画像表示装置及び画像形成装置
【課題】表示部の表示画面を大画面化することなく、複数頁分の画像の各内容を操作者が容易に把握できるようにする。
【解決手段】表示部410と、原稿読取部500と、原稿読取部500によって読み取られた複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出する特定領域抽出部523と、当該抽出された複数頁分の特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が表示部の表示画面に表示される表示画面データを生成する画面データ生成部524と、当該生成された表示画面データが示す画像を表示部410に表示させる表示制御部522とを備える画像表示装置。
【解決手段】表示部410と、原稿読取部500と、原稿読取部500によって読み取られた複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出する特定領域抽出部523と、当該抽出された複数頁分の特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が表示部の表示画面に表示される表示画面データを生成する画面データ生成部524と、当該生成された表示画面データが示す画像を表示部410に表示させる表示制御部522とを備える画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像形成装置に関し、特に、表示部の表示画面に複数頁分の画像を表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機等の画像形成装置では、複写対象として読み込んだ原稿の画像を、記録紙への画像形成前に、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部にプレビュー表示させるものが知られている。例えば、下記特許文献1に示される印刷プレビュー表示方法では、表示部の表示画面に、複数頁分の原稿画像を、各頁の原稿画像を互いに所定幅だけずらして表示することにより、印刷される内容と、複数頁分の原稿画像が印刷対象になっていることをユーザが把握できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−318581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示される従来技術は、各頁の原稿画像を互いに所定幅ずらして表示のみであるため、最前面に表示した頁の原稿画像以外の画像は大部分が表示されず、原稿画像の端部が表示されるに過ぎず、ユーザは、当該最前面頁の原稿画像の内容は把握できるが、当該最前頁の後ろに隠れる各原稿画像の内容を把握できない。また、表示部の表示領域を大きく構成して複数頁の原稿画像を表示可能にすると、製造コストを上昇させる要因になる。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、表示部の表示画面を大画面化することなく、複数頁分の画像の各内容を操作者が容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、画像を表示する表示部と、
画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出する特定領域抽出部と、
前記特定領域抽出部によって抽出された前記複数頁分の特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が前記表示部の表示画面に表示される表示画面データを生成する画面データ生成部と、
前記画面データ生成部によって生成された表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備える画像表示装置である。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記特定領域抽出部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像における予め定められた領域を前記特定領域として抽出するものである。
【0008】
これらの発明によれば、特定領域抽出部が、上記複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出し、画面データ生成部が、特定領域抽出部によって抽出された特定領域のデータを複数用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域を表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成し、表示制御部が、当該表示画面データの示す画像を前記表示部に表示させるので、操作者は、複数頁分の画像を表示画面で一度に視認する場合であっても、当該表示画面に表示される各頁画像の上記特定領域に示される内容について、当該表示画面により同時に把握することができる。このため、本発明によれば、表示部の表示画面を大画面化せずに製造コスト上昇を抑えつつ、複数頁分の画像の各内容を操作者が容易に把握可能にすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像において前記特定領域とする領域の指定を操作者から受け付ける領域指定受付部を更に備え、
前記特定領域抽出部は、前記領域指定受付部によって受け付けられた領域を前記特定領域として抽出するものである。
【0010】
この発明によれば、領域指定受付部により操作者から指定された領域を特定領域として、特定領域抽出部が、上記複数頁分の各画像データからそれぞれに抽出するので、操作者が関心の高い領域部分を確実に抽出して表示部の表示画面に表示させることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の画像表示装置であって、前記特定領域抽出部は、前記特定領域として、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像から、文字領域の占有率が予め定められた値に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像を含む領域を抽出するものである。
【0012】
この発明によれば、特定領域抽出部は、上記特定領域として、文字領域の占有率が予め定められた値に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像を含む領域を抽出するので、複数頁分の画像データから、操作者が注目すると想定される領域部分を的確に抽出して表示部の表示画面に表示させることができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を示す位置明示画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成するものである。
【0014】
この発明によれば、表示制御部により、表示部の表示画面に複数頁分の上記特定領域の画像が表示されたとき、操作者が、上記位置明示画像を視認することにより、上記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を容易に把握できる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像表示装置であって、前記画面データ生成部は、前記位置明示画像を、前記特定領域の画像を透過表示させる画像として生成するものである。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の画像表示装置であって、前記表示制御部は、前記表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させるとき、当該表示画像データが示す画像の表示開始時から予め定められた時間だけ、前記位置明示画像を前記特定領域の画像上に重ねて表示させるものである。
【0017】
これらの発明によれば、表示制御部により表示部の表示画面に上記特定領域の画像と上記位置明示画像が同時に表示されても、操作者は、上記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を容易に把握しつつ、当該特定領域の画像各部を明確に把握可能になる。
【0018】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記複数頁における当該各特定領域が属する画像データの頁番号を示す画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成するものである。
【0019】
各頁の画像データの一部のみが表示画面に表示される場合、表示された内容に基づくだけでは、操作者は、表示されている各特定領域が何ページ目の画像データの画像であるかを把握しづらいが、この発明によれば、表示制御部により表示部の表示画面に上記特定領域の画像と上記領域明示画像が同時に表示されても、当該各特定領域が何ページ目の画像データの画像であるかを容易に把握できる。
【0020】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の画像データのうち、前記画面データ生成部に前記表示画像データを生成させる画像データの頁の指定を操作者から受け付ける画像データ指定受付部を更に備え、
前記画面データ生成部は、前記画像データ指定受付部によって指定が受けられた頁の画像データを用いて前記表示画面データを生成するものである。
【0021】
この発明によれば、画面データ生成部が、画像データ指定受付部で操作者から指定が受けられた頁の画像データを用いて表示画面データを生成するので、操作者が関心の高い頁の画像データを、確実に表示部の表示画面に表示させることができる。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像表示装置と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データに基づいて記録媒体に画像形成する画像形成部と
を備える画像形成装置である。
【0023】
この発明によれば、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の発明と同様の作用を奏する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、表示部の表示画面を大画面化することなく、複数頁分の画像の各内容を、操作者が容易に把握することかできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。
【図2】操作部の部分拡大図である。
【図3】図1に示す複合機の制御ブロック図である。
【図4】複合機による複数頁の画像の表示処理を示すフローチャートである。
【図5】表示画面の一例を示す図である。
【図6】表示画面の一例を示す図である。
【図7】プレビュー設定時の処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図8】表示画面データが示す画像の例を示す図である。
【図9】表示画面の一例を示す図である。
【図10】プレビュー設定時における処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図11】(a)は原稿画像の例を示す図、(b)は登録済画像の例を示す図である。
【図12】(a)は領域明示画像の例を示す図、(b)は原稿画像の例を示す図、(c)は表示画面データの例を示す図である。
【図13】表示画面データによって表示される画像の例を示す図である。
【図14】表示画面データによって表示される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る表示装置及びこれを備えた画像形成装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。図2は、操作部400の部分拡大図である。複合機1は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等を兼ね備えている。複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、操作者が種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0027】
図2にも示すように、操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備える。操作キー部430は、ヘルプキー431、スタートボタン432、テンキー433、及び機能切換キー434等を備える。
【0028】
ヘルプキー431は、操作者から、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する各操作方法を表示する操作画面(ヘルプ画面)を表示部410に表示させる指示を受け付けるものである。
【0029】
スタートボタン432は、コピー動作やスキャン動作等の各動作を開始させる指示を操作者から受け付ける。テンキー433は、コピー部数を指定する指示等を操作者から受け付けるキーである。また、本実施形態では、テンキー433は、表示部410に表示中の操作画面に対応する操作指示の入力に必要な情報(例えば、ユーザボックス番号)の入力を受け付ける情報入力部として機能する。
【0030】
機能切換キー434は、コピー機能、送信機能(スキャナ機能、ファクシミリ機能等)、文書ボックス機能(後述するHDD74内に設けられている操作者毎の記憶領域(メールボックス)に記憶されているデータを読み出してプリントする機能)等を相互に切り替える機能切換指示を操作者から受け付けるキーである。
【0031】
表示部410は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、タッチパネル機能を組み合わせたタッチパネルユニット等を備えている。表示部410は、種々の操作画面を表示すると共に、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで種々の機能の実行指令を入力することが可能とされている。
【0032】
原稿給送部60は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、原稿読み取り部(画像データ取得部の一例)500は、スキャナ501を備える。給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0033】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0034】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像に応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に各色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0035】
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0036】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0037】
図3は、図1に示す複合機の制御ブロック図である。複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、操作部400、制御部51、ネットワークI/F(インターフェース)部71、HDD(ハードディスクドライブ)74、及びファクシミリ通信部75を備える。
【0038】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像
に対応する画像を画像処理部21へ出力する。
【0039】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像を必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理する。画像処理部21によって処理された画像は印刷用に画像メモリ24に記憶され、又はプリンタ部31に出力される。補正部22は、読み取られた画像に対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像の圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0040】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置206及び現像装置207等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ208等から構成される定着部35を含む。プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データを用いて画像を記録紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像に対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0041】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base-TX)等を用い、LANを介して外部装置との間での種々のデータの送受信を制御する。HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像及び当該画像に設定されている出力形式等を記憶する。
【0042】
操作部400は、図1及び図2に示したように表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネル機能により各種指示の入力を受け付ける複数のキーを表示制御部522による制御の下で表示する。
【0043】
操作キー部430には、図2に示した機能切換キー434、スタートボタン432、及びテンキー433等が設けられている。制御部51のCPU52は、上記表示部410及び操作部400の各キーから、操作者によって入力された指示を受け付ける。
【0044】
図3において、ファクシミリ通信部75は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部75は、スキャナ部11によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信したりする。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調し、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。
【0045】
制御部51は、CPU52と、データ記憶部53とを備える。CPU52は、複合機1の動作制御を司るものである。
【0046】
データ記憶部53は、操作者に対する操作案内を行うための操作画面を表示するための各種データや、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等の各機能の動作状況を表示するための表示画面用の画像データ(画像、文字、記号等の各データを含む)を記憶している。さらに、データ記憶部53は、原稿読み取り部500によって読み取られた原稿の画像データを、画像形成用、及び操作者による画像形成仕上がり具合の確認を可能にするプレビュー表示のために一時的に記憶する。
【0047】
CPU52は、動作制御部521、表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525を備える。
【0048】
動作制御部521は、複合機1の各部(操作部400、スキャナ部11,画像処理部21、プリンタ部31等)の動作制御を司る。
【0049】
表示制御部522は、表示部410の表示動作を制御する。表示制御部522は、データ記憶部53から、操作画面の表示に必要な画像データ等を読み出して表示部410に表示させる。
【0050】
特定領域抽出部523は、原稿読取部500によって読み取られた各原稿の画像データ(以下、原稿画像データという)が示す画像から、その一部領域である特定領域を抽出する。当該特定領域は、例えば、(1)原稿画像データの示す原稿画像における予め定められた範囲(デフォルトの範囲。例えば、当該原稿画像をその高さ2分の1,幅2分の1の位置で分割して4等分し、左上画像、右上画像、左下画像、右下画像とした場合における左上画像に対応する範囲等)、(2)指定受付部525により操作者から受け付けられた領域、の(1)(2)のいずれか等であり、これらのいずれを特定領域とするかの設定は、操作者による指示に従って、特定領域抽出部523が記憶している。
【0051】
更に、特定領域抽出部523は、上記各特定領域の内、操作者からの指示に基づいて、文字領域の占有率が予め定められた値(例えば、70%等)に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値(例えば、40%等)に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像に略一致する画像を含む領域、を抽出する自動判別処理を行う。
【0052】
なお、上記特定領域抽出部523による上記各領域からの文字領域の検出には、原稿読取部500から出力される原稿画像から、写真等を除いた、例えば見出しや本文等が記載されている文字領域を抽出する技術が用いられる。当該文字領域を抽出する技術としては、例えば、エッジ検出処理の手法を用いることができる。この場合、特定領域抽出部523は、前記原稿画像を構成する各画素を順次注目画素とし、その注目画素と周辺画素を抽出して、それらの画素に対してエッジ検出フィルタを用いたフィルタ処理を施すことにより、画像の輪郭を構成するエッジ画素を検出するエッジ検出処理を行う。そして、このエッジ検出処理でエッジを検出した場合に、特定領域抽出部523は、当該注目画素をエッジ画素と判定し、当該エッジ画素に基づいて文字領域を判定する。例えば、特定領域抽出部523は、注目画素と、注目画素に隣接する8近傍画素との各々の輝度の差分値を算出し、所定の閾値よりも大きな値を有する差分値が、一定個数以上(例えば4個以上)ある場合、その注目画素は、文字を構成するエッジ画素であると判定する。特定領域抽出部523は、検出対象とする画像領域を予め定められた数の領域に区分し、当該区分された各領域について、当該エッジ画素が、予め定められた閾値以上存在すれば、当該エッジ画素が予め定められた閾値以上存在する領域を文字領域として抽出する。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域における当該文字領域の占有率を算出する。
【0053】
上記特定領域抽出部523による上記各領域からの写真領域の検出は、例えば、以下のようにして行う。例えば、特定領域抽出部523は、カラー画像データの場合、原稿画像(被判定領域)1頁分を構成する各画素について、そのR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分からなる画素値(256階調)を公知の変換式を用いて明度データに変換して2値化を行う。そして、特定領域抽出部523は、2値化画像に対し4連結ラベリングを行い、ラベリングされた画像それぞれについて、その大きさが予め定められた大きさ(例えば、文字相当程度の大きさ)よりも大きいものについては、その領域を写真領域とする。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域における当該写真領域の占有率を算出する。
【0054】
上記特定領域抽出部523による上記各領域から枠を示す画像を含む領域の検出は、例えば、以下のようにして行う。例えば、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域の画像について、主走査方向に連続して並ぶ予め定められた範囲内の画素値の画素、及び副走査方向に連続して並ぶ予め定められた範囲内の画素値の画素により矩形をなす画像、すなわち枠体をなす画像が存在するか否かを検出する。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された領域のうち、当該枠体をなす画像が存在する領域を、上記枠を示す画像を含む領域として検出する。
【0055】
また、上記特定領域抽出部523による上記各領域から登録済みの画像を含む領域の検出は、例えば、以下のようにして行う。例えば、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域の画像を構成する各位置の画素の画素値と、上記登録済みの画像を構成する各位置の画素の画素値を比較し、当該分割された各領域の画像に、当該登録済みの画像が含まれるか否かを判定する。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された領域のうち、当該登録済みの画像が存在する領域を、上記登録済みの画像を含む領域として検出する。
【0056】
画面データ生成部524は、特定領域抽出部523によって抽出された複数頁分の上記特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が表示部410の表示画面に表示される表示画面データを生成する。
【0057】
指定受付部(領域指定受付部の一例)525は、操作者による操作部400の操作に基づいて、(a)表示部410の表示画面に同時に複数頁の原稿画像を表示するプレビュー表示を行わせるか否かの指定、(b)当該複数頁の原稿画像をプレビュー表示させる場合に、表示画面に何頁目の原稿画像を表示させるかの指定、(c)原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像において上記特定領域とする領域の指定、(d)特定領域に対して上述した自動判別処理を行うかの指定、等を受け付ける。
【0058】
なお、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、操作部400と、表示部410と、表示制御部522と、特定領域抽出部523と、画面データ生成部524とを備え、更に、処理の必要性に応じて、更に指定受付部525を備える。
【0059】
なお、本発明の一実施形態に係る表示制御プログラムは、HDD74等の複合機1内の記憶媒体に記憶されており、CPU52が当該表示制御プログラムに従って動作制御を行うことで、上記表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525として機能する。この表示制御プログラムは、CD−ROM又はDVDからの読込、或いは、ネットワークI/F71によるインターネット上のサーバからダウンロードにより、HDD74等に記憶される。
【0060】
但し、上記表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525は、CPU52が上記表示制御プログラムに従って動作制御することで実現されるものに限られず、上記表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525が回路等によりハード的に備えられていてもよい。
【0061】
次に、複合機1による複数頁の画像の表示処理を説明する。図4は複合機1による複数頁の画像の表示処理を示すフローチャートである。図5及び図6は表示画面の一例を示す図である。
【0062】
複合機1の主電源が操作者によってオンにされると、図4において表示制御部522は、表示部410に図5に示すような初期画面Aを表示させる(S1)。本実施形態では、表示制御部522は、表示部410に、コピー機能の動作条件が設定可能な表示画面を初期画面Aとして表示させる例を示す。
【0063】
表示制御部522が、表示部410に初期画面Aを表示させているときに、操作者により初期画面A内のプレビューボタン4101が押下され、この押下操作に基づいて、タッチパネル機能により、原稿読取後で記録紙への画像形成前に、プレビュー表示を行う旨の指示が受け付けられると(S2でYES)、表示制御部522は、表示部410に、上記プレビュー表示に関する設定を受け付けるためのプレビュー設定画面B(図6に例を示す)を表示させる。このプレビュー設定画面Bが表示部410に表示されているとき、指定受付部525は、操作者による当該プレビュー設定画面Bに表示された各ボタンの操作に基づいて、プレビュー表示に関する各種設定(上述した (1)(2),(a)〜(d)等)の指定を受け付ける(S3)。
【0064】
一方、表示部410での初期画面Aの表示時に、操作者からプレビュー表示を行う旨の指示が受け付けられず、スタートボタン432が押下された場合は(S2でNO)、本実施形態では、通常のコピー動作が動作制御部521によって実行される(S10)。
【0065】
ここで、上記プレビュー設定画面Bに基づくプレビュー設定について説明する。図7は、プレビュー設定時の処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0066】
表示制御部522により表示部410に表示されるプレビュー設定画面Bは、図6に示すように、複数頁プレビュー指示受付ボタン800、表示頁指定ボタン801、表示頁指定ボタン801、特定領域指定ボタン803、及び自動判別ボタン804を有している。
【0067】
複数頁プレビュー指示受付ボタン800は、操作者による操作に基づいて押下されると、タッチパネル機能により、複数頁のプレビューを行う旨の複数頁プレビュー指示を受け付ける。
【0068】
表示頁指定ボタン801は、原稿読取部500によって読み取られた各原稿の画像データのうち、いずれの頁の原稿画像データを表示部410にプレビュー表示させるかの指示をタッチパネル機能により受け付ける。+ボタン801a,−ボタン801bの押下によりプレビュー表示させる頁番号を指定可能とされ、確定ボタン801cの押下により、表示させる頁番号が確定される。操作者は、複数の頁を指定するときは、当該+ボタン801a,−ボタン801bの操作による頁番号指定と、確定ボタン801cの押下による確定指示の入力操作を繰り返す。
【0069】
表示頁数指定ボタン802は、操作者による操作に基づいて、タッチパネル機能により、表示部410の表示画面に一度にプレビュー表示される頁の数を受け付ける。表示頁指定ボタン801は、上記複数頁プレビュー指示受付ボタン801が操作者により押下されたときに、上記頁数の指定指示を受付可能な状態となる。+ボタン802a,−ボタン802bの押下によりプレビュー表示時の表示頁数の値を増減させる指示がタッチパネル機能により受け付けられるようになっている。
【0070】
特定領域指定ボタン803は、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像において上記特定領域とする領域の指定を受け付ける。すなわち、指定受付部525には、操作者から特定領域指定ボタン803に、上記特定領域とする領域の指定が入力されたとき、操作者指定による範囲を特定領域とする旨の指示が受け付けられる。
【0071】
また、自動判別ボタン804には、操作者による操作に基づいて、タッチパネル機能により、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像から、条件に合致する特定領域を上記自動判別処理により抽出する旨の指示が入力される。
【0072】
上記複数頁プレビュー指示受付ボタン801、表示頁指定ボタン801、特定領域指定ボタン803、及び自動判別ボタン804に受け付けられた指示は、指定受付部525に受け付けられる。
【0073】
当該プレビュー設定時の処理について図7に基づいて説明する。操作者が、表示部410にプレビュー設定画面Bが表示されているときに、上記複数頁プレビュー指示受付ボタン800が押下されると(S11でYES)、指定受付部525に上記複数頁プレビュー指示が受け付けられる(S12)。一方、上記複数頁プレビュー指示受付ボタン800が押下されない場合は(S11でNO)、プレビュー表示を行わずに原稿画像1枚ずつをプレビュー表示させる設定が、デフォルトとして指定受付部525に受け付けられる(S19)。
【0074】
続いて、操作者により、表示頁指定ボタン801の+ボタン801a,−ボタン801b,確定ボタン801cが操作されて、プレビュー表示の対象とする頁の頁番号が入力された場合は(S13でYES)、指定受付部525に、当該入力された頁番号の示す各頁が、プレビュー表示の対象とされる頁として受け付けられる(S14)。なお、表示頁指定ボタン801が操作されず、頁が入力されない場合は(S13でNO)、指定受付部525には、デフォルトとして例えば全頁を、プレビュー表示の対象とする頁として受け付けられる(S20)。
【0075】
続いて、操作者により、表示頁数指定ボタン802の+ボタン802a,−ボタン802bが操作されて、頁数を示す値が入力された場合は(S15でYES)、指定受付部525に、当該入力された頁数の値が、表示部410の表示画面に一度にプレビュー表示される頁数として受け付けられる(S16)。なお、表示頁指定ボタン801が操作されず、頁数の値が入力されない場合は(S15でNO)、指定受付部525には、デフォルトとして予め定められた枚数分(例えば2頁分)が、プレビュー表示される原稿画像の頁数として受け付けられる(S21)。
【0076】
さらに、特定領域指定ボタン803が操作者により操作され、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す原稿画像において上記特定領域とする範囲が指定されると(S17でYES)、指定受付部525には、当該指定された範囲を特定領域とする旨の指示が受け付けられる(S18)。また、特定領域指定ボタン803が操作者により操作されず上記特定領域とする範囲が指定されない場合は(S17でNO)、上記画像データの示す原稿画像における上述した(1)で示したデフォルトの範囲を特定領域とする旨の指示が指定受付部525に受け付けられる(S22)。
【0077】
当該操作者による特定領域の範囲の指定は、以下のようにして行われる。例えば、特定領域指定ボタン803が操作者により押下されると、表示エリア806には、原稿画像を模した疑似原稿画像8061が表示される。この表示エリア806に表示されている疑似原稿画像8061における任意の一点P1を、操作者が指等で押下し、さらに、当該指等を画面上から離さずにスライドさせて、別の任意の点P2で指等を離すと、上記最初に押下した点P1と、当該指等を離した点P2とを結ぶ直線を対角線とする矩形範囲Rが、タッチパネル機能により、各頁の原稿画像における特定領域として受け付けられる。
【0078】
図4を用いたプレビュー表示処理の説明に戻る。上記のようにして、操作者によるプレビュー設定が完了した後(S3)、操作者により、スタートボタン432が押下されてコピー開始指示が入力されると(S4でYES)、当該コピー開示指示に基づいて、動作制御部521が、原稿読取部500に原稿載置部601に載置されている原稿の読み取りを行わせる(S5)。動作制御部521は、原稿読取部500によって読み取られた原稿画像をデータ記憶部53に記憶させる(S6)。
【0079】
ここで、特定領域抽出部523は、上記設定されたプレビュー設定の内容に従って、上記読み取られた複数の原稿の画像データが示す原稿画像を用いて、(i)上記S14又はS20で受け付けられたプレビュー表示の対象とする頁の各原稿画像から、(ii)S18又はS22で指定された特定領域の画像を抽出する(S7)。
【0080】
さらに、画面データ生成部524は、上記抽出された各頁の特定領域の画像を、S16又はS21で受け付けられた枚数分だけ用いて、表示部410の表示画面に表示される表示画面データを生成する(S8)。このとき、画面データ生成部524は、例えば、上記S16で受け付けられた枚数が4枚であり、原稿読取部500によって読み取られた原稿が12枚である場合、上記抽出された各特定領域画像を最初の頁から順番に4つずつ用いて、当該4つの特定領域S1,S2,S3,S4の画像を図8に示すように合成し、各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が表示部410の表示画面に表示される画像Sの表示画面データを生成する。図8は、表示画面データが示す画像の例を示す図である。この例の場合、当該3つの表示画面データが画面データ生成部524により生成される。
【0081】
更に、表示制御部522は、上記生成された各表示画面データを用いて、例えば図9に示すように、表示画面D内のプレビュー表示エリアD1に画像i3を表示部410に表示させる(S9)。図9は、表示画面の一例を示す図である。このとき、表示制御部522は、図9に示す表示画面Dに示されたボタン4102,4103の操作者による操作で表示画面切換指示が入力されると、上記生成された各表示画面データを次々に切り換えて表示させる。
【0082】
次にプレビュー設定時における処理の第2実施形態を説明する。図10は、プレビュー設定時における処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、第1実施形態
と同様の処理は説明を省略する。
【0083】
第2実施形態では、指定受付部525に上記複数頁プレビュー指示が受け付けられた後(S32)、プレビュー表示の対象とする頁の設定処理(第1実施形態におけるS13,S14,S20)は行われず、表示部410の表示画面に一度にプレビュー表示させる頁数の設定処理(S33)に移る。
【0084】
上記表示画面に一度にプレビュー表示させる頁数の設定処理後、更に、特定領域の設定処理が終了すると(S35,S36,S41)、自動判別ボタン804が操作者により操作され、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像から、予め登録された画像を含む特定領域を自動判別して抽出する旨の指示が入力されると(S37でYES)、図6に示すように、表示制御部522は、抽出方法選別ボタン8040をプルダウン表示させる。さらに、操作者により文字領域ボタン8041が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、文字領域占有率の高い特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられ(S38で「文字領域」,S42)、操作者により写真領域ボタン8042が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、写真領域占有率の高い特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられ(S38で「写真領域」,S43)、操作者により枠画像ボタン8043が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、枠を示す画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられ(S38で「枠画像」,S44)、操作者により登録画像ボタン8044が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、登録済みの画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられる(S38で「登録画像」,S45)。
【0085】
なお、この第2実施形態に係るプレビュー設定時の処理が行われた場合、図4に示したS7の特定領域抽出処理は、以下のようにして行われる。
【0086】
例えば、上記S3におけるプレビュー設定において、特定領域が指定され、更に、登録済みの画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられている場合、特定領域抽出部523は、全頁の原稿画像についての上記指定された特定領域の画像データを解析して、例えば上述した登録済み画像の検出処理を行い、当該登録済み画像を含む特定領域を抽出する。特定領域抽出部523は、当該検出処理を各頁の原稿画像の特定領域のデータに対して繰り返す。第1頁から第9頁までの原稿が図11(a)に示すような画像を有し、特定領域抽出部523に登録されている画像が図11(b)に示す画像iである場合、特定領域抽出部523は、上述した登録画像の検出処理により、画像iを含む第3頁、第5頁、第7頁、及び第9頁の特定領域を抽出する。そして、画面データ生成部524は、当該抽出された第3頁、第5頁、第7頁、及び第9頁の特定領域のデータを用いて、図9に示す表示画面D内のプレビュー表示エリアD1に示される画像i3を表示可能となる表示画面データを生成する。
【0087】
なお、文字領域の占有率が高い特定領域を抽出する旨の指示が指定受付部525に受け付けられている場合は、特定領域抽出部523により、上述した文字領域検出及びその占有率算出により同様の処理が行われ、写真領域の占有率が高い特定領域を抽出する旨の指示が指定受付部525に受け付けられている場合は、上述した写真領域検出及びその占有率算出により同様の処理が行われ、枠を示す画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられている場合は、上述した枠画像検出処理により同様にして、枠を示す画像を含む特定領域が抽出される。
【0088】
この第2実施形態に係るプレビュー設定時の処理が行われた場合、画面データ生成部524は、このようにして抽出された特定領域のみを用いて表示画面テータを生成する。このため、プレビュー表示時には、当該抽出された特定領域の頁のみが表示部410に表示されることになる。
【0089】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
【0090】
例えば、表示制御部522等は、上記S9における表示画面データの表示処理において、以下に示す処理を行ってもよい。
【0091】
すなわち、上記各実施形態において、画面データ生成部524は、特定領域抽出部523によって抽出された各特定領域のデータに、当該特定領域が、各頁毎の画像データが示す画像におけるどの位置の部分であるかを示す領域明示画像i2(図12(a)に例を示す)を付加して、表示画面データを生成してもよい。図12(b)に示すように、領域明示画像i2としては、原稿読取部500によって読み取られた原稿画像を操作者による指示又はデフォルト設定に基づいて分割して特定領域を生成する場合に、分割後のどの領域にもその一部が含まれ、かつ、当該各領域に属する一部部分の画像が各領域において異なる画像が採用される。この場合、表示制御部522は、図12(c)に示すような表示画面データdを生成する。
【0092】
このとき、画面データ生成部524は、領域明示画像i2を、上記特定領域の画像を透過表示させる画像として生成してもよい。このとき、表示制御部522による表示制御により、表示部410のプレビュー表示エリアD1(図9)には、この場合、図13に示すように、領域明示画像i2が特定領域の画像を透過させる画像i4が表示される。
【0093】
また、表示制御部522は、表示画面データが示す画像を表示部410に表示させるとき、当該表示画面データが示す画像の表示開始時から予め定められた時間(例えば、10秒間等)だけ、領域明示画像を前記特定領域の画像上に重ねて表示させるようにしてもよい。
【0094】
さらには、上記各実施形態において、画面データ生成部524は、特定領域抽出部523によって抽出された各特定領域のデータに、複数頁における当該各特定領域が属する画像データの頁番号を示す画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成してもよい。この場合、表示制御部522による表示制御により、表示部410のプレビュー表示エリアD1(図9)には、この場合、図14に示すような画像i5が表示される。
【0095】
また、上記各実施形態では、表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525によるプレビュー設定処理及び表示処理は、原稿読取部500によって読み取られた各原稿画像データに対して行う場合を例にして説明しているが、本発明はこれに限定されず、ネットワークI/F部71によって、LAN接続(又はインターネット接続)されたパーソナルコンピュータから取得された画像データ、ファクシミリ通信部75によって外部のファクシミリ装置から取得された画像データ、及びHDD74(又は図略のI/Fを介して複合機1に装着される外部メモリ等)に記憶されている画像データ等に対しても、同様に適用が可能である。
【0096】
さらに、本発明は、上記に例を示した複合機に限られず他の画像形成装置、例えば、ファクシミリ装置、プリンタ、複合機(コピー、ファクシミリ装置、プリンタ等の機能を兼ね備えた画像形成装置)等に適用することが可能である。更には、画像形成装置に限られず、携帯電話や他の電気機器に適用することも可能である。
【0097】
上記図1乃至図14に示した実施形態に係る構成及び処理は、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の構成及び処理の単なる一例に過ぎず、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の構成及び処理を上記に示した内容に限定するものではない。
【符号の説明】
【0098】
1 複合機
33 画像形成部
400 操作部
410 表示部
432 スタートボタン
500 原稿読取部
52 CPU
521 動作制御部
522 表示制御部
523 特定領域抽出部
524 画面データ生成部
525 指定受付部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像形成装置に関し、特に、表示部の表示画面に複数頁分の画像を表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機等の画像形成装置では、複写対象として読み込んだ原稿の画像を、記録紙への画像形成前に、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部にプレビュー表示させるものが知られている。例えば、下記特許文献1に示される印刷プレビュー表示方法では、表示部の表示画面に、複数頁分の原稿画像を、各頁の原稿画像を互いに所定幅だけずらして表示することにより、印刷される内容と、複数頁分の原稿画像が印刷対象になっていることをユーザが把握できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−318581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示される従来技術は、各頁の原稿画像を互いに所定幅ずらして表示のみであるため、最前面に表示した頁の原稿画像以外の画像は大部分が表示されず、原稿画像の端部が表示されるに過ぎず、ユーザは、当該最前面頁の原稿画像の内容は把握できるが、当該最前頁の後ろに隠れる各原稿画像の内容を把握できない。また、表示部の表示領域を大きく構成して複数頁の原稿画像を表示可能にすると、製造コストを上昇させる要因になる。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、表示部の表示画面を大画面化することなく、複数頁分の画像の各内容を操作者が容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、画像を表示する表示部と、
画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出する特定領域抽出部と、
前記特定領域抽出部によって抽出された前記複数頁分の特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が前記表示部の表示画面に表示される表示画面データを生成する画面データ生成部と、
前記画面データ生成部によって生成された表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備える画像表示装置である。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記特定領域抽出部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像における予め定められた領域を前記特定領域として抽出するものである。
【0008】
これらの発明によれば、特定領域抽出部が、上記複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出し、画面データ生成部が、特定領域抽出部によって抽出された特定領域のデータを複数用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域を表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成し、表示制御部が、当該表示画面データの示す画像を前記表示部に表示させるので、操作者は、複数頁分の画像を表示画面で一度に視認する場合であっても、当該表示画面に表示される各頁画像の上記特定領域に示される内容について、当該表示画面により同時に把握することができる。このため、本発明によれば、表示部の表示画面を大画面化せずに製造コスト上昇を抑えつつ、複数頁分の画像の各内容を操作者が容易に把握可能にすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像において前記特定領域とする領域の指定を操作者から受け付ける領域指定受付部を更に備え、
前記特定領域抽出部は、前記領域指定受付部によって受け付けられた領域を前記特定領域として抽出するものである。
【0010】
この発明によれば、領域指定受付部により操作者から指定された領域を特定領域として、特定領域抽出部が、上記複数頁分の各画像データからそれぞれに抽出するので、操作者が関心の高い領域部分を確実に抽出して表示部の表示画面に表示させることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の画像表示装置であって、前記特定領域抽出部は、前記特定領域として、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像から、文字領域の占有率が予め定められた値に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像を含む領域を抽出するものである。
【0012】
この発明によれば、特定領域抽出部は、上記特定領域として、文字領域の占有率が予め定められた値に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像を含む領域を抽出するので、複数頁分の画像データから、操作者が注目すると想定される領域部分を的確に抽出して表示部の表示画面に表示させることができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を示す位置明示画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成するものである。
【0014】
この発明によれば、表示制御部により、表示部の表示画面に複数頁分の上記特定領域の画像が表示されたとき、操作者が、上記位置明示画像を視認することにより、上記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を容易に把握できる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像表示装置であって、前記画面データ生成部は、前記位置明示画像を、前記特定領域の画像を透過表示させる画像として生成するものである。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の画像表示装置であって、前記表示制御部は、前記表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させるとき、当該表示画像データが示す画像の表示開始時から予め定められた時間だけ、前記位置明示画像を前記特定領域の画像上に重ねて表示させるものである。
【0017】
これらの発明によれば、表示制御部により表示部の表示画面に上記特定領域の画像と上記位置明示画像が同時に表示されても、操作者は、上記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を容易に把握しつつ、当該特定領域の画像各部を明確に把握可能になる。
【0018】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記複数頁における当該各特定領域が属する画像データの頁番号を示す画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成するものである。
【0019】
各頁の画像データの一部のみが表示画面に表示される場合、表示された内容に基づくだけでは、操作者は、表示されている各特定領域が何ページ目の画像データの画像であるかを把握しづらいが、この発明によれば、表示制御部により表示部の表示画面に上記特定領域の画像と上記領域明示画像が同時に表示されても、当該各特定領域が何ページ目の画像データの画像であるかを容易に把握できる。
【0020】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の画像データのうち、前記画面データ生成部に前記表示画像データを生成させる画像データの頁の指定を操作者から受け付ける画像データ指定受付部を更に備え、
前記画面データ生成部は、前記画像データ指定受付部によって指定が受けられた頁の画像データを用いて前記表示画面データを生成するものである。
【0021】
この発明によれば、画面データ生成部が、画像データ指定受付部で操作者から指定が受けられた頁の画像データを用いて表示画面データを生成するので、操作者が関心の高い頁の画像データを、確実に表示部の表示画面に表示させることができる。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像表示装置と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データに基づいて記録媒体に画像形成する画像形成部と
を備える画像形成装置である。
【0023】
この発明によれば、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の発明と同様の作用を奏する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、表示部の表示画面を大画面化することなく、複数頁分の画像の各内容を、操作者が容易に把握することかできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。
【図2】操作部の部分拡大図である。
【図3】図1に示す複合機の制御ブロック図である。
【図4】複合機による複数頁の画像の表示処理を示すフローチャートである。
【図5】表示画面の一例を示す図である。
【図6】表示画面の一例を示す図である。
【図7】プレビュー設定時の処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図8】表示画面データが示す画像の例を示す図である。
【図9】表示画面の一例を示す図である。
【図10】プレビュー設定時における処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図11】(a)は原稿画像の例を示す図、(b)は登録済画像の例を示す図である。
【図12】(a)は領域明示画像の例を示す図、(b)は原稿画像の例を示す図、(c)は表示画面データの例を示す図である。
【図13】表示画面データによって表示される画像の例を示す図である。
【図14】表示画面データによって表示される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る表示装置及びこれを備えた画像形成装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。図2は、操作部400の部分拡大図である。複合機1は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等を兼ね備えている。複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、操作者が種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0027】
図2にも示すように、操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備える。操作キー部430は、ヘルプキー431、スタートボタン432、テンキー433、及び機能切換キー434等を備える。
【0028】
ヘルプキー431は、操作者から、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する各操作方法を表示する操作画面(ヘルプ画面)を表示部410に表示させる指示を受け付けるものである。
【0029】
スタートボタン432は、コピー動作やスキャン動作等の各動作を開始させる指示を操作者から受け付ける。テンキー433は、コピー部数を指定する指示等を操作者から受け付けるキーである。また、本実施形態では、テンキー433は、表示部410に表示中の操作画面に対応する操作指示の入力に必要な情報(例えば、ユーザボックス番号)の入力を受け付ける情報入力部として機能する。
【0030】
機能切換キー434は、コピー機能、送信機能(スキャナ機能、ファクシミリ機能等)、文書ボックス機能(後述するHDD74内に設けられている操作者毎の記憶領域(メールボックス)に記憶されているデータを読み出してプリントする機能)等を相互に切り替える機能切換指示を操作者から受け付けるキーである。
【0031】
表示部410は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、タッチパネル機能を組み合わせたタッチパネルユニット等を備えている。表示部410は、種々の操作画面を表示すると共に、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで種々の機能の実行指令を入力することが可能とされている。
【0032】
原稿給送部60は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、原稿読み取り部(画像データ取得部の一例)500は、スキャナ501を備える。給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0033】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0034】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において読み取られた原稿の画像に応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に各色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0035】
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0036】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0037】
図3は、図1に示す複合機の制御ブロック図である。複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、操作部400、制御部51、ネットワークI/F(インターフェース)部71、HDD(ハードディスクドライブ)74、及びファクシミリ通信部75を備える。
【0038】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像
に対応する画像を画像処理部21へ出力する。
【0039】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像を必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理する。画像処理部21によって処理された画像は印刷用に画像メモリ24に記憶され、又はプリンタ部31に出力される。補正部22は、読み取られた画像に対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像の圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0040】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置206及び現像装置207等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ208等から構成される定着部35を含む。プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データを用いて画像を記録紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像に対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0041】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base-TX)等を用い、LANを介して外部装置との間での種々のデータの送受信を制御する。HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像及び当該画像に設定されている出力形式等を記憶する。
【0042】
操作部400は、図1及び図2に示したように表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネル機能により各種指示の入力を受け付ける複数のキーを表示制御部522による制御の下で表示する。
【0043】
操作キー部430には、図2に示した機能切換キー434、スタートボタン432、及びテンキー433等が設けられている。制御部51のCPU52は、上記表示部410及び操作部400の各キーから、操作者によって入力された指示を受け付ける。
【0044】
図3において、ファクシミリ通信部75は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部75は、スキャナ部11によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信したりする。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調し、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。
【0045】
制御部51は、CPU52と、データ記憶部53とを備える。CPU52は、複合機1の動作制御を司るものである。
【0046】
データ記憶部53は、操作者に対する操作案内を行うための操作画面を表示するための各種データや、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等の各機能の動作状況を表示するための表示画面用の画像データ(画像、文字、記号等の各データを含む)を記憶している。さらに、データ記憶部53は、原稿読み取り部500によって読み取られた原稿の画像データを、画像形成用、及び操作者による画像形成仕上がり具合の確認を可能にするプレビュー表示のために一時的に記憶する。
【0047】
CPU52は、動作制御部521、表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525を備える。
【0048】
動作制御部521は、複合機1の各部(操作部400、スキャナ部11,画像処理部21、プリンタ部31等)の動作制御を司る。
【0049】
表示制御部522は、表示部410の表示動作を制御する。表示制御部522は、データ記憶部53から、操作画面の表示に必要な画像データ等を読み出して表示部410に表示させる。
【0050】
特定領域抽出部523は、原稿読取部500によって読み取られた各原稿の画像データ(以下、原稿画像データという)が示す画像から、その一部領域である特定領域を抽出する。当該特定領域は、例えば、(1)原稿画像データの示す原稿画像における予め定められた範囲(デフォルトの範囲。例えば、当該原稿画像をその高さ2分の1,幅2分の1の位置で分割して4等分し、左上画像、右上画像、左下画像、右下画像とした場合における左上画像に対応する範囲等)、(2)指定受付部525により操作者から受け付けられた領域、の(1)(2)のいずれか等であり、これらのいずれを特定領域とするかの設定は、操作者による指示に従って、特定領域抽出部523が記憶している。
【0051】
更に、特定領域抽出部523は、上記各特定領域の内、操作者からの指示に基づいて、文字領域の占有率が予め定められた値(例えば、70%等)に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値(例えば、40%等)に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像に略一致する画像を含む領域、を抽出する自動判別処理を行う。
【0052】
なお、上記特定領域抽出部523による上記各領域からの文字領域の検出には、原稿読取部500から出力される原稿画像から、写真等を除いた、例えば見出しや本文等が記載されている文字領域を抽出する技術が用いられる。当該文字領域を抽出する技術としては、例えば、エッジ検出処理の手法を用いることができる。この場合、特定領域抽出部523は、前記原稿画像を構成する各画素を順次注目画素とし、その注目画素と周辺画素を抽出して、それらの画素に対してエッジ検出フィルタを用いたフィルタ処理を施すことにより、画像の輪郭を構成するエッジ画素を検出するエッジ検出処理を行う。そして、このエッジ検出処理でエッジを検出した場合に、特定領域抽出部523は、当該注目画素をエッジ画素と判定し、当該エッジ画素に基づいて文字領域を判定する。例えば、特定領域抽出部523は、注目画素と、注目画素に隣接する8近傍画素との各々の輝度の差分値を算出し、所定の閾値よりも大きな値を有する差分値が、一定個数以上(例えば4個以上)ある場合、その注目画素は、文字を構成するエッジ画素であると判定する。特定領域抽出部523は、検出対象とする画像領域を予め定められた数の領域に区分し、当該区分された各領域について、当該エッジ画素が、予め定められた閾値以上存在すれば、当該エッジ画素が予め定められた閾値以上存在する領域を文字領域として抽出する。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域における当該文字領域の占有率を算出する。
【0053】
上記特定領域抽出部523による上記各領域からの写真領域の検出は、例えば、以下のようにして行う。例えば、特定領域抽出部523は、カラー画像データの場合、原稿画像(被判定領域)1頁分を構成する各画素について、そのR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分からなる画素値(256階調)を公知の変換式を用いて明度データに変換して2値化を行う。そして、特定領域抽出部523は、2値化画像に対し4連結ラベリングを行い、ラベリングされた画像それぞれについて、その大きさが予め定められた大きさ(例えば、文字相当程度の大きさ)よりも大きいものについては、その領域を写真領域とする。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域における当該写真領域の占有率を算出する。
【0054】
上記特定領域抽出部523による上記各領域から枠を示す画像を含む領域の検出は、例えば、以下のようにして行う。例えば、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域の画像について、主走査方向に連続して並ぶ予め定められた範囲内の画素値の画素、及び副走査方向に連続して並ぶ予め定められた範囲内の画素値の画素により矩形をなす画像、すなわち枠体をなす画像が存在するか否かを検出する。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された領域のうち、当該枠体をなす画像が存在する領域を、上記枠を示す画像を含む領域として検出する。
【0055】
また、上記特定領域抽出部523による上記各領域から登録済みの画像を含む領域の検出は、例えば、以下のようにして行う。例えば、特定領域抽出部523は、上記分割された各領域の画像を構成する各位置の画素の画素値と、上記登録済みの画像を構成する各位置の画素の画素値を比較し、当該分割された各領域の画像に、当該登録済みの画像が含まれるか否かを判定する。そして、特定領域抽出部523は、上記分割された領域のうち、当該登録済みの画像が存在する領域を、上記登録済みの画像を含む領域として検出する。
【0056】
画面データ生成部524は、特定領域抽出部523によって抽出された複数頁分の上記特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が表示部410の表示画面に表示される表示画面データを生成する。
【0057】
指定受付部(領域指定受付部の一例)525は、操作者による操作部400の操作に基づいて、(a)表示部410の表示画面に同時に複数頁の原稿画像を表示するプレビュー表示を行わせるか否かの指定、(b)当該複数頁の原稿画像をプレビュー表示させる場合に、表示画面に何頁目の原稿画像を表示させるかの指定、(c)原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像において上記特定領域とする領域の指定、(d)特定領域に対して上述した自動判別処理を行うかの指定、等を受け付ける。
【0058】
なお、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、操作部400と、表示部410と、表示制御部522と、特定領域抽出部523と、画面データ生成部524とを備え、更に、処理の必要性に応じて、更に指定受付部525を備える。
【0059】
なお、本発明の一実施形態に係る表示制御プログラムは、HDD74等の複合機1内の記憶媒体に記憶されており、CPU52が当該表示制御プログラムに従って動作制御を行うことで、上記表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525として機能する。この表示制御プログラムは、CD−ROM又はDVDからの読込、或いは、ネットワークI/F71によるインターネット上のサーバからダウンロードにより、HDD74等に記憶される。
【0060】
但し、上記表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525は、CPU52が上記表示制御プログラムに従って動作制御することで実現されるものに限られず、上記表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525が回路等によりハード的に備えられていてもよい。
【0061】
次に、複合機1による複数頁の画像の表示処理を説明する。図4は複合機1による複数頁の画像の表示処理を示すフローチャートである。図5及び図6は表示画面の一例を示す図である。
【0062】
複合機1の主電源が操作者によってオンにされると、図4において表示制御部522は、表示部410に図5に示すような初期画面Aを表示させる(S1)。本実施形態では、表示制御部522は、表示部410に、コピー機能の動作条件が設定可能な表示画面を初期画面Aとして表示させる例を示す。
【0063】
表示制御部522が、表示部410に初期画面Aを表示させているときに、操作者により初期画面A内のプレビューボタン4101が押下され、この押下操作に基づいて、タッチパネル機能により、原稿読取後で記録紙への画像形成前に、プレビュー表示を行う旨の指示が受け付けられると(S2でYES)、表示制御部522は、表示部410に、上記プレビュー表示に関する設定を受け付けるためのプレビュー設定画面B(図6に例を示す)を表示させる。このプレビュー設定画面Bが表示部410に表示されているとき、指定受付部525は、操作者による当該プレビュー設定画面Bに表示された各ボタンの操作に基づいて、プレビュー表示に関する各種設定(上述した (1)(2),(a)〜(d)等)の指定を受け付ける(S3)。
【0064】
一方、表示部410での初期画面Aの表示時に、操作者からプレビュー表示を行う旨の指示が受け付けられず、スタートボタン432が押下された場合は(S2でNO)、本実施形態では、通常のコピー動作が動作制御部521によって実行される(S10)。
【0065】
ここで、上記プレビュー設定画面Bに基づくプレビュー設定について説明する。図7は、プレビュー設定時の処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0066】
表示制御部522により表示部410に表示されるプレビュー設定画面Bは、図6に示すように、複数頁プレビュー指示受付ボタン800、表示頁指定ボタン801、表示頁指定ボタン801、特定領域指定ボタン803、及び自動判別ボタン804を有している。
【0067】
複数頁プレビュー指示受付ボタン800は、操作者による操作に基づいて押下されると、タッチパネル機能により、複数頁のプレビューを行う旨の複数頁プレビュー指示を受け付ける。
【0068】
表示頁指定ボタン801は、原稿読取部500によって読み取られた各原稿の画像データのうち、いずれの頁の原稿画像データを表示部410にプレビュー表示させるかの指示をタッチパネル機能により受け付ける。+ボタン801a,−ボタン801bの押下によりプレビュー表示させる頁番号を指定可能とされ、確定ボタン801cの押下により、表示させる頁番号が確定される。操作者は、複数の頁を指定するときは、当該+ボタン801a,−ボタン801bの操作による頁番号指定と、確定ボタン801cの押下による確定指示の入力操作を繰り返す。
【0069】
表示頁数指定ボタン802は、操作者による操作に基づいて、タッチパネル機能により、表示部410の表示画面に一度にプレビュー表示される頁の数を受け付ける。表示頁指定ボタン801は、上記複数頁プレビュー指示受付ボタン801が操作者により押下されたときに、上記頁数の指定指示を受付可能な状態となる。+ボタン802a,−ボタン802bの押下によりプレビュー表示時の表示頁数の値を増減させる指示がタッチパネル機能により受け付けられるようになっている。
【0070】
特定領域指定ボタン803は、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像において上記特定領域とする領域の指定を受け付ける。すなわち、指定受付部525には、操作者から特定領域指定ボタン803に、上記特定領域とする領域の指定が入力されたとき、操作者指定による範囲を特定領域とする旨の指示が受け付けられる。
【0071】
また、自動判別ボタン804には、操作者による操作に基づいて、タッチパネル機能により、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像から、条件に合致する特定領域を上記自動判別処理により抽出する旨の指示が入力される。
【0072】
上記複数頁プレビュー指示受付ボタン801、表示頁指定ボタン801、特定領域指定ボタン803、及び自動判別ボタン804に受け付けられた指示は、指定受付部525に受け付けられる。
【0073】
当該プレビュー設定時の処理について図7に基づいて説明する。操作者が、表示部410にプレビュー設定画面Bが表示されているときに、上記複数頁プレビュー指示受付ボタン800が押下されると(S11でYES)、指定受付部525に上記複数頁プレビュー指示が受け付けられる(S12)。一方、上記複数頁プレビュー指示受付ボタン800が押下されない場合は(S11でNO)、プレビュー表示を行わずに原稿画像1枚ずつをプレビュー表示させる設定が、デフォルトとして指定受付部525に受け付けられる(S19)。
【0074】
続いて、操作者により、表示頁指定ボタン801の+ボタン801a,−ボタン801b,確定ボタン801cが操作されて、プレビュー表示の対象とする頁の頁番号が入力された場合は(S13でYES)、指定受付部525に、当該入力された頁番号の示す各頁が、プレビュー表示の対象とされる頁として受け付けられる(S14)。なお、表示頁指定ボタン801が操作されず、頁が入力されない場合は(S13でNO)、指定受付部525には、デフォルトとして例えば全頁を、プレビュー表示の対象とする頁として受け付けられる(S20)。
【0075】
続いて、操作者により、表示頁数指定ボタン802の+ボタン802a,−ボタン802bが操作されて、頁数を示す値が入力された場合は(S15でYES)、指定受付部525に、当該入力された頁数の値が、表示部410の表示画面に一度にプレビュー表示される頁数として受け付けられる(S16)。なお、表示頁指定ボタン801が操作されず、頁数の値が入力されない場合は(S15でNO)、指定受付部525には、デフォルトとして予め定められた枚数分(例えば2頁分)が、プレビュー表示される原稿画像の頁数として受け付けられる(S21)。
【0076】
さらに、特定領域指定ボタン803が操作者により操作され、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す原稿画像において上記特定領域とする範囲が指定されると(S17でYES)、指定受付部525には、当該指定された範囲を特定領域とする旨の指示が受け付けられる(S18)。また、特定領域指定ボタン803が操作者により操作されず上記特定領域とする範囲が指定されない場合は(S17でNO)、上記画像データの示す原稿画像における上述した(1)で示したデフォルトの範囲を特定領域とする旨の指示が指定受付部525に受け付けられる(S22)。
【0077】
当該操作者による特定領域の範囲の指定は、以下のようにして行われる。例えば、特定領域指定ボタン803が操作者により押下されると、表示エリア806には、原稿画像を模した疑似原稿画像8061が表示される。この表示エリア806に表示されている疑似原稿画像8061における任意の一点P1を、操作者が指等で押下し、さらに、当該指等を画面上から離さずにスライドさせて、別の任意の点P2で指等を離すと、上記最初に押下した点P1と、当該指等を離した点P2とを結ぶ直線を対角線とする矩形範囲Rが、タッチパネル機能により、各頁の原稿画像における特定領域として受け付けられる。
【0078】
図4を用いたプレビュー表示処理の説明に戻る。上記のようにして、操作者によるプレビュー設定が完了した後(S3)、操作者により、スタートボタン432が押下されてコピー開始指示が入力されると(S4でYES)、当該コピー開示指示に基づいて、動作制御部521が、原稿読取部500に原稿載置部601に載置されている原稿の読み取りを行わせる(S5)。動作制御部521は、原稿読取部500によって読み取られた原稿画像をデータ記憶部53に記憶させる(S6)。
【0079】
ここで、特定領域抽出部523は、上記設定されたプレビュー設定の内容に従って、上記読み取られた複数の原稿の画像データが示す原稿画像を用いて、(i)上記S14又はS20で受け付けられたプレビュー表示の対象とする頁の各原稿画像から、(ii)S18又はS22で指定された特定領域の画像を抽出する(S7)。
【0080】
さらに、画面データ生成部524は、上記抽出された各頁の特定領域の画像を、S16又はS21で受け付けられた枚数分だけ用いて、表示部410の表示画面に表示される表示画面データを生成する(S8)。このとき、画面データ生成部524は、例えば、上記S16で受け付けられた枚数が4枚であり、原稿読取部500によって読み取られた原稿が12枚である場合、上記抽出された各特定領域画像を最初の頁から順番に4つずつ用いて、当該4つの特定領域S1,S2,S3,S4の画像を図8に示すように合成し、各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が表示部410の表示画面に表示される画像Sの表示画面データを生成する。図8は、表示画面データが示す画像の例を示す図である。この例の場合、当該3つの表示画面データが画面データ生成部524により生成される。
【0081】
更に、表示制御部522は、上記生成された各表示画面データを用いて、例えば図9に示すように、表示画面D内のプレビュー表示エリアD1に画像i3を表示部410に表示させる(S9)。図9は、表示画面の一例を示す図である。このとき、表示制御部522は、図9に示す表示画面Dに示されたボタン4102,4103の操作者による操作で表示画面切換指示が入力されると、上記生成された各表示画面データを次々に切り換えて表示させる。
【0082】
次にプレビュー設定時における処理の第2実施形態を説明する。図10は、プレビュー設定時における処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、第1実施形態
と同様の処理は説明を省略する。
【0083】
第2実施形態では、指定受付部525に上記複数頁プレビュー指示が受け付けられた後(S32)、プレビュー表示の対象とする頁の設定処理(第1実施形態におけるS13,S14,S20)は行われず、表示部410の表示画面に一度にプレビュー表示させる頁数の設定処理(S33)に移る。
【0084】
上記表示画面に一度にプレビュー表示させる頁数の設定処理後、更に、特定領域の設定処理が終了すると(S35,S36,S41)、自動判別ボタン804が操作者により操作され、原稿読取部500によって読み取られた各頁毎の画像データが示す画像から、予め登録された画像を含む特定領域を自動判別して抽出する旨の指示が入力されると(S37でYES)、図6に示すように、表示制御部522は、抽出方法選別ボタン8040をプルダウン表示させる。さらに、操作者により文字領域ボタン8041が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、文字領域占有率の高い特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられ(S38で「文字領域」,S42)、操作者により写真領域ボタン8042が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、写真領域占有率の高い特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられ(S38で「写真領域」,S43)、操作者により枠画像ボタン8043が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、枠を示す画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられ(S38で「枠画像」,S44)、操作者により登録画像ボタン8044が押下された場合は、当該特定領域の自動判別法として、登録済みの画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられる(S38で「登録画像」,S45)。
【0085】
なお、この第2実施形態に係るプレビュー設定時の処理が行われた場合、図4に示したS7の特定領域抽出処理は、以下のようにして行われる。
【0086】
例えば、上記S3におけるプレビュー設定において、特定領域が指定され、更に、登録済みの画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられている場合、特定領域抽出部523は、全頁の原稿画像についての上記指定された特定領域の画像データを解析して、例えば上述した登録済み画像の検出処理を行い、当該登録済み画像を含む特定領域を抽出する。特定領域抽出部523は、当該検出処理を各頁の原稿画像の特定領域のデータに対して繰り返す。第1頁から第9頁までの原稿が図11(a)に示すような画像を有し、特定領域抽出部523に登録されている画像が図11(b)に示す画像iである場合、特定領域抽出部523は、上述した登録画像の検出処理により、画像iを含む第3頁、第5頁、第7頁、及び第9頁の特定領域を抽出する。そして、画面データ生成部524は、当該抽出された第3頁、第5頁、第7頁、及び第9頁の特定領域のデータを用いて、図9に示す表示画面D内のプレビュー表示エリアD1に示される画像i3を表示可能となる表示画面データを生成する。
【0087】
なお、文字領域の占有率が高い特定領域を抽出する旨の指示が指定受付部525に受け付けられている場合は、特定領域抽出部523により、上述した文字領域検出及びその占有率算出により同様の処理が行われ、写真領域の占有率が高い特定領域を抽出する旨の指示が指定受付部525に受け付けられている場合は、上述した写真領域検出及びその占有率算出により同様の処理が行われ、枠を示す画像を含む特定領域を抽出する処理が指定受付部525に受け付けられている場合は、上述した枠画像検出処理により同様にして、枠を示す画像を含む特定領域が抽出される。
【0088】
この第2実施形態に係るプレビュー設定時の処理が行われた場合、画面データ生成部524は、このようにして抽出された特定領域のみを用いて表示画面テータを生成する。このため、プレビュー表示時には、当該抽出された特定領域の頁のみが表示部410に表示されることになる。
【0089】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
【0090】
例えば、表示制御部522等は、上記S9における表示画面データの表示処理において、以下に示す処理を行ってもよい。
【0091】
すなわち、上記各実施形態において、画面データ生成部524は、特定領域抽出部523によって抽出された各特定領域のデータに、当該特定領域が、各頁毎の画像データが示す画像におけるどの位置の部分であるかを示す領域明示画像i2(図12(a)に例を示す)を付加して、表示画面データを生成してもよい。図12(b)に示すように、領域明示画像i2としては、原稿読取部500によって読み取られた原稿画像を操作者による指示又はデフォルト設定に基づいて分割して特定領域を生成する場合に、分割後のどの領域にもその一部が含まれ、かつ、当該各領域に属する一部部分の画像が各領域において異なる画像が採用される。この場合、表示制御部522は、図12(c)に示すような表示画面データdを生成する。
【0092】
このとき、画面データ生成部524は、領域明示画像i2を、上記特定領域の画像を透過表示させる画像として生成してもよい。このとき、表示制御部522による表示制御により、表示部410のプレビュー表示エリアD1(図9)には、この場合、図13に示すように、領域明示画像i2が特定領域の画像を透過させる画像i4が表示される。
【0093】
また、表示制御部522は、表示画面データが示す画像を表示部410に表示させるとき、当該表示画面データが示す画像の表示開始時から予め定められた時間(例えば、10秒間等)だけ、領域明示画像を前記特定領域の画像上に重ねて表示させるようにしてもよい。
【0094】
さらには、上記各実施形態において、画面データ生成部524は、特定領域抽出部523によって抽出された各特定領域のデータに、複数頁における当該各特定領域が属する画像データの頁番号を示す画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成してもよい。この場合、表示制御部522による表示制御により、表示部410のプレビュー表示エリアD1(図9)には、この場合、図14に示すような画像i5が表示される。
【0095】
また、上記各実施形態では、表示制御部522、特定領域抽出部523、画面データ生成部524、及び指定受付部525によるプレビュー設定処理及び表示処理は、原稿読取部500によって読み取られた各原稿画像データに対して行う場合を例にして説明しているが、本発明はこれに限定されず、ネットワークI/F部71によって、LAN接続(又はインターネット接続)されたパーソナルコンピュータから取得された画像データ、ファクシミリ通信部75によって外部のファクシミリ装置から取得された画像データ、及びHDD74(又は図略のI/Fを介して複合機1に装着される外部メモリ等)に記憶されている画像データ等に対しても、同様に適用が可能である。
【0096】
さらに、本発明は、上記に例を示した複合機に限られず他の画像形成装置、例えば、ファクシミリ装置、プリンタ、複合機(コピー、ファクシミリ装置、プリンタ等の機能を兼ね備えた画像形成装置)等に適用することが可能である。更には、画像形成装置に限られず、携帯電話や他の電気機器に適用することも可能である。
【0097】
上記図1乃至図14に示した実施形態に係る構成及び処理は、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の構成及び処理の単なる一例に過ぎず、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の構成及び処理を上記に示した内容に限定するものではない。
【符号の説明】
【0098】
1 複合機
33 画像形成部
400 操作部
410 表示部
432 スタートボタン
500 原稿読取部
52 CPU
521 動作制御部
522 表示制御部
523 特定領域抽出部
524 画面データ生成部
525 指定受付部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出する特定領域抽出部と、
前記特定領域抽出部によって抽出された前記複数頁分の特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が前記表示部の表示画面に表示される表示画面データを生成する画面データ生成部と、
前記画面データ生成部によって生成された表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備える画像表示装置。
【請求項2】
前記特定領域抽出部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像における予め定められた領域を前記特定領域として抽出する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像において前記特定領域とする領域の指定を操作者から受け付ける領域指定受付部を更に備え、
前記特定領域抽出部は、前記領域指定受付部によって受け付けられた領域を前記特定領域として抽出する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記特定領域抽出部は、前記特定領域として、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像から、文字領域の占有率が予め定められた値に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像を含む領域を抽出する請求項2又は請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を示す位置明示画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記画面データ生成部は、前記位置明示画像を、前記特定領域の画像を透過表示させる画像として生成する請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させるとき、当該表示画像データが示す画像の表示開始時から予め定められた時間だけ、前記位置明示画像を前記特定領域の画像上に重ねて表示させる請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記複数頁における当該各特定領域が属する画像データの頁番号を示す画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の画像データのうち、前記画面データ生成部に前記表示画像データを生成させる画像データの頁の指定を操作者から受け付ける画像データ指定受付部を更に備え、
前記画面データ生成部は、前記画像データ指定受付部によって指定が受けられた頁の画像データを用いて前記表示画面データを生成する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像表示装置と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データに基づいて記録媒体に画像形成する画像形成部と
を備える画像形成装置。
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の各画像データからそれぞれに特定領域を抽出する特定領域抽出部と、
前記特定領域抽出部によって抽出された前記複数頁分の特定領域のデータを用いて、当該各特定領域のデータが示すそれぞれの画像の全域が前記表示部の表示画面に表示される表示画面データを生成する画面データ生成部と、
前記画面データ生成部によって生成された表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備える画像表示装置。
【請求項2】
前記特定領域抽出部は、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像における予め定められた領域を前記特定領域として抽出する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像において前記特定領域とする領域の指定を操作者から受け付ける領域指定受付部を更に備え、
前記特定領域抽出部は、前記領域指定受付部によって受け付けられた領域を前記特定領域として抽出する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記特定領域抽出部は、前記特定領域として、前記画像データ取得部によって取得された各頁毎の画像データが示す画像から、文字領域の占有率が予め定められた値に達している領域、写真領域の占有率が予め定められた値に達している領域、枠を示す画像を含む領域、又は登録済みの画像を含む領域を抽出する請求項2又は請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記各頁毎の画像データが示す画像における当該特定領域の位置を示す位置明示画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記画面データ生成部は、前記位置明示画像を、前記特定領域の画像を透過表示させる画像として生成する請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記表示画面データが示す画像を前記表示部に表示させるとき、当該表示画像データが示す画像の表示開始時から予め定められた時間だけ、前記位置明示画像を前記特定領域の画像上に重ねて表示させる請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記画面データ生成部は、前記特定領域抽出部によって抽出された前記各特定領域のデータに、前記複数頁における当該各特定領域が属する画像データの頁番号を示す画像を付加して、前記表示部の表示画面に表示する表示画面データを生成する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記画像データ取得部によって取得された複数頁分の画像データのうち、前記画面データ生成部に前記表示画像データを生成させる画像データの頁の指定を操作者から受け付ける画像データ指定受付部を更に備え、
前記画面データ生成部は、前記画像データ指定受付部によって指定が受けられた頁の画像データを用いて前記表示画面データを生成する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像表示装置と、
前記画像データ取得部によって取得された画像データに基づいて記録媒体に画像形成する画像形成部と
を備える画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−139315(P2011−139315A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298181(P2009−298181)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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