画像読取装置および色収差補正方法
【課題】 レンズによる色収差と原稿による色収差とを判別して色収差を補正することができ、原稿画像の色を正確に読取ること。
【解決手段】 CCDラインセンサ11は色収差補正チャートを走査する。CCDラインセンサ11のRGB出力は、GCA30で増幅され、A/Dコンバータ32でデジタル信号に変換される。その後、シェーディング回路34でシェーディング処理が行なわれた後、ラインRAM36に記憶される。エッジ判別回路38は、CPU40から得たしきい値V1をもとに、ラインRAM36に記憶された画像信号からRGB出力ごとのエッジ画素の位置を検出し、色収差補正回路42に送る。色収差補正回路42では、得られたRGB出力ごとのエッジ画素の位置から色収差補正係数を求め、CCDラインセンサ11で原稿画像を走査して得られる画像データをこの色収差補正係数に基づき補正する。
【解決手段】 CCDラインセンサ11は色収差補正チャートを走査する。CCDラインセンサ11のRGB出力は、GCA30で増幅され、A/Dコンバータ32でデジタル信号に変換される。その後、シェーディング回路34でシェーディング処理が行なわれた後、ラインRAM36に記憶される。エッジ判別回路38は、CPU40から得たしきい値V1をもとに、ラインRAM36に記憶された画像信号からRGB出力ごとのエッジ画素の位置を検出し、色収差補正回路42に送る。色収差補正回路42では、得られたRGB出力ごとのエッジ画素の位置から色収差補正係数を求め、CCDラインセンサ11で原稿画像を走査して得られる画像データをこの色収差補正係数に基づき補正する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は画像読取装置および色収差補正方法に関し、特に波長の異なる光を光電変換部で受光した位置の違いから色収差を補正する画像読取装置および色収差補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、原稿に光を照射して反射した光をレンズを介してCCDリニアセンサ等の固体撮像素子で受光し、画像データを出力する画像読取装置が知られている。この種の画像読取装置では、赤(以下「R」という)、緑(以下「G」という)、および青(以下「B」という)の波長の反射光をそれぞれCCDリニアセンサで受光し、その受光量をもとに画像データを出力するものである。しかし、R,G,Bそれぞれの光の屈折率が異なるので、R,G,Bのそれぞれの光がCCDラインセンサ上に結像する位置にずれが生じ、これが色収差となって現われる。たとえば、白地に黒の縦縞模様の画像を読取った場合、R,G,Bの光がCCDリニアセンサ上に結像する位置にずれが生じるので、縦縞模様のエッジ部において色にじみ等が発生してしまう。
【0003】従来の画像読取装置は、この色収差の影響に対応するために、CCDリニアセンサの出力を元に、注目画素とその前後の画素のRGB出力を読取り、注目画素の前後の出力に所定の補正係数を乗じて、注目画素との差が少ない値を注目画素の値とする補正を行なっていた。これについて詳しく説明する。
【0004】図13は、CCDリニアセンサの画素配列を示す図である。図を参照してCCDリニアセンサ50は主走査方向に複数の画素が配列されている。従来の色収差補正方法は、このCCDリニアセンサの出力をもとに行なわれる。ここで、注目画素50AのRGB出力をそれぞれR0,G0,B0とし、注目画素50Aの隣接画素50BのRGB出力をそれぞれR1,G1,B1とし、隣接画素50CのRGB出力をそれぞれR2,G2,B2とする。このとき注目画素50Aの補正量は、隣接画素50Bと50CのRGB出力に所定の係数を乗算した値と比較され、色ずれ(RGB出力差)が少ない値に補正される。
【0005】具体的な計算例を示すと、注目画素50AのG出力G0に対して、「R=R1×N+R0×M」、「B=B1×N+B0×M」、「R=R2×N+R0×M」、「B=B2×N+B0×M」が計算される。ただし、MとNはレンズの特性により定まる定数で、N+M=1である。そして、計算したRBのそれぞれの組合せとG0とを比較し、最もRGB差の少ない組合せのR,Bが選択され、選択されたR,Bが注目画素のR出力およびB出力に補正される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の画像読取装置における色収差補正は、CCDリニアセンサのRGB出力をもとに行なわれるため、色収差がレンズの特性によるものなのか、読取対象の原稿そのものに起因するものなのか判断できないため、色収差が原稿そのものに起因する場合には、原稿の色を正確に読取ることができなくなってしまうといった問題があった。たとえば、原稿の色が黒に近いものであっても、黒に補正される場合が生じる。さらに、色収差が小さい場合には対応できるけれども色収差が大きい場合には対応できないものであった。
【0007】この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、レンズによる色収差と原稿による色収差とを判別して色収差を補正することができ、原稿画像の色を正確に読取ることができる画像読取装置または色収差補正方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のある局面による画像読取装置は、高反射率部と高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートと、色収差補正チャートから反射した光を受光する光電変換部と、高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する光電変換部上の第1の位置と、高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する光電変換部上の第2の位置とから色収差を補正する補正手段とを備える。
【0009】好ましくは画像読取装置は、原稿に光を照射する光源と、光源の配向むらと光電変換部の画素感度のばらつきを補正するシェーディング補正手段とをさらに備える。
【0010】さらに好ましくは画像読取装置の色収差補正チャートは、高反射率部と低反射率部とを光電変換部の画素が配列する方向に交互に複数配列したことを特徴とする。
【0011】さらに好ましくは画像読取装置の補正手段は、光電変換部の画素出力と所定の値とを比較することにより第1の位置と第2の位置とを決定することを特徴とする。
【0012】この発明の他の局面による色収差補正方法は、高反射率部と高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートから反射した光を光電変換部で受光する受光ステップと、高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する光電変換部上の第1の位置と、高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する光電変換部上の第2の位置とを検知する検知ステップと、検知ステップで検知した第1の位置と第2の位置とから色収差を補正する補正ステップとを有する。
【0013】これらの発明によると、色収差が予め定められたエッジパターンを読込むことにより、レンズによる色収差を容易に判別できるので、色収差を精度よく補正することができ、原稿画像の色を正確に読取ることができる画像読取装置または色収差補正方法を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置について説明する。なお図中同一符号は同一または相当する部材を示す。
【0015】[第1の実施の形態]図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置の断面図である。図を参照して、画像読取装置は、自動原稿送り装置1(以下「ADF1」という)と、原稿台3と、ランプ5と、ミラー7a〜7cと、レンズ9と、CCDラインセンサ11と、データ処理部13と、エッジパターン17と、シェーディング板19と、駆動モータ15とを含む。
【0016】ADF1は、その上に載せられた複数の原稿を1枚ずつ順次原稿台3に送る。原稿台3の上に置かれた原稿は、ランプ5により照射され、原稿より反射した光はミラー7a〜7cによりレンズ9に導かれる。レンズ9は、原稿から反射した光をCCDラインセンサ11に結像する。CCDラインセンサ11は受光した光を画像信号に変換しデータ処理部へ送信する。
【0017】CCDラインセンサ11は主走査方向(図面に垂直な方向)に受光素子が配列され、原稿を1ラインずつ読取ることができる。ランプ5とミラー7aとはスライダ8aによって支持されており、スライダ8aは駆動モータ15により副走査方向(図面横方向)に移動する。スライダ8が副走査方向に移動することにより、CCDラインセンサ11は原稿の以後のラインを順次読取ることができる。
【0018】スライダ8aとスライダ8bとは駆動モータ15により駆動され、レンズ9の共役長を保ちながら移動する。
【0019】データ処理部13は、CCDラインセンサ11から送られる画像信号をもとに、シェーディング処理、色収差補正処理および所定の画像処理等を行なう。
【0020】色収差補正チャート17とシェーディング板19とは、原稿台3上に設置され、原稿を置く領域と重ならない位置にそれぞれ設置されている。色収差補正チャート17とシェーディング板19とは、原稿を置く領域の主走査方向の長さと同じ長さである。色収差補正チャート17は、後で説明する色収差補正処理で用いられる色収差補正係数を定めるときに走査され、シェーディング板19は白色の板であり、後で説明するシェーディング回路で行なうシェーディング処理で用いられる補正係数を定めるときに走査される。
【0021】なお、原稿からの反射光を受光する光電変換部として1次元のCCDラインセンサ11を用いたが、2次元の固体撮像素子を用いてもよい。さらに、ミラー7a〜7cとレンズ9とCCDラインセンサ11との配置はこれに限定されるものではなく、原稿から反射した光をCCDラインセンサ11で受光することができれば、他の配置を用いてもよい。
【0022】図2は本実施の形態におけるデータ処理部13(図1参照)の全体構成を示すブロック図である。CCDラインセンサ11から送信される信号はゲインコントロールアンプ(GCA)30で所定の出力レベルに信号増幅され、A/Dコンバータ32でデジタルデータに変換される。デジタルデータに変換された画像信号はシェーディング回路34において、シェーディング補正される。シェーディング補正とは、均一の濃度の原稿を読取ったときに濃度の均一性を補償する処理である。これは、ランプ5の配向むらやCCDラインセンサ11の画素感度のばらつきにより生じる不均一性を、白色の板であるシェーディング板19にランプ5を照射し反射した光をCCDラインセンサ11で受光することにより、シェーディング補正に用いられる補正係数が求められる。このようして求められた補正係数を用いてデジタル変換された画像データにシェーディング補正処理が施される。なお、シェーディング補正には公知の手法を用いることができる。
【0023】シェーディング補正された画像信号はラインRAM36と色収差補正回路42とに送られる。色収差補正回路42では、シェーディング回路34から受信した画像信号をCPU40から送られる色収差補正係数に基づいて色収差補正し、画像処理回路44に送信する。画像処理回路44では、画像信号にMTF補正やマスキング補正等の所定の画像処理を施す。画像信号はインタフェース部46を介して画像読取装置の外部に接続されたコンピュータやプリンタ等に出力される。
【0024】ラインRAM36とエッジ判別回路38とCPU40とは、色収差補正回路42において用いられる色収差補正係数を決定する。これについては後で詳しく説明する。
【0025】図3は、色収差補正チャート17の平面図である。色収差補正チャート17は、原稿台3上に設置され、原稿台3上に原稿を置く主走査方向の長さと同じ長さを有する。そして白色の板の上に黒ベタパッチ17a〜17cが3つ描かれている。黒ベタパッチ17a〜17cは、黒色の四角形のパターンである。黒ベタパッチ17bは色収差補正チャート17の中心に描かれており、黒ベタパッチ17aと17cは色収差補正チャート17の両端近くに描かれている。色収差補正チャートにランプ5から光が照射されると白色の部分においてはほとんどの光が反射され、黒ベタパッチ17a〜17cの部分ではほとんどの光が反射されない。すなわち、白色の部分は反射率が高く、黒ベタパッチは反射率が低い。
【0026】なお、本実施の形態では、白色の板に黒色の黒ベタパッチを描いた色収差補正チャートを用いたが、反射率が異なればこれに限られるものでなく、たとえば、白色の板の上に灰色のベタパッチを描いたものを用いてもよい。
【0027】図4は、色収差補正チャート17を走査した場合にCCDラインセンサ11のRGB出力から得られるR像とG像とB像を示す図である。図4(A)はCCDラインセンサ11のR出力から得られるR像を示し、図4(B)はCCDラインセンサ11のG出力から得られるG像を示し、図4(C)はCCDラインセンサ11のB出力から得られるB像出力画像を示す。R,G,B光の波長はそれぞれ異なるので、レンズ9を通過する際の屈折率が異なる。したがって、CCDラインセンサ11の出力から得られる画像出力が異なってくる。図4を参照して、色収差補正チャートの中心の黒ベタパッチ17bに該当する部分は、R像では領域20Bに該当し、G像では領域21Bに該当し、B像では領域22Bに該当する。領域20Bと領域21Bと領域22Bとは、R像、G像およびB像においても同じ位置として読取られている。これに対して、色収差補正チャート17の黒ベタパッチ17aに該当する部分は、R像では領域20Aであり、G像では領域21Aであり、B像では領域22Aである。領域20Aと領域21Aと領域22Aとは主走査方向にずれている。同様に色収差補正チャート17の黒ベタパッチ17cに該当する部分は、R像、G像、B像のそれぞれで領域20C、領域21C、領域22Cとが対応し、領域20Cと領域21Cと領域22Cとは主走査方向にずれている。
【0028】このR像、G像、B像におけるずれは、CCDラインセンサ11の中心からの距離が大きくなればなるほど大きくなる。このずれが、レンズの特性により生ずる色収差である。
【0029】図5は、図4(D)に示すCCDラインセンサ11の画素のうち画素範囲25で示すCCD画素の出力を示す図である。図を参照して、縦軸にCCD出力、横軸にCCD画素をとり、R出力を実線で、G出力を点線で、B出力を一点鎖線でそれぞれ示す。RGB出力のそれぞれにおいて、CCD出力が最大値から最小値に変化しているのがわかる。たとえば、R出力が最大値から最小値に変化するまでの間にいくつかの画素が存在する。色収差補正チャート17における黒ベタパッチ17aのエッジ部はこれらの画素のうちのいずれかに存在するはずである。同様のことがG出力およびB出力においても言える。したがってこれらの範囲にある画素のうちいずれの画素が色収差補正チャート17の黒ベタパッチ17aのエッジ部に該当するかを判別する必要がある。以下この判別処理について説明する。
【0030】図5において二点鎖線で示すしきい値V1を設定し、RGB出力のそれぞれが値V1となったときの画素をエッジ画素と判断する。図5においては、R出力のエッジ画素はReであり、G出力のエッジ画素はGeであり、B出力のエッジ画素はBeである。
【0031】このように、RGBそれぞれの出力におけるエッジ画素Re,Ge,Beの画素位置に違いが出ている。この画素位置の違いがレンズの色収差量である。この色収差はCCDラインセンサ11の中心部分、すなわちレンズ9の光軸に当たる部分近傍においては色収差がないため画素位置の違いは生じないが、中心部分近傍より離れるに従って画素位置の違いが大きくなる。したがって、色収差補正チャート17上に描く黒ベタパッチは端部近傍に設けるのがよい。
【0032】以上説明したエッジ画素Re,Ge,Beを求める処理は、図2で示したエッジ判別回路38において行なわれる。エッジ判別回路38では、CPU40よりしきい値V1を受取り、上述の処理を行ないエッジ画素を求める。求められたエッジ画素はCPU40に送られ色収差補正回路42に送られる。
【0033】次に本実施の形態における画像読取装置で行なわれる読取処理について説明する。図6は、本実施の形態における画像読取装置の読取処理の流れを示すフロー図である。画像読取装置における読取処理は、画像読取装置の上面に設けられたコピーボタン(図示しない)が押下されると(ステップS01)、スライダ8aがシェーディング板19の下方に移動する(ステップS02)。そしてランプ5がシェーディング板19を照射し、反射した光がCCDラインセンサ11で受光されて、シェーディング回路34において上述したシェーディング補正に用いられる補正係数が決定される(ステップS03)。
【0034】次にスライダ8aが色収差補正チャート17の下方に移動する(ステップS04)。そしてランプ5が色収差補正チャート17を照射し、色収差補正回路42において、色収差補正に用いられる補正係数が決定される(ステップS05)。これについては後で説明する。
【0035】その後、スライダ8aが原稿の下方を副走査方向に移動することにより、原稿画像の読取が行なわれる(ステップS06)。読取られた画像データは、シェーディング回路34においてシェーディング補正がなされ(ステップS07)、色収差補正回路42において色収差補正がなされた後(ステップS08)、画像処理回路44において所定の画像処理が行なわれる(ステップS09)。
【0036】次に色収差補正回路42で行なわれる色収差補正係数の決定(図6におけるステップS05)について説明する。図7は、色収差補正係数決定サブルーチンを示す図である。図を参照して、スライダ8aが色収差補正チャート17の下方に移動し、色収差補正チャート17を主走査方向全体にわたって走査するように副走査方向に移動する。CCDラインセンサ11で1ライン分の原稿の読込が終了すると、ラインRAM36にRGB出力が画像信号として書込まれる(ステップS10)。そしてエッジ判別回路38により、図5で説明したRGB出力ごとのエッジ画素(Re,Ge,Be)が求められ、そのエッジ画素のCCDラインセンサ11上の位置がエッジ位置として検出される(ステップS11)。その後、色収差補正係数が算出される(ステップS12)。色収差補正係数とは、エッジ画素Geとエッジ画素Reとの距離ΔRとエッジ画素Geとエッジ画素Beとの距離ΔBを言い、次の式により算出される。
【0037】ΔR=(エッジ画素Geのアドレス)−(エッジ画素Reのアドレス)
ΔB=(エッジ画素Geのアドレス)−(エッジ画素Beのアドレス)
次に、色収差補正回路42において行なわれる色収差補正処理(図6におけるステップS08)について説明する。図8は、色収差補正処理の流れを示すフロー図である。図を参照して、ステップS21において、色収差補正係数ΔR,ΔBが0であるか否かがそれぞれ判断される。色収差補正係数ΔR,ΔBが0である場合には、色収差が生じていないので、色収差補正は行なわず処理を終了する。色収差補正係数ΔR,ΔBが0でない場合は、色収差が生じているので色収差の補正が行なわれる。ステップS22で、色収差補正係数ΔR,ΔBの正負が判断され、正の場合は縮小補間が行なわれ(ステップS23)、負の場合は拡大補間が行なわれる(ステップS24)。
【0038】ここで縮小補間と拡大補間について説明する。色収差の補正には、縮小補間と拡大補間とがあり、R出力またはB出力のエッジ画素の中心画素からの距離が、G出力のエッジ画素と中心画素との距離よりも大きい場合には縮小補間が行なわれ、小さい場合には拡大補間が行なわれる。この縮小補間および拡大補間には一般的な手法を用いればよく、たとえば線型補間法を用いることができる。
【0039】より具体的に縮小補間と拡大補間について説明する。図9は、色収差補正チャートを走査したときのCCDラインセンサ11のRGB出力から求めたエッジ画素と中心画素との距離を示す図である。図を参照して、R出力における中心画素40とエッジ画素Re1 との距離はRa[dot]であり、中心画素40とエッジ画素Re2 との距離はRb[dot]である。G出力における中心画素41とエッジ画素Ge2 との距離はGa[dot]であり、中心画素41とエッジ画素Ge2 との距離はGb[dot]である。B出力における中心画素42とエッジ画素Be2 との距離はBa[dot]であり、中心画素42とエッジ画素Be2との距離はBb[dot]である。
【0040】このように色収差が発生している場合、中心画素40,41,42より図面左側の画素については、G出力のエッジ画素Ge1 と中心画素41との距離Gaと、R出力のエッジ画素Re1 との中心画素40との距離Raとを比較し、Ga<Raであるので、Ra′=Ra/Gaの比率でRaが縮小するように縮小補間する。拡大補間はこれとは逆に、G出力のエッジ画素Ge1 と中心画素41との距離Gaと、B出力のエッジ画素Be1 と中心画素42との距離Baとを比較し、Ga>Baなので、Ba′=Ga/Baの比率でBaが拡大するように拡大補間する。
【0041】中心画素40,41,42より図面右側の画素については、左側の画素と同様に、Gb<Rbであるので、Rb′=Rb/Gbの比率でRbが縮小するように縮小補間し、Gb>Bbなので、Bb′=Gb/Bbの比率でBbが拡大するように拡大補間する。
【0042】以上説明したように、本実施の形態における画像読取装置は、色収差を含まない色収差補正チャートを走査して、CCDラインセンサ11のRGB出力をもとにエッジ判別回路38においてレンズによる色収差を求め、これを色収差補正回路42において補正するようにしたので、レンズによる色収差と原稿による色収差とを判別して色収差を補正することができる。さらに、レンズによる色収差のみを補正するので、原稿画像の色を正確に読取ることができる。
【0043】なお、本実施の形態においてはRGBフィルタを用いた1つのCCDラインセンサを用いてRGB出力を得るようにしたが、原稿からの反射光を異なる波長の光として受光することができれば他のCCDラインセンサを用いることができる。たとえば、原稿からの反射光を分光プリズムを用いてRGBの光に分光し、分光された光を3つのCCDラインセンサでそれぞれ受光するようにしてもよい。
【0044】また、本実施の形態においては図3に示す3つの黒ベタパッチを有する色収差補正チャートを用いて色収差の補正をするようにしたが、光軸中心より離れた位置に1つの黒ベタパッチを有する色収差補正チャートを用いてもよい。この場合には、検出されたエッジ画素とCCDラインセンサの中心画素に対して対称する位置にある対称画素を求め、エッジ画素と中心画素との距離を用いて色収差を補正するとともに、対称画素と中心画素との距離を用いて色収差を補正する。このようにすれば、中心画素の両側にある画素に対して色収差の補正をすることができる。ただし、CCDラインセンサの中心画素がレンズの光軸上に位置するようにレンズとCCDラインセンサとの位置決めを正確に行なう必要がある。
【0045】次に、エッジ判別回路38において行なうエッジ画素を求める処理の変形例について説明する。図10は、エッジ判別回路においてエッジ画素を求める処理の変形例を説明するための図である。図を参照して、縦軸はCCD出力を、横軸はCCD画素をそれぞれ示し、CCDラインセンサ11のR出力を実線で、G出力を点線で、B出力を一点鎖線でそれぞれ示す。本変形例においては、しきい値としてV1とV2の2つのしきい値を用いている。たとえば、R出力で見ると、R出力が最大値から最小値に推移するまでの間に、R出力がしきい値V1となるときの画素はRe1であり、しきい値V2となるときの画素はRe2である。そして、R出力におけるエッジ画素を、Re1とRe2の中間に位置する画素とするものである。G出力およびB出力においてもそれぞれの出力が、2つのしきい値V1,V2となるときの画素の中間に位置する画素をエッジ画素とする。
【0046】このように2つのしきい値を設けることにより、1つのしきい値を用いてエッジ画素を検出する場合に比べてより正確にエッジ画素の検出が可能となる。
【0047】[第2の実施の形態]第2の実施の形態における画像読取装置は、第1の実施の形態における画像読取装置の色収差補正チャートを改良したものである。その他の構成については第1の実施の形態における画像読取装置と同様であるので、ここでの説明は繰返さない。
【0048】図11は、第2の実施の形態における画像読取装置の色収差補正チャートの平面図である。色収差補正チャート30は、白色の板に複数の黒ベタパッチ30A〜30Jを主走査方向に等間隔に配列したものである。
【0049】図12(A)は、図11に示す色収差補正チャートの一部を示す図である。図12(B)は、図12(A)に示す色収差補正チャートを走査した場合にCCDラインセンサ11で出力されるRGB出力を示す図である。図12(B)を参照して、縦軸にCCD出力を、横軸にCCD画素を示し、R出力を実線で、G出力を点線で、B出力を一点鎖線で示している。第1の実施の形態で説明したエッジ画素の検出処理と同様に、RGB出力がそれぞれしきい値V1となるときの画素がエッジ画素として検出される。図12(A)の黒ベタパッチ30Aの図面左側のエッジについて見ると、図12(B)に示すR出力ではエッジ画素はR1であり、G出力ではエッジ画素はG1であり、B出力ではエッジ画素はB1である。また、図12(A)に示す黒ベタパッチ30Aの図面右側のエッジについて見ると、図12(B)に示すR出力ではエッジ画素はR2であり、G出力ではエッジ画素はG2であり、B出力ではエッジ画素はB2である。同様に、図12(A)に示す黒ベタパッチ30Bと黒ベタパッチ30Cのエッジ画素は、図12(B)に示すように検出される。
【0050】図11に示す色収差補正チャートを用いると、CCDラインセンサ11の全体にわたってエッジ画素が検出されるので、色収差補正回路42における色収差補正処理をより正確に行なうことができる。たとえば、図11(B)を参照して、エッジ画素R1,G1,B1から求められる色収差と、エッジ画素R2,G2,B2から求められる色収差とは異なる場合がある。このように、CCDラインセンサの中心からの距離により色収差の大きさが異なる場合には、CCDラインセンサ11の全体にわたってエッジ画素を検出できるようにすれば、色収差の大きさに合わせて色収差補正係数を設定することができるので、主走査方向全体にわたって正確に色収差補正処理を行なうことができ、原稿画像の色を正確に読取ることができる。
【0051】なお、本実施の形態における画像読取装置は、色収差補正処理に用いる補正係数を、スタートボタンが押される度に、すなわち、1枚の原稿を読取る前に、色収差補正チャートを走査して色収差補正処理に用いる補正係数を決定するようにしたが、画像読取装置の電源投入時に1回だけ行なってもよく、または、画像読取装置を出荷する前の工程上の調整時、または画像読取装置の設置時あるいは調整時のみに行なってもよい。
【0052】また、本実施の形態では一次元のCCDラインセンサを用いたが、光電変換素子を二次元に配列した光電変換部を用いることもできる。この場合には、色収差補正チャートの黒ベタパッチを副走査方向に配列することにより、副走査方向における色収差の補正を行なうことができることは言うまでもない。
【0053】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】画像読取装置のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】画像読取装置の色収差補正チャートの平面図である。
【図4】色収差補正チャートを走査したときのCCDラインセンサのRGB画像出力を示す図である。
【図5】色収差補正チャートを走査したときのCCDラインセンサの出力の一部を示す図である。
【図6】画像読取装置の読取処理の流れを示すフロー図である。
【図7】画像読取装置の色収差補正係数の決定処理の流れを示すフロー図である。
【図8】画像読取装置の色収差補正処理の流れを示すフロー図である。
【図9】色収差補正処理における拡大補間と縮小補間を説明するための図である。
【図10】画像読取装置の色収差補正係数決定処理で行なわれるエッジ判別の変形例を説明するための図である。
【図11】第2の実施の形態における色収差補正チャートの平面図である。
【図12】第2の実施の形態における色収差補正チャートの一部を示す平面図とCCDラインセンサの出力を示す図である。
【図13】従来の画像読取装置における色収差補正を説明するための図である。
【符号の説明】
5 ランプ
9 レンズ
11 CCDラインセンサ
13 データ処理部
17 色収差補正チャート
19 シェーディング板
34 シェーディング回路
36 ラインRAM
38 エッジ判別回路
40 CPU
42 色収差補正回路
44 画像処理回路
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は画像読取装置および色収差補正方法に関し、特に波長の異なる光を光電変換部で受光した位置の違いから色収差を補正する画像読取装置および色収差補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、原稿に光を照射して反射した光をレンズを介してCCDリニアセンサ等の固体撮像素子で受光し、画像データを出力する画像読取装置が知られている。この種の画像読取装置では、赤(以下「R」という)、緑(以下「G」という)、および青(以下「B」という)の波長の反射光をそれぞれCCDリニアセンサで受光し、その受光量をもとに画像データを出力するものである。しかし、R,G,Bそれぞれの光の屈折率が異なるので、R,G,Bのそれぞれの光がCCDラインセンサ上に結像する位置にずれが生じ、これが色収差となって現われる。たとえば、白地に黒の縦縞模様の画像を読取った場合、R,G,Bの光がCCDリニアセンサ上に結像する位置にずれが生じるので、縦縞模様のエッジ部において色にじみ等が発生してしまう。
【0003】従来の画像読取装置は、この色収差の影響に対応するために、CCDリニアセンサの出力を元に、注目画素とその前後の画素のRGB出力を読取り、注目画素の前後の出力に所定の補正係数を乗じて、注目画素との差が少ない値を注目画素の値とする補正を行なっていた。これについて詳しく説明する。
【0004】図13は、CCDリニアセンサの画素配列を示す図である。図を参照してCCDリニアセンサ50は主走査方向に複数の画素が配列されている。従来の色収差補正方法は、このCCDリニアセンサの出力をもとに行なわれる。ここで、注目画素50AのRGB出力をそれぞれR0,G0,B0とし、注目画素50Aの隣接画素50BのRGB出力をそれぞれR1,G1,B1とし、隣接画素50CのRGB出力をそれぞれR2,G2,B2とする。このとき注目画素50Aの補正量は、隣接画素50Bと50CのRGB出力に所定の係数を乗算した値と比較され、色ずれ(RGB出力差)が少ない値に補正される。
【0005】具体的な計算例を示すと、注目画素50AのG出力G0に対して、「R=R1×N+R0×M」、「B=B1×N+B0×M」、「R=R2×N+R0×M」、「B=B2×N+B0×M」が計算される。ただし、MとNはレンズの特性により定まる定数で、N+M=1である。そして、計算したRBのそれぞれの組合せとG0とを比較し、最もRGB差の少ない組合せのR,Bが選択され、選択されたR,Bが注目画素のR出力およびB出力に補正される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の画像読取装置における色収差補正は、CCDリニアセンサのRGB出力をもとに行なわれるため、色収差がレンズの特性によるものなのか、読取対象の原稿そのものに起因するものなのか判断できないため、色収差が原稿そのものに起因する場合には、原稿の色を正確に読取ることができなくなってしまうといった問題があった。たとえば、原稿の色が黒に近いものであっても、黒に補正される場合が生じる。さらに、色収差が小さい場合には対応できるけれども色収差が大きい場合には対応できないものであった。
【0007】この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、レンズによる色収差と原稿による色収差とを判別して色収差を補正することができ、原稿画像の色を正確に読取ることができる画像読取装置または色収差補正方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のある局面による画像読取装置は、高反射率部と高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートと、色収差補正チャートから反射した光を受光する光電変換部と、高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する光電変換部上の第1の位置と、高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する光電変換部上の第2の位置とから色収差を補正する補正手段とを備える。
【0009】好ましくは画像読取装置は、原稿に光を照射する光源と、光源の配向むらと光電変換部の画素感度のばらつきを補正するシェーディング補正手段とをさらに備える。
【0010】さらに好ましくは画像読取装置の色収差補正チャートは、高反射率部と低反射率部とを光電変換部の画素が配列する方向に交互に複数配列したことを特徴とする。
【0011】さらに好ましくは画像読取装置の補正手段は、光電変換部の画素出力と所定の値とを比較することにより第1の位置と第2の位置とを決定することを特徴とする。
【0012】この発明の他の局面による色収差補正方法は、高反射率部と高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートから反射した光を光電変換部で受光する受光ステップと、高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する光電変換部上の第1の位置と、高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する光電変換部上の第2の位置とを検知する検知ステップと、検知ステップで検知した第1の位置と第2の位置とから色収差を補正する補正ステップとを有する。
【0013】これらの発明によると、色収差が予め定められたエッジパターンを読込むことにより、レンズによる色収差を容易に判別できるので、色収差を精度よく補正することができ、原稿画像の色を正確に読取ることができる画像読取装置または色収差補正方法を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置について説明する。なお図中同一符号は同一または相当する部材を示す。
【0015】[第1の実施の形態]図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置の断面図である。図を参照して、画像読取装置は、自動原稿送り装置1(以下「ADF1」という)と、原稿台3と、ランプ5と、ミラー7a〜7cと、レンズ9と、CCDラインセンサ11と、データ処理部13と、エッジパターン17と、シェーディング板19と、駆動モータ15とを含む。
【0016】ADF1は、その上に載せられた複数の原稿を1枚ずつ順次原稿台3に送る。原稿台3の上に置かれた原稿は、ランプ5により照射され、原稿より反射した光はミラー7a〜7cによりレンズ9に導かれる。レンズ9は、原稿から反射した光をCCDラインセンサ11に結像する。CCDラインセンサ11は受光した光を画像信号に変換しデータ処理部へ送信する。
【0017】CCDラインセンサ11は主走査方向(図面に垂直な方向)に受光素子が配列され、原稿を1ラインずつ読取ることができる。ランプ5とミラー7aとはスライダ8aによって支持されており、スライダ8aは駆動モータ15により副走査方向(図面横方向)に移動する。スライダ8が副走査方向に移動することにより、CCDラインセンサ11は原稿の以後のラインを順次読取ることができる。
【0018】スライダ8aとスライダ8bとは駆動モータ15により駆動され、レンズ9の共役長を保ちながら移動する。
【0019】データ処理部13は、CCDラインセンサ11から送られる画像信号をもとに、シェーディング処理、色収差補正処理および所定の画像処理等を行なう。
【0020】色収差補正チャート17とシェーディング板19とは、原稿台3上に設置され、原稿を置く領域と重ならない位置にそれぞれ設置されている。色収差補正チャート17とシェーディング板19とは、原稿を置く領域の主走査方向の長さと同じ長さである。色収差補正チャート17は、後で説明する色収差補正処理で用いられる色収差補正係数を定めるときに走査され、シェーディング板19は白色の板であり、後で説明するシェーディング回路で行なうシェーディング処理で用いられる補正係数を定めるときに走査される。
【0021】なお、原稿からの反射光を受光する光電変換部として1次元のCCDラインセンサ11を用いたが、2次元の固体撮像素子を用いてもよい。さらに、ミラー7a〜7cとレンズ9とCCDラインセンサ11との配置はこれに限定されるものではなく、原稿から反射した光をCCDラインセンサ11で受光することができれば、他の配置を用いてもよい。
【0022】図2は本実施の形態におけるデータ処理部13(図1参照)の全体構成を示すブロック図である。CCDラインセンサ11から送信される信号はゲインコントロールアンプ(GCA)30で所定の出力レベルに信号増幅され、A/Dコンバータ32でデジタルデータに変換される。デジタルデータに変換された画像信号はシェーディング回路34において、シェーディング補正される。シェーディング補正とは、均一の濃度の原稿を読取ったときに濃度の均一性を補償する処理である。これは、ランプ5の配向むらやCCDラインセンサ11の画素感度のばらつきにより生じる不均一性を、白色の板であるシェーディング板19にランプ5を照射し反射した光をCCDラインセンサ11で受光することにより、シェーディング補正に用いられる補正係数が求められる。このようして求められた補正係数を用いてデジタル変換された画像データにシェーディング補正処理が施される。なお、シェーディング補正には公知の手法を用いることができる。
【0023】シェーディング補正された画像信号はラインRAM36と色収差補正回路42とに送られる。色収差補正回路42では、シェーディング回路34から受信した画像信号をCPU40から送られる色収差補正係数に基づいて色収差補正し、画像処理回路44に送信する。画像処理回路44では、画像信号にMTF補正やマスキング補正等の所定の画像処理を施す。画像信号はインタフェース部46を介して画像読取装置の外部に接続されたコンピュータやプリンタ等に出力される。
【0024】ラインRAM36とエッジ判別回路38とCPU40とは、色収差補正回路42において用いられる色収差補正係数を決定する。これについては後で詳しく説明する。
【0025】図3は、色収差補正チャート17の平面図である。色収差補正チャート17は、原稿台3上に設置され、原稿台3上に原稿を置く主走査方向の長さと同じ長さを有する。そして白色の板の上に黒ベタパッチ17a〜17cが3つ描かれている。黒ベタパッチ17a〜17cは、黒色の四角形のパターンである。黒ベタパッチ17bは色収差補正チャート17の中心に描かれており、黒ベタパッチ17aと17cは色収差補正チャート17の両端近くに描かれている。色収差補正チャートにランプ5から光が照射されると白色の部分においてはほとんどの光が反射され、黒ベタパッチ17a〜17cの部分ではほとんどの光が反射されない。すなわち、白色の部分は反射率が高く、黒ベタパッチは反射率が低い。
【0026】なお、本実施の形態では、白色の板に黒色の黒ベタパッチを描いた色収差補正チャートを用いたが、反射率が異なればこれに限られるものでなく、たとえば、白色の板の上に灰色のベタパッチを描いたものを用いてもよい。
【0027】図4は、色収差補正チャート17を走査した場合にCCDラインセンサ11のRGB出力から得られるR像とG像とB像を示す図である。図4(A)はCCDラインセンサ11のR出力から得られるR像を示し、図4(B)はCCDラインセンサ11のG出力から得られるG像を示し、図4(C)はCCDラインセンサ11のB出力から得られるB像出力画像を示す。R,G,B光の波長はそれぞれ異なるので、レンズ9を通過する際の屈折率が異なる。したがって、CCDラインセンサ11の出力から得られる画像出力が異なってくる。図4を参照して、色収差補正チャートの中心の黒ベタパッチ17bに該当する部分は、R像では領域20Bに該当し、G像では領域21Bに該当し、B像では領域22Bに該当する。領域20Bと領域21Bと領域22Bとは、R像、G像およびB像においても同じ位置として読取られている。これに対して、色収差補正チャート17の黒ベタパッチ17aに該当する部分は、R像では領域20Aであり、G像では領域21Aであり、B像では領域22Aである。領域20Aと領域21Aと領域22Aとは主走査方向にずれている。同様に色収差補正チャート17の黒ベタパッチ17cに該当する部分は、R像、G像、B像のそれぞれで領域20C、領域21C、領域22Cとが対応し、領域20Cと領域21Cと領域22Cとは主走査方向にずれている。
【0028】このR像、G像、B像におけるずれは、CCDラインセンサ11の中心からの距離が大きくなればなるほど大きくなる。このずれが、レンズの特性により生ずる色収差である。
【0029】図5は、図4(D)に示すCCDラインセンサ11の画素のうち画素範囲25で示すCCD画素の出力を示す図である。図を参照して、縦軸にCCD出力、横軸にCCD画素をとり、R出力を実線で、G出力を点線で、B出力を一点鎖線でそれぞれ示す。RGB出力のそれぞれにおいて、CCD出力が最大値から最小値に変化しているのがわかる。たとえば、R出力が最大値から最小値に変化するまでの間にいくつかの画素が存在する。色収差補正チャート17における黒ベタパッチ17aのエッジ部はこれらの画素のうちのいずれかに存在するはずである。同様のことがG出力およびB出力においても言える。したがってこれらの範囲にある画素のうちいずれの画素が色収差補正チャート17の黒ベタパッチ17aのエッジ部に該当するかを判別する必要がある。以下この判別処理について説明する。
【0030】図5において二点鎖線で示すしきい値V1を設定し、RGB出力のそれぞれが値V1となったときの画素をエッジ画素と判断する。図5においては、R出力のエッジ画素はReであり、G出力のエッジ画素はGeであり、B出力のエッジ画素はBeである。
【0031】このように、RGBそれぞれの出力におけるエッジ画素Re,Ge,Beの画素位置に違いが出ている。この画素位置の違いがレンズの色収差量である。この色収差はCCDラインセンサ11の中心部分、すなわちレンズ9の光軸に当たる部分近傍においては色収差がないため画素位置の違いは生じないが、中心部分近傍より離れるに従って画素位置の違いが大きくなる。したがって、色収差補正チャート17上に描く黒ベタパッチは端部近傍に設けるのがよい。
【0032】以上説明したエッジ画素Re,Ge,Beを求める処理は、図2で示したエッジ判別回路38において行なわれる。エッジ判別回路38では、CPU40よりしきい値V1を受取り、上述の処理を行ないエッジ画素を求める。求められたエッジ画素はCPU40に送られ色収差補正回路42に送られる。
【0033】次に本実施の形態における画像読取装置で行なわれる読取処理について説明する。図6は、本実施の形態における画像読取装置の読取処理の流れを示すフロー図である。画像読取装置における読取処理は、画像読取装置の上面に設けられたコピーボタン(図示しない)が押下されると(ステップS01)、スライダ8aがシェーディング板19の下方に移動する(ステップS02)。そしてランプ5がシェーディング板19を照射し、反射した光がCCDラインセンサ11で受光されて、シェーディング回路34において上述したシェーディング補正に用いられる補正係数が決定される(ステップS03)。
【0034】次にスライダ8aが色収差補正チャート17の下方に移動する(ステップS04)。そしてランプ5が色収差補正チャート17を照射し、色収差補正回路42において、色収差補正に用いられる補正係数が決定される(ステップS05)。これについては後で説明する。
【0035】その後、スライダ8aが原稿の下方を副走査方向に移動することにより、原稿画像の読取が行なわれる(ステップS06)。読取られた画像データは、シェーディング回路34においてシェーディング補正がなされ(ステップS07)、色収差補正回路42において色収差補正がなされた後(ステップS08)、画像処理回路44において所定の画像処理が行なわれる(ステップS09)。
【0036】次に色収差補正回路42で行なわれる色収差補正係数の決定(図6におけるステップS05)について説明する。図7は、色収差補正係数決定サブルーチンを示す図である。図を参照して、スライダ8aが色収差補正チャート17の下方に移動し、色収差補正チャート17を主走査方向全体にわたって走査するように副走査方向に移動する。CCDラインセンサ11で1ライン分の原稿の読込が終了すると、ラインRAM36にRGB出力が画像信号として書込まれる(ステップS10)。そしてエッジ判別回路38により、図5で説明したRGB出力ごとのエッジ画素(Re,Ge,Be)が求められ、そのエッジ画素のCCDラインセンサ11上の位置がエッジ位置として検出される(ステップS11)。その後、色収差補正係数が算出される(ステップS12)。色収差補正係数とは、エッジ画素Geとエッジ画素Reとの距離ΔRとエッジ画素Geとエッジ画素Beとの距離ΔBを言い、次の式により算出される。
【0037】ΔR=(エッジ画素Geのアドレス)−(エッジ画素Reのアドレス)
ΔB=(エッジ画素Geのアドレス)−(エッジ画素Beのアドレス)
次に、色収差補正回路42において行なわれる色収差補正処理(図6におけるステップS08)について説明する。図8は、色収差補正処理の流れを示すフロー図である。図を参照して、ステップS21において、色収差補正係数ΔR,ΔBが0であるか否かがそれぞれ判断される。色収差補正係数ΔR,ΔBが0である場合には、色収差が生じていないので、色収差補正は行なわず処理を終了する。色収差補正係数ΔR,ΔBが0でない場合は、色収差が生じているので色収差の補正が行なわれる。ステップS22で、色収差補正係数ΔR,ΔBの正負が判断され、正の場合は縮小補間が行なわれ(ステップS23)、負の場合は拡大補間が行なわれる(ステップS24)。
【0038】ここで縮小補間と拡大補間について説明する。色収差の補正には、縮小補間と拡大補間とがあり、R出力またはB出力のエッジ画素の中心画素からの距離が、G出力のエッジ画素と中心画素との距離よりも大きい場合には縮小補間が行なわれ、小さい場合には拡大補間が行なわれる。この縮小補間および拡大補間には一般的な手法を用いればよく、たとえば線型補間法を用いることができる。
【0039】より具体的に縮小補間と拡大補間について説明する。図9は、色収差補正チャートを走査したときのCCDラインセンサ11のRGB出力から求めたエッジ画素と中心画素との距離を示す図である。図を参照して、R出力における中心画素40とエッジ画素Re1 との距離はRa[dot]であり、中心画素40とエッジ画素Re2 との距離はRb[dot]である。G出力における中心画素41とエッジ画素Ge2 との距離はGa[dot]であり、中心画素41とエッジ画素Ge2 との距離はGb[dot]である。B出力における中心画素42とエッジ画素Be2 との距離はBa[dot]であり、中心画素42とエッジ画素Be2との距離はBb[dot]である。
【0040】このように色収差が発生している場合、中心画素40,41,42より図面左側の画素については、G出力のエッジ画素Ge1 と中心画素41との距離Gaと、R出力のエッジ画素Re1 との中心画素40との距離Raとを比較し、Ga<Raであるので、Ra′=Ra/Gaの比率でRaが縮小するように縮小補間する。拡大補間はこれとは逆に、G出力のエッジ画素Ge1 と中心画素41との距離Gaと、B出力のエッジ画素Be1 と中心画素42との距離Baとを比較し、Ga>Baなので、Ba′=Ga/Baの比率でBaが拡大するように拡大補間する。
【0041】中心画素40,41,42より図面右側の画素については、左側の画素と同様に、Gb<Rbであるので、Rb′=Rb/Gbの比率でRbが縮小するように縮小補間し、Gb>Bbなので、Bb′=Gb/Bbの比率でBbが拡大するように拡大補間する。
【0042】以上説明したように、本実施の形態における画像読取装置は、色収差を含まない色収差補正チャートを走査して、CCDラインセンサ11のRGB出力をもとにエッジ判別回路38においてレンズによる色収差を求め、これを色収差補正回路42において補正するようにしたので、レンズによる色収差と原稿による色収差とを判別して色収差を補正することができる。さらに、レンズによる色収差のみを補正するので、原稿画像の色を正確に読取ることができる。
【0043】なお、本実施の形態においてはRGBフィルタを用いた1つのCCDラインセンサを用いてRGB出力を得るようにしたが、原稿からの反射光を異なる波長の光として受光することができれば他のCCDラインセンサを用いることができる。たとえば、原稿からの反射光を分光プリズムを用いてRGBの光に分光し、分光された光を3つのCCDラインセンサでそれぞれ受光するようにしてもよい。
【0044】また、本実施の形態においては図3に示す3つの黒ベタパッチを有する色収差補正チャートを用いて色収差の補正をするようにしたが、光軸中心より離れた位置に1つの黒ベタパッチを有する色収差補正チャートを用いてもよい。この場合には、検出されたエッジ画素とCCDラインセンサの中心画素に対して対称する位置にある対称画素を求め、エッジ画素と中心画素との距離を用いて色収差を補正するとともに、対称画素と中心画素との距離を用いて色収差を補正する。このようにすれば、中心画素の両側にある画素に対して色収差の補正をすることができる。ただし、CCDラインセンサの中心画素がレンズの光軸上に位置するようにレンズとCCDラインセンサとの位置決めを正確に行なう必要がある。
【0045】次に、エッジ判別回路38において行なうエッジ画素を求める処理の変形例について説明する。図10は、エッジ判別回路においてエッジ画素を求める処理の変形例を説明するための図である。図を参照して、縦軸はCCD出力を、横軸はCCD画素をそれぞれ示し、CCDラインセンサ11のR出力を実線で、G出力を点線で、B出力を一点鎖線でそれぞれ示す。本変形例においては、しきい値としてV1とV2の2つのしきい値を用いている。たとえば、R出力で見ると、R出力が最大値から最小値に推移するまでの間に、R出力がしきい値V1となるときの画素はRe1であり、しきい値V2となるときの画素はRe2である。そして、R出力におけるエッジ画素を、Re1とRe2の中間に位置する画素とするものである。G出力およびB出力においてもそれぞれの出力が、2つのしきい値V1,V2となるときの画素の中間に位置する画素をエッジ画素とする。
【0046】このように2つのしきい値を設けることにより、1つのしきい値を用いてエッジ画素を検出する場合に比べてより正確にエッジ画素の検出が可能となる。
【0047】[第2の実施の形態]第2の実施の形態における画像読取装置は、第1の実施の形態における画像読取装置の色収差補正チャートを改良したものである。その他の構成については第1の実施の形態における画像読取装置と同様であるので、ここでの説明は繰返さない。
【0048】図11は、第2の実施の形態における画像読取装置の色収差補正チャートの平面図である。色収差補正チャート30は、白色の板に複数の黒ベタパッチ30A〜30Jを主走査方向に等間隔に配列したものである。
【0049】図12(A)は、図11に示す色収差補正チャートの一部を示す図である。図12(B)は、図12(A)に示す色収差補正チャートを走査した場合にCCDラインセンサ11で出力されるRGB出力を示す図である。図12(B)を参照して、縦軸にCCD出力を、横軸にCCD画素を示し、R出力を実線で、G出力を点線で、B出力を一点鎖線で示している。第1の実施の形態で説明したエッジ画素の検出処理と同様に、RGB出力がそれぞれしきい値V1となるときの画素がエッジ画素として検出される。図12(A)の黒ベタパッチ30Aの図面左側のエッジについて見ると、図12(B)に示すR出力ではエッジ画素はR1であり、G出力ではエッジ画素はG1であり、B出力ではエッジ画素はB1である。また、図12(A)に示す黒ベタパッチ30Aの図面右側のエッジについて見ると、図12(B)に示すR出力ではエッジ画素はR2であり、G出力ではエッジ画素はG2であり、B出力ではエッジ画素はB2である。同様に、図12(A)に示す黒ベタパッチ30Bと黒ベタパッチ30Cのエッジ画素は、図12(B)に示すように検出される。
【0050】図11に示す色収差補正チャートを用いると、CCDラインセンサ11の全体にわたってエッジ画素が検出されるので、色収差補正回路42における色収差補正処理をより正確に行なうことができる。たとえば、図11(B)を参照して、エッジ画素R1,G1,B1から求められる色収差と、エッジ画素R2,G2,B2から求められる色収差とは異なる場合がある。このように、CCDラインセンサの中心からの距離により色収差の大きさが異なる場合には、CCDラインセンサ11の全体にわたってエッジ画素を検出できるようにすれば、色収差の大きさに合わせて色収差補正係数を設定することができるので、主走査方向全体にわたって正確に色収差補正処理を行なうことができ、原稿画像の色を正確に読取ることができる。
【0051】なお、本実施の形態における画像読取装置は、色収差補正処理に用いる補正係数を、スタートボタンが押される度に、すなわち、1枚の原稿を読取る前に、色収差補正チャートを走査して色収差補正処理に用いる補正係数を決定するようにしたが、画像読取装置の電源投入時に1回だけ行なってもよく、または、画像読取装置を出荷する前の工程上の調整時、または画像読取装置の設置時あるいは調整時のみに行なってもよい。
【0052】また、本実施の形態では一次元のCCDラインセンサを用いたが、光電変換素子を二次元に配列した光電変換部を用いることもできる。この場合には、色収差補正チャートの黒ベタパッチを副走査方向に配列することにより、副走査方向における色収差の補正を行なうことができることは言うまでもない。
【0053】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置の全体構成を示す断面図である。
【図2】画像読取装置のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】画像読取装置の色収差補正チャートの平面図である。
【図4】色収差補正チャートを走査したときのCCDラインセンサのRGB画像出力を示す図である。
【図5】色収差補正チャートを走査したときのCCDラインセンサの出力の一部を示す図である。
【図6】画像読取装置の読取処理の流れを示すフロー図である。
【図7】画像読取装置の色収差補正係数の決定処理の流れを示すフロー図である。
【図8】画像読取装置の色収差補正処理の流れを示すフロー図である。
【図9】色収差補正処理における拡大補間と縮小補間を説明するための図である。
【図10】画像読取装置の色収差補正係数決定処理で行なわれるエッジ判別の変形例を説明するための図である。
【図11】第2の実施の形態における色収差補正チャートの平面図である。
【図12】第2の実施の形態における色収差補正チャートの一部を示す平面図とCCDラインセンサの出力を示す図である。
【図13】従来の画像読取装置における色収差補正を説明するための図である。
【符号の説明】
5 ランプ
9 レンズ
11 CCDラインセンサ
13 データ処理部
17 色収差補正チャート
19 シェーディング板
34 シェーディング回路
36 ラインRAM
38 エッジ判別回路
40 CPU
42 色収差補正回路
44 画像処理回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高反射率部と前記高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートと、前記色収差補正チャートから反射した光を受光する光電変換部と、前記高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第1の位置と、前記高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第2の位置とから色収差を補正する補正手段とを備えた、画像読取装置。
【請求項2】 原稿に光を照射する光源と、前記光源の配向むらと前記光電変換部の画素感度のばらつきを補正するシェーディング補正手段とをさらに備えた、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】 前記色収差補正チャートは、前記高反射率部と前記低反射率部とを前記光電変換部の画素が配列する方向に交互に複数配列したことを特徴とする、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】 前記補正手段は、前記光電変換部の画素出力と所定の値とを比較することにより前記第1の位置と前記第2の位置とを決定することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】 高反射率部と前記高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートから反射した光を光電変換部で受光する受光ステップと、前記高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第1の位置と、前記高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第2の位置とを検知する検知ステップと、前記検知ステップで検知した第1の位置と第2の位置とから色収差を補正する補正ステップとを有する、色収差補正方法。
【請求項1】 高反射率部と前記高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートと、前記色収差補正チャートから反射した光を受光する光電変換部と、前記高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第1の位置と、前記高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第2の位置とから色収差を補正する補正手段とを備えた、画像読取装置。
【請求項2】 原稿に光を照射する光源と、前記光源の配向むらと前記光電変換部の画素感度のばらつきを補正するシェーディング補正手段とをさらに備えた、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】 前記色収差補正チャートは、前記高反射率部と前記低反射率部とを前記光電変換部の画素が配列する方向に交互に複数配列したことを特徴とする、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】 前記補正手段は、前記光電変換部の画素出力と所定の値とを比較することにより前記第1の位置と前記第2の位置とを決定することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】 高反射率部と前記高反射率部より反射率の低い低反射率部とを含む色収差補正チャートから反射した光を光電変換部で受光する受光ステップと、前記高反射率部で反射した波長が第1の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第1の位置と、前記高反射率部で反射した波長が第2の範囲にある光を受光する前記光電変換部上の第2の位置とを検知する検知ステップと、前記検知ステップで検知した第1の位置と第2の位置とから色収差を補正する補正ステップとを有する、色収差補正方法。
【図1】
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図2】
【図4】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図5】
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【図2】
【図4】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2000−92335(P2000−92335A)
【公開日】平成12年3月31日(2000.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−259780
【出願日】平成10年9月14日(1998.9.14)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年3月31日(2000.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成10年9月14日(1998.9.14)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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