一体に組み込まれているもので説明したが。ジョブセパレータ400をオプションとし、装置本体Mに対して着脱可能としてもよい。この場合、離間機構490及び搬送路切換駆動部470は、オプションとなるジョブセパレータ400側に設けることにより、コピー機(画像形成装置)の装置本体側のコストを低減することが可能である。
【0095】
また、前述の実施形態においては、ジョブセパレータトレイ410が装置本体Mに折り畳まれているか否かを検知する接触式センサ480の検知信号を受けて、その旨を報知する報知部503を設けているが、これに制限されない。例えば、接触式センサ480の検知信号を受けたときに、第3分岐部材460がサブ搬送路Ldを自動的かつ強制的に塞ぐ姿勢に変更又は復帰されるようにしてもよい。
【0096】
また、シートは、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートでもよい。
本発明は、コピー機1に制限されず、プリンタ、ファクシミリ又はそれらの複合機に適用することができる。
【符号の説明】
【0097】
1……コピー機(画像形成装置)、50a……第1排紙部(第1のシート搬送先)、50b……第2排紙部(第2のシート搬送先)、410……ジョブセパレータトレイ(シート受け止め部)、430……反転ローラ対、470……搬送路切換駆動部(シート搬送先切り換え部)、480……接触式センサ(検知部)、490……離間機構、503……報知部、Lc……反転搬送路、Ld……サブ搬送路(第2搬送路)、Q1……第1分岐部、Q2……第2分岐部、Qb……反転部、M……装置本体、T……用紙(シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを第1のシート搬送先へ向けて搬送する第1搬送路と、
前記第1搬送路から第1分岐部において分岐し、シートを反転部まで搬送する反転搬送路と、
前記反転部に設けられ、該反転部に位置するシートを挟持して搬送方向を反転させる反転ローラ対と、
前記反転ローラ対により搬送方向が反転されたシートを前記反転搬送路から前記画像形成部の上流側まで戻す戻し搬送路と、
前記反転搬送路から第2分岐部において分岐し、前記反転ローラ対により搬送方向が反転されたシートを第2のシート搬送先へ向けて搬送する第2搬送路と、
前記反転ローラ対により搬送方向が反転されたシートを、前記第2分岐部から前記戻し搬送路へ導く第1状態と前記第2搬送路へ導く第2状態とに切り換え可能なシート搬送先切り換え部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2のシート搬送先には、該第2のシート搬送先に搬送されてきたシートを受け止めるシート受け止め部が設けられ、
該シート受け止め部は、画像形成装置の装置本体の外側面と面一又は略面一になるように折り畳み可能に構成されている
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シート受け止め部が前記装置本体に対して折り畳まれているか否かを検知する検知部と、
前記検知部により前記シート受け止め部が前記装置本体に対して折り畳まれていると検知された場合にその旨を報知する報知部と、を更に備える
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記反転ローラ対は、該反転ローラ対の間に2枚のシートを配置可能に相互に離間させる離間機構を備える
請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−201651(P2011−201651A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70665(P2010−70665)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】