説明

画像記録装置

【課題】 ユーザーの手を煩わすことなく、多種にわたる記録用紙の用紙情報の管理を行うこと。
【解決手段】 用紙幅、用紙種類、給紙位置や使用する用紙を自動検出して用紙を特定する用紙検出手段と複数の用紙のデータを記憶する記憶手段を記録装置に備え、複数の用紙を入れ替えても、前記検出手段で用紙を判別し記憶手段に用紙情報を保持し、前記記憶手段内の用紙情報を用紙エンドに近づいた時点などに通知するのではなく用紙セット時からユーザーに通知することが可能な通知手段を備え、用紙残量だけでなく、用紙に対する今までの印字長及び、最低記録可能枚数を通知する通知手段を備え、さらには用紙終端検知手段を設け、用紙を送り用紙終端を検知して用紙の長さを測ることにより正確な用紙残量を管理することが出来ることを特徴とする画像記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記録用紙を管理するための用紙情報記録方法を備えた画像記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の用紙情報を管理するものには、個々のロール紙ユニットに記憶素子を設け、画像記録装置本体が、この記憶素子に対して用紙残量情報の書込み及び読み込みを適宜行うようなものがある(例えば、特許文献1、2,3参照。)。また、ロール紙ユニットに記録素子を設けるのではなく、記録用紙そのものに用紙情報を印字することで記録し、記録用紙がセットされたときに記録用紙上に印字された情報を読み取るようなものもある(例えば、特許文献4、5、6参照。)。また、用紙識別番号により用紙を識別し用紙情報を管理するものもある(例えば、特許文献7参照。)。
【特許文献1】特開2003−63110号公報
【特許文献2】特開2003−54803公報
【特許文献3】特開平10−25046号公報
【特許文献4】特開2001−171881号公報
【特許文献5】特開2001−105675号公報
【特許文献6】特開2002−284439号公報
【特許文献7】特開2003−300362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ロール紙ユニットに記録素子を設けた場合は、現在出回っているロール紙を使用できないため、特別に画像記録装置が読み込めるようにロール紙を製作しなくてはならない、または、ロール紙毎に記憶素子のユニットを取り付けなければならないといった問題が生じる。用紙情報を用紙自体に印字する場合カット紙などには使えず、ユーザーから見ると貴重な用紙を消費されることとなり、用紙を交換するごとに、用紙情報を印字する為すぐには交換することが出来ず、かつ必ず本体の電源が入っているときにしか交換が出来ない。一度でも用紙情報を印字することを怠ると、以降の用紙情報は全て消えてしまう。用紙識別番号により用紙を識別する場合は、用紙識別番号を記憶していなければならず、一度でも用紙識別番号がわからなくなると用紙情報が有効活用できなくなってしまう。
【0004】
また、いずれの場合も、用紙残量が印字可能領域よりも少なくなると交換を促すような残りの用紙長さの管理及び通知を行っているが、ロール紙などはあらかじめ表示の長さよりも実際の長さが長いことが多く、その分の誤差が生じることとなる。さらには、前述の通知のタイミングは交換が必要となる最終段階で行われるのが普通である。しかし、夜間や休業時等無人使用状態になることの多いファクシミリ等の場合では終業時に要補給・交換の警告が出ていないのに、その後の無人状態での自動受信によって要補給・交換の警告が出てそのまま使用不全や不能になることが時としてある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では上記課題を解決するために、用紙幅、用紙種類、給紙位置や使用する用紙を自動検出して用紙を特定する用紙検出手段と、複数の用紙のデータを記憶する記憶手段を記録装置に備え、複数の用紙を入れ替えても、前記検出手段で用紙を判別し記憶手段に用紙情報を保持し、前記記憶手段内の用紙情報を用紙エンドに近づいた時点などに通知するのではなく用紙セット時からユーザーに通知することが可能な通知手段を備え、用紙残量だけでなく、用紙に対する今までの印字長及び、最低記録可能枚数を通知する通知手段を備え、さらには用紙終端検知手段を設け、用紙を送り用紙終端を検知して用紙の長さを測ることにより正確な用紙残量を管理することが出来ることを特徴とする画像記録装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、通常は用紙を入れ替えるだけで自動識別され、用紙情報を管理することが可能となる。そのため特定のロール紙ユニットを設けることや用紙に印字を行うこと、番号管理を行うことなどが必要なく、ユーザーの手間が大幅に削減される。また、用紙残量が少なくなると交換を促すのではなく、用紙セット状態から使用した用紙長さや最低印字枚数などを通知することにより、夜間や休業時等無人使用状態での要補給・交換の警告が出てそのまま使用不全や不能になることを防止出来る。また、同幅、同種の用紙を新規でセットした場合などは、同じ紙があることをユーザーに通知することにより用紙の無駄を省くことが可能となる。さらに、複数の用紙がセットできる場合においては給紙位置や使用する用紙により、複数の同じロール紙のみでなくカット紙などの別種類の用紙を区別することができ、多種にわたる記録用紙の管理が可能となる。また、用紙を送り用紙終端を検知して用紙の長さを測ることにより正確な用紙残量も管理することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施例1)
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施例を示す画像記録装置であるインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。図1において10が本記録装置全体の制御を行う制御部である。14はI/F(インターフェース)部であり、このI/F部14と図示しないホストコンピュータが接続され、ホストコンピュータからコマンド及び印字を行う記録データが送られ、そのコマンドに応じて本インクジェット記録装置が動作することで記録データの記録紙上への記録を行うよう構成されている。また、本インクジェット記録装置の情報をホストコンピュータにコマンド及びデータを送ることで、記録装置の状態を通知することが可能で、これにより、ユーザーに用紙情報の通知も行うことが可能となる。一般的にI/F部14としてセントロニクス及びUSBインターフェースが多く用いられる。11はI/F部14から送られてくる記録データ(多値画像データ)に関してγ補正、色処理、拡大/縮小処理、2値化等を行う画像処理部であり、一例として メモリ、ASIC及びDSP、RISCチップ等で構成される。この画像処理部の構成及び機能に関しては、本体コストを下げるためにホスト側のドライバーやRIP(Raster Image Processor)により処理されるように構成される場合も多い。画像処理部11における処理の最終段でドットパターンに展開された印字データはメモリ部16に一旦蓄積される。このメモリ部16は図示しない記録ヘッドが主走査方向に1回スキャンして記録を行うために必要な1バンド分以上のメモリから構成されている。メモリ部16は後述する用紙情報などの本体情報の記憶にも用いられる。このメモリ部16への印字データの書込み/読み出しは画像処理部11のDSP若しくはRISCチップの制御の下にメモリコントローラ15により行われ、メモリ部16に対してアドレス信号及び書込み/読み出しタイミング信号が生成される。またメモリ部16からの印字データの読み出しは、ヘッドコントローラ17からの読み出し信号に同期してヘッドコントローラ17に出力される。ヘッドコントローラ17は、図示しないリニアスケールからの信号を基にして、ヘッド部18でのインク吐出のタイミング信号やヒートパルスを制御部10の制御の基に生成する。18はヘッド部であり各色インクに対応する記録ヘッドからなり、制御部10及びヘッドコントローラ17によりヒータ部を加熱してインクを吐出することで紙面上への画像記録を行う。このヘッド部18は実際にはメカ駆動部13のキャリッジ上に取り付けられている。メカ駆動部13は記録ヘッドを主走査方向に移動させるためのキャリッジ部及びキャリッジ駆動部と、記録用紙の給紙部、紙搬送部、排紙部、記録ヘッドのインク詰りを回復するための回復ユニット部から構成されている。 12は給紙、排紙やメニューの選択を行うためのスイッチ類及び本インクジェット記録装置の状態表示やメニューの表示を行う表示装置からなる操作パネルであり、制御部10の制御によりスイッチ類のモニタ及び状態/メニュー表示が行われる。この12によりユーザーに用紙情報の通知も行うことが可能となる。本実施例においてはインクジェット記録装置全体の制御を画像処理部11、制御部10で分担して制御する構成になっており、主にI/F部14から入力されたコマンドの処理及び記録データを処理してメモリ部16への格納までの処理に関しては画像処理部11で行い、その後のヘッドコントローラ17及びメカ駆動部13を制御して印字動作を行う部分ならびに操作パネル12の制御を制御部10で行うようになっている。そのため画像処理部11と制御部10は定期的に通信を行い制御情報のやり取りを行うように構成されている。用紙検出部19はキャリッジ上に取り付けられたセンサー及び、用紙終端検知部により構成され、前記キャリッジ上のセンサーは発光素子、及び正反射及び乱反射を受光する受光素子からなり、このセンサーにより、紙端を検知することにより紙幅を、紙質や紙厚を検知することにより紙種を検出する。用紙終端検知は前記用紙搬送トルクを検知するか、用紙終端検知センサーを、用紙を抑え搬送するローラーよりも奥側に設けることで、用紙が外れることなく終端を検知することが可能である。本実施例では紙種を検知するセンサーをキャリッジ上のもののみとしたが、これ以外に例えば紙厚を検地する為に紙を搬送するローラーなどにセンサーを設けるなど別の検出手段を設けても良い。また、複数用紙がセットできる場合にはどの用紙がロードされているのか検出できるようにセンサーを設け給紙位置を取得する。この紙幅及び紙種、または、給紙位置や、ホストコンピュータにより送られる使用する用紙により対応したメモリ部16の不揮発性メモリに格納された用紙情報を読み出し更新することにより用紙情報を管理する。
【0009】
図2は本発明の第一の実施例を示すインクジェット記録装置の概略の図である。図中の21がキャリッジ、22が前述した用紙幅及び用紙種類を検出する為のセンサユニット、23が用紙であるロール紙、24がプラテンを表す。22センサユニットは21キャリッジと一体化しており、キャリッジを動作させると22センサユニットも動作する。これにより23ロール紙の両端を22センサユニットで検知することでロール紙などの用紙幅幅を検知し、用紙上で、正反射と乱反射を検出することで用紙種類を検出することが可能となる。
【0010】
ロール紙は25搬送ローラーにより用紙の上下ではさまれている。この25搬送ローラーが回転することにより紙送りがされる。前述の用紙終端検知手段としてこの搬送ローラーのトルクをみてある一定以上の負荷が生じれば用紙終了と検知する。また、プラテン上の25搬送ローラーの奥側で、用紙の下側に反射型の用紙検知センサーが設けられ用紙の有り無しを検知することが出来る。これにより搬送中に用紙無しになると、用紙終端とみなすことが出来、用紙終端検知をすることが出来る。また、本実施例では用紙検知センサーおよび用紙搬送トルクの検出を用紙終端検知手段としたが、センサーをさらに下流側に設けることや、別の方式で用紙終端を検知しても良い。さらにロール紙には用紙が心棒にテープで貼り付けられている場合があるため、一定以上のトルクで紙送りが出来ない場合にも用紙終端とみなすことが出来るため、それを用紙終端検出手段としても良い。
【0011】
図6はメモリ部16に記憶された用紙情報を表した表である。用紙情報は不揮発性メモリに記憶され、あらかじめ複数種類の用紙情報を記憶可能なようにメモリの領域を確保している。図6は3種類の用紙が使用され、用紙情報としてセットされている状態を表す。
【0012】
図中左側と真中では用紙幅は異なるが、種類は同一であり、左側と右側では用紙幅が同一であるが、種類が異なり、真中と右側は幅も種類も異なることを示す。用紙情報としては、一例として用紙識別、用紙使用量、用紙長さ、画像処理方法、使用開始年月日などが記憶されている。用紙識別には同幅、同種の場合の識別用に用いる。用紙使用量は今までその用紙が使用された長さを記憶し、紙搬送時、用紙カット時、用紙交換時などに更新される。これにより累計の使用した用紙使用量を通知することが可能となる。用紙長さは、新品時における用紙の長さであり、初めの用紙セット時にセットされ記憶する。この用紙長さ及び用紙使用量により用紙残量を求めることが可能となる。また、求めた用紙残量によりA0やA1などの規定の紙サイズ何枚分が印刷可能かを表す印刷可能用紙枚数も求めることが出来る。画像処理方法は印字方法などを記憶し、標準、はやいなど用紙ごとの印刷設定を保存することが出来る。ここでは、用紙種類により印刷設定を同一とし、使用開始年月日は初めの用紙セット時に用紙の使用開始日時を記憶し、用紙劣化やデータ破棄などの判断が可能となる。これらの用紙情報に加え、用紙情報により用紙残量や印刷可能用紙枚数などを算出し、本体側の操作パネル及びホストコンピュータにより呼び出して参照することが可能となる。また、必要に応じて本体側のパネルやホストコンピュータにこれら用紙情報を表示することでユーザーに通知する。
【0013】
図7は図6における真中と右側である幅2・種類1および幅1・種類2の用紙を新しくセットした後の状態を表した表である。幅2・種類1の用紙は図6より用紙使用量が200mで用紙長さが、200mとなり用紙終了での交換であるため、図6における幅2・種類1のデータを削除して新たに追加したものである。新たに用紙を新規でセットする場合、同一幅、種類の用紙がすでに設定されていると、同じ用紙をすでに使っている為、その用紙があることをユーザーに通知することにより、無駄に用紙を使用してしまうことを防止する。しかし、ユーザー毎もしくは部署毎などで用紙管理をしている場合、同幅・同種の用紙を別にセットしたい場合が生じる。この場合、図7の右側のように用紙種別にA以外のBとして割り当てることで管理する。
【0014】
図3は用紙交換の流れを表したフローチャート図である。新規用紙装着や、用紙交換コマンド及び、用紙終端検知手段によりS30により用紙交換が開始される。図中破線部のS31からS34が現在装着されている用紙抜き取りのシーケンスである。用紙終端検知などにより用紙がなくなってしまっている場合や新規用紙装着などすでに用紙が装着されていない場合、はこの部分を飛ばしてS35もしくはS36からはじめる。通常用紙が装着されている場合においてはS30用紙交換開始されると、S31用紙残量チェックを行い用紙情報により残りの用紙残量を計算し、残量ありの場合はそのままロードされた用紙の巻き取り動作S34を行う。S31用紙残量チェックで残量なしあるいは残りがほとんど無い場合、用紙が終了しているかどうか確認を行い、まだ残量があり、後で使用する場合は用紙巻き取り動作S34を行い、用紙が終了していればメモリ上に記憶された現在のS33用紙データを破棄する。前記用紙が終了しているかどうかの確認は、用紙終端を検知していれば用紙終了であることはわかるが、一枚の印字には満たない程度の長さは残っているが、印字が出来ない為、用紙終了という場合もある。そこで用紙が終了しているかの確認はユーザーにより決定するかもしくは自動で一定以上の用紙長さがあるか判断し、無ければ正確な用紙残量を計測する。この自動で一定以上の用紙長さがあるか判断し、なければ用紙残量を計測する動作の詳細は後述する。いずれの場合もS35により現在装着されている用紙を抜き取り、S36により使用したい用紙をセットする。ユーザーにより用紙がセットされると、自動でキャリッジ及び用紙を操作し、S37用紙幅及び用紙種類の検出を行う。この結果を受けS38により同一の用紙(同一幅と同一種類)が用紙情報にあるかどうか確認を行う。同一用紙がある場合はその用紙データを参照するように設定を行い、S41用紙交換を終了する。同一用紙がない場合はS40により用紙データを新規に追加する。用紙を新規追加した場合は同一用紙がある場合はS39同一用紙あり通知をユーザーに行い、すでに同じ用紙が使用されていることを通知する。すでに使用されている用紙にセットしなおす場合はS34用紙巻き取り動作へ戻り再度交換を行う。新規に追加する場合はS40用紙データ追加により、図7における右側の用紙種別に新たにBを追加したように、用紙種別を新規に追加することで用紙データを追加し、そこで用紙情報を管理する。このとき用紙種類が同じ場合は画像処理方法などのデータを引き継ぐ。用紙データ追加ではユーザーは装着した用紙の長さをセットし、引き継いだ画像処理方法でよいか確認を行うだけでよい。以上によりユーザーは通常の交換、例えばA0からA1用紙の変更や普通紙から光沢紙への変更など残量があり新規追加でない場合は、用紙を抜き取り、使用したい用紙を装着するだけで、わずらわしい手間が無く図6における用紙情報(用紙識別、用紙使用量、用紙長さ、画像処理方法、使用開始年月日など)を管理することが可能となり、ユーザーは必要に応じて本体側のパネルやホストコンピュータにこれら用紙情報を得ることが出来る。
【0015】
ロール紙などはあらかじめ表示の長さよりも実際に入っている長さが長いことが多く、その分の誤差が生じることとなる。例えば100mのロール紙ならば実際の長さは105mであるなどである。そこで、本発明では用紙残量だけではなく、前記用紙使用量をユーザーに提示する。さらには、用紙が終了しているかどうかの確認はユーザー入力形式にしても良いが、本発明では自動で一定以上の用紙長さがあるか判断し、無ければ正確な用紙残量を計測するために、用紙終端を検知し用紙の長さを測ることにより、正確な用紙残量管理を可能とした。そのシーケンスを図4に示す。用紙が終了しているかどうかの確認はS50用紙残量計測開始により開始される。このタイミングは用紙のある一定以上の長さがあることを確認することや、正確な残量が必要になる時で、前述の用紙交換時に用紙が終了の判定時や、印刷開始前もしくは印刷中に残り用紙残量が印刷に必要な長さよりも短くなった時、一定の用紙使用量や用紙残量の値になったときなどが挙げられる。S50用紙残量計測が開始されるとまず、S51により用紙終端を確認しながら指定量の紙送りを行う。このときの紙送り量は記録装置の形態により異なる。例えば記録装置が低ければ床につく長さを考慮しなければならないし、スタンドが装備されていれば、その分長く送ることが出来る。また、巻き取り装置などが装備されていれば全ての長さを送ることが出来る。この巻き取り装置がついている場合、初めの用紙装着時にS50用紙残量計測を開始することで、正確な長さを測ることも可能となり、初めの用紙セット時にユーザーが用紙長さをセットする必要も無くなる。S51により用紙終端が検知されれば紙送り量にあわせS52により用紙長さもしくは使用量のどちらかを更新することで正確な用紙残量にあわせた制御をすることが可能となる。S51により指定量紙送りをしても用紙終端が検知されない場合は一定の用紙長さがあることになり、S53により現在記憶されている用紙長さ及び用紙使用量より求めた用紙残量がない状態になっている場合は、少なくとも紙送り分の用紙残量はある為、前述のS52の処理を行う。用紙残量がある場合は一定の用紙長さがあることになっている為、何も行わない。その後、S54用紙巻き戻しによりS51により紙送りしたので用紙を巻き戻し、S55により終了する。これにより確実に一定以上の用紙長さがあることが確認でき、一定の用紙長さがない場合には正確な用紙残量を把握することが可能となる。
【0016】
(実施例2)
図5は本発明の第二の実施例を示すインクジェット記録装置の概略の図である。図中21から26は第一の実施例を示した図2と同じである。第一の実施例との違いは複数の用紙を一度に記録装置本体にセットできるようになっていることである。用紙は第一の実施例より、ロール紙を一本追加し、さらにカット紙ユニットを設けた。60が新たに追加されたロール紙である。61がカット紙ユニットでありカット紙を複数枚入れることが可能な箱である。62が61内に収められたカット紙であり、63のクロスされた斜線部が1枚目に搬送されたカット紙を表したもので、64の右下への斜線部が2枚目に先行して給紙されたカット紙を表したものである。60新たに追加されたロール紙の用紙情報は第一の実施例と同様に図6及び図7に表される記憶手段により記憶された用紙情報により管理される。61から64におけるカット紙の情報は、前記ロール紙とは別の領域に図8のように設け用紙情報の管理を行う。用紙情報が図6や図7と異なるのはロール紙とカット紙という特有の違いがあるためである。ここでは用紙枚数や用紙サイズ、画像処理方法などを挙げたが、ロール紙と同じ用紙識別や用紙長さ、使用開始年月日を持たせてもかまわない。ロール紙とカット紙など、複数用紙の中で、どの用紙を使用しているのかは給紙位置取得手段としてセンサーなどを給紙位置に設けて、どの位置から用紙がロードされているかなどにより判断するか、使用用紙種別取得手段として、印字に用いられる用紙により判断する。また、本実施例ではロール紙の用紙情報をまとめて扱ったが、ロール紙とカット紙で図6とは別に図8のように記憶領域を設けたようにロール紙が2つ以上あるような場合には給紙位置により個別に分けても良い。これにより、複数種類の用紙がある場合にも用紙情報を管理することが出来る。また、カット紙などの用紙情報を管理することが可能となる。
【0017】
以上により本発明によれば、通常は用紙を入れ替えるだけで自動識別され、用紙情報を管理することが可能となり、ユーザーの手間が大幅に削減される。また、用紙残量が少なくなると交換を促すのではなく、用紙セット状態から使用した用紙長さや最低印字枚数などを通知することにより、夜間や休業時等無人使用状態での要補給・交換の警告が出てそのまま使用不全や不能になることを防止出来る。また、同幅、同種の用紙を新規でセットした場合などは、同じ紙があることをユーザーに通知することにより用紙の無駄を省くことが可能となる。さらに、複数の用紙がセットできる場合においては給紙位置や使用する用紙により、複数の同じロール紙のみでなくカット紙などの別種類の用紙を区別することができ、多種にわたる記録用紙の管理が可能となる。最後に、用紙を送り用紙終端を検知して用紙の長さを測ることにより正確な用紙残量も管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例を示すインクジェット記録装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第一の実施例を示すインクジェット記録装置の概略の図
【図3】用紙交換の流れを表したフローチャート図
【図4】用紙残量を計測するシーケンス図
【図5】本発明の第二の実施例を示すインクジェット記録装置の概略の図
【図6】メモリ部に記憶された用紙情報を表した図
【図7】図6における用紙を新しくセットした後の状態を表した図
【図8】メモリ部16に記憶されたカット紙の用紙情報を表した図
【符号の説明】
【0019】
10 制御部
11 画像処理部
12 操作パネル
13 メカ駆動部
14 I/F部
15 メモリコントローラ
16 メモリ部
17 ヘッドコントローラ
18 ヘッド部
19 用紙検出部
21 キャリッジ
22 センサユニット
23 ロール紙
24 プラテン
25 搬送ローラー
26 用紙検知センサー
S30 用紙交換開始
S31 用紙残量チェック
S32 用紙終了
S33 用紙データを破棄
S34 用紙巻き取り
S35 用紙抜き取り
S36 用紙セット
S37 用紙幅・種類検出
S38 同一用紙あり
S39 同一用紙あり通知/新規追加
S40 用紙データ追加
S41 用紙交換終了
S50 用紙残量計測開始
S51 指定量紙送り/用紙終端検知
S52 用紙長さ(使用量)更新
S53 用紙残量なし
S54 用紙巻き戻し
S55 終了
60 追加されたロール紙
61 カット紙ユニット
62 61内に収められたカット紙
63 1枚目に搬送されたカット紙
64 2枚目に先行して給紙されたカット紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用紙から用紙幅、用紙種類、を自動検知して用紙を特定する用紙検出手段と、複数の用紙のデータを記憶する記憶手段を記録装置に備え、複数の用紙を入れ替えても、前記検出手段で用紙を判別し記憶手段に用紙情報を保持することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記記憶手段内の用紙情報を用紙エンドに近づいた時点に少なくとも通知するのではなく用紙セット時からユーザーに通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
同種類の用紙を新たに登録した場合、前記記憶手段に同種があることを判断する判断手段と同種の用紙があることをユーザーに通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1、2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
給紙位置取得手段、もしくは使用用紙種別取得手段を持ち、給紙位置もしくは使用する用紙の種別によっても用紙を特定し、用紙情報を管理することを特徴とする請求項1〜3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
用紙残量だけでなく、用紙に対する今までの印字長及び、最低記録可能枚数を通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
用紙終端検知手段を設け、用紙を送り、用紙終端検知手段により用紙終端を検知し、前記用紙送り量にあわせた用紙長さや用紙使用量、用紙残量を少なくとも設定することにより正確な用紙の残量を管理することが出来ることを特徴とする請求項1〜5に記載の画像記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−137524(P2007−137524A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329061(P2005−329061)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】