説明

画像記録装置

【課題】接触不良を防止し、製造単価を低減できる接触端子が含まれた印刷回路基板を備える画像記録装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像記録装置に備えられる印刷回路基板は、電子製品の動作を制御および処理する回路部と、外部装置と電気的に接続するために複数個の小面積の端子部が集まって形成される大面積の接触端子とを備える。このような小面積の端子部は多様な形態で形成でき、その各々はともに同一の大きさおよび形状を持って互いに一定の間隔をおいて離隔するように配置される。本発明は、かかる構成を有することにより、複数個の小面積の端子部が集まって一定の大きさ以上の単位接触端子を形成させるので、半田付けにより表面状態が不均一になることを抑制することで、外部端子との接触が良好になり、製造単価の低価格化および製造工程の単純化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の回路(circuit)が搭載され、その回路に電気的に接続している接触端子を含む印刷回路基板(PCB:printed circuit board)を備える画像記録装置に関し、より詳しくは、1つの信号を伝達する接触端子が所定の大きさの以上で構成される場合、複数個の小面積の端子部が集まって形成された接触端子を備える印刷回路基板を備える画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子製品は、電子製品の動作制御および処理のための回路が搭載された印刷回路基板(PCB)を備える。印刷回路基板には、回路素子と、外部と電気的に接続している接触端子とが設置される。
【0003】
例えば、プリンタ、複写機、複合機などのような画像記録装置は、現像ユニットおよび感光ドラムユニットのような消耗品ユニットと、上述したような印刷回路基板とを備える。消耗品ユニットは、その内部と信号交換できる消耗品ユニット端子を備え、消耗品ユニットが画像記録装置の本体に装着されれば、消耗品ユニットの電源端子は、画像記録装置の本体の電源供給稼動ピンを経由して回路基板の大面積の接触端子から電源を供給される。一般的に、稼動ピンは、スプリングにより接触端子と信号交換できるように接続されており、スプリングにより消耗品ユニット電源端子と弾力的に接触して印刷回路基板から供給される電源を消耗品ユニットに供給する。よって、接触端子は、スプリングが接触するのに充分な面積を持つことが望ましく、通常、7〜12mm程度の幅を持つ四角形端子を構成して使用する。以下、上述したような大きさの接触端子を大面積の接触端子と称して説明する。
【0004】
従来技術に使用されている印刷回路基板に備えられた大面積の接触端子は、板状の別途の金属端子を半田付けして形成させる方法と、基板上に突出するように塗布される半田を利用して形成させる方法とがある。板状の金属端子を大面積の接触端子として使用する場合には、接触効率は優秀であるが、製造単価が上昇するという問題がある。その反面、半田を利用した場合には、金属端子を利用した場合より製造単価が低廉になる。
【0005】
図1Aは、半田で形成された大面積の接触端子21を備える従来の印刷回路基板20およびその印刷回路基板20の接点の状態を示す説明図である。また、図1Bは、図1Aの大面積の接触端子21を備える従来の印刷回路基板20の概略斜視図である。図1Aおよび図1Bに示すように、大面積の接触端子21は、印刷回路基板20に搭載された回路素子27に対応するように、印刷回路基板20の後面の所定領域端子に半田が塗布されて形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のように、半田を利用して大面積の接触端子21を形成する場合には、大面積の接触端子21の面積が広すぎ、半田が液体状態で投入される。このため、大面積の接触端子21の厚みが不均一に形成されることになり、大面積の接触端子21の表面が平坦に形成されない。参考として、通常の半田付けにおける均一な塗布状態といえるパターンの幅は約2mm以内と知られていた。このように、大面積の接触端子21の表面が平坦に形成されないことにより、大面積の接触端子21と外部端子30との間の接触が不良になるという問題があった。
【0007】
また、上記のような半田付けにおける不均一な塗布状態を解決するための方法として、半田付けすることなく印刷回路基板20上に形成されたパターンのまま使用したり、テープでマスキングして半田付けしたりする方法もある。しかし、半田付けしない場合はパターンが腐食すること、テープでマスキングする場合は半田付け後のテープの除去時に半田付けのカスが発生することにより、大面積の接触端子21と外部端子30との間の接触が不良になるため、製造工程が複雑でコストの上昇を招くという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、材料費を低減し、その構造設計が簡単で、外部端子との接触不良を防止することが可能な接触端子を備える、新規かつ改良された印刷回路基板を備える画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像記録装置の本体と;画像記録装置の本体に着脱可能に装着される少なくとも1つの消耗品ユニットと;消耗品ユニットに設置される少なくとも1つの消耗品信号端子と;消耗品ユニットの装着および分離をガイドするように画像記録装置の本体に形成されるフレームと;画像記録装置の本体のフレームに設置され、少なくとも1つの接触端子が表面に形成される印刷回路基板と;画像記録装置の本体のフレームに流動可能に設置され、消耗品ユニットの装着時に消耗品信号端子と接触される稼動ピンと;接触端子に接触されるように画像記録装置の本体に設置され、稼動ピンを消耗品ユニット側に弾力的に加圧するスプリングと;を含み、画像記録装置における消耗品ユニット装着可否に対する信号は、消耗品ユニットの信号端子、稼動ピン、スプリングおよび接触端子を経由して印刷回路基板に伝達され、印刷回路基板の接触端子の各々は、複数個の小面積の端子が所定間隔をおいて互いに離隔した状態で集まって形成され、小面積の端子は、半田で形成され、印刷回路基板は、小面積の端子の形成時、半田投入方向に沿って小面積の端子の下流に形成されるダミー部分をさらに含むことを特徴とする画像記録装置が提供される。
【0010】
また、消耗品ユニットの装着方向と稼動ピンの流動方向とは、互いに直交することが好ましい。
【0011】
また、消耗品ユニットの側面にはガイドレールが設置され、消耗品信号端子は、ガイドレール上に設置されることが望ましく、ガイドレールの先端には案内面が設置され、案内面が稼動ピンを押して消耗品ユニットの挿入方向と直交する方向に稼動させることがより好ましい。
【0012】
一方、スプリングは、消耗品ユニットが画像記録装置の本体から分離された場合にも回路基板の接点端子と接触し、消耗品ユニットが本体に装着された場合にも回路基板の接点端子部に接触することが好ましい。
【0013】
また、スプリングは、消耗品ユニットが装着されている場合により多く圧縮されていることが望ましく、稼動ピンの稼動量は、スプリングの消耗品ユニットが分離された場合と消耗品ユニットが装着された場合とのスプリングの圧縮量の差に該当することがより好ましい。
【0014】
一方、少なくとも1つの消耗品ユニット信号端子は、消耗品ユニットの新しいユニットか使用中のユニットかを区分する情報と、消耗品ユニットの種類情報とを表示するための信号端子であることが好ましい。
【0015】
ここで、少なくとも1つの消耗品ユニット信号端子は、2個の信号端子と1個のグラウンド端子で構成されることが好ましい。
【0016】
また、画像記録装置の本体には消耗品ユニットが複数設置され、印刷回路基板には、接触端子を少なくとも1つ含む接触端子ユニットが消耗品ユニットに対応するように複数形成されることが好ましい。
【0017】
このときの消耗品ユニットは、画像印刷に必要な現像剤を収容する現像ユニットであることが好ましい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明のまた別の観点によれば、画像記録装置の本体と;画像記録装置の本体に設置され、その表面に少なくとも1つの接触端子部が形成された印刷回路基板と;画像記録装置の本体に装着される消耗品ユニットと;消耗品ユニットに設置される少なくとも1つの稼動ピンと;消耗品ユニットに設置されて稼動ピンを接触端子側に弾力的に加圧するスプリングと;を含み、画像記録装置における消耗品ユニット装着可否に対する信号は、スプリング、稼動ピンおよび接触端子を経由して印刷回路基板に伝達され、印刷回路基板の接触端子の各々は、複数個の小面積の端子が所定間隔をおいて互いに離隔した状態で集まって形成され、小面積の端子は、半田で形成され、印刷回路基板は、小面積の端子の形成時、半田投入方向に沿って小面積の端子の下流に形成されるダミー部分をさらに含むことを特徴とする画像記録装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、印刷回路基板(PCB)の構成時、1つの信号処理のための端子部が複数個の小面積の端子部が集まって形成される。したがって、印刷回路基板の端子部およびその端子部と対応する相手端子との接触不良を画期的に改善し、また、複数個の小面積の端子部を半田で形成することにより、製造単価の低減化および製造工程の単純化を図ることが可能な印刷回路基板を備える画像記録装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
以下の本発明の実施形態の説明においては、それぞれ、大面積の接触端子を本発明の第1領域、大面積の接触端子に設けられた所定の端子領域を本発明の第2領域、小面積の端子部の相互間に配置される絶縁体を本発明の第3領域、小面積の端子部を本発明の第4領域の例として説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図2A〜図2Dは本発明の第1の実施形態による印刷回路基板(PCB:printed circuit board)の大面積の接触端子の形状の第1〜第4の例を示す説明図である。
【0023】
本実施形態の大面積の接触端子151は、印刷回路基板150(図5参照)の表面に形成された所定の端子領域に設けられ、印刷回路基板150に内蔵された信号ラインと電気的に接続されている。また、大面積の接触端子151は、複数個の小面積の端子部151aの集合体として形成される。このとき、複数個の小面積の端子部151aは、印刷回路基板150の内部で互いに電気的に接続されており、印刷回路基板150に回路素子153(図5参照)を固定させるための半田付けの際に印刷回路基板150に塗布される半田で形成される。この場合、小面積の端子部151aの各々は、図2A〜図2Dに示すように、約1.2mm程度の直径(R)を有するため、均一な厚みで半田を塗布することができる。
【0024】
図2Aは、本発明の第1の実施形態による大面積の接触端子151の構成を示す説明図である。図2Aを参照すると、大面積の接触端子151は、所定の端子領域に一定の大きさを有する略円形状の複数個の小面積の端子部151aが、互いに一定の間隔をおいて離隔するように配置される構造を有する。望ましくは、図2Aに示すように、小面積の端子部151aの各々は、直径(R)1.2mm程度、相互間の隔離距離(D1)0.4mm程度を有する。
【0025】
このような小面積の端子部151aは、印刷回路基板150の後面に所定の端子領域が形成されるように具備された銅箔パターンに半田を塗布することによって形成される。このような半田付け工程は、回路素子153を印刷回路基板150に固定させるための印刷回路基板150の後面半田付けのときに一括して実施できる。このように形成された複数個の小面積の端子部151aにより大面積の接触端子151が形成される。勿論、1つの大面積の接触端子151にある複数個の小面積の端子部151aは、互いに電気的に接続されている。すなわち、小面積の端子部151a相互間の抵抗はゼロである。
【0026】
上述したように、回路素子153の固定および小面積の端子部151aの形成のために、印刷回路基板150の後面を半田付けするときには、半田投入方向(C)に沿って小面積の端子部151aの下流にダミー(Dumy)部分(A)を形成することが好ましい。このようなダミー部分(A)は、半田付け工程で発生し得る塗布される半田の高さが不均一にならないようにその高さを補正するためのもので、稼動ピンスプリング131b(図5参照)が大面積の接触端子151に接触する時に、稼動ピンスプリング131bと接触しない位置に配置されることが好ましい。また、ダミー部分(A)は、小面積の端子部151aと電気的に接続されていなくてもよい。
【0027】
図2Aに示すように、大面積の接触端子151は、一定の大きさおよび形状を有する複数個の小面積の端子部151aが形成されるように、半田が均一な高さで一定の配列に沿って塗布されて形成される。これによれば、図5の稼動ピンスプリング131bと大面積の接触端子151との接触不良を防止することができる。そして、複数個の小面積の端子部151aが電気的に互いに接続されているので、稼動ピンスプリング131bと大面積の接触端子151との間の電気的な接続も良好に行われる。
【0028】
図2Bは、本発明の第1の実施形態による大面積の接触端子の他の形状の構成を示す説明図である。
【0029】
図2Bを参照すると、大面積の接触端子151の端子領域には、一定の大きさおよび形状を有する複数個の小面積の端子部151aが集まるように分布される。望ましくは、外部端子が接触する円形の接触領域(B)に他の領域よりも小面積の端子部151aが密集するように形成される。これによれば、図2Bに示すような形状の大面積の接触端子151は、稼動ピンスプリング131bのように、横断面が略円形状に形成された外部端子に対応することがさらに容易となる。
【0030】
図2Bに示すように、外部端子との接触領域(B)に分布させた小面積の端子部151aとは、1.2mm程度の直径(R)と0.25mm程度の隔離距離(D2)を有することが望ましく、図2Aの場合と同様に、ダミー部分(図示せず)をさらに有することが好ましい。
【0031】
図2Cは、本発明の第1の実施形態による大面積の接触端子のまた他の形状の構成を示す説明図である。図2Cを参照すると、図2Cにおける大面積の接触端子151は、略円形状の端子領域を持つ。この端子領域内には、複数個の小面積の端子部151a、151bが形成される。図2Cにおける大面積の接触端子151は、端子領域の中心に配置された小面積の端子部151bが他の小面積の端子部よりも大きな略円形状に形成され、その外周に沿って、小面積の端子部151bよりも小さな小面積の端子部151aの複数個が均一な間隔で配置されて形成される。
【0032】
図2Dは、本発明の第1の実施形態による大面積の接触端子のさらに他の形状の構成を示す説明図である。図2Dを参照すると、図2Dにおける大面積の接触端子151は、その端子領域に複数個の小面積の端子部151aが斜線状に形成され、斜線状の小面積の端子部151aの各々は、均一な幅を持つように形成される。
【0033】
上述したように、大面積の接触端子151を形成するために所定の端子領域に集まる複数個の小面積の端子部151aの形状および大きさは、多様な形状および大きさとすることができる。これにより、大面積の接触端子151の形状も多様に構成できることは勿論である。
【0034】
これによれば、所定の端子領域および複数個の小面積の端子部151aは、次のような特性をさらに有する。大面積の接触端子151の端子領域の面積である第1面積は、1個の小面積の端子部151aの面積である第2面積および複数個の小面積の端子部151aの面積の和である第3面積よりも大きい。このときの第1面積は、第3面積と小面積の端子部151aの相互間に配置される絶縁体の面積である第4面積との和と同一であることが好ましい。
【0035】
上述したように構成される本実施形態による大面積の接触端子151は、従来の大面積の接触端子21(図1参照)に比べて、半田の使用量を低減することができるため、製造単価を顕著に低下させることができる。そして、回路素子153の固定のための半田付けの工程時に一括して大面積の接触端子151を形成できるため、大面積の接触端子151の製造工程を簡易化することができる。
【0036】
以下、印刷回路基板を備える電子製品を例として、本発明の第1の実施形態による大面積の接触端子の使用例を説明する。電子製品としては、プリンタ、複写機、多機能複合機などのような画像記録装置を例として説明する。
【0037】
図3は、本発明の第1の実施形態による大面積の接触端子を備える印刷回路基板が適用された画像記録装置の概略的な構成を示す斜視図である。本実施形態では、画像記録装置として多色画像の記録ができるように複数の現像ユニットを備えるカラープリンタを例として説明する。
【0038】
図3を参照すれば、本実施形態のプリンタは、プリンタの本体100と、感光ドラム110と、消耗品である現像剤を有する複数個の現像ユニット210と、複数個の現像ユニット210が矢印(x)方向に着脱可能に装着される装着部フレーム130と、装着部フレーム130に現像ユニット210の装着可否を検知する印刷回路基板150とを主に備える。上述したような現像ユニット210と印刷回路基板150との接点状態は後述する図4および図5に詳細に示されている。
【0039】
図4は、図3に示したプリンタの印刷回路基板150に対する詳細図であって、図2Aに示した形状で形成された複数個の小面積の端子部151aが集まって1つの大面積の接触端子151を構成し、この大面積の接触端子151を複数個待つ印刷回路基板150の概略的な構成を示した後面図である。図4を参照すれば、印刷回路基板150は、複数個の現像ユニット210の各々に対応する端子ユニット155〜158を備える。また、端子ユニット155〜158の各々は、小面積の端子部151aが集まって形成される複数の大面積の接触端子151を含む。図4の最上位のラインの端子ユニット155は、ブラック(Black)現像ユニットに対応する端子ユニットとして、図3に示した最上位現像ユニットであるブラック現像ユニットの現像器端子211aに対応する大面積の接触端子151を備える。また、2番目の上位ラインの端子ユニット156は、シアン(Cyan)現像ユニットに対応する端子ユニットとして、図3の2番目の上位現像ユニットであるシアン現像ユニットの現像ユニット端子211aに対応する大面積の接触端子151を備える。さらに、イエロー(Yellow)およびマゼンタ(Magenta)カラーの現像ユニットに対応する印刷回路基板150の各々の端子ユニットが、157、158に示されている。
【0040】
本実施形態の各端子ユニット155〜158は、各々3個の大面積の接触端子151を含む。これは、各々の現像ユニット210が新しい現像器か否かを区分するためのフューズ抵抗1個と、現像器の種類を区分するための種類区分抵抗1個と、各々の抵抗をグラウンドさせる回路とを備え、各々の抵抗のグラウンドは、共通で接続している回路構造を内蔵しているためである。
【0041】
以上では、印刷回路基板150に4個の端子ユニット155〜158が具備され、端子ユニット155〜158の各々に大面積の接触端子151が3個ずつ具備された場合について説明したが、このような端子ユニット155〜158および大面積の接触端子151の設置個数および形態は、多様な個数や形態に変形できる。したがって、本発明の端子ユニット155〜158および大面積の接触端子151の設置個数および形態は、本実施形態の設置個数および形態に限られるものではないことは当然である。
【0042】
一方、1つの大面積の接触端子151は、複数個の小面積の端子部151aが集まって所定の領域を構成するが、この大面積の接触端子151の1つは、1つの信号を伝達するために使用されたことに注意すべきである。すなわち、1つの大面積の接触端子151を形成する複数個の小面積の端子部151aは、互いに電気的に接続されて1つの電気信号を伝達している。また、印刷回路基板150の表面には小面積の端子部151a間に絶縁体が具備されて、小面積の端子部151aの相互間は、絶縁体によっても接続されている。さらに、1つの大面積の接触端子151は、電源端子、グラウンド端子、信号ライン端子などの何れも使用され得る。また、本実施形態では、複数個の現像器端子と対応する複数個の回路基板端子が1つの回路基板に全部設置される。
【0043】
図5は、先に説明した現像ユニットと印刷回路基板との接点状態を示す説明図であり、図6は、本実施形態による現像ユニットの外観構成を示す斜視図である。
【0044】
図5および図6を参照すれば、本実施形態の現像ユニット210は、ガイドレール213と、案内面213aと、現像ユニット端子211aとを含む。ガイドレール213は、現像ユニット210の各々が画像記録装置の本体100の装着部フレーム130に容易に挿入されるようにするためのもので、現像ユニット210の側面に突設される。また、現像ユニット210の側面には3個の現像ユニット端子211aが設置される。案内面213aは、ガイドレール213の前後方に傾斜するように形成されて、現像ユニット210の装着時、後述する本体稼動ピン131aを現像ユニット210の挿入方向に対して直交する方向に案内する。
【0045】
一方、画像記録装置の本体100には装着部フレーム130が具備され、この装着部フレーム130には本体稼動ピン131aが貫通して突出されている。本体稼動ピン131aは、本体稼動ピンスプリング131bにより印刷回路基板150の大面積の接触端子151と接続され、本体稼動ピンスプリング131bにより現像ユニット210側に弾力的に加圧される。このような本体稼動ピン131aおよび本体稼動ピンスプリング131bは共に、例えば金属のような導電性材料で形成されるため、現像器端子211aとの接触時に接続することにより、電源供給、グラウンドおよび信号伝達などを可能にする。
【0046】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態による稼動ピンおよび稼動ピンスプリングが現像器側に設置された構成を示す説明図である。
【0047】
図7を参照すると、本実施形態による画像記録装置は、現像ユニット210’に、消耗品稼動ピン211a’と、この消耗品稼動ピン211a’を印刷回路基板150’の大面積の接触端子151’側に弾力的に加圧する現像ユニット稼動ピンスプリング211b’とが設置される。図7は、この消耗品稼動ピン211a’が直接印刷回路基板150’の大面積の接触端子151’と接触する状態を示している。この他にも消耗品稼動ピン211a’と大面積の接触端子151’との間に別途の導電性部材が設置される構成も可能である。
【0048】
このように、画像記録装置のような電子製品の本体に具備された印刷回路基板(PCB)の大面積の接触端子151、151’の各々は、複数個の小面積の端子部151a、151a’が集まって形成される。また、本実施形態の印刷回路基板150、150’の半田付け工程時、小面積の端子部151a、151a’に一定の高さで半田が塗布されるので、従来に比べてその表面がはるかに均一な接触端子を構成することにより、外部端子と大面積の接触端子との接触を良好にすることができる。また、半田の使用量が従来に比べて低減し、作業工程も簡単になるため、コストの低減および品質の向上を図ることができる。
【0049】
また、本実施形態の印刷回路基板150、150’では、1つの現像器に複数個の大面積の接触端子151、151’、複数個の現像ユニット210、210’に対応する一層多くの複数個の大面積の接触端子151、151’を設置することで、画像記録装置の簡単化、小型化および低価格化を実現した。
【0050】
また、本実施形態の画像記録装置においては、現像ユニットの挿入方向(X)と現像器検知用端子(本体稼動ピン131a)の運動方向(Y方向)が略直角に構成された場合について説明したが、現像器の挿入方向と稼動ピンの運動方向が同一方向であってもよい。
【0051】
また、画像記録装置として多色印刷用プリンタを例としたが、プリント、複写機、多機能複合機、単色、多色に限らず、本発明を利用することができる。
【0052】
以上説明したように、本発明は、例えば、プリンタ、パーソナルコンピューターのような種々の電子機器に具備されて、互いに分離できる状態で信号伝達可能に接続されている複数の端子に適用され、端子の相互間の接続時に正確に接続され、電子機器の製造工数および製造費用を低減することができる。
【0053】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、所定の回路が搭載され、その回路に電気的に接続している接触端子を含む印刷回路基板、およびその印刷回路基板を備える画像記録装置に利用可能であり、特に、1つの信号を伝達する接触端子が所定の大きさの以上で構成される場合、複数個の小面積の端子部が集まって形成された接触端子を備える印刷回路基板、およびその印刷回路基板を備える画像記録装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1A】半田付けで形成された大面積の接触端子を備える従来の印刷回路基板の接点の状態を示す説明図である。
【図1B】図1Aの大面積の接触端子を備える従来の印刷回路基板の概略斜視図である。
【図2A】本発明の第1の実施形態によって多様な形状で形成された複数個の小面積の端子部が集まって形成された大面積の接触端子の第1の例を示す説明図である。
【図2B】本発明の第1の実施形態によって多様な形状で形成された複数個の小面積の端子部が集まって形成された大面積の接触端子の第2の例を示す説明図である。
【図2C】本発明の第1の実施形態によって多様な形状で形成された複数個の小面積の端子部が集まって形成された大面積の接触端子の第3の例を示す説明図である。
【図2D】本発明の第1の実施形態によって多様な形状で形成された複数個の小面積の端子部が集まって形成された大面積の接触端子の第4の例を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による大面積の接触端子が形成された印刷回路基板を備える画像記録装置の概略的構成を示す斜視図である。
【図4】図3の印刷回路基板に対する詳細図であって、図2Aに示した形状で形成された複数個の小面積の端子部が集まって1つの大面積の接触端子を構成し、この大面積の接触端子を複数個待つ印刷回路基板の概略的な構成を示した後面図である。
【図5】図3の現像ユニットと印刷回路基板との接点状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による現像ユニットの外観構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による現像ユニットが装着された状態の画像記録装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
100 プリンタ
110 感光ドラム
130 装着部フレーム
150 印刷回路基板
151 大面積の接触端子
151a 小面積の端子部
131a 本体稼動ピン
131b 本体稼動ピンスプリング
210、210’ 現像ユニット
211a 現像ユニット端子
211a’ 消耗品稼動ピン
211b’ 消耗品稼動ピンスプリング
213 ガイドレール
213a 案内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像記録装置の本体と;
前記画像記録装置の本体に着脱可能に装着される少なくとも1つの消耗品ユニットと;
前記消耗品ユニットに設置される少なくとも1つの消耗品信号端子と;
前記消耗品ユニットの装着および分離をガイドするように前記画像記録装置の本体に形成されるフレームと;
前記画像記録装置の本体のフレームに設置され、少なくとも1つの接触端子が表面に形成される印刷回路基板と;
前記画像記録装置の本体のフレームに流動可能に設置され、前記消耗品ユニットの装着時に前記消耗品信号端子と接触される稼動ピンと;
前記接触端子に接触されるように前記画像記録装置の本体に設置され、前記稼動ピンを前記消耗品ユニット側に弾力的に加圧するスプリングと;
を含み、
前記画像記録装置における前記消耗品ユニットの装着可否に対する信号は、前記消耗品ユニットの信号端子、稼動ピン、スプリングおよび接触端子を経由して前記印刷回路基板に伝達され、
前記印刷回路基板の前記接触端子の各々は、複数個の小面積の端子が所定間隔をおいて互いに離隔した状態で集まって形成され、
前記小面積の端子は、半田で形成され、
前記印刷回路基板は、前記小面積の端子の形成時、前記半田投入方向に沿って前記小面積の端子の下流に形成されるダミー部分をさらに含むことを特徴とする、画像記録装置。
【請求項2】
前記小面積の端子の各々は、2mm以下の直径を持つことを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記ダミー部分は、前記接触端子の外周に前記小面積の端子の相互間の信号交換と関係なしに塗布された半田を含むことを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記画像記録装置の本体には前記消耗品ユニットが複数設置され、
前記印刷回路基板には、前記接触端子を少なくとも1つ含む接触端子ユニットが前記消耗品ユニットに対応するように複数形成されることを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記消耗品ユニットは、画像印刷に必要な現像剤を収容する現像ユニットであることを特徴とする、請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記消耗品ユニットの装着方向と前記稼動ピンの流動方向とは、互いに直交することを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記消耗品ユニットの側面にはガイドレールが設置され、
前記消耗品信号端子は、前記ガイドレール上に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記ガイドレールの先端には、前記消耗品ユニットの脱着時、前記稼動ピンを前記消耗品ユニットの挿入方向と直交する方向に移動されるように案内する案内面が形成されることを特徴とする、請求項7に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの消耗品信号端子は、前記消耗品ユニットを既に使用したか否かおよび種類と関連した情報を持つ信号用信号端子であることを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの消耗品信号端子は、2個の信号端子と1個のグラウンド端子とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項11】
前記接触端子の各々は、実質的に7〜12mmの直径を持つことを特徴とする、請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項12】
画像記録装置の本体と;
前記画像記録装置の本体に設置され、その表面に少なくとも1つの接触端子部が形成された印刷回路基板と;
前記画像記録装置の本体に装着される消耗品ユニットと;
前記消耗品ユニットに設置される少なくとも1つの稼動ピンと;
前記消耗品ユニットに設置されて前記稼動ピンを前記接触端子側に弾力的に加圧するスプリングと;
を含み、
前記画像記録装置における前記消耗品ユニットの装着可否に対する信号は、前記スプリング、稼動ピンおよび接触端子を経由して前記印刷回路基板に伝達され、
前記印刷回路基板の前記接触端子の各々は、複数個の小面積の端子が所定間隔をおいて互いに離隔した状態で集まって形成され、
前記小面積の端子は、半田で形成され、
前記印刷回路基板は、前記小面積の端子の形成時、前記半田投入方向に沿って前記小面積の端子の下流に形成されるダミー部分をさらに含むことを特徴とする、画像記録装置。




【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−152283(P2008−152283A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30754(P2008−30754)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【分割の表示】特願2004−242890(P2004−242890)の分割
【原出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】