説明

画像表示装置および画像表示方法

【課題】単色画像データを表示する際に偽色が発生する可能性がある。
【解決手段】表示対象の画像データが単色画像データであるか否かを判定し(S820)、表示対象の画像データが単色画像データであると判定すると、単色画像データに対して高周波成分を低減する高周波低減処理を施す(S830)。高周波低減処理が施された単色画像データを表示(S840)することにより、偽色の発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単色画像データを表示する画像表示装置および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀塩写真のような粒状感を再現するために、画像データに対してノイズパターンを重畳する技術が提案されている。特許文献1に記載の技術では、画素単位で乱数を発生させ、周波数フィルタ処理やスケール変更を行って、期待する粒状度の粒状を画像に重畳させている。また、特許文献2に記載の技術では、均一露光されたカラーフィルムから得られた露光画像から平滑化した画像を減算することにより、粒状パターンを算出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,641,596号明細書
【特許文献2】特開平11−85955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、自然画においては、隣接画素間の相関が高い。従って、画像データの各画素をそのまま表示パネルの画素に対応させ、表示パネルのカラーフィルタに該当する画像データの色情報のみ表示するような表示方法を用いて表示しても、違和感が無く、かつ、十分な解像感の画像表示が可能である。しかしながら、粒状感が付加されたモノクロ画像においては、隣接する画素の輝度値の相関は低く、輝度値の差が大きいため、同様の表示方法で表示すると、表示パネルにおいて注目している画素の輝度値と、隣接してカラーフィルタの異なる画素の輝度値とが大きく異なることがあり、本来存在しないはずの偽色が生じてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、偽色が発生しないように、単色画像データを表示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る画像表示装置は、表示対象の画像データが単色画像データであるか否かを判定する判定部と、画像データに対して高周波成分を低減する高周波低減処理を施す高周波低減処理部と、前記判定部によって、表示対象の画像データが単色画像データであると判定されると、前記単色画像データに対して前記高周波低減処理が行われるように前記高周波低減処理部を制御する制御部と、前記高周波低減処理が施された単色画像データを表示する表示部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様に係る画像表示方法は、画像データを表示部に表示する画像表示方法であって、表示対象の画像データが単色画像データであるか否かを判定するステップと、表示対象の画像データが単色画像データであると判定すると、前記単色画像データに対して高周波成分を低減する高周波低減処理を施すステップと、前記高周波低減処理が施された単色画像データを表示するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、単色画像データを表示する際の偽色の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態における画像表示装置を適用したデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像表示装置を適用したデジタルスチルカメラで行われるメインの処理フローを示すフローチャートである。
【図3】静止画撮影・画像処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】ライブビュー表示・動画撮影・画像処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】再生処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】現像処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】LCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】画像データをLCDに表示する方法を説明するための図である。
【図9】第2の実施形態における画像表示装置によって行われるLCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態における画像表示装置によって行われるLCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】単色画像データに対して、水平方向3画素の平均化処理を行ってから、LCDに表示させる処理を説明するための図である。
【図12】第4の実施形態における画像表示装置によって行われるLCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】単色画像データに対して、水平方向に3分の1のサイズになるように縮小する処理を行った後、ニアレストネイバー補間法によって、水平方向に3倍に拡大する処理を行ってから、LCDに表示させる処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における画像表示装置を適用したデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。図1に示すデジタルスチルカメラは、カメラ本体1と交換式レンズ2から構成される。
【0011】
交換式レンズ2は、レンズ1010と、Flashメモリ1011と、マイクロコンピュータ1012と、ドライバ1013と、絞り1014と、を有している。交換式レンズ2は、I/F999を介して、カメラ本体1と通信可能に接続されている。
【0012】
カメラ本体1は、メカシャッター101と、撮像素子102と、アナログ処理部103と、アナログ/デジタル変換部104(以下、A/D変換部104)と、バス105と、SDRAM106と、画像処理部107と、AE処理部108と、AF処理部109と、画像圧縮展開部110と、メモリインターフェース111(以下、メモリI/F111)と、記録媒体112と、LCDドライバ113と、LCD114と、マイクロコンピュータ115と、操作部116と、Flashメモリ117と、ノイズパターン生成部118と、画像加算部119と、を有している。
【0013】
レンズ1010は、被写体の光学像を撮像素子102に集光させる。レンズ1010は、単焦点レンズであってもよいし、ズームレンズであってもよい。
【0014】
マイクロコンピュータ1012は、I/F999、Flashメモリ1011、および、ドライバ1013と接続されていて、Flashメモリ1011に記憶されている情報の読み込み・書き込みを行うとともに、ドライバ1013を制御する。Flashメモリ1011に記憶されている情報には、交換式レンズ2の焦点距離のデータなどが含まれる。
【0015】
マイクロコンピュータ1012は、さらに、I/F999を介して、マイクロコンピュータ115と通信することができ、様々な情報をマイクロコンピュータ115へ送信し、また、マイクロコンピュータ115から絞り値等の情報を受信する。
【0016】
ドライバ1013は、マイクロコンピュータ1012の指示を受けて、レンズ1010を駆動させて、焦点距離やフォーカス位置の変更を行うとともに、絞り1014を駆動する。絞り1014は、レンズ1010の近傍に設けられ、被写体の光量を調節する。
【0017】
メカシャッター101は、マイクロコンピュータ115の指示を受けて駆動し、撮像素子102に被写体を露光する時間を制御する。
【0018】
撮像素子102は、各画素を構成するフォトダイオードの前面に、ベイヤー配列のカラーフィルタが配置された撮像素子である。ベイヤー配列は、水平方向にR画素とG(Gr)画素が交互に配置されたラインと、G(Gb)画素とB画素が交互に配置されたラインとを有し、さらにその2つのラインを垂直方向にも交互に配置することで構成されている。この撮像素子102は、レンズ1010により集光された光を、画素を構成するフォトダイオードで受光して光電変換することで、光の量を電荷量としてアナログ処理部103へ出力する。なお、撮像素子102は、CMOS方式のものでもCCD方式のものでも良い。
【0019】
アナログ処理部103は、撮像素子102から読み出された電気信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに目的の明るさとなるように、ゲインアップを行う。A/D変換部104は、アナログ処理部103から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号(以後、画像データという)に変換する。
【0020】
バス105は、デジタルカメラ内部で発生した各種データをデジタルカメラ内の各部に転送するための転送路である。バス105は、A/D変換部104と、SDRAM106と、画像処理部107と、AE処理部108と、AF処理部109と、画像圧縮展開部110と、メモリI/F111と、LCDドライバ113と、マイクロコンピュータ115と、ノイズパターン生成部118と、画像加算部119に接続されている。
【0021】
A/D変換部104から出力される画像データは、バス105を介して一旦SDRAM106に記憶される。SDRAM106は、A/D変換部104において得られた画像データや、画像処理部107、画像圧縮展開部110、画像加算部119において処理された画像データ等の各種データが一時的に記憶される記憶部である。
【0022】
画像処理部107は、オプティカルブラック減算部1071(以下、OB減算部1071)、ホワイトバランス補正部1072(以下、WB補正部1072)、同時化処理部1073、カラーマトリクス演算部1074、ガンマ・色再現処理部1075、エッジ強調処理部1076、および、ノイズ低減処理部1077(以下、NR処理部1077)を含み、SDRAM106から読み出した画像データに対して様々な画像処理を施す。
【0023】
OB減算部1071は、画像データに対して、オプティカルブラック減算処理(以下、OB減算処理)を行う。OB減算処理は、画像データを構成する各画素の画素値から、撮像素子102の暗電流等に起因するオプティカルブラック値(以下、OB値)を減算する処理である。
【0024】
WB補正部1072は、画像データに対して、ホワイトバランスモードに応じたホワイトバランスゲインを乗じて、ホワイトバランスを補正する処理を行う。ホワイトバランスモードは、晴天、曇天、電球、蛍光灯などの光源に応じて、ユーザが設定可能である。
【0025】
同時化処理部1073は、ベイヤー配列による画像データから、1画素あたりR、G、Bの情報からなる画像データへ同時化する処理を行う。カラーマトリクス演算部1074は、画像データに対して、カラーマトリクス係数を乗じる線形変換を行って、画像データの色を補正する。ガンマ・色再現処理部1075は、ガンマ補正処理、および、画像の色味を変化させる色再現処理を行う。
【0026】
エッジ強調処理部1076は、バンドパスフィルタを用いて、画像データからエッジ成分を抽出し、抽出したエッジ成分のデータに、エッジ強調度に応じた係数を乗じてから、画像データに加算することにより、画像データのエッジを強調する処理を行う。
【0027】
NR処理部1077は、高周波を低減するフィルタを用いた処理や、コアリング処理等により、ノイズを低減する処理を行う。
【0028】
画像処理部107によって各処理が行われた後の画像データは、SDRAM106に記憶される。
【0029】
AE処理部108は、画像データから被写体輝度を算出する。被写体輝度を算出するためのデータは、専用の測光センサの出力であってもよい。AF処理部109は、画像データから高周波成分の信号を取り出し、AF(Auto Focus)積算処理により、合焦評価値を取得する。
【0030】
ノイズパターン生成部118は、画像データに加算するノイズパターンデータを生成する。具体的には、Flashメモリ117記憶されているノイズパターンデータに基づいて、加算する画像データと同じサイズのノイズパターンデータを生成する。このノイズパターンデータは、銀塩粒子による粒状感に似せた粒状パターンのデータである。生成されたノイズパターンデータは、SDRAM106に記憶される。
【0031】
画像加算部119は、SDRAM106に記憶されている画像データとノイズパターンデータとを加算する。ノイズパターンデータを加算した画像データは、SDRAM106に記憶される。
【0032】
画像圧縮展開部110は、静止画像データの記録時には、SDRAM106から画像データを読み出し、読み出した画像データをJPEG圧縮方式に従って圧縮して、圧縮したJPEG画像データを、SDRAM106に一旦記憶する。マイクロコンピュータ115は、SDRAM106に記憶されたJPEG画像データに対して、JPEGファイルを構成するために必要なJPEGヘッダを付加してJPEGファイルを作成し、作成したJPEGファイルを、メモリI/F111を介して記録媒体112に記録する。
【0033】
画像圧縮展開部110は、また、動画データの記録時には、SDRAM106から動画データを読み出し、読み出した動画データを、例えば、H.264方式に従って圧縮して、圧縮した動画データをSDRAM106に一旦記憶する。画像圧縮展開部110は、さらに、マイクロコンピュータ115からの指令に基づいて、圧縮データを展開(伸長)する処理を行う。
【0034】
記録媒体112は、例えばカメラ本体1に着脱可能なメモリカードからなる記録媒体であるが、これに限定されるものではない。
【0035】
LCDドライバ113は、表示画像処理部120を備え、LCD114に画像を表示させる。表示画像処理部120は、LCD114に表示させる画像が単色画像である場合に、画像の高周波成分を低減させる処理を行う。すなわち、表示画像が単色画像の場合には、高周波低減処理後の画像がLCD114に表示され、非単色画像の場合には、高周波低減処理を施さない画像がLCD114に表示される。LCD114は、後述するように、画像データを構成する各画素のデータのうちの一部のデータを表示する表示部である。
【0036】
ここで、画像の表示には、撮影直後の画像データを短時間だけ表示するレックビュー表示、記録媒体112に記録されたJPEGファイルの再生表示、および、ライブビュー表示等の動画の表示が含まれる。記録媒体112に記録された圧縮データを再生する場合、画像圧縮展開部110は、記録媒体112に記録されている圧縮データを読み出して展開(伸長)処理を施した上で、展開したデータを一旦SDRAM106に記憶させる。LCDドライバ113は、伸張されたデータをSDRAM106から読み出し、読み出したデータを映像信号へ変換した後でLCD114へ出力して表示を行う。
【0037】
制御部としての機能を有するマイクロコンピュータ115は、デジタルカメラ本体1の各種シーケンスを統括的に制御する。マイクロコンピュータ115には、操作部116およびFlashメモリ117が接続されている。
【0038】
操作部116は、電源ボタン、レリーズボタン、動画ボタン、再生ボタン、各種入力キー等の操作部材である。ユーザによって、操作部116の何れかの操作部材が操作されることにより、マイクロコンピュータ115は、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。電源ボタンは、当該デジタルカメラの電源のオン/オフ指示を行うための操作部材である。電源ボタンが押されると、当該デジタルカメラの電源がオンとなる。再度、電源ボタンが押されると当該デジタルカメラの電源はオフとなる。レリーズボタンは、ファーストレリーズスイッチとセカンドレリーズスイッチの2段スイッチを有して構成されている。レリーズボタンが半押しされて、ファーストレリーズスイッチがオンされた場合に、マイクロコンピュータ115は、AE処理やAF処理等の撮影準備シーケンスを行う。また、レリーズボタンが全押しされて、セカンドレリーズスイッチがオンされた場合に、マイクロコンピュータ115は、撮影シーケンスを実行して撮影を行う。
【0039】
再生ボタンは、撮影により得られた静止画または動画をLCD114に表示させるためのボタンである。
【0040】
動画ボタンは、動画の撮影を開始させ、また終了させるためのボタンである。初期状態では動画未撮影状態であるので、この状態で動画ボタンを押すと動画の撮影を開始し、動画撮影中に動画ボタンを押すと、動画の撮影を終了する。従って、動画ボタンを押すたびに、動画の撮影開始と終了を交互に繰り返す。
【0041】
Flashメモリ117は、ホワイトバランスモードに応じたホワイトバランスゲインやカラーマトリクス係数、ローパスフィルタ係数等のデジタルカメラの動作に必要な各種パラメータ、銀塩粒子による粒状感に似せた粒状パターンのノイズデータ、および、デジタルスチルカメラを特定するための製造番号などを記憶している。また、Flashメモリ117は、マイクロコンピュータ115にて実行する各種プログラムも記憶している。マイクロコンピュータ115は、Flashメモリ117に記憶されているプログラムに従い、またFlashメモリ117から各種シーケンスに必要なパラメータを読み込み、各処理を実行する。
【0042】
図2は、第1の実施形態に係る画像表示装置を適用したデジタルスチルカメラで行われるメインの処理フローを示すフローチャートである。ユーザにより電源ボタンが押されて、デジタルスチルカメラの電源がオンになると、マイクロコンピュータ115は、ステップS201の処理を開始する。
【0043】
ステップS201では、記録中フラグをオフに初期化する。記録中フラグは、動画撮影中にオン、動画を撮影していない時にオフとなるフラグである。
【0044】
ステップS202では、ユーザによって、再生ボタンが操作されたか否かを判定する。再生ボタンが操作されたと判定するとステップS203に進み、操作されていないと判定すると、ステップS204に進む。
【0045】
ステップS203では、撮影により得られた静止画または動画を再生する処理を行う。再生処理の詳細については、図5を用いて後述する。
【0046】
ステップS204では、ユーザによって、動画ボタンが操作されたか否かを判定する。動画ボタンが操作されたと判定するとステップS205に進み、操作されていないと判定すると、ステップS206に進む。
【0047】
ステップS205では、記録中フラグを反転させて、ステップS206に進む。前述したように、動画ボタンは押されるたびに、動画撮影開始と終了を交互に繰り返すので、このステップでは、記録中フラグがオフであった場合にはオンに、またオンであった場合にはオフに、記録中フラグを反転させる。
【0048】
ステップS206では、記録中フラグがオンであるか否かを判定する。記録中フラグがオンであると判定すると、ステップS211に進む。ステップS211では、動画記録中であると判定すると、撮像素子102からの画像信号に基づく動画の画像データについて画像処理および画像圧縮を行った後、記録媒体112に記録する。また、動画記録中ではないと判定すると、静止画撮影における被写体構図やシャッタタイミングの決定を行うためのライブビュー表示を行う。ステップS211のライブビュー表示・動画撮影・画像処理の詳細については、図4を用いて後述する。
【0049】
一方、ステップS206において、記録中フラグがオフであると判定すると、ステップS207に進む。ステップS207では、ユーザによってレリーズボタンが半押しされて、ファーストレリーズスイッチがオンされたか否かを判定する。ファーストレリーズスイッチがオンされたと判定すると、ステップS208に進む。
【0050】
ステップS208では、AF処理を行う。具体的には、まず、AF処理部109において、合焦評価値を算出する。マイクロコンピュータ115は、合焦評価値に基づいて、レンズ1010を駆動させる指令をドライバ1013に出す。ドライバ1013は、この指令に基づいて、レンズ1010を駆動させて、焦点距離やフォーカス位置の変更を行う。
【0051】
ステップS207において、ファーストレリーズスイッチがオンされなかった場合、または、ファーストレリーズスイッチがオンされたままの状態の場合には、ステップS209に進む。ステップS209では、ユーザによってレリーズボタンが全押しされて、セカンドレリーズスイッチがオンされたか否かを判定する。セカンドレリーズスイッチがオンされたと判定するとステップS210に進み、セカンドレリーズスイッチがオンされないと判定すると、ステップS211に進む。
【0052】
ステップS210では、静止画撮影・画像処理を行う。静止画撮影・画像処理の詳細については、図3を用いて後述する。
【0053】
ステップS212では、デジタルスチルカメラの電源がオフされたか否かを判定する。電源がオフされていないと判定すると、ステップS202に戻り、上述した処理を行う。一方、ユーザにより電源ボタンが押されて、電源がオフされると、フローチャートの処理を終了する。
【0054】
このように、本実施形態におけるメインフローでは、初期設定では静止画撮影モードになっており、この状態では、ステップS202→S204→S206→S207→S209→S211→S212→S202を順次実行し、この間ライブビュー表示を行う。ライブビュー表示中に、レリーズボタンが半押しされると、ステップS208においてAF動作を行い、またレリーズボタンが全押しされると、ステップS210において静止画の撮影を行う。また、動画ボタンを押すと、ステップS205において記録中フラグをオンとし、ステップS206→S211→S212→S202→S204→S206を繰り返し実行することにより、動画撮影を継続する。この状態で再度、動画ボタンを押すと、ステップS205において記録中フラグがオフとなることから、前述の静止画のフローに戻る。
【0055】
図3は、図2に示すフローチャートのステップS210の処理、すなわち、静止画撮影・画像処理の詳細を示すフローチャートである。
【0056】
ステップS310では、AE処理を行う。具体的には、AE処理部108において、被写体輝度を算出し、算出した被写体輝度に基づいて、Flashメモリ117に記憶されている露出条件決定テーブルを参照することにより、撮影時のISO感度、絞り、およびシャッター速を決定する。
【0057】
ステップS320では、撮影を行う。撮影(静止画撮影)に関しては、従来から用いられている手法と同様である。ドライバ1013は、マイクロコンピュータ1012の指示に基づいて、設定された絞り値になるように絞り1014を駆動させる。そして、決定したシャッター速に基づいて、メカシャッター101を制御して撮影を行い、決定したISO感度に応じた画像データを得る。
【0058】
ステップS330では、ステップS320の撮影で得られた画像データ(ベイヤーデータ)に対して様々な画像処理を施して、輝度(Y)および色差(Cb、Cr)信号データに変換する現像処理を行う。現像処理の詳細については、図6を用いて後述する。
【0059】
ステップS340では、LCDドライバ113により、撮影により得られた画像データを短時間だけLCD114に表示させる。この表示は、いわゆるレックビュー表示である。この表示処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0060】
ステップS350では、画像圧縮展開部110において、画像データに対して、JPEG圧縮を行い、画像サイズや撮影条件などのヘッダ情報を付加して、JPEGファイルを生成する。
【0061】
ステップS360では、ステップS350で生成したJPEGファイルを、メモリI/F111を介して記録媒体112に記録する。
【0062】
図4は、図2に示すフローチャートのステップS211の処理、すなわち、ライブビュー表示・動画撮影・画像処理の詳細を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS410では、AE処理を行う。この処理は、図3に示すフローチャートのステップS310の処理と同じである。
【0064】
ステップS420では、撮影を行う。撮影(動画撮影)に関しては、従来から用いられている手法と同様である。すなわち、決定した絞り、シャッター速、ISO感度に基づいて、いわゆる電子シャッターを制御して撮影を行う。
【0065】
ステップS430では、ステップS420の撮影で得られた画像データ(ベイヤーデータ)に対して様々な画像処理を施して、輝度(Y)および色差(Cb、Cr)信号データに変換する現像処理を行う。現像処理の詳細については、図6を用いて後述する。
【0066】
ステップS440では、LCDドライバ113により、画像データをLCD114に表示させる。この表示は、いわゆるライブビュー表示である。この表示処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0067】
ステップS450では、動画が記録中であるか否かを判定する。記録中フラグがオフの場合には、動画記録中ではないと判定して、本フローチャートの処理を終了し、記録中フラグがオンの場合には、動画記録中であると判定して、ステップS460に進む。
【0068】
ステップS460では、動画ファイルを生成して、記録媒体112に記録する。すなわち、画像圧縮展開部110において、画像データに対して、動画ファイルの形式に応じた圧縮を行い、所定のヘッダ情報を付加して、動画ファイルを生成する。動画ファイルの圧縮形式には、「H.264」、「Motion JPEG」、「MPEG」などがある。そして、生成した動画ファイルを、メモリI/F111を介して記録媒体112に記録する。
【0069】
図5は、図2に示すフローチャートのステップS203の処理、すなわち、再生処理の詳細を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS500では、ユーザによる操作部116の操作に基づいて、LCD114に表示する画像ファイルを決定する。ユーザによって、再生ボタンが押されると、記録媒体112に記録されている動画ファイルおよび静止画ファイルをLCD114に一覧表示(サムネイル表示)させる。動画ファイルについては、最初のフレームの画像をサムネイル表示させる。ユーザは、操作部116に含まれる十字キーなどを操作することによって、LCD114に表示させたいファイルを選択する。この選択されたファイルを、LCD114に表示する画像ファイルとして決定する。
【0071】
ステップS510では、ステップS500で決定した画像ファイルが動画ファイルであるか否かを判定する。動画ファイルではなく静止画ファイルであると判定すると、ステップS580に進む。
【0072】
ステップS580では、画像圧縮展開部110において、記録媒体112に記録されているファイルの中から、ステップS500で決定した静止画ファイルを選択して展開することにより、LCD114に表示させる画像データを取得する。
【0073】
ステップS590では、LCDドライバ113により、ステップS580で取得した画像データをLCD114に表示させる。この表示処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0074】
一方、ステップS510において、ステップS500で決定した画像ファイルが動画ファイルであると判定するとステップS520に進む。ステップS520では、動画ファイルのヘッダ情報に含まれるフレーム数の情報を取得する。
【0075】
ステップS530では、フレーム数をカウントするパラメータNを初期値の1に設定する。
【0076】
ステップS540では、画像圧縮展開部110において、記録媒体112に記録されているファイルの中から、ステップS500で決定した動画ファイルを選択し、Nフレーム目の画像データを展開する処理を行う。
【0077】
ステップS550では、LCDドライバ113により、ステップS540で取得したNフレーム目の画像データをLCD114に表示させる。この表示処理の詳細については、図7を用いて後述する。
【0078】
ステップS560では、パラメータNに1を加算して、ステップS570に進む。
【0079】
ステップS570では、パラメータNが動画ファイルのフレーム数より大きいか否かを判定する。パラメータNが動画ファイルのフレーム数以下であると判定すると、ステップS540に戻って、次のフレームの画像データを展開し(ステップS540)、LCD114に表示させる(ステップS550)処理を行う。一方、パラメータNが動画ファイルのフレーム数より大きいと判定すると、再生処理を終了する。
【0080】
図6は、図3に示すフローチャートのステップS330の処理、および、図4に示すフローチャートのステップS430の処理、すなわち、現像処理の詳細を示すフローチャートである。
【0081】
ステップS610では、OB減算部1071により、撮影により得られた画像データから、撮像時に得られたOB値を減算するOB減算処理を施す。
【0082】
ステップS620では、WB補正部1072により、OB減算処理が施された画像データに対して、ホワイトバランスモードに応じたホワイトバランスゲインを乗じて、ホワイトバランスを補正する処理を行う。なお、ホワイトバランスモードは、ユーザが操作部116に含まれる入力キーを操作することによって、1回の撮影ごとに設定することができる。マイクロコンピュータ115は、ユーザによる操作部116の操作に基づいて、ホワイトバランスモードを設定する。また、デジタルスチルカメラがホワイトバランスを自動的に調整するオートホワイトバランス機能を備えている場合、マイクロコンピュータ115は、撮影時の光源に応じたホワイトバランスモードを自動的に設定する。
【0083】
ステップS630では、同時化処理部1073により、ホワイトバランス補正処理が施された画像データに対して、同時化処理を施す。
【0084】
ステップS640では、カラーマトリクス演算部1075により、同時化処理が施された画像データに対して、ホワイトバランスモードに応じたカラーマトリクス係数を乗じるカラーマトリクス演算を行う。
【0085】
ステップS650では、ガンマ・色再現処理部1074により、カラーマトリクス演算が行われた画像データに対して、ガンマ補正処理、および、画像の色味を変化させる色再現処理を行う。
【0086】
ステップS660では、エッジ強調処理部1076により、ガンマ補正処理および色再現処理が行われた画像データに対して、エッジ強調処理を行う。
【0087】
ステップS670では、NR処理部1077により、エッジ強調処理が行われた画像データに対して、ノイズを低減する処理を行う。ノイズ低減処理は、コアリングパラメータに基づいたコアリング処理、または、ノイズ低減パラメータ(以下、NRパラメータ)に基づいて、高周波を低減するフィルタを用いた処理を行う。
【0088】
ステップS680では、撮影モードがモノクロフィルムモードであるか否かを判定する。モノクロフィルムモードとは、モノクロフィルムで撮影されたモノクロ写真のような画像を生成する撮影モードである。撮影モードがモノクロフィルムモードであると判定すると、ステップS690に進む。
【0089】
ステップS690では、ノイズパターン生成部118により、画像データに加算するノイズパターンデータを生成する。具体的には、Flashメモリ117記憶されているノイズパターンデータに基づいて、加算する画像データと同じサイズのノイズパターンデータを生成する。
【0090】
ステップS700では、画像加算部119により、ステップS610からステップS670までの処理が施された画像データと、ステップS690で生成されたノイズパターンデータとを加算する。
【0091】
ステップS710では、ガンマ・色再現処理部1074により、ノイズパターンが加算された画像データに対して、色差成分を0に設定するとともに、ハイコントラストなガンマ処理を施す。
【0092】
一方、ステップS680で撮影モードがモノクロフィルムモードではないと判定すると、ステップS720に進む。ステップS720では、撮影モードがセピアモードであるか否かを判定する。セピアモードとは、セピア調の画像を生成する撮影モードである。撮影モードがセピアモードではないと判定すると、現像処理を終了し、セピアモードであると判定すると、ステップS730に進む。
【0093】
ステップS730では、ガンマ・色再現処理部1074により、セピア調の画像を生成するために、色差信号Cb、Crを所定値(例えば、Cb=−10、Cr=12)に固定する処理を行う。
【0094】
図7は、図3に示すフローチャートのステップS340の処理、図4に示すフローチャートのステップS440の処理、および、図5に示すフローチャートのステップS550、ステップS590の処理、すなわち、LCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【0095】
ステップS810では、LCD114の表示サイズに合わせて、表示する画像データの大きさをリサイズする。この処理は、画像処理部107で行ってもよいし、マイクロコンピュータ115で行ってもよい。
【0096】
ステップS820では、表示対象の画像が単色画像であるか否かを判定する。単色画像とは、色相が所定の範囲内に制限された画像であって、例えば、モノクロ画像やセピア調の画像である。この判定は、画像データに付随しているヘッダ情報に基づいて行う。本実施形態では、表示対象の画像がモノクロ画像またはセピア調の画像である場合に、単色画像であると判定する。表示対象の画像が単色画像ではないと判定するとステップS840に進み、単色画像であると判定すると、ステップS830に進む。
【0097】
ステップS830では、表示画像処理部120によって、表示対象の単色画像に対して、水平方向のローパスフィルタ処理を施す。ローパスフィルタ係数は、例えば5タップの場合、水平方向に、9/128、32/128、46/128、32/128、9/128とする。ただし、タップ数およびローパスフィルタ係数は、上記数値に限定されることはない。水平方向にローパスフィルタ処理を施すことにより、隣接する画素間の輝度差を小さくし、LCD114に単色画像を表示した際の偽色の発生を抑制することができる。
【0098】
ステップS840では、LCDドライバ113により、処理後の画像データをLCD114に表示する。処理後の画像データとは、単色画像の場合、ステップS830で水平ローパスフィルタ処理が施された画像データであり、単色画像以外の画像では、ステップS810でリサイズ処理が施された画像データである。
【0099】
図8は、画像データをLCD114に表示する方法を説明するための図である。ここでは、LCD114の画素配列をデルタ配列として説明するが、デルタ配列に限定されることはない。
【0100】
表示画像データの1画素には、R、G、Bのデータが含まれる。一方、LCD114の1画素には、R、G、Bのうちのいずれか一つのデータしか含まれない。従って、表示画像データをLCD114に表示する場合には、表示画像データの各画素のデータの中から、LCD114の各画素のカラーフィルタの色と同じデータを表示する。例えば、図8のLCD114の画素81はRフィルタに対応しているため、表示画像データの画素85のRGBデータのうち、Rデータを表示する。また、LCDの画素82はGフィルタに対応しているため、表示画像データの画素86のRGBデータのうち、Gデータを表示する。
【0101】
ここで、表示画像が自然画の場合には、複数の色が使用されており、かつ、画素間の相関が高いので、図8を用いて説明したような表示方法でも、十分な解像感を維持しつつ、偽色が目立たない表示が可能である。しかし、銀塩粒子による粒状感に似せた粒状パターンのようなノイズパターンを加算したモノクロ画像を表示する場合には、隣接する画素の輝度値の相関は低く、輝度値の差が大きいため、偽色が生じてしまう可能性がある。
【0102】
しかしながら、第1の実施形態における画像表示装置では、ノイズパターンを加算した単色画像に対して、水平ローパスフィルタ処理を施すので、隣接する画素の輝度値の相関を高くすることによって、偽色の発生を抑制することができる。
【0103】
以上、第1の実施形態における画像表示装置によれば、表示対象の画像データが単色画像データであるか否かを判定し、単色画像データであると判定すると、単色画像データに対して高周波低減処理を施してから、LCD114に表示する。これにより、単色画像の隣接する画素の輝度値の差が小さくなるので、LCD114に表示した際に、偽色の発生を抑制することができる。
【0104】
また、表示対象の画像データが非単色画像データである場合には、単色画像データに対して行う高周波低減処理を行わないので、非単色画像の表示画質を低下させることはない。
【0105】
<第2の実施形態>
第1の実施形態における画像表示装置では、LCD114に表示する画像が単色画像である場合に、水平方向のローパスフィルタ処理を施した。第2の実施形態における画像表示装置では、LCD114に表示する画像が単色画像以外の画像である場合にも、水平方向のローパスフィルタ処理を施す。
【0106】
図9は、第2の実施形態における画像表示装置によって行われるLCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0107】
ステップS820で表示対象の画像が単色画像であると判定するとステップS910に進む。ステップS910では、水平ローパスフィルタ処理を施す際に用いるフィルタ係数Aを設定する。フィルタ係数Aは、単色画像データに水平ローパスフィルタ処理を施すためのフィルタ係数であり、例えば5タップの場合、下記(1)のように表される。このフィルタ係数は、予めFlashメモリ117に格納しておく。
フィルタ係数A:9/128、32/128、46/128、32/128、9/128 (1)
【0108】
ステップS820で表示対象の画像が単色画像ではないと判定するとステップS920に進む。ステップS920では、水平ローパスフィルタ処理を施す際に用いるフィルタ係数Bを設定する。フィルタ係数Bは、非単色画像データに水平ローパスフィルタ処理を施すためのフィルタ係数であり、例えば5タップの場合、下記(2)で表される。このフィルタ係数は、予めFlashメモリ117に格納しておく。
フィルタ係数B:−9/128、14/128、118/128、14/128、−9/128 (2)
【0109】
ステップS930では、表示画像処理部120によって、表示対象の画像に対して、水平ローパスフィルタ処理を施す。この時、ステップS910の処理を行った場合には、フィルタ係数Aを用い、ステップS920の処理を行った場合には、フィルタ係数Bを用いる。フィルタ係数Aとフィルタ係数Bとを比べて分かるように、非単色画像データ対しては、単色画像データに施すローパスフィルタ処理よりも弱いローパスフィルタ処理を施す。すなわち、非単色画像データに対してもローパスフィルタ処理を行うが、隣接する画素間の輝度値の差は、単色画像データに対してローパスフィルタ処理を行った場合ほど小さくならない。
【0110】
以上、第2の実施形態における画像表示装置によれば、単色画像データに対しては第1の高周波低減処理を行わせ、非単色画像データに対しては第1の高周波低減処理とは異なる第2の高周波低減処理を行わせる。これにより、単色画像データだけでなく、非単色画像データについても偽色の発生を抑制することができる。
【0111】
ここで、第1の高周波低減処理は、第2の高周波低減処理よりも高周波成分の低減効果が大きいので、単色画像データについては偽色の発生を効果的に抑制することができ、また、非単色画像データについては、表示画質の低下を抑制しつつ偽色の発生を抑制することができる。
【0112】
<第3の実施形態>
第3の実施形態における画像表示装置では、LCD114に表示する画像が単色画像である場合に、水平方向3画素のR、G、Bのそれぞれの平均値を求める水平平均化処理を行う。
【0113】
図10は、第3の実施形態における画像表示装置によって行われるLCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0114】
ステップS820で表示対象の画像が単色画像であると判定すると、ステップS1010に進む。ステップS1010では、単色画像データに対して、水平方向3画素のR、G、Bのそれぞれの平均値を求める水平平均化処理を行う。
【0115】
図11は、単色画像データに対して、水平方向3画素の平均化処理を行ってから、LCD114に表示させる処理を説明するための図である。図11では、水平平均化処理前の単色画像データ1170として、水平方向の6画素1110〜1160のみを示している。
【0116】
単色画像データ1170に対して、隣接する水平方向3画素の平均化処理を施すことにより、水平平均化処理後の画像データ1180を得る。例えば、隣接する水平方向3画素1110、1120、1130のRGBデータをそれぞれ、(R1、G1、B1)、(R2、G2、B2)、(R3、G3、B3)とし、R、G、Bデータの平均値Ra、Ga、Baを次式(3)、(4)、(5)よりそれぞれ求める。
Ra=(R1+R2+R3)/3 (3)
Ga=(G1+G2+G3)/3 (4)
Ba=(B1+B2+B3)/3 (5)
【0117】
従って、水平平均化処理後の画素1110、1120、1130のRGBデータはそれぞれ、(Ra、Ga、Ba)となる。同様に、隣接する水平方向3画素1140、1150、1160に対して平均化処理を施すことにより、水平平均化処理後のRGBデータ(Rb、Rg、Rb)を得る。水平平均化処理後の画像データ1180を、図8を用いた方法によってLCD114に表示させると、LCD114の各画素のデータ1190は、図11に示すようになる。
【0118】
ここで、3画素の水平平均化処理により得られたRGBデータRa、Ga、Baの輝度値の比とRb、Gb、Bbの輝度値の比はそれぞれ等しい。図11では、LCD114の各画素のデータ1190を6画素分しか示していないが、他の画素についても同様である。従って、LCD114を構成する各画素のうち、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタに対応する隣接3画素の輝度値の比が同じとなるので、偽色の発生を効果的に抑制することができる。また、水平方向のローパスフィルタ処理を施す場合に比べて、画像の解像感の低下を抑制することができる。
【0119】
以上、第3の実施形態における画像表示装置によれば、単色画像データをLCD114に表示した際に、LCD114の注目画素の輝度値と、注目画素とカラーフィルタの異なる1つ以上の隣接画素の輝度値の比が同一になるように、高周波低減処理を行う。これにより、偽色の発生をより効果的に抑制することができる。ここで、高周波低減処理として、水平方向の平均化処理を行うので、LCD114の注目画素の輝度値と、注目画素とカラーフィルタの異なる1つ以上の隣接画素の輝度値を確実に同一にすることができる。
【0120】
<第4の実施形態>
第4の実施形態における画像表示装置では、LCD114に表示する画像が単色画像である場合に、水平方向に3分の1のサイズになるように縮小する処理を行った後、ニアレストネイバー補間法によって、水平方向に3倍に拡大する処理を行う。
【0121】
図12は、第4の実施形態における画像表示装置によって行われるLCD表示処理の詳細を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理と同一の処理を行うステップについては、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
【0122】
ステップS820で表示対象の画像が単色画像であると判定すると、ステップS1200に進む。ステップS1200では、単色画像データを水平方向に3分の1のサイズになるように縮小する。
【0123】
ステップS1210では、水平方向に3分の1に縮小した単色画像データに対して、ニアレストネイバー補間法によって、水平方向に3倍に拡大する処理を行う。
【0124】
図13は、単色画像データに対して、水平方向に3分の1のサイズになるように縮小する処理を行った後、ニアレストネイバー補間法によって、水平方向に3倍に拡大する処理を行ってから、LCD114に表示させる処理を説明するための図である。
【0125】
単色画像データ1370に対して、水平方向に3分の1のサイズになるように縮小する処理を施すことにより、縮小処理後の画像データ1380を得る。図13に示す例では、水平方向に隣接する3画素のうちの1画素を抜き出すことにより、水平方向に3分の1のサイズになるように縮小している。なお、平均により縮小してもよい。
【0126】
続いて、縮小された画像データ1380を、ニアレストネイバー補間法によって、水平方向に3倍に拡大する処理を行うことにより、画像データ1390を生成する。ニアレストネイバー補間法では、最近傍の画素の画素値を用いた補間を行うので、図13に示すように、水平方向に隣接する3画素のRGBデータは等しくなる。すなわち、3画素1310、1320、1330のRデータ、Gデータ、Bデータはそれぞれ等しくなり、3画素1340、1350、1360のRデータ、Gデータ、Bデータはそれぞれ等しくなる。
【0127】
その後、水平方向に3倍に拡大した画像データ1190を、図8を用いた方法によってLCD114に表示させると、LCD114の各画素のデータ1400は、図13に示すようになる。
【0128】
これにより、LCD114を構成する各画素のうち、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタに対応する隣接3画素の輝度値が同じとなるので、偽色の発生を効果的に抑制することができる。また、水平方向のローパスフィルタ処理を施す場合に比べて、画像の解像感の低下を抑制することができる。
【0129】
以上、第4の実施形態における画像表示装置によれば、単色画像データを水平方向に1/3倍に縮小した後、縮小後の単色画像データをニアレストネイバー補間法によって、水平方向に3倍に拡大する処理を行う。これにより、水平方向に隣接する3画素の輝度値を同一にすることができるので、偽色の発生をより効果的に抑制することができる。
【0130】
なお、上述した第1〜第4の実施形態の説明では、画像表示装置が行う処理としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。この場合、画像表示装置は、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えている。ここでは、このプログラムを画像表示プログラムと呼ぶ。そして、CPUが上記記憶媒体に記憶されている画像表示プログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述の画像表示装置と同様の処理を実現させる。
【0131】
ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、この画像表示プログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該画像表示プログラムを実行するようにしても良い。
【0132】
本発明は、上述した第1〜第4の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、第3の実施形態では、表示画像データがRGBデータにより構成されているため、水平方向3画素の平均化処理を行った。しかし、表示画像データが2色または4色以上のデータにより構成されている場合には、構成色の数と同じ数の画素を対象として平均化処理を行えばよい。
【0133】
また、第4の実施形態において、表示画像データがN(Nは自然数)色のデータにより構成されている場合には、単色画像データを水平方向に1/N倍に縮小した後、縮小後の単色画像データをニアレストネイバー補間法によって、水平方向にN倍に拡大する処理を行うようにすればよい。
【0134】
図8を用いて説明したように、表示画像データの水平方向における各画素と、表示部であるLCD114の水平方向の各画素とを対応させた表示処理を行うので、上述した各実施形態では、水平方向のローパスフィルタ処理、平均化処理、縮小・拡大処理を行うものとして説明した。しかし、表示部の垂直方向における各画素と、表示画像データの垂直方向における各画素とを対応させた表示処理を行う方式の場合には、垂直方向のローパスフィルタ処理、平均化処理、縮小・拡大処理を行うようにすればよい。
【0135】
上述した実施形態では、RGBデータにより構成されている画像データから、LCD114の各画素のカラーフィルタに対応するデータを抜き出して表示するものとして説明した。しかし、例えば、YCbCrデータにより構成されている画像データに対して色変換を行うことにより、LCD114への表示を行う表示方式のものにも本発明を適用することができる。
【0136】
上述した実施形態では、画像表示装置をデジタルスチルカメラに適用した例を挙げて説明したが、デジタルビデオカメラや他の電子機器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0137】
1…カメラ本体
2…交換式レンズ
101…メカシャッター
102…撮像素子
103…アナログ処理部
104…アナログ/デジタル変換部
107…画像処理部
110…画像圧縮展開部
113…LCDドライバ
114…LCD
115…マイクロコンピュータ
117…Flashメモリ
118…ノイズパターン生成部
119…画像加算部
120…表示画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示対象の画像データが単色画像データであるか否かを判定する判定部と、
画像データに対して高周波成分を低減する高周波低減処理を施す高周波低減処理部と、
前記判定部によって、表示対象の画像データが単色画像データであると判定されると、前記単色画像データに対して前記高周波低減処理が行われるように前記高周波低減処理部を制御する制御部と、
前記高周波低減処理が施された単色画像データを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記判定部によって、表示対象の画像データが非単色画像データであると判定されると、前記非単色画像データに対しては前記高周波低減処理が行われないように前記高周波低減処理部を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記単色画像データに対しては第1の高周波低減処理を行わせ、非単色画像データに対しては前記第1の高周波低減処理とは異なる第2の高周波低減処理を行わせるように前記高周波低減処理部を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1の高周波低減処理は、前記第2の高周波低減処理よりも高周波成分の低減効果が大きい処理であることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記高周波低減処理部は、前記単色画像データに対する高周波低減処理として、水平方向のローパスフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記高周波低減処理部は、前記単色画像データを前記表示部に表示した際に、前記表示部の注目画素の輝度値と、前記注目画素とカラーフィルタの異なる1つ以上の隣接画素の輝度値の比が同一になるように、前記単色画像データに対する高周波低減処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記高周波低減処理部は、前記単色画像データに対する高周波低減処理として、水平方向の平均化処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記高周波低減処理部は、前記単色画像データに対する高周波低減処理として、前記単色画像データを縮小する処理と、縮小後の単色画像データを拡大する処理とを行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記高周波低減処理部は、前記単色画像データを水平方向に1/N(Nは自然数)倍に縮小した後、縮小後の単色画像データをニアレストネイバー補間法によって、水平方向にN倍に拡大する処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記表示部は、画像データを構成する各画素のデータのうちの一部のデータを表示することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記単色画像データは、ノイズデータが付加された単色画像データであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
画像データを表示部に表示する画像表示方法であって、
表示対象の画像データが単色画像データであるか否かを判定するステップと、
表示対象の画像データが単色画像データであると判定すると、前記単色画像データに対して高周波成分を低減する高周波低減処理を施すステップと、
前記高周波低減処理が施された単色画像データを表示するステップと、
を備えることを特徴とする画像表示方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate

【図1】
image rotate

【図8】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−147012(P2011−147012A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7185(P2010−7185)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】