説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置の小型化を図る。
【解決手段】 転写ベルト13Aに付着した現像剤を除去するベルトクリーナ19により、表裏いずれか一面目への画像形成が終了した用紙を画像形成部5に再搬送して二面目に画像を形成するための再搬送経路L2の少なくとも一部を構成する。これにより、再搬送経路L2を構成するための部品点数を低減することができ、かつ、画像形成装置1の小型化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の画像形成装置では、表面いずれか一面目への画像形成が終了した用紙等の記録シートを画像形成部に再搬送することにより二面目に画像を形成して両面印刷を可能としている。そして、この再搬送するための再搬送経路を再搬送ユニット(DXユニット)等の専用部品にて構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−077607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明では、再搬送ユニット等の専用部品にて再搬送経路を構成しているので、少なくとも再搬送ユニットを装着するための空間を必要とし、画像形成装置の小型化を図ることが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、画像形成装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、記録シートの表裏両面に画像を形成することが可能な画像形成装置であって、記録シートを搬送する無端ベルト(13A)と、無端ベルト(13A)により搬送される記録シートに画像を形成する画像形成部(5)と、無端ベルト(13A)に付着した付着物を除去するベルトクリーナ(19)と、表面いずれか一面目への画像形成が終了した記録シートを画像形成部(5)に再搬送して二面目に画像を形成するための再搬送経路(L2)とを備え、当該再搬送経路(L2)の少なくとも一部が、ベルトクリーナ(19)により構成されていることを特徴とする。
【0007】
これにより、請求項1に記載の発明では、ベルトクリーナ(19)により再搬送経路(L2)の少なくとも一部が構成されているので、再搬送経路(L2)を構成するための部品点数を低減することができ、かつ、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、ベルトクリーナ(19)は、着脱自在に装着されており、さらに、ベルトクリーナ(19)が取り外された状態では、再搬送経路(L2)の少なくとも一部が開放された状態となることを特徴とする。
【0009】
これにより、請求項2に記載の発明では、ベルトクリーナ(19)が取り外されると、再搬送経路(L2)の少なくとも一部が開放されるので、再搬送経路(L2)に記録シートが詰まった場合であっても、その詰まった記録シートを容易に除去することができる。
【0010】
なお、請求項3に記載の発明では、ベルトクリーナ(19)と隣接して設けられ、画像形成部(5)に搬送される記録シートが載置されるシートトレイ(21)を備えており、さらに、再搬送経路(L2)は、シートトレイ(21)とベルトクリーナ(19)との間の空間に設定されていることを特徴としている。
【0011】
これにより、請求項3に記載の発明では、シートトレイ(21)とベルトクリーナ(19)との間の空間に設定されている再搬送経路(L2)を通って記録シートが再搬送されるので、記録シートをシートトレイ(21)の外側を通るように大きく迂回させる必要がなく、再搬送経路(L2)の経路長を短くすることができる。
【0012】
そして、請求項3に記載の発明においては、請求項4に記載の発明のごとく、ベルトクリーナ(19)を、無端ベルト(13A)とシートトレイ(21)との間に配設する構成とすることが望ましい。
【0013】
これにより、請求項4に記載の発明では、再搬送経路(L2)及び無端ベルト(13A)により囲まれた範囲内にシートトレイ(21)が存在しない構成となるので、再搬送経路(L2)の経路長がシートトレイ(21)の外形寸法に拘束されない。このため、再搬送経路(L2)の経路長を短くすることが可能となり、画像形成装置の小型化が可能となる。
【0014】
因みに、仮に、再搬送経路(L2)及び無端ベルト(13A)により囲まれた範囲内にシートトレイ(21)が存在する構成とすると、再搬送経路(L2)とシートトレイ(21)との干渉を回避するべく、シートトレイ(21)を囲むような再搬送経路(L2)とする必要があるので、再搬送経路(L2)の経路長を短くすることができず、画像形成装置の小型化ができない。
【0015】
また、請求項5に記載の発明では、ベルトクリーナ(19)は、無端ベルト(13A)に付着した付着物を除去するクリーナ部(19A、19B)及び除去された付着物が蓄えられる収容部(19D)を有して構成されており、さらに、収容部(19D)は、無端ベルト(13A)の張架方向に拡がるように扁平状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
なお、「無端ベルト(13A)の張架方向」とは、無端ベルト(13A)のうち帯板状に拡がる部分に作用する張力の方向と平行な方向をいう。
これにより、請求項5に記載の発明では、無端ベルト(13A)の張架方向に拡がるように扁平状に形成されている収容部(19D)によって、クリーナ部(19A、19B)によって除去された付着物を大量に蓄えることができるとともに、この収容部(19D)の収納空間を利用して再搬送経路(L2)を構成するので、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0017】
なお、請求項6に記載の発明では、ベルトクリーナ(19)は、無端ベルト(13A)に付着した付着物を除去するクリーナ部(19A、19B)及び除去された付着物が蓄えられる収容部(19D)を有して構成され、さらに、収容部(19D)の外壁面(19E)と共に再搬送経路(L2)の一部を構成する経路構成部材(25)を備えることを特徴とする。
【0018】
これにより、請求項6に記載の発明では、収容部(19D)の外壁面(19E)を利用して、経路構成部材(25)との協働による簡易な構成により再搬送経路(L2)を安価に構成することができる。
【0019】
また、請求項7に記載の発明では、ベルトクリーナ(19)は、無端ベルト(13A)を挟んで画像形成部(5)と反対側に配設され、ベルトクリーナ(19)を挟んで無端ベルト(13A)と反対側には、画像形成部(5)に搬送される記録シートが載置される載置部(21A)を有するシートトレイ(21)が設けられており、経路構成部材(25)は、収容部(19D)に対して載置部(21A)側に位置して収容部(19D)に面するように収容部(19D)に隣接していることを特徴とする。
【0020】
これにより、請求項7に記載の発明では、シートトレイ(21)とベルトクリーナ(19)との間の空間において、シートトレイ(21)から画像形成部(5)に搬送される記録シートと、再搬送経路(L2)を通って再搬送される記録シートのそれぞれの搬送路を確保することができるので、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、現像剤を記録シートに転写することにより画像を形成するとともに、不要な現像剤が蓄えられる廃トナー収容器(19)を備える画像形成装置であって、廃トナー収容器(19)の少なくとも一部により、記録シートを搬送するための搬送経路(L2)の少なくとも一部が構成されていることを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項8に記載の発明では、廃トナー収容器(19)により搬送経路(L2)の少なくとも一部が構成されているので、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0023】
なお、請求項9に記載の発明では、廃トナー収容器(19)の外壁面(19E)と共に搬送経路(L2)の一部を構成する経路構成部材(25)を備えることを特徴とする。
これにより、請求項9に記載の発明では、廃トナー収容器(19)の外壁面(19E)を利用して、経路構成部材(25)との協働による簡易な構成により再搬送経路(L2)を安価に構成することができる。
【0024】
また、請求項10に記載の発明では、記録シートに画像を形成する画像形成部(5)と、画像形成部(5)に搬送される記録シートが載置されるシートトレイ(21)とを備え、廃トナー収容器(19)及びシートトレイ(21)は、搬送経路(L2)と平行な方向に拡がるように扁平状に形成されていることを特徴とする。
【0025】
これにより、請求項10に記載の発明では、シートトレイ(21)と平行な方向に拡がるように扁平状に形成されている廃トナー収容器(19)によって、不要な付着物を大量に蓄えることができるとともに、この廃トナー収容器(19)の収納空間を利用してシートトレイ(21)と平行な方向に沿って再搬送経路(L2)を構成するので、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0026】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1の中央断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置1において、画像形成部5等を装置本体から取り外した状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置1の中央断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置1において、画像形成部5等を装置本体から取り外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本実施形態は電子写真方式の画像形成装置に本発明を適用したものであり、以下に本実施形態を図面と共に説明する。
1.画像形成装置概要
画像形成装置1の装置本体内には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に現像剤像を転写することにより、用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形成部5が収納されており、この画像形成部5は、プロセスユニット7、ベルトユニット13、露光器9及び定着器11等から構成されている。
【0029】
なお、本実施形態に係る画像形成装置1は、ダイレクトタンデム方式のカラー画像形成装置であるため、用紙の搬送方向に沿って直列に複数個(本実施形態では、4個)のプロセスユニット7が配設されており、各プロセスユニット7は、現像剤像が担持される感光ドラム7A、及び感光ドラム7Aを帯電させる帯電器7B等から構成されている。
【0030】
因みに、4個のプロセスユニット7は、具体的には、用紙の搬送方向上流側から順に、ブラックイエロー用のプロセスユニット7、マゼンタ用のプロセスユニット7、シアン用のプロセスユニット7Cである。そして、各プロセスユニット7は、図示しないドロワケーシングに取り付けられて、後述する開口部3Aを通って、前後方向に挿脱自在に装着されており、さらには、必要に応じて、装置本体から取り外すこともできるように構成されている。
【0031】
そして、帯電した感光ドラム7Aを露光器9にて露光して感光ドラム7Aの外周面に静電潜像を形成した後、電荷を帯びた現像剤を感光ドラム7Aに供給すると、感光ドラム7Aの外周面に現像剤像が担持(形成)される。
【0032】
また、転写ベルト13Aを挟んで感光ドラム7Aと対向する位置には、感光ドラム7Aに担持された現像剤を転写ベルト13A(ベルトユニット13)により搬送される用紙に転写させる転写ローラ15が設けられており、現像剤像が用紙に転写されると、その用紙は定着器11に搬送されて定着器11にて加熱される。これにより、用紙に転写された現像剤が溶着して画像が用紙に定着される。
【0033】
なお、転写ベルト13Aは、用紙を搬送する用紙搬送ベルトとしても機能する帯状の無端ベルトであり、この転写ベルト13Aは、張力が発生した状態で一対のローラ13B、13C間に架け渡されている。そこで、以下、各ローラ13B、13Cの回転中心を通る方向(本実施形態では、前後方向)を転写ベルト13Aの張架方向という。
【0034】
また、本実施形態に係る画像形成装置1では、用紙の搬送を行わない適当なタイミングで現像剤(トナー)濃度調整用のパッチ又は色ずれ検知用のレジマークを転写ベルト13A上に印刷(転写)し、その後、使用済みのパッチ又はレジマークを付着物としてベルトクリーナ19にて除去している。
【0035】
ベルトクリーナ19は、クリーニングローラ19A、クリーニングシャフト19B、及び収容部19D等から構成されている。クリーニングローラ19Aは、ベルトユニット13と対向配置されて転写ベルト13Aの表面に付着した付着物(主に、現像剤)を転写ベルト13Aから除去し、クリーニングシャフト19Bはクリーニングローラ21の表面に付着した現像剤を回収する。
【0036】
これらのクリーニングローラ19A及びクリーニングシャフト19B等により、転写ベルト13Aに付着した現像剤を除去(回収)するクリーナ部が構成されている。そして、クリーニングシャフト19Bの表面に回収された現像剤は、図示しない薄板状の剥離ブレードによって掻きとられ、収容部19Dに蓄えられる。
【0037】
バックアップローラ19Cは、転写ベルト13Aを挟んでクリーニングローラ19Aと反対側に配設され、転写ベルト13Aをクリーニングローラ19Aに押し付ける部材である。なお、このバックアップローラ19Cは、ベルトクリーナ19ではなく、ベルトユニット13の内側に設けられている。
【0038】
そして、クリーナ部にて除去された現像剤は収容部19Dに蓄えられ、この収容部19Dは、転写ベルト13Aの張架方向及び張架方向と直交する水平方向(本実施形態では、左右方向)に拡がるように扁平状に形成されている。つまり、収容部19Dの上下方向寸法は、水平方向寸法(前後方向寸法又は左右方向寸法)より小さい寸法となっている。
【0039】
なお、ベルトクリーナ19は、装置本体のうちベルトユニット13の下方側に着脱自在に装着されている。因みに、装置本体とは、画像形成部5を支持するメインフレーム(図示せず。)及びそのメインフレームを囲む筐体3等の通常使用時においては分解又は着脱されない部分をいう。
【0040】
また、ベルトクリーナ19の下方側には、給紙トレイ21がベルトクリーナ19と隣接して装置本体に着脱自在に装着されており、この給紙トレイ21の載置部21Aには、画像形成部5に搬送される用紙が上下方向に積層された状態で載置される。因みに、載置部21Aに載置されている用紙は、フィーダ機構21Bにより1枚ずつ画像形成部5側に送出される。
【0041】
なお、本実施形態に係る給紙トレイ21は、装置本体の最下部に配設されているとともに、張架方向と平行な方向に挿抜可能として装置本体に対して着脱自在となっている。このため、本実施形態では、ベルトクリーナ19は、上下方向において、ベルトユニット13と給紙トレイ21との間に配設された状態となっている。
【0042】
2.両面印刷機能
両面印刷機能とは、用紙の表裏両面に画像を形成(印刷)する機能であり、本実施形態では、表裏いずれか一面目への画像形成が終了した用紙を、今度は二面目が感光ドラム7Aに面するように、用紙の表裏を反転して画像形成部5の入口側まで再搬送する。そして、二面目に画像を形成することにより両面印刷を行う。
【0043】
すなわち、定着器11から排出された用紙は、用紙搬送経路L1を経由して筐体3の上面側に排出されるが、両面印刷を行う場合には、排出ローラ23の回転方向を反転させて用紙を再搬送経路L2側に搬送する。この再搬送経路L2は、ベルトクリーナ19と給紙トレイ21との間の空間を経由して張架方向と平行に延びて画像形成部5(本実施形態では、一対のレジストローラ17)の入口に至り、用紙搬送経路L1と合流する。
【0044】
因みに、レジストローラ17とは、用紙の斜行を矯正する機能又は感光ドラム7Aと転写ベルト13Aとの接点(ニップ点)に突入するタイミングを調整する機能を有するものであるが、本実施形態に係るレジストローラ17は、両機能を兼ね備えている。
【0045】
そして、ベルトクリーナ19と給紙トレイ21との間の空間であって、再搬送経路L2を搬送される用紙の下面側には再搬送ユニット25が配設されており、この再搬送ユニット25は、ベルトクリーナ19(収容部19D)の下方側外壁面19Eと所定の隙間を介して対向配置されて、ベルトクリーナ19の下方側外壁面19Eと共に再搬送経路L2の一部を構成する経路構成部材である。
【0046】
なお、再搬送ユニット25は、装置本体内に固定的に設けられていてもよいし、転写ベルト13Aの張架方向と平行な方向に挿抜可能な構成として装置本体に対して着脱自在に装着されるような構成であってもよい。因みに、本実施形態では、給紙トレイ21が前面側から挿抜可能となっているのに対して、再搬送ユニット25は後面側から挿抜可能となっている。
【0047】
再搬送ユニット25は、転写ベルト13Aの下方側において、ベルトクリーナ19(収容部19D)、及び、その後側に配設されている電源基板30と対向するように、転写ベルト13Aの張架方向に沿って配設されている。
【0048】
また、再搬送ユニット25には、再搬送経路L2を搬送される用紙に接触しながら回転するローラ25Aが設けられ、一方、ベルトクリーナ19(収容部19D)の下方側外壁面19Eのうちローラ25Aに対応する位置には、用紙をローラ25A側に押し付けるローラ19Fが設けられている。
【0049】
再搬送ユニット25には、電源基板30が配設されている位置より更に後側の位置においてもローラ25Aが設けられており、これに対応する位置には、ローラ19Fと同様に、用紙をローラ25A側に押し付けるローラ40が装置本体(フレーム)に設けられている。
【0050】
なお、再搬送ユニット25のローラ25Aは、装置本体から駆動力を得て用紙に搬送力を付与しながら回転するものであり、ベルトクリーナ19(収容部19D)の下方側外壁面19Eに設けられたローラ19F、及び、装置本体に設けられたローラ40は、用紙の移動と共に従動回転(連れ周り)する。
【0051】
3.画像形成部等の着脱について
筐体3のうち張架方向一端側(本実施形態では、前方側)には、開口部3Aが設けられており、この開口部3Aは、開閉カバー3Bにより開閉可能に閉じられている。このため、図2に示すように、開閉カバー3Bを前方側に揺動させるように開くと、開口部3Aからプロセスユニット7やベルトユニット13等の画像形成部5を装置本体から取り外すことができる。
【0052】
そして、画像形成部5(プロセスユニット7、ベルトユニット13)を装置本体から取り外すと、ベルトユニット13の下方側に装着されているベルトクリーナ19が取り外し可能な状態となり、ベルトクリーナ19を開口部3Aから取り外すと、再搬送ユニット25(再搬送経路L2)のうちベルトユニット13に対応する部分が開放された状態となる。
【0053】
したがって、本実施形態では、再搬送経路L2のうち再搬送ユニット25部分で用紙が詰まった場合には、画像形成部5(プロセスユニット7、ベルトユニット13)及びベルトクリーナ19を装置本体から取り外すことにより、詰まった用紙を除去することができる。
【0054】
4.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本実施形態では、ベルトクリーナ19により再搬送経路L2の少なくとも一部が構成されているので、再搬送経路L2を構成するための部品点数を低減することができ、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
【0055】
また、本実施形態では、ベルトクリーナ19は、着脱自在に装着されており、さらに、ベルトクリーナ19が取り外された状態では、再搬送経路L2の少なくとも一部が開放された状態となることを特徴としている。
【0056】
これにより、本実施形態では、ベルトクリーナ19が取り外されると、再搬送経路L2の少なくとも一部が開放されるので、再搬送経路L2に用紙が詰まった場合であっても、その詰まった用紙を容易に除去することができる。
【0057】
また、本実施形態の発明では、ベルトクリーナ19を、ベルトユニット13と給紙トレイ21との間に配設することを特徴としている。
これにより、本実施形態では、記録シートをシートトレイ21の外側を通るように大きく迂回させる必要がなく、画像形成装置1の小型化が可能となる。また、再搬送経路L2及びベルトユニット13により囲まれた範囲内に給紙トレイ21が存在しない構成となるので、再搬送経路L2の経路長が給紙トレイ21の外形寸法に拘束されない。このため、再搬送経路L2の経路長を短くすることが可能となり、画像形成装置1の小型化が可能となる。
【0058】
因みに、仮に、再搬送経路L2及びベルトユニット13により囲まれた範囲内に給紙トレイ21が存在する構成とすると、再搬送経路L2と給紙トレイ21との干渉を回避するべく、給紙トレイ21を囲むような再搬送経路L2とする必要があるので、再搬送経路L2の経路長を短くすることができず、画像形成装置1の小型化ができない。
【0059】
また、本実施形態では、ベルトクリーナ19の収容部19Dは、ベルトユニット13の張架方向に拡がるように扁平状に形成されていることを特徴としている。
これにより、本実施形態では、転写ベルト13Aの張架方向に拡がるように扁平状に形成されている収容部19Dによって、クリーニングローラ19A及びクリーニングシャフト19Bによって除去された付着物を大量に蓄えることができるとともに、この収容部19Dの収納空間を利用して再搬送経路L2を構成することができるので、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
【0060】
5.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、転写ベルト13Aが特許請求の範囲に記載された無端ベルトに相当し、給紙トレイ21が特許請求の範囲に記載されたシートトレイに相当し、再搬送ユニット25が特許請求の範囲に記載された経路構成部材に相当し、ベルトクリーナ19が特許請求の範囲に記載された廃トナー収容器に相当する。
【0061】
(第2実施形態)
第1実施形態に係る露光器9は、レーザ光を感光ドラム7Aの軸方向に走査しながら感光ドラム7Aを露光するスキャナ型であったが、本実施形態に係る露光器9は、図3に示すように、LED等の発光体を感光ドラム7Aの軸方向に沿って多数個並べたアレイ状の露光器を感光ドラム7A毎に配置した例である。
【0062】
そして、本実施形態では、図4に示すように、画像形成部5及びベルトクリーナ19を取り外すための開口部3A及び開閉カバー3Bを筐体3の上面側に設けている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1においては、筐体3上面の開閉カバー3Bを上方側に揺動させるようにして開口部3Aを開いて画像形成部5及びベルトクリーナ19を装置本体から取り外した後、再搬送経路L2に詰まった用紙を除去することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、各露光器9は、開閉カバー3Bに懸垂されているので、開閉カバー3Bを開くことにより、各露光器9が装置本体内から退避した状態となる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ベルトクリーナ19(収容部19D)の後側に電源基板30が配設されている構成であったが、電源基板30を別の位置に配設するようにしてもよく、たとえば、電源基板30の配設位置に至るまで、ベルトクリーナ19(収容部19D)を後側に延長して大型化するようにしてもよい。この場合、ベルトクリーナ19(収容部19D)を取り外すことによって、再搬送経路L2がより大きく開放されるため、再搬送経路L2に詰まった記録シートをより容易に除去することができる。
【0064】
また、上記実施形態では、上方側から順にベルトユニット13、ベルトクリーナ19、給紙トレイ21の順に並んでいたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベルトクリーナ19を挟んでベルトユニット13と反対側に給紙トレイ21が配設され、かつ、再搬送ユニット25は、収容部19Dに対して載置部21A側に位置して収容部19Dに面するように収容部19Dに隣接していれば十分であるので、例えば、ベルトユニット13、ベルトクリーナ19及び給紙トレイ21を水平方向に並べ、転写ベルト13Aの張架方向が鉛直方向に一致するように構成してもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、ベルトユニット13等が装置本体に対して着脱自在に装着されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、ベルトクリーナ19(収容部19D)にて再搬送経路L2の一部を構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の用紙搬送経路の一部をベルトクリーナ19にて構成してもよい。
【0066】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0067】
1…画像形成装置、3…筐体、3A…開口部、3B…開閉カバー、5…画像形成部、
7…プロセスユニット、7A…感光ドラム、9…露光器、11…定着器、
13…ベルトユニット、13A…転写ベルト、15…転写ローラ、
17…レジストローラ、19…ベルトクリーナ、19D…収容部、19E…外壁面、
21…給紙トレイ、21A…載置部、21B…フィーダ機構、23…排出ローラ、
25…再搬送ユニット、25A…ローラ、L1…用紙搬送経路、L2…再搬送経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートの表裏両面に画像を形成することが可能な画像形成装置であって、
記録シートを搬送する無端ベルトと、
前記無端ベルトにより搬送される記録シートに画像を形成する画像形成部と、
前記無端ベルトに付着した付着物を除去するベルトクリーナと、
表裏いずれか一面目への画像形成が終了した記録シートを前記画像形成部に再搬送して二面目に画像を形成するための再搬送経路とを備え、
当該再搬送経路の少なくとも一部が、前記ベルトクリーナにより構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ベルトクリーナは、着脱自在に装着されており、
さらに、前記ベルトクリーナが取り外された状態では、前記再搬送経路の少なくとも一部が開放された状態となることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ベルトクリーナと隣接して設けられ、前記画像形成部に搬送される記録シートが載置されるシートトレイを備えており、
さらに、前記再搬送経路は、前記シートトレイと前記ベルトクリーナとの間の空間に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ベルトクリーナは、前記無端ベルトと前記シートトレイとの間に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルトクリーナは、前記無端ベルトに付着した付着物を除去するクリーナ部及び除去された付着物が蓄えられる収容部を有して構成されており、
さらに、前記収容部は、前記無端ベルトの張架方向に拡がるように扁平状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ベルトクリーナは、前記無端ベルトに付着した付着物を除去するクリーナ部及び除去された付着物が蓄えられる収容部を有して構成され、
さらに、前記収容部の外壁面と共に前記再搬送経路の一部を構成する経路構成部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ベルトクリーナは、前記無端ベルトを挟んで前記画像形成部と反対側に配設され、
前記ベルトクリーナを挟んで前記無端ベルトと反対側には、前記画像形成部に搬送される記録シートが載置される載置部を有するシートトレイが設けられており、
前記経路構成部材は、前記収容部に対して前記載置部側に位置して前記収容部に面するように前記収容部に隣接していることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
現像剤を記録シートに転写することにより画像を形成するとともに、不要な現像剤が蓄えられる廃トナー収容器を備える画像形成装置であって、
前記廃トナー収容器の少なくとも一部により、記録シートを搬送するための搬送経路の少なくとも一部が構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記廃トナー収容器の外壁面と共に前記搬送経路の一部を構成する経路構成部材を備えることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
記録シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に搬送される記録シートが載置されるシートトレイとを備え、
前記廃トナー収容器及び前記シートトレイは、前記搬送経路と平行な方向に拡がるように扁平状に形成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−13926(P2012−13926A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149997(P2010−149997)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】