画像形成装置
【課題】転写ベルト上のトナーを紙に転写させるために2次転写部材にバイアスを印加するが、2次転写部を用紙後端が抜けたときにベルト側に強い荷電を残してしまい、その電荷が次の作像工程の1次転写の際に画像不具合として顕在化してしまうという問題を、紙間の設定で解決する。
【解決手段】中間転写ベルト15にベルト電位メモリがない場合には問題は生じないが、中間転写ベルト15にベルト電位メモリが残存していると、電位の高い部分へ電位メモリが高いほど感光体1表面からトナー204が飛んで中間転写ベルト15に付着する(付着トナー:205)。すると、用紙の後端が2次転写部を抜けたときに中間転写ベルト15上に残った電位履歴が1次転写部に近づいた際に、感光体1上のトナーがプレ転写され、ドット間が詰り、黒筋となって発生する。
【解決手段】中間転写ベルト15にベルト電位メモリがない場合には問題は生じないが、中間転写ベルト15にベルト電位メモリが残存していると、電位の高い部分へ電位メモリが高いほど感光体1表面からトナー204が飛んで中間転写ベルト15に付着する(付着トナー:205)。すると、用紙の後端が2次転写部を抜けたときに中間転写ベルト15上に残った電位履歴が1次転写部に近づいた際に、感光体1上のトナーがプレ転写され、ドット間が詰り、黒筋となって発生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次転写を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置に関し、詳細には中間転写ベルトを用いた電子写真画像形成装置であって、2次転写部でのベルトへの電荷蓄積による次作像工程での1次転写への影響をかんがみた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2次転写を行う複写機等の画像形成装置においては、2次転写部でのベルトへの電荷蓄積による次作像工程での1次転写への影響を防ぐ必要がある。すなわち、2次転写時に用紙先後端が転写ローラニップを通過するときに、用紙先後端部の段差空隙で移動(放電)した電荷が原因でベルト1周後の位置に発生するという課題である。
【0003】
上述のような画像形成装置では、2次転写後にベルト上に残った電位履歴(用紙先後端通過時の、+電位の高い部分)が1次転写部に近づいた際に、感光体上のトナーをプレ転写したために上述のような問題が発生する。つまり、正規の位置(1次転写ニップ近傍)で1次転写されれば、ドット同士の間隔は一定であるが、1部のトナーのみがプレ転写する(ベルト上に高電位の電位履歴が残存している部分)と、ドット間が詰り、マクロに見た場合に白筋もしくはドット間が詰り過ぎると黒筋となって発生する。
【0004】
従来、例えば特許文献1に開示されている発明では、コロナ放電による非接触方式の除電手段、又は導電性繊維からなるブラシローラとの摺擦による接触方式の除電手段を設けて、1次転写体としての中間転写体を2次転写後に除電するようにした画像形成装置を提案している。ところが、コロナ放電による非接触方式の除電手段では、負極性電荷の放電によってオゾンが発生するため、環境保護の観点から好ましくないという問題がある。また、前記ブラシローラとの摺擦による接触方式に限らず、何らかの接触部材を1次転写体に接触させる接触方式の除電手段では、除電前の1次転写体に付着しているトナーをクリーニングするクリーニング手段を設けていても、完全に除去しきれなかったトナーをこの接触部材に接触させてしまうことがある。そして、トナーを1次転写体から前記接触部材に転移させた後、1次転写体の転写対象領域に再転移させて汚れ画像を形成してしまうという問題を生ずる場合があり、さらに部材を追加するという点からコストアップとなり、また部材を搭載するスペースを確保する必要があるという問題が残る。
【0005】
また、例えば特許文献2に開示されている発明では、除電位置で2次転写後の1次転写体の転写面に接触部材を接触させながら転写面を除電する接触式除電手段を備え、非画像形成動作時に、1次転写体搬送手段によって1次転写体を搬送しながら、可視物質を接触部材から1次転写体に向けて静電的に移動させるような電界を形成することを特徴とするものである。この画像形成装置においては、画像形成動作時に接触式除電手段の接触部材を可視物質で汚しても、非画像形成動作時に前記の電界を形成することによって可視物質を1次転写体に再転移させ、そして、この再転移により、画像形成動作時に可視物質で汚れた接触部材をクリーニングすることができる。この特許文献2に係る発明においても、部材を追加するという点からコストアップとなり、また部材を搭載するスペースを確保する必要があるという問題が残る。
【0006】
さらに、例えば特許文献3に開示されている発明では、像担持体と、像担持体からトナー画像を転写する中間転写体と、その1次転写手段と、中間転写体を除電する除電部材と、除電部材にバイアス印加する手段と、中間転写体から用紙へ可視像を転写する接離可能な2次転写ローラと、2次転写ローラに対向して中間転写体を張架する2次転写対向ローラと、2次転写対向ローラにバイアスを印加する手段と、用紙上の未定着画像を定着する熱定着手段とを持つ画像形成装置において、1つの高圧電源を有し、この高圧電源から除電部材及び2次転写部材にバイアス印加する制御手段を持つことを特徴としているが、この特許文献3に係る発明においても、部材を追加するという点からコストアップとなり、また部材を搭載するスペースを確保する必要があるという問題が残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明においては、前記従来の問題にかんがみ、2次転写後端抜けたときのベルトの位置設定により、あるいは用紙先端が2次転写ニップ部に突入する際のベルトの位置を次作像の紙間とすることにより、ベルトメモリに起因する1次転写時の画像不具合を防ぐことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像装置のうち請求項1に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の枚数に応じて該用紙の間隔である紙間の値を変化させることを特徴とする。
【0009】
同請求項2に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、これらが式
(B−nA)/(n+1)<x<(B−nA)/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0010】
同請求項3に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の先端余白をD[mm]としたときに、これらが式
0<{B−(n−1)A}/n<x<{B−(n‐1)A+D}/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0011】
同請求項4に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
0<(B−nA−E)/n<x<(B−nA)/n (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0012】
同請求項5に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
(B−nA)/n<x<(B−nA)/n−1 (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0013】
同請求項6に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流の像担持体を具備する現像器から転写されるトナー色がイエロー以外のときに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0014】
同請求項7に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0015】
同請求項8に係るものは、請求項7の画像形成装置において、プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジに付帯したIDチップによって読み込んだ値を用いることを特徴とする。
【0016】
同請求項9に係るものは、請求項7の画像形成装置において、プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数から算出することを特徴とする。
【0017】
同請求項10に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、印字される画像のドット構成が100%未満の場合のみに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0018】
同請求項11に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、感光体、帯電器、現像器が一体化されたプロセスカートリッジのうち、用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0019】
同請求項12に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、環境センサにて温湿度を検知し、予め決められた閾値を超えた場合にのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0020】
同請求項13に係るものは、請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写ベルトは表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/□以上、14logΩ/□以下、かつ体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、2次転写時に用紙後端が抜けた箇所が次の作像工程の紙間に位置するように設定することで、あるいは用紙先端が2次転写ニップ部に突入する際のベルトの位置を次作像の紙間に位置するように設定することで上述した従来の問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像形成装置の概念的断面図(A)と、要部概念図(B)
【図2】ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムを示す図
【図3】本発明の実施例1であって、紙間が180mmの場合の例を示す図
【図4】同紙間が60mmの場合の例(不具合例)を示す図
【図5】ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムを示す他の図
【図6】本発明の実施例2であって、紙間が50mmの場合の例を示す図
【図7】同紙間が65mmの場合の例(不具合例)を示す図
【図8】本発明の実施例2を示す図
【図9】本発明の実施例3を示す図
【図10】黒のハーフトーン画像を紙間60mm設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルと、中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値との相関を示す図
【図11】同横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す図
【図12】実施例7の作用を詳細に説明するための概念図
【図13】実施例7において黒のハーフトーン画像を紙間を60mmに設定して連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す図
【図14】実施例8の作用を詳細に説明するための概念図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、転写ベルト上のトナーを紙に転写させるために2次転写部材にバイアスを印加するが、2次転写部を用紙後端が抜けたときにベルト側に強い荷電を残してしまい、その電荷が次の作像工程の1次転写の際に画像不具合として顕在化してしまうという問題を、紙間の設定で解決するものである。
【0024】
すなわち、用紙の長さ、ベルトの長さ、紙間が所定の関係を満たすように紙間の値を変化させ、2次転写時に用紙後端が抜けた箇所が次の作像工程の紙間に位置させて問題回避を図る。
【0025】
また本発明は、最上流の像担持体を具備する現像器がイエロー以外のときに上述の紙間を適用する。すなわち、ベルトメモリによる画像不具合が顕在化しやすいイエロー以外の色において実施することで、ベルトメモリ起因の画像不具合の発生しないイエロー時の生産性低下を防止する。
【0026】
また本発明は、印字される画像のドット構成が100%未満の場合のみに適用する。すなわち、ベルトメモリが1次転写時に顕在化しやすい条件としてドットとドットの間隔が空いている画像(ハーフトーン)で顕著に発生する点が挙げられる。したがって、印字される画像のドット構成が100%以上のベタ画像ではメモリの影響は少ないので、ベルトメモリ起因の画像不具合の発生しない100%以上のドット構成の画像印字時の生産性低下を防止する。
【0027】
また本発明は、転写ベルトの表面抵抗率の常用対数値を9logΩ/□以上、14logΩ/□以下でかつ体積抵抗率の常用対数値9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下とする。転写ベルトが表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/cm未満、体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm未満では2次転写部でのベルトメモリが生じにくいため、転写ベルトがこの条件を満たすときに上述の紙間を適用することで生産性の向上を図れる。
【0028】
また本発明は、最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ上述の紙間を適用する。プロセスカートリッジの走行距離が大きくなるにつれ、トナーの経時劣化が進む。トナーの経時劣化が少ないときには、トナーの荷電性は高く、かつ物理的な付着力も弱いため、1次転写、2次転写時にメモリなどの静電的な外乱に対して感度が高い状態となっている。しかしながら、トナーの経時劣化が進むと1次転写、2次転写時での外乱影響が少なくなり、ベルトメモリに起因する画像不具合も低減される。したがってトナー劣化が少ないときのみ上述の紙間を適用することで、生産性を挙げることを可能にする。
【0029】
また本発明は、プロセスカートリッジの走行距離を、プロセスカートリッジに付帯したIDチップによって読み込むことで算出し、簡単にプロセスカートリッジの走行距離データを得ることを可能にする。プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段としては、プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数を挙げられ、公知技術を用いてより簡単にプロセスカートリッジの走行距離データを得ることができる。
【0030】
また本発明は、環境センサにて温湿度を検知し、検知した値が予め決められた閾値を超えた場合にのみ上述の紙間を適用する。すなわち、環境を検知して抵抗部材を設置するかどうか判断することで、ベルトメモリが発生しやすい環境のみで上述の紙間とし、ベルトのメモリが発生しない環境での生産性を向上させる。
【0031】
なお、本明細書において「用紙」というときは、紙だけに限られず、画像形成装置において用いられるその他の公知、周知の転写材を含むものとする。
【実施例】
【0032】
図1に本発明の実施例となる画像形成装置の概略を示す。図中には像担持体として4つの感光体ドラムを有する作像ユニットが示してある。図中1は、φ24mmの円筒形の感光体ドラム(以下、単に感光体と言う)であり、周速120mm/sで回転している。感光体1の表面には帯電手段であるローラ形状の帯電器2が圧接されており、感光体1の回転により従動回転しており、図示しない高圧電源によりDCあるいはDCにACが重畳されたバイアスが印加されることで感光体1は一様に表面電位−500Vに帯電されている。
【0033】
続いて感光体1は潜像形成手段である露光手段3により画像情報が露光され、静電潜像が形成される。この露光工程はレーザダイオード(LD)素子3aから光変調を施されたレーザ光が感光体ム表面上で結像するようになっている。このレーザ光を走査することで所望する画像に対応して感光体1に潜像書き込みを行い、感光体1上に静電潜像を形成する
【0034】
図中4は現像手段である1成分接触現像器であり、図示しない高圧電源から供給される所定の現像バイアスによって、前記感光体1の静電潜像をトナー像として顕像化する。また図中10は感光体、帯電器、現像器が一体化されたプロセスカートリッジである。
【0035】
プロセスカートリッジ10は並列に4個配設され、フルカラー画像形成時はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で可視像を形成し、各色の可視像が、当接される中間転写ベルト15に順次重ね転写されることでフルカラー画像が形成される。
【0036】
中間転写ベルト15は駆動ローラを兼ねる2次転写対向ローラ21(以下、説明の内容に応じて駆動ローラ21、2次転写対向ローラ21と記載分けするが、同一のローラである。)、金属製のクリーニング対向ローラ16、1次転写ローラ5(後述)、テンションローラ20(後述)にて張架されており、図示しない駆動モータにより駆動ローラ21を介して回転駆動されるようになっている。なお図示は省略するが、ベルト張力としてテンションローラ20の両側にてばねにより加圧している。テンションローラ20は例えばアルミニウム製パイプ形状のものとする。
【0037】
1次転写部材である1次転写ローラ5として、導電ブレードや導電スポンジローラ、金属ローラ等が使用可能であるが、本実施例では径がφ8mmの金属ローラを用い、感光体1に対して1次転写ローラ5に図示しない単独の高圧電源により所定の転写バイアスを共通に印加させることで中間転写ベルト15を介して転写電界を形成し、感光体1上のトナー画像を中間転写ベルト15に転移させる。
【0038】
図中17はトナーマークセンサ(TMセンサ)であり、正反射型や拡散型センサによって中間転写ベルト15上のトナー像濃度、各色位置測定を行い、画像濃度や色合わせを調整する。また図中32は中間転写ベルトクリーニングユニットであり、クリーニングブレード31により中間転写ベルト15上の転写残トナーを掻き取ることでクリーニングを行う。クリーニングブレード材質としては、例えば、厚さ1.5〜3mm、ゴム硬度65〜80°のウレタンゴムを使用し、中間転写ベルト15に対してカウンタ当接させている。
【0039】
掻き取られた転写残トナーは図示しないトナー搬送経路を通り中間転写体用廃トナー収納部33に収納される。中間転写ベルト15のクリーニングニップ部に該当する部分、あるいはクリーニングブレード31のエッジ部、の少なくとも一方は、組み付けとき潤滑剤、トナー、ステアリン酸亜鉛等の塗布剤が塗布されており、クリーニングニップ部におけるブレード捲れ上がりを防止するとともに、クリーニングニップ部にダム層を形成しクリーニング性能を高めている。なお、中間転写ベルト15を張架している各ローラは、図示しない中間転写ベルトユニット側板によって中間転写ベルト15の両側より支持されている。
【0040】
中間転写ベルト15に用いる材質としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(熱可塑性エラストマー)、PAA(ポリアミドアロイ)等の高分子材料にカーボンブラック等の導電性材料を分散させて樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものが用いられ、本実施例では表面抵抗率の常用対数値9〜10logΩ、体積抵抗率の常用対数値9〜10logΩ・cm、引張弾性率1000〜2500MPaで厚さ90〜160μm、周長650mm、のベルトを用い得る。
【0041】
さらに、図中25は2次転写ローラである。2次転写ローラ25は径が例えばφ6mmのSUS等の金属芯金上に、導電性材料によって106〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。その材料としては、イオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリン)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられるが、本実施例ではΦ20、アスカーC硬度35〜50°のウレタンローラを用いた。用紙Pは給紙搬送ローラ23、レジストローラ対24によって、中間転写ベルト15表面のトナー画像先端部が2次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙され、図示しない高圧電源により所定の転写バイアスを印加することで中間転写ベルト15上のトナー画像が用紙Pに転移する。本構成において、中間転写ベルト15は図1(B)中の矢印方向に回転し、給紙は縦型パスをとっており、形成されたカラー画像は、2次転写ローラ5に対して所定の電圧を印加することにより用紙等の用紙Pに転写され、用紙Pは2次転写対向ローラ21の曲率によって中間転写ベルト15から分離され、用紙Pに転写されたトナー画像は定着手段40によって定着された後、排紙される。
【0042】
なお図示は省略するが、定着手段40の近傍にはファンが配置され、2次転写部周辺には温度センサも配置されており、装置本体内部の温度制御を監視し、制御するようにしている。また2次転写ローラ21で転写できずに中間転写ベルト15上に残留したトナーは、クリーニングブレード31にてクリーナーユニット(図示せず)内に回収される。また、本実施例では、中間転写ユニットの構成は2軸張架で、2次転写対向ローラに多種の機能を持たせているが、本構成に限らず、2次転写を有する転写システムであれば、以下に説明する本特許の特徴を有することができる。
【0043】
<実施例1>
本発明の実施例1を説明する。ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムについて、図2に簡単に示す。図中201は像担持体の一例である感光体ドラム1の表面上に現像されたトナー、部位Aは感光体1と中間転写ベルト15のニップ部、すなわち1次転写部直前の位置である。図2(A)の状態は正常に1次転写された場合の画像Iaで、トナー201として感光体ドラム1上にやってきたトナー画像は、ドットが詰ることなく、図中矢印Aで示す位置において用紙に対して正常に転写されるが、図2(B)の場合は、用紙の後端が2次転写部を抜けたときに中間転写ベルト15上に残った電位履歴(用紙の先後端通過時の+電位の高い部分)が1次転写部に近づいた際に、電位メモリが高いほど用紙電位の高い部分へ感光体1表面からトナー204が飛んで感光体ドラム1上のトナー201をBの位置でプレ転写してしまい、ドット間が詰り、黒筋が発生することになる(画像Ib参照)。すなわち、中間転写ベルト15上のトナーを用紙等の用紙へ転写させるために2次転写部にバイアスを印加するが、2次転写部を用紙後端が抜けたときに中間転写ベルト15側に強い荷電を残してしまい、その電荷が次の作像工程の1次転写の際にメモリ画像(横筋)として顕在化してしまうのである。
【0044】
本実施例で用いた画像形成装置においては、紙間xを25mm、60mm、180mmの3水準で設定し、A4サイズ(中間転写ベルト進行方向の画像長さ294mm)の用紙Pの印字ドット率25%の画像を連続で3枚通紙し、画像不具合の確認を行った。紙間xが25mmと180mmの場合、1次転写部で用紙Pの後端が抜けた箇所306は、次作像工程の紙間、すなわち次に2次転写されるトナー像p2が2次転写位置に到達する前の状態にあたるため、1次転写に影響を及ぼすことはなく、画像不具合も発生しない。
【0045】
図3に紙間が180mmの場合を示す。この図は、用紙P1の後端の抜け部306が次工程の紙間となっていることを示す。すなわち、1枚目の用紙P1の後端が2次転写部である2次転写対向ローラ21と2次転写ローラ25の間を抜けた際、中間転写ベルト15の表面に電位履歴を残す。その電位履歴が残った(ベルトメモリ)箇所306が最上流の感光体1の作像位置301に来たときには画像p2による次作像工程の前、すなわち紙間となっているため、ベルト移動方向で最上流の感光体1の作像位置301における1次転写に何も影響を当たえることはない。最上流の感光体1より下流側の感光体でも同様である。
【0046】
一方、紙間が60mmの場合、2次転写部で用紙P1の後端が抜けた際のベルトメモリが次々工程の1次転写部にて影響を及ぼし、横黒筋という画像不具合が生じた。
【0047】
図4に紙間が60mmの場合の1次転写部と2次転写部を示す。1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際の中間転写ベルト15の表面が最上流の作像位置に到達するとき、メモリ箇所306が3枚目の用紙へ転写する画像p3の作像と重なり、1次転写画像を乱してしまうことがわかる。したがって、用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、式
(B−nA)/(n+1)<x<(B−nA)/n
の関係を満たすように紙間xを設定することで、ベルトメモリに起因する画像の不具合発生を防ぐことが可能となる。
【0048】
前記式は、n=1とすると、(B−A)/2<x<(B−A)/1となるので、ベルト長から用紙の長さを引いた値の半分が紙間xの長さより小さく、紙間xの長さはベルト長から用紙の長さを引いた値よりは大きい、ことがわかる。
またn=2とすると、(B−2A)/3<x<(B−2A)/2となる。
換言すれば、中間転写ベルト15上に同時に存在している用紙の枚数が増えるほど、紙間xの長さとして許容される中間転写ベルト15上の空き長さは短くなり、その制限は厳しくなる。
【0049】
<実施例2>
図5は、ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムについて、図2とは別の示し方で描いた図である。図5(A)は中間転写ベルト15にベルト電位メモリがない場合、図5(B)は中間転写ベルト15にベルトに電位メモリが残存している場合を示す。図2と同様であるが、図5(A)の場合には問題は生じないが、中間転写ベルト15にベルト電位メモリが残存していると、図5(B)に示すように、電位の高い部分へ、電位メモリが高いほど感光体1表面に付着しているトナー203のうちから対応位置Bにあるトナー204が飛んで中間転写ベルト15に付着しやすい(中間転写ベルト15に付着したトナーを符号205で示す)。すると、用紙の後端が2次転写部Aを抜けたときに中間転写ベルト15上に残った電位履歴(用紙先後端通過時の、+電位の高い部分)が1次転写部Aに近づいた際に、感光体1上のトナーがプレ転写され、ドット間が詰り、黒筋となって発生する。
【0050】
本実施例で用いた画像形成装置においては、紙間を50mm、65mmの2水準で設定し、A4サイズ(ベルト進行方向の画像長さ294mm)の印字ドット率25%の画像を連続で2枚通紙し、画像不具合の確認を行った。紙間が50mmの場合、図6に示すように、用紙P1の先端が2次転写ニップ部に突入した箇所は次作像工程の紙間にあたるため1次転写時に影響を及ぼすことはなく画像不具合は発生しない。図6に紙間が50mmの場合の1次転写部と2次転写部を書き出し、用紙先端が2次転写ニップ部に突入した箇所が次工程の紙間となっている概要図を示す。
【0051】
トナー像p1の転写を受けた1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際、ベルト表面306に電位履歴を残すが(図6(A))、その電位履歴が残ったベルトメモリ箇所306が最上流の感光体1の作像位置301に来たときには3枚目の用紙へ転写する画像p3が作像位置301を通過しており、すなわち紙間となっている(図6(B))ため、最上流の感光体1の作像位置301での1次転写に何も影響を当たえることはない。最上流の感光体1より下流側の感光体でも同様である。
【0052】
一方、図7に示すように、紙間が65mmの場合、ベルトメモリ箇所306が次工程の1次転写部にて影響を及ぼし、横黒筋という画像不具合が生じる。図7に紙間が65mmの場合の1次転写部と2次転写部を示す。1枚目の用紙P1の先端が2次転写部のニップ部に突入した際に生じるベルトメモリ箇所306が、最上流の感光体1の作像位置301に到達するときに3枚目の用紙に転写される画像p3と重なり、最上流の感光体1の作像位置301における1次転写画像を乱してしまう。図中、P2は2枚目の用紙を示す。
【0053】
したがって、用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、式
(B−nA)/n<x<(B−nA)/n−1
の関係を満たすように紙間xを設定することで、ベルトメモリに起因する画像の不具合発生を防ぐことが可能となる。
【0054】
<実施例3>
本発明の実施例3を図8に示す。本実施例においては、紙間xを60mmに設定し、ベルト進行方向の画像長さ294mm、印字ドット率25%の画像を連続で3枚印字する。そのときに最上流の現像ユニットを黒、イエロー、マゼンタ、シアンと変更して画像を印字したときの1枚目の用紙後端が2次転写部を抜けた際のベルトメモリ起因による画像不具合を確認したところ、イエロー以外の色では画像不具合である横黒筋が見えたが、イエローでは全く見えなかった。実際に1次転写部で画像不具合は発生していると考えられるが、イエローの画像上では横黒筋を確認することができなかった。また、最上流の現像器に黒を配置し、下流にマゼンタ、シアン、イエローという順で配置し、全面黒単色の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に3枚目の用紙後端60mmの位置に横黒筋が発生するが、この構成において、シアン単色もしくはマゼンタ単色構成の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に横黒筋は発生しなかった。これは、中間転写ベルト上のベルトメモリが最上流の感光体と中間転写ベルト間を通過する際に中間転写ベルト表面が感光体のマイナス荷電で除電されたためである。したがって、ベルトメモリは最上流の印字時のみ影響を及ぼす。
【0055】
<実施例4>
本発明の実施例3を図8に示す。本実施例において、印字ドット率の水準を振って、紙間xを60mmに設定し、ベルト進行方向の画像長さ294mm、印字ドット率25%の画像を連続で3枚印字する。このときの印字ドットの比率と画像横黒筋のレベルに対し相関を示したのが図8のグラフである。
【0056】
横黒筋のレベルは5段階に分けており、それぞれのレベルを「5:全く見えない」「4:ほとんど見えない」「3:うっすらと見える」「1:はっきりとわかる」とした。印字ドットの構成が100%以上となると横黒筋は目立ちにくくなり、100%未満になるとドット構成比率が小さくなり、ドット構成比率が小さくになるにしたがい、横黒筋が顕著に見えてくる。ここでは100%をベタ画像とする規定する。したがって、ドット構成比率が100%未満の際に前期実施例に記載のような紙間xの設定をすることで横黒筋が発生することを防ぐことが可能となる。
【0057】
<実施例5>
本発明の実施例3を図9に示す。図9は、黒のハーフトーン画像を紙間xを60mmとした設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルと中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値の相関を示す。中間転写ベルトの抵抗が低い場合、ベルトに電荷が貯まりにくいため、ベルトメモリ起因の画像不具合は発生しにくい。また抵抗が高過ぎる場合、ベルトに電荷が貯まり減衰しにくいため、本願発明で改善しようとした用紙後端抜け時のベルトメモリ以外の異常画像が発生する。図9より、中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値が8logΩ・cm未満にでは横黒筋は発生しておらず、9logΩ・cmから14logΩ・cmまでは横黒筋が発生している。また、中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値が15logΩ・cmでは横黒筋以外の転写ムラが発生している。したがって、中間転写ベルトは表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/□以上、14logΩ・cm以下で、かつ体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下の場合において上述したような紙間設定をすることで横黒筋が発生することを防ぐことが可能となる。
【0058】
<実施例6>
本発明の実施例6では、トナーの経時劣化に伴い、1次転写時、2次転写時の静電的な外乱に対する感度が鈍くなる。つまり中間転写ベルトのベルトメモリなどの外乱に対して鈍くなる。ここで言うトナーの劣化とはトナー表層の外添材が剥がれることで荷電性が落ちることや、トナーの中に埋没することでトナーの付着力が増加することを指す。そして、トナー劣化の指標としては、プロセスカートリッジの走行距離を用いる。すなわち、プロセスカートリッジの走行距離が大きくなるにつれ、トナーの経時劣化が進む。トナーの経時劣化が少ないときには、トナーの荷電性は高く、かつ物理的な付着力も弱いため、1次転写、2次転写時にメモリなどの静電的な外乱に対して感度が高い状態となっている。しかしながら、トナーの経時劣化が進むと1次転写、2次転写時での外乱影響が少なくなり、ベルトメモリに起因する画像不具合も低減される。したがってトナー劣化が少ないときのみ請求項1に記載の紙間を適用することで、生産性を挙げることが可能となる。プロセスカートリッジの走行距離の読む手段については、例えばプロセスカートリッジの走行距離をプロセスカートリッジに具備したIDチップより読み取る(プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数より算出)ものを挙げられる。走行距離が予め決められた閾値以下の場合のみ紙間制御を入れる。また他の公知、周知の技術を用いるようにしてもよい。
【0059】
図10に黒のハーフトーン画像を紙間xが60mmの設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す。走行距離が2500m未満において横黒筋が顕著に見えてくることがわかった。したがって、走行距離が2500m未満で請求項1に記載の紙間設定をすることで横黒筋が発生することを防ぐことが可能なる。
【0060】
<実施例7>
本発明の実施例7においては、図示は省略するが、温湿度センサを本体の側板に備え付ける。そのセンサの読み値が絶対水分量5、10、20、30g/m3のときにそれぞれ黒のハーフトーン画像を紙間xを60mmとした設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルを確認したところ、20g/m3と30g/m3では横黒筋はほとんど見えないレベルであった。これは絶対水分量が多くなると2次転写部、1次転写部の部材抵抗が下がるため、中間転写ベルトに貯まった電荷がリークしやすくなるためである。本構成においては20g/m3を下回ったときのみ上述の紙間設定をすることで横黒筋が発生することを防止することが可能となる。
【0061】
<実施例8>
なお、用紙の長さをA[mm]、中間転写ベルト15の長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の先端余白をD[mm]としたときに、これらが式
0<{B−(n−1)A}/n<x<{B−(n‐1)A+D}/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることで、2次転写時に用紙後端が抜けたベルト位置が次の作像工程以降の用紙先端余白に位置するので本発明の目的を達成するものである。本実施例の場合、中間転写ベルト15の周長を650mm、用紙(用紙)サイズをA4(294mm)、n=2、用紙先端の余白4mmとして、前記式に当てはまるように連続通紙した場合、紙間xを178mm<B<180mmとなるように設定すると、2次転写部で用紙後端が抜けた箇所は次作像工程以降の用紙先端余白にあたるため、1次転写時に影響を及ぼすことはなく画像不具合は発生しなかった。
【0062】
図11は本実施例の作用を詳細に説明するための概念図である。1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際に中間ベルト15上に電荷+(1)を残す。この用紙後端抜け時の電荷が残った箇所、すなわち電位履歴が残った(ベルトメモリ)箇所が次の2次転写の位置(2)に来た際、用紙Pが2次転写位置になければ(図中の2枚目の用紙P2のように)問題はなく、また3枚目の用紙P3のように、位置(2)が先端余白部に位置すれば+電位の位置が先端余白の範囲内に位置するため白画像欠陥(筋)とはならない。しかし、例えば3枚目の用紙P3の後端側に記載したように、画像中に位置(2)が到来することになれば(紙間x=60mm等とすると有り得る)、既述のような現象に起因する筋となって画像欠陥が発生する。そこで1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際のベルトメモリ箇所が最上流の作像位置(図2(B)のBの位置)に来たときには、紙間xを178mm<B<180mmとすると、+電位の位置が用紙先端余白となっているため、1次転写時の画像形勢に何も影響を与えることはないのである。
【0063】
本実施例の構成における作用を説明する。用紙Pの紙間xを60mmに設定し、中間転写ベルト15の進行方向での画像長さを294mm、印字ドット率25%の画像を連続で3枚印字するときに、最上流の現像ユニットにおける現像器を、黒現像器から、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器と順に変更してトナー色を変えて画像を印字したとき、1枚目の用紙後端が2次転写部を抜けた際のベルトメモリ起因による画像不具合を確認したところ、トナー色がイエロー以外の色では画像不具合である横黒筋が見えたが、イエローでは全く見えなかった。実際に1次転写部で画像不具合は発生していると考えられるが、イエローの画像上では横黒筋を確認することができなかった。また、中間転写ベルト15の回転方向で最上流の現像器に黒現像器を配置し、下流にマゼンタ、シアン、イエローという順で配置し、全面黒単色の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に3枚目の用紙後端60mmの位置に横黒筋が発生するが、この構成において、シアン単色もしくはマゼンタ単色構成の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に横黒筋は発生しなかった。これは、中間転写ベルト15上のメモリ箇所が最上流の感光体ドラム1と中間転写ベルト15間を通過する際に中間転写ベルト15の表面が感光体ドラム1のマイナス荷電で除電されたためである。したがって、ベルトメモリは最上流の印字時のみ影響を及ぼすことがわかる。
【0064】
なおトナー劣化の指標としては、プロセスカートリッジの走行距離を用いることは既に述べたが、図12に黒のハーフトーン画像を紙間xを60mmに設定して連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す。走行距離が2500m未満において横黒筋が顕著に見えてくることがわかる。したがって、走行距離が2500m未満で本発明に係る紙間設定をすれば、効果的に横黒筋の発生を防止できる。プロセスカートリッジの走行距離の読む手段としては、これも既述のように、プロセスカートリッジにIDチップを具備することで実現できる。なお図12において、「AIO」とはAll−In−Oneタイプのカートリッジを意味する。
【0065】
<実施例9>
本実施例は、用紙の長さをA[mm]、中間転写ベルト15の長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに、これらが式
0<(B−nA−E)/n<x<(B−nA)/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることで、2次転写時に用紙後端が抜けたベルト位置が次の作像工程以降の用紙先端余白に位置するので本発明の目的を達成するものである。本実施例の場合、中間転写ベルト15の周長を650mm、用紙(用紙)サイズをA4(294mm)、n=2、用紙後端余白4mmとして、前記式に当てはまるように連続通紙した場合、紙間xを29mm<x<31mmとなるように設定すると、2次転写部で用紙後端が抜けた箇所は次作像工程以降の用紙後端余白にあたるため1次転写時に影響を及ぼすことはなく画像不具合は発生しなかった。
【0066】
図13は本実施例の作用を詳細に説明するための概念図である。用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際に中間ベルト15上に電荷+(1)を残す。これが次の2次転写の位置(2)に来た際、用紙Pが2次転写位置になければ(図中の2枚目の用紙P2のように)問題はなく、また3枚目の用紙P3のように、位置(2)が後端余白部に位置すれば+電位の位置が後端余白の範囲内に位置するため白画像欠陥(筋)とはならない。しかし、例えば3枚目の用紙P3の先端側に記載したように、画像中に位置(2)が到来することになれば(紙間x=60mm等とすると有り得る)、既述のような現象に起因する筋となって画像欠陥が発生する。ただし、上述のように、1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際の中間転写ベルト15の表面のベルトメモリ箇所が最上流の作像位置(図2(B)で言えば符号Bで示す位置)に来たときには、紙間xを29mm<x<31mmとすると、+電位の位置が用紙後端余白となっているため、1次転写時の画像形勢に何も影響を当たえることはないのである。なお本実施例の構成における作用は、先の実施例と同様であるので重複する説明は省略する。
【符号の説明】
【0067】
1:感光体ドラム(感光体)
2:帯電器
3:露光手段
3a:レーザダイオード(LD)素子
5:1次転写ローラ
10:プロセスカートリッジ
15:中間転写ベルト
16:クリーニング対向ローラ
20:テンションローラ
21:駆動兼2次転写対向ローラ
23:給紙搬送ローラ
24:レジストローラ対
25:2次転写ローラ
31:クリーニングブレード
32:中間転写ベルトクリーニングユニット
33:中間転写体用廃トナー収納部
41:成分接触現像器(現像器)
201、204、205:トナー
301:最上流の感光体での作像位置
306:ベルトメモリ箇所
A:感光体と中間転写ベルトのニップ部
P、P1、P2、P3:用紙
p1、p2、p3:転写される画像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開平6‐161298号公報
【特許文献2】特開2001‐188418号公報
【特許文献3】特開2005‐10491号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次転写を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等の画像形成装置に関し、詳細には中間転写ベルトを用いた電子写真画像形成装置であって、2次転写部でのベルトへの電荷蓄積による次作像工程での1次転写への影響をかんがみた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2次転写を行う複写機等の画像形成装置においては、2次転写部でのベルトへの電荷蓄積による次作像工程での1次転写への影響を防ぐ必要がある。すなわち、2次転写時に用紙先後端が転写ローラニップを通過するときに、用紙先後端部の段差空隙で移動(放電)した電荷が原因でベルト1周後の位置に発生するという課題である。
【0003】
上述のような画像形成装置では、2次転写後にベルト上に残った電位履歴(用紙先後端通過時の、+電位の高い部分)が1次転写部に近づいた際に、感光体上のトナーをプレ転写したために上述のような問題が発生する。つまり、正規の位置(1次転写ニップ近傍)で1次転写されれば、ドット同士の間隔は一定であるが、1部のトナーのみがプレ転写する(ベルト上に高電位の電位履歴が残存している部分)と、ドット間が詰り、マクロに見た場合に白筋もしくはドット間が詰り過ぎると黒筋となって発生する。
【0004】
従来、例えば特許文献1に開示されている発明では、コロナ放電による非接触方式の除電手段、又は導電性繊維からなるブラシローラとの摺擦による接触方式の除電手段を設けて、1次転写体としての中間転写体を2次転写後に除電するようにした画像形成装置を提案している。ところが、コロナ放電による非接触方式の除電手段では、負極性電荷の放電によってオゾンが発生するため、環境保護の観点から好ましくないという問題がある。また、前記ブラシローラとの摺擦による接触方式に限らず、何らかの接触部材を1次転写体に接触させる接触方式の除電手段では、除電前の1次転写体に付着しているトナーをクリーニングするクリーニング手段を設けていても、完全に除去しきれなかったトナーをこの接触部材に接触させてしまうことがある。そして、トナーを1次転写体から前記接触部材に転移させた後、1次転写体の転写対象領域に再転移させて汚れ画像を形成してしまうという問題を生ずる場合があり、さらに部材を追加するという点からコストアップとなり、また部材を搭載するスペースを確保する必要があるという問題が残る。
【0005】
また、例えば特許文献2に開示されている発明では、除電位置で2次転写後の1次転写体の転写面に接触部材を接触させながら転写面を除電する接触式除電手段を備え、非画像形成動作時に、1次転写体搬送手段によって1次転写体を搬送しながら、可視物質を接触部材から1次転写体に向けて静電的に移動させるような電界を形成することを特徴とするものである。この画像形成装置においては、画像形成動作時に接触式除電手段の接触部材を可視物質で汚しても、非画像形成動作時に前記の電界を形成することによって可視物質を1次転写体に再転移させ、そして、この再転移により、画像形成動作時に可視物質で汚れた接触部材をクリーニングすることができる。この特許文献2に係る発明においても、部材を追加するという点からコストアップとなり、また部材を搭載するスペースを確保する必要があるという問題が残る。
【0006】
さらに、例えば特許文献3に開示されている発明では、像担持体と、像担持体からトナー画像を転写する中間転写体と、その1次転写手段と、中間転写体を除電する除電部材と、除電部材にバイアス印加する手段と、中間転写体から用紙へ可視像を転写する接離可能な2次転写ローラと、2次転写ローラに対向して中間転写体を張架する2次転写対向ローラと、2次転写対向ローラにバイアスを印加する手段と、用紙上の未定着画像を定着する熱定着手段とを持つ画像形成装置において、1つの高圧電源を有し、この高圧電源から除電部材及び2次転写部材にバイアス印加する制御手段を持つことを特徴としているが、この特許文献3に係る発明においても、部材を追加するという点からコストアップとなり、また部材を搭載するスペースを確保する必要があるという問題が残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明においては、前記従来の問題にかんがみ、2次転写後端抜けたときのベルトの位置設定により、あるいは用紙先端が2次転写ニップ部に突入する際のベルトの位置を次作像の紙間とすることにより、ベルトメモリに起因する1次転写時の画像不具合を防ぐことが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像装置のうち請求項1に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の枚数に応じて該用紙の間隔である紙間の値を変化させることを特徴とする。
【0009】
同請求項2に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、これらが式
(B−nA)/(n+1)<x<(B−nA)/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0010】
同請求項3に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の先端余白をD[mm]としたときに、これらが式
0<{B−(n−1)A}/n<x<{B−(n‐1)A+D}/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0011】
同請求項4に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
0<(B−nA−E)/n<x<(B−nA)/n (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0012】
同請求項5に係るものは、複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
(B−nA)/n<x<(B−nA)/n−1 (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする。
【0013】
同請求項6に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流の像担持体を具備する現像器から転写されるトナー色がイエロー以外のときに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0014】
同請求項7に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0015】
同請求項8に係るものは、請求項7の画像形成装置において、プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジに付帯したIDチップによって読み込んだ値を用いることを特徴とする。
【0016】
同請求項9に係るものは、請求項7の画像形成装置において、プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数から算出することを特徴とする。
【0017】
同請求項10に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、印字される画像のドット構成が100%未満の場合のみに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0018】
同請求項11に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、感光体、帯電器、現像器が一体化されたプロセスカートリッジのうち、用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0019】
同請求項12に係るものは、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、環境センサにて温湿度を検知し、予め決められた閾値を超えた場合にのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする。
【0020】
同請求項13に係るものは、請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写ベルトは表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/□以上、14logΩ/□以下、かつ体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、2次転写時に用紙後端が抜けた箇所が次の作像工程の紙間に位置するように設定することで、あるいは用紙先端が2次転写ニップ部に突入する際のベルトの位置を次作像の紙間に位置するように設定することで上述した従来の問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像形成装置の概念的断面図(A)と、要部概念図(B)
【図2】ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムを示す図
【図3】本発明の実施例1であって、紙間が180mmの場合の例を示す図
【図4】同紙間が60mmの場合の例(不具合例)を示す図
【図5】ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムを示す他の図
【図6】本発明の実施例2であって、紙間が50mmの場合の例を示す図
【図7】同紙間が65mmの場合の例(不具合例)を示す図
【図8】本発明の実施例2を示す図
【図9】本発明の実施例3を示す図
【図10】黒のハーフトーン画像を紙間60mm設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルと、中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値との相関を示す図
【図11】同横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す図
【図12】実施例7の作用を詳細に説明するための概念図
【図13】実施例7において黒のハーフトーン画像を紙間を60mmに設定して連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す図
【図14】実施例8の作用を詳細に説明するための概念図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、転写ベルト上のトナーを紙に転写させるために2次転写部材にバイアスを印加するが、2次転写部を用紙後端が抜けたときにベルト側に強い荷電を残してしまい、その電荷が次の作像工程の1次転写の際に画像不具合として顕在化してしまうという問題を、紙間の設定で解決するものである。
【0024】
すなわち、用紙の長さ、ベルトの長さ、紙間が所定の関係を満たすように紙間の値を変化させ、2次転写時に用紙後端が抜けた箇所が次の作像工程の紙間に位置させて問題回避を図る。
【0025】
また本発明は、最上流の像担持体を具備する現像器がイエロー以外のときに上述の紙間を適用する。すなわち、ベルトメモリによる画像不具合が顕在化しやすいイエロー以外の色において実施することで、ベルトメモリ起因の画像不具合の発生しないイエロー時の生産性低下を防止する。
【0026】
また本発明は、印字される画像のドット構成が100%未満の場合のみに適用する。すなわち、ベルトメモリが1次転写時に顕在化しやすい条件としてドットとドットの間隔が空いている画像(ハーフトーン)で顕著に発生する点が挙げられる。したがって、印字される画像のドット構成が100%以上のベタ画像ではメモリの影響は少ないので、ベルトメモリ起因の画像不具合の発生しない100%以上のドット構成の画像印字時の生産性低下を防止する。
【0027】
また本発明は、転写ベルトの表面抵抗率の常用対数値を9logΩ/□以上、14logΩ/□以下でかつ体積抵抗率の常用対数値9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下とする。転写ベルトが表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/cm未満、体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm未満では2次転写部でのベルトメモリが生じにくいため、転写ベルトがこの条件を満たすときに上述の紙間を適用することで生産性の向上を図れる。
【0028】
また本発明は、最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ上述の紙間を適用する。プロセスカートリッジの走行距離が大きくなるにつれ、トナーの経時劣化が進む。トナーの経時劣化が少ないときには、トナーの荷電性は高く、かつ物理的な付着力も弱いため、1次転写、2次転写時にメモリなどの静電的な外乱に対して感度が高い状態となっている。しかしながら、トナーの経時劣化が進むと1次転写、2次転写時での外乱影響が少なくなり、ベルトメモリに起因する画像不具合も低減される。したがってトナー劣化が少ないときのみ上述の紙間を適用することで、生産性を挙げることを可能にする。
【0029】
また本発明は、プロセスカートリッジの走行距離を、プロセスカートリッジに付帯したIDチップによって読み込むことで算出し、簡単にプロセスカートリッジの走行距離データを得ることを可能にする。プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段としては、プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数を挙げられ、公知技術を用いてより簡単にプロセスカートリッジの走行距離データを得ることができる。
【0030】
また本発明は、環境センサにて温湿度を検知し、検知した値が予め決められた閾値を超えた場合にのみ上述の紙間を適用する。すなわち、環境を検知して抵抗部材を設置するかどうか判断することで、ベルトメモリが発生しやすい環境のみで上述の紙間とし、ベルトのメモリが発生しない環境での生産性を向上させる。
【0031】
なお、本明細書において「用紙」というときは、紙だけに限られず、画像形成装置において用いられるその他の公知、周知の転写材を含むものとする。
【実施例】
【0032】
図1に本発明の実施例となる画像形成装置の概略を示す。図中には像担持体として4つの感光体ドラムを有する作像ユニットが示してある。図中1は、φ24mmの円筒形の感光体ドラム(以下、単に感光体と言う)であり、周速120mm/sで回転している。感光体1の表面には帯電手段であるローラ形状の帯電器2が圧接されており、感光体1の回転により従動回転しており、図示しない高圧電源によりDCあるいはDCにACが重畳されたバイアスが印加されることで感光体1は一様に表面電位−500Vに帯電されている。
【0033】
続いて感光体1は潜像形成手段である露光手段3により画像情報が露光され、静電潜像が形成される。この露光工程はレーザダイオード(LD)素子3aから光変調を施されたレーザ光が感光体ム表面上で結像するようになっている。このレーザ光を走査することで所望する画像に対応して感光体1に潜像書き込みを行い、感光体1上に静電潜像を形成する
【0034】
図中4は現像手段である1成分接触現像器であり、図示しない高圧電源から供給される所定の現像バイアスによって、前記感光体1の静電潜像をトナー像として顕像化する。また図中10は感光体、帯電器、現像器が一体化されたプロセスカートリッジである。
【0035】
プロセスカートリッジ10は並列に4個配設され、フルカラー画像形成時はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で可視像を形成し、各色の可視像が、当接される中間転写ベルト15に順次重ね転写されることでフルカラー画像が形成される。
【0036】
中間転写ベルト15は駆動ローラを兼ねる2次転写対向ローラ21(以下、説明の内容に応じて駆動ローラ21、2次転写対向ローラ21と記載分けするが、同一のローラである。)、金属製のクリーニング対向ローラ16、1次転写ローラ5(後述)、テンションローラ20(後述)にて張架されており、図示しない駆動モータにより駆動ローラ21を介して回転駆動されるようになっている。なお図示は省略するが、ベルト張力としてテンションローラ20の両側にてばねにより加圧している。テンションローラ20は例えばアルミニウム製パイプ形状のものとする。
【0037】
1次転写部材である1次転写ローラ5として、導電ブレードや導電スポンジローラ、金属ローラ等が使用可能であるが、本実施例では径がφ8mmの金属ローラを用い、感光体1に対して1次転写ローラ5に図示しない単独の高圧電源により所定の転写バイアスを共通に印加させることで中間転写ベルト15を介して転写電界を形成し、感光体1上のトナー画像を中間転写ベルト15に転移させる。
【0038】
図中17はトナーマークセンサ(TMセンサ)であり、正反射型や拡散型センサによって中間転写ベルト15上のトナー像濃度、各色位置測定を行い、画像濃度や色合わせを調整する。また図中32は中間転写ベルトクリーニングユニットであり、クリーニングブレード31により中間転写ベルト15上の転写残トナーを掻き取ることでクリーニングを行う。クリーニングブレード材質としては、例えば、厚さ1.5〜3mm、ゴム硬度65〜80°のウレタンゴムを使用し、中間転写ベルト15に対してカウンタ当接させている。
【0039】
掻き取られた転写残トナーは図示しないトナー搬送経路を通り中間転写体用廃トナー収納部33に収納される。中間転写ベルト15のクリーニングニップ部に該当する部分、あるいはクリーニングブレード31のエッジ部、の少なくとも一方は、組み付けとき潤滑剤、トナー、ステアリン酸亜鉛等の塗布剤が塗布されており、クリーニングニップ部におけるブレード捲れ上がりを防止するとともに、クリーニングニップ部にダム層を形成しクリーニング性能を高めている。なお、中間転写ベルト15を張架している各ローラは、図示しない中間転写ベルトユニット側板によって中間転写ベルト15の両側より支持されている。
【0040】
中間転写ベルト15に用いる材質としては、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、TPE(熱可塑性エラストマー)、PAA(ポリアミドアロイ)等の高分子材料にカーボンブラック等の導電性材料を分散させて樹脂フィルム状のエンドレスベルトとしたものが用いられ、本実施例では表面抵抗率の常用対数値9〜10logΩ、体積抵抗率の常用対数値9〜10logΩ・cm、引張弾性率1000〜2500MPaで厚さ90〜160μm、周長650mm、のベルトを用い得る。
【0041】
さらに、図中25は2次転写ローラである。2次転写ローラ25は径が例えばφ6mmのSUS等の金属芯金上に、導電性材料によって106〜1010Ωの抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。その材料としては、イオン導電性ローラ(ウレタン+カーボン分散、NBR、ヒドリン)や電子導電タイプのローラ(EPDM)等が用いられるが、本実施例ではΦ20、アスカーC硬度35〜50°のウレタンローラを用いた。用紙Pは給紙搬送ローラ23、レジストローラ対24によって、中間転写ベルト15表面のトナー画像先端部が2次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙され、図示しない高圧電源により所定の転写バイアスを印加することで中間転写ベルト15上のトナー画像が用紙Pに転移する。本構成において、中間転写ベルト15は図1(B)中の矢印方向に回転し、給紙は縦型パスをとっており、形成されたカラー画像は、2次転写ローラ5に対して所定の電圧を印加することにより用紙等の用紙Pに転写され、用紙Pは2次転写対向ローラ21の曲率によって中間転写ベルト15から分離され、用紙Pに転写されたトナー画像は定着手段40によって定着された後、排紙される。
【0042】
なお図示は省略するが、定着手段40の近傍にはファンが配置され、2次転写部周辺には温度センサも配置されており、装置本体内部の温度制御を監視し、制御するようにしている。また2次転写ローラ21で転写できずに中間転写ベルト15上に残留したトナーは、クリーニングブレード31にてクリーナーユニット(図示せず)内に回収される。また、本実施例では、中間転写ユニットの構成は2軸張架で、2次転写対向ローラに多種の機能を持たせているが、本構成に限らず、2次転写を有する転写システムであれば、以下に説明する本特許の特徴を有することができる。
【0043】
<実施例1>
本発明の実施例1を説明する。ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムについて、図2に簡単に示す。図中201は像担持体の一例である感光体ドラム1の表面上に現像されたトナー、部位Aは感光体1と中間転写ベルト15のニップ部、すなわち1次転写部直前の位置である。図2(A)の状態は正常に1次転写された場合の画像Iaで、トナー201として感光体ドラム1上にやってきたトナー画像は、ドットが詰ることなく、図中矢印Aで示す位置において用紙に対して正常に転写されるが、図2(B)の場合は、用紙の後端が2次転写部を抜けたときに中間転写ベルト15上に残った電位履歴(用紙の先後端通過時の+電位の高い部分)が1次転写部に近づいた際に、電位メモリが高いほど用紙電位の高い部分へ感光体1表面からトナー204が飛んで感光体ドラム1上のトナー201をBの位置でプレ転写してしまい、ドット間が詰り、黒筋が発生することになる(画像Ib参照)。すなわち、中間転写ベルト15上のトナーを用紙等の用紙へ転写させるために2次転写部にバイアスを印加するが、2次転写部を用紙後端が抜けたときに中間転写ベルト15側に強い荷電を残してしまい、その電荷が次の作像工程の1次転写の際にメモリ画像(横筋)として顕在化してしまうのである。
【0044】
本実施例で用いた画像形成装置においては、紙間xを25mm、60mm、180mmの3水準で設定し、A4サイズ(中間転写ベルト進行方向の画像長さ294mm)の用紙Pの印字ドット率25%の画像を連続で3枚通紙し、画像不具合の確認を行った。紙間xが25mmと180mmの場合、1次転写部で用紙Pの後端が抜けた箇所306は、次作像工程の紙間、すなわち次に2次転写されるトナー像p2が2次転写位置に到達する前の状態にあたるため、1次転写に影響を及ぼすことはなく、画像不具合も発生しない。
【0045】
図3に紙間が180mmの場合を示す。この図は、用紙P1の後端の抜け部306が次工程の紙間となっていることを示す。すなわち、1枚目の用紙P1の後端が2次転写部である2次転写対向ローラ21と2次転写ローラ25の間を抜けた際、中間転写ベルト15の表面に電位履歴を残す。その電位履歴が残った(ベルトメモリ)箇所306が最上流の感光体1の作像位置301に来たときには画像p2による次作像工程の前、すなわち紙間となっているため、ベルト移動方向で最上流の感光体1の作像位置301における1次転写に何も影響を当たえることはない。最上流の感光体1より下流側の感光体でも同様である。
【0046】
一方、紙間が60mmの場合、2次転写部で用紙P1の後端が抜けた際のベルトメモリが次々工程の1次転写部にて影響を及ぼし、横黒筋という画像不具合が生じた。
【0047】
図4に紙間が60mmの場合の1次転写部と2次転写部を示す。1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際の中間転写ベルト15の表面が最上流の作像位置に到達するとき、メモリ箇所306が3枚目の用紙へ転写する画像p3の作像と重なり、1次転写画像を乱してしまうことがわかる。したがって、用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、式
(B−nA)/(n+1)<x<(B−nA)/n
の関係を満たすように紙間xを設定することで、ベルトメモリに起因する画像の不具合発生を防ぐことが可能となる。
【0048】
前記式は、n=1とすると、(B−A)/2<x<(B−A)/1となるので、ベルト長から用紙の長さを引いた値の半分が紙間xの長さより小さく、紙間xの長さはベルト長から用紙の長さを引いた値よりは大きい、ことがわかる。
またn=2とすると、(B−2A)/3<x<(B−2A)/2となる。
換言すれば、中間転写ベルト15上に同時に存在している用紙の枚数が増えるほど、紙間xの長さとして許容される中間転写ベルト15上の空き長さは短くなり、その制限は厳しくなる。
【0049】
<実施例2>
図5は、ベルトメモリ起因の1次転写での画像不具合発生メカニズムについて、図2とは別の示し方で描いた図である。図5(A)は中間転写ベルト15にベルト電位メモリがない場合、図5(B)は中間転写ベルト15にベルトに電位メモリが残存している場合を示す。図2と同様であるが、図5(A)の場合には問題は生じないが、中間転写ベルト15にベルト電位メモリが残存していると、図5(B)に示すように、電位の高い部分へ、電位メモリが高いほど感光体1表面に付着しているトナー203のうちから対応位置Bにあるトナー204が飛んで中間転写ベルト15に付着しやすい(中間転写ベルト15に付着したトナーを符号205で示す)。すると、用紙の後端が2次転写部Aを抜けたときに中間転写ベルト15上に残った電位履歴(用紙先後端通過時の、+電位の高い部分)が1次転写部Aに近づいた際に、感光体1上のトナーがプレ転写され、ドット間が詰り、黒筋となって発生する。
【0050】
本実施例で用いた画像形成装置においては、紙間を50mm、65mmの2水準で設定し、A4サイズ(ベルト進行方向の画像長さ294mm)の印字ドット率25%の画像を連続で2枚通紙し、画像不具合の確認を行った。紙間が50mmの場合、図6に示すように、用紙P1の先端が2次転写ニップ部に突入した箇所は次作像工程の紙間にあたるため1次転写時に影響を及ぼすことはなく画像不具合は発生しない。図6に紙間が50mmの場合の1次転写部と2次転写部を書き出し、用紙先端が2次転写ニップ部に突入した箇所が次工程の紙間となっている概要図を示す。
【0051】
トナー像p1の転写を受けた1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際、ベルト表面306に電位履歴を残すが(図6(A))、その電位履歴が残ったベルトメモリ箇所306が最上流の感光体1の作像位置301に来たときには3枚目の用紙へ転写する画像p3が作像位置301を通過しており、すなわち紙間となっている(図6(B))ため、最上流の感光体1の作像位置301での1次転写に何も影響を当たえることはない。最上流の感光体1より下流側の感光体でも同様である。
【0052】
一方、図7に示すように、紙間が65mmの場合、ベルトメモリ箇所306が次工程の1次転写部にて影響を及ぼし、横黒筋という画像不具合が生じる。図7に紙間が65mmの場合の1次転写部と2次転写部を示す。1枚目の用紙P1の先端が2次転写部のニップ部に突入した際に生じるベルトメモリ箇所306が、最上流の感光体1の作像位置301に到達するときに3枚目の用紙に転写される画像p3と重なり、最上流の感光体1の作像位置301における1次転写画像を乱してしまう。図中、P2は2枚目の用紙を示す。
【0053】
したがって、用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、式
(B−nA)/n<x<(B−nA)/n−1
の関係を満たすように紙間xを設定することで、ベルトメモリに起因する画像の不具合発生を防ぐことが可能となる。
【0054】
<実施例3>
本発明の実施例3を図8に示す。本実施例においては、紙間xを60mmに設定し、ベルト進行方向の画像長さ294mm、印字ドット率25%の画像を連続で3枚印字する。そのときに最上流の現像ユニットを黒、イエロー、マゼンタ、シアンと変更して画像を印字したときの1枚目の用紙後端が2次転写部を抜けた際のベルトメモリ起因による画像不具合を確認したところ、イエロー以外の色では画像不具合である横黒筋が見えたが、イエローでは全く見えなかった。実際に1次転写部で画像不具合は発生していると考えられるが、イエローの画像上では横黒筋を確認することができなかった。また、最上流の現像器に黒を配置し、下流にマゼンタ、シアン、イエローという順で配置し、全面黒単色の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に3枚目の用紙後端60mmの位置に横黒筋が発生するが、この構成において、シアン単色もしくはマゼンタ単色構成の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に横黒筋は発生しなかった。これは、中間転写ベルト上のベルトメモリが最上流の感光体と中間転写ベルト間を通過する際に中間転写ベルト表面が感光体のマイナス荷電で除電されたためである。したがって、ベルトメモリは最上流の印字時のみ影響を及ぼす。
【0055】
<実施例4>
本発明の実施例3を図8に示す。本実施例において、印字ドット率の水準を振って、紙間xを60mmに設定し、ベルト進行方向の画像長さ294mm、印字ドット率25%の画像を連続で3枚印字する。このときの印字ドットの比率と画像横黒筋のレベルに対し相関を示したのが図8のグラフである。
【0056】
横黒筋のレベルは5段階に分けており、それぞれのレベルを「5:全く見えない」「4:ほとんど見えない」「3:うっすらと見える」「1:はっきりとわかる」とした。印字ドットの構成が100%以上となると横黒筋は目立ちにくくなり、100%未満になるとドット構成比率が小さくなり、ドット構成比率が小さくになるにしたがい、横黒筋が顕著に見えてくる。ここでは100%をベタ画像とする規定する。したがって、ドット構成比率が100%未満の際に前期実施例に記載のような紙間xの設定をすることで横黒筋が発生することを防ぐことが可能となる。
【0057】
<実施例5>
本発明の実施例3を図9に示す。図9は、黒のハーフトーン画像を紙間xを60mmとした設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルと中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値の相関を示す。中間転写ベルトの抵抗が低い場合、ベルトに電荷が貯まりにくいため、ベルトメモリ起因の画像不具合は発生しにくい。また抵抗が高過ぎる場合、ベルトに電荷が貯まり減衰しにくいため、本願発明で改善しようとした用紙後端抜け時のベルトメモリ以外の異常画像が発生する。図9より、中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値が8logΩ・cm未満にでは横黒筋は発生しておらず、9logΩ・cmから14logΩ・cmまでは横黒筋が発生している。また、中間転写ベルトの体積抵抗率の常用対数値が15logΩ・cmでは横黒筋以外の転写ムラが発生している。したがって、中間転写ベルトは表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/□以上、14logΩ・cm以下で、かつ体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下の場合において上述したような紙間設定をすることで横黒筋が発生することを防ぐことが可能となる。
【0058】
<実施例6>
本発明の実施例6では、トナーの経時劣化に伴い、1次転写時、2次転写時の静電的な外乱に対する感度が鈍くなる。つまり中間転写ベルトのベルトメモリなどの外乱に対して鈍くなる。ここで言うトナーの劣化とはトナー表層の外添材が剥がれることで荷電性が落ちることや、トナーの中に埋没することでトナーの付着力が増加することを指す。そして、トナー劣化の指標としては、プロセスカートリッジの走行距離を用いる。すなわち、プロセスカートリッジの走行距離が大きくなるにつれ、トナーの経時劣化が進む。トナーの経時劣化が少ないときには、トナーの荷電性は高く、かつ物理的な付着力も弱いため、1次転写、2次転写時にメモリなどの静電的な外乱に対して感度が高い状態となっている。しかしながら、トナーの経時劣化が進むと1次転写、2次転写時での外乱影響が少なくなり、ベルトメモリに起因する画像不具合も低減される。したがってトナー劣化が少ないときのみ請求項1に記載の紙間を適用することで、生産性を挙げることが可能となる。プロセスカートリッジの走行距離の読む手段については、例えばプロセスカートリッジの走行距離をプロセスカートリッジに具備したIDチップより読み取る(プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数より算出)ものを挙げられる。走行距離が予め決められた閾値以下の場合のみ紙間制御を入れる。また他の公知、周知の技術を用いるようにしてもよい。
【0059】
図10に黒のハーフトーン画像を紙間xが60mmの設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す。走行距離が2500m未満において横黒筋が顕著に見えてくることがわかった。したがって、走行距離が2500m未満で請求項1に記載の紙間設定をすることで横黒筋が発生することを防ぐことが可能なる。
【0060】
<実施例7>
本発明の実施例7においては、図示は省略するが、温湿度センサを本体の側板に備え付ける。そのセンサの読み値が絶対水分量5、10、20、30g/m3のときにそれぞれ黒のハーフトーン画像を紙間xを60mmとした設定で連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルを確認したところ、20g/m3と30g/m3では横黒筋はほとんど見えないレベルであった。これは絶対水分量が多くなると2次転写部、1次転写部の部材抵抗が下がるため、中間転写ベルトに貯まった電荷がリークしやすくなるためである。本構成においては20g/m3を下回ったときのみ上述の紙間設定をすることで横黒筋が発生することを防止することが可能となる。
【0061】
<実施例8>
なお、用紙の長さをA[mm]、中間転写ベルト15の長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の先端余白をD[mm]としたときに、これらが式
0<{B−(n−1)A}/n<x<{B−(n‐1)A+D}/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることで、2次転写時に用紙後端が抜けたベルト位置が次の作像工程以降の用紙先端余白に位置するので本発明の目的を達成するものである。本実施例の場合、中間転写ベルト15の周長を650mm、用紙(用紙)サイズをA4(294mm)、n=2、用紙先端の余白4mmとして、前記式に当てはまるように連続通紙した場合、紙間xを178mm<B<180mmとなるように設定すると、2次転写部で用紙後端が抜けた箇所は次作像工程以降の用紙先端余白にあたるため、1次転写時に影響を及ぼすことはなく画像不具合は発生しなかった。
【0062】
図11は本実施例の作用を詳細に説明するための概念図である。1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際に中間ベルト15上に電荷+(1)を残す。この用紙後端抜け時の電荷が残った箇所、すなわち電位履歴が残った(ベルトメモリ)箇所が次の2次転写の位置(2)に来た際、用紙Pが2次転写位置になければ(図中の2枚目の用紙P2のように)問題はなく、また3枚目の用紙P3のように、位置(2)が先端余白部に位置すれば+電位の位置が先端余白の範囲内に位置するため白画像欠陥(筋)とはならない。しかし、例えば3枚目の用紙P3の後端側に記載したように、画像中に位置(2)が到来することになれば(紙間x=60mm等とすると有り得る)、既述のような現象に起因する筋となって画像欠陥が発生する。そこで1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際のベルトメモリ箇所が最上流の作像位置(図2(B)のBの位置)に来たときには、紙間xを178mm<B<180mmとすると、+電位の位置が用紙先端余白となっているため、1次転写時の画像形勢に何も影響を与えることはないのである。
【0063】
本実施例の構成における作用を説明する。用紙Pの紙間xを60mmに設定し、中間転写ベルト15の進行方向での画像長さを294mm、印字ドット率25%の画像を連続で3枚印字するときに、最上流の現像ユニットにおける現像器を、黒現像器から、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器と順に変更してトナー色を変えて画像を印字したとき、1枚目の用紙後端が2次転写部を抜けた際のベルトメモリ起因による画像不具合を確認したところ、トナー色がイエロー以外の色では画像不具合である横黒筋が見えたが、イエローでは全く見えなかった。実際に1次転写部で画像不具合は発生していると考えられるが、イエローの画像上では横黒筋を確認することができなかった。また、中間転写ベルト15の回転方向で最上流の現像器に黒現像器を配置し、下流にマゼンタ、シアン、イエローという順で配置し、全面黒単色の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に3枚目の用紙後端60mmの位置に横黒筋が発生するが、この構成において、シアン単色もしくはマゼンタ単色構成の印字ドット率25%を連続3枚印字した場合に横黒筋は発生しなかった。これは、中間転写ベルト15上のメモリ箇所が最上流の感光体ドラム1と中間転写ベルト15間を通過する際に中間転写ベルト15の表面が感光体ドラム1のマイナス荷電で除電されたためである。したがって、ベルトメモリは最上流の印字時のみ影響を及ぼすことがわかる。
【0064】
なおトナー劣化の指標としては、プロセスカートリッジの走行距離を用いることは既に述べたが、図12に黒のハーフトーン画像を紙間xを60mmに設定して連続3枚印字した際の3枚目に発生する横黒筋レベルとプロセスカートリッジの走行距離相関を示す。走行距離が2500m未満において横黒筋が顕著に見えてくることがわかる。したがって、走行距離が2500m未満で本発明に係る紙間設定をすれば、効果的に横黒筋の発生を防止できる。プロセスカートリッジの走行距離の読む手段としては、これも既述のように、プロセスカートリッジにIDチップを具備することで実現できる。なお図12において、「AIO」とはAll−In−Oneタイプのカートリッジを意味する。
【0065】
<実施例9>
本実施例は、用紙の長さをA[mm]、中間転写ベルト15の長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに、これらが式
0<(B−nA−E)/n<x<(B−nA)/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることで、2次転写時に用紙後端が抜けたベルト位置が次の作像工程以降の用紙先端余白に位置するので本発明の目的を達成するものである。本実施例の場合、中間転写ベルト15の周長を650mm、用紙(用紙)サイズをA4(294mm)、n=2、用紙後端余白4mmとして、前記式に当てはまるように連続通紙した場合、紙間xを29mm<x<31mmとなるように設定すると、2次転写部で用紙後端が抜けた箇所は次作像工程以降の用紙後端余白にあたるため1次転写時に影響を及ぼすことはなく画像不具合は発生しなかった。
【0066】
図13は本実施例の作用を詳細に説明するための概念図である。用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際に中間ベルト15上に電荷+(1)を残す。これが次の2次転写の位置(2)に来た際、用紙Pが2次転写位置になければ(図中の2枚目の用紙P2のように)問題はなく、また3枚目の用紙P3のように、位置(2)が後端余白部に位置すれば+電位の位置が後端余白の範囲内に位置するため白画像欠陥(筋)とはならない。しかし、例えば3枚目の用紙P3の先端側に記載したように、画像中に位置(2)が到来することになれば(紙間x=60mm等とすると有り得る)、既述のような現象に起因する筋となって画像欠陥が発生する。ただし、上述のように、1枚目の用紙P1の後端が2次転写部を抜けた際の中間転写ベルト15の表面のベルトメモリ箇所が最上流の作像位置(図2(B)で言えば符号Bで示す位置)に来たときには、紙間xを29mm<x<31mmとすると、+電位の位置が用紙後端余白となっているため、1次転写時の画像形勢に何も影響を当たえることはないのである。なお本実施例の構成における作用は、先の実施例と同様であるので重複する説明は省略する。
【符号の説明】
【0067】
1:感光体ドラム(感光体)
2:帯電器
3:露光手段
3a:レーザダイオード(LD)素子
5:1次転写ローラ
10:プロセスカートリッジ
15:中間転写ベルト
16:クリーニング対向ローラ
20:テンションローラ
21:駆動兼2次転写対向ローラ
23:給紙搬送ローラ
24:レジストローラ対
25:2次転写ローラ
31:クリーニングブレード
32:中間転写ベルトクリーニングユニット
33:中間転写体用廃トナー収納部
41:成分接触現像器(現像器)
201、204、205:トナー
301:最上流の感光体での作像位置
306:ベルトメモリ箇所
A:感光体と中間転写ベルトのニップ部
P、P1、P2、P3:用紙
p1、p2、p3:転写される画像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開平6‐161298号公報
【特許文献2】特開2001‐188418号公報
【特許文献3】特開2005‐10491号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の枚数に応じて該用紙の間隔である紙間の値を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、これらが式
(B−nA)/(n+1)<x<(B−nA)/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の先端余白をD[mm]としたときに、これらが式
0<{B−(n−1)A}/n<x<{B−(n‐1)A+D}/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
0<(B−nA−E)/n<x<(B−nA)/n (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
(B−nA)/n<x<(B−nA)/n−1 (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流の像担持体を具備する現像器から転写されるトナー色がイエロー以外のときに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジに付帯したIDチップによって読み込んだ値を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7の画像形成装置において、
プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数から算出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
印字される画像のドット構成が100%未満の場合のみに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
感光体、帯電器、現像器が一体化されたプロセスカートリッジのうち、用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
環境センサにて温湿度を検知し、予め決められた閾値を超えた場合にのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写ベルトは表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/□以上、14logΩ/□以下、かつ体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の枚数に応じて該用紙の間隔である紙間の値を変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
前記転写ベルトに対して同時に関係している用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]としたときに、これらが式
(B−nA)/(n+1)<x<(B−nA)/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の先端余白をD[mm]としたときに、これらが式
0<{B−(n−1)A}/n<x<{B−(n‐1)A+D}/n (n:整数)
の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
0<(B−nA−E)/n<x<(B−nA)/n (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
複数の像担持体と、少なくとも従動ローラと駆動ローラによって無端状のベルトを回転する転写ベルトユニットを有し、前記各像担持体から前記転写ベルト上にトナー転写を行うことによって、前記転写ベルト上にカラー画像を形成する1次転写部と、前記駆動ローラに対向して配置され、前記転写ベルト上の前記カラー画像を用紙に一括転写するための2次転写部材を有する2次転写部とを有する画像形成装置において、
用紙の長さをA[mm]、ベルトの長さをB[mm]、紙間をx[mm]、用紙の後端余白をE[mm]としたときに
(B−nA)/n<x<(B−nA)/n−1 (n:整数)
上記の関係を満たすように紙間xを規定して変化させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流の像担持体を具備する現像器から転写されるトナー色がイエロー以外のときに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジに付帯したIDチップによって読み込んだ値を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7の画像形成装置において、
プロセスカートリッジの走行距離を算出する手段として、プロセスカートリッジを駆動するモータの回転数から算出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
印字される画像のドット構成が100%未満の場合のみに前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
感光体、帯電器、現像器が一体化されたプロセスカートリッジのうち、用紙の前記転写ベルト上における搬送方向において最上流に位置するプロセスカートリッジの走行距離がある閾値以下のときのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置において、
環境センサにて温湿度を検知し、予め決められた閾値を超えた場合にのみ前記紙間xの変化を適用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写ベルトは表面抵抗率の常用対数値が9logΩ/□以上、14logΩ/□以下、かつ体積抵抗率の常用対数値が9logΩ・cm以上、14logΩ・cm以下であることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−63740(P2012−63740A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58162(P2011−58162)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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