説明

画像記録装置および画像処理プログラム

【課題】記録媒体の印刷位置における各ドットのずれを容易に補正することができる画像記録装置および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】色ずれ補正テーブルを参照してドット位置の修正を行う。まず、補正の対象とするドットの位置に対応する色ずれ補正テーブルのXオフセットが0であるか否かを判断し(S4)、Xオフセットが0でない場合は、X方向の位置を補正テーブルに記憶している分だけ変更し、その位置をRAM22のワークエリアに一時記憶する(S5)。Xオフセットが0である場合(S4:Yes)、またはS5の処理を終了した場合は、ドットの位置に対応する色ずれ補正テーブルのYオフセットが0であるか否かを判断し(S6)、Yオフセットが0でない場合は、Y方向の位置を補正テーブルに記憶している分だけ変更し、同様にRAM22のワークエリアに一時記憶する(S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に複数色を重ねて印刷を行う場合の色ずれを防止することができる画像記録装置および画像処理を行う画像処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー電子写真プリンタ(レーザープリンタ)などの画像記録装置によりカラー画像の印刷を行う場合には、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)などの複数の色を重ねて印刷することにより所望の色を再現する。しかしながら、記録媒体を搬送する機構に種々のむらや配置誤差が生じ、複数の色を重ねて印刷する位置がずれる色ずれが発生する。特開2001−337504号公報には、この色ずれを防止するために、色毎にずれを補正する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2001−337504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の画像記録装置や画像処理プログラムでは、色毎またはライン毎などで補正することはできるが、記録媒体の印刷位置における各ドットのずれを個々に補正することができず、印刷された色が印刷面において均一ではないなどの問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、記録媒体の印刷位置における各ドットのずれを容易に補正することができる画像記録装置および画像処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明の請求項1記載の画像記録装置は、画像情報を入力する入力手段と、その入力手段により入力された画像情報から印刷を行う各ドットの階調を設定するハーフトーン処理を行うハーフトーン処理手段と、そのハーフトーン処理手段により設定された階調で記録媒体に印刷を行う印刷手段とを備えたものであり、前記記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、ドット位置を補正する補正値を記憶する補正値記憶手段と、前記ハーフトーン処理手段により設定された階調のドットを出力する出力位置を、前記補正値記憶手段に記憶された補正値に基づいて補正するドット位置補正手段とを備えている。
【0006】
請求項2記載の画像記録装置は、請求項1記載の画像記録装置において、前記補正値記憶手段は、記録媒体を搬送する搬送方向における縦方向補正値と、前記搬送方向に垂直な方向における横方向補正値とを記憶し、前記ドット位置補正手段は、前記補正値記憶手段に記憶されている縦方向補正値に基づいて搬送方向のドットの出力位置を補正し、横方向補正値に基づいて搬送方向に垂直な方向のドットの出力位置を補正する。
【0007】
請求項3記載の画像記録装置は、請求項1または2記載の画像記録装置において、前記ハーフトーン処理手段は、画像を構成する複数の色毎に各ドットの階調を設定するものであり、前記補正値記憶手段は、前記色毎に、かつ記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶し、前記ドット位置補正手段は、前記色毎に前記補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいてドットの出力位置を補正する。
【0008】
請求項4記載の画像記録装置は、請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置において、前記入力手段により入力された画像の種類を検出する画像種類検出手段を備え、前記ドット位置補正手段は、前記画像種類検出手段により検出された画像の種類が自然画像である場合には、補正を行わない。
【0009】
請求項5記載の画像記録装置は、請求項4記載の画像記録装置において、前記画像種類検出手段は、前記入力手段により入力された画像情報のファイルに付与されたファイル名の拡張子により画像の種類を検出する。
【0010】
請求項6記載の画像記録装置は、請求項4記載の画像記録装置において、前記画像種類検出手段は、前記入力手段により入力された画像情報のデータの種類に基づいてイメージ情報であるか否かを検出する。
【0011】
請求項7記載の画像処理プログラムは、画像情報を入力する入力ステップと、その入力ステップにより入力された画像情報から印刷を行う際の各ドットの階調を設定するハーフトーン処理を行うハーフトーン処理ステップとを備えた画像処理装置の制御手段により実行されるものであり、前記ハーフトーン処理ステップにより設定された階調のドットの出力位置を、記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶する補正値記憶手段に記憶された補正値に基づいて補正するドット位置補正ステップを備えている。
【0012】
請求項8記載の画像処理プログラムは、請求項7記載の画像処理プログラムにおいて、前記補正値記憶手段は、記録媒体を搬送する搬送方向における縦方向補正値と、前記搬送方向に垂直な方向における横方向補正値とを記憶し、前記ドット位置補正ステップは、前記補正値記憶手段に記憶されている縦方向補正値に基づいて搬送方向のドットの出力位置を補正し、横方向補正値に基づいて搬送方向に垂直な方向のドットの出力位置を補正する。
【0013】
請求項9記載の画像処理プログラムは、請求項7または8記載の画像処理プログラムにおいて、前記ハーフトーン処理ステップは、画像を構成する複数の色毎に各ドットの階調を設定するものであり、前記補正値記憶手段は、前記色毎に、かつ記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶し、前記補正ステップは、前記色毎に前記補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいてドットの出力位置を補正する。
【0014】
請求項10記載の画像処理プログラムは、請求項7から9のいずれかに記載の画像処理プログラムにおいて、前記入力ステップにより入力された画像の種類を検出する画像種類検出ステップを備え、前記ドット位置補正ステップは、前記画像種類検出ステップにより検出された画像の種類が自然画像である場合には、補正を行わない。
【0015】
請求項11記載の画像処理プログラムは、請求項10記載の画像処理プログラムにおいて、前記画像種類検出ステップは、前記入力手段により入力された画像情報のファイルに付与されたファイル名の拡張子により画像の種類を検出する。
【0016】
請求項12記載の画像処理プログラムは、請求項10記載の画像記録プログラムにおいて、前記画像種類検出ステップは、前記入力ステップにより入力された画像情報のデータの種類に基づいてイメージ情報であるか否かを検出する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の画像記録装置によれば、記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、ドット位置を補正する補正値を記憶する補正値記憶手段と、ハーフトーン処理手段により設定された階調のドットを出力する出力位置を、補正値記憶手段に記憶された補正値に基づいて補正するドット位置補正手段とを備えているので、ドットの縦方向、あるいあは横方向のライン毎にずれを補正したり、印刷色毎に補正を行う場合に比べ、より高い精度で色ずれを防止し、高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の画像記録装置によれば、請求項1記載の画像記録装置の奏する効果に加え、補正値記憶手段は、記録媒体を搬送する搬送方向における縦方向補正値と、搬送方向に垂直な方向における横方向補正値とを記憶し、ドット位置補正手段は、補正値記憶手段に記憶されている縦方向補正値に基づいて搬送方向のドットの出力位置を補正し、横方向補正値に基づいて搬送方向に垂直な方向のドットの出力位置を補正するので、印刷面の横方向および縦方向においての色ずれを補正することができ、より高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【0019】
請求項3記載の画像記録装置によれば、請求項1または2記載の画像記録装置の奏する効果に加え、ハーフトーン処理手段は、画像を構成する複数の色毎に各ドットの階調を設定するものであり、補正値記憶手段は、色毎に、かつ記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶し、ドット位置補正手段は、色毎に前記補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいてドットの出力位置を補正するので、複数の色を重ねて印刷を行う場合に、色毎にドット位置が補正され、より高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【0020】
請求項4記載の画像記録装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置の奏する効果に加え、入力手段により入力された画像の種類を検出する画像種類検出手段を備え、ドット位置補正手段は、画像種類検出手段により検出された画像の種類が自然画像である場合には、補正を行わないので、写真などの自然画像では、ドットのずれによる画質の劣化が、文字やラインの画像に比べて顕著ではなく、補正を行わない方が画質が良好であるという効果がある。
【0021】
請求項5記載の画像記録装置によれば、請求項4記載の画像記録装置の奏する効果に加え、画像種類検出手段は、入力手段により入力された画像情報のファイルに付与されたファイル名の拡張子により画像の種類を検出するので、簡単な処理で、画像の種類を検出することができるという効果がある。
【0022】
請求項6記載の画像記録装置によれば、請求項4記載の画像記録装置の奏する効果に加え、画像種類検出手段は、入力手段により入力された画像情報のデータの種類に基づいてイメージ情報であるか否かを検出するので、一つの印刷面または一つのファイル中に文字、ライン、写真などの自然画が混在する場合に、その種類を検出し、文字やラインは、ドット位置の補正を行い、写真などは、補正を行わないようにすることができる。したがって、画像の種類に応じた高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【0023】
請求項7記載の画像処理プログラムによれば、ハーフトーン処理ステップにより設定された階調のドットの出力位置を、記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶する補正値記憶手段に記憶された補正値に基づいて補正するドット位置補正ステップを備えているので、ドットの縦方向、あるいあは横方向のライン毎にずれを補正したり、印刷色毎に補正を行う場合に比べ、より高い精度で色ずれを防止し、高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【0024】
請求項8記載の画像処理プログラムによれば、請求項7記載の画像処理プログラムの奏する効果に加え、補正値記憶手段は、記録媒体を搬送する搬送方向における縦方向補正値と、搬送方向に垂直な方向における横方向補正値とを記憶し、ドット位置補正ステップは、補正値記憶手段に記憶されている縦方向補正値に基づいて搬送方向のドットの出力位置を補正し、横方向補正値に基づいて搬送方向に垂直な方向のドットの出力位置を補正するので、印刷面の横方向および縦方向においての色ずれを補正することができ、より高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【0025】
請求項9記載の画像処理プログラムによれば、請求項7または8記載の画像処理プログラムの奏する効果に加え、ハーフトーン処理ステップは、画像を構成する複数の色毎に各ドットの階調を設定するものであり、補正値記憶手段は、色毎に、かつ記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶し、補正ステップは、色毎に補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいてドットの出力位置を補正するので、複数の色を重ねて印刷を行う場合に、色毎にドット位置が補正され、より高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【0026】
請求項10記載の画像処理プログラムによれば、請求項7から9のいずれかに記載の画像処理プログラムの奏する効果に加え、入力ステップにより入力された画像の種類を検出する画像種類検出ステップを備え、ドット位置補正ステップは、画像種類検出ステップにより検出された画像の種類が自然画像である場合には、補正を行わないので、写真などの自然画像では、ドットのずれによる画質の劣化が、文字やラインの画像に比べて顕著ではなく、補正を行わない方が画質が良好であるという効果がある。
【0027】
請求項11記載の画像処理プログラムによれば、請求項10記載の画像処理プログラムの奏する効果に加え、画像種類検出ステップは、入力手段により入力された画像情報のファイルに付与されたファイル名の拡張子により画像の種類を検出するので、簡単な処理で、画像の種類を検出することができるという効果がある。
【0028】
請求項12記載の画像処理プログラムによれば、請求項10記載の画像記録プログラムの奏する効果に加え、画像種類検出ステップは、入力ステップにより入力された画像情報のデータの種類に基づいてイメージ情報であるか否かを検出するので、一つの印刷面または一つのファイル中に文字、ライン、写真などの自然画が混在する場合に、その種類を検出し、文字やラインは、ドット位置の補正を行い、写真などは、補正を行わないようにすることができる。したがって、画像の種類に応じた高画質の印刷を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態としてのカラー電子写真プリンタ1の全体構成を示す縦断面図である。図1に示すように、カラー電子写真プリンタ1は、4つの画像形成ユニット20が水平方向に並んで配設される横置きタイプのタンデム方式のものであって、本体ケーシング5に記録媒体媒体である記録用紙3を給紙する給紙部9、給紙された記録用紙3に画像を形成する画像形成部4、画像が形成された記録用紙3を排紙する排紙部6、及び、本カラー電子写真プリンタ1を制御する制御部90を備えている。
【0030】
給紙部9は、本体ケーシング5内の底部において、本体ケーシングに対して前側(図1の右側)から着脱自在に装着される給紙トレイ12と、その給紙トレイ12の一端上方(前側上方)に設けられる給紙ローラ83と、その給紙ローラ83の手前側であって、給紙ローラ83に対して記録用紙3の搬送方向下流側に設けられる搬送ローラ14a,14bとを備えている。
【0031】
給紙トレイ12内には、記録用紙3がスタックされ、その最上部にある記録用紙3が、給紙ローラ83の回転により搬送ローラ14a,14bに向けて給紙され、搬送ベルト68と各感光体ドラム62との間に順次搬送される。
【0032】
画像形成部4は、本体ケーシング5内の中間部において、画像を形成する4つの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kと、各画像形成ユニット20で形成された画像を記録用紙3に転写する転写部17と、記録用紙3に転写された画像を加熱・加圧して記録用紙3に定着させる定着部8とを備えている。なお、上記Y,M,C,Kの添え字は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色を表している。
【0033】
各画像形成ユニット20は、像担持体としての感光体ドラム62、感光体ドラム62の周囲に感光体ドラム62を帯電させる帯電器31、感光体ドラム62に静電潜像を形成する露光ユニット41、及び、感光体ドラム62との間に引加される現像バイアスにより感光ドラム62に現像剤としてのトナーを付着させ、トナー像を形成する現像ユニット51Y,51M,51C,51Kとを備えている。
【0034】
帯電器31は、例えば、タングステン等からなる帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させて、感光ドラム62の表面を一様に正極性に帯電させるスコロトン型の帯電器である。露光ユニット41は、感光ドラム62の表面に静電潜像を形成するための光を発生するLEDアレイ等から構成されている。この露光ユニット41では、LEDアレイから発光される光が感光体ドラム62に照射され、感光体ドラム62の表面に静電潜像を形成する。なお、露光ユニット41は、LEDアレイではなく、レーザー光を照射することにより露光するものであてもよい。
【0035】
現像ユニット51は、現像ケーシング55内に、ホッパ56、供給ローラ32及び現像ローラ52を備えている。ホッパ56は、現像ケーシング55の内部空間として形成され、各画像形成ユニット20毎に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが収容されている。すなわち、上述した4つの画像形成ユニット20は、ホッパ56にイエローのトナーが収容された画像形成ユニット20Yと、ホッパ56にマゼンタのトナーが収容された画像形成ユニット20Mと、ホッパ56にシアンのトナーが収容された画像形成ユニット20Cと、ホッパ56にブラックのトナーが収容された画像形成ユニット20Kとから構成され、トナーの色が異なるのみで、同様の構成から成る。
【0036】
供給ローラ32は、ホッパ56の下方側に配設され、金属製のローラ軸に、導電性のスポンジ部材からなるローラ部分が被覆されている。この供給ローラ32は、現像ローラ52と対向接触するニップ部分において、現像ローラ52と逆方向に回転するように回転可能に支持されている。
【0037】
現像ローラ52は、供給ローラ32の側方において、供給ローラ32と互いに対向接触する位置に回転可能に配設され、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ部が被覆されており、現像バイアス電圧が電源110(図2参照)から印加される。
【0038】
転写部17は、本体ケーシング5の内部において、感光体ドラム62と対向するように設けられ、搬送ベルト駆動ローラ63と、搬送ベルト従動ローラ64と、エンドレスベルトである搬送ベルト68と、転写ローラ61とを備えている。搬送ベルト従動ローラ64は、記録用紙3の搬送方向に対して最上流側のイエローの画像形成ユニット20Yの感光体ドラム62より上流側であって、給紙ローラ83の上方手前側に配設される。
【0039】
搬送ベルト駆動ローラ63は、記録用紙3の搬送方向に対して最下流側のブラックの画像形成ユニット20Kの感光体ドラム62より下流側であって、定着部8よりも上流側配設される。搬送ベルト68は、搬送ベルト駆動ローラ63と搬送ベルト従動ローラ64との間に巻回され、外側の面が各画像形成ユニット20の全ての感光体ドラム62と接触するように配設される。搬送ベルト駆動ローラ63の駆動により搬送ベルト68が、搬送ベルト駆動ローラ63と搬送ベルト従動ローラ64との間で反時計方向に周回移動する。
【0040】
転写ローラ61は、巻回されている搬送ベルト68の内側において、各画像形成ユニット20の感光体ドラム62と、搬送ベルト68を挟んで対向するようにそれぞれ配設され、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材などの弾性部材からなるローラ部分が被覆されている。この転写ローラ61と感光体ドラム62との間には、転写時に、感光体ドラム62に担持されているトナー像が記録用紙3に転写される方向に所定の電圧が引加される。
【0041】
定着部8は、画像形成ユニット20及び転写部17の下流側に配設され、加熱ローラ81及び押圧ローラ82を備えている。加熱ローラ81は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されて、このハロゲンランプにより加熱ローラ81の表面が定着温度に加熱される。押圧ローラ82は、加熱ローラ81を押圧するように配設される。
【0042】
排紙部6は、本体ケーシング5内の上部において、定着部8の下流側に配設され、画像の定着が完了した記録用紙3を排紙トレイ10に排出する一対の排紙ローラ11と、その排紙ローラ11の下流側に配設され、画像形成工程を終了した記録用紙3を蓄積する排紙トレイ10とを備えている。
【0043】
搬送ベルト駆動ローラ63の斜め下、後方には、搬送ベルト68上に形成されたバッチ等を読取る濃度センサ80が搬送ベルト68の外側表面と対向して設けられ、搬送ベルト駆動ローラ63の斜め下、前方には、搬送ベルト68上に付着したトナー(上記バッチ等)を回収するためのトナー回収器107が、そのトナー回収器107のトナー回収ローラ105が搬送ベルト68の外側表面に接するように配設される。
【0044】
次に、図2を参照してカラー電子写真プリンタ1とそのカラー電子写真プリンタ1に画像情報を提供するパーソナルコンピュータ120(以下、PCと略す)との電気的構成について説明する。図2は、カラー電子写真プリンタ1とPC120との電気的構成を示すブロック図である。図2に示すように、カラー電子写真プリンタ1は、装置各部を統括制御する制御部90を備え、制御部90を構成するドライバ26を介して、各画像形成ユニット20、給紙ローラ83、搬送ローラ14a、14b、搬送ベルト駆動ローラ63、転写ローラ61、加熱ローラ81、押圧ローラ82、排紙ローラ11、電源110にそれぞれ制御信号を送るように構成されている。
【0045】
制御部90は、CPU22、ROM23、RAM24、I/O25およびドライバ26
外部メディアスロット27、インターフェース(以下、I/Fと称す)28等を備えている。CPU22は、ROM23に記憶された各種プログラムを実行するマイクロプロセッサであり、RAM24は、CPU22が各種プログラムを実行する際、変数などを一時記憶するワークエリアを有するメモリである。ROM23は、CPU22により実行される各種プログラムや、そのプログラムを実行する際に参照する定数やテーブルを記憶する読み出し専用のメモリである。
【0046】
ROM23は、制御プログラムである印刷制御プログラム(本発明の画像処理プログラム)を記憶する印刷制御プログラムメモリ23a、色ずれ補正テーブルを記憶する色ずれ補正テーブルメモリ23b等を備えている。印刷制御プログラムは、外部メディアスロット27に装着されたメディアから入力されるカラー画像情報をカラー電子写真プリンタ1により印刷を行う印刷情報に変換するプログラムである。
【0047】
入力されるカラー画像情報は、RGBなどの値により構成され、これらの値をカラー電子写真プリンタ1において最適な状態で印刷を行うことができるように、印刷に使用するインクや印刷される印刷用紙の種類や印刷の解像度などに適合するように、ルックアップテーブルなどを用いて印刷情報であるCMYKの値に変換する色変換処理や、色変換処理により変換された情報を更に二値などに置換するハーフトーン処理や、ハーフトーン処理により設定されたドットの位置を色ずれが発生しないように補正する色ずれ補正処理などを行う。
【0048】
また、色ずれ補正テーブルは、色ずれ補正処理において参照されるテーブルであり、印刷紙面の座標位置に対応して、X方向およびY方向の補正値を記憶する。
【0049】
外部メディアスロット27は、デジタルカメラなどで撮影された画像情報(イメージデータ)を記憶する外部メディアを着脱自在に装着することができ、装着された外部メディアから直接画像情報(RGB)を入力する。
【0050】
I/F28は、USB規格などの通信を行うインターフェースで、PC120や、デジタルカメラから画像情報を入力することができる。
【0051】
PC120は、CPU121と、ROM122と、RAM123と、ハードディスク124と、インターフェース125と、操作子125と、表示器127等により構成されている。CPU121は、ROM122やハードディスク124に記憶された各種プログラムを実行するマイクロプロセッサであり、RAM123は、CPU121が各種プログラムを実行する際、ハードディスク24に記憶されたプログラムを記憶したり、変数などを一時記憶するワークエリアを有するメモリである。
【0052】
ハードディスク124は、プリンタドライバを記憶するプリンタドライバメモリ124a、色ずれ補正テーブルを記憶する色ずれ補正テーブルメモリ124b、各種アプリケーションソフトを記憶するアプリケーションメモリ124cなどを備えている。
【0053】
プリンタドライバメモリ124aに記憶されるプリンタドライバは、カラー電子写真プリンタ1に付属されるCD−ROMなどにより供給されるプログラムであり、PC120において、RGBにより構成される画像データをCMYKにより構成される印刷データに変換するなどの印刷データを作成したり、カラー電子写真プリンタ1を適切に制御するデータを作成するものである。プリンタドライバは、PC120に備えられた図示しないCD−ROMドライブに装着されたCD−ROMなどからハードディスク124にインストールされる。
【0054】
色ずれ補正テーブルメモリ124bに記憶される色ずれ補正テーブルは、プリンタドライバとともに、CD−ROMなどにより供給されるものであり、プリンタドライバに含まれる色ずれ補正処理を行う際に参照され、図4を参照して後述する。
【0055】
アプリケーションメモリ124cに記憶される各種アプリケーションソフトは、デジタルカメラで撮影された写真の編集を行う画像処理ソフトや、文書や表を作成するワープロソフトなどであり、これらのアプリケーションソフトにより画像情報が形成される。
【0056】
これらの画像情報を印刷する場合は、形成された画像情報がプリンタドライバにより印刷情報に変換され、カラー電子写真プリンタ1へ出力される。
【0057】
また、インターフェース125は、ケーブルを通して外部機器と通信を行うUSBなどのインターフェースで、デジタルカメラにより撮影された画像情報を入力したり、カラー電子写真プリンタ1に印刷を行うための印刷情報を出力したりすることができる。
【0058】
操作子126は、PC120の各種設定を行ったり、文字を入力するキーボードやマウスを備えている。表示器127は、液晶などにより構成され、CPU121によりプログラムが実行されるとユーザにより種々の値などが設定される設定画面や、設定された値などに基づいて形成された画像などが表示されるものである。
【0059】
次に図3および図4を参照して、色ずれを補正する方法について説明する。図3は、色ずれが発生する状態を示す模式図であり、図4は、色ずれを補正する色ずれ補正処理において参照される色ずれ補正テーブルである。
【0060】
図3(a)は、水平方向(X方向)にずれが発生した場合を、正常な場合と対比して示し、左側が、正常な場合を、右側が色ずれを発生した場合をそれぞれ示している。この図では、模式的に、5つの黒丸でしめす一つの色(例えば、マゼンタ)の画素と、四角で示す他の色(例えば、シアン)の画素とを、重ねることにより画像を形成する場合を想定している。正常時には、重ねて印刷された画素が正しく配置され、四角の画素と黒丸の画素とが、重ねて配置される縦3列は、一致した位置に配置され、重ならない位置に配置された画素は、互いに接触しない位置に配置される。
【0061】
一方、色ずれを生じた場合は、黒丸が紙面右側にわずかずれて配置され、縦3列の四角と黒丸とがずれて配置されるとともに、重ならないように配置された画素は、位置がずれたために、他の画素に接触して配置される。
【0062】
図3(b)は、垂直方向(Y方向)にずれが発生した場合を、正常な場合と対比して示し、上側が、正常な場合を、下側が色ずれを発生した場合をそれぞれ示してている。正常時には、重ねて印刷された画素が正しく配置され、四角の画素と黒丸の画素とが、重ねて配置される横3列は、一致した位置に配置され、重ならない位置に配置された画素は、互いに接触しない位置に配置される。
【0063】
一方、色ずれを生じた場合は、黒丸が紙面上側にわずかずれて配置され、横3列の四角と黒丸とがずれて配置されるとともに、重ならないように配置された画素は、位置がずれたために、他の画素に接触して配置される。
【0064】
したがって、これらの色ずれが発生する紙面上の位置を予め検出してメモリに記憶し、ずれが発生する位置では、そのメモリを参照することによりずれを補正し、正しい位置に画素を配置することができる。
【0065】
図4は、その補正を行うためにROM23の色ずれ補正テーブルメモリ23bに記憶された色ずれ補正テーブルの一部を示すものである。この色ずれ補正テーブルは、印刷用紙の紙面座標位置(アドレス)に対応してX方向およびY方向それぞれのずれを補正する値(オフセット)をドット単位で記憶するものである。図4に示す一部のテーブルでは、アドレスが0001から0004までの間は、X方向およびY方向ともにオフセット値が0であり、アドレスが00500から00502までの間は、X方向については、1ドットだけマイナス方向(左方向)へずらすようにオフセット値が記憶され、Y方向のオフセット値は、0である。また、アドレスが01500から01502の間は、X方向ついてマイナス1ドット、Y方向については、マイナス2ドットずらすようにオフセット値が記憶されている。なお、この色ずれ、補正テーブルは、CMYKそれぞれの色について記憶されている。
【0066】
次に図5を参照して、カラー電子写真プリンタ1において実行される印刷処理について説明する。図5は、カラー電子写真プリンタ1のCPU22により実行される印刷制御プログラムの印刷処理を示すフローチャートである。この印刷処理は、外部メディアスロット27に装着された外部メディアに記憶された画像情報の印刷の開始を図示しない操作子がユーザにより操作された場合に実行される処理である。
【0067】
まず、ROM23の色変換プログラムメモリ23aに記憶されている色変換プログラムにより、外部メディアに記憶されている画像情報(RGB)を、印刷を行う印刷情報(CMYK)に変換する(S1)。次に、変換された各CMYKの色毎の濃度値(8ビットで表される256段階)に基づいてハーフトーン処理により2値(有り、又は無し)に変換するハーフトーンよりを行う(S2)。このハーフトーン処理としては、ディザ法や誤差拡散法などが知られている。
【0068】
次に、外部メディアに記憶された画像情報の種類が自然画か否かを判断する(S3)。この判断は、画像情報のファイル名の拡張子により判断することができる。例えば、拡張子が「jpg」であれば、デジタルカメラなどで撮影されたJPEG方式の自然画であり、「doc」であれば、ワードプロセッサにより作成された文書であると判断することができる。
【0069】
画像情報の種類が自然画である場合は(S3:Yes)、色ずれ補正を行わない方が良好な画像を印刷することができるので、そのまま、印刷処理を行い(S12)、画像情報が自然画ではない場合は(S3:No)、色ずれ補正テーブルを参照してドット位置の補正を行う。まず、補正の対象とするドットの位置に対応する色ずれ補正テーブルのXオフセットが0であるか否かを判断し(S4)、Xオフセットが0でない場合は、X方向の位置を補正テーブルに記憶している分だけ変更し、その位置をRAM22のワークエリアに一時記憶する(S5)。Xオフセットが0である場合(S4:Yes)、またはS5の処理を終了した場合は、ドットの位置に対応する色ずれ補正テーブルのYオフセットが0であるか否かを判断し(S6)、Yオフセットが0でない場合は、Y方向の位置を補正テーブルに記憶している分だけ変更し、同様にRAM22のワークエリアに一時記憶する(S7)。
【0070】
Yオフセットが0である場合(S4:Yes)、またはS7の処理を終了した場合は、RAMのワークエリアに記憶したXおよびY方向の位置に、すでにドットが存在するか否かを判断する(S8)。その変更した座標位置にドットが存在しない場合は(S8:No)、その変更した位置にドットを配置し(S9)、すでに、その変更した位置にドットが存在する場合は(S8:Yes)、変更前の座標位置にドットを配置する(S10)。次に、この一連の処理を全画素について行ったか否かを判断し(S11)、まだ、処理を行っていない画素がある場合は(S11:No)、S4の処理に戻り、全ての画素についての処理を終了した場合は、処理した印刷情報に基づいて印刷を行う(S12)。なお、S4からS11までの処理は、CMYKの色毎に行い、全ての色についての処理を終了してからS12の印刷処理を行う。
【0071】
以上、第1の実施形態に基づいて説明したように、カラー電子写真プリンタ1において、ROM23の色ずれ補正テーブルメモリ23bに印刷紙面の座標位置に対応して画素を配置する位置を補正する値を記憶し、印刷を行う情報の各画素の印刷位置を色ずれ補正テーブルを参照して補正を行う。ただし、入力された画像情報のファイル名の拡張子から自然画か否かを判断し、写真などの自然画である場合には、補正を行わないように制御する。このことにより、画像が線画や文字などの場合には、画素の印刷位置が補正され、高画質の印刷を行うことができる。また、画像が自然画である場合には、色ずれが発生して目立つことがなく、良好な画質で印刷を行うことができる。
【0072】
次に、第2の実施形態について図6〜図8を参照して説明する。なお、上記した第1の実施形態と同一部分には、同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
上記、第1の実施形態では、カラー電子写真プリンタ1において、ドットを配置する座標位置の補正処理を行うものとしたが、第2の実施形態では、PC120のハードディスク124にインストールされたプリンタドライバにより行われるものである。このプリンタドライバによる処理の、色ずれ補正処理では、ハードディスク124の色ずれ補正テーブルメモリ124bに記憶された色ずれ補正テーブルが参照される。
【0074】
また、このプリンタドライバによる処理の場合、PC120にインストールされたアプリケーションソフトにより、画像や文字などの画像が形成され、アプリケーションソフトからプリンタプログラムへ画像のデータとともに、画像の種類に応じたコマンドが渡され、そのコマンドの種類により、画像が自然画であるか否かを判断する。
【0075】
したがって、一枚の記録用紙に自然画や文字や線が混在する場合にも、画像毎に最適な処理を行うことができる。
【0076】
図6は、グラフィックツールにより作成された、一つの画像中に写真などのグラフィック画と、図形などの線画と、文字により形成される文書とが混在する画像である。
【0077】
この図において、グラフィック部分は、グラフィック描画コマンドにより形成され、線画や表の罫線は、ライン描画コマンドにより形成され、文字は、文字描画コマンドにより形成される。
【0078】
図7〜図9は、プリンタドライバにより実行される印刷処理を示すフローチャートである。まず、アプリケーションソフトからグラフィック描画コマンド、ライン描画コマンドおよび文字描画コマンドをそれぞれ入力し(S21)、これらの描画コマンドに従って描画処理を行う(S22)。この描画処理については、図8を参照して後述する。次に、RGBをCMYKに色変換を行い(S23)、更にハーフトーン処理を行う(S24)。これらの色変換処理およびハーフトーン処理は、第1の実施形態と同様のものである。
【0079】
次に、色ずれ補正処理を行い(S25)、カラー電子写真プリンタ1へ出力する(S26)。色ずれ補正処理については、図9を参照して後述する。
【0080】
次に、図8を参照して描画処理について説明する、図8は、描画処理を示すフローチャートである。この描画処理では、まず、アプリケーションソフトから入力した描画コマンドをチェックする(S31)。次に、その描画コマンドがライン描画コマンドか否かを判断し(S32)、ライン描画コマンドである場合は(S32:Yes)、その描画コマンドにより描画する画素の位置を色ずれ補正を行う個所であるとして、RAM123の所定のワークエリアに登録(記憶)し(S35)、描画処理を行う(S36)。その描画コマンドがライン描画コマンドではない場合は(S32:No)、その描画コマンドが文字描画コマンドであるか否かを判断する(S33)。その描画コマンドが文字描画コマンドである場合は(S33:Yes)、その描画コマンドにより描画する画素の位置を色ずれ補正を行う個所であるとして、RAM123の所定のワークエリアに登録し(S35)、描画処理を行う(S36)。
【0081】
その描画コマンドが文字描画コマンドではない場合は(S33:No)、その描画コマンドがグラフィッック描画コマンドであるか否かを判断する(S34)。その描画コマンドがグラフィッック描画コマンドである場合は(S34:Yes)、画素位置の色ずれ補正を行わないので、RAM123への登録を行わずに、描画処理を行う(S36)。
【0082】
この描画処理は、描画コマンドに基づいて、印刷を行うためのイメージデータを形成し、ハードディスクの所定の領域に記憶する処理である。この描画処理を終了した場合、または、S34の判断処理で、描画コマンドが、グラフィック描画コマンドではない場合は、アプリケーションソフトから入力した全ての描画コマンドについての処理を終了したか否かを判断し(S37)、まだ処理を行っていない描画コマンドがある場合は(S37:No)、S31の処理に戻り、全ての描画コマンドについての処理を終了した場合は(S37:Yes)、この描画処理を終了する。
【0083】
次に、図9を参照して色ずれ補正処理について説明する。図9は、色ずれ補正処理を示すフローチャートである。この色ずれ補正処理では、各画素について処理を行うが、まず、処理を行う対象とする画素の画素位置が色ずれ補正個所として、RAM123の所定のワークエリアに登録されているか否かを判断する(S41)。色ずれ補正個所として登録されている場合は(S41:Yes)、S42〜S48の処理が行われるが、この処理は、図5に記載のフローチャートのS4〜S10の処理と同様であるので詳細な説明は、省略する。S41の判断処理において、画素位置が色ずれ補正個所として登録されていない場合(S41:No)または、S47、S48の処理を終了した場合は、画面を構成する全ての画素について処理を終えたか否かを判断し(S49)、まだ処理を終えていない画素がある場合は(S49:No)、S41の処理に戻り、全ての画素について処理を終了した場合は(S49:Yes)、この色ずれ補正処理を終了する。
【0084】
以上、第2の実施形態に基づいて説明したように、プリンタドライバによる印刷処理では、アプリケーションソフトにより形成された描画コマンドにより、画像の種類を判別し、画像が自然画ではない場合は、色ずれ補正処理を行う。よって、一つの印刷面に線画、文字、グラフィックなどが印刷される場合、画像が線画または文字である場合に色ずれ補正を行い、グラフィックなどの自然画である場合は、色ずれ補正を行わないように制御することができる。
【0085】
なお、請求項に記載のドット位置補正手段およびドット位置補正ステップは、図5に示すフローチャートのS4からS10の処理、または図9に示すフローチャートのS41からS48の処理が該当し、画像種類検出手段および画像種類検出ステップは、図5に示すフローチャートのS3の処理、または図8に示すフローチャートのS32からS34の処理が該当する。
【0086】
以上実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0087】
例えば、上記各実施形態では、印刷を行う装置をカラー電子写真プリンタ1としたが、インクジェットプリンタや、画像を読み込むスキャナを備えたコピー装置や、通信回線を介して画像情報を受信し、印刷を行うファクシミリ装置などとしてもよい。
【0088】
また、上記各実施形態では、ハーフトーン処理は、ドットを形成するか形成しないかの二値を設定するものとしたが、ドットを形成する場合、大ドット、中ドット、小ドットなどを設定するとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態におけるカラー電子写真プリンタの機構の縦断面を示す機構図である。
【図2】カラー電子写真プリンタおよびパーソナルコンピュータの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】画素位置を補正する類を選択する選択画面を示す図である。
【図4】画素位置を補正する補正値を記憶する補正テーブルである。
【図5】カラー電子写真プリンタにおける印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態において印刷処理される画像を示す図である。
【図7】第2の実施形態におけるプリンタドライバによる印刷処理を示すフローチャートである。
【図8】プリンタドライバによる印刷処理のうち、描画処理を示すフローチャートである。
【図9】プリンタドライバによる印刷処理のうち、色ずれ補正処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 カラー電子写真プリンタ(画像記録装置)
23 ROM
23a 印刷処理プログラムメモリ
23b 色ずれ補正テーブルメモリ(補正値記憶手段)
120 パーソナルコンピュータ
121 CPU
124 ハードディスク
124a プリンタドライバメモリ
124b 色ずれ補正テーブルメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を入力する入力手段と、その入力手段により入力された画像情報から印刷を行う各ドットの階調を設定するハーフトーン処理を行うハーフトーン処理手段と、そのハーフトーン処理手段により設定された階調で記録媒体に印刷を行う印刷手段とを備えた画像記録装置において、
前記記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、ドット位置を補正する補正値を記憶する補正値記憶手段と、
前記ハーフトーン処理手段により設定された階調のドットを出力する出力位置を、前記補正値記憶手段に記憶された補正値に基づいて補正するドット位置補正手段とを備えていることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記補正値記憶手段は、記録媒体を搬送する搬送方向における縦方向補正値と、前記搬送方向に垂直な方向における横方向補正値とを記憶し、
前記ドット位置補正手段は、前記補正値記憶手段に記憶されている縦方向補正値に基づいて搬送方向のドットの出力位置を補正し、横方向補正値に基づいて搬送方向に垂直な方向のドットの出力位置を補正することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記ハーフトーン処理手段は、画像を構成する複数の色毎に各ドットの階調を設定するものであり、
前記補正値記憶手段は、前記色毎に、かつ記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶し、
前記ドット位置補正手段は、前記色毎に前記補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいてドットの出力位置を補正することを特徴とする請求項1または2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記入力手段により入力された画像の種類を検出する画像種類検出手段を備え、
前記ドット位置補正手段は、前記画像種類検出手段により検出された画像の種類が自然画像である場合には、補正を行わないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記画像種類検出手段は、前記入力手段により入力された画像情報のファイルに付与されたファイル名の拡張子により画像の種類を検出することを特徴とする請求項4記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記画像種類検出手段は、前記入力手段により入力された画像情報の印刷データの種類に基づいてイメージ情報であるか否かを検出することを特徴とする請求項4記載の画像記録装置。
【請求項7】
画像情報を入力する入力ステップと、その入力ステップにより入力された画像情報から印刷を行う際の各ドットの階調を設定するハーフトーン処理を行うハーフトーン処理ステップとを備えた画像処理装置の制御手段により実行される画像処理プログラムにおいて、
前記ハーフトーン処理ステップにより設定された階調のドットの出力位置を、記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶する補正値記憶手段に記憶された補正値に基づいて補正するドット位置補正ステップを備えていることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
前記補正値記憶手段は、記録媒体を搬送する搬送方向における縦方向補正値と、前記搬送方向に垂直な方向における横方向補正値とを記憶し、
前記ドット位置補正ステップは、前記補正値記憶手段に記憶されている縦方向補正値に基づいて搬送方向のドットの出力位置を補正し、横方向補正値に基づいて搬送方向に垂直な方向のドットの出力位置を補正することを特徴とする請求項7記載の画像処理プログラム。
【請求項9】
前記ハーフトーン処理ステップは、画像を構成する複数の色毎に各ドットの階調を設定するものであり、
前記補正値記憶手段は、前記色毎に、かつ記録媒体の印刷面におけるドット位置毎に、補正値を記憶し、
前記補正ステップは、前記色毎に前記補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいてドットの出力位置を補正することを特徴とする請求項7または8記載の画像処理プログラム。
【請求項10】
前記入力ステップにより入力された画像の種類を検出する画像種類検出ステップを備え、
前記ドット位置補正ステップは、前記画像種類検出ステップにより検出された画像の種類が自然画像である場合には、補正を行わないことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の画像処理プログラム。
【請求項11】
前記画像種類検出ステップは、前記入力手段により入力された画像情報のファイルに付与されたファイル名の拡張子により画像の種類を検出することを特徴とする請求項10記載の画像処理プログラム。
【請求項12】
前記画像種類検出ステップは、前記入力ステップにより入力された画像情報の印刷データの種類に基づいてイメージ情報であるか否かを検出することを特徴とする請求項10記載の画像記録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−223255(P2007−223255A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49521(P2006−49521)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】