説明

画像送信システム、送信装置、中継装置および画像送信方法

【課題】 送信元のユーザにとって簡単な操作で、画像情報を送信する場合の通信料金の削減を可能にする画像送信システムを提供すること。
【解決手段】 送信元と、最終宛先と、送信元からの画像情報を最終宛先に転送する中継装置としてのMFP200とを含むシステムにおいて、MFP200は送信元からの画像情報と、画像情報が最終宛先に到着すべき期限を示す期限情報をLAN201を介して受信すると、画像情報を画像格納部219に、期限情報を期限情報格納部221に格納させる。MFP200は、公衆回線21を用いて最終宛先に画像情報を送信する場合における異なる時間帯について各時間帯の通信料金情報が格納されているテーブル2171等を有しており、テーブル2171等を参照し、到着期限までの間で通信料金が最安価になる時間帯を探索し、その時間帯の時刻になると、画像情報を画像格納部219から読み出して最終宛先に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像送信システム、送信装置、中継装置および画像送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ファクシミリ送受信機能と電子メールの送受信機能とを有するインターネットファクシミリ装置(以下、「インターネットFAX装置」という。)が普及して来ている。このようなインターネットFAX装置には、ファクシミリ装置(以下、「FAX装置」という。)から公衆電話網を介してFAX送信されて来る画像情報を受信し、受信した画像情報を電子メールに含ませて他の端末装置にインターネットを介して転送するオンランプ機能や、逆に他の端末装置からインターネットを介して送信されて来る電子メールに含まれる画像情報を、FAX装置に公衆電話網を介してFAX送信するオフランプ機能を有すものがある。以下、オンランプ機能を有するインターネットFAX装置を「オンランプ」、オフランプ機能を有するインターネットFAX装置を「オフランプ」と称することにする。
【0003】
このようなオンランプとオフランプとを、例えばあるFAX装置(送信元)から遠隔に位置する別のFAX装置(最終宛先)に画像情報を送信する場合の中継装置として用いると、通信料金を削減できるというメリットがある。なぜなら、送信元、オンランプ、オフランプ、最終宛先の順に画像情報が転送されることになり、オンランプとオフランプ間が距離に関して定額制をとるインターネットにより接続されるので、一般に距離に関して従量制をとる公衆電話網による接続が、送信元とオンランプ間、オフランプと最終宛先間の短距離となるからである。
【0004】
また、一般に公衆電話網は時間帯により通信料金が異なる場合が多く、安価な時間帯に画像情報を送信すれば通信料金をさらに抑えることが可能になる。そこで、例えば特許文献1には、送信元のユーザが、オフランプに対し最終宛先への画像情報の転送時刻を指定することができる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−57070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術では、送信元のユーザが遠隔の地にあるオフランプと最終宛先間における通信料金の安価な時間帯を予め知っていなければ通信料金を削減することができない。
しかしながら、例えば送信元が日本のある都市に配され、オフランプが外国のある都市に配されているような場合には、外国の電話料金の情報を日本側で調べることは大変手間であり、地域によっては複数の電話会社による複数のサービスが展開されている場合も少なくなく、送信元のユーザが正確に外国の通信料金の情報を入手することは困難である。
【0006】
そもそも送信元のユーザにとって、通信料金を考慮して安い時間帯に送信されるように入力操作を行うこと自体が面倒である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、送信元のユーザにとって面倒な操作が不要で、かつ通信料金を削減することができる画像送信システム、中継装置、送信装置および画像送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像送信システムは、送信装置と、前記送信装置からの画像情報を受信して受信装置に転送する中継装置とを含む画像送信システムであって、前記送信装置は、前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段と、指定された期限を示す期限情報を前記中継装置に向けて送信する送信手段とを備え、前記中継装置は、前記送信手段から送信される期限情報を受信する受信手段と、前記受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報を格納している料金情報格納手段と、前記期限情報と前記料金情報に基づいて、前記画像情報を前記受信装置に転送する転送時期を決定する決定手段と、決定された転送時期に前記画像情報を前記受信装置に転送する転送手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記期限情報は、前記送信装置側でのタイムゾーンにおける月日、曜日、時刻、および送信装置による送信時刻からの経過時間のいずれかを示す情報であることを特徴とする。
さらに、前記決定手段は、転送期限までの間において通信料金面で有利な時間帯を転送時期として決定することを特徴とする。
【0009】
また、前記送信装置と中継装置は、インターネットを含む通信網を介して接続され、前記中継装置と前記受信装置は、電話回線のみを介して接続され、前記送信手段は、前記期限情報を前記画像情報と一緒にインターネットメールに含ませて前記インターネットを介して送信し、前記受信手段は、前記送信手段から送信される前記インターネットメールを受信する受信手段を有し、前記転送手段は、受信されたインターネットメールに含まれる画像情報を前記受信装置に前記電話回線を介してファクシミリ送信することを特徴とする。
【0010】
さらに、前記送信装置と前記中継装置間に、別の中継装置が介在し、前記送信装置と前記別の中継装置は、第1の電話回線のみを介して接続され、前記別の中継装置と前記中継装置は、インターネットを含む通信網を介して接続され、前記中継装置と前記受信装置は、第2の電話回線のみを介して接続され、前記送信手段は、前記期限情報を前記画像情報と一緒に前記別の中継装置に前記第1の電話回線を介してファクシミリ送信し、前記別の中継装置は、前記送信手段からの画像情報と期限情報とをファクシミリ受信し、受信した画像情報と期限情報とをインターネットメールに含ませて前記中継装置に前記インターネットを介して転送し、前記受信手段は、前記別の中継装置からの前記インターネットメールを受信し、前記転送手段は、受信されたインターネットメールに含まれる画像情報を前記受信装置に前記第2の電話回線を介してファクシミリ送信することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る中継装置は、送信装置からの画像情報を受信して受信装置に転送する中継装置であって、前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限を示す期限情報を前記送信装置から受信する受信手段と、前記受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報を格納している料金情報格納手段と、前記期限情報と前記料金情報に基づいて、前記画像情報を前記受信装置に転送する転送時期を決定する決定手段と、決定された転送時期に前記画像情報を前記受信装置に転送する転送手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る送信装置は、画像情報を送信装置から中継装置を介して受信装置に送信する画像送信システムにおける送信装置であって、前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段と、指定された期限を示す期限情報を前記中継装置に向けて送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る送信装置は、画像情報を受信装置に送信する送信装置であって、前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段と、前記画像情報を送信する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報が格納されている料金情報格納手段と、指定された期限と前記料金情報とに基づいて前記画像情報を送信する時期を決定する決定手段と、決定された時期に前記画像情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像送信方法は、送信装置と、前記送信装置からの画像情報を受信して受信装置に転送する中継装置とを含む画像送信システムにおける画像送信方法であって、前記送信装置において、前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付ステップと、指定された期限を示す期限情報を前記中継装置に向けて送信する送信ステップとを含むステップを実行し、前記中継装置において、前記送信ステップにより送信された期限情報を受信する受信ステップと、前記期限情報と、前記受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報とに基づいて、前記画像情報を前記受信装置に転送する転送時期を決定する決定ステップと、決定された転送時期に前記画像情報を前記受信装置に転送する転送ステップとを含むステップを実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る画像送信システムは、中継装置において、送信装置側のユーザにより指定された期限と、受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報とから、画像情報を受信装置に転送する時期を決める構成なので、その期限内で通信料金が安価な時間帯に画像情報を転送することが可能になり、送信装置側のユーザにとっては、通信料金のことを意識することなく当該期限を指定すれば良く、面倒な操作が不要となり、かつ通信料金を削減することが可能になるという効果を奏する。
【0015】
また、期限情報を、送信装置側でのタイムゾーンにおける月日、曜日、時刻、および送信装置による送信時刻からの経過時間のいずれかを示す情報としている。
このようにすれば、例えば送信装置と中継装置の設置場所により両者間で時差が生じる場合には、送信装置側のユーザは、自己の標準時を用いて期限を指定することができ、中継装置側の標準時に直す必要がなく、期限の指定が容易になる。
【0016】
さらに、転送期限までの間において通信料金面で有利な時間帯を転送時期として決定するようにしているので、より安価な時間帯に画像情報を転送でき通信料金の削減が可能になる。
また、中継装置と受信装置が電話回線のみを介して接続される構成の場合には、一般に通信料金が距離に関して従量制をとる電話回線の通信料金を削減することが可能になる。
【0017】
本発明に係る中継装置は、送信装置側においてユーザにより指定された期限と、受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報とから、画像情報を受信装置に転送する時期を決める構成なので、その期限内で通信料金が安価な時間帯に画像情報を受信装置に転送することが可能になる。したがって、送信装置側のユーザにとっては、通信料金のことを意識することなく当該期限を指定すれば良いことになり、面倒な操作が不要となり、かつ通信料金を削減することが可能になる。
【0018】
本発明に係る送信装置は、画像情報がいつまでに受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付けて、指定された期限を示す期限情報を中継装置に向けて送信する構成なので、送信装置側のユーザにとっては、通信料金のことを意識することなく期限指定を行えば良く面倒な操作が不要となり、例えば中継装置において当該期限内で通信料金が安価な時間帯に画像情報が受信装置に転送されるとすれば、通信料金の削減も可能になる。
【0019】
本発明に係る送信装置は、画像情報がいつまでに受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付けて、指定された期限と、画像情報を送信する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報とから、画像情報を送信する時期を決める構成なので、その期限内で通信料金が安価な時間帯に画像情報を送信することが可能になる。
これにより、送信装置側のユーザにとっては、通信料金のことを意識することなく期限指定を行えば良く面倒な操作が不要となり、通信料金の削減が可能になる。
【0020】
本発明に係る画像送信方法は、中継装置において、送信装置側のユーザにより指定された期限と、受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報とから、画像情報を受信装置に転送する時期を決める構成なので、その期限内で通信料金が安価な時間帯に画像情報を受信装置に転送することが可能になり、送信装置側のユーザにとっては、通信料金のことを意識することなく当該期限を指定すれば良く、面倒な操作が不要となり、かつ通信料金を削減することが可能になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る画像送信システム、中継装置及び送信装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.画像送信システムの構成
図1は、画像送信システムの一例としてのFAX通信システム(以下、単に「システム」という。)1の構成例を示す図である。
【0022】
同図に示すように、システム1は、FAX装置60、70、複合型画像形成装置(以下、「MFP(Multiple Function Peripheral)」という。)100、200を含み、MFP100とFAX装置60、MFP200とFAX装置70が公衆電話回線(以下、「公衆回線」という。)20、21を介して接続されると共に、MFP100、200がLAN(Local Area Network)101、201、インターネット50を介して接続されて構成される。
【0023】
FAX装置60、70は、公衆回線20、21を介してG(グループ)3のFAX伝送制御手順に基づくFAX送受信を行うことが可能である。
MFP100、200は、原稿画像を読み取って画像情報を得るスキャン機能、読み取って得られた画像情報に基づいて用紙にプリント(印刷)するコピー機能を備えている。また、MFP100、200は、LAN101、201、インターネット50を介して、ここではTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いて互いに各種データのやりとりが可能になっており、LAN101、201に接続されたメールサーバ102、202、ルータ103、203を介してメールを送受信するメール送受信機能を有している。
【0024】
さらに、MFP100は、送信元としてのFAX装置から公衆回線を介して送信されて来る画像情報をFAX受信し、受信した画像情報をメールによりインターネット50を介して他の装置に転送させるオンランプ機能を備えている。
一方、MFP200は、インターネット50を介して送信されて来るメールを受信し、受信したメールに含まれる画像情報を最終宛先としてのFAX装置にFAX送信させるオフランプ機能を備えており、MFP100、200は、それぞれがFAXゲートウェイ装置を兼ねるものである。
【0025】
ここでは、FAX装置60、70は、遠隔の場所、例えばFAX装置60が日本のA市、FAX装置70が米国のB市に配置され、MFP100はA市周辺に、MFP200はB市周辺の場所に配置されているものとする。
なお、同図では、オンランプとしてMFP100を、オフランプとしてMFP200だけを示しているが、配置されるオンランプ、オフランプの数は、これに限定されないことは言うまでもなく、複数であっても良い。以下、MFP100を「オンランプ」、MFP200を「オフランプ」と称する場合がある。
【0026】
このような構成において、本システム1では、送信元をFAX装置60(送信装置)、最終宛先をFAX装置70(受信装置)として、送信元から最終宛先にMFP100、MFP200(中継装置)を介して画像情報を送信(以下、「インターネットFAXによる送信」という。)する場合、次のような処理が実行される。
(A)送信元のFAX装置60において実行される処理
FAX装置60は、最終宛先であるFAX装置70の宛先と、送信対象となる画像がFAX装置70にいつまでに到着すべきかを示す期限(以下、「到着期限」という。)、例えば自国での日時(日本時間)などの、操作者からの指定を受け付ける。そして、指定された到着期限までの間で、公衆回線20を介してMFP100にFAX送信する場合の通信料金が最安価な時間帯を探索し、探索された最安価な時間帯になると、画像情報をMFP100にFAX送信する。その際、指定された最終宛先と到着期限を、MFP100を介してオフランプとしてのMFP200に知らせるべく、最終宛先を示す情報(宛先情報)と、到着期限を示す情報(期限情報)をMFP100に送出する。
【0027】
(B)MFP100(オンランプ)において実行される処理
MFP100は、FAX装置60からの画像情報、宛先情報および期限情報をFAX受信すると、受信した各情報を含むメールを作成し、これをオフランプとしてのMFP200に転送する。
(C)MFP200(オフランプ)の処理
MFP200は、MFP100からのメールを受信すると、そのメールに含まれる画像情報、宛先情報および期限情報を抽出する。そして、送信元において指定された到着期限までの間で、宛先情報に基づく最終宛先(FAX装置70)に公衆回線21を介してFAX送信する場合の通信料金が最安価な時間帯を探索し、探索された最安価な時間帯になると、その最終宛先(FAX装置70)に発呼して画像情報をFAX送信する。
【0028】
このように本システム1では、インターネットFAXによる送信において、送信元およびオフランプが、送信元の操作者により指定された到着期限までの間で最安価な時間帯になると画像情報を送信するようにしている。したがって、送信元のユーザは、自己が希望する到着期限を指定するだけで良く、通信料金を意識することなく通信料金の削減が可能になる。
【0029】
以下、FAX装置60、70、MFP100、200について、その構成および処理内容を詳細に説明する。
2.FAX装置60の構成
図2は、FAX装置60の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、FAX装置60は、主な構成要素として、制御部61、スキャナ部62、プリンタ部63および操作パネル64を備えている。
【0030】
スキャナ部62は、セットされた原稿の画像を読み取って、原稿の画像情報を得る公知の装置である。
プリンタ部63は、公知の電子写真方式により画像情報に基づいて画像を用紙にプリントするものである。
操作パネル64は、図3に示すように、表示部641、テンキー642、クリアキー643、ストップキー644、スタートキー645、オンランプ電話番号入力キー646、通信料金入力キー647、期限設定キー648、簡易モード設定キー649、簡易モード期限設定キー650およびインターネットFAXモードキー651を備えている。
【0031】
テンキー642は、操作者が電話番号等を入力するためのキーであり、クリアキー643は、入力された番号等をクリア(リセット)させるためのキーであり、ストップキー644は、FAX送信等の動作を途中で停止させるためのキーである。スタートキー645は、FAX送信等の動作を開始させるためのキーである。
オンランプ電話番号入力キー646は、オンランプとして用いるMFPの電話番号を指定するモードに移行させるためのキーである。
【0032】
通信料金入力キー647は、FAX装置60が使用する公衆回線20の通信料金が一日の内の複数の時間帯で異なる場合における当該時間帯ごとの通信料金を入力するモードに移行させるためのキーである。
期限設定キー648は、インターネットFAXモードによる送信を行う場合の到着期限(ここでは日時)の指定を受付ける期限設定モードに移行させるためのキーである。
【0033】
簡易モード設定キー649は、簡易モードでインターネットFAXモードによる送信を行うためのキーである。ここで、簡易モードとは、到着期限を24時間以内の一定時刻(予め設定された時刻。例えば午前6時等)に自動的に設定するモードである。操作者は、このキー649の押下により、簡易モードに移行させると、当該一定時刻が到着期限に自動設定されるので、到着期限を手入力する必要がなく、その分操作が簡略化される。
【0034】
簡易モード期限設定キー650は、簡易モードで自動設定される到着期限としての上記一定時刻を設定するためのモードに移行させるためのキーである。
インターネットFAXモードキー651は、インターネットFAXによる送信を行うモード(インターネットFAXモード)に移行させるためのキーである。
操作者は、必要なキーを押下して、移行されたモードにおいて必要な情報を入力、指定等することができる。
【0035】
表示部641は、LCDからなり、操作者により入力された電話番号等の各種情報や、オンランプ電話番号入力キー646等の各キー押下による各モードにおける入力受付画面(不図示)等を表示させると共に装置の動作状態を表示させる。また、表面にタッチパネルが積層されており、操作者は、表示画面をタッチ操作することにより必要な画面を選択し表示させて、その画面から各種情報を入力、登録することもできる。
【0036】
図2に戻って、制御部61は、主な構成要素として、CPU611、モデム612、NCU613、ROM614、RAM615、NVRAM616、時計IC617、画像格納部618、宛先情報格納部619および期限情報格納部620を備えている。
モデム612は、FAX伝送制御手順の信号および画像信号を変復調する。NCU(Network Control Unit)613は、公衆回線20に接続され、回線の発呼、着呼、アナログ信号の入出力等を行う。
【0037】
NVRAM616は、不揮発性メモリであり、オンランプ情報格納部621、料金情報テーブル622および期限格納部623が設けられている。
オンランプ情報格納部621には、オンランプとして用いるMFP100の電話番号情報が格納され、FAX送信の際にオンランプの電話番号として読み出される。
料金情報テーブル622には、公衆回線20の通信料金を示す料金情報が格納されている。
【0038】
図4は、料金情報テーブル622の構成を示す図である。
同図に示すように、料金情報テーブル622には、時間帯番号欄、開始時刻欄、終了時刻欄および通信料金欄が設けられている。
時間帯番号欄は、通信料金が異なる複数の時間帯を区別するための番号であり、ここでは「0」〜「3」の番号が設定されている。
【0039】
開始時刻欄は、各時間帯の開始時刻が書き込まれ、終了時刻欄には、当該時間帯の開始時刻に対する終了時刻が書き込まれている。
通信料金欄は、各時間帯における単位時間当たりの公衆回線20の通信料金が書き込まれている。
これら各欄の情報は、FAX装置60を管理する管理者等により通信料金入力キー647による通信料金入力モードにおいて予め設定されて当該テーブル622に格納されるものである。この意味で、料金情報テーブル622は、画像情報を送信する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報を格納している料金情報格納手段として機能するものである。
【0040】
なお、図3では、1日(24時間)を通しての通信料金が、実質3つの時間帯に分けられた料金体系の公衆回線を用いた場合の例を説明したが、もちろん料金体系は通信網によって異なるものであり、接続される通信網の料金体系に合わせて料金テーブルの内容も異なることになる。このことは、後述のMFP200の料金テーブル2171〜2173についても同じである。
【0041】
図2に戻って、期限格納部623には、簡易モードにおける到着期限が格納される。この到着期限は、簡易モード期限設定キー650による簡易モードでの到着期限を設定するモードにおいて予め設定されて期限格納部623に格納されるものである。
ROM614には、FAX装置60の制御プログラムが格納されている。
CPU611は、ROM614から必要な制御プログラムを読み出して、FAX送受信の全体動作を制御する。この制御内容については、後述する。
【0042】
さらに、操作パネル64からのキー入力の情報を受信し、どのキーが操作者により押されたのかを判断し、また表示部641に各モードのメニュー画面等を表示させる。
RAM615は、CPU611が制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
時計IC617は、現在時刻を計時するための公知のICであり、図示しないバックアップバッテリーにより常時電源が供給されており、現在時刻をCPU611に知らせる。
【0043】
画像格納部618は、スキャナ部62で読み取られた原稿の画像情報、外部のFAX装置から送られて来た画像情報等が格納される。これら画像情報は、必要に応じて、外部装置への送信時やプリント出力時等にCPU611により読み出される。
宛先情報格納部619には、インターネットFAXによる送信を行う場合に操作者により指定された最終宛先となるFAX装置の宛先電話番号が格納される。
【0044】
期限情報格納部620には、期限設定モードにて設定された到着期限が格納される。これら宛先情報と期限情報は、インターネットFAXによる送信の際にCPU611により読み出され、画像情報と共に送信される。
なお、FAX装置70は、FAX装置60と基本的に同様の構成なので、これらについてはその説明を省略する。
【0045】
3.MFP100の構成
図5は、MFP100の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、MFP100は、主な構成要素として、制御部110、スキャナ部130、プリンタ部140および操作パネル150を備えている。
スキャナ部130は、上記スキャナ部62、プリンタ部140は、上記プリンタ部63と基本的に同様の機能を有するものである。
【0046】
操作パネル150は、図6に示すように、表示部151、テンキー152、クリアキー153、ストップキー154、スタートキー155およびオフランプ情報入力キー156を備えている。
テンキー152は、操作者がコピー枚数や電話番号等を入力するためのキーであり、クリアキー153は、入力されたコピー枚数等をクリア(リセット)させるためのキーであり、ストップキー154は、コピー等の動作を途中で停止させるためのキーである。スタートキー155は、コピーやFAX送信等の動作を開始させるためのキーである。
【0047】
オフランプ情報入力キー156は、オフランプ情報入力モードに移行させるためのキーである。このオフランプ情報入力モードは、操作者からのオフランプ情報(ここでは、オフランプの電話番号とドメイン名)の入力を受け付けるモードである。操作者は、この入力受付モードにおいてオフランプ情報を入力することができる。
表示部151は、LCDからなり、操作者により入力されたコピー枚数、電話番号等の各種情報や、オフランプ情報入力モード等の各種モードの入力受付画面等を表示させると共に装置の動作状態を表示させる。また、表面にタッチパネルが積層されており、操作者は、表示画面をタッチ操作することにより、各種情報を入力、登録することができる。
【0048】
図5に戻って、制御部110は、CPU111、I/F部112、モデム113、NCU114、ROM115、RAM116およびNVRAM117を備えている。
I/F部112は、LANカード、LANボードといったLAN101に接続するためのインターフェースである。
モデム113は上記モデム612と、NCU114はNCU613と同機能を有するものである。
【0049】
ROM115には、MFP100の制御プログラムが格納されている。
CPU111は、ROM115から必要な制御プログラムを読み出して、スキャン、コピー、オンランプとしての各動作を制御する。具体的には、スキャンの場合には、スキャナ部130に指示して原稿画像を読み取らせる。コピーの場合には、スキャナ部130の読み取り動作により得られた画像情報をプリンタ部140に送って、画像の印刷出力を実行させる。なお、オンランプとして動作する場合の処理内容については、後述する。
【0050】
さらに、操作パネル150からのキー入力の情報を受信し、どのキーが操作者により押されたのかを判断し、また表示部151に各モードのメニュー画面等を表示させる。
RAM116は、CPU111が制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。また、送信元からの画像情報、宛先情報および期限情報が一時的に格納される。
【0051】
NVRAM117は、不揮発性メモリであり、オフランプ情報テーブル118が設けられている。
図7は、オフランプ情報テーブル118の構成を示す図である。
同図に示すように、オフランプ情報テーブル118には、オフランプ番号欄、電話番号欄およびドメイン名欄が設けられている。
【0052】
オフランプ番号欄には、オフランプの識別番号、ここでは1、2・・を示す番号が格納される。
電話番号欄には、オフランプとして用いられる装置の電話番号が、ドメイン名欄には、当該装置のドメイン名(インターネット、LAN等の通信回線上におけるアドレスに相当するものであれば、これに限られずIPアドレス等を用いることもできる。)が格納される。
【0053】
これら各欄の情報は、MFP100を管理する管理者等によりオフランプ情報入力キー156によるオフランプ情報入力モードにおいて予め入力されて当該テーブル118に格納されるものである。同図の例では、オフランプ番号「0」のオフランプがMFP200を示すものとなっている。
4.MFP200の構成
図8は、MFP200の構成を示すブロック図である。
【0054】
同図に示すように、MFP200は、主な構成要素として、制御部210、スキャナ部230、プリンタ部235および操作パネル240を備えている。
スキャナ部230は、上記スキャナ部62、プリンタ部235は、上記プリンタ部63と基本的に同様の機能を有するものである。
操作パネル240は、図9に示すように、表示部241、テンキー242、クリアキー243、ストップキー244、スタートキー245および通信料金入力キー246を備えている。この通信料金入力キー246以外のキー等については、MFP100の操作パネル150の同名称のものと同機能を有するものである。
【0055】
通信料金入力キー246は、MFP200が使用する公衆回線21の通信料金が一日の内の複数の時間帯で異なる場合における当該時間帯ごとの通信料金を入力するモードに移行させるためのキーであり、上記通信料金入力キー647と同様の機能を有するものである。操作者は、このモードにおいて時間帯ごとの通信料金を入力することができる。
図8に戻って、制御部210は、主な構成要素として、CPU211、I/F部212、モデム213、NCU214、ROM215、RAM216、NVRAM217、時計IC218、画像格納部219、宛先情報格納部220および期限情報格納部221を備えている。
【0056】
I/F部212、モデム213、NCU214、時計IC218は、MFP100のI/F部112、モデム113、NCU114、FAX装置60の時計IC617と同機能を有するものである。
ROM215には、MFP200の制御プログラムが格納されている。
CPU211は、ROM215から必要なプログラムを読み出して、スキャン、コピー、オフランプとしての各動作を制御する。スキャン、コピーの動作については、基本的に、MFP100と同様である。オフランプとして動作する場合の処理内容については、後述する。
【0057】
さらに、操作パネル240からのキー入力の情報を受信し、どのキーが操作者により押されたのかを判断し、また表示部241に各モードの入力受付画面等を表示させる。
RAM216は、CPU211が制御プログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。
NVRAM217は、不揮発性メモリであり、料金情報テーブル2171、2172、2173が設けられている。
【0058】
図10は、料金情報テーブル2171の構成を示す図であり、図11は、料金情報テーブル2172の構成を示す図であり、図12は、料金情報テーブル2173の構成を示す図である。
各図に示すように、料金情報テーブル2171〜2173には、距離欄、時間帯番号欄、開始時刻欄、終了時刻欄および通信料金欄が設けられており、距離欄以外の項目については基本的に上記料金情報テーブル622の内容と同じである。
【0059】
距離欄は、通信料金が時間帯だけでなく距離に応じて異なる場合に、その距離で料金体系を区別するための距離圏が書き込まれる欄であり、ここでは3つの距離圏について、それぞれ対応するテーブル2171〜2173が設けられている場合の例を示したものである。具体的には、料金情報テーブル2171は、通信の距離が20km圏までの範囲で用いられるべきテーブルであり、料金情報テーブル2172は、20〜100km圏までの範囲で用いられるべきテーブルであり、料金情報テーブル2173は、100km超圏の範囲で用いられるべきテーブルであることになる。
【0060】
これら料金情報テーブル2171〜2173の各欄の情報は、MFP200を管理する管理者等により通信料金入力キー246による通信料金入力モードにおいて予め入力されて各テーブル2171〜2173に格納されるようになっている。
この意味で、料金情報テーブル2171等は、画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報を格納している料金情報格納手段として機能するものである。
【0061】
画像格納部219は、スキャナ部62で読み取られた原稿の画像情報、MFP100等の外部装置から送られて来た画像情報等が格納される。これら画像情報は、必要に応じて、外部装置への送信時やプリント出力時等にCPU211により読み出される。
宛先情報格納部220には、MFP100からの宛先情報が格納される。
期限情報格納部221には、MFP100からの期限情報が格納される。
【0062】
5.FAX装置60(送信元)において実行される処理内容
図13は、FAX装置60の制御部61において実行される処理内容のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、制御部61は、まず初期化処理を実行する(ステップS100)。この初期化処理は、RAM615のクリア、各種レジスタの設定、変数、フラグのリセットなどの処理を行うものである。
【0063】
初期化処理の後、入力処理(ステップS110)、計時処理(ステップS150)、読み取り処理(ステップS170)、受信処理(ステップS180)、プリント処理(ステップS190)、および送信処理(ステップS200)を順次実行する。
図14、15は、入力処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。当該入力処理は、操作パネル64において操作者によるキー入力があった場合に、その入力の受付処理を実行するものである。
【0064】
図14に示すように、制御部61は、まずスタートキー645が押下されたか否かを判断する(ステップS111)。ここで、スタートキー645が押下されたことを判断すると(ステップS111で「YES」)、読み取り要求フラグを「ON」に設定し(ステップS112)、メインルーチンにリターンする。
スタートキー645ではなくオンランプ電話番号入力キー646が押下されたことを判断すると(ステップS111で「NO」、S113で「YES」)、オンランプ電話番号入力モードに移行し(ステップS114)、メインルーチンにリターンする。
【0065】
オンランプ電話番号入力キー646ではなく通信料金入力キー647が押下されたことを判断すると(ステップS113で「NO」、S115で「YES」)、通信料金入力モードに移行し(ステップS116)、メインルーチンにリターンする。
また、通信料金入力キー647ではなく簡易モード期限設定キー650が押下されたことを判断すると(ステップS115で「NO」、S117で「YES」)、簡易モードの期限設定モードに移行し(ステップS118)、メインルーチンにリターンする。
【0066】
図15に移って、簡易モード期限設定キー650ではなくインターネットFAXモードキー651が押下されたことを判断すると(ステップS117で「NO」、S119で「YES」)、インターネットFAXモードフラグを「ON」に設定し(ステップS120)、最終宛先の電話番号の入力を受付ける宛先電話番号入力モードに移行して(ステップS1201)、メインルーチンにリターンする。
【0067】
さらに、インターネットFAXモードキー651ではなく期限設定キー648が押下されたことを判断すると(ステップS119で「NO」、S121で「YES」)、期限設定モードに移行し(ステップS122)、メインルーチンにリターンする。
期限設定キー648ではなく簡易モード設定キー649が押下されたことを判断すると(ステップS121で「NO」、S123で「YES」)、簡易モードに移行し(ステップS124)、メインルーチンにリターンする。この場合には、インターネットFAXモードによる送信が簡易モードで実行されることになる。
【0068】
上記のキー以外のキーが押下されたことを判断すると(ステップS123で「NO」、S125で「YES」)、押下されたキー入力を受付ける処理、例えばテンキー642が押下されると、押下されたキーを示す番号を表示部641に表示させる処理等を実行して(ステップS126)、メインルーチンにリターンする。
キー押下がないことを判断すると(ステップS125で「NO」)、上記ステップS114、S116等において入力、設定モードに移行しているか否かを判断する(ステップS127)。入力等のモードに移行している場合には(ステップS127で「YES」)、当該モードにおいて入力受付画面から操作者により入力された情報を受付ける処理を実行し(ステップS128)、メインルーチンにリターンする。
【0069】
具体的には、例えばオンランプ電話番号入力モードでは、操作者によりオンランプとなる装置の電話番号が入力されるので、その入力された電話番号を示す情報をオンランプ情報格納部621に格納させる。また、通信料金入力モードでは、操作者により入力された時間帯毎の通信料金を料金情報テーブル622に格納させる。より具体的には、入力受付画面として、図4に示す料金テーブル622と同様のテーブル形式の画面(時間帯番号欄に「0」「1」・・・が表示された画面)を表示させ、時間帯毎にその開始時刻、終了時刻、通信料金の各項目について、操作者からのテンキー642等による入力を受付けて、入力されたデータを料金情報テーブル622内の該当する項目に書き込んで行くものである。入力受付画面には、終了ボタン(不図示)が設けられており、そのボタンが押下されると、入力終了と判断して、開始時刻等が入力された時間帯の最後の時間帯番号の次の番号(図4の例では、「3」)の開始時刻欄に「end」を書き込む。
【0070】
簡易モードの期限設定モードでは、簡易モードにおいて到着期限として設定される一定の時刻が操作者により入力されるので、その入力された時刻を示す情報を期限格納部623に格納させる。
この意味で、操作パネル64の簡易モード設定キー648、簡易モード期限設定キー650および制御部61(上記入力処理のステップS118、S124、S128等の処理を実行する場合)は、画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段として機能するものである。
【0071】
宛先電話番号入力モードでは、操作者によりインターネットFAXによる送信の場合の最終宛先となるFAX装置(ここでは、70)の電話番号が入力されるので、その入力された電話番号を宛先情報格納部619に格納させる。
期限設定モードでは、操作者により到着期限が指定されるので、その指定された到着期限を期限情報格納部620に格納させる。
【0072】
この意味で、操作パネル64の期限設定キー648および制御部61(上記入力処理のステップS122、S128等の処理を実行する場合)は、画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段として機能するものである。
一方、いずれのモードにも移行していないことを判断すると(ステップS127で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
【0073】
操作者は、一のジョブとしてインターネットFAXモードによる送信を行いたい場合には、(i)インターネットFAXモードキー651を押下した後、宛先電話番号入力モー
ドにおいて最終宛先のFAX装置の電話番号を入力し、(ii)期限設定キー648を押下
して、期限設定モードにおいて希望の到着期限を指定し、(iii)原稿をスキャナ部62にセットしてスタートキー645を押下することで送信を開始させることができる。
【0074】
その際、例えば簡易モード設定キー649を押下すると簡易モードに移行され、到着期限が自動的に上記所定の時刻に設定されるので、上記(ii)の期限入力の操作を省略する
ことも可能である。なお、通常のFAX送信を行いたい場合には、テンキー642を用いて宛先電話番号を入力した後、上記(ii)(iii)の操作を行えば良い。
【0075】
図16は、計時処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。当該計時処理は、到着期限が設定された場合、料金情報テーブル622を参照し、当該到着期限までの間で最も安価な時間帯にFAX送信が開始されるように、換言すれば当該時間帯に至るまでFAX送信を開始させず待機して(以下、「送信予約」という。)、その時間帯までの計時を行うものである。
【0076】
同図に示すように、制御部61は、送信予約があるか否かを判断する(ステップS151)。この送信予約の有無の判断は、ステップS174(後述)において送信予約フラグがONされたか否かにより行われる。ステップS174の処理が終わり、ルーチンが一巡したときに、送信予約フラグがONされていれば、送信予約があると判断する。
送信予約がないことを判断すると(ステップS151で「NO」)、メインルーチンにリターンする。
【0077】
一方、送信予約があることを判断すると(ステップS151で「YES」)、現在時刻を取得する(ステップS152)。これは、時計IC617からの現在時刻(日時)を示す情報を受信することにより行う。
そして、現在時刻が到着期限を過ぎているか否かを判断する(ステップS153)。具体的には、期限情報格納部620に格納されている到着期限を読み出して、操作者により指定された到着期限を取得し、これと現在時刻との前後関係を判断する。
【0078】
到着期限を過ぎていることを判断すると(ステップS153で「YES」)、直ぐにFAX送信すべく、送信要求フラグを「ON」に設定して(ステップS165)、メインルーチンにリターンする。
一方、まだ過ぎていないことを判断すると(ステップS153で「NO」)、変数Aの値を「0」に設定する(ステップS154)。この変数Aの値は、図4の料金情報テーブル622の時間帯番号を表すものとして用いられる。
【0079】
そして、ステップS155、S156の処理を実行して、指定された到着期限がどの時間帯に属しているのかを判断する。
すなわち、料金情報テーブル622を参照し、時間帯番号「A」、ここでは「0」の時間帯(午前0時〜午前5時59分)における開始時刻欄の時刻(以下、時間帯番号「A」の時間帯を「時間帯(A)」、その開始時刻を「開始時刻(A)」と表記する。)として「午前0時」を読み出し、その時刻が到着期限よりも前であるか否かを判断する(ステップS155)。具体的には、0時から24時までの1日の時間軸上において、開始時刻(0)が到着期限よりも前に位置するか否かを判断する。より具体的には、到着期限が例えば「10日の午前8時」であれば、その時刻部分だけを取り出して到着期限(時分)を「8時」とし、開始時刻(0)としての「0時」と比較して、前後関係を判断する。この場合、開始時刻(0)が到着期限(時分)よりも前であると判断する(ステップS155で「YES」)。以下、到着期限(時分)を「午前8時」とした場合の例で説明する。
【0080】
次に、時間帯「A」における終了時刻欄の時刻(以下、その終了時刻を「終了時刻(A)」と表記する。)、すなわち「午前5時59分」を読み出し、これが到着期限(時分)よりも後であるか否かを判断する(ステップS156)。到着期限(時分)が「8時」の場合、終了時刻「5時59分」は到着期限(時分)よりも前になるので、終了時刻(0)が到着期限(時分)よりも後でないと判断し(ステップS156で「NO」)、ステップS158に移る。
【0081】
ステップS158では、現在の変数Aの値に「1」をインクリメントする。ここでは、「1」として、ステップS155に戻る。そして、再度、ステップS155、S156の処理を、変数Aの値を「1」として実行する。変数A=「1」の場合、開始時刻(1)は「午前6時」、終了時刻(1)は、「午後10時59分」なので、その間に到着期限(時分)(8時)が含まれることになり、ステップS155で「YES」、S156で「YES」となって、ステップS157に移る。
【0082】
ステップS157では、現在の変数Aの値を変数Cの値として設定する。上記例では、変数C=1になる。この変数Cの値が、到着期限(時分)が含まれる時間帯番号を表すものとなる。なお、到着期限(時分)が例えば「午前5時」であれば変数Cとして「0」が、「午後11時30分」であれば変数Cとして「2」が設定されることになる。
再度、変数Aの値として「0」を設定し(ステップS159)、ステップS160、S161の処理を実行して、現在時刻がどの時間帯に属しているのかを判断する。
【0083】
すなわち、開始時刻(0)が現在時刻よりも前であるか否かを判断する(ステップS160)。具体的には、現在時刻が例えば「9日の午後5時」であれば、その時刻部分だけを取り出して現在時刻(時分)を「17時」とし、開始時刻(0)、すなわち「0時」よりも前であるか否かを判断する。以下、現在時刻(時分)を「17時」とした場合の例で説明する。
【0084】
ここでは、開始時刻(0)が現在時刻(時分)よりも前であると判断し(ステップS160で「YES」)、終了時刻(0)、すなわち「5時59分」が現在時刻(時分)よりも後であるか否かを判断する(ステップS161)。現在時刻(時分)が「17時」の場合、終了時刻「5時59分」は現在時刻(時分)よりも前になるので、終了時刻(0)が現在時刻(時分)よりも後でないと判断し(ステップS161で「NO」)、ステップS163に移る。
【0085】
ステップS163では、現在の変数Aの値に「1」をインクリメントする。ここでは、「1」として、ステップS160に戻る。そして、再度、ステップS160、S161の処理を、変数Aの値を「1」として実行する。変数A=「1」の場合、開始時刻(1)は「午前6時」、終了時刻(1)は、「午後10時59分」なので、その間に現在時刻(時分)(17時)が含まれることになり、ステップS160で「YES」、S161で「YES」となって、ステップS162に移る。
【0086】
ステップS162では、現在の変数Aの値を変数Dの値として設定する。上記例では、変数D=1になる。この変数Dの値が、現在時刻(時分)が含まれる時間帯番号を表すものとなる。なお、現在時刻(時分)が例えば「午前5時」であれば変数Dとして「0」が、「午後11時30分」であれば変数Dとして「2」が設定されることになる。
そして、最低通信料金探索処理を実行する(ステップS164)。
【0087】
図17は、最低通信料金探索処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
この最低通信料金探索処理は、現在時刻(時分)の属する時間帯から到着期限(時分)の属する時間帯までの各時間帯について、順次、通信料金が最低となる時間帯を探索し、探索された最低通信料金の時間帯に現在時刻(時分)が至ると、送信を開始すべく送信要求フラグを「ON」に設定する処理である。
【0088】
同図に示すように、制御部61は、まず現在の変数CおよびDの値が等しいか否かを判断する(ステップS1641)。上記例では、変数C、Dが共に「1」に設定されたため、ここでは等しいと判断し(ステップS1641で「YES」)、続いて現在時刻(時分)の方が到着期限(時分)よりも前であるか否かを判断する(ステップS1650)。
現在時刻(時分)の方が到着期限(時分)よりも前と判断すると(ステップS1650で「YES」)、送信要求フラグを「ON」にして(ステップS1651)、計時処理のサブルーチンにリターンする。
【0089】
このようにするのは、現在時刻(時分)と到着期限(時分)とが同じ時間帯に属している場合、仮に現在時刻(時分)の方が到着期限(時分)よりも前であれば、当該時間帯内で送信しなければ到着期限を過ぎてしまうことになり、もはや他の時間帯の通信料金との比較をする必要がなくなるからである。この場合の具体例としては、現在時刻(時分)が「午前7時」、到着期限(時分)が「午前8時」の場合等が想定される。
【0090】
上記例では、現在時刻を「9日の午後5時」としたので、その時刻部分(17時)だけをとって現在時刻(時分)の方が到着期限(時分)(8時)よりも後であると判断し(ステップS1650で「NO」)、ステップS1642に移る。
ステップS1642では、変数A、Bの値を現在の変数Dの値に設定すると共に、最低通信料金を時間帯番号「D」の時間帯(時間帯(D))の通信料金に設定する。この変数Bは、現在時刻(時分)から到着期限(時分)までの間の各時間帯の内、最低通信料金の時間帯番号を示すものとして用いられるものである。ここでは、変数A、Bの値が「1」、最低通信料金が「3.3」円に設定される。
【0091】
そして、現在の変数Aの値に「1」をインクリメントする(ステップS1643)。ここでは、A=2とされる。
料金情報テーブル622を参照し、時間帯「A」の開始時刻として「end」が設定されているか否かを判断する(ステップS1644)。ここでは、「A」の値が「2」なので、開始時刻(2)は午後11時であり、「end」ではないと判断して(ステップS1644で「NO」)、ステップS1646に移る。
【0092】
時間帯「A」の通信料金が現在設定されている最低通信料金よりも低いか否かを判断する(ステップS1646)。
現時点で変数Aの値が「2」であるので、時間帯「2」の通信料金が「2.5」円になり、最低通信料金「3.3」円よりも低いと判断して(ステップS1646で「YES」)、最低通信料金を時間帯「2」の通信料金「2.5」円に設定し直すと共に、変数Bの値を現在の変数Aの値、ここでは「2」に設定する(ステップS1647)。
【0093】
そして、変数CとAの値が等しいか否かを判断する(ステップS1648)。ここでは、C=1、A=2であり、等しくないとして(ステップS1648で「NO」)、ステップS1643に戻り、現在の変数Aの値に「1」をインクリメントする。ここでは、A=3とされる。変数A=3の場合、料金情報テーブル622から、時間帯「3」の開始時刻として「end」が設定されていると判断して(ステップS1644で「YES」)、「A」の値を「0」に設定し(ステップS1645)、ステップS1646に移る。
【0094】
時間帯「0」の通信料金は「2」円であり、現在の最低通信料金よりも低いと判断して(ステップS1646で「YES」)、最低通信料金を時間帯「0」の通信料金「2」円、変数Bの値を現在の変数Aの値「0」にそれぞれ設定し直す(ステップS1647)。
変数Cの値が「1」、Aの値が「0」であるため、C=Aではないと判断して(ステップS1648で「NO」)、ステップS1643に戻り、ステップS1643〜S1648間での処理を行う。この場合、変数Aの値が「1」になり、通信料金(1)が「3.3」円なので、現在の最低通信料金「2」円よりも高いと判断され(ステップS1646で「NO」)、最低通信料金は「2」円のままになり、変数Bの値も「2」のままとされる。
【0095】
現時点で変数AとCの値がそれぞれ「1」なので、ステップS1648においてC=Aと判断し、ステップS1649に移る。
これにより、現在時刻(時分)の属する時間帯(1)から、順次、時間帯(2)、時間帯(0)、到着期限(時分)の属する時間帯(1)までの各時間帯について、通信料金の比較により最安価な時間帯が探索され、その時間帯番号、ここでは「2」が変数Bの値として設定されたことになる。
【0096】
ステップS1649では、変数BとDの値が等しいか否かを判断する。上記したように、変数Dの値は、現在時刻(時分)の属する時間帯番号なので、変数BとDの値が等しいということは、現在時刻(時分)が最安価な時間帯に至っていることを意味し、逆に等しくないときは、現在時刻(時分)がまだ最安価な時間帯に至っていないことを意味する。
上記例では、現在時刻を「9日の午後5時」としたので、D=1となって、B=Dではないと判断して(ステップS1649で「NO」)、計時処理のサブルーチンにリターンする。
【0097】
一方、B=Dであることを判断すると(ステップS1649で「YES」)、最適な送信時期に至ったとして、ステップS1651に移って、送信要求フラグを「ON」に計時処理のサブルーチンにリターンする。
制御部61は、この計時処理をルーチンが一巡する毎に実行し、その都度、実行時点での現在時刻を取得して、現在時刻(時分)が到着期限(時分)までの間で最安価な時間帯、上記例では時間帯「0」の開始時刻、すなわち午前0時に至ると、送信要求フラグを「ON」にして送信を開始させる。この意味で、制御部61は、上記計時処理を実行する場合に、到着期限までの間で画像情報の転送時期を決める決定手段として機能するものである。
【0098】
図18は、読み取り処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように制御部61は、読み取り要求フラグが「ON」になっているか否かを判断する(ステップS171)。この読み取り要求フラグは、上記ステップS112で「ON」されるものである。
読み取り要求フラグが「ON」ではない、すなわち「OFF」であると判断すると(ステップS171で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
【0099】
読み取り要求フラグが「ON」であると判断すると(ステップS171で「YES」)、読み取り処理を行う(ステップS172)。具体的には、スキャナ部62に指示して原稿画像の読み取り動作を行わせ、読み取って得られた画像情報を画像格納部618に格納させる。
そして、到着期限が設定されているか否かを判断する(ステップS173)。この判断は、期限情報格納部620に期限情報が格納されているか否かにより行われる。
【0100】
到着期限が設定されている、すなわち期限情報が格納されていることを判断すると(ステップS173で「YES」)、その期限までの間で通信料金の安い時間帯にFAX送信を行うべく、送信予約フラグを「ON」に設定して(ステップS174)、メインルーチンにリターンする。これにより、送信予約の状態になり(上記ステップS151で「YES」)、通信料金が安い時間帯になると自動的に送信されることになる。
【0101】
一方、到着期限が設定されていない、すなわち期限情報が格納されていないことを判断すると(ステップS173で「NO」)、直ぐにFAX送信すべく、送信要求フラグを「ON」に設定して(ステップS175)、メインルーチンにリターンする。
図13に戻って、ステップS180では、他のFAX装置からの発呼を受付けると、公知のFAX伝送制御に基づいて画像情報を受信するFAX受信処理を実行する。
【0102】
ステップS190では、FAX受信により画像情報が受信されると、その画像情報をプリンタ部63に指示してプリント出力させるプリント処理を実行する。また、各種レポート類のプリント出力が必要な場合にはその出力も行われる。
続いてステップS200の送信処理を実行する。
図19は、送信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【0103】
同図に示すように制御部61は、送信要求フラグが「ON」になっているか否かを判断する(ステップS201)。この送信要求フラグは、上記ステップS165、S1651またはS175のいずれかで「ON」されるものである。
送信要求フラグが「ON」ではない、すなわち「OFF」であると判断すると(ステップS201で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
【0104】
送信要求フラグが「ON」であると判断すると(ステップS201で「YES」)、指定された宛先、例えば通常のFAX送信の場合には、その送信先にダイヤル(発呼)し、インターネットFAXによる送信の場合は、中継装置、ここではオンランプとしてのMFP100にダイヤルする(ステップS202)。
送信先からの応答があると(ステップS203で「YES」)、インターネットFAXによる送信か否かを判断する(ステップS204)。この判断は、インターネットFAXモードフラグが「ON」されているか否かにより行われる。インターネットFAXモードフラグの「ON」設定は、上記ステップS120において行われるものである。
【0105】
インターネットFAXである、すなわちインターネットFAXモードフラグが「ON」されていると判断すると(ステップS204で「YES」)、宛先情報と期限情報を送出する(ステップS205)。具体的には、宛先情報を宛先情報格納部619から読み出すと共に、期限情報を期限情報格納部620から読み出し、読み出した情報をMFP100に知らせるためのトーン信号に変換して、変換したトーン信号を送出する。
【0106】
例えば、最終宛先の電話番号が「112349876」であり、到着期限が「10日の午前8時」の場合、「112349876♯♯100800」という符号列の情報にして、先頭の符号から一つずつ順番に、当該符号に予め割り当てられた特定周波数のトーン信号に変換して送出して行く。
これにより、宛先情報と期限情報をMFP100に通知できる。MFP100は、トーン信号を受信するとこれを数値列に逆変換することで、宛先情報と期限情報を取得することが可能になる。したがって、FAX装置とMFPにおいて、予めどの符号がどの周波数のトーン信号に対応しているのかを取り決めしておいて変換、逆変換できるようにしておけば良い。なお、符号「♯♯」は、宛先電話番号と到着期限とを区別するための区切りとして用いられたものであり、区切りとして用いることができるものであれば、これに限定されることはない。
【0107】
また、トーン信号を用いて送出する方法に限定されることはなく、例えばFAX伝送制御の中でSUB信号の後のFIF情報に宛先電話番号と到着期限を含める方法等を用いることもできる。
一方、インターネットFAXではない、すなわちインターネットFAXモードフラグが「OFF」のままであることを判断すると(ステップS204で「NO」)、通常のFAX送信ということになり、ステップS206に移る。この場合、当然に宛先情報と期限情報は送信されない。
【0108】
ステップS206では、画像格納部618に格納されている画像情報を読み出し、その画像情報を所定のFAX伝送制御に基づいてMFP100にFAX送信して、メインルーチンにリターンする。
この意味で、制御部61は、ステップS205の処理を実行する場合に、期限情報を中継装置としてのMFP200に向けて送信する送信手段として機能するものである。
【0109】
6.MFP100(オンランプ)において実行される処理内容
図20は、MFP100の制御部110において実行される処理内容のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように制御部110は、まず初期化処理を実行する(ステップS300)。この初期化処理は、上記ステップS100における処理と同様のRAM116のクリア、フラグのリセットなどを行うものである。
【0110】
初期化処理の後、入力処理(ステップS310)、FAX受信処理(ステップS320)、メール送信処理(ステップS330)およびその他の処理(ステップS390)を順次実行する。
図21は、入力処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。当該入力処理は、操作パネル150において操作者によるキー入力があった場合に、その入力の受付処理を実行するものである。
【0111】
同図に示すように制御部110は、オフランプ情報入力キー156が押下されたか否かを判断する(ステップS311)。
オフランプ情報入力キー156が押下されたことを判断すると(ステップS311で「YES」)、オフランプ情報入力モードに移行し(ステップS312)、メインルーチンにリターンする。
【0112】
オフランプ情報入力キー156以外のキーが押下されたことを判断すると(ステップS311で「NO」、S313で「YES」)、押下されたキー入力を受付ける処理を実行して(ステップS314)、メインルーチンにリターンする。
キー押下がないことを判断すると(ステップS313で「NO」)、オフランプ情報入力モードに移行しているか否かを判断する(ステップS315)。オフランプ情報入力モードに移行していることを判断すると(ステップS315で「YES」)、当該モードにおいて操作者により入力されたオフランプ情報を受付ける処理を実行し(ステップS316)、メインルーチンにリターンする。具体的には、オフランプ情報入力モードでは、操作者によりオフランプ情報としてオフランプの電話番号とドメイン名が入力されるので、その入力された情報をオフランプ情報テーブル118に格納させる。オフランプ情報入力モードに移行していないことを判断すると(ステップS315で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
【0113】
図22は、FAX受信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように制御部110は、FAX装置からの着信の有無を判断し、着信していないことを判断すると(ステップS321で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
一方、着信を判断すると(ステップS321で「YES」)、FAX伝送制御に基づくFAX受信処理を開始し、送信元(ここでは、FAX装置60とする。)からのトーン信号を所定時間(例えば、15秒)内に受信したか否かを判断する(ステップS322)。このトーン信号は、上記ステップS205においてFAX装置60から送出される信号である。
【0114】
トーン信号の受信を判断すると(ステップS322で「YES」)、受信したトーン信号を宛先電話番号と到着期限を示す数字列に変換して、変換された宛先情報(上記例では、宛先電話番号として「112349876」)および期限情報(上記例では、「100800」)をRAM116に一時的に格納させて(ステップS323)、ステップS326に移る。このトーン信号の数字列への変換は、受信したトーン信号の周波数の値を演算し、その値がどの符号の周波数として予め割り当てられたものかを確認することにより行われる。
【0115】
一方、トーン信号を受信しない場合には(ステップS322で「NO」)、ステップS324に移る。
ステップS324では、SUB信号の受信の有無を判断する。SUB信号を受信したことを判断すると(ステップS324で「YES」)、FIF情報に含まれる宛先情報と期限情報を抽出して、抽出された宛先情報および期限情報をRAM116に一時的に格納させて(ステップS325)、ステップS326に移る。
【0116】
ステップS326では、送信元からの宛先情報と期限情報の受信を転送要求である(すなわち、オンランプとして機能すべきである)として、転送要求フラグを「ON」に設定し、ステップS327に移る。
一方、SUB信号を受信しない場合には(ステップS324で「NO」)、ステップS327に移る。
【0117】
ステップS327では、送信元からの画像情報を所定のFAX伝送制御に基づいて受信し、当該画像情報をRAM116に一時的に格納させて、メインルーチンにリターンする。
なお、送信元のFAX装置60からトーン信号もSUB信号も受信しなかった場合には(ステップS322で「NO」、S324で「NO」)、通常のFAX受信(FAX装置60のステップS204において「NO」と判断された場合)ということになり、オンランプとして機能せず、転送要求フラグも「OFF」のままになって、その他の処理(ステップS390)において、プリント出力されることになる。
【0118】
図23は、メール送信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように制御部110は、転送要求フラグが「ON」になっているか否かを判断する(ステップS331)。この転送要求フラグは、上記ステップS326で「ON」されるものである。
転送要求フラグが「ON」でない、すなわち「OFF」であることを判断すると(ステップS331で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
【0119】
一方、転送要求フラグが「ON」であることを判断すると(ステップS331で「YES」)、転送先としてのオフランプを選択する転送先選択処理を行う(ステップS332)。この転送先選択処理は、中継装置となり得るオフランプが複数存在する場合に、その内の一のオフランプを選択する処理である。選択方法としては、例えば通信をより安価に行うために、各中継装置と最終宛先のFAX装置のそれぞれの電話番号の局番に基づいて、最終宛先までの通信経路となり得る全ての経路の通信料金を求め、その中から最も料金が安い経路をとれるオフランプを選択する等の方法を用いることができる。もちろん、最終宛先となるFAX装置と、転送先としてのオフランプとを予め対応付けて管理し、指定された最終宛先に対応するオフランプを転送先として選択することもできる。
【0120】
本実施の形態では、オフランプ情報テーブル118に格納されているオフランプの中から最適なものとして、オフランプ番号「0」のオフランプ(MFP200)が選択されるものとする。
ステップS333では、期限情報を含むメールを作成する。具体的には、RAM116内に格納されている宛先情報、期限情報および画像情報を読み出す。その際、読み出した到着期限については、最終宛先が外国であって、送信元(日本)と時差がある場合を考慮して、グリニッジ標準時に変換する処理を行う。具体的には、到着期限が例えば日本時間の午前8時の場合、グリニッジ標準時では前日(9日)の午後11時(23時)になるので、到着期限を示す情報を「092300GMT」に書き換えるものである。なお「GMT」は、グリニッジ標準時に変換されていることを知らせるための符号である。
【0121】
そして、読み出した画像情報をMIME(Multipurpose Internet Mail Extensions)に基づくファイル(例えば、TIFF)に変換した後、変換されたファイルを添付ファイルとしたメールであって、読み出した宛先電話番号、変換後の到着期限、@マークおよび転送先となるオフランプ(ここでは、MFP200)のドメイン名を「To」フィールドに記述したメール(具体的には、「To」フィールドに「FAX=+112349876##092300GMT@offramp.com」が記述されたメール)を作成し、作成したメールを転送先のオフランプに、例えばSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を用いてインターネット50を介して転送して(ステップS334)、メインルーチンにリターンする。
【0122】
転送先のオフランプとの間で、どの位置に宛先電話番号と到着期限が記述されるのかの取り決めをしておけば、オフランプは受信したメールから宛先電話番号と到着期限を取得することができる。上記例の場合、オフランプは、「To」フィールド内の「FAX=」と「##」に挟まれる番号を宛先電話番号、「##」と「@」に挟まれる符号を到着期限として取得する。
【0123】
なお、上記「##」は、宛先電話番号と到着期限を区別するための符号であるが、これに限定されることはない。また、転送先のオフランプに、宛先電話番号と到着期限を知らせることができれば良いので、上記例に限られることもない。例えば、到着期限をメールのヘッダに付加する方法が考えられる。この場合、メールのヘッダ部に到着期限として、例えば「X−TIME−TO−DELIVERY:09:23:00GMT」を付加し、「To」フィールドにアドレスとしての「FAX=+112349876@offramp.com」を記述するとしても良い。
【0124】
図20に戻って、ステップS390では、その他の処理として、操作パネル150からの入力指示に基づく処理、例えばコピージョブ等を開始する処理を行って、ステップS310に戻る。
7.MFP200(オフランプ)において実行される処理内容
図24は、MFP200の制御部210において実行される処理内容のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【0125】
同図に示すように制御部210は、まず初期化処理を実行する(ステップS400)。この初期化処理は、上記ステップS100における処理と同様のRAM216のクリア、フラグのリセットなどを行うものである。
初期化処理の後、入力処理(ステップS410)、メール受信処理(ステップS430)、計時処理(ステップS450)、FAX送信処理(ステップS480)およびその他の処理(ステップS490)を順次実行する。
【0126】
図25は、入力処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。当該入力処理は、操作パネル240において操作者によるキー入力があった場合に、その入力の受付処理を実行するものである。
同図に示すように制御部210は、通信料金入力キー246が押下されたか否かを判断する(ステップS411)。
【0127】
通信料金入力キー246が押下されたことを判断すると(ステップS411で「YES」)、通信料金入力モードに移行し(ステップS412)、メインルーチンにリターンする。
通信料金入力キー246以外のキーが押下されたことを判断すると(ステップS411で「NO」、S413で「YES」)、押下されたキー入力を受付ける処理を実行して(ステップS414)、メインルーチンにリターンする。
【0128】
キー押下がないことを判断すると(ステップS413で「NO」)、通信料金入力モードに移行しているか否かを判断する(ステップS415)。通信料金入力モードに移行していることを判断すると(ステップS415で「YES」)、当該モードにおいて操作者により入力された通信料金情報を受付ける処理を実行し(ステップS416)、メインルーチンにリターンする。
【0129】
ここでは時間帯だけでなく、距離に応じて通信料金が異なる場合に、その距離に対応した料金体系の料金入力を行えるようになっている。具体的には、料金が異なる距離圏を入力するための複数のボックスが配された画面(不図示)を表示部241に表示させ、操作者からの距離圏の入力を受付ける。例えば、20kmまで、20〜100km、100km超の3段階に分けられている場合、操作者は第1のボックスに「0〜20」、第2のボックスに「20〜100」、第3のボックスに「100〜」をテンキー242等を用いて入力することができる。操作者によりいずれかのボックスの表示部分がタッチされると、制御部210は、そのボックスに入力された距離圏に対応する時間帯毎の料金を入力するための入力受付画面(不図示)を表示させる。この入力受付画面は、FAX装置60におけるステップS128の通信料金入力モードでの入力受付画面と同じものである。すなわち、図10等に示すように時間帯と開始時刻等が対応したテーブル形式になっており、操作者は、開始時刻欄等の各項目に開始時刻等を入力することができる。
【0130】
制御部210は、入力データを、第1のボックスについては料金情報テーブル2171に格納させる。その際、距離圏の情報(0〜20km)も距離欄に格納させる。同様に、第2のボックスについては料金情報テーブル2172に、第3のボックスについては料金情報テーブル2173に格納させ、距離圏の情報(20〜100km)、(100km〜)もそれぞれ距離欄に格納させる。なお、通信料金が異なる距離圏が2つ、または4以上の場合には、距離圏の数だけ、距離圏に対応する料金情報テーブルが設けられることになる。
【0131】
料金情報入力モードに移行していないことを判断すると(ステップS415で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
図26は、メール受信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように制御部210は、SMTP受信要求があるか否かを判断する(ステップS411)。この受信要求の有無の判断は、例えば1分毎にメールサーバ202にアクセスし、自己(MFP200)宛のメールが届いているか否かを確認することにより行われる。
【0132】
自己宛のメールが届いていることを判断すると(ステップS411で「YES」)、当該メールを受信する(ステップS412)。
受信したメールに宛先情報、期限情報および画像情報が含まれているか否かを判断する(ステップS413)。具体的には、ヘッダ部の所定の位置、上記例では「To」フィールドに宛先情報と期限情報が記述されており、画像情報が添付ファイルとして付加されているか否かを判断する。
【0133】
各情報が含まれていることを判断すると(ステップS413で「YES」)、それら情報を抽出し、抽出した宛先情報を宛先情報格納部220に、期限情報を期限情報格納部221に、画像情報を画像格納部219に格納させる(ステップS414)。その際、抽出された期限情報に示される到着期限は、上記ステップS333でグリニッジ標準時に変換されたものなので、自国(米国)の標準時に変換する。例えば、B市がニューヨークの場合、ニューヨークはグリニッジ標準時よりも5時間遅いので、グリニッジ標準時から「5」時間を差し引く。例えば、到着期限が「092300GMT」であれば、変換後の到着期限は、9日の18時(米国東部標準時)になる。これを、送信元の操作者により指定された到着期限として、期限情報格納部221に格納させる。
【0134】
この意味で、制御部210は、ステップS411〜S414の処理を実行する場合に、送信装置(FAX装置60)から送信された期限情報を受信する受信手段として機能するものである。
そして、宛先情報が含まれていたことをオフランプとして機能すべきであるとして、転送要求フラグを「ON」に設定し(ステップS415)、メインルーチンにリターンする。
【0135】
一方、受信メールに宛先情報等が含まれていないことを判断する(ステップS413で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
図27は、計時処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。当該計時処理は、到着期限までの間で最も安価な時間帯に最終宛先へのFAX送信が開始されるように、その時間帯の計時を行うものである。なお、当該計時処理は、上記図16に示す計時処理の内容と一部を除いて同様であるので、ここでは異なる部分を中心に説明し、同じ部分についてその説明を省略するものとする。
【0136】
同図に示すように、制御部210は、まず現在時刻を取得する(ステップS451)。これは、時計IC218からの現在時刻を示す情報を受信することにより行う。そして、転送要求フラグが「ON」されているか否かを判断する(ステップS452)。転送要求フラグは、上記ステップS326において「ON」されるものである。転送要求フラグが「ON」されていない、すなわち「OFF」のままであることを判断すると(ステップS452で「NO」)、そのままメインルーチンにリターンする。
【0137】
一方、転送要求フラグが「ON」されていると判断すると(ステップS452で「YES」)、現在時刻が到着期限を過ぎているか否かを判断する(ステップS453)。具体的には、期限情報格納部221に格納されている到着期限(米国東部標準時変換後のもの)を読み出し、これを現在時刻(米国東部標準時間)との前後関係を判断する。
到着期限を過ぎていることを判断すると(ステップS453で「YES」)、直ぐに転送を行うべく、送信要求フラグを「ON」に設定して(ステップS466)、メインルーチンにリターンする。まだ過ぎていないことを判断すると(ステップS453で「NO」)、ステップS454に移る。
【0138】
ステップS454では、3つの料金情報テーブル2171〜2173の内から、時間帯の探索に用いるものとして最適なテーブルを選択する。その選択方法として、ここでは自装置から、転送先として指定された最終宛先のFAX装置までの距離がどの料金情報テーブルの距離圏に含まれるのかを判断することにより行われる。なお、自装置と最終宛先までの距離を求める方法は、公知の内容なので詳細な説明を省略するが、例えば、電話番号の局番について、その局番間のおおよその距離を示す情報を格納したテーブルを予め用意しておき、自己の局番と最終宛先の局番とから、当該テーブルに書き込まれている両局番間の距離情報を読み出すことにより求める方法がある。
【0139】
テーブル選択の後、ステップS455以降の処理を実行する。
ステップS455〜S465までの処理は、図16に示す計時処理のステップS154〜S164までの処理に相当し、その内容はほぼ同じである。すなわち、テーブル選択により選択された一の料金情報テーブルを参照し、現在時刻(時分)から到着期限(時分)までの間の各時間帯について通信料金が最安価な時間帯を探索し、現在時刻(時分)が最安価な時間帯に至ると、転送開始のために送信要求フラグを「ON」に設定するものである。この意味で、制御部210は、上記計時処理を実行する場合に、到着期限までの間で画像情報の転送時期を決める決定手段として機能するものである。
【0140】
図24に戻って、ステップS470では、送信要求フラグが「ON」されているか否かを判断する。この送信要求フラグは、上記ステップS465またはS466で「ON」に設定されるものである。
送信要求フラグが「ON」されていることを判断すると(ステップS470で「YES」)、オフランプとしての転送処理、ここではFAX送信処理を行う(ステップS480)。
【0141】
具体的には、画像格納部219に格納されている画像情報(TIFF等)を読み出して、これをFAX送信のためのデータに変換する。そして、宛先情報格納部220に格納されている宛先情報を読み出して、最終宛先(FAX装置70)の電話番号を取得し、取得した電話番号への発呼を行う。FAX装置70との間で回線接続されると、FAX送信のためのデータに変換された画像情報をFAX伝送制御手順に基づいて、受信装置としてのFAX装置70にFAX送信するものである。この意味で、制御部210は、上記FAX送信処理を実行する場合に、画像情報を受信装置に転送する転送手段として機能するものである。なお、FAX装置70では、上記ステップS190において、受信した画像情報がプリント出力されることになる。
【0142】
一方、送信要求フラグが「ON」されていない、すなわち「OFF」であることを判断すると(ステップS470で「NO」)、ステップS490に移る。
ステップS490では、その他の処理、例えば操作パネル240からの入力指示に基づくコピージョブ等を開始する処理を行って、ステップS410に戻る。
以上説明したように、本実施の形態のシステム1では、送信元(FAX装置60)において、操作者により最終宛先への画像情報の到着期限が設定されると、送信元およびオフランプ(MFP200)では、その到着期限内で、公衆回線が用いられたときの通信料金が最安価な時間帯に画像情報が送信されるようになっている。
【0143】
したがって、送信元のユーザとしては、FAX送信の際に通信料金のことを全く意識しなくても済む。そして、指定した到着期限内で通信料金の最安価な時間帯に画像情報が送信されるので、例えば単に通信料金が安い時間帯に送信される構成としたときに、ユーザからの送信指示が1日の内の最安価な時間帯を過ぎた直後にあった場合には、次の最安価の時間帯が来るまでほぼ一日の間、送信待(予約)の状態になり、最終宛先への画像情報の到着が大変遅れてしまうといったことがない。
【0144】
したがって、例えば送信元と最終宛先のユーザが同じ資料を用いてテレビ会議をする場合に、送信元のユーザは会議の1時間前の時刻を到着期限として指定して、当該資料を会議前日に送信元のFAX装置から送信する操作をしておけば、会議が開始されるまでの間で、公衆回線を利用する際の通信料金が最安価な時間帯に最終宛先のFAX装置への転送がなされ、通信料金の削減と共に遅配防止という効果を得ることができる。
【0145】
本発明は、上記システム、オンランプ、オフランプ、FAX装置に限られず、上記に示す方法とすることもでき、さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、Smart Media(登録商標)などのフラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
【0146】
また、本発明に係るプログラムは、上記に説明した処理をコンピュータに実行させるための全てのモジュールを含んでいる必要はなく、例えば通信プログラムやオペレーティングシステム(OS)に含まれるプログラムなど、別途情報処理装置にインストールすることができる各種汎用的なプログラムを利用して、本発明の各処理をコンピュータに実行させるようにしても良い。従って、上記した本発明の記録媒体に必ずしも上記全てのモジュールを記録している必要はないし、また必ずしも全てのモジュールを伝送する必要もない。さらに所定の処理を専用ハードウェアを利用して実行させるようにすることができる場合もある。
【0147】
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、到着期限までの間で通信料金が最安価な時間帯を探索する計時処理を、送信装置としてのFAX装置60と、中継装置としてのMFP200がそれぞれ実行するとしたが、いずれか一方の装置だけが実行するとしても良い。
【0148】
例えば、送信装置側で計時処理を実行するとした場合には、FAX装置60〜MFP100間における通信料金の削減が可能になり、中継装置側で計時処理を実行するとした場合には、MFP200〜FAX装置70間における通信料金の削減が可能になる。したがって、いずれか一方の装置で計時処理を実行させる場合には、通信料金が高い方の回線で発信側となる装置において計時処理を実行するとした方が削減効果をより大きく得られることになる。
【0149】
また、上記実施の形態では最安価な時間帯を探索するとしたが、最安価な時間帯に限られず、通信料金面で有利な時間帯、例えば最安価または2番目に安価な時間帯を探索するとしても良い。通信料金が高い時間帯を避けるようにすることで通信料金の削減という効果を得ることができる。
(2)また、上記実施の形態では、送信元のFAX装置60からMFP100、MFP200を介して最終宛先のFAX装置70にインターネットFAXモードによる送信を行うとしたが、本発明は、指定された到着期限内で通信料金が安価な時間帯に画像情報を送信できるシステムであれば良く、その点で上記の構成に限定されない。
【0150】
例えば、次の構成をとることが可能である。
(i)送信装置をMFP100、中継装置をMFP200、受信装置をFAX装置70
として、MFP100からMFP200を介してFAX装置70に画像情報を送信するシステム
この場合、MFP100が、FAX装置60の入力処理(ステップS110)および読み取り処理(ステップS170)と同様の処理を実行できるように構成し、上記ステップS333とS334において、読み取られた画像情報、宛先情報および期限情報を含むメールをMFP200に送信するようにすれば良い。なお、このシステムの場合、MFP100は、ファクシミリ通信機能を有している必要はなく、少なくともメール送信機能を有していれば良いことになる。
【0151】
(ii)送信装置をFAX装置60、中継装置をMFP100、受信装置をMFP200
として、FAX装置60からMFP100を介してMFP200に画像情報を送信するシステム
この場合、FAX装置60は、上記ステップS110〜S200の処理にてMFP100に送信を行う。その際、最終宛先については、MFP200のインターネット50上でのアドレス(ドメイン名等)が操作者から入力され、当該アドレスが宛先情報とされる。なお、期限情報は送信されない。これにより、FAX装置60〜MFP100間において、到着期限までの間で通信料金が最安価の時間帯に送信がなされることになる。
【0152】
MFP100は、ステップS320のFAX受信処理においてFAX装置60からの画像情報と宛先情報を受信し、ステップS330のメール送信処理において当該宛先情報に基づくアドレスを宛先とした、当該画像情報を付加したメールを作成し、そのメールを送信する。なお、当該メールには、宛先情報と期限情報は付加されない。
MFP200は、ステップS430においてMFP100からのメールを受信する。なお、当該メールには、宛先情報と期限情報が付加されていないので、ステップS413で「NO」と判断し、ステップS415で転送要求フラグが「ON」されず、画像情報が他の装置に転送されることはない。MFP200は、受信した画像情報を画像格納部219に格納し、ステップS490のその他の処理において、必要に応じ当該画像情報を読み出してプリント出力を実行する。
【0153】
(iii)送信装置をFAX装置60、受信装置をMFP100として、FAX装置60からMFP100に画像情報を送信するシステム
この場合、インターネットFAXによる送信ではなく、通常のFAX送信となるが、少なくとも送信元のユーザにとっては、FAX送信に際し、いちいち通信料金が安い時間帯を調べるといった面倒な操作を省くことが可能になる。
【0154】
(3)上記実施の形態では、送信元は到着期限を自国標準時(送信側のタイムゾーン)による日時で指定するとしたが、到着期限となる時期を指定できれば良く、その意味で日時に限られることはない。例えば、月日、曜日、時刻等を用いることもできる。また、時刻、日時等ではなく、あるイベントからの経過時間、例えば原稿画像の読み取りからX時間経過した時点、送信元による送信時刻からY時間経過した時点を到着期限とする方法をとることもできる。具体的には、例えば原稿画像の読み取り時刻が9時の場合、操作者が「X」として「8」時間を指定すれば、到着期限を「17時」に自動設定するものである。同様に、例えば送信時刻が9時の場合、操作者が「Y」として「20」時間を指定すれば、到着期限を「次の日の5時」に設定するものである。設定された到着期限は、期限情報として画像情報と共に送信されることになる。
【0155】
また、時刻等ではなく、送信装置による送信時刻から指定の時間経過した時点を到着期限とする旨を示す情報を到着期限を示す期限情報として送信する構成をとるとしても良い。この場合、中継装置では、送信装置側からの送信時刻と指定の経過時間の情報を取得し、これらから到着期限を求めれば良い。例えば、画像情報が午前10時に送信され、経過時間として10時間が指定された場合、中継装置では、その日の午後8時を到着期限とし、その到着期限までの間で、最安価な時間帯に受信装置への送信が行われることになる。
【0156】
同様に、中継装置に対し画像情報を受信した時刻から指定時間経過した時点を到着期限とする旨を示す情報を送信して、到着期限を知らせることも可能である。例えば、中継装置が画像情報を午前10時に受信し、経過時間として10時間が指定された場合、その日の午後8時が到着期限とされる。なお、到着期限を受信時刻から指定時間経過時点とすること等を中継装置に知らせる方法としては、例えばそれらを表すための符号、コード等を予めシステム内で取り決めしておき、その符号等をFIF等に書き込むことにより行うことができる。具体的には、例えば到着期限を、受信時刻から10時間時間経過時点とする場合、「time of receipt+10」とすることが考えられる。
【0157】
(4)上記実施の形態では、オンランプ、オフランプ機能を有するFAXゲートウェイ装置をMFPとしたが、これに限定されず、例えば複写機、FAX装置等とすることもできる。また、上記の処理を実行するプログラムをインストールしたPC(パーソナルコンピュータ)をFAXゲートウェイ装置として用いるとしても良い。
(5)FAX装置としては、ITU−T勧告のG規格に基づくファクシミリ伝送制御手順に従って公衆回線を介して通信する装置であれば、G3FAX装置に限られず、例えばG4FAX装置を用いる構成とすることもできる。この場合、FAXゲートウェイ装置としてのMFPも、G4ファクシミリ手順に基づいて相手先のFAX装置とFAXデータの送受信を行う構成になる。
【0158】
(6)オンランプとオフランプ間の通信回線を、一般に距離に関して従量制をとる電話回線よりも通信料金が安い通信網して、距離に関して定額制をとるLAN、インターネットを用いる構成としたが、本発明は、これに限定されることはなく、例えばWAN、専用線サービス等を電話回線とは異なる通信回線として用いる構成とすることもできる。その場合、オンランプ、オフランプとしては、その通信回線と電話回線を相互接続し、電話回線を介してFAX装置とFAX送受信が可能であり、かつ当該通信回線を介して画像情報、宛先情報、期限情報の送受信が可能な中継装置であれば良いことになる。
【0159】
(7)また、上記実施の形態では、インターネットFAXモードによる送信の場合の例を説明したが、本発明はFAX通信によるものに限定されることはない。
例えば、画像情報をパケット等により送信する画像送信システム一般に適用することができる。このシステムにおいて、例えば送信装置と中継装置が第1の通信網で接続され、中継装置と受信装置が第2の通信網で接続されており、通信網の通信料金が時間帯ごとに異なる体系になっているとしたとき、第1の通信網の方が第2の通信網よりも全体的に通信料金が高い場合には、送信装置から中継装置への画像情報の送信を到着期限までの間で最安価の時間帯に行い、逆に第2の通信網の方が第1の通信網よりも高い場合には、中継装置から受信装置への送信を到着期限までの間で最安価の時間帯に行うとすればより効果的である。また、この場合でも、実施の形態同様に送信装置と中継装置双方で計時処理を実行し最安価な時間帯での送信を行うとしても良い。
【0160】
(8)上記実施の形態では、画像情報と期限情報を、FAX装置60からMFP100までについてはファクシミリ送信時に一緒に送信し、MFP100からMFP200までについては一のメールに含ませて送信するとしたが、例えば画像情報と期限情報を別々に(別メール、別パケット等で)送信するとしても良い。この場合、受信側は、受信した期限情報がどの画像情報のものであるかを判別する必要がある。その判別方法としては、例えば送信側において画像情報と期限情報それぞれに、対応したものであることを意味する識別子を付加し、受信側において受信した画像情報と期限情報に付加されている各識別子を参照することで判別する方法等が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0161】
送信装置から中継装置を介して受信装置に画像情報を送信する画像送信システムは、送信装置側のユーザに通信料金を意識させずに画像情報をより安価に送信させることが求められる用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】画像送信システムの一例としてのFAX通信システム1の構成例を示す図である。
【図2】FAX通信システム1に含まれるFAX装置60の構成を示すブロック図である。
【図3】FAX装置60の操作パネル64の構成を示す図である。
【図4】FAX装置60の料金情報テーブル622の構成を示す図である。
【図5】MFP100の構成を示す図である。
【図6】MFP100の操作パネル150の構成を示す図である。
【図7】MFP100のオフランプ情報テーブル118の構成を示す図である。
【図8】MFP200の構成を示すブロック図である。
【図9】MFP200の操作パネル240の構成を示す図である。
【図10】MFP200の料金情報テーブル2171の構成を示す図である。
【図11】MFP200の料金情報テーブル2172の構成を示す図である。
【図12】MFP200の料金情報テーブル2173の構成を示す図である。
【図13】FAX装置60の制御部61において実行される処理内容のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図14】制御部61において実行される入力処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図15】制御部61において実行される入力処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図16】制御部61において実行される計時処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図17】制御部61において実行される最低通信料金探索処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図18】制御部61において実行される読み取り処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図19】制御部61において実行される送信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図20】MFP100の制御部110において実行される処理内容のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図21】制御部110において実行される入力処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図22】制御部110において実行されるFAX受信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図23】制御部110において実行されるメール送信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図24】MFP200の制御部210において実行される処理内容のメインルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図25】制御部210において実行される入力処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図26】制御部210において実行されるメール受信処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図27】制御部210において実行される計時処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0163】
1 ファクシミリ通信システム(画像送信システム)
20、21 公衆回線(電話回線)
50 インターネット
60、70 G3ファクシミリ装置
61、110、210 制御部
100 オンランプ機能を有するMFP
101、201 LAN
200 オフランプ機能を有するMFP
622、2171、2172、2173 料金情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置と、前記送信装置からの画像情報を受信して受信装置に転送する中継装置とを含む画像送信システムであって、
前記送信装置は、
前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段と、
指定された期限を示す期限情報を前記中継装置に向けて送信する送信手段とを備え、
前記中継装置は、
前記送信手段から送信される期限情報を受信する受信手段と、
前記受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報を格納している料金情報格納手段と、
前記期限情報と前記料金情報に基づいて、前記画像情報を前記受信装置に転送する転送時期を決定する決定手段と、
決定された転送時期に前記画像情報を前記受信装置に転送する転送手段と
を備えることを特徴とする画像送信システム。
【請求項2】
前記期限情報は、前記送信装置側でのタイムゾーンにおける月日、曜日、時刻、および送信装置による送信時刻からの経過時間のいずれかを示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像送信システム。
【請求項3】
前記決定手段は、
転送期限までの間において通信料金面で有利な時間帯を転送時期として決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像送信システム。
【請求項4】
前記送信装置と中継装置は、インターネットを含む通信網を介して接続され、
前記中継装置と前記受信装置は、電話回線のみを介して接続され、
前記送信手段は、前記期限情報を前記画像情報と一緒にインターネットメールに含ませて前記インターネットを介して送信し、
前記受信手段は、前記送信手段から送信される前記インターネットメールを受信する受信手段を有し、
前記転送手段は、受信されたインターネットメールに含まれる画像情報を前記受信装置に前記電話回線を介してファクシミリ送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像送信システム。
【請求項5】
前記送信装置と前記中継装置間に、別の中継装置が介在し、
前記送信装置と前記別の中継装置は、第1の電話回線のみを介して接続され、
前記別の中継装置と前記中継装置は、インターネットを含む通信網を介して接続され、
前記中継装置と前記受信装置は、第2の電話回線のみを介して接続され、
前記送信手段は、前記期限情報を前記画像情報と一緒に前記別の中継装置に前記第1の電話回線を介してファクシミリ送信し、
前記別の中継装置は、前記送信手段からの画像情報と期限情報とをファクシミリ受信し、受信した画像情報と期限情報とをインターネットメールに含ませて前記中継装置に前記インターネットを介して転送し、
前記受信手段は、前記別の中継装置からの前記インターネットメールを受信し、
前記転送手段は、受信されたインターネットメールに含まれる画像情報を前記受信装置に前記第2の電話回線を介してファクシミリ送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像送信システム。
【請求項6】
送信装置からの画像情報を受信して受信装置に転送する中継装置であって、
前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限を示す期限情報を前記送信装置から受信する受信手段と、
前記受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報を格納している料金情報格納手段と、
前記期限情報と前記料金情報に基づいて、前記画像情報を前記受信装置に転送する転送時期を決定する決定手段と、
決定された転送時期に前記画像情報を前記受信装置に転送する転送手段と
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項7】
画像情報を送信装置から中継装置を介して受信装置に送信する画像送信システムにおける送信装置であって、
前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段と、
指定された期限を示す期限情報を前記中継装置に向けて送信する送信手段とを備えることを特徴とする送信装置。
【請求項8】
画像情報を受信装置に送信する送信装置であって、
前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付手段と、
前記画像情報を送信する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報が格納されている料金情報格納手段と、
指定された期限と前記料金情報とに基づいて前記画像情報を送信する時期を決定する決定手段と、
決定された時期に前記画像情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項9】
送信装置と、前記送信装置からの画像情報を受信して受信装置に転送する中継装置とを含む画像送信システムにおける画像送信方法であって、
前記送信装置において、
前記画像情報がいつまでに前記受信装置に到着すべきであるかについての期限の指定を受付ける受付ステップと、
指定された期限を示す期限情報を前記中継装置に向けて送信する送信ステップとを含むステップを実行し、
前記中継装置において、
前記送信ステップにより送信された期限情報を受信する受信ステップと、
前記期限情報と、前記受信装置に画像情報を転送する場合における時間帯ごとの料金を示す料金情報とに基づいて、前記画像情報を前記受信装置に転送する転送時期を決定する決定ステップと、
決定された転送時期に前記画像情報を前記受信装置に転送する転送ステップと
を含むステップを実行することを特徴とする画像送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2006−14044(P2006−14044A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189927(P2004−189927)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】