説明

画像形成装置

【課題】ドアが開かれた際の給紙動作を確実に防止することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】駆動源30の駆動伝達ギア列40により、シートを搬送するシート搬送手段に伝達する。そして、レーザビームプリンタ本体101に開閉自在に両面ドア53を設け、この両面ドア53に駆動源30の駆動をシート搬送手段に伝達する駆動伝達ギア列40の一部である両面ローラギア36を設け、両面ドア53が開かれた状態のときには、駆動源30の駆動のシート搬送手段への伝達を解除するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特にシートを搬送するシート搬送手段に駆動源からの駆動を伝達する駆動伝達手段の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複写機、レーザープリンタ、LEDプリンタ、ファクミリ、ワードプロセッサ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、電子写真画像形成方式を用いてシートに画像を形成するものがある。さらに、このような画像形成装置においては、画像形成部によりシートの片面(第1面)に画像を形成した後、シートを再度画像形成部に搬送し、シートの反対側の面(第2面)に画像を形成するようにしたものがある。
【0003】
ここで、このような従来の画像形成装置において、シートを再度画像形成部に搬送するための両面搬送路を備えているが、シートの両面に画像を形成する際、この両面搬送路でシートがジャムする場合がある。この場合、ジャムしたシートを取り出すため、装置本体に開閉可能にドアを設け、ジャム発生時には、ドアを開放してジャムしたシートを取り出すようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
図7は、このような従来の画像形成装置の構成を示す図であり、シートの両面に画像を形成する場合は、まずカセット501に積載収納されたシートPをピックアップローラ502で1枚ずつ分離給紙する。次に、搬送ローラ対503により、シートPを転写ローラ509と感光体ドラム508とにより構成される転写部に搬送する。そして、この転写部を通過する際、感光体ドラム上に形成されたトナー画像をシート上に転写し、この後、シートPを定着手段511に搬送してトナー画像をシート上に定着させ、排紙ローラ対512へ送る。
【0005】
次に、片面に画像が形成されたシートPを、排紙ローラ対512を構成する排紙ローラ512aの逆転によりスイッチバックさせて、両面ローラ対515を有する両面搬送路Rに搬送し、シートPを反転させる。この後、再度、反転されたシートPを搬送ローラ対503により搬送し、シートPの2面目に画像を転写、定着して、排紙ローラ対512にて排出する構成にしている。
【0006】
図8は、このような従来の画像形成装置の駆動系を示す図であり、この駆動系は、駆動源530、給紙ローラ502を駆動させる給紙ギア539、駆動源530から給紙ギア539に駆動を伝達する駆動伝達ギア列540から構成されている。なお、駆動伝達ギア列540は、駆動源530とプーリ532の間にテンションをかけて駆動を伝達するテンションベルト531、アイドラギア533〜535,537,538を備えている。また、駆動伝達ギア列540は、両面ローラ対515を構成する両面駆動ローラ515aを駆動する両面ローラギア536を備えている。
【0007】
そして、このような駆動系において、駆動源530で発生される駆動力は、まずテンションベルト531によりプーリ532へ伝えられる。次に、プーリ532に伝達された駆動力がプーリ532の持つギア532aを通じてアイドラギア533に伝わり、アイドラギア534,535を経由して、両面駆動ローラ515aを駆動させる両面ローラギア536に伝えられる。この後、駆動力が両面ローラギア536からアイドラギア537,538を伝わり、給紙ローラ502を駆動させる給紙ギア539に伝わることで給紙動作が行なわれる。
【0008】
ところで、図7及び図8において、553は装置本体に対して開閉可能に構成されたドアであり、このドア553に、両面駆動ローラ515aと共に両面ローラ対515を構成する両面従動コロ515bが取り付けられている。これにより、シートPをスイッチバックさせた際、シートPが両面搬送路Rでジャムした(詰まった)場合、ドア553を開くことにより容易にジャム処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−180585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このようなドアを備えた従来の画像形成装置において、ジャム処理を行った後、ドアを閉じるのを忘れる場合や、ドアが完全には閉じられない場合がある。例えば、この場合、この状態でシートの両面に画像を形成する両面印字を行なうと、スイッチバックされたシートPが、ドアから外部に排出され、正常に2面目の画像形成を行なうことができない状況(ジャム)が発生してしまう。
【0011】
このシートは、本来なら両面印字されるはずが、1面目のみ印字された状態で排出されてしまうため、ミスプリントとなりシートの無駄となってしまう。また、ユーザーに、ミスプリントされたシートを取り除くと共に、再度、画像形成のための操作を行なう手間を生じさせてしまう。両面搬送路を開くドアでなく別の箇所を開くドアであっても、ドアが開いていたり、ドアの閉じが不十分であったりすると、シートがその箇所を通過しようとするときにシート搬送が停止してしまう虞が高い。そして、シート搬送が停止すれば、ユーザーに、シートを取り除くと共に、再度、画像形成のための操作を行なう手間を生じさせてしまう。
【0012】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、ドアが開かれた際の給紙動作を確実に防止することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で画像が形成されるシートを搬送するシート搬送手段と、前記シート搬送手段を駆動する駆動源と、前記駆動源の駆動を前記シート搬送手段に伝達する駆動伝達手段と、画像形成装置本体に開閉自在に設けられたドアと、を備え、前記ドアが開かれた状態のときには、前記駆動源の駆動の前記シート搬送手段への伝達を解除するように前記駆動伝達手段の一部を前記ドアに設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のように、ドアに駆動源の駆動をシート搬送手段に伝達する駆動伝達手段の一部を設け、ドアが開かれた状態のときには駆動源の駆動のシート搬送手段への伝達を解除するようにすることにより、ドアが開かれた際の給紙動作を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す図。
【図2】上記レーザビームプリンタの駆動系を説明する図。
【図3】上記レーザビームプリンタの駆動系のドア開時の状態を説明する図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す図。
【図5】上記レーザビームプリンタの駆動系を説明する図。
【図6】上記レーザビームプリンタの駆動系のドア開時の状態を説明する図。
【図7】従来の画像形成装置の概略構成を示す図。
【図8】従来の画像形成装置の駆動系を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す図である。図1において、100はレーザビームプリンタ、101は画像形成装置本体であるレーザビームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。このレーザビームプリンタ100は、画像形成部20と、画像形成部20にシートPを給送するシート給送部21と、シートPにトナー画像を転写する転写部9と、転写部9にて転写されたトナー画像をシートPに定着させる定着部11等を備えている。
【0017】
ここで、画像形成部20は、像担持体である感光体ドラム8、不図示のトナー容器等を備えた現像担持体17を含む現像器17a、帯電ローラ18、クリーナ19等のプロセス手段を一体化して構成されたプロセスカートリッジCを着脱自在に備えている。また、画像形成部20は、感光体ドラム8の表面を露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成するレーザスキャナ5を備えている。
【0018】
また、シート給送部21はシートPを積載する給紙トレイ1と、給紙トレイ上のシートPを1枚ずつ給送する給送ローラ2とを備えている。転写部9は、感光体ドラム8と、感光体ドラム8に圧接して転写ニップを形成すると共に、この転写ニップをシートPが通過する際、感光体ドラム8上のトナー画像をシートPに転写する転写ローラ9aにより構成されている。定着器11は、ヒータユニット11aと、加圧ローラ11bとを備えている。なお、この定着器11は外装カバー13の最上部に配置されている不図示のルーバー部の近傍に位置しているので、ヒータユニット11aからの熱は、プリンタ本体外部に排出され易くなっている。
【0019】
このように構成した場合、熱は上に向かうので、定着器11よりも下方あるいは横に配置されているプロセスカートリッジCやレーザスキャナ5は、定着器11から発生する熱の影響を受けることがなく、常に良好な出力画像を得ることが可能となる。また、給送ローラ2と、転写ローラ9aと、定着器11は、定着器11を最上部としてほぼ鉛直で一直線上に配置されている。
【0020】
次に、このように構成されたレーザビームプリンタ100における画像形成動作について説明する。画像形成動作が開始されると、まず感光体ドラム8は矢印方向に回転し、帯電ローラ18によって所定の極性、所定の電位に一様に帯電される。そして、表面が帯電された後の感光体ドラム8に対し、レーザスキャナ5のレーザ発光部から画像情報に基づいてレーザ光が発光され、このレーザ光が感光体ドラム8に照射される。これにより、感光体ドラム8上には静電潜像が形成される。次に、この静電潜像は、現像スリーブ17の回転に伴い適度の帯電を受けたトナーが感光体ドラム8上に供給されて静電潜像に付着することにより、現像されてトナー画像として可視化される。
【0021】
一方、このようなトナー像形成動作に並行して以下のシート給送動作が行われる。給紙トレイ1に積載収納されているシートPが、シート搬送手段としての給送ローラ2により給送されて、搬送ローラ3の方へ給送ローラ2によって搬送される。搬送ローラ3へ搬送されたシートは搬送ローラ3により所定のタイミングで転写部9に搬送される。そして、この転写部9にて感光体ドラム上に形成されたトナー像が転写ローラ9aによりシートP上の所定位置に転写される。
【0022】
次に、このようにトナー画像が転写されたシートPは、定着部11に搬送され、この定着部11において、未定着トナー像が加熱・加圧されてシート表面に定着される。なお、トナー像が定着されたシートPは、排紙ガイド50のリブに当接して印字されている側の面を下にした状態で排紙ローラ12aと従動コロ12bとにより構成される排紙ローラ対12によりプリンタ本体上部に設けられた排紙トレイ14上へ排紙される。
【0023】
一方、シートの両面に画像を形成する場合、すなわち両面印字を行なう場合には、排紙ローラ12aの正転により排紙トレイ14に向かって搬送されたシートPの後端が排紙ガイド50を抜けると、排紙ローラ12aを逆転させる。なお、シートPの後端が排紙ガイド50を抜けると、後端は、その剛性により反転ガイド51側に向かい、さらにこの状態で排紙ローラ12aが逆転すると、シートPは、1面目に印字されている側の面を両面ガイド52側にした状態で、両面搬送路Rに搬送される。次に、両面搬送路Rに搬送されたシートPは、両面駆動ローラ15a及び両面駆動ローラ15aに圧接する従動コロ15bにより構成されるシート搬送手段である両面ローラ対15により搬送され、再び画像形成部20へと送られる。そして、この画像形成部20において2面目の画像が形成され、この後、排紙ローラ対12により排紙トレイ14に積載される。
【0024】
ところで、図1において、53はプリンタ本体101の背面カバー54に、下端部に設けられた回転軸53cを支点として開閉可能(回動可能)に設けられた両面ドアである。また、53a、53bは両面ドア53の内壁に設けられたガイド部であり、このガイド部53a,53bと、プリンタ本体101の内部に設けられた両面ガイド52により、両面搬送路Rの一部が形成されている。なお、本実施の形態のように、内壁に搬送ガイド53a,53bを備えた両面ドア53が、画像が形成されたシートを反転させて再度、画像形成部20に搬送するシート再搬送路である両面搬送路Rの一部を兼ねるようにすることにより、部品点数を削減できる。これにより、コストダウンを図ることができる。
【0025】
また、この両面ドア53には、搬送ローラ対である両面ローラ対15の駆動ローラである両面駆動ローラ15aが設けられている。すなわち、シートPが両面搬送路Rを搬送されるとき、両面搬送路Rの非印字面側となる側に両面駆動ローラ15aが配置されている。そして、このように両面ドア53に両面駆動ローラ15aを配置することにより、摩擦係数が一様でない印字面側を駆動するため生じるシート搬送スリップや、シート搬送スリップにより画像上に発生するこすれなどの画像不良発生を低減することが可能となる。
【0026】
図2は、このように構成されたレーザビームプリンタ100の給送ローラ2及び両面駆動ローラ15aを駆動する駆動系を説明する図である。この駆動系は、駆動源30、給送ローラ2を駆動させる給紙ギア39、駆動源30から給紙ギア39に駆動を伝達する駆動伝達手段である駆動伝達ギア列40から構成されている。なお、駆動伝達ギア列40は、駆動源30とプーリ32の間にテンションをかけて駆動を伝達するテンションベルト31、プーリ32、アイドラギア33〜35,37,38、両面駆動ローラ15aを駆動する両面ローラギア36からなる。
【0027】
そして、このような駆動系において、駆動源30で発生される駆動力は、まずテンションベルト31によりプーリ32へ伝えられる。次に、プーリ32に伝達された駆動力がプーリ32の持つギア32aを通じてアイドラギア33に伝わり、アイドラギア34,35を経由して両面ローラ15aを駆動させる両面ローラギア36に伝えられる。この後、駆動力が両面ローラギア36からアイドラギア37,38を伝わり、給送ローラ2を駆動させる給紙ギア39に伝わることで給紙動作が行なわれる。
【0028】
ところで、本実施の形態において、この両面ローラギア36は両面駆動ローラ15aと共に両面ドア53に保持されている。このため、ジャム処理等により両面ドア53を開放すると、図3に示すように両面ローラギア36も両面ドア53と共に移動し、両面ローラギア36のアイドラギア35,37との噛合が解除される。そして、このように両面ローラギア36のアイドラギア35,37との噛合が解除されると、駆動伝達ギア列40による駆動源30の給紙ギア39への駆動伝達が途中で中断される。この結果、ユーザーが両面ドア53を閉じることを忘れた等の理由で、両面ドア53を開放したままレーザビームプリンタを動作させようとしても、給紙動作ができない状態となる。このため、1面目に画像が形成された状態で、シートが排出されるのを防ぐことができる。
【0029】
なお、ジャム処理等が終了して両面ドア53を閉じると、両面ローラギア36も両面ドア53と共に移動し、両面ローラギア36がアイドラギア35,37と噛合し、駆動伝達ギア列40による駆動源30の給紙ギア39への駆動伝達が可能となる。このように、本実施の形態においては、両面ドア53に駆動伝達ギア列40の一部を構成する両面ローラギア36を設け、両面ドア53が開かれた状態のときには駆動源30の駆動の両面駆動ローラ15aへの伝達を解除するようにしている。これにより、両面ドア53が開かれた際の給紙動作を確実に防止することができる。
【0030】
そして、このように両面ドア53が開いている状態では、ユーザーの取り扱いの如何に拘わらず給紙動作を行なわせないようにすることにより、ジャムを効果的に抑制することができると共に、シートPの無駄やユーザーの手間を省くことが可能となる。本実施の形態では、特に両面ドア53が開いている状態では、給紙トレイ1からシートを送り出す給送ローラ2への駆動伝達が行われないので、画像形成装置本体内で、一切のシート搬送が開始され得ないので、ジャムを効果的に抑制することができる。また、本実施の形態では、両面ドア53の開閉で給紙ギア39への駆動伝達が切替えられるため、両面ドア53の開閉を検知するセンサが不要である。この結果、装置のコストダウンを図ることができ、より低価格のレーザビームプリンタ(画像形成装置)を提供することができる。
【0031】
なお、両面ドアの閉じ忘れ等を検知するため、両面ドアの開閉を検知する検知手段を設けるように構成する考え方もある。しかし、このように検知手段を設けた場合では、検知手段が故障する場合がある。検知手段の故障により、検知手段が常にドア開を検知してドア開信号を出力していると、画像形成装置は作動しないのでジャムは発生しないが、画像形成を行うことができない。また、同様に検知手段が電気的に故障したとき、検知手段が常にドア閉を検知してドア閉信号を出力していると、ドアの閉じ忘れ等があっても画像形成装置は作動し、ドア開閉の検知手段を有していない場合と同じようにジャムが発生してしまう。
【0032】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は、本実施の形態に係わるレーザビームプリンタの概略構成を示す図である。なお、図4において、既述した図1と同一符号は、同一又は相当部分を示している。図4において、153はプリンタ本体101の背面カバー54に、下端部に設けられた回転軸153cを支点として開閉自在(回動自在)に設けられた両面ドアである。115は、1面目に印字されている側の面を両面ガイド52側にした状態で、両面搬送路Rに搬送されるシートPを、再び画像形成部20へと搬送する両面ローラ対である。なお、この両面ローラ対115は、両面駆動ローラ115a及び両面駆動ローラ115aに圧接する従動コロ115bにより構成される。そして、本実施の形態において、この両面ドア153に従動コロ115bが設けられ、両面駆動ローラ115aはプリンタ本体側に設けられている。
【0033】
図5は、このように構成されたレーザビームプリンタ100の給送ローラ2及び両面駆動ローラ115aを駆動する駆動系を説明する図である。この駆動系は、駆動源130、給送ローラ2を駆動させる給紙ギア139、駆動源130から給紙ギア139に駆動を伝達する駆動伝達ギア列140から構成されている。なお、駆動伝達ギア列140は、駆動源130とプーリ132の間にテンションをかけて駆動を伝達するテンションベルト131、プーリ132、アイドラギア133〜135,137,138、両面駆動ローラ115aを駆動する両面ローラギア136からなる。
【0034】
そして、このような駆動系において、駆動源130で発生される駆動力は、まずテンションベルト131によりプーリ132へ伝えられる。次に、プーリ132に伝達された駆動力がプーリ132の持つギア132aを通じてアイドラギア133に伝わり、アイドラギア134,135を経由して両面駆動ローラ115aを駆動させる両面ローラギア136に伝えられる。この後、駆動力が両面ローラギア136からアイドラギア137,138を伝わり、給送ローラ2を駆動させる給紙ギア139に伝わることで給紙動作が行なわれる。
【0035】
ところで、本実施の形態において、このアイドラギア137は両面ドア153に保持されている。このため、ジャム処理等により両面ドア153を開放すると、図6に示すようにアイドラギア137も両面ドア153と共に移動し、アイドラギア137の両面ローラギア136及びアイドラギア138との噛合が解除される。そして、このようにアイドラギア137の両面ローラギア136及びアイドラギア138との噛合が解除されると、駆動伝達ギア列40による駆動源130の給紙ギア139への駆動伝達が途中で中断される。この結果、ユーザーが両面ドア153を閉じることを忘れた等の理由で、両面ドア153を開放したままレーザビームプリンタを動作させようとしても、給紙動作ができない状態となる。このため、1面目に画像が形成された状態で、シートが排出されるのを防ぐことができる。
【0036】
なお、ジャム処理等が終了して両面ドア153を閉じると、アイドラギア137が両面ローラギア136及びアイドラギア138と噛合し、駆動伝達ギア列140による駆動源130の給紙ギア139への駆動伝達が可能となる。このように、本実施の形態においては、両面ドア153に駆動伝達ギア列140の一部を構成するアイドラギア137を設け、両面ドア153が開かれた状態のときには駆動源130の駆動のシート搬送手段である給送ローラ2への伝達を解除するようにしている。これにより、両面ドア153が開かれた際の画像が形成されるシートの給紙動作を確実に防止することができる。
【0037】
なお、これまでの説明においては、駆動源から給送ローラや両面駆動ローラへ駆動力を伝達する駆動伝達手段として、ギア列を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、駆動伝達手段として、摩擦ローラ等により構成しても同様の効果を得ることが可能である。また、これまでの説明においては、画像形成装置本体に開閉自在に設けられたドアとして両面搬送路Rを開閉する両面ドア153を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、本発明のドアとして、両面搬送路R以外の搬送路を開くドア、例えば、転写部や定着器のニップを解除して搬送路を開くドアであっても、定着器11から排紙ローラ対512へ至る搬送路を開放するためのドアであってもよい。
【符号の説明】
【0038】
2…給送ローラ、15…両面ローラ対、15a…両面駆動ローラ、20…画像形成部、30…駆動源、36…両面ローラギア、40…駆動伝達ギア列、53…両面ドア、100…レーザビームプリンタ、101…レーザビームプリンタ本体、130…駆動源、139…給紙ギア、140…駆動伝達ギア列、153…両面ドア、P…シート、R…両面搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成されるシートを搬送するシート搬送手段と、
前記シート搬送手段を駆動する駆動源と、
前記駆動源の駆動を前記シート搬送手段に伝達する駆動伝達手段と、
画像形成装置本体に開閉自在に設けられたドアと、を備え、
前記ドアが開かれた状態のときには、前記駆動源の駆動の前記シート搬送手段への伝達を解除するように前記駆動伝達手段の一部を前記ドアに設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部へ給送されるシートが積載される給紙トレイを備え、
前記駆動源は前記画像形成装置本体に設けられ、
前記シート搬送手段は、前記画像形成装置本体に設けられ、前記給紙トレイに積載されたシートを給送する給送ローラであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像が形成されたシートを反転させて再度、前記画像形成部に搬送するシート再搬送路を備え、
前記シート再搬送路は、前記ドアにより開閉可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート再搬送路にシートを搬送する搬送ローラ対を備え、
前記ドアに前記搬送ローラ対の駆動ローラと、前記駆動ローラに前記駆動源の駆動を伝達する前記駆動伝達手段の一部を設けたことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−37615(P2011−37615A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189054(P2009−189054)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】