説明

画像表示システム及び画像検索システム

【課題】画像に適正なエフェクト処理を施してスライドショー再生表示する。
【解決手段】デジタルカメラ1と、このデジタルカメラのメモリカードに記録された複数のExif画像ファイルを管理する画像管理装置2と、この画像管理装置により管理される画像ファイルに基づいて画像を表示する表示装置3とを備えるデジタルアルバムシステム100であって、画像管理装置は、メモリカードから画像ファイルを取得するデータ読取部21と、取得された複数の画像ファイルに基づいて所定の画像をスライドショー再生するとともに、これら画像ファイルの各々のメーカ固有情報に基づいて、当該画像ファイルに係る画像のスライドショー再生の際のエフェクト処理を特定するCPU27とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像を表示する画像表示システム及び複数の画像の中から所望の画像を検索する画像検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチールカメラや静止画像可能なデジタルビデオカメラ等が、一般に普及してきており、撮影された画像をパーソナルコンピュータ(PC)や専用の再生装置等を用いて管理するデジタルアルバムシステムが開発されている。
このデジタルアルバムシステムにあっては、例えば、画像の再生の際に、ズーム、パン、回転、フェードイン、フェードアウト等の所定のエフェクト処理(動き)を施してモニタに表示することが行われている。
【0003】
また、画像のスライドショー再生(表示)を音楽にあわせて行う方法も知られており、具体的には、ユーザ(顧客)が選択した楽曲の音声データのテンポにあわせてフェードインやフェードアウトを行うことで楽曲のテンポとスライドショー(エフェクト処理)との整合を図るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、デジタルアルバムシステムは、複数の画像の中からの所望の画像の検索にも用いられ、検索方法としては、画像認識による方法、文字情報を追加した後にそれらを利用する方法等が知られている。
【特許文献1】特開2003−249051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1等の場合、ユーザは再生画像のエフェクト処理のために所定の楽曲の音声データを準備したり、予め準備された複数の楽曲の中から所望の楽曲を選択しなければならないといった問題がある。また、ユーザ自らが手作業で再生画像にエフェクト処理を施す場合、編集作業に習熟していないユーザにとっては、画像の雰囲気とはかけ離れたエフェクト処理をつけてしまいかねないといった問題もある。
【0006】
また、デジタルアルバムシステムにおける画像検索において、画像認識を利用する場合、画像認識技術が未だ確立されていないため、検索結果の信頼性が低いといった問題がある。さらに、文字情報を利用する場合、PCなどを用いて所定の文字情報を入力して画像に付加しなければならず利便性が悪いといった問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、画像情報に含まれ、当該画像に関連する識別情報を用いてより利便性の高い画像表示システム及び画像検索システムを提供することを目的とするものである。
即ち、本発明の第一の課題は、画像に適正なエフェクト処理を施してスライドショー再生表示することができる画像表示システムを提供することである。
また、本発明の第二の課題は、複数の画像の中から所望の画像の検索を適正に行うことができる画像検索システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、
画像記録媒体(例えば、図1のメモリカード13等)に記録された複数の画像情報を管理する画像管理装置(例えば、図1の画像管理装置2等)と、前記画像管理装置により管理される前記画像情報に基づいて画像を表示する表示装置(例えば、図1の表示装置3等)とを備える画像表示システム(例えば、図1のデジタルアルバムシステム100等)であって、
前記複数の画像情報は、対応する画像の内容に関連する識別情報を含み、
前記画像管理装置は、
前記画像記録媒体から前記画像情報を取得する画像取得手段(例えば、図2のデータ読取部21等)と、
前記画像取得手段により取得された前記複数の画像情報に基づいて所定の画像をスライドショー再生する再生手段(例えば、図2のCPU27等)と、
前記画像情報の前記識別情報に基づいて、当該画像情報の前記再生手段による前記スライドショー再生の際のエフェクト処理を特定するエフェクト特定手段(例えば、図2のCPU27等)と、を備えることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
画像を撮影して画像情報を取得する撮影手段(例えば、図1の撮影部11等)と、前記撮影手段により取得された前記画像情報を記録する前記画像記録媒体を有する撮影装置(例えば、図1のデジタルカメラ1等)を備え、
前記画像情報は、前記識別情報として、当該画像の撮影に用いた前記撮影装置の製造元固有の製造元固有情報を含むことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像表示システムにおいて、
前記画像管理装置は、
前記画像取得手段により取得された前記複数の画像情報の前記製造元固有情報に基づいて、前記複数の画像情報を所定の分類項目毎に分類する画像分類手段(例えば、図2のCPU27等)を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像表示システムにおいて、
前記画像管理装置は、
前記複数の画像情報の分類に係る新規分類項目を入力する分類項目入力手段(例えば、図2の操作入力部23等)を備え、
前記画像分類手段は、さらに、前記分類項目入力手段により入力された前記新規分類項目に従って前記複数の画像情報を分類することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の画像表示システムにおいて、
前記画像管理装置は、
前記製造元固有情報と前記エフェクト処理とを対応付けて記憶する記憶手段(例えば、図2のメモリ26等)を備え、
前記エフェクト特定手段は、さらに、前記画像情報の前記製造元固有情報と対応付けられた前記エフェクト処理を前記記憶手段から取得して特定することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、
画像記録媒体(例えば、図1のメモリカード13等)に記録された複数の画像情報を管理する画像管理装置(例えば、図1の画像管理装置2等)と、前記画像管理装置により管理される前記画像情報に基づいて画像を表示する表示装置(例えば、図1の表示装置3等)とを備える画像検索システム(例えば、図1のデジタルアルバムシステム100等)であって、
前記複数の画像情報は、対応する画像の内容に関連する識別情報を含み、
前記画像管理装置は、
前記画像記録媒体から前記画像情報を取得する画像取得手段(例えば、図2のデータ読取部21等)と、
前記画像取得手段により取得された前記複数の画像情報の中から、当該画像情報の前記識別情報に基づいて所望の画像の画像情報を検索する画像検索手段(例えば、図2のCPU27等)と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像のスライドショー再生の際のエフェクト処理を、当該画像情報の内容に関連する識別情報に基づいて特定することができることとなり、画像の内容に関連する適正なエフェクト処理を施して複数の画像をスライドショー再生表示することができ、より利便性の高い画像表示システムを提供することができる。
また、本発明によれば、複数の画像情報の中からの所望の画像情報の検索を、当該画像情報の内容に関連する識別情報に基づいて行うことができることとなり、所望画像の検索をより適正に、且つ、簡便に行うことができ、より利便性の高い画像検索システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した好適な一実施形態として例示するデジタルアルバムシステム100の全体構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態のデジタルアルバムシステム100は、例えば、デジタルカメラ1にて撮影された複数の画像ファイルを管理するものであり、画像表示システムとして複数の画像をスライドショー再生表示するとともに、画像検索システムとして複数の画像の中からユーザ所望の画像を検索するようになっている。
具体的には、デジタルアルバムシステム100は、例えば、図1に示すように、画像を撮影するデジタルカメラ1と、デジタルカメラ1により撮影された画像を管理する画像管理装置2と、画像管理装置2により管理される画像を表示する表示装置3等を備えている。
【0017】
先ず、デジタルカメラ1について説明する。
本実施形態のデジタルカメラ1は、例えば、Exif(Exchangeable Image File Format)規格に準拠した形式の画像ファイルを生成して記録するものであり、具体的には、撮影レンズを透過した被写体像を画像データに光電変換するCCD(Charge Coupled Device)等を有する撮影部(撮影手段)11と、撮影部11により取得された画像データに対しJPEG方式に準拠した圧縮方式で圧縮処理を施してJPEG画像データを生成し、当該画像データのヘッダ部にExifタグ情報を付帯してExif形式の画像ファイルを生成する画像生成部12と、画像生成部12により生成された画像ファイルを記録するメモリカード(画像記録媒体)13等を備えて構成されている。
【0018】
撮影部11は、例えば、シャッター速度、フォーカス、ホワイトバランス、シャープネス、彩度、コントラスト、フィルタ、フラッシュ等が所定値に設定された複数の撮影モードに従って被写体の撮影を行うようになっている。
ここで、撮影モードとしては、例えば、オート、ムービー、人物、風景、子供、スポーツ、キャドルライト、パーティー、花、紅葉、夕日、ビーチ、雪、水中、夜景、花火、食べ物、文字等が挙げられる(図3参照)。
【0019】
Exifタグ情報としては、例えば、画像タイトル(ImageDescription)や、デジタルカメラ1の製造メーカ名(Make)、モデル名(Model)等のフォーマットで定められた必須のタグ情報や、デジタルカメラ1による撮影モード等の製造メーカ固有のメーカ固有情報(MakerNote)、F値(FNumber)、撮影時の露出時間[秒](ExposureTime)、シャッタースピード(ShutterSpeedValue)、絞り(ApertureValue)、輝度(BrightnessValue)等のExif固有のタグ情報等が挙げられる。
【0020】
なお、本発明に係るデジタルカメラ1は、例えば、一般的な構成をなすものであり、上記説明した以外の構成についての詳細な説明は省略する。
【0021】
次に、画像管理装置2について図面を参照して説明する。
ここで、図2は、画像管理装置2の要部構成を示すブロック図である。
画像管理装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ等から構成され、例えば、図2に示すように、データ読取部21と、画像記憶部22と、操作入力部23と、データ出力部24と、通信制御部25と、メモリ26と、CPU27等を備えて構成されている。
【0022】
データ読取部21は、例えば、デジタルカメラ1のメモリカード13等が接続されるPCカードリーダ等からなり、CPU27の制御下にてメモリカード13から当該メモリカード13に記録されている複数の画像ファイル等を読み取るものである。
ここで、CPU27とデータ読取部21は、協働してメモリカード13から画像ファイルを取得する画像取得手段を構成している。
【0023】
画像記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、データ読取部21により読み取られた複数の画像ファイルを記憶するものである。
【0024】
操作入力部23は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、画像ファイルの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成されるキーボードやマウスやリモコン等を備え、ユーザにより操作されたキーの操作信号をCPU27に出力するようになっている。
【0025】
また、操作入力部23は、例えば、画像分類処理にて、ユーザによる所定操作に基づいて、画像分類画面G1にて画像の分類に係る新規分類項目を追加情報として入力するようになっている(図5参照)。
ここで、操作入力部23は、例えば、新規分類項目を入力する分類項目入力手段を構成している。
【0026】
データ出力部24は、例えば、画像や音声の出力端子を備え、CPU27の制御下にて、所定の画像データや音声データを表示装置3に出力するものである。
【0027】
通信制御部25は、例えば、CPU27の制御下にて、インターネット等の所定のネットワークを介して接続された製造メーカのウェブサーバにより開設される所定のサイトとの間で各種情報の送受信を行うものである。具体的には、通信制御部25は、画像を撮影したモデルに対応する撮影モードテーブル26eがメモリ26に記憶されていない場合に、ウェブサーバにより開設される所定のサイトにアクセスして撮影モードに関する所定の情報を取得するようになっている。
【0028】
CPU(Central Processing Unit)27は、例えば、所定のタイミングか、或いは操作入力部23を介して入力された操作信号等に基づいて、メモリ26に格納されている各種プログラムを読み出して、当該プログラムに従って各種処理を実行するものである。
【0029】
メモリ26は、例えば、画像データ等を一時的に記憶するバッファを構成するとともに、CPU27の作業領域や各種データの格納領域等を構成するRAM(Random Access Memory)や、各種動作プログラム、各部の制御に係る各種データ等を記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を備えて構成されている。
【0030】
EEPROMは、例えば、再生プログラム26a、エフェクト特定プログラム26b、画像検索プログラム26c、画像分類プログラム26d等を記憶している。
【0031】
再生プログラム26aは、CPU27を再生手段として機能させるものである。即ち、再生プログラム26aは、データ読取部21を介して取得された複数の画像ファイルに基づいて所定数の画像をスライドショー再生して表示装置3に表示させる再生処理に係る機能をCPU27に実現させるためのプログラムである。具体的には、再生プログラム26aは、CPU27によって、エフェクト特定処理(後述)にて特定されたエフェクト処理を画像に施してスライドショー再生するためのものである。
これにより、再生処理にあっては、例えば、「人物」を含む画像の場合、迫ったり引いたりして、さらに「人物」が「子供」であれば、スライド方式で画像を素早く切り替えて子供の躍動感を演出することができ、また、「花火」の画像の場合、中心から放射状に広がるように画面を切り替えていくように再生表示することができる(詳細後述)。
【0032】
エフェクト特定プログラム26bは、CPU27をエフェクト特定手段として機能させるものである。即ち、エフェクト特定プログラム26bは、画像ファイルの各々のメーカ固有情報(画像の内容に関連する識別情報)に基づいて、当該画像ファイルのスライドショー再生の際のエフェクト処理を特定するエフェクト特定処理に係る機能をCPU27に実現させるためのプログラムである。具体的には、エフェクト特定プログラム26bは、CPU27によって、各画像ファイルの撮影モード(図3参照)と対応付けられた所定のエフェクト処理をエフェクト特定用テーブル26f(図4参照)から取得して特定するためのものである。
【0033】
画像検索プログラム26cは、CPU27を画像検索手段として機能させるものである。即ち、画像検索プログラム26cは、データ読取部21を介して取得された複数の画像ファイルの中から、当該画像ファイルの各々の撮影モード(画像の内容に関連する識別情報)に基づいて所望の画像の画像ファイルを検索する画像検索処理に係る機能をCPU27に実現させるためのプログラムである。具体的には、画像検索プログラム26cは、CPU27によって、複数の画像ファイルの中で、ユーザによる操作入力部23の所定操作に基づいて指定された所定の撮影モードが対応付けられている画像ファイルを検索して表示装置3に一覧表示させるためのものである。
【0034】
画像分類プログラム26dは、CPU27を画像分類手段として機能させるものである。即ち、画像分類プログラム26dは、データ読取部21を介して取得された複数の画像ファイルの各々のメーカ固有情報としての撮影モード(図3参照)を分類項目として複数の画像ファイルを分類する画像分類処理に係る機能をCPU27に実現させるためのプログラムである。具体的には、画像分類プログラム26dは、CPU27によって、エフェクト特定処理にて特定されるエフェクト処理に対応する撮影モードや操作入力部23を介して入力された新規分類項目を分類項目として複数の画像ファイルを分類するためのものである。
【0035】
また、EEPROMには、例えば、撮影モードテーブル26e、エフェクト特定用テーブル26f等が記憶されている。
【0036】
撮影モードテーブル26eは、例えば、デジタルカメラ1のモデル毎に記憶されており、具体的には、メーカ固有情報に含まれる撮影モード番号と対応する所定のカラム番号(「1」〜「19」、…)と、「オート」、「ムービー」、「人物」、「風景」、「子供」、「スポーツ」、「キャドルライト」、「パーティー」、「花」、「紅葉」、「夕日」、「ビーチ」、「雪」、「水中」、「夜景」、「花火」、「食べ物」、「文字」等の撮影モードの内容が対応付けられたものである(図3参照)。
【0037】
エフェクト特定用テーブル26fは、例えば、所定の撮影モードと、エフェクト処理の内容とが対応付けられたものである(図4参照)。
具体的には、撮影モードが「キャドルライト」の場合には、例えば、一の画像をフェードアウトしていって次の画像をフェードインするようにして再生するエフェクト処理が対応付けられている。
また、撮影モードが「花」の場合には、例えば、花の中心から花びらが開いていくように再生するエフェクト処理が対応付けられている。
また、撮影モードが「紅葉」の場合には、例えば、落ち葉が上から落ちてきて積み重なるように再生するエフェクト処理が対応付けられている。
また、撮影モードが「夜景」の場合には、例えば、一の画像をフェードアウトしていって次の画像をフェードインするようにして再生するエフェクト処理が対応付けられている。
また、撮影モードが「花火」の場合には、例えば、中心から周辺へ線を延ばして、「星」が広がるように再生するエフェクト処理が対応付けられている。
また、撮影モードが「食べ物」の場合には、例えば、端から囓られるように再生するエフェクト処理が対応付けられている。
また、撮影モードが「文字」の場合には、例えば、ページがめくられるように再生するエフェクト処理が対応付けられている。
【0038】
次に、表示装置3について説明する。
ここで、図5は、画像読込処理にて表示装置3に表示される画像分類画面G1を模式的に示した図である。
【0039】
表示装置3は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)やCRT等からなり、画像管理装置2のデータ出力部24から出力された画像データや音声データが入力されるデータ入力部31と、入力された画像データに従って画像を表示する表示部32と、入力された音声データに従って音声を発する発音部33等を備えている
【0040】
表示部32は、例えば、データ入力部31を介して入力された画像データに基づいて、エフェクト特定処理にて特定されたエフェクト処理が施された複数の画像をスライドショー再生表示するようになっている。
【0041】
また、表示部32は、例えば、図5に示すように、画像分類処理にて、画像を分類するための画像分類画面G1を表示するようになっている。
この画像分類画面G1には、具体的には、例えば、分類される画像や、当該画像の撮影モードに係る撮影モード情報や、新規分類項目としての追加情報や、分類項目等が表示されるようになっている。
【0042】
<画像読込処理>
次に、画像読込処理について図6を参照して説明する。
図6は、画像読込処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0043】
画像読込処理は、画像管理装置2のCPU27の制御下にて、デジタルカメラ1のメモリカード13に記録されている複数の画像ファイルを読み込んで、これら画像ファイルの各々のスライドショー再生の際のエフェクト処理を特定するものである。
【0044】
即ち、図6に示すように、先ず、デジタルカメラ1による所定の被写体の撮影後に画像管理装置2のデータ読取部21にメモリカード13がセットされて、CPU27の制御下にて、メモリカード13に記録されている複数のExif画像ファイルが読み取られる(ステップS1)。
すると、CPU27は、Exif画像ファイルのヘッダ部を読み込み、そのExifタグ情報(APP1マーカ)を参照して(ステップS2)、デジタルカメラ1の製造メーカ名を特定した後(ステップS3)、当該デジタルカメラ1のモデル名を特定する(ステップS4)。
【0045】
次に、CPU27は、メモリ26からエフェクト特定プログラム26bを読み出して、このエフェクト特定プログラム26bの実行に基づいて、特定されたモデル名に対応する撮影モードテーブル26eがメモリ26に記憶されているか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、撮影モードテーブル26eが記憶されていると判定されると(ステップS5;YES)、CPU27は、画像ファイルのExifタグ情報のメーカ固有情報を参照して、当該メーカ固有情報に含まれる撮影モードを表す撮影モード番号を取得する(ステップS6)。
続けて、CPU27は、取得した撮影モード番号(カラム番号)と対応する撮影モードを撮影モードテーブル26eを参照して特定して(ステップS7)、当該撮影モード名に関する情報を画像ファイルの検索情報として付加(保存)する(ステップS8)。
次に、CPU27は、特定した撮影モードに対応するエフェクト処理をエフェクト特定用テーブル26fを参照して決定して(ステップS9)、当該エフェクト処理をメモリ26に保存する(ステップS10)。
【0046】
なお、ステップS5にて、撮影モードテーブル26eが記憶されていないと判定された場合には(ステップS5;NO)、CPU27は、通信制御部25を制御して、該当モデルに関する撮影モードの情報をインターネット上の所定のサイトを検索することにより取得して、撮影モードテーブル26eに追加する(ステップS11)。
【0047】
<画像再生処理>
次に、画像再生処理について図7を参照して説明する。
図7は、画像再生処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0048】
画像再生処理は、CPU27の制御下にて、エフェクト特定処理にて特定されたエフェクト処理を複数の画像の各々に施してスライドショー再生するものである。
【0049】
即ち、図7に示すように、先ず、ユーザによる操作入力部23の所定操作に基づいてスライドショー再生の実行が指示されると、CPU27は、メモリ26から再生プログラム26aを読み出して、この再生プログラム26aの実行に基づいて、画像記憶部22の所定のフォルダに格納されている複数の画像の中で、ユーザにより指定された最初の画像を表示装置3に表示させる(ステップS21)。
次に、CPU27は、当該画像を表示装置3に所定時間表示させた後(ステップS22;YES)、最初の画像に続けて他に表示すべき画像があるか否かを判定する(ステップS23)。
【0050】
ここで、他に表示すべき画像があると判定されると(ステップS23;YES)、CPU27は、エフェクト特定処理にて特定された当該画像に対応するエフェクト処理を画像に施して表示装置3に表示させる(ステップS24)。
その後、CPU27は、ステップS22に移行して、スライドショー再生すべき画像がなくなるまで、それ以降の処理を実行制御する。
【0051】
<画像検索処理>
次に、画像検索処理について説明する。
画像検索処理にあっては、各画像ファイルに付加されている撮影モード名に関する情報を利用して画像の検索を行うようになっている。
具体的には、例えば、CPU27は、ユーザによる操作入力部23の所定操作に基づいて所定の撮影モードが指示入力されると、メモリ26から画像検索プログラム26cを読み出して、この画像プログラムの実行に基づいて、画像記憶部22に記憶されている複数の画像ファイルの中から、入力された撮影モードが付加されている画像ファイルを特定する。そして、CPU27は、特定された全ての画像ファイルをデータ出力部24から出力させて表示装置3に表示させる。
これにより、表示装置3には、所定の撮影モードで撮影された複数の画像ファイルの一覧が表示されることとなって、当該一覧表示から所望の画像の検索を適正に行うことができる。特に、撮影モード名に関する情報が画像ファイルに付帯されているので、当該画像ファイルをコピーして他のコンピュータ等に移動させても、撮影モードを検索情報として利用して画像検索を適正に、且つ、簡便に行うことができる。
【0052】
以上のように、本実施形態のデジタルアルバムシステム100によれば、画像のスライドショー再生の際のエフェクト処理を、各画像ファイルに付帯され、画像の撮影に用いたデジタルカメラ1のメーカ固有情報に基づいて特定することができる。即ち、メーカ固有情報としての撮影モードに対応するエフェクト処理をエフェクト特定用テーブル26fから適正に特定することができるので、各画像に対してその撮影モードに関連する適正なエフェクト処理を施して複数の画像をスライドショー再生して表示装置3に表示することができる。
また、複数の画像ファイルの中からの所望の画像ファイルの検索を、各画像の撮影モードに基づいて行うことができるので、所望画像の検索をより適正に、且つ、簡便に行うことができる。従って、より利便性の高いデジタルアルバムシステム100を提供することができる。
【0053】
<画像分類処理>
また、上記実施形態のデジタルアルバムシステム100にあっては、CPU27は、エフェクト特定処理にて特定された撮影モードに従って複数の画像ファイルを分類するようにしても良い。
即ち、CPU27は、メモリ26から読み出した画像分類プログラム26dの実行に基づいて、撮影モードを分類項目として複数の画像ファイルを分類する画像分類処理を行うようになっている。また、画像分類処理にあっては、CPU27は、エフェクト特定処理にて特定された撮影モードに加えて、操作入力部23を介して入力された新規分類項目を分類項目として複数の画像ファイルを分類するようにしても良い。
具体的には、例えば、図5に示すように、CPU27の制御下にて、表示装置3に画像分類画面G1を表示させて、エフェクト特定処理にて特定される撮影モード(例えば、「花火」)を表示したり、新規分類項目(例えば、「人物」)の追加等を受け付けるようになっている。
ここで、新規分類項目の追加は、例えば、ユーザによる操作入力部23の所定操作に基づいて行われるようになっており、新規分類項目名は、直接入力されるようにしても良いし、予めデフォルトとして設定された中から選択されて入力されるようにしても良い。なお、新規分類項目名が直接入力された場合には、CPU27の制御下にて、例えば、所定の類語テーブルに基づいて入力された新規分類項目名の類語検索を行って、分類項目を特定するようにするのが好ましい。
これにより、画像管理装置2は、複数の画像ファイルをエフェクト特定処理にて特定された撮影モードや新規入力された新規分類項目に基づいて分類することができ、画像ファイルの管理をメーカ固有情報や新規分類項目に基づいて簡便に、かつ、適正に行うことができ、より利便性の高いデジタルアルバムシステム100を提供することができる。また、画像検索処理にあっては、分類項目の一覧を表示装置3に表示させることで当該分類項目に基づいて画像検索をより簡便に行うことができることとなる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態では、Exif画像ファイルを例示して、スライドショー再生の際のエフェクト処理の特定、画像の検索、画像の分類等をExifタグ情報のメーカ固有情報を画像の内容に関連する識別情報として用いて行うようにしたが、これに限られるものではない。
即ち、Exif画像ファイル以外の画像ファイルであっても、例えば、ユーザによる操作入力部23の所定操作に基づいて入力されたキャプションや画像のタイトル等を画像の内容に関連する識別情報として用いることによりエフェクト処理の特定等を行うことができる。具体的には、例えば、キャプション等であれば、エフェクト処理等をユーザが手作業で編集する場合に比べてキーボードの簡単な操作だけで簡便に入力することができ、当該キャプション等に則したより適正なエフェクト処理を施して画像をスライドショー再生することができる。
【0055】
また、上記実施形態では、画像ファイルの撮影モード名に関する情報を付加情報として当該画像ファイルに付加するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、撮影モード名に関する情報を各画像ファイルと対応付けて画像記憶部22等に記憶するようにしても良い。
【0056】
さらに、上記実施形態における撮影モードテーブル26eやエフェクト特定用テーブル26fに係る撮影モードやエフェクト処理の内容は、一例であってこれらに限定されるものではない。即ち、画像の内容に関連する識別情報に基づいて特定することができ、ユーザにとってより興趣性の高いエフェクト処理であれば、如何なるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を適用した好適な一実施形態として例示するデジタルアルバムシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1のデジタルアルバムシステムに備わる画像管理装置の要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の画像管理装置のEEPROMに記憶されている撮影モードテーブルを模式的に示した図である。
【図4】図2の画像管理装置のEEPROMに記憶されているエフェクト特定用テーブルを模式的に示した図である。
【図5】図1のデジタルアルバムシステムに備わる表示装置に表示されるエフェクト特定画面を模式的に示した図である。
【図6】図1のデジタルアルバムシステムによる画像読込処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】図1のデジタルアルバムシステムによる画像再生処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
100 デジタルアルバムシステム(画像表示システム、画像検索システム)
1 デジタルカメラ(撮影装置)
13 メモリカード(画像記録媒体)
2 画像管理装置
21 データ読取部
23 操作入力部(分類項目入力手段)
26 メモリ(記憶手段)
26e 撮影モードテーブル
26f エフェクト特定用テーブル
27 CPU(画像取得手段、再生手段、エフェクト特定手段、画像分類手段、画像検索手段)
3 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録媒体に記録された複数の画像情報を管理する画像管理装置と、前記画像管理装置により管理される前記画像情報に基づいて画像を表示する表示装置とを備える画像表示システムであって、
前記複数の画像情報は、対応する画像の内容に関連する識別情報を含み、
前記画像管理装置は、
前記画像記録媒体から前記画像情報を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記複数の画像情報に基づいて所定の画像をスライドショー再生する再生手段と、
前記画像情報の前記識別情報に基づいて、当該画像情報の前記再生手段による前記スライドショー再生の際のエフェクト処理を特定するエフェクト特定手段と、を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
画像を撮影して画像情報を取得する撮影手段と、前記撮影手段により取得された前記画像情報を記録する前記画像記録媒体を有する撮影装置を備え、
前記画像情報は、前記識別情報として、当該画像の撮影に用いた前記撮影装置の製造元固有の製造元固有情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記画像管理装置は、
前記画像取得手段により取得された前記複数の画像情報の前記製造元固有情報に基づいて、前記複数の画像情報を所定の分類項目毎に分類する画像分類手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記画像管理装置は、
前記複数の画像情報の分類に係る新規分類項目を入力する分類項目入力手段を備え、
前記画像分類手段は、さらに、前記分類項目入力手段により入力された前記新規分類項目に従って前記複数の画像情報を分類することを特徴とする請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記画像管理装置は、
前記製造元固有情報と前記エフェクト処理とを対応付けて記憶する記憶手段を備え、
前記エフェクト特定手段は、さらに、前記画像情報の前記製造元固有情報と対応付けられた前記エフェクト処理を前記記憶手段から取得して特定することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の画像表示システム。
【請求項6】
画像記録媒体に記録された複数の画像情報を管理する画像管理装置と、前記画像管理装置により管理される前記画像情報に基づいて画像を表示する表示装置とを備える画像検索システムであって、
前記複数の画像情報は、対応する画像の内容に関連する識別情報を含み、
前記画像管理装置は、
前記画像記録媒体から前記画像情報を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記複数の画像情報の中から、当該画像情報の前記識別情報に基づいて所望の画像の画像情報を検索する画像検索手段と、を備えることを特徴とする画像検索システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−243570(P2007−243570A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62730(P2006−62730)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】