画像形成装置
【課題】 カラー画像形成モード時には、カラー画像形成時に目立つ色ずれを抑制し、白黒画像形成モード時には、白黒画像形成時に目立つバンディングを抑制する。
【解決手段】 カラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを設定し(S902)、白黒画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを設定する(S908)。
【解決手段】 カラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを設定し(S902)、白黒画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを設定する(S908)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙にカラー画像形成を行うための像担持体をモータにより駆動する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像形成を行うための複数の感光ドラムにトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルトへ転写した後、中間転写ベルトから記録紙へトナー像を転写する画像形成装置がある。感光ドラムは減速ギアを介してモータにより駆動するため、感光ドラムの角速度変動ないし周速変動が発生し、カラー画像形成時に重なるべき複数色のトナー画像が重ならないという色ずれや、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになるバンディングなどが発生する。例えば、図8(a)に示すように感光ドラムの角速度は時間とともに変動する。図8(b)はこの角速度変化をフーリエ変換して得た、角速度の変動成分を周波数毎に示すグラフである。図8(b)では、3Hz付近、36Hz付近、290Hz付近にピークが現れている。3Hz付近の比較的低い周波数成分の変動はギア101の偏芯成分、36Hz付近の変動はモータ100の回転むら、290Hz付近の変動はギア101とモータ100のかみ合わせ時のショックである。3Hz付近の角速度変動は色ずれの原因となり、36Hz付近の角速度変動はバンディングの原因となる。
【0003】
色ずれ等を低減するために、感光ドラムの角速度を検出してモータのフィードバック制御を行うことで、減速ギアに起因する周波数成分の角速度変動を低減することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−175427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、次のような理由で、色ずれの低減とバンディングの低減の両立は難しい。図8(b)に示す角速度変動はフィードバックゲイン値を調整することで抑制できるが、全ての周波数の角速度変動を抑制することはできない。フィードバック制御における感度関数によれば、ある周波数の変動を減衰させようとすると、別の周波数の変動が増幅されてしまうからである。例えば、色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動は抑制するフィードバックゲインを設定すると、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動が増幅されてしまう。従って、色ずれを抑制するようにフィードバックゲインを調整してしまうと、白黒画像形成を行う場合はバンディングが目立ってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、記録紙に画像形成を行うための第1及び第2の像担持体と、前記第1及び第2の像担持体をそれぞれ回転駆動する第1及び第2のモータと、前記第1及び第2の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する第1及び第2の検知手段と、前記第1及び第2の検知手段の検知結果に応じて前記第1及び第2のモータの角速度をそれぞれフィードバック制御する第1及び第2のフィードバック手段と、前記第1及び第2のフィードバック手段のフィードバック制御のフィードバックゲインを設定する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時は、重なるべき画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段に設定し、前記第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段のうち少なくとも画像形成を行う像担持体に対応するフィードバック手段に設定することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、記録紙に画像形成を行うための複数の像担持体と、前記複数の像担持体をそれぞれ回転駆動する複数のモータと、前記複数の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する複数の検知手段と、前記複数の検知手段の検知結果に応じて前記複数のモータの角速度を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記複数の像担持体により複数色の画像を重ねることによりカラー画像を形成するカラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行い、前記複数の像担持体のいずれかによりモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行うことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時には、第1の画像形成モード時に目立つ画像の重なりずれを抑制し、第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時には、第2の画像形成モード時に目立つ周期的な濃淡むらを抑制することが可能になる。
【0009】
また、本発明によれば、カラー画像形成モード時には、カラー画像形成時に目立つ色ずれを抑制し、白黒画像形成モード時には、白黒画像形成時に目立つ周期的な濃淡むら(バンディング)を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るカラー複写機の断面図。
【図2】感光ドラム11の駆動構成を説明する図。
【図3】モータ100を制御する制御部200のブロック構成図。
【図4】回転速度検知部203における検知を説明する図。
【図5】回転速度検知部203におけるカウントと角速度の関係を示す図。
【図6】FB制御部205における処理を説明する図。
【図7】感光ドラム11a〜dを駆動するモータ100a〜dの制御ブロック図。
【図8】感光ドラム11a〜dの角速度の時間的変化及び角速度変動の周波数成分を示すグラフ。
【図9】フィードバックゲインに対する感度関数を説明する図。
【図10】色ずれを抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化、角速度変動の周波数成分、及び感度関数を示すグラフ。
【図11】バンディングを抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化、角速度変動の周波数成分、及び感度関数を示すグラフ。
【図12】フィードバックゲインを制御するCPU201の制御フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に関わる画像形成装置の断面図である。本実施形態のカラー複写機は、複数の画像形成部を並列に配し、且つ中間転写方式を採用している。カラー複写機は、画像読取部1Rと、画像出力部1Pとを有する。
【0012】
画像読取部1Rは、原稿画像を光学的に読み取り、電気信号に変換して画像出力部1Pに送信する。画像出力部1Pは、複数並設された画像形成部10(10a、10b、10c、10d)と、給紙ユニット20と、中間転写ユニット30と、定着ユニット40と、クリーニングユニット50とを有する。
【0013】
更に、個々のユニットについて詳しく説明する。各画像形成部10(10a、10b、10c、10d)のそれぞれは同じ構成である。第一の像担持体としての複数の感光ドラム11(11a、11b、11c、11d)が回転自在に軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11a〜11dの外周面に対向してその回転方向に一次帯電器12(12a、12b、12c、12d)、露光部13(13a、13b、13c、13d)、折り返しミラー16(16a、16b、16c、16d)、現像装置14(14a、14b、14c、14d)、及びクリーニング装置15(15a、15b、15c、15d)が配置されている。
【0014】
一次帯電器12a〜12dは、感光ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、露光部13a〜13dは、画像読取部1Rからの記録画像信号に応じて、レーザビームを折り返しミラー16a〜16dを介して感光ドラム11a〜11d上に露光する。これによって、感光ドラム11a〜11d上に静電潜像が形成される。
【0015】
更に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色の現像剤(以下、トナーという)をそれぞれ収納した現像装置14a〜14dによって、感光ドラム11a〜11d上の静電潜像を顕像化する。感光ドラム上に顕像化された可視画像(トナー画像)は画像転写位置Ta、Tb、Tc、Tdで、中間転写ユニット30における第二の像担持体としての中間転写ベルト31上に転写される。本実施形態では、第二の像担持体として中間転写ベルトを用いているが、ドラム状の中間転写ドラム等の中間転写体でもよい。
【0016】
画像転写位置Ta、Tb、Tc、Tdの下流に設けられたクリーニング装置15a、15b、15c、15dは、中間転写ベルト31に転写されずに感光ドラム11a〜11d上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
【0017】
給紙ユニット20は、用紙Pを収納するためのカセット21と、カセット21より用紙Pを一枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22と、ピックアップローラ22から送り出された用紙Pを更に搬送するための給紙ローラ対23とを有する。また、給紙ユニット20は、給紙ガイド24と、中間転写ベルト31上の画像に合わせて用紙Pを二次転写位置Teへ送り出すためのレジストレーションローラ25を有する。
【0018】
中間転写ユニット30について詳細に説明する。中間転写ベルト31は、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32と、中間転写ベルト31の回動に従動する従動ローラ33と、二次転写対向ローラ34によって保持されている。又、駆動ローラ32と従動ローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。駆動ローラ32は、モータ(不図示)によって回転駆動される。
【0019】
各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写位置Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写帯電器35(35a〜35d)が配置されている。一方、二次転写対向ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写位置Teを形成する。二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧されている。
【0020】
また、中間転写ベルト31の二次転写位置Teの下流には、中間転写ベルト 31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングユニット50が設けられている。クリーニングユニット50は、中間転写ベルト31上のトナーを除去するためのクリーニングブレード51と、クリーニングブレード51により掻き取られた廃トナーを収納する廃トナーボックス52とを備えている。
【0021】
定着ユニット40は、内部にハロゲンヒータなどの熱源を備えた定着ローラ41aと、そのローラに加圧される定着ローラ41bとを有する。更に、定着ユニット40は、定着ローラ対41a、41bのニップ部へ用紙Pを導くためのガイド43、定着ユニットの熱を内部に閉じ込めるための定着断熱カバー46を有する。また、定着ローラ対41a、41bから排出されてきた用紙Pをさらに装置外部に導き出すための排紙ローラ44、縦パスローラ45a、45b、排紙ローラ48、及び、用紙Pを積載する排紙トレイ47などを備えている。
【0022】
次に、上記構成のカラー複写機の動作について説明する。CPUにより画像形成開始信号が発せられると、カセット21から給紙動作を開始する。例えばカセット21から給紙された場合について説明すると、先ず、ピックアップローラ22により、カセット21から用紙Pが一枚ずつ送り出される。そして、給紙ローラ対23によって用紙Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストレーションローラ25まで搬送される。その時レジストレーションローラ25は停止されており、用紙Pの先端はレジストレーションローラ25のニップ部に突き当たる。その後、中間転写ベルト31上に形成された画像に合わせてレジストレーションローラ25は回転を始める。この回転開始タイミングは、用紙Pと中間転写ベルト31上のトナー画像とが二次転写位置Teにおいて一致するようにそのタイミングが設定されている。
【0023】
一方、画像形成部では、画像形成開始信号が発せられると、感光ドラム11d上に形成されたトナー画像が一次転写位置Tdにおいて一次転写帯電器35dによって中間転写ベルト31に一次転写される。一次転写されたトナー像は次の一次転写位置Tcまで搬送される。そこでは各画像形成部間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上に位置を合わせて、その次のトナー像が転写される。他の画像形成部でも同様の工程が行われることにより、4色のトナー像が中間転写ベルト31上に一次転写される。このように露光部13a〜13d、感光ドラム11a〜d、現像装置14a〜14d、中間転写ベルト31等により記録紙に対してカラー画像形成が行われる。白黒画像形成を行うときには、露光部13a、感光ドラム11a、現像装置14a、中間転写ベルト31等により画像形成が行われる。
【0024】
その後、用紙Pが二次転写位置Teに進入し、中間転写ベルト31に接触すると、用紙Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に高電圧を印加する。これにより、前述したプロセスにより中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー画像が用紙Pに転写される。その後、用紙Pは搬送ガイド43によって定着ローラ41a、bのニップ部まで案内される。そして、定着ローラ対41a、41bの熱及びニップの圧力によってトナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは、排紙ローラ44、縦パスローラ45a,45b、排紙ローラ48により搬送されて機外に排出され、排紙トレイ47に積載される。
【0025】
次に、画像形成装置に含まれるモータ制御装置による感光ドラム11の駆動について、図2を参照しながら説明する。本実施形態では、感光ドラム11a〜dそれぞれに対してDCブラシレスモータ100が設けられている。モータ100は制御部200により制御される。モータ100の駆動力は、ギア101、駆動軸103及びカップリング102を介して感光ドラム11に伝達される。これにより、感光ドラム11が回転する。
【0026】
駆動軸103にはエンコーダホイール111が固定されており、駆動軸103とエンコーダホイール111は同じ角速度で回転する。エンコーダ110はエンコーダホイール111及びエンコーダセンサ112を有する。エンコーダホイール111は透明な円板であり、その上に黒色の放射線状の線が等間隔で円周に沿って印刷されている。エンコーダセンサ112は、エンコーダホイール111を挟むようにして設けられた発光部と受光部を有し、円板の黒色部分が受光部の位置に来ると受光部への光が遮られ、円板の透明部分が受光部の位置へ来ると受光部へ光が入射する。エンコーダセンサ112は受光部へ光が入射したか否かに応じて信号を発生する。このようにして、エンコーダ110は、駆動軸103の角速度に応じた周期の信号を制御部200に供給する。そして、制御部200は、エンコーダ110からの信号に基づいて、モータ100のフィードバック制御を行う。
【0027】
図3は制御部200のブロック構成図である。回転速度検知部203はエンコーダ110からのパルス信号の周期を検知する。回転速度検知部203は、図4に示すパルス信号301の1周期(C1:パルス信号301の立ち上がりから次の立ち上がり)内でクロック302の数をカウントすることにより、パルス信号301の周期を検知する。クロック302はパルス信号301の周期よりも短い一定周期のパルス信号であり、水晶振動子などにより生成され、回転速度検知部203に入力される。
【0028】
そして、回転速度検知部203は、検知したパルス幅から角速度を演算する。図5(a)はモータ100を立ち上げたときの駆動軸103の角速度の変化を示し、図5(b)はそのときに回転速度検知部203でカウントしたカウント数(パルス周期)を示す。図からわかるように、角速度とカウント数は反比例の関係にある。よって、角速度は式1に基づいて算出される。回転速度検知部203は、検出した角速度を差分演算部204及びCPU201へ出力する。なお、Kは任意の係数である。
【0029】
【数1】
【0030】
差分演算部204は、回転速度検知部203から出力される検知角速度と、CPU201から供給される目標角速度との差分を演算する。FB制御部205は、差分演算部204から出力された差分値、及び、CPU201から供給されるフィードバックゲイン値(KP、TI、TD)に基づいて、駆動軸103が目標角速度で回転するために必要な補正制御値を演算する。
【0031】
駆動信号生成部207は、FB制御部205から出力される補正制御値とCPU201から出力される目標制御値を加算して得られた制御値に基づいたデューティのPWM制御信号を生成する。PWM制御信号は、モータ100をPWM制御(パルス幅変調制御)するための信号である。
【0032】
図6はFB制御部205における処理を説明する図である。FB制御部205は、差分演算部204から出力された差分値eに基づいたPID制御を行う。PID制御の制御値は式2に基づいて算出される。
【0033】
【数2】
【0034】
ここで、KP,TI,TDは、PID制御の比例項401、積分項402、微分項403におけるフィードバックゲイン値であり、駆動軸103の角速度に基づいてCPU201により決定される。
【0035】
図7は感光ドラム11a〜dを駆動するDCブラシレスモータ100a〜dの制御ブロック図である。感光ドラム11a〜11dにはそれぞれエンコーダ110a〜110d及びモータ100a〜dが設けられ、モータ100a〜dはそれぞれ制御部200a〜200dにより制御される。制御部200a〜dは、エンコーダ110a〜dからの信号に基づきモータ100a〜dのフィードバック制御を行う。制御部200a〜dの構成については、前述した制御部200と同じである。CPU201は、前述したように制御部200a〜dに対して、目標角速度、フィードバックゲイン値、及び目標制御値を設定する。つまり、記録紙に画像形成を行うための第1及び第2の像担持体と、第1及び第2の像担持体をそれぞれ回転駆動する第1及び第2のモータと、第1及び第2の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する第1及び第2の検知部(エンコーダ)が設けられている。そして、第1及び第2の検知部の検知結果に応じて第1及び第2のモータの角速度をそれぞれフィードバック制御する第1及び第2のフィードバック部(制御部200)と、第1及び第2のフィードバック手段のフィードバック制御のフィードバックゲインを設定する制御部(CPU201)が設けられている。
【0036】
図8(a)はモータ100がギア101を介して駆動される感光ドラム11の角速度の時間的変化を示すグラフである。図8(b)はこの角速度変化をフーリエ変換して得た、角速度の変動成分を周波数毎に示すグラフである。図8(b)では、3Hz付近、36Hz付近、290Hz付近にピークが現れている。3Hz付近の比較的低い周波数成分の変動はギア101の偏芯成分、36Hz付近の変動はモータ100の回転むら、290Hz付近の変動はギア101とモータ100のかみ合わせ時のショックである。3Hz付近の角速度変動は、カラー画像形成時に重なるべき複数色のトナー画像が重ならないという色ずれの原因となる。一方、36Hz付近の角速度変動は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになるバンディング(ピッチむらともいう)の原因となる。このバンディングは特に白黒画像形成時に目立つ傾向にある。
【0037】
このような角速度変動は、フィードバックゲイン値を調整することで抑制できるが、全ての周波数の角速度変動を抑制することはできない。フィードバック制御における感度関数によれば、ある周波数の変動を減衰させようとすると、別の周波数の変動が増幅されてしまうからである。図9は感度関数を説明するグラフであり、図9(a)(b)はそれぞれ異なるフィードバックゲインを設定したときの感度関数を示す。図9において、0dBよりも大きい応答を示す周波数では角速度変動は増幅され、0dBよりも小さい応答を示す周波数では角速度変動は減衰される。0dBは減衰も増幅もしないことを意味する。図9(a)の感度関数のとき、角速度変動を補正する力が全体的に弱く、20Hz付近を最も減衰し、40Hz以上の周波数を増幅する。図9(b)の感度関数のとき、100Hz以下において角速度変動を補正する力が全体的に強く、8Hz以下の低い周波数ほど角速度変動を減衰し、20Hz付近を中心に角速度変動を増幅する。この感度関数Sは式3で表され、ある周波数の変動を減衰させようとすると、別の周波数の変動が増幅されてしまうことから、ウォーターベッド効果とも呼ばれている。
【0038】
【数3】
【0039】
図10は、3Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化(図10(a))、角速度変動の周波数成分(図10(b))、感度関数(図10(c))を示すグラフである。図10(c)の感度関数に示すように、3Hz付近の角速度変動は大きく抑制されるが、50Hz付近の角速度変動は大きく増幅される。この結果、図10(b)を図8(b)と比較してわかるように、色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動は抑制されるが、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動は増幅される。本実施形態では、このような感度関数を有するフィードバックゲインをカラー画像形成時に設定する。これにより、カラー画像形成時に問題となる色ずれを抑制することができる。一方、バンディングについては強調される結果となるが、バンディングが目立つのは白黒画像形成時であり、カラー画像形成時は色ずれ抑制を優先させるため、カラー画像形成時は色ずれを抑制するフィードバックゲインを設定する。つまり、第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時は、重なるべき画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを第1及び第2のフィードバック部(制御部200)に設定する。換言すれば、複数の像担持体により複数色の画像を重ねることによりカラー画像を形成するカラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行う。
【0040】
図11は、40Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化(図11(a))、角速度変動の周波数成分(図11(b))、感度関数(図11(c))を示すグラフである。図11(c)の感度関数に示すように、40Hz付近の角速度変動は抑制されるが、200Hz付近の角速度変動は増幅される。この結果、図11(b)を図8(b)と比較してわかるように、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動は抑制されるが、色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動は抑制されない。本実施形態では、このような感度関数を有するフィードバックゲインを白黒画像形成時に設定する。これにより、白黒画像形成時に問題となるバンディングを抑制することができる。一方、色ずれについては抑制されない結果となるが、白黒画像形成時は複数色のトナー画像を重ねることがないので、色ずれの原因となる角速度変動は気にする必要がないため、白黒画像形成時はバンディングを抑制するフィードバックゲインを設定する。このフィードバックゲインは少なくともブラック用の感光ドラム11aに対応する制御部200aに設定する。つまり、第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを第1及び第2のフィードバック部(制御部200)のうち少なくとも画像形成を行う像担持体に対応するフィードバック部に設定する。換言すれば、複数の像担持体のいずれかによりモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行う。
【0041】
図12は、カラー画像形成モードであるか白黒画像形成モードであるかに応じて、感光ドラムを駆動するモータ制御のフィードバックゲインを切り替える制御を行うCPU201の制御フローチャートである。画像形成ジョブが開始されると、CPU201は操作部の設定や原稿の自動カラー判定に基づいてカラー画像形成モードかどうかを判断する(S901)。カラー画像形成ジョブと判断した場合、CPU201は制御部200a〜dに対して第1のフィードバックゲインを設定し、モータ100a〜dを駆動させる(S902)。第1のフィードバックゲインは色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインである。そして、CPU201は画像形成装置にカラー画像形成を行わせ(S903)、画像形成ジョブが終了したかどうかを判断する(S904)。画像形成ジョブが終了していない場合、次の画像をカラー画像形成モードで画像形成するかどうかを判断する(S905)。カラー画像形成モードと判断された場合は、ステップS903に戻る。一方、ステップS906で白黒画像形成モードと判断された場合は、CPU201は制御部200a〜dに対して後述する第2のフィードバックゲインを設定し、その後FB制御部205に積算された値をクリアする(S906)。そして、フィードバックゲインが変更されると数十ms〜数百msの間、モータの回転が不安定になる恐れがあるため、フィードバックゲイン変更後所定時間経過した後(S906)、ステップS909に進む。この所定時間は、モータ制御を安定させるための時間であり、例えば150ms程度である。
【0042】
ステップS901で白黒画像形成モードと判断した場合、CPU201は制御部200a〜dに対して第2のフィードバックゲインを設定し、モータ100a〜dを駆動させる(S908)。第2のフィードバックゲインは40Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインであり、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動を抑制する。そして、CPU201は画像形成装置に白黒画像形成を行わせ(S909)、画像形成ジョブが終了したかどうかを判断する(S910)。画像形成ジョブが終了していない場合、次の画像をカラー画像形成モードで画像形成するかどうかを判断する(S911)。白黒画像形成モードと判断された場合は、ステップS909に戻る。一方、ステップS911でカラー画像形成モードと判断された場合は、CPU201は制御部200a〜dに対して第1のフィードバックゲインを設定し、その後FB制御部205に積算された値をクリアする(S912)。そして、フィードバックゲイン変更後所定時間経過した後(S912)、ステップS903に進む。ステップS904またはS910で、画像形成ジョブが終了したと判断した場合、CPU201はモータ100a〜dを停止させ(S914)、画像形成ジョブを終了する。
【0043】
以上のように、カラー画像形成モードであるか否かに応じてフィードバックゲインを切り替えることにより、カラー画像形成モード時には色ずれを抑制した高画質な画像を形成し、白黒画像形成モード時にはバンディングを抑制した高画質な画像を形成することが可能となる。
【0044】
なお、白黒画像形成を行う際に、バックグラウンドにクリアトナー等で「Confidential」等の画像や地紋画像をオーバーレイするときも本実施形態では白黒画像形成モードとして制御する。
【0045】
また、本実施形態では、カラー画像形成モード時に色ずれに有利なフィードバックゲインを設定する例を説明したが、カラー画像形成モード時において、画像のエッジがはっきりせず、均一な濃度の画像領域のある写真画像を形成するときは、バンディングに有利なフィードバックゲインを設定してもよい。このような写真画像の場合、色ずれよりもバンディングが目立つことがあるからである。
【0046】
また、本実施形態では、複数の感光ドラムをそれぞれ複数のモータにより駆動しているが、複数の感光ドラムのいくつかは第1のモータにより駆動し、残りの感光ドラムは第2のモータにより駆動する構成でも同様の制御を行えばよい。
【0047】
また、本実施形態では、感光ドラムを駆動するモータ制御のフィードバックゲインについて詳細に説明したが、中間転写ベルトを駆動するモータ制御のフィードバックゲインについても同じである。
【0048】
また、本実施形態では、FB回路のフィードバックゲインを操作しているが、FB入力部の前段にローパスフィルタ等のフィルタを有する構成の場合は、フィルタの定数を変更するようにしてもよい。すなわち、カラー画像形成モード時は色ずれを抑制する第1のフィルタ定数を設定し、白黒画像形成モード時はバンディングを抑制する第2のフィルタ定数を設定すればよい。
【0049】
また、本実施形態では、駆動軸103に取り付けられたエンコーダ110によってモータ100の角速度を検知したが、モータ100からのFG信号に基づいて角速度を検知してもよい。また、感光ドラム11や中間転写ベルト31の周速を検知して、この検知結果に応じてフィードバック制御するようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、全ての感光ドラム11a〜dを駆動する状態で、制御部200a〜dの値を変更する例を説明したが、白黒画像形成モード時に中間転写ベルト31を感光ドラムb〜dから離す離間機構をもつ画像形成装置にも適用可能である。
【0051】
また、本実施形態では、複数の感光ドラムによりカラー画像を形成する構成を説明したが、1つの感光ドラムと複数の現像器によりカラー画像を形成する構成にも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 モータ
200 制御部
201 CPU
205 FB(フィードバック)制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙にカラー画像形成を行うための像担持体をモータにより駆動する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像形成を行うための複数の感光ドラムにトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルトへ転写した後、中間転写ベルトから記録紙へトナー像を転写する画像形成装置がある。感光ドラムは減速ギアを介してモータにより駆動するため、感光ドラムの角速度変動ないし周速変動が発生し、カラー画像形成時に重なるべき複数色のトナー画像が重ならないという色ずれや、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになるバンディングなどが発生する。例えば、図8(a)に示すように感光ドラムの角速度は時間とともに変動する。図8(b)はこの角速度変化をフーリエ変換して得た、角速度の変動成分を周波数毎に示すグラフである。図8(b)では、3Hz付近、36Hz付近、290Hz付近にピークが現れている。3Hz付近の比較的低い周波数成分の変動はギア101の偏芯成分、36Hz付近の変動はモータ100の回転むら、290Hz付近の変動はギア101とモータ100のかみ合わせ時のショックである。3Hz付近の角速度変動は色ずれの原因となり、36Hz付近の角速度変動はバンディングの原因となる。
【0003】
色ずれ等を低減するために、感光ドラムの角速度を検出してモータのフィードバック制御を行うことで、減速ギアに起因する周波数成分の角速度変動を低減することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−175427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、次のような理由で、色ずれの低減とバンディングの低減の両立は難しい。図8(b)に示す角速度変動はフィードバックゲイン値を調整することで抑制できるが、全ての周波数の角速度変動を抑制することはできない。フィードバック制御における感度関数によれば、ある周波数の変動を減衰させようとすると、別の周波数の変動が増幅されてしまうからである。例えば、色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動は抑制するフィードバックゲインを設定すると、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動が増幅されてしまう。従って、色ずれを抑制するようにフィードバックゲインを調整してしまうと、白黒画像形成を行う場合はバンディングが目立ってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、記録紙に画像形成を行うための第1及び第2の像担持体と、前記第1及び第2の像担持体をそれぞれ回転駆動する第1及び第2のモータと、前記第1及び第2の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する第1及び第2の検知手段と、前記第1及び第2の検知手段の検知結果に応じて前記第1及び第2のモータの角速度をそれぞれフィードバック制御する第1及び第2のフィードバック手段と、前記第1及び第2のフィードバック手段のフィードバック制御のフィードバックゲインを設定する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時は、重なるべき画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段に設定し、前記第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段のうち少なくとも画像形成を行う像担持体に対応するフィードバック手段に設定することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、記録紙に画像形成を行うための複数の像担持体と、前記複数の像担持体をそれぞれ回転駆動する複数のモータと、前記複数の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する複数の検知手段と、前記複数の検知手段の検知結果に応じて前記複数のモータの角速度を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記複数の像担持体により複数色の画像を重ねることによりカラー画像を形成するカラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行い、前記複数の像担持体のいずれかによりモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行うことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時には、第1の画像形成モード時に目立つ画像の重なりずれを抑制し、第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時には、第2の画像形成モード時に目立つ周期的な濃淡むらを抑制することが可能になる。
【0009】
また、本発明によれば、カラー画像形成モード時には、カラー画像形成時に目立つ色ずれを抑制し、白黒画像形成モード時には、白黒画像形成時に目立つ周期的な濃淡むら(バンディング)を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るカラー複写機の断面図。
【図2】感光ドラム11の駆動構成を説明する図。
【図3】モータ100を制御する制御部200のブロック構成図。
【図4】回転速度検知部203における検知を説明する図。
【図5】回転速度検知部203におけるカウントと角速度の関係を示す図。
【図6】FB制御部205における処理を説明する図。
【図7】感光ドラム11a〜dを駆動するモータ100a〜dの制御ブロック図。
【図8】感光ドラム11a〜dの角速度の時間的変化及び角速度変動の周波数成分を示すグラフ。
【図9】フィードバックゲインに対する感度関数を説明する図。
【図10】色ずれを抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化、角速度変動の周波数成分、及び感度関数を示すグラフ。
【図11】バンディングを抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化、角速度変動の周波数成分、及び感度関数を示すグラフ。
【図12】フィードバックゲインを制御するCPU201の制御フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に関わる画像形成装置の断面図である。本実施形態のカラー複写機は、複数の画像形成部を並列に配し、且つ中間転写方式を採用している。カラー複写機は、画像読取部1Rと、画像出力部1Pとを有する。
【0012】
画像読取部1Rは、原稿画像を光学的に読み取り、電気信号に変換して画像出力部1Pに送信する。画像出力部1Pは、複数並設された画像形成部10(10a、10b、10c、10d)と、給紙ユニット20と、中間転写ユニット30と、定着ユニット40と、クリーニングユニット50とを有する。
【0013】
更に、個々のユニットについて詳しく説明する。各画像形成部10(10a、10b、10c、10d)のそれぞれは同じ構成である。第一の像担持体としての複数の感光ドラム11(11a、11b、11c、11d)が回転自在に軸支され、矢印方向に回転駆動される。感光ドラム11a〜11dの外周面に対向してその回転方向に一次帯電器12(12a、12b、12c、12d)、露光部13(13a、13b、13c、13d)、折り返しミラー16(16a、16b、16c、16d)、現像装置14(14a、14b、14c、14d)、及びクリーニング装置15(15a、15b、15c、15d)が配置されている。
【0014】
一次帯電器12a〜12dは、感光ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、露光部13a〜13dは、画像読取部1Rからの記録画像信号に応じて、レーザビームを折り返しミラー16a〜16dを介して感光ドラム11a〜11d上に露光する。これによって、感光ドラム11a〜11d上に静電潜像が形成される。
【0015】
更に、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色の現像剤(以下、トナーという)をそれぞれ収納した現像装置14a〜14dによって、感光ドラム11a〜11d上の静電潜像を顕像化する。感光ドラム上に顕像化された可視画像(トナー画像)は画像転写位置Ta、Tb、Tc、Tdで、中間転写ユニット30における第二の像担持体としての中間転写ベルト31上に転写される。本実施形態では、第二の像担持体として中間転写ベルトを用いているが、ドラム状の中間転写ドラム等の中間転写体でもよい。
【0016】
画像転写位置Ta、Tb、Tc、Tdの下流に設けられたクリーニング装置15a、15b、15c、15dは、中間転写ベルト31に転写されずに感光ドラム11a〜11d上に残されたトナーを掻き落としてドラム表面の清掃を行う。以上に示したプロセスにより、各トナーによる画像形成が順次行われる。
【0017】
給紙ユニット20は、用紙Pを収納するためのカセット21と、カセット21より用紙Pを一枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22と、ピックアップローラ22から送り出された用紙Pを更に搬送するための給紙ローラ対23とを有する。また、給紙ユニット20は、給紙ガイド24と、中間転写ベルト31上の画像に合わせて用紙Pを二次転写位置Teへ送り出すためのレジストレーションローラ25を有する。
【0018】
中間転写ユニット30について詳細に説明する。中間転写ベルト31は、中間転写ベルト31に駆動を伝達する駆動ローラ32と、中間転写ベルト31の回動に従動する従動ローラ33と、二次転写対向ローラ34によって保持されている。又、駆動ローラ32と従動ローラ33の間に一次転写平面Aが形成される。駆動ローラ32は、モータ(不図示)によって回転駆動される。
【0019】
各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写位置Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写帯電器35(35a〜35d)が配置されている。一方、二次転写対向ローラ34に対向して二次転写ローラ36が配置され、中間転写ベルト31とのニップによって二次転写位置Teを形成する。二次転写ローラ36は、中間転写ベルト31に対して適度な圧力で加圧されている。
【0020】
また、中間転写ベルト31の二次転写位置Teの下流には、中間転写ベルト 31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングユニット50が設けられている。クリーニングユニット50は、中間転写ベルト31上のトナーを除去するためのクリーニングブレード51と、クリーニングブレード51により掻き取られた廃トナーを収納する廃トナーボックス52とを備えている。
【0021】
定着ユニット40は、内部にハロゲンヒータなどの熱源を備えた定着ローラ41aと、そのローラに加圧される定着ローラ41bとを有する。更に、定着ユニット40は、定着ローラ対41a、41bのニップ部へ用紙Pを導くためのガイド43、定着ユニットの熱を内部に閉じ込めるための定着断熱カバー46を有する。また、定着ローラ対41a、41bから排出されてきた用紙Pをさらに装置外部に導き出すための排紙ローラ44、縦パスローラ45a、45b、排紙ローラ48、及び、用紙Pを積載する排紙トレイ47などを備えている。
【0022】
次に、上記構成のカラー複写機の動作について説明する。CPUにより画像形成開始信号が発せられると、カセット21から給紙動作を開始する。例えばカセット21から給紙された場合について説明すると、先ず、ピックアップローラ22により、カセット21から用紙Pが一枚ずつ送り出される。そして、給紙ローラ対23によって用紙Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストレーションローラ25まで搬送される。その時レジストレーションローラ25は停止されており、用紙Pの先端はレジストレーションローラ25のニップ部に突き当たる。その後、中間転写ベルト31上に形成された画像に合わせてレジストレーションローラ25は回転を始める。この回転開始タイミングは、用紙Pと中間転写ベルト31上のトナー画像とが二次転写位置Teにおいて一致するようにそのタイミングが設定されている。
【0023】
一方、画像形成部では、画像形成開始信号が発せられると、感光ドラム11d上に形成されたトナー画像が一次転写位置Tdにおいて一次転写帯電器35dによって中間転写ベルト31に一次転写される。一次転写されたトナー像は次の一次転写位置Tcまで搬送される。そこでは各画像形成部間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上に位置を合わせて、その次のトナー像が転写される。他の画像形成部でも同様の工程が行われることにより、4色のトナー像が中間転写ベルト31上に一次転写される。このように露光部13a〜13d、感光ドラム11a〜d、現像装置14a〜14d、中間転写ベルト31等により記録紙に対してカラー画像形成が行われる。白黒画像形成を行うときには、露光部13a、感光ドラム11a、現像装置14a、中間転写ベルト31等により画像形成が行われる。
【0024】
その後、用紙Pが二次転写位置Teに進入し、中間転写ベルト31に接触すると、用紙Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ36に高電圧を印加する。これにより、前述したプロセスにより中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー画像が用紙Pに転写される。その後、用紙Pは搬送ガイド43によって定着ローラ41a、bのニップ部まで案内される。そして、定着ローラ対41a、41bの熱及びニップの圧力によってトナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは、排紙ローラ44、縦パスローラ45a,45b、排紙ローラ48により搬送されて機外に排出され、排紙トレイ47に積載される。
【0025】
次に、画像形成装置に含まれるモータ制御装置による感光ドラム11の駆動について、図2を参照しながら説明する。本実施形態では、感光ドラム11a〜dそれぞれに対してDCブラシレスモータ100が設けられている。モータ100は制御部200により制御される。モータ100の駆動力は、ギア101、駆動軸103及びカップリング102を介して感光ドラム11に伝達される。これにより、感光ドラム11が回転する。
【0026】
駆動軸103にはエンコーダホイール111が固定されており、駆動軸103とエンコーダホイール111は同じ角速度で回転する。エンコーダ110はエンコーダホイール111及びエンコーダセンサ112を有する。エンコーダホイール111は透明な円板であり、その上に黒色の放射線状の線が等間隔で円周に沿って印刷されている。エンコーダセンサ112は、エンコーダホイール111を挟むようにして設けられた発光部と受光部を有し、円板の黒色部分が受光部の位置に来ると受光部への光が遮られ、円板の透明部分が受光部の位置へ来ると受光部へ光が入射する。エンコーダセンサ112は受光部へ光が入射したか否かに応じて信号を発生する。このようにして、エンコーダ110は、駆動軸103の角速度に応じた周期の信号を制御部200に供給する。そして、制御部200は、エンコーダ110からの信号に基づいて、モータ100のフィードバック制御を行う。
【0027】
図3は制御部200のブロック構成図である。回転速度検知部203はエンコーダ110からのパルス信号の周期を検知する。回転速度検知部203は、図4に示すパルス信号301の1周期(C1:パルス信号301の立ち上がりから次の立ち上がり)内でクロック302の数をカウントすることにより、パルス信号301の周期を検知する。クロック302はパルス信号301の周期よりも短い一定周期のパルス信号であり、水晶振動子などにより生成され、回転速度検知部203に入力される。
【0028】
そして、回転速度検知部203は、検知したパルス幅から角速度を演算する。図5(a)はモータ100を立ち上げたときの駆動軸103の角速度の変化を示し、図5(b)はそのときに回転速度検知部203でカウントしたカウント数(パルス周期)を示す。図からわかるように、角速度とカウント数は反比例の関係にある。よって、角速度は式1に基づいて算出される。回転速度検知部203は、検出した角速度を差分演算部204及びCPU201へ出力する。なお、Kは任意の係数である。
【0029】
【数1】
【0030】
差分演算部204は、回転速度検知部203から出力される検知角速度と、CPU201から供給される目標角速度との差分を演算する。FB制御部205は、差分演算部204から出力された差分値、及び、CPU201から供給されるフィードバックゲイン値(KP、TI、TD)に基づいて、駆動軸103が目標角速度で回転するために必要な補正制御値を演算する。
【0031】
駆動信号生成部207は、FB制御部205から出力される補正制御値とCPU201から出力される目標制御値を加算して得られた制御値に基づいたデューティのPWM制御信号を生成する。PWM制御信号は、モータ100をPWM制御(パルス幅変調制御)するための信号である。
【0032】
図6はFB制御部205における処理を説明する図である。FB制御部205は、差分演算部204から出力された差分値eに基づいたPID制御を行う。PID制御の制御値は式2に基づいて算出される。
【0033】
【数2】
【0034】
ここで、KP,TI,TDは、PID制御の比例項401、積分項402、微分項403におけるフィードバックゲイン値であり、駆動軸103の角速度に基づいてCPU201により決定される。
【0035】
図7は感光ドラム11a〜dを駆動するDCブラシレスモータ100a〜dの制御ブロック図である。感光ドラム11a〜11dにはそれぞれエンコーダ110a〜110d及びモータ100a〜dが設けられ、モータ100a〜dはそれぞれ制御部200a〜200dにより制御される。制御部200a〜dは、エンコーダ110a〜dからの信号に基づきモータ100a〜dのフィードバック制御を行う。制御部200a〜dの構成については、前述した制御部200と同じである。CPU201は、前述したように制御部200a〜dに対して、目標角速度、フィードバックゲイン値、及び目標制御値を設定する。つまり、記録紙に画像形成を行うための第1及び第2の像担持体と、第1及び第2の像担持体をそれぞれ回転駆動する第1及び第2のモータと、第1及び第2の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する第1及び第2の検知部(エンコーダ)が設けられている。そして、第1及び第2の検知部の検知結果に応じて第1及び第2のモータの角速度をそれぞれフィードバック制御する第1及び第2のフィードバック部(制御部200)と、第1及び第2のフィードバック手段のフィードバック制御のフィードバックゲインを設定する制御部(CPU201)が設けられている。
【0036】
図8(a)はモータ100がギア101を介して駆動される感光ドラム11の角速度の時間的変化を示すグラフである。図8(b)はこの角速度変化をフーリエ変換して得た、角速度の変動成分を周波数毎に示すグラフである。図8(b)では、3Hz付近、36Hz付近、290Hz付近にピークが現れている。3Hz付近の比較的低い周波数成分の変動はギア101の偏芯成分、36Hz付近の変動はモータ100の回転むら、290Hz付近の変動はギア101とモータ100のかみ合わせ時のショックである。3Hz付近の角速度変動は、カラー画像形成時に重なるべき複数色のトナー画像が重ならないという色ずれの原因となる。一方、36Hz付近の角速度変動は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになるバンディング(ピッチむらともいう)の原因となる。このバンディングは特に白黒画像形成時に目立つ傾向にある。
【0037】
このような角速度変動は、フィードバックゲイン値を調整することで抑制できるが、全ての周波数の角速度変動を抑制することはできない。フィードバック制御における感度関数によれば、ある周波数の変動を減衰させようとすると、別の周波数の変動が増幅されてしまうからである。図9は感度関数を説明するグラフであり、図9(a)(b)はそれぞれ異なるフィードバックゲインを設定したときの感度関数を示す。図9において、0dBよりも大きい応答を示す周波数では角速度変動は増幅され、0dBよりも小さい応答を示す周波数では角速度変動は減衰される。0dBは減衰も増幅もしないことを意味する。図9(a)の感度関数のとき、角速度変動を補正する力が全体的に弱く、20Hz付近を最も減衰し、40Hz以上の周波数を増幅する。図9(b)の感度関数のとき、100Hz以下において角速度変動を補正する力が全体的に強く、8Hz以下の低い周波数ほど角速度変動を減衰し、20Hz付近を中心に角速度変動を増幅する。この感度関数Sは式3で表され、ある周波数の変動を減衰させようとすると、別の周波数の変動が増幅されてしまうことから、ウォーターベッド効果とも呼ばれている。
【0038】
【数3】
【0039】
図10は、3Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化(図10(a))、角速度変動の周波数成分(図10(b))、感度関数(図10(c))を示すグラフである。図10(c)の感度関数に示すように、3Hz付近の角速度変動は大きく抑制されるが、50Hz付近の角速度変動は大きく増幅される。この結果、図10(b)を図8(b)と比較してわかるように、色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動は抑制されるが、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動は増幅される。本実施形態では、このような感度関数を有するフィードバックゲインをカラー画像形成時に設定する。これにより、カラー画像形成時に問題となる色ずれを抑制することができる。一方、バンディングについては強調される結果となるが、バンディングが目立つのは白黒画像形成時であり、カラー画像形成時は色ずれ抑制を優先させるため、カラー画像形成時は色ずれを抑制するフィードバックゲインを設定する。つまり、第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時は、重なるべき画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを第1及び第2のフィードバック部(制御部200)に設定する。換言すれば、複数の像担持体により複数色の画像を重ねることによりカラー画像を形成するカラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行う。
【0040】
図11は、40Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインを設定した時の角速度の時間的変化(図11(a))、角速度変動の周波数成分(図11(b))、感度関数(図11(c))を示すグラフである。図11(c)の感度関数に示すように、40Hz付近の角速度変動は抑制されるが、200Hz付近の角速度変動は増幅される。この結果、図11(b)を図8(b)と比較してわかるように、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動は抑制されるが、色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動は抑制されない。本実施形態では、このような感度関数を有するフィードバックゲインを白黒画像形成時に設定する。これにより、白黒画像形成時に問題となるバンディングを抑制することができる。一方、色ずれについては抑制されない結果となるが、白黒画像形成時は複数色のトナー画像を重ねることがないので、色ずれの原因となる角速度変動は気にする必要がないため、白黒画像形成時はバンディングを抑制するフィードバックゲインを設定する。このフィードバックゲインは少なくともブラック用の感光ドラム11aに対応する制御部200aに設定する。つまり、第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを第1及び第2のフィードバック部(制御部200)のうち少なくとも画像形成を行う像担持体に対応するフィードバック部に設定する。換言すれば、複数の像担持体のいずれかによりモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行う。
【0041】
図12は、カラー画像形成モードであるか白黒画像形成モードであるかに応じて、感光ドラムを駆動するモータ制御のフィードバックゲインを切り替える制御を行うCPU201の制御フローチャートである。画像形成ジョブが開始されると、CPU201は操作部の設定や原稿の自動カラー判定に基づいてカラー画像形成モードかどうかを判断する(S901)。カラー画像形成ジョブと判断した場合、CPU201は制御部200a〜dに対して第1のフィードバックゲインを設定し、モータ100a〜dを駆動させる(S902)。第1のフィードバックゲインは色ずれの原因となる3Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインである。そして、CPU201は画像形成装置にカラー画像形成を行わせ(S903)、画像形成ジョブが終了したかどうかを判断する(S904)。画像形成ジョブが終了していない場合、次の画像をカラー画像形成モードで画像形成するかどうかを判断する(S905)。カラー画像形成モードと判断された場合は、ステップS903に戻る。一方、ステップS906で白黒画像形成モードと判断された場合は、CPU201は制御部200a〜dに対して後述する第2のフィードバックゲインを設定し、その後FB制御部205に積算された値をクリアする(S906)。そして、フィードバックゲインが変更されると数十ms〜数百msの間、モータの回転が不安定になる恐れがあるため、フィードバックゲイン変更後所定時間経過した後(S906)、ステップS909に進む。この所定時間は、モータ制御を安定させるための時間であり、例えば150ms程度である。
【0042】
ステップS901で白黒画像形成モードと判断した場合、CPU201は制御部200a〜dに対して第2のフィードバックゲインを設定し、モータ100a〜dを駆動させる(S908)。第2のフィードバックゲインは40Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインであり、バンディングの原因となる36Hz付近の角速度変動を抑制する。そして、CPU201は画像形成装置に白黒画像形成を行わせ(S909)、画像形成ジョブが終了したかどうかを判断する(S910)。画像形成ジョブが終了していない場合、次の画像をカラー画像形成モードで画像形成するかどうかを判断する(S911)。白黒画像形成モードと判断された場合は、ステップS909に戻る。一方、ステップS911でカラー画像形成モードと判断された場合は、CPU201は制御部200a〜dに対して第1のフィードバックゲインを設定し、その後FB制御部205に積算された値をクリアする(S912)。そして、フィードバックゲイン変更後所定時間経過した後(S912)、ステップS903に進む。ステップS904またはS910で、画像形成ジョブが終了したと判断した場合、CPU201はモータ100a〜dを停止させ(S914)、画像形成ジョブを終了する。
【0043】
以上のように、カラー画像形成モードであるか否かに応じてフィードバックゲインを切り替えることにより、カラー画像形成モード時には色ずれを抑制した高画質な画像を形成し、白黒画像形成モード時にはバンディングを抑制した高画質な画像を形成することが可能となる。
【0044】
なお、白黒画像形成を行う際に、バックグラウンドにクリアトナー等で「Confidential」等の画像や地紋画像をオーバーレイするときも本実施形態では白黒画像形成モードとして制御する。
【0045】
また、本実施形態では、カラー画像形成モード時に色ずれに有利なフィードバックゲインを設定する例を説明したが、カラー画像形成モード時において、画像のエッジがはっきりせず、均一な濃度の画像領域のある写真画像を形成するときは、バンディングに有利なフィードバックゲインを設定してもよい。このような写真画像の場合、色ずれよりもバンディングが目立つことがあるからである。
【0046】
また、本実施形態では、複数の感光ドラムをそれぞれ複数のモータにより駆動しているが、複数の感光ドラムのいくつかは第1のモータにより駆動し、残りの感光ドラムは第2のモータにより駆動する構成でも同様の制御を行えばよい。
【0047】
また、本実施形態では、感光ドラムを駆動するモータ制御のフィードバックゲインについて詳細に説明したが、中間転写ベルトを駆動するモータ制御のフィードバックゲインについても同じである。
【0048】
また、本実施形態では、FB回路のフィードバックゲインを操作しているが、FB入力部の前段にローパスフィルタ等のフィルタを有する構成の場合は、フィルタの定数を変更するようにしてもよい。すなわち、カラー画像形成モード時は色ずれを抑制する第1のフィルタ定数を設定し、白黒画像形成モード時はバンディングを抑制する第2のフィルタ定数を設定すればよい。
【0049】
また、本実施形態では、駆動軸103に取り付けられたエンコーダ110によってモータ100の角速度を検知したが、モータ100からのFG信号に基づいて角速度を検知してもよい。また、感光ドラム11や中間転写ベルト31の周速を検知して、この検知結果に応じてフィードバック制御するようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、全ての感光ドラム11a〜dを駆動する状態で、制御部200a〜dの値を変更する例を説明したが、白黒画像形成モード時に中間転写ベルト31を感光ドラムb〜dから離す離間機構をもつ画像形成装置にも適用可能である。
【0051】
また、本実施形態では、複数の感光ドラムによりカラー画像を形成する構成を説明したが、1つの感光ドラムと複数の現像器によりカラー画像を形成する構成にも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 モータ
200 制御部
201 CPU
205 FB(フィードバック)制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に画像形成を行うための第1及び第2の像担持体と、
前記第1及び第2の像担持体をそれぞれ回転駆動する第1及び第2のモータと、
前記第1及び第2の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する第1及び第2の検知手段と、
前記第1及び第2の検知手段の検知結果に応じて前記第1及び第2のモータの角速度をそれぞれフィードバック制御する第1及び第2のフィードバック手段と、
前記第1及び第2のフィードバック手段のフィードバック制御のフィードバックゲインを設定する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時は、重なるべき画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段に設定し、前記第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段のうち少なくとも画像形成を行う像担持体に対応するフィードバック手段に設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の像担持体は、トナー画像を形成するための感光ドラムであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のフィードバックゲインは3Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインであり、前記第2のフィードバックゲインは36Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の画像形成モードにおいて写真画像を形成する場合、前記第1のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録紙に画像形成を行うための複数の像担持体と、
前記複数の像担持体をそれぞれ回転駆動する複数のモータと、
前記複数の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する複数の検知手段と、
前記複数の検知手段の検知結果に応じて前記複数のモータの角速度を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記複数の像担持体により複数色の画像を重ねることによりカラー画像を形成するカラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行い、前記複数の像担持体のいずれかによりモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の像担持体は、トナー画像を形成するための感光ドラムであることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カラー画像形成モード時は3Hz付近の角速度変動を抑制し、前記モノクロ画像形成モード時は36Hz付近の角速度変動を抑制することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記カラー画像形成モードにおいて写真画像を形成する場合、周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録紙に画像形成を行うための第1及び第2の像担持体と、
前記第1及び第2の像担持体をそれぞれ回転駆動する第1及び第2のモータと、
前記第1及び第2の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する第1及び第2の検知手段と、
前記第1及び第2の検知手段の検知結果に応じて前記第1及び第2のモータの角速度をそれぞれフィードバック制御する第1及び第2のフィードバック手段と、
前記第1及び第2のフィードバック手段のフィードバック制御のフィードバックゲインを設定する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1及び第2の像担持体により画像を重ねることにより画像を形成する第1の画像形成モード時は、重なるべき画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する第1のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段に設定し、前記第1及び第2の像担持体のいずれかにより画像を形成する第2の画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する第2のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段のうち少なくとも画像形成を行う像担持体に対応するフィードバック手段に設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の像担持体は、トナー画像を形成するための感光ドラムであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のフィードバックゲインは3Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインであり、前記第2のフィードバックゲインは36Hz付近の角速度変動を抑制するフィードバックゲインであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の画像形成モードにおいて写真画像を形成する場合、前記第1のフィードバックゲインを前記第1及び第2のフィードバック手段に設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録紙に画像形成を行うための複数の像担持体と、
前記複数の像担持体をそれぞれ回転駆動する複数のモータと、
前記複数の像担持体の角速度または周速をそれぞれ検知する複数の検知手段と、
前記複数の検知手段の検知結果に応じて前記複数のモータの角速度を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記複数の像担持体により複数色の画像を重ねることによりカラー画像を形成するカラー画像形成モード時は、重なるべき複数色の画像が重ならない原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行い、前記複数の像担持体のいずれかによりモノクロ画像を形成するモノクロ画像形成モード時は、均一の濃度で画像形成すべき画像が周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制する制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の像担持体は、トナー画像を形成するための感光ドラムであることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カラー画像形成モード時は3Hz付近の角速度変動を抑制し、前記モノクロ画像形成モード時は36Hz付近の角速度変動を抑制することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記カラー画像形成モードにおいて写真画像を形成する場合、周期的な濃淡むらになる原因となる周波数の角速度変動を抑制することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−33708(P2011−33708A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178017(P2009−178017)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]