説明

画像形成装置

【課題】特別な機構を追加することなく最初のプリントの主走査方向の紙端を確認するだけで、全プリントに対し主走査方向の紙端検知不良による画像不良を防止することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】前記画像形成装置は、画像データに基づいて画像形成を行う画像形成部と、形成された画像を用紙に転写する転写装置と、転写位置に搬送される用紙の主走査方向の紙端を検知する紙端センサと、プリント動作を制御する制御部と、を有し、最初のプリント時に、紙端検知に用いられる閾値を、通常の紙端検知に用いられる第1閾値よりも用紙無し時の前記紙端センサの出力値との差が大きくなるように変更して設定された第2閾値に変更して紙端の検知を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を有する複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、通常、原稿の読み取りなどによって得られる画像データに基づいて感光体に画像形成を行い、給紙装置や手差し部から給紙される用紙を装置内で搬送し、感光体から直接にまたは中間転写手段を介して画像を転写、定着することでプリント(印刷)が行われる。画像の転写に際しては、用紙搬送路に配したレジストローラで用紙を位置決めするとともに、レジストローラの下流側の用紙搬送路に配したセンサによって搬送させる用紙先端を検知して、搬送される用紙と感光体や中間転写手段の動作タイミングを調整して用紙に画像を転写するようにしている。
【0003】
ところで、搬送路を移動する用紙は、搬送ローラでのスリップや搬送ローラの圧力不均等などによって主走査方向(搬送路に対し直角方向)への位置ずれが生じることがあり、レジストローラの位置決めだけでは修正が困難な場合がある。そのため、用紙の紙端を検知し片寄りを検知する紙端センサ(片寄りセンサ)によって得られる紙端位置情報に基づいて用紙への書き込み位置を補正する、端部位置補正の制御が行われている。この紙端センサには、発光素子、受光素子を備えたラインセンサが多く用いられている。
【0004】
ここで、通常のプリントでは有色のプリントを行うため、用紙の色は白か薄い有色である。そのため、紙端センサに反射型のラインセンサを用いた時は、用紙の搬送直交方向の紙端を検知するラインセンサは用紙有り部分では高反射率により受光量が大きく、用紙無し部分では受光量が小さいことを利用して紙端検知を行っている。
【0005】
ところで、紙端センサはその機能設定が一定の場合には、紙種が異なると検知精度が異なるという問題が生じることがある。また、用紙搬送路で大量の用紙を通紙したり、紙粉の多い用紙を通紙したりすると、紙端センサの近傍に紙粉が付着して正確な紙端の位置が検知できなくなるという問題がある。
【0006】
これらの問題に対し、普通紙(白色紙)、着色紙等の用紙の紙種情報に基づいて紙端検知用の閾値を設定する手段と、紙種情報に基づいて紙端センサの出力信号の増幅率を設定する手段のいずれかを備え、光反射率や紙粉の発生程度や発生頻度の異なる紙種に従って紙端判定に適切な閾値や信号増幅率を設定する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、用紙の種類に応じて、発光素子の発光量を調整する検知条件設定手段を設け、用紙位置の検知に先立って、検知条件設定手段により発光素子の発光量を調整し、その調整した発光量の光によって紙端位置を検知する画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−202071号公報
【特許文献2】特開2007−168975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1は、紙端を検知するセンサを備え、紙種及び紙粉による影響を考慮し、閾値を変更したり信号の増幅率を変更したりして、紙端の検知の精度を向上させたものである。
【0010】
特許文献2は、紙端センサの発光量を調整することにより、いかなる種類の用紙に対しても、同一の閾値によって、精度よく紙端位置を検知できるようにしたものである。
【0011】
ところで、電子写真方式の画像形成装置、例えば電子写真プリンタ等では、近年、バリアブルプリント機能が着目され、オフセット印刷等でカラープリント済みの用紙に個人の住所氏名などを追い刷りする使用方法が増加している。
【0012】
前述のように紙端センサにラインセンサを用いた場合、紙端センサは受光量により、用紙の有無を検知している。このため、このようなプリント済み用紙に追い刷りをする場合、プリント済みの内容により、特に高濃度プリント済みの用紙への追い刷りでは紙端を精度よく検知できない場合がある。
【0013】
例えば艶消しの黒色で全く検知できない場合は、端部位置補正をオフすることにより、機械精度のみの精度で端部位置補正(画像位置合わせともいう)が行われるので、多少精度は落ちても大きな問題になることは無かった。
【0014】
しかしながら、茶色等の濃度の高いプリント済み用紙で、紙端が通常検知できているのに、反射光量が閾値付近であるがため、わずかな濃度バラツキで紙端を検知できず端部位置補正(画像位置合わせ)が不可能になることが稀にあり、例えば製本した冊子のうち数枚に画像位置ずれが生じているといったような、追い刷りとして不良品を作成するという場合があった。
【0015】
特許文献1及び2は、厚さや着色紙には着目しているものの、追い刷りを行う場合のように既にプリント済みの用紙に対して紙端を正確に検知する配慮に欠け、紙有り時と紙無し時の紙端センサの受光量がほぼ等しくなるような場合には、正しく紙端を検知することが出来ず、用紙と画像が大きくずれるような問題を引き起こす恐れがあった。
【0016】
このような頻度の少ない不良品の検査には多くの手間がかかるうえ、不良品が顧客先に流出した場合、信頼問題にまで発展する大きな問題になることがあった。
【0017】
本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、特別な機構を追加することなく最初のプリントの紙端を確認するだけで、全プリントに対し紙端検知不良による画像不良を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的は、下記の構成により達成される。
【0019】
1.画像データに基づいて画像形成を行う画像形成部と、
形成された画像を用紙に転写する転写装置と、
転写位置に搬送される用紙の主走査方向の紙端を検知する紙端センサと、
プリント動作を制御する制御部と、を有し
最初のプリント時に、紙端検知に用いられる閾値を、通常の紙端検知に用いられる第1閾値よりも用紙無し時の前記紙端センサの出力値との差が大きくなるように変更して設定された第2閾値に変更して紙端の検知を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0020】
2.プリント状態を確認するための確認プリントモードを有し、確認プリント時のみ、前記閾値を前記第1閾値から前記第2閾値へ変更することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0021】
3.前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端検知が行われた後、前記閾値を第2閾値から第1閾値に戻すことを特徴とする前記1または2に記載の画像形成装置。
【0022】
4.両面プリント時には、表面、裏面それぞれの最初のプリント時または確認プリント時に、前記閾値を前記第1閾値から前記第2閾値へ変更することを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0023】
5.紙端センサの検知結果に基づき、紙端検知の可、不可を判断する判断部を有し、前記判断部は最初のプリント時または確認プリント時の紙端の検知の可、不可を判断することを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0024】
6.前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、前記制御部はプリント動作を停止することを特徴とする前記5に記載の画像形成装置。
【0025】
7.前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、前記制御部は、用紙の端部位置補正をオフするように促すメッセージを出力することを特徴とする前記5または6に記載の画像形成装置。
【0026】
8.前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、前記制御部は、用紙の端部位置補正をオフすることを特徴とする前記5または6に記載の画像形成装置。
【0027】
9.前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、端部位置補正の補正値に、検知が不可と判断されたプリントより前で直近の、同種の用紙のプリントで、紙端の検知ができた用紙の端部位置補正に用いられた補正値を用いることを特徴とする前記5に記載の画像形成装置。
【0028】
10.前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、端部位置補正の補正値に、紙端の検知が不可と判断された用紙が積載された用紙より前に同じ給紙トレイに積載され、紙端の検知ができた用紙の端部位置補正に用いられた補正値を用いることを特徴とする前記5に記載の画像形成装置。
【0029】
11.画像データに基づいて画像形成を行う画像形成部と、
形成された画像を用紙に転写する転写装置と、
転写位置に搬送される用紙の主走査方向の紙端を検知する紙端センサと、
紙端センサの検知結果に基づき、紙端検知の可、不可を判断する判断部と、
プリント動作を制御する制御部と、を有し
紙端検知に用いられる閾値を基準値として所定の幅の変更値を設定し、最初のプリント時及び確認プリント時には、前記閾値に前記変更値を加えて判定値とし、
前記紙端センサの出力値が、前記判定値の範囲内にある場合には、前記判断部は紙端検知が不可能と判断し、該判断に基づき前記制御部は、プリント動作を停止し、用紙の紙端検出不可能のメッセージを出力の制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0030】
12.両面プリント時には、表面、裏面それぞれの最初のプリント時に、前記判定値を用いた紙端検値の可、不可の判断が行われることを特徴とする前記11に記載の画像形成装置。
【0031】
13.前記第1の閾値に対する第2閾値の変更量、及び前記閾値を基準として所定の幅で設定された変更値の量は、通常プリント時のインクによるプリントの色変化量より大きい量あることを特徴とする前記1から12の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0032】
14.前記第1の閾値に対する第2閾値の変更量、及び前記閾値を基準として所定の幅で設定された変更値の量は、人為的に表示操作部より変更できることを特徴とする前記1から13の何れか1項に記載の画像形成装置。
【0033】
15.前記最初のプリントまたは前記確認プリントにおける前記第1の閾値を第2閾値に変更しての紙端検知、及び前記閾値を基準として所定の幅で設定された変更値を用いた紙端検知は、追い刷りまたは追い刷りモードの時に行われることを特徴とする前記1から14の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、特別な機構を追加することなく最初のプリントの紙端を確認するだけで、全プリントに対し紙端検知不良による画像不良を防止することができる。これにより、追い刷り後のプリント検品を省略することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る画像形成装置1を示す概略図である。
【図2】画像形成部周辺の拡大図である。
【図3】紙端センサおよび紙先端センサの周辺を示す図である。
【図4】紙端センサおよび紙先端センサの周辺を示す図である。
【図5】画像形成装置の主な構成を示すブロック図である。
【図6】用紙あり部分と用紙無し部分の画素センサの受光量を示す図である。
【図7】プリントされた用紙のプリント濃度のバラツキの一例を示す図である。
【図8】図7に示す濃度のバラツキを持つ用紙の紙端検知した時の紙端センサの出力値を示す図である。
【図9】図7に示す濃度のバラツキを持つ用紙の紙端検知した時の紙端センサの出力値を示す図である。
【図10】第2閾値を用いた端部位置補正のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に本発明に関する実施の形態を、図を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明に係る画像形成装置1を示す概略図である。
【0038】
画像形成装置1は、その上部側に、CCD131を含むスキャナ部130、原稿がセットされるガラス面のプラテン133、ADF(自動原稿送り装置)134が設けられており、これらによって画像読取装置YSが構成されている。また、ADF134には、原稿サイズセンサ135が設けられており、原稿サイズセンサ135によってADF134にセットされた原稿の縦横のサイズを検知することができる。
【0039】
また、画像形成装置1の下部側の用紙給紙部110には、給紙トレイ10、11、12が配置され、それぞれに給紙手段10a、11a、12aが設けられている。また、画像形成装置1の側方外壁部には手差しトレイ13が設けられており、該手差しトレイ13に対する給紙手段13aが設けられている。このように用紙給紙部110には複数の給紙トレイ、手差しが設けられているので用紙サイズや縦横配置の異なる複数種類の用紙を用いることができ、また紙種の異なる複数種の用紙を収納して使い分けることもできる。
【0040】
上記給紙手段10a〜13aの給紙側下流にはレジストローラ14が配置され、その下流側の搬送路に主走査方向の片寄りのセンサである紙端センサ40と、紙先端センサ50とが設置されている。なお、紙端センサ40は、主走査方向における片方の端部側に配置されている。さらにその下流側には、感光体ドラム20が配置されている。
【0041】
図2は、画像形成部周辺の拡大図である。
【0042】
図1、図2に示すように、画像形成部150は、感光体ドラム20の周囲に、感光体ドラム20を帯電させる帯電装置21、LD151を含む露光装置22、トナーを収容し該トナーを感光体ドラム20に供給する現像装置23、転写装置24、トナー分離装置25、クリーニング装置26を備えている。感光体ドラム20の用紙移動方向下流側には定着装置27が配置され、さらにその下流側に、片面、両面プリントを切り替える切り替えローラ30、排紙ローラ31が配置されており、排紙ローラ31の装置外側に排紙トレイ60が設けられている。
【0043】
上記紙端センサ40と紙先端センサ50とは、発光素子であるLEDと受光素子である画素センサとが組になっており、LEDによって出力され、用紙によって反射した光を画素センサで受光して用紙の有無を検知するように構成されている。したがって反射光の受光量(出力値)が変化する時点を用紙の端部として検知することができる。
【0044】
図3及び図4は、紙端センサ40および紙先端センサ50の周辺を示す図である。
【0045】
搬送される用紙Sの幅方向に沿って用紙搬送路の上方近傍に紙端センサ40が配置され、そのやや下流側中央に紙先端センサ50が配置されている。紙端センサ40は、用紙幅方向(主走査方向)に沿った長尺形状を有しており、用紙搬送路に対し斜め方向から光を放つライン形状のLED41と、搬送される用紙Sで反射した上記光を集光する集光レンズ42と、集光レンズ42を通過した光を受光するアレイ型の画素センサ43とからなる。この構成により用紙Sの主走査方向端部では、用紙Sで反射したLED光は、集光レンズ42を通して画素センサ43で受光される。
【0046】
なお、用紙搬送路には、紙端センサ40に対向する表面が黒色に表面処理されたガイド板44が設置されており、用紙Sは、このガイド板44の上方を移動する。搬送される用紙Sの主走査方向外側に位置する光束は、用紙Sに反射することなくガイド板44に達し黒色の表面に吸収される。このため、この光束に対応する位置の画素センサ43には反射光が到達せず、したがって受光量も殆どゼロになる。なおガイド板44は黒色の表面処理に限定されるものではなく、LED41から出力されたLED光を用紙S無しの位置で画素センサ43方向に反射しない構成ならばよく、例えばガイド板44のLED光が照射される位置に穴を設け、LED光を通過させるようにしてもよい。また、ガイド板44は、用紙Sの搬送に不要ならば省いてもよい。
【0047】
紙先端センサ50も図示しないが、LEDと画素センサとが組になっており、1組のLEDと画素センサによって紙の先端が検知される。
【0048】
図5は、画像形成装置1の主な構成を示すブロック図である。図5に示すように画像形成装置1は、主な構成として、制御部100、画像読取装置YS、画像形成部150、定着装置27、用紙給紙部110、用紙搬送部ST、表示操作部140、紙端センサ40及び紙先端センサ50等を有する。
【0049】
制御部100は、画像形成装置1の各部の動作制御を行う。また、制御部100は、各部のセンサからの出力等に基づき各種の判断を行う判断部100Aを含む。この判断には、紙端センサ40での検知結果(出力値)に基づき、紙端検知の可能、不可能を判断する等がある。
【0050】
次に、画像形成装置1の動作の概略について説明する。
【0051】
画像読取装置YSでは、プラテン133またはADF134に原稿がセットされ、ADF134にセットした原稿は、原稿サイズセンサ135によってサイズ、設置方向が検知され、プラテン133に設置された原稿は、プレスキャンによってサイズ、設置方向を検知することができる。これにより紙種を自動で設定することが可能となる。
【0052】
画像読取装置YSに原稿がセットされると、所望によりユーザーによってプリント設定などがなされる。表示操作部140では、タッチパネル(不図示)によって、画像形成装置1における各種設定などの入力を行うことができ、また必要に応じて各種情報の表示が可能になっている。
【0053】
ユーザーによってタッチパネルで紙種の選択がなされた場合には、この紙種情報はタッチパネルから表示操作部140を通して制御部100に出力される。更に、紙種情報が適用される画像形成装置1の各部に送られる。
【0054】
画像読取装置YSによる原稿の読み取りは、ユーザーの指示または画像形成装置の自動的な動作によって開始される。
【0055】
原稿の読み取りが開始されると、原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、CCD131によって画像が光学的に読み取られる。
【0056】
CCD131により光電変換されて形成された信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、露光装置22に送られる。
【0057】
設定された紙種情報に基づき、給紙トレイ10〜12または手差しトレイ13のいずれかから、給紙手段10a、11a、12aまたは13aによって用紙が給紙される。用紙は、搬送路を移動して、レジストローラ14に達し、ここで位置決めされた後、さらに搬送が続行される。
【0058】
搬送路を移動する用紙Sは、詳細は後述するが、紙端センサ40で片寄りが検知され、紙先端センサ50で用紙の先端が検知される。
【0059】
これらセンサによって得られた用紙の先端位置情報及び片寄り情報は、制御部100に伝達される。制御部100では、これらの情報に従って露光装置22に書き込みタイミングと書き込み位置とを指令する。即ち、端部位置補正(画像位置調整)の制御が行われる。これにより、適正な書き込み位置で感光体ドラム20への書き込みを行うことが可能となる。
【0060】
画像形成部150では、制御部100により各部の制御が行われ、画像形成部150において画像形成され、転写装置24で所定の用紙Sへのプリントが行われる。
【0061】
具体的には、帯電装置21によって感光体ドラム20が帯電されるとともに露光装置22によって感光体ドラム20に画像データに従って所定の潜像が形成される。この感光体ドラム20に対し、現像装置23によってトナーが供給され、上記潜像が顕像化される。
【0062】
感光体ドラム20では、顕像化された画像が、転写装置24によって用紙Sに適正な位置で転写される。なお、転写後に感光体ドラム20に残留するトナーは、分離装置25、クリーニング装置26によって機械的、電気的に除去される。
【0063】
画像が転写された用紙Sは、そのまま用紙搬送方向下流(以下、下流と略す)に送られ定着装置27で画像の定着がなされる。その下流にある切り替えローラ30では、両面プリントの場合には、用紙の移送方向を切り替えて、用紙の面を変えて前記感光体ドラム20に再度移送できるようにする。プリントを終えた用紙は、排紙ローラ31側に移動され、画像形成装置外の排紙トレイ60に排出される。なお、所望によって排紙ローラ31の下流に後処理装置を設けて、ソート、ステープル等の後処理を行うこともできる。
【0064】
次に、上述の紙端センサ40における用紙Sの片寄りの検知について説明する。
【0065】
画像形成装置1のプリント動作に際し、紙端センサ40のLED41には駆動電圧が加えられてライン状に光が放たれる。LED150から放たれたLED光は、図3に示すように用紙Sで反射したものが集光レンズ42で集光され画素センサ43で受光される。
【0066】
一方、用紙Sの主走査方向外側の位置では、画素センサ43への反射光の受光はなく、受光量(出力値)は殆どゼロになる。
【0067】
図6は、白紙の用紙Sを用いた場合の用紙あり部分と用紙無し部分の画素センサ43でのLED光の受光量を示す図である。図6の左側は用紙Sの外側方向であり、右側は用紙Sの内側方向である。
【0068】
図6に示すように、用紙S有無の境目の紙端部分では、受光量は白紙による反射での受光量レベル(図6中の白紙検知レベル)と用紙無しでの受光量レベル(図6中の紙無し検知レベル)との間を変化する。
【0069】
この受光量は紙端センサ40の出力値として制御部100へ送られる。
【0070】
制御部100の判断部100Aは、用紙Sの紙端を判断するための予め設定された閾値(以下、第1閾値ともいう)と紙端センサ40の出力値を比較して用紙Sの紙端の位置を判断する。図6において、出力値が閾値未満であれば用紙無し、閾値以上であれば用紙有りと判断する。そして出力値と閾値とが同じとなる位置を紙端と判断する。
【0071】
閾値は、紙種毎に設定してもよいし、グループ分け、例えば紙色毎、紙厚毎等、その機種の仕様に合わせて適宜設定される。
【0072】
ところで、前述のように紙端センサにラインセンサを用いた場合、紙端センサは受光量により、用紙の有無を検知しているため、プリント(印刷)済み用紙に追い刷りをする場合、プリント済みの内容により、特に高濃度プリント済みの用紙への追い刷りでは紙端をうまく判別出来ない場合がある。
【0073】
しかしながら、茶色等の濃度の高いプリント済み用紙で、紙端が通常検知できているのに、反射光量が閾値付近であるがため、わずかな濃度バラツキで紙端を検知できず端部位置補正(画像位置合わせ)が不可能になることが稀にあり、例えば製本した冊子のうち数枚に画像位置ずれが生じているといったような、追い刷りとして不良品を作成するという場合があった。
【0074】
即ち、用紙あり時と用紙なし時の画素センサ43の受光量がほぼ等しいような場合、通常は紙端が検知できている用紙Sがプリントされたプリント濃度の僅かなバラツキで紙端を検知できず、端部位置補正(画像位置合わせ)が不可能となり、追い刷りとして不良品を作成するという場合があった。
【0075】
このような頻度の少ない不良品の検査には多くの手間がかかるうえ、不良品が顧客先に流出した場合、信頼問題にまで発展する大きな問題になることがあった。
【0076】
これに対し、本発明では、最初のプリント時に、通常の紙端検知に用いられる閾値(第1閾値)よりも用紙無し時の紙端センサ40の出力値との差が大きくなるように変更して設定された第2閾値を用いて紙端の検知を行うものである。
【0077】
以下、第2閾値を用いた紙端の検知について説明する。
【0078】
図7は、プリントされた用紙Sのプリント濃度のバラツキの一例を示す図であり、プリント濃度が濃度4の範囲でばらついている例である。
【0079】
なお、以下の説明において、濃度、受光量、閾値、出力値等の数値の記述は、大小を比較するための相対的な擬似的な数値であり、実際の数値を現すものではない。
【0080】
ここで、図7の濃度バラツキをもつ用紙Sの紙端検知をすると、最高濃度の用紙S(図7中8枚目)では、LED光の反射が最も少なくなるため、画素センサ43での受光量が最も少なくなり紙端センサ40からの出力値が最も小さくなる。
【0081】
なお、本説明では、濃度が1ばらつくと出力値も1ばらつくと仮定する。即ち、濃度が4の範囲でばらつくと、出力値も4の範囲でばらつくものとする。
【0082】
図8及び図9は、図7に示すような濃度4のバラツキを持つ用紙Sの紙端検知した時の紙端センサ40の出力値を示す図である。図8は、最高濃度の用紙S(8枚目)の紙端検知における出力値が通常の紙端検知に用いられる閾値(第1閾値)より大きい場合を示す。図9は、最高濃度の用紙S(8枚目)の紙端検知における出力値が通常の紙端検知に用いられる閾値(第1閾値)より小さい場合を示す。
【0083】
図8の場合には、出力値が最も小さい8枚目でも第1閾値以上となるため、8枚目を含む全ての用紙Sで紙端検知が可能になる。
【0084】
しかしながら、図9の場合には、出力値が最も小さい8枚目が後述のように第1閾値未満となる恐れがあるため8枚目の紙端検知が不可能になる恐れがある。このため、1枚目の紙端検知ができても、このままの状態でプリントを開始すると、8枚目の端部位置補正(画像位置合わせ)が不可能になり、追い刷りとして不良品を作成するという場合があった。
【0085】
本発明では、第1閾値に対して、第1閾値よりも用紙無し時の紙端センサ40の出力値との差が大きくなるように変更して設定された第2閾値が設定される。即ち第2閾値は、図8及び図9に示すように、第1閾値よりも値が大きくなるように設定される。
【0086】
第1閾値に対する第2閾値の変更量は、通常プリント時のインクによるプリントの色変化量(濃度バラツキ)による出力値のバラツキより大きい量で設定される。図8及び図9では、変更量は出力値幅で4.2としている。この濃度バラツキは、追い刷り前のプリント終了後に予め測定され、濃度バラツキと出力値バラツキの相関は予め設定される。
【0087】
プリント開始に際し、最初(1枚目)のプリント時に、閾値は通常の紙端検知に用いられる第1閾値より第2閾値に変更される。
【0088】
紙端センサ40からの出力値は制御部100に送られ、判断部100Aで出力値と第2閾値とが比較され、紙端検知がされる。
【0089】
図8の場合には、1枚目の出力値が第2閾値以上となれば、他の用紙Sの出力値も全て第1閾値以上となるため、2枚目以降の紙端検知では閾値を第2閾値から第1閾値に戻して紙端検知すれば、全ての用紙Sの紙端検知が可能となる。このように、1枚目紙端検知に第2閾値を用い、1枚目の紙端検知終了後、第1閾値に戻して、2枚目以降の紙端検知が行われプリントされる。
【0090】
しかしながら、図9のように、1枚目の出力値が第1閾値以上第2閾値未満となる場合には、第2閾値を用いての1枚目の紙端検知は不可能になる。この場合、たとえ1枚目の出力値が第1閾値以上となり第1閾値での紙端検知が可能であるとしても、他の用紙Sで出力値が第1閾値未満となり紙端検知が不可能となる恐れがある。前述のように、この状態でプリントを開始すると、端部位置補正が不可能となる用紙Sが生じ、追い刷りとして不良品を作成するということになる。
【0091】
これを防止するため、判断部100Aは、第2閾値を用いての1枚目の紙端検知が不可能な場合には、紙端検知不可能と判断する。
【0092】
ここで、図9において、前述のように第2閾値の変更量が4.2、出力値バラツキ範囲4であるから、1枚目の出力値が第1閾値に対して4.1大きい場合には、1枚目の出力値が第2閾値未満となるが、8枚目の出力値は、第1閾値に対して0.1大きくなり第1閾値以上となる。このため、理論上では最小出力値の8枚目の紙端検知も第1閾値を用いて可能となる。しかしながら、用紙Sの僅かの撓み等によるLED光の反射変化での受光量の変化、また紙端センサ40及びその周辺の温度変化、等による紙端検知精度の変動を考慮し、一定の安全範囲を設け、紙端検知可能、不可能の判断が行われる。従って前述のように、1枚目の出力値が第2閾値未満となる場合には、紙端検知は不可能と判断される。
【0093】
上述の説明では、1枚目のプリント時に閾値を第1閾値から第2閾値に変更して紙端検知を行ったが、確認プリントモードを有する場合には、確認プリント時のみ閾値を変更して紙端検知が行われる。
【0094】
本説明での確認プリントモードとは、画像が形成された複数ページの用紙Sがステープル等で綴じられて1部の冊子として形成される場合に、最初の用紙だけでなく、冊子1部分の用紙Sをプリントしてプリント確認するモードである。確認プリント時には、冊子1部分の複数枚のプリント中に、複数枚の用紙Sそれぞれに紙端検知が行われ、紙端検知の可能、不可能が判断され、それぞれにその結果による対応がなされる。
【0095】
また、両面プリント時には、表面、裏面それぞれの最初のプリント時または確認プリント時に、閾値を第1閾値から第2閾値へ変更して紙端検知が行われる。
【0096】
1枚目プリント時、または確認プリント時の紙端検知ができた場合には、それ以降のプリントにおいて安定した紙端検知ができ、画像形成位置が安定したプリントを行うことができる。そのため、制御部100は、プリント動作を継続する。
【0097】
1枚目プリント時、または確認プリント時の複数枚の用紙Sの何れかの紙端検知で、紙端検知不可能と判断された場合には、制御部100は、プリント動作を停止する。
【0098】
更に、制御部100は、用紙Sの紙端検出不可能のメッセージを出力し、端部位置補正をオフすることをユーザーに促すメッセージを表示操作部140に出力する。これにより、ユーザーは、1枚目プリント時、または確認プリント時の紙端検知が不可能であったことを知るとともに、端部位置補正をオフする。
【0099】
また、プリント動作の停止に合わせ、制御部100が自動的に端部位置補正をオフするようにしてもよい。
【0100】
図10は、第2閾値を用いた端部位置補正のフロー図である。
【0101】
プリント動作が開始されると、
ステップS101で、閾値を第2閾値に変更を要すプリントか否か、が判断される。変更を要すプリントとは、前述のように、表面と裏面の1枚目のプリント時及び確認プリント時である。変更を要すプリントの場合(ステップS101;Yes)には、ステップS102へ進む。変更を要しないプリントの場合(ステップS101;No)には、ステップS111へ進む。
【0102】
ステップS102で、閾値が第1閾値になっていた場合は、第2閾値に変更される。
【0103】
ステップS111で、閾値が第1閾値になっているかどうかが判断される。第1閾値になっている場合(ステップS111;Yes)にはステップS103に進む。第1閾値になっていない場合、即ち第2閾値になっていた場合(ステップS111;No)にはステップS112に進む。
【0104】
ステップS112で、閾値が第1閾値に変更される。
【0105】
ステップS103で、紙端検知が行われる。紙端検知が可能と判断された場合(ステップS103;Yes)にはステップS104へ進む。通常、第2閾値を用いた1枚目のプリント及び確認プリント以外は、この状態となる。紙端検知が不可能と判断された場合(ステップS103;No)にはステップS121へ進む。
【0106】
ステップS104で、プリントが行われる。紙端検知結果に基づき画像位置調整(端部位置調整)が行われる。
【0107】
ステップS105で、プリントが行われる。
【0108】
ステップS106で、プリント終了か否かが判断される。プリント終了でない場合(ステップS106;No)にはステップS101へ進みプリントが継続される。プリント終了の場合(ステップS106;Yes)にはプリントは終了する。
【0109】
ステップS121で、プリント動作は停止する。
【0110】
ステップS103で、紙端検出不可能のメッセージを出力する。
【0111】
上述のように紙端検知が不可能で、プリント動作が停止され端部位置補正がオフされた場合には、ユーザーが表示操作部140より端部位置補正の補正値を入力し、その補正値で端部位置補正を行うことで、プリントを再開することが可能となる。
【0112】
しかしながら、ユーザーにとって、用紙S位置を確認したり、過去のデータ等から推測したりして適正な補正値を入力する作業は、大きな負担になる恐れがある。
【0113】
このため、端部位置補正の補正値に、検知が不可と判断されたプリントより前で直近の、同種の用紙Sのプリントで、紙端の検知ができた用紙Sの端部位置補正に用いられた補正値を用い、端部位置補正を行うことで、プリントを再開可能としてもよい。この場合、ユーザーの再開指示で再開、または自動的に再開が可能である。
【0114】
また、用紙Sが積載される給紙トレイが一定でない、即ち複数ある場合には、端部位置補正の補正値に、対象とする用紙Sが積載された給紙トレイで、検知が不可と判断されたプリントより前で直近の、同種の用紙Sのプリントで、紙端の検知ができた用紙Sの端部位置補正に用いられた補正値を用いることが好ましい。この補正値で端部位置補正を行うことで、プリントを再開することが可能となる。この場合にも、ユーザーの再開指示で再開、または自動的に再開が可能である。
【0115】
上述の形態(以下、実施形態1と称す)では第1閾値に対し第2閾値を設定したが、第2閾値を設定せず、紙端検知に用いられる閾値(第1閾値)を基準値として、所定の幅の変更値を設定し、最初のプリント時及び確認プリント時には、第1閾値にこの変更値を加えて判定値とし、この判定値を用いて紙端検知を行うこともできる(以下、実施形態2と称す)。即ち、この判定値が、実施の形態1の第2閾値に相当する。
【0116】
この変更値は、第1閾値に変更値を加えて判定値とした時に、第1閾値よりも用紙無し時の紙端センサ40の出力値との差が大きくなるように設定される。
【0117】
最初のプリント時及び確認プリント時に、紙端センサ40の出力値が、この判定値の範囲内にある場合には、判断部100Aは紙端検知が不可と判断し、この判断に基づき制御部100は、プリント動作を停止し、用紙Sの紙端検出不可能のメッセージを出力し、端部位置補正をオフすることをユーザーに促すメッセージを表示操作部140に出力する。
【0118】
上述の変更値の設定は、実施形態1での第2閾値の変更量の設定に準ずる。また、紙端検知の方法、紙端検知可能、不可能の判断方法等は実施形態1に準ずる。
【0119】
実施形態2では、濃度バラツキとそれに対する変更値の組合せを予め種々設定しておくことで、確認プリントのように用紙S毎にプリントされた状態が異なることが多い場合等に、濃度バラツキの変動に対し、変更値変えるだけで判定値(第2閾値に相当)の変更を容易にできる。
【0120】
上記実施形態1での第1の閾値に対する第2閾値の変更量、及び実施形態2での閾値を基準として所定の幅で設定された変更値の量は、ユーザー等により表示操作部より人為的に変更できるようにすることが好ましい。プリントされた用紙Sの濃度変動幅の変化、紙端検知時の用紙Sの撓み等によるLED光の反射変化での受光量の変化、また紙端センサ40及びその周辺の温度変化、等による紙端検知精度の変動等に対し、より柔軟に対処することができる。
【0121】
また、本発明では、閾値を変更して最初のプリント及び確認プリントを行っているが、その他にもLED41の光量変更や画素センサ43からの出力の増幅率変更により本発明と同様の効果を奏することも可能である。
【0122】
上述のように、本発明によれば、特別な機構を追加することなく最初のプリントの紙端を確認するだけで、全プリントに対し紙端検知不良による画像不良を防止することができる。これにより、追い刷り後のプリント検品を省略することも可能になる。
【符号の説明】
【0123】
1 画像形成装置
27 定着装置
40 紙端センサ
41 LED
43 画素センサ
50 紙先端センサ
100 制御部
100A 判断部
110 用紙給紙部
140 表示操作部
150 画像形成部
YS 画像読取装置
S 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて画像形成を行う画像形成部と、
形成された画像を用紙に転写する転写装置と、
転写位置に搬送される用紙の主走査方向の紙端を検知する紙端センサと、
プリント動作を制御する制御部と、を有し
最初のプリント時に、紙端検知に用いられる閾値を、通常の紙端検知に用いられる第1閾値よりも用紙無し時の前記紙端センサの出力値との差が大きくなるように変更して設定された第2閾値に変更して紙端の検知を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
プリント状態を確認するための確認プリントモードを有し、確認プリント時のみ、前記閾値を前記第1閾値から前記第2閾値へ変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端検知が行われた後、前記閾値を第2閾値から第1閾値に戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
両面プリント時には、表面、裏面それぞれの最初のプリント時または確認プリント時に、前記閾値を前記第1閾値から前記第2閾値へ変更することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
紙端センサの検知結果に基づき、紙端検知の可、不可を判断する判断部を有し、前記判断部は最初のプリント時または確認プリント時の紙端の検知の可、不可を判断することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、前記制御部はプリント動作を停止することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、前記制御部は、用紙の端部位置補正をオフするように促すメッセージを出力することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、前記制御部は、用紙の端部位置補正をオフすることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、端部位置補正の補正値に、検知が不可と判断されたプリントより前で直近の、同種の用紙のプリントで、紙端の検知ができた用紙の端部位置補正に用いられた補正値を用いることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判断部が前記最初のプリントまたは前記確認プリントでの紙端の検知が不可と判断した場合は、端部位置補正の補正値に、紙端の検知が不可と判断された用紙が積載された用紙より前に同じ給紙トレイに積載され、紙端の検知ができた用紙の端部位置補正に用いられた補正値を用いることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像データに基づいて画像形成を行う画像形成部と、
形成された画像を用紙に転写する転写装置と、
転写位置に搬送される用紙の主走査方向の紙端を検知する紙端センサと、
紙端センサの検知結果に基づき、紙端検知の可、不可を判断する判断部と、
プリント動作を制御する制御部と、を有し
紙端検知に用いられる閾値を基準値として所定の幅の変更値を設定し、最初のプリント時及び確認プリント時には、前記閾値に前記変更値を加えて判定値とし、
前記紙端センサの出力値が、前記判定値の範囲内にある場合には、前記判断部は紙端検知が不可能と判断し、該判断に基づき前記制御部は、プリント動作を停止し、用紙の紙端検出不可能のメッセージを出力の制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
両面プリント時には、表面、裏面それぞれの最初のプリント時に、前記判定値を用いた紙端検値の可、不可の判断が行われることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1の閾値に対する第2閾値の変更量、及び前記閾値を基準として所定の幅で設定された変更値の量は、通常プリント時のインクによるプリントの色変化量より大きい量あることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1の閾値に対する第2閾値の変更量、及び前記閾値を基準として所定の幅で設定された変更値の量は、人為的に表示操作部より変更できることを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記最初のプリントまたは前記確認プリントにおける前記第1の閾値を第2閾値に変更しての紙端検知、及び前記閾値を基準として所定の幅で設定された変更値を用いた紙端検知は、追い刷りまたは追い刷りモードの時に行われることを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−173376(P2012−173376A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32919(P2011−32919)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】