説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置において、定着装置から容易にジャム用紙を除去可能とすることを目的とする。
【解決手段】脱着部200が本体に装着された際に、搬送ローラ対120,130を構成する一方の搬送ローラ130を回動可能に他方の搬送ローラ120に対して付勢する付勢手段142a,142bを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、これらのうちの複数の機能を備えた複合機等における画像形成装置においては、画像形成装置がフルカラー式の場合、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(BK)の各色にそれぞれ対応したドラムからなる複数の感光体が用意されている。そして、各感光体の周面には、レーザスキャニングユニットを用いて所定の静電潜像が形成されると共に、各感光体の周面には、供給された各色のトナーによって各色のトナー像がそれぞれ生成される。各感光体の周面に生成された各色のトナー像は、回転駆動する無端ベルトからなる転写ベルトに順次重畳転写され、これにより、転写ベルト上にはカラー画像が合成される。次いで、この転写ベルト上に合成されたカラー画像は、記録紙等の記録媒体に転写された後、定着装置で加圧・加熱されて定着処理される(特許文献1参照)。
【0003】
上記定着装置は、記録紙上に形成されたトナー画像を定着させるものであり、記録紙に熱を加えるための定着ローラと記録紙を定着ローラに圧接させるための加圧ローラとから構成されている。これら定着ローラ及び加圧ローラは、定着装置のユニットを形成するユニットケース内に設けられている。
このユニットケース内には、これら定着ローラ及び加圧ローラ以外に、定着後の記録紙に搬送力を付与する搬送ローラを備えている。この搬送ローラは、駆動ローラ及びその駆動ローラに押圧されて従動される従動ローラを備えている。
上記構成からなる定着装置においては、トナー像を保持した記録紙が定着ローラ及び加圧ローラ間に位置すると、記録紙は加熱及び圧力が加えられることによりトナーが定着されると共に、搬送ローラの回転により排紙トレイ側に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−100816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の定着装置を備えた画像形成装置において、定着装置での用紙詰まり、いわゆるジャムが発生したときは、定着装置からジャム用紙の引き出しを行う必要がある。ここで、ジャム用紙が駆動ローラ及び従動ローラからなる搬送ローラのグリップ力が強いと、ジャム用紙を容易に引き出すことができない。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、画像形成装置において、定着装置から容易にジャム用紙を除去可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、記録媒体を挟み込んで搬送する搬送ローラ対を有する定着装置と、上記記録媒体を搬送すると共に該定着装置が装着される本体に対して脱着可能とされた脱着部を有する搬送ユニットとを備える画像形成装置であって、上記脱着部が上記本体に装着された際に、上記搬送ローラ対を構成する一方の搬送ローラを回動可能に他方の搬送ローラに対して付勢する付勢手段を備えるという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記付勢手段は、上記搬送ローラの回転軸を軸支する軸支部と、定着装置に設けられ、上記脱着部が上記本体に装着された際に上記搬送ローラの回転軸と直交する方向から上記脱着部の押圧部に当接し、上記押圧部への当接方向に対して移動可能に支持された当接部と、上記当接部と上記軸支部との間に介装される弾性部材とを備えるという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第1または2の発明において、複数の上記付勢手段を備え、これらの付勢手段は、上記搬送ローラの回転軸の延在方向における中央に対して対称に配置されているという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれかの発明において、上記付勢手段は、上記搬送ローラの回転軸の延在方向において上記記録媒体の通過領域と重なる領域を避けて配置されているという構成を採用する。
【0012】
第5の発明は、上記第1〜第4いずれかの発明において、上記脱着部は、上記記録媒体を反転する反転経路の一部を構成し、上記本体から脱離された際に上記定着装置の上方領域を開放するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、定着装置が本体に装着された際に、搬送ローラ対を構成する一方の搬送ローラを回動可能に他方の搬送ローラに対して付勢する付勢手段を備える。このため、定着装置を本体に装着した際の搬送力を確保できると共に、定着装置を本体から脱離した際には付勢力が弱まってジャム用紙を容易に引き出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態における定着装置を適用した複写機の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における定着装置の駆動ローラ及び従動ローラを含む平面図である。
【図3】本発明の一実施形態における定着装置の駆動ローラ及び従動ローラを含む断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における定着装置の駆動ローラ及び従動ローラの他の例を含む斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態における定着装置において、脱着部を脱離したときの平面図ある。
【図6】本発明の一実施形態における定着装置において、脱着部を脱離したときの断面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、本発明の画像形成装置の一例として複写機を挙げて説明する。
【0016】
図1は、電子写真方式からなるフルカラー複写機Pの斜視図であり、この複写機Pは、周知の複写機と同様に、原稿の画像を読み取る画像読取部1と、読み取った画像データに基づいて記録紙(記録媒体)に印刷を行う印刷部2とを備えている。
【0017】
画像読取部1は、原稿の画像に光を照射し、その反射光を受光することによって原稿の画像を画像データとして読み取るものであり、原稿に光を照射する光源装置や原稿からの戻り光を受光して画像データに変換する受光センサ等を備えている。
【0018】
印刷部2は、ベルトユニット6と、画像形成ユニット7と、給紙カセット8と、給紙トレイ9と、二次転写部10と、定着装置11と、排紙トレイ12と、搬送路13と、廃トナー回収ユニット14とを備えている。
【0019】
ベルトユニット6は、画像形成ユニット7において形成されるトナー画像が転写され、この転写されたトナー画像を搬送するものであり、画像形成ユニット7からトナー画像が転写される中間転写ベルト61と、中間転写ベルト61を架設すると共に無端回送させる駆動ローラ62と、従動ローラ63と、テンションローラ64と、不図示のクリーニング部とを備えている。
【0020】
中間転写ベルト61は、駆動ローラ62、従動ローラ63及びテンションローラ64に張架される構成となっている。
駆動ローラ62は、モータ等の駆動源を有する駆動部に接続され、中間転写ベルト61に対しグリップ力を付与しつつ回走させるものである。
従動ローラ63は、駆動ローラ62の回転駆動に従動して回転駆動するものである。
テンションローラ64は、駆動ローラ62の回転駆動に従動して回転駆動する従動ローラの一種であり、バネ機構を有して中間転写ベルト61にテンションを与えるものである。
【0021】
不図示のクリーニング部は、中間転写ベルト61に関して、駆動ローラ62の位置よりも下流側で、かつ、最初の画像形成ユニット7(イエロー(Y))よりも上流側に設けられている。
【0022】
画像形成ユニット7は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色にそれぞれ対応して設けられており、各色のトナー画像を形成するものである。そして、これらの画像形成ユニット7は、中間転写ベルト61の回転駆動方向に沿って上流側から下流方向に向って順に配列されている。
【0023】
各画像形成ユニット7は、感光体71と、帯電器72と、レーザスキャニングユニット73と、現像装置74と、一次転写ローラ75と、クリーニング装置76及び不図示の除電装置等とを有する。
【0024】
感光体71は、円柱に形状設定され、その周面に静電潜像及び当該静電潜像に基づくトナー像が形成されるものである。帯電器72は、感光体71に対して対向配置され、感光体71の周面を帯電状態とするものである。レーザスキャニングユニット73は、印刷形式の画像データに基づいて射出されるレーザ光を帯電状態の感光体71の周面において走査するものである。
【0025】
現像装置74は、感光体71の周面に対してトナーを供給することによって感光体71の周面上に静電潜像に基づくトナー像を現像するものである。
一次転写ローラ75は、中間転写ベルト61を挟んで感光体71と対向配置され、感光体71に現像されたトナー像を中間転写ベルト61に一次転写するものである。クリーニング装置76は、一次転写の後に感光体71上に残留したトナーを除去するものである。
【0026】
給紙カセット8は、装置本体に対して引き出し自在であり、記録紙(記録媒体)を収容するものである。給紙トレイ9は、装置本体に対して開閉自在であり、記録紙を収容するものである。
二次転写部10は、中間転写ベルト61上に形成された画像を記憶媒体に二次転写するものであって、中間転写ベルト61を駆動させる駆動ローラ62と、中間転写ベルト61を挟んで該駆動ローラ62と対向配置される二次転写ローラ10aとから構成されている。
【0027】
定着装置11は、記録紙(記録媒体)上に二次転写されたトナー像をその記録紙に定着させるものであり、定着ローラ(加熱ローラ)100及び加圧ローラ110と、駆動ローラ120及び従動ローラ130とをユニットケース140内に配設して構成されている。この定着装置11については、後に図面を用いて詳述する。
【0028】
搬送路13は、給紙カセット8から記録紙を搬出するピックアップローラ13a、記録紙を搬送する給紙ローラ13b、排紙トレイ12に記録紙を排紙する排紙ローラ13c等を備える。
そして、本実施形態の複写機Pにおいては、図1に示すように搬送部13(搬送ユニット)が、記録紙を表裏反転させて定着装置11に供給するための反転経路13Aを備えている。この反転経路13Aの一部は、ジャムが発生した場合に搬送部13からジャム用紙を除去可能なように複写機Pの本体に対して脱着可能に構成されている。以下、反転経路13Aの脱着可能な一部を脱着部200と称する。
【0029】
この脱着部200は、図1に示すようにヒンジ201を介して複写機Pの本体に対して取り付けられており、ヒンジ201を中心として開け閉め可能に構成されている。
そして、脱着部200が開けられた場合には、反転経路13Aが開放されると共に定着装置11の上方領域Rが開放され、定着装置11が備える後述の駆動ローラ120と従動ローラ130とに対してユーザが容易にアクセス可能とされている。
一方、脱着部200の本体側には押圧部202が設けられており、脱着部200が閉じられた場合に、定着装置11に設置される後述のキャップ部143a,143b(当接部)に対して上記押圧部202が押し付けられるように構成されている。
【0030】
このような構成からなる複写機Pは、上述のように、画像読取部1において画像データが取得され、さらに印刷部2において当該画像データに基づいて記録紙にカラー印刷が行なわれる。
【0031】
以下、図2〜図6を用いて定着装置11について説明する。この定着装置11は、図1に示されるように、定着ローラ(加熱ローラ)100及び加圧ローラ110と、駆動ローラ120及び従動ローラ130と、従動ローラ付勢機構140と、ユニットケース150を備えている。
【0032】
定着ローラ(加熱ローラ)100は、ローラ表面が耐熱性を有する弾性材で形成されると共に、内部に熱源を配置して構成され、その軸心方向の長さは、記録紙の搬送方向と直交する方向の幅よりも少し大きく形成されている。そして、この定着ローラ100は、その軸心方向が記録紙の搬送方向と直交するように設けられている。
【0033】
加圧ローラ110は、軸心方向の長さは定着ローラ100と同一に構成されていて、ローラ表面は、定着ローラ100と同様に、耐熱性を有する弾性材で形成されている。そして、この加圧ローラ110の軸方向は、定着ローラ100と平行で、かつ、両ローラ100,110の表面が接する状態を保つように配設されている。
【0034】
駆動ローラ120は、本発明の搬送ローラ対の一方の搬送ローラに相当し、駆動ローラ120の支軸121は、図示しない駆動源に連結されていて回転駆動されるように構成されている。そして、その軸心方向の長さは定着ローラ100及び加圧ローラ110と同一に形成されていて、ローラ表面は、これらローラ100,110と同様に、耐熱性を有する弾性材で形成されている。また、この駆動ローラ120は、記録紙の搬送方向に関して定着ローラ100及び加圧ローラ110よりも下流側に設けられていると共に、この駆動ローラ120は、その軸心方向が記録紙の搬送方向と直交するように設けられている。
【0035】
なお、この駆動ローラ120は、図2及び図5では、その全体形状が一本の円柱状に形成されているが、図4に示されるように、これを支軸121の長手方向に沿って所定の間隔を保って、少し厚みのある円板を複数配置して構成してもよい。
【0036】
従動ローラ130は、本発明の搬送ローラ対の他方の搬送ローラに相当し、その従動ローラ130の支軸131の軸心方向の長さは駆動ローラ120と同一に構成されていて、ローラ表面は、駆動ローラ120と同様に、耐熱性を有する弾性材で形成されている。そして、この従動ローラ130の軸方向は、駆動ローラ120と平行で、かつ、両ローラ120,130の表面が接する状態を保つように配設されている。したがって、この従動ローラ130は、駆動ローラ120と接しているとき、その駆動ローラ120の回転力により回転することができる。
なお、この従動ローラ130は、図2及び図5では、その全体形状が一本の円柱状に形成されているが、図4に示される駆動ローラ120と同様に、支軸131の長手方向に沿って所定の間隔を保って、少し厚みのある円板を複数配置して構成し、製造コストを低減させるようにしてもよい。
【0037】
従動ローラ付勢機構140は、本発明の付勢手段に相当し、軸支部141a,141bと、コイルバネ142a,142bと、キャップ部143a,143bとから構成されている。
【0038】
軸支部141a,141bは、従動ローラ130の支軸131の両端側をそれぞれ回転自在に軸支すると共に、従動ローラ130の支軸131が、駆動ローラ120の支軸121の軸心方向と直交する方向に向けて移動自在となるように設けられている。これら軸支部141a,141bは、軸部中央部に鍔144a,144bがそれぞれ設けられている。
【0039】
コイルバネ142a,142bは、本発明の弾性部材に相当し、鍔144a,144bの外側(支軸131と反対側)の軸支部141a,141bにそれぞれ巻回して設けられている。
【0040】
キャップ部143a,143bは、本発明の当接部に相当し、一端部側が開口した筒状体からなり、その内径は、軸支部141a,141bの鍔144a,144b及びコイルバネ142a,142bの外径より少し大きく形成されている。
これらキャップ部143a,143bは、コイルバネ142a,142bの巻回されている軸支部141a,141bに、コイルバネ142a,142bを内蔵するようにしてそれぞれ装着されている。そして、これらキャップ部143a,143bの開口側と反対側は、ユニットケース150から少し突出するように設けられ、かつ、そのユニットケース150に対して移動自在に設けられている。
このようなキャップ部143a,143bは、上述の脱着部200が閉じられた際に、脱着部200に設けられた押圧部202によって押圧される。
【0041】
ユニットケース150は、その内部には、定着ローラ100、加圧ローラ110、駆動ローラ120、従動ローラ130及び従動ローラ付勢機構140を十分に収容できる空間が設けられている。
【0042】
図2及び図3は、上述の脱着部200が複写機Pの本体に装着された状態(脱着部200が閉じられた状態)を示していて、キャップ部143a,143bの開口側と反対側が脱着部200の押圧部202に押され、コイルバネ142a,142bの押圧力が従動ローラ130の支軸131に作用している状態を示している。この状態においては、搬送ローラ120及び従動ローラ130間に強いグリップ力が発生し、記録紙の搬送力を確保することができる。
図5及び図6は、上述の脱着部200が複写機Pの本体から脱離された状態(脱着部200が開けられた状態)を示していている。この状態で、キャップ部143a,143bの開口側と反対側は、脱着部200から離れた位置になり、コイルバネ142a,142bの押圧力は、従動ローラ130の支軸131に作用していない状態におかれる。したがって、この状態においては、駆動ローラ120及び従動ローラ130間にグリップ力は発生しない。
【0043】
上記構成からなる定着装置11を備えた複写機Pは、トナー像を保持した記録紙が定着ローラ100及び加圧ローラ110間に位置すると、記録紙は、それらローラ100,110による回転により搬送されると共に、加熱及び圧力が加えられることによりトナーが記録紙に定着される。そして、その定着された記録紙は、駆動ローラ120及び従動ローラ130に挟持されて搬送され、排紙トレイ12に排出される。
【0044】
一方、ジャムが発生したときは、脱着部200が本体から脱離され(図5及び図6参照)、ジャム用紙の引き出しが行なわれる。脱着部200が脱離されると、キャップ部143a,143bが脱着部200から離れ、コイルバネ142a,142bの押圧力が従動ローラ130の支軸131に作用しなくなる。さらには、脱着部200が脱離することにより、定着装置11の上方領域Rが開放され、駆動ローラ120及び従動ローラ130に対してユーザが容易にアクセスすることが可能となる。したがって、この状態においては、駆動ローラ120及び従動ローラ130間のジャム用紙を容易に引き出すことができ、簡単にジャムを解消することができる。ジャム解消後、脱着部200は、面倒な操作を必要とすることなく複写機Pの本体内の所定位置に装着され、これによって再び、従動ローラ130に押圧力が付与される。
【0045】
また、本実施形態においては、従動ローラ付勢機構140を2つ(複数)備えており、これらの従動ローラ付勢機構140が従動ローラ130の延在方向における中央に対して対称に配置されている。
このため、従動ローラ130の延在方向において、駆動ローラ120と従動ローラ130との間の押圧力を均一化することができ、ジャムの発生を抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態において、従動ローラ付勢機構140が、従動ローラ130の延在方向において記録紙の通過領域と重なる領域を避けて配置されている。
このため、記録紙に対して、局所的に大きな押圧力が作用することが防止し、駆動ローラ120と従動ローラ130との間の押圧力を均一化することができ、さらにジャムの発生を抑制することができる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0048】
例えば、上述の例では、複写機Pがフルカラー式の場合について説明したが、モノクロ式の場合であってもよい。
さらに、上述の例では、本発明の弾性部材に相当するコイルバネ142a,142bをユニットケース150の内側に設けて支軸131を押圧するようにしているが、支軸131を押圧する機構であれば、弾性部材はユニットケース150の外側、すなわち、脱着部200側に設けるようにしてもよい。
また、上述の例では、駆動ローラ120及び従動ローラ130からなる搬送ローラ対を複写機(画像形成装置)Pの定着装置11に適用したが、画像形成装置の他の部分における記録紙の搬送箇所に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
P……複写機(画像形成装置)、11……定着装置、13……搬送部(搬送ユニット)、100……定着ローラ、110……加圧ローラ、120……駆動ローラ、121……支軸、130……従動ローラ、131……支軸、140……従動ローラ付勢機構(付勢手段)、141a,141b……軸支部、142a,142b……コイルバネ(弾性部材)、143a,143b……キャップ部(当接部)、150……ユニットケース、200……脱着部、202……押圧部、R……定着装置の上部領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を挟み込んで搬送する搬送ローラ対を有する定着装置と、前記記録媒体を搬送すると共に該定着装置が装着される本体に対して脱着可能とされた脱着部を有する搬送ユニットとを備える画像形成装置であって、
前記脱着部が前記本体に装着された際に、前記搬送ローラ対を構成する一方の搬送ローラを回動可能に他方の搬送ローラに対して付勢する付勢手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記付勢手段は、
前記搬送ローラの回転軸を軸支する軸支部と、
定着装置に設けられ、前記脱着部が前記本体に装着された際に前記搬送ローラの回転軸と直交する方向から前記脱着部の押圧部に当接し、前記押圧部への当接方向に対して移動可能に支持された当接部と、
前記当接部と前記軸支部との間に介装される弾性部材と
を備えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の前記付勢手段を備え、これらの付勢手段は、前記搬送ローラの回転軸の延在方向における中央に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記付勢手段は、前記搬送ローラの回転軸の延在方向において前記記録媒体の通過領域と重なる領域を避けて配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記脱着部は、前記記録媒体を反転する反転経路の一部を構成し、前記本体から脱離された際に前記定着装置の上方領域を開放することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−215302(P2011−215302A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82334(P2010−82334)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】