異常通知装置、異常通知システム
【課題】監視対象に異常が発生した際に、適切な対応者を選定して呼び出す。
【解決手段】異常内容の情報を取得する異常情報取得部110と、異常に対応する対応者の一覧を格納した対応候補者リスト120と、対応者が異常に対応する過程の記録を取得する対応プロセス取得部130と、対応プロセス取得部130が取得した記録を記憶する対応記録記憶部140と、異常情報取得部110が取得した情報と対応記録記憶部140の記録とに基づき、対応候補者リスト120から当該異常に対応すべき適切な対応者を選択する対応者選択部150と、監視対象に異常が発生した旨を対応者選択部150が選択した対応者に通知する異常通知部160と、対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを当該異常通知装置の外部から受け付けてその記録を対応記録記憶部140から検索し検索結果を返信する対応記録検索部170とを備えた。
【解決手段】異常内容の情報を取得する異常情報取得部110と、異常に対応する対応者の一覧を格納した対応候補者リスト120と、対応者が異常に対応する過程の記録を取得する対応プロセス取得部130と、対応プロセス取得部130が取得した記録を記憶する対応記録記憶部140と、異常情報取得部110が取得した情報と対応記録記憶部140の記録とに基づき、対応候補者リスト120から当該異常に対応すべき適切な対応者を選択する対応者選択部150と、監視対象に異常が発生した旨を対応者選択部150が選択した対応者に通知する異常通知部160と、対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを当該異常通知装置の外部から受け付けてその記録を対応記録記憶部140から検索し検索結果を返信する対応記録検索部170とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象に異常が発生した旨を通知する装置およびその装置を備えた異常通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、障害通報システムに関し、『適切な保守員を迅速に障害発生装置あるいはシステムに向かわせることができる障害通報システムを提供すること』を目的とする技術として、『あらかじめ記憶テーブルに順次保守員を記憶しておき、応答がなかったときに次の保守員を呼び出すもので、障害システムに対する保守員の手配までの時間が短縮される。さらに、連絡の採れない保守員から応答があったときには、対処済みの連絡を自動的にする。これにより保守員が重複して1つの障害対象に向かうこともなくなる。』というものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、通報システムに関し、『情報処理システムにおいて異常が発生した際に、最適の呼出し対象者に対して迅速に通報すること。』を目的とする技術として、『情報処理システムの異常発生を検知し且つ異常発生状況を取得するための動作状態監視手段13と、動作状態監視手段13によって検知された情報処理システムの異常発生時期を取得するための時間監視手段17と、異常発生状況と異常発生時期とに対応して呼出しに使用する呼出し対象機器の種別及び呼出し番号の優先順位が記録された呼出し対象機器表22,23と、呼出し対象機器表を更新するための表更新手段18と、異常発生状況と異常発生時期とをキーにして呼出し対象機器表を検索し呼出し対象機器の種別及び呼出し番号を特定して呼出しを行うための呼出し手段16とを有してなる。』というものが提案されている(特許文献2)。
【0004】
また、異常通知システムに関し、『異常通知装置における異常通知先の更新にかかる手間を軽減すること。』を目的とする技術として、『携帯通信装置10において、連絡先情報管理部54は、端末装置の連絡先情報を1又は複数管理し、その連絡先情報に係る端末装置との間で通話又はデータの送受信を行う。連絡先情報送信部50は、所定のタイミングで、連絡先情報管理部54に管理される一部又は全部の連絡先情報を異常通知装置20に対して送信する。異常通知装置20において、連絡先情報記憶部88は、1又は複数の連絡先情報を記憶している。連絡先情報更新部86は、連絡先情報受信部84が連絡先情報送信部50から受信した連絡先情報に基づいて、連絡先情報記憶部88に記憶される連絡先情報を更新する。異常通知部80は、異常検出部64により所定の異常が検出されると、その異常に係る情報を連絡先情報記憶部88に記憶される少なくとも1つの連絡先情報に係る端末装置に通知する。』というものが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−314761号公報(要約)
【特許文献2】特開2000−149174号公報(要約)
【特許文献3】特開2007−317122号公報(要約)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、記憶テーブルに記憶されている順番で保守員を呼び出すため、呼び出し順が固定されている。そのため、他の保守員が対応した方が適切な場合でも、規定の順番通りの呼び出しがなされてしまう。
【0007】
上記特許文献2に記載の技術では、異常が発生した時間帯に対応付けられた呼出機器に対して呼び出しを行うため、必ずしも適切な対象者に対して呼び出しが行われるとは限らない。
【0008】
上記特許文献3に記載の技術では、連絡先情報を更新する手間を軽減することはできるが、連絡先情報に記述された所定の順序にしたがって異常通知が行われる点は、上記特許文献1〜2と同様である。
即ち、必ずしも適切な対象者に対して呼び出しが行われるとは限らない点について、上記特許文献1〜2と同様の課題を有する。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、監視対象に異常が発生した際に、適切な対応者を選定して呼び出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る異常通知装置は、監視対象に異常が発生した旨を通知する装置であって、異常の内容についての情報を取得する異常情報取得部と、異常に対応する対応者の一覧を格納した対応者リストと、対応者が異常に対応する過程の記録を取得する対応プロセス取得部と、対応プロセス取得部が取得した記録を記憶する対応記録記憶部と、異常情報取得部が取得した情報と対応記録記憶部が記憶している記録に基づき対応者リストから異常に対応すべき適切な対応者を選択する対応者選択部と、監視対象に異常が発生した旨を対応者選択部が選択した対応者に通知する異常通知部と、対応者が異常と同種の異常に対して対応した過程の記録を対応記録記憶部から検索する対応記録検索部とを備え、対応記録検索部は、対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを異常通知装置の外部から受け付けてその記録を検索し検索結果を返信するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る異常通知装置によれば、対応者が異常に対して対応した記録を取得して記憶しておき、これを対応者の選択に際して利用するので、過去の対応実績を選択基準に反映して適切な対応者を選択することができる。
また、対応記録検索部は、対応記録記憶部が格納している対応記録を検索して保守員が所持する端末などに返信する。
これにより、保守員は過去の対応記録を参考にしながら障害対応を行うことができるので、効率的で確実な障害対応に資する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
【図2】対応候補者リスト120のデータ例を示す図である。
【図3】対応記録記憶手段140が記憶する対応記録の例を示す図である。
【図4】異常通知装置100の全体動作フローである。
【図5】対応プロセス取得手段130が対応履歴を取得する際の動作フローである。
【図6】実施の形態2に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
【図7】対応情報検索手段170が返信する検索結果の表示画面例である。
【図8】対応記録の内容の表示画面例である。
【図9】実施の形態3に係る異常通知システムの構成図である。
【図10】異常通知手段160が送信する対応依頼メールの画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
異常通知装置100は、例えば太陽光発電システムや情報システムなどの監視対象に故障障害などの異常が発生した旨を対応者に通知する装置である。
以下では障害が発生したときこれを異常として通知することを前提に説明を行うが、異常の種類については特に制限はない。
【0014】
異常通知装置100は、異常情報取得手段110、対応候補者リスト120、対応プロセス取得手段130、対応記録記憶手段140、対応者選択手段150、異常通知手段160を備える。
【0015】
異常情報取得手段110は、監視対象に障害が発生した旨を表す異常情報を受け取り、対応者選択手段150に出力する。異常情報の内容については、改めて説明する。
異常情報取得手段110は、自ら監視対象を監視して異常情報を取得してもよいし、監視そのものは異常通知装置100とは別の監視装置などが行い、異常情報取得手段110はその結果を異常情報として受け取るのみでもよい。
異常情報の取得経路は、シリアルI/Fなどの回線を介するものであってもよいし、例えばC言語で実装されたソフトウェアモジュール内の関数などを介して取得する形態で実装されていてもよい。
【0016】
対応候補者リスト120は、監視対象に発生した障害に対して対応する対応者の候補リストを保持する。
対応候補者リスト120は、例えばリストの内容を記述したテキストファイルやデータベースなどの形態で、HDD(Hard Disk Drive)などの適当な記憶装置に格納される。
対応候補者リスト120は、例えば以下に例示するような、対応者とその対応可能範囲などを特定することのできる情報を保持する。対応候補者リスト120の具体例は、後述の図2で改めて説明する。
【0017】
(1)対応者の氏名やIDなどの識別子
(2)対応者の担当分野(監視対象によって内容が異なる)
(3)対応者の担当地域
(4)対応者の勤務時間帯
(5)対応者の連絡先(電子メールアドレス、電話番号など)
【0018】
対応プロセス取得手段130は、対応者が障害に対応する過程についての情報を取得する。対応プロセス取得手段130は、例えば以下のような情報を取得する。
【0019】
(1)対応者が障害対応を開始した旨の通知
(2)対応者が他の対応者との間で連絡を取った旨およびその連絡先
(3)対応者が障害対応に必要な業者連絡などを行った旨およびその連絡先
(4)対応者が障害対応を終了した旨の通知
(5)対応者が連絡を行う過程で送受信する電子メールや通話音声
【0020】
各対応者は、好適には携帯電話などの表示部を有するモバイル端末を所持しており、電話や電子メールを用いて、上記のような情報を異常通知装置100に送信する。対応プロセス取得手段130は、対応者の端末から送られてきたこれらの情報を取得する。
対応プロセス取得手段130の具体的な動作フローは、後述の図5で改めて説明する。
【0021】
対応記録記憶手段140は、例えばHDDなどの記憶装置で構成されており、対応プロセス取得手段130が取得した上記情報を、対応記録として記憶する。
【0022】
対応者選択手段150は、異常情報取得手段110が取得した異常情報と、対応記録記憶手段140が記憶している記録とを用いて、対応候補者リスト120の中から、当該障害に対応すべき適切な対応者を選択する。
【0023】
異常通知手段160は、対応者選択手段150が選択した対応者宛に、監視対象に障害が発生した旨、および当該障害に対応すべき旨を指示する対応依頼メールを送信する。電子メール以外の通信手段、例えば自動音声メッセージを発信する電話通話などを用いてもよい。
【0024】
以上、異常通知装置100の機能ブロックについて説明した。
次に、異常通知装置100の各部の詳細について説明する。
【0025】
異常情報取得手段110が取得する異常情報には、当該異常の内容に関する以下に例示するような項目が含まれるものとする。
【0026】
(異常情報1)異常コード:障害の種類を識別する番号など。
(異常情報2)発生場所:障害が発生した場所。場所の粒度は、後述の図2で説明する対応候補者リスト120の「担当地域」列の値と同程度またはそれ以下にしておくと、都合がよい。
(異常情報3)発生日時:障害が発生した日時。ここでいう日時とは、必ずしも詳細な時刻まで含んでいる必要はなく、障害に緊急性がない場合は、例えば日付のみでもよい。
【0027】
図2は、対応候補者リスト120のデータ例を示す図である。ここでは、太陽光発電システムに発生した障害に対して保守対応を行う保守員を、対応者のリストとして、テーブル形式のデータで格納している例を示した。
対応候補者リスト120は、対応者毎に、上記で説明した各項目を、テーブルの各列の値として保持する。
【0028】
図2の「担当分野」列では、障害の種類として、「出力低下」「発熱」「回線異常」「不正データ(例えば、電力量が規定値外の値を示したなど)」を例示した。
各保守員がその障害に対応できる(必要なスキルや資格などを保持している)場合は、同列の該当項目に「○」がセットされている。保守員が対応できない障害種類については、同列の該当項目は空欄である。
【0029】
図3は、対応記録記憶手段140が記憶する対応記録の例を示す図である。ここでは、太陽光発電システムに発生した出力低下障害についての対応記録例を示した。
【0030】
対応プロセス取得手段130は、障害が1件発生する毎に、図3に例示するような記録を作成し、対応記録記憶手段140に格納する。作成時点は、異常情報取得手段110が当該障害についての異常情報を受け取った時点などでもよいし、対応者が異常通知装置100へ最初に連絡事項を送信した時点(例えば対応開始通知)などでもよい。
以下、図3に示す対応記録の各項目について説明する。
【0031】
対応記録には、当該障害について異常情報取得手段110が取得した各情報、即ち「異常コード」「発生場所」「発生日時」が記録される。必要に応じて、個々の障害を識別する内部的な識別番号などを付与して記録してもよい。
【0032】
また、対応記録には、当該障害が発生した旨の通知を異常通知装置100が最初に送信した保守員(通知先)と、当該障害を最終的に解決した旨を異常通知装置100に通知した保守員(最終解決者)とが記録される。
最初と最後の保守員の間で他の保守員等との連絡が発生した場合は、その保守員等との間の連絡履歴も記録される。連絡履歴の内容については、下記で説明する。
【0033】
なお、対応記録のタイトルは、最終解決者などが適当な時点で記載する。
【0034】
各保守員と異常通知装置100、または保守員同士の連絡履歴は、図3の下部にテーブル形式で記録されている(対応履歴)。このテーブルには、各連絡の「日時」「連絡元」「連絡先」「連絡手段」「記録(連絡の内容)」が記録される。
図3の対応記録の例では、以下のような対応履歴が記録されていることが分かる。
【0035】
(対応履歴1)2007年4月11日13時10分15秒に、マスター(異常通知装置100)から保守員Aに電子メールが送信された。
(対応履歴2)2007年4月11日13時30分24秒に、保守員Aから保守員Dに電子メールが送信された。
(対応履歴3)2007年4月11日14時05分31秒に、電話番号090−4567−8901(保守員D)から、電話番号090−9876−5432(部材調達業者)に宛てて電話がかけられた。
【0036】
なお、「記録(連絡の内容)」列には、連絡が電子メールで行われた場合はその電子メールの内容、連絡が電話で行われた場合はその通話音声の録音データが、電子ファイルとして格納される。
【0037】
対応プロセス取得手段130が上述のような対応履歴を取得する手法としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0038】
(取得手法例1)
各保守員は、当該障害への対応に関連して連絡を行うごとに、手作業でその連絡内容を異常通知装置100へ送信する。送信手段としては、電子メールやWebフォーム等の電子的入力フォームなどを用いればよい。
対応プロセス取得手段130は、その送信内容を受信し、対応記録記憶手段140に格納する。
【0039】
(取得手法例2)
各保守員同士や、保守員と異常通知装置100などとの間の連絡は、全て異常通知装置100を介して行う。
【0040】
(取得手法例2:電子メールの場合)
電子メールで連絡を行う場合、保守員は、件名欄や本文欄に所定の書式で当該電子メールの宛先を記載して、異常通知装置100に送信する。
対応プロセス取得手段130は、その電子メールを受信し、所定欄に所定書式で記載された宛先に当該電子メールを転送するとともに、その内容や送信元/送信先などの情報を、対応履歴として記録する。
本手法を用いる場合、異常通知装置100は、電子メールサーバーとしての機能を備える必要がある。
【0041】
(取得手法例2:電話の場合その1)
電話で連絡を行う場合、保守員は、まず異常通知装置100に電話をかける。
対応プロセス取得手段130は、その呼を受信すると、呼の転送先電話番号を入力するように、音声案内などで促す。
保守員は、案内にしたがって宛先番号を入力する。以後の通話は異常通知装置100を介して行われる。また、対応プロセス取得手段130は、通話内容を録音し、適当な形式の電子ファイルとして記録する。
本手法を用いる場合、異常通知装置100は、呼制御装置としての機能を備える必要がある。
【0042】
(取得手法例2:電話の場合その2)
異常通知装置100は、各保守員などの電話番号を、適当な桁数の識別番号などと対応付け、対応表を記憶しておく。
保守員は、まず異常通知装置100に電話をかける。このとき、異常通知装置100の電話番号の後に適当な記号を介して転送先の識別番号などを入力する。例えば、「09012345678#001」などとする。
対応プロセス取得手段130は、その呼を受信すると、記号の後に付与されている識別番号に対応する宛先に呼を転送する。以後の通話は異常通知装置100を介して行われ、通話内容は電子ファイルとして記録される。
【0043】
(取得手法例2:Webフォームの場合)
Webフォームを用いて連絡を行う場合、保守員は、まずWebブラウザを用いて異常通知装置100の所定URLにアクセスし、連絡先や連絡内容を所定のWebフォームに入力する。
対応プロセス取得手段130は、その入力内容を受信し、対応記録記憶手段140に格納するとともに、連絡先に電子メールを送信するなどして、連絡が届いた旨やその内容を通知する。以後の連絡プロセスは、同様の手順の繰り返しである。
本手法を用いる場合、異常通知装置100は、Webサーバーとしての機能を備える必要がある。また、必要に応じて、さらに電子メールサーバーとしての機能を備える必要もある。
【0044】
以上、各部の詳細について説明した。
次に、異常通知装置100の動作フローについて説明する。
【0045】
図4は、異常通知装置100の全体動作フローである。以下、図4の各ステップについて説明する。なお、ここでは、各保守員が連絡を行う手段として電子メールまたは電話のいずれかを用いる例を示したが、その他の手段を用いる場合でも、動作は同様である。
【0046】
(ST401)
異常情報取得手段110は、監視対象に発生した異常についての異常情報を取得する。
【0047】
(ST402)
対応者選択手段150は、ステップST401で異常情報取得手段110が取得した異常情報に含まれる各情報と、対応候補者リスト120が保持している各保守員についての情報とを照合し、当該障害に対応できる保守員候補をリストアップする。
具体的には、対応者選択手段150は、異常情報に含まれる項目と対応候補者リスト120内の項目をそれぞれ以下のように比較し、全ての項目が相互に合致する保守員を選択する。
【0048】
(ST402:比較項目1)
異常情報の「異常コード」:対応候補者リスト120の「担当分野」
(ST402:比較項目2)
異常情報の「発生場所」:対応候補者リスト120の「担当地域」
(ST402:比較項目3)
異常情報の「発生日時」:対応候補者リスト120の「勤務時間帯」
【0049】
(ST403)
対応者選択手段150は、ステップST402でリストアップした保守員が過去に同種の障害に対応した実績を、対応記録記憶手段140が記憶している対応記録の中から検索する。
このときの検索対象は、対応記録内の「通知先」「最終解決者」「対応履歴」の少なくとも1つとする。また、検索キーは異常コードを用いるとよい。
【0050】
(ST404)
対応者選択手段150は、ステップST403で検索して得た対応実績に基づき、当該障害の対応実績がある保守員を、問題解決に最も適切な保守員として選択する。対応実績がある保守員が複数存在する場合、選択基準は以下のようなものが考えられる。
【0051】
(ST404:選択基準例1)最終解決者
対応者選択手段150は、対応記録の「最終解決者」欄に記載されている数が最も多い保守員を選択する。同種の障害の解決実績が最も多い保守員は、解決手法に精通していると思われることによる。
【0052】
(ST404:選択基準例2)最終解決者+発生日時
対応者選択手段150は、対応記録の「最終解決者」欄に記載されている保守員の中から、「発生日時」欄の日時が最も新しい保守員を選択する。同種の障害に最も最近対応した保守員は、解決過程の記憶も新しいと思われることによる。
【0053】
(ST404:選択基準例3)条件を緩和
対応者選択手段150は、異常情報に含まれる項目と、対応候補者リスト120が保持している項目とが全て合致しない場合でも、いくつかの条件が合致している場合は、その保守員を選択してもよい。特に、全ての項目が合致する保守員が存在していない場合は、代替案として次善の保守員を選択してもよい。
【0054】
(ST405)
異常通知手段160は、対応者選択手段150が選択した保守員に対し、電子メールや電話を発信して対応を依頼し、その旨を対応プロセス取得手段130に通知する。
電子メールで対応を依頼する場合は、依頼内容をメール本文に記載するか、もしくは依頼内容を記載したWebページのURL(Uniform Resource Locator)をメール本文に記載する。
電話で対応を依頼する場合は、例えば音声案内を用いて、依頼内容そのものを通知してもよいし、所定の連絡先電話番号やURLなどを通知して依頼内容を問い合わせるように保守員へ促してもよい。
【0055】
(ST406)
対応プロセス取得手段130は、異常通知手段160が障害対応を依頼した保守員から対応依頼を了承する旨を返信するまで待機する。
所定時間内にその旨の返信があれば本動作フローを終了し、他の障害についての異常情報を待ち受ける。所定時間内に返信がなければ、当該保守員を候補から外した上で、ステップST402に戻って同様の処理を繰り返す。
なお、障害対応依頼を受けた保守員が異常通知装置100に了承の旨を返信する手段としては、以下のような例が考えられる。
【0056】
(ST406:返信例1)
保守員は、所定の電子メールアドレス宛に、障害対応を了承する旨を、所定の書式で記載して返信する。対応プロセス取得手段130は、この返信メールを受信する。
【0057】
(ST406:返信例2)
保守員は、所定のWebフォームにアクセスし、障害対応を了承する旨を入力する。対応プロセス取得手段130は、この入力内容を取得する。
【0058】
(ST406:返信例3)
保守員は、所定の電話番号に電話をかける。対応プロセス取得手段130は、その電話を受信し、音声案内などを用いて、例えば当該障害の識別番号と、対応を了承する旨を示す番号とを入力するように、保守員に促す。対応プロセス取得手段130は、その入力内容を取得する。
【0059】
なお、ステップST402以降の処理を2回目以降に実行するときは、ステップST402〜ST404で実行する処理の条件を緩和してもよい。
例えば、ステップST403を1回目に実行するときは、対応記録内の「最終解決者」欄のみを参照するが、2回目以降はこれに加えて「対応履歴」に記載されている保守員も検索対象とする、といった処理が考えられる。
【0060】
図5は、対応プロセス取得手段130が対応履歴を取得する際の動作フローである。以下、図5の各ステップについて説明する。なお、ここでは保守員の連絡手段として、電子メールまたは電話のいずれかを用いる例を示すが、他の手段を用いる場合も同様の動作となることを付言しておく。
【0061】
(ST501)
対応プロセス取得手段130は、保守員からの発信を取得(受信)する。
(ST502)
対応プロセス取得手段130は、保守員がどのような手段を用いて連絡を発信したかを識別する。発信手段がメールである場合はステップST503へ進み、電話である場合はステップST505へ進む。
【0062】
(ST503)
対応プロセス取得手段130は、電子メールの内容(本文、ヘッダなど)を、対応する対応記録にテキストファイルなどの形式で保存する。
(ST504)
対応プロセス取得手段130は、当該電子メールが他の保守員宛である場合は、宛先保守員にその電子メールを転送する。
【0063】
(ST505)
連絡手段が電話である場合、保守員は、宛先保守員の電話番号を異常通知装置100に対して通知する。対応プロセス取得手段130は、その呼を宛先保守員の電話番号に転送する。以後の通話は、対応プロセス取得手段130を介して行われる。
【0064】
(ST506)
対応プロセス取得手段130は、保守員同士の電話会話を仲介し、通話内容を音声ファイルとして対応する対応記録に保存する。
【0065】
以上、異常通知装置100の動作フローについて説明した。
【0066】
以上のように、本実施の形態1によれば、対応プロセス取得手段130は、保守員が障害対応を行う過程の記録を取得し、対応者選択手段150は、その記録に基づき同種の障害対応実績がある保守員を選択する。
これにより、対応候補者リスト120に記載されている順序のみに左右されることなく、当該障害に対応すべき適切な保守員を呼び出すことができる。
【0067】
また、本実施の形態1において、対応者選択手段150は、同種の障害に最も多く対応し、または同種の障害を最も多く最終解決した保守員を、当該障害に対応する最適な対応者として選択することもできる。
この場合、解決手法に精通して障害を効率的に解決することができる保守員を選択することができる。
【0068】
また、本実施の形態1において、対応者選択手段150は、同種の障害に最も最近対応し、または同種の障害に最も最近最終解決した保守員を、当該障害に対応する最適な対応者として選択することもできる。
この場合も同様に、解決手法に精通して障害を効率的に解決することができる保守員を選択することができる。
【0069】
また、本実施の形態1において、対応者選択手段150は、同種の障害に対応した保守員を、対応履歴の中から抽出し、当該障害に対応する適切な対応者として選択することができる。
この場合、仮に最適な保守員が不在などで見つからなくても、代替の保守員を障害対応者として選択することができる。
この手法は、単に対応候補者リスト120に記載されている順序にしたがって次の保守員を呼び出すのではなく、同種の問題への対応実績等がある保守員の中から次善の保守員を選択する手法である。そのため、対応候補者リスト120に記載されている順序にしたがって保守員を選択する手法と比較して、より適切な保守員を選択することができる。
【0070】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、障害対応者が過去の障害事例を参照し、障害解決に役立てることのできる構成と動作例を説明する。
【0071】
図6は、本実施の形態2に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
本実施の形態2に係る異常通知装置100は、実施の形態1の図1で説明した構成に加えて、新たに対応情報検索手段170を備える。その他の構成は実施の形態1と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0072】
対応情報検索手段170は、対応記録記憶手段140が記憶している対応記録の中から同種の障害に関するものを検索すべき旨のリクエストを、保守員が所持している端末などから受け取る。また、その検索結果をリクエスト元に返信する。
【0073】
保守員から異常通知装置100に対して、上記リクエストを送信して検索結果を得る手法としては、例えば以下のような例が考えられる。
【0074】
(送信手法例1)Webクエリ
保守員は、Webブラウザを搭載した携帯端末などを用いて、異常通知装置100が提供する所定URLにアクセスし、異常コードなどの検索条件を指定して、検索結果を返信すべき旨をリクエストする。
対応情報検索手段170は、そのリクエストを例えばCGI(Common Gateway Interface)などの適当なプログラムを介して受け取り、指定された検索条件を用いて対応記録記憶手段140内を検索し、検索結果を返信する。
【0075】
(送信手法例2)電子メール
保守員は、電子メール送受信機能を備えた携帯端末などを用いて、異常コードなどの検索条件を所定の書式で記載した電子メールを、異常通知装置100宛に送信する。
対応情報検索手段170は、その電子メールを受け取り、指定された検索条件を用いて対応記録記憶手段140内を検索し、検索結果を返信する。
【0076】
図7は、対応情報検索手段170が返信する検索結果の表示画面例である。
対応情報検索手段170は、Webページや電子メールなどの形式で、上述の検索結果を、保守員が所持している端末に返信する。この検索結果は、例えば過去に発生した障害の発生日時やタイトルなど、保守員が障害の概要を把握できる程度の内容で構成しておくと好ましい。
【0077】
図8は、対応記録の内容の表示画面例である。画面上の各項目は、図3で説明したものと同様である。
【0078】
保守員は、図7で例示したような検索結果の中から、より詳細な内容を閲覧したいものを画面上で選択する。保守員が所持している端末は、その対応記録の内容を送信すべき旨のリクエストを、上記で例示した手法などを用いて異常通知装置100に送信する。このとき、保守員が所持している端末は、保守員が閲覧したい対応記録の識別番号などを、併せて送信する。
【0079】
対応情報検索手段170は、そのリクエストを受け取り、指定された識別番号などを用いて対応記録記憶手段140内の当該対応記録の内容を取得し、保守員が所持している端末に返信する。
【0080】
図8の画面の「連絡元」欄、「連絡先」欄、「記録」欄は、画面上で選択可能に構成しておくことが好ましい。
例えば、保守員が携帯端末で図8の画面を閲覧すると仮定する。保守員が「連絡元」欄や「連絡先」欄を画面上で選択すると、当該端末は電子メールや電話を発信するように構成しておくとよい。
また、「記録」欄が選択されると、その電子メールのテキストの内容や、通話録音内容を、画面上またはスピーカーなどで再生することができるように構成しておくとよい。これらのファイルサイズが大きい場合は、ファイル本体は異常通知装置100に格納したままにしておき、再生要求があったときのみ携帯端末に転送する、という構成も考えられる。
【0081】
なお、対応プロセス取得手段130が保守員同士の連絡履歴を取得できるようにする観点から、図8の画面の「連絡元」欄と「連絡先」欄から発信される電子メールや電話は、異常通知装置100に一旦送信されるように構成しておくことが好ましい。
具体的には、保守員が所持する端末は、異常通知装置100を介してその電子メールや電話を宛先に転送するため、以下に例示するような処置を行う。
【0082】
(転送処置例1)電子メールの場合
保守員が所持する端末は、転送先の電子メールアドレスを、所定書式で電子メール内に記載する。
(転送処置例2)電話の場合
保守員が所持する端末は、異常通知装置100の電話番号の後に、適当な記号を挟んで転送先の識別番号などを付与する。
【0083】
以上のように、本実施の形態2によれば、対応情報検索手段170は、対応記録記憶手段140が格納している対応記録を検索して保守員が所持する端末などに返信する。
これにより、保守員は過去の対応記録を参考にしながら障害対応を行うことができるので、効率的で確実な障害対応に資する。
【0084】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る異常通知システムの構成図である。
本実施の形態3に係る異常通知システムは、実施の形態1〜2で説明した異常通知装置100、監視対象に発生する障害を監視する監視装置900を備える。これらの装置は、インターネットなどのネットワークを介して接続されている。
【0085】
監視装置900は、監視対象の障害発生を監視する機能部(図示せず)と、障害発生を検知した際にその内容を異常情報として異常情報取得手段110に送信する通信部910と、を備える。
【0086】
通信部910が使用する通信手法は、異常情報取得手段110が使用する通信手法と合致させておく。
【0087】
例えば、通信部910が異常情報を電子メールとして送信する場合、異常情報取得手段110はSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバー機能を備える。
【0088】
また、通信部910が異常情報をWebページなどのHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で送信されるコンテンツとして送信する場合は、異常情報取得手段110はHTTPクライアントまたはHTTPサーバーとしての機能を備える。
通信部910から異常通知装置100へ異常情報を発信する場合は、通信部910はHTTPクライアント機能を備え、異常情報取得手段110はHTTPサーバー機能を備える。
異常情報取得手段110から監視装置900へ異常情報を送信するようリクエストする場合は、通信部910はHTTPサーバー機能を備え、異常情報取得手段110はHTTPクライアント機能を備える。
【0089】
以上のように、本実施の形態3によれば、異常情報取得手段110はネットワークを介して異常情報を取得する。
これにより、異常通知装置100は、遠隔の監視対象に発生する障害についての異常情報であっても、即座に取得して対応者に通知することができる。
【0090】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、保守員が異常通知装置100から対応依頼などを受け取った際に、保守員がこれに返信する手間を軽減するための構成と動作例を説明する。
なお、異常通知装置100の構成は、実施の形態1〜3で説明したものと同様である。
【0091】
図10は、異常通知手段160が送信する対応依頼メールの画面表示例である。
本実施の形態4において、異常通知手段160は、異常情報の内容を記載した対応依頼メールを、保守員が所持する端末宛の電子メールアドレス宛に送信する。
保守員が所持する端末は、この対応依頼メールを受け取ると、図10のような画面を表示する。図10の各項目の内容は、それぞれ以下の通りである。
【0092】
(項目1)電子メール宛先
図10のヘッダ部分には、電子メールの送信先(To)、送信元(From)、返信先(Reply−To)が表示されている。
【0093】
(項目2)対応依頼メッセージ
ヘッダ部分の下方には、保守員に障害対応を依頼する旨のテキストメッセージが表示されている。
【0094】
(項目3)異常情報
対応依頼メッセージの下方には、発生した障害についての異常情報が記載されている。
【0095】
(項目4)動作指示選択部
図10の画面の最下部には、以下の項目が表示されている。
【0096】
(項目4:検索要求送信指示部)
図10の「検索」と表示されている部分を保守員が画面上で選択すると、端末は、異常通知装置100に宛てて、実施の形態2で説明した検索リクエストを送信する。
【0097】
(項目4:対応了承応答指示部)
図10の「対応了承」と表示されている部分を保守員が画面上で選択すると、端末は、異常通知装置100に宛てて、当該障害への対応を了承する旨の通知を送信する。
【0098】
(項目4:対応完了応答指示部)
図10の「解決」と表示されている部分を保守員が画面上で選択すると、端末は、異常通知装置100に宛てて、当該障害への対応が完了した旨の通知を送信する。
【0099】
保守員が所持する端末が、図10のような画面を表示する際の処理手法として、例えば以下のようなものが考えられる。
【0100】
(処理手法例1)
異常通知手段160は、異常情報と必要な文字メッセージのみを記載した対応依頼メールを送信する。
端末は、対応依頼メールの送信元アドレスが所定アドレス(ここでは「master@example.com」)である場合、その電子メールは対応依頼メールであるものと判断する。
端末は、その電子メールを画面表示するとき、メールの内容に加えて、図10下半分の選択肢を自動的に生成して画面表示する。異常通知装置100との間の通信手段は、端末が独自に用意する。
【0101】
(処理手法例2)
異常通知手段160は、異常情報と必要な文字メッセージに加えて、図10下半分の選択肢を記載した対応依頼メールを送信する。
この対応依頼メールは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式で記載しておく。図10下半分の選択肢は、異常通知装置100の対応するCGI等のプログラムへ向けたURLリンクとして記載しておく。
端末は、対応依頼メールをHTMLコンテンツとして画面表示する。保守員は、図10下半分のように表示されているURLリンクを選択して、異常通知装置100に各リンクが指示する内容を送信する。
この場合、標準的なWeb技術のみを用いて図10の画面を構成することができ、開発コストなどの観点から有利である。
【0102】
以上では、対応依頼メールを例に説明したが、保守員が障害対応を開始した後に保守員同士で行う連絡メールなどについても、本実施の形態4と同様の手法を用いて、保守員の手間を軽減することもできる。
【0103】
以上のように、本実施の形態4によれば、保守員が所持する端末は、異常通知装置100に対して検索リクエストや対応開始/完了通知を行うための指示部を画面表示する。
これにより、保守員は画面上でこれらの指示部を選択するのみで異常通知装置100との間で必要な通信を行うことができるので、必要事項を入力するための手間などを軽減することができる。
【0104】
実施の形態5.
異常の実施の形態1〜4において、異常情報取得手段110、対応プロセス取得手段130、対応者選択手段150、異常通知手段160、対応情報検索手段170は、これらの機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成してもよいし、CPU(Central Processing Unit)やマイコンなどの演算装置とその動作を規定するソフトウェアなどを用いて構成してもよい。
【0105】
また、異常情報取得手段110、異常通知手段160は、必要なインターフェースを適宜備えるものとする。
【符号の説明】
【0106】
100 異常通知装置、110 異常情報取得手段、120 対応候補者リスト、130 対応プロセス取得手段、140 対応記録記憶手段、150 対応者選択手段、160 異常通知手段、170 対応情報検索手段、900 監視装置、910 通信部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象に異常が発生した旨を通知する装置およびその装置を備えた異常通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、障害通報システムに関し、『適切な保守員を迅速に障害発生装置あるいはシステムに向かわせることができる障害通報システムを提供すること』を目的とする技術として、『あらかじめ記憶テーブルに順次保守員を記憶しておき、応答がなかったときに次の保守員を呼び出すもので、障害システムに対する保守員の手配までの時間が短縮される。さらに、連絡の採れない保守員から応答があったときには、対処済みの連絡を自動的にする。これにより保守員が重複して1つの障害対象に向かうこともなくなる。』というものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、通報システムに関し、『情報処理システムにおいて異常が発生した際に、最適の呼出し対象者に対して迅速に通報すること。』を目的とする技術として、『情報処理システムの異常発生を検知し且つ異常発生状況を取得するための動作状態監視手段13と、動作状態監視手段13によって検知された情報処理システムの異常発生時期を取得するための時間監視手段17と、異常発生状況と異常発生時期とに対応して呼出しに使用する呼出し対象機器の種別及び呼出し番号の優先順位が記録された呼出し対象機器表22,23と、呼出し対象機器表を更新するための表更新手段18と、異常発生状況と異常発生時期とをキーにして呼出し対象機器表を検索し呼出し対象機器の種別及び呼出し番号を特定して呼出しを行うための呼出し手段16とを有してなる。』というものが提案されている(特許文献2)。
【0004】
また、異常通知システムに関し、『異常通知装置における異常通知先の更新にかかる手間を軽減すること。』を目的とする技術として、『携帯通信装置10において、連絡先情報管理部54は、端末装置の連絡先情報を1又は複数管理し、その連絡先情報に係る端末装置との間で通話又はデータの送受信を行う。連絡先情報送信部50は、所定のタイミングで、連絡先情報管理部54に管理される一部又は全部の連絡先情報を異常通知装置20に対して送信する。異常通知装置20において、連絡先情報記憶部88は、1又は複数の連絡先情報を記憶している。連絡先情報更新部86は、連絡先情報受信部84が連絡先情報送信部50から受信した連絡先情報に基づいて、連絡先情報記憶部88に記憶される連絡先情報を更新する。異常通知部80は、異常検出部64により所定の異常が検出されると、その異常に係る情報を連絡先情報記憶部88に記憶される少なくとも1つの連絡先情報に係る端末装置に通知する。』というものが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−314761号公報(要約)
【特許文献2】特開2000−149174号公報(要約)
【特許文献3】特開2007−317122号公報(要約)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、記憶テーブルに記憶されている順番で保守員を呼び出すため、呼び出し順が固定されている。そのため、他の保守員が対応した方が適切な場合でも、規定の順番通りの呼び出しがなされてしまう。
【0007】
上記特許文献2に記載の技術では、異常が発生した時間帯に対応付けられた呼出機器に対して呼び出しを行うため、必ずしも適切な対象者に対して呼び出しが行われるとは限らない。
【0008】
上記特許文献3に記載の技術では、連絡先情報を更新する手間を軽減することはできるが、連絡先情報に記述された所定の順序にしたがって異常通知が行われる点は、上記特許文献1〜2と同様である。
即ち、必ずしも適切な対象者に対して呼び出しが行われるとは限らない点について、上記特許文献1〜2と同様の課題を有する。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、監視対象に異常が発生した際に、適切な対応者を選定して呼び出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る異常通知装置は、監視対象に異常が発生した旨を通知する装置であって、異常の内容についての情報を取得する異常情報取得部と、異常に対応する対応者の一覧を格納した対応者リストと、対応者が異常に対応する過程の記録を取得する対応プロセス取得部と、対応プロセス取得部が取得した記録を記憶する対応記録記憶部と、異常情報取得部が取得した情報と対応記録記憶部が記憶している記録に基づき対応者リストから異常に対応すべき適切な対応者を選択する対応者選択部と、監視対象に異常が発生した旨を対応者選択部が選択した対応者に通知する異常通知部と、対応者が異常と同種の異常に対して対応した過程の記録を対応記録記憶部から検索する対応記録検索部とを備え、対応記録検索部は、対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを異常通知装置の外部から受け付けてその記録を検索し検索結果を返信するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る異常通知装置によれば、対応者が異常に対して対応した記録を取得して記憶しておき、これを対応者の選択に際して利用するので、過去の対応実績を選択基準に反映して適切な対応者を選択することができる。
また、対応記録検索部は、対応記録記憶部が格納している対応記録を検索して保守員が所持する端末などに返信する。
これにより、保守員は過去の対応記録を参考にしながら障害対応を行うことができるので、効率的で確実な障害対応に資する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
【図2】対応候補者リスト120のデータ例を示す図である。
【図3】対応記録記憶手段140が記憶する対応記録の例を示す図である。
【図4】異常通知装置100の全体動作フローである。
【図5】対応プロセス取得手段130が対応履歴を取得する際の動作フローである。
【図6】実施の形態2に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
【図7】対応情報検索手段170が返信する検索結果の表示画面例である。
【図8】対応記録の内容の表示画面例である。
【図9】実施の形態3に係る異常通知システムの構成図である。
【図10】異常通知手段160が送信する対応依頼メールの画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
異常通知装置100は、例えば太陽光発電システムや情報システムなどの監視対象に故障障害などの異常が発生した旨を対応者に通知する装置である。
以下では障害が発生したときこれを異常として通知することを前提に説明を行うが、異常の種類については特に制限はない。
【0014】
異常通知装置100は、異常情報取得手段110、対応候補者リスト120、対応プロセス取得手段130、対応記録記憶手段140、対応者選択手段150、異常通知手段160を備える。
【0015】
異常情報取得手段110は、監視対象に障害が発生した旨を表す異常情報を受け取り、対応者選択手段150に出力する。異常情報の内容については、改めて説明する。
異常情報取得手段110は、自ら監視対象を監視して異常情報を取得してもよいし、監視そのものは異常通知装置100とは別の監視装置などが行い、異常情報取得手段110はその結果を異常情報として受け取るのみでもよい。
異常情報の取得経路は、シリアルI/Fなどの回線を介するものであってもよいし、例えばC言語で実装されたソフトウェアモジュール内の関数などを介して取得する形態で実装されていてもよい。
【0016】
対応候補者リスト120は、監視対象に発生した障害に対して対応する対応者の候補リストを保持する。
対応候補者リスト120は、例えばリストの内容を記述したテキストファイルやデータベースなどの形態で、HDD(Hard Disk Drive)などの適当な記憶装置に格納される。
対応候補者リスト120は、例えば以下に例示するような、対応者とその対応可能範囲などを特定することのできる情報を保持する。対応候補者リスト120の具体例は、後述の図2で改めて説明する。
【0017】
(1)対応者の氏名やIDなどの識別子
(2)対応者の担当分野(監視対象によって内容が異なる)
(3)対応者の担当地域
(4)対応者の勤務時間帯
(5)対応者の連絡先(電子メールアドレス、電話番号など)
【0018】
対応プロセス取得手段130は、対応者が障害に対応する過程についての情報を取得する。対応プロセス取得手段130は、例えば以下のような情報を取得する。
【0019】
(1)対応者が障害対応を開始した旨の通知
(2)対応者が他の対応者との間で連絡を取った旨およびその連絡先
(3)対応者が障害対応に必要な業者連絡などを行った旨およびその連絡先
(4)対応者が障害対応を終了した旨の通知
(5)対応者が連絡を行う過程で送受信する電子メールや通話音声
【0020】
各対応者は、好適には携帯電話などの表示部を有するモバイル端末を所持しており、電話や電子メールを用いて、上記のような情報を異常通知装置100に送信する。対応プロセス取得手段130は、対応者の端末から送られてきたこれらの情報を取得する。
対応プロセス取得手段130の具体的な動作フローは、後述の図5で改めて説明する。
【0021】
対応記録記憶手段140は、例えばHDDなどの記憶装置で構成されており、対応プロセス取得手段130が取得した上記情報を、対応記録として記憶する。
【0022】
対応者選択手段150は、異常情報取得手段110が取得した異常情報と、対応記録記憶手段140が記憶している記録とを用いて、対応候補者リスト120の中から、当該障害に対応すべき適切な対応者を選択する。
【0023】
異常通知手段160は、対応者選択手段150が選択した対応者宛に、監視対象に障害が発生した旨、および当該障害に対応すべき旨を指示する対応依頼メールを送信する。電子メール以外の通信手段、例えば自動音声メッセージを発信する電話通話などを用いてもよい。
【0024】
以上、異常通知装置100の機能ブロックについて説明した。
次に、異常通知装置100の各部の詳細について説明する。
【0025】
異常情報取得手段110が取得する異常情報には、当該異常の内容に関する以下に例示するような項目が含まれるものとする。
【0026】
(異常情報1)異常コード:障害の種類を識別する番号など。
(異常情報2)発生場所:障害が発生した場所。場所の粒度は、後述の図2で説明する対応候補者リスト120の「担当地域」列の値と同程度またはそれ以下にしておくと、都合がよい。
(異常情報3)発生日時:障害が発生した日時。ここでいう日時とは、必ずしも詳細な時刻まで含んでいる必要はなく、障害に緊急性がない場合は、例えば日付のみでもよい。
【0027】
図2は、対応候補者リスト120のデータ例を示す図である。ここでは、太陽光発電システムに発生した障害に対して保守対応を行う保守員を、対応者のリストとして、テーブル形式のデータで格納している例を示した。
対応候補者リスト120は、対応者毎に、上記で説明した各項目を、テーブルの各列の値として保持する。
【0028】
図2の「担当分野」列では、障害の種類として、「出力低下」「発熱」「回線異常」「不正データ(例えば、電力量が規定値外の値を示したなど)」を例示した。
各保守員がその障害に対応できる(必要なスキルや資格などを保持している)場合は、同列の該当項目に「○」がセットされている。保守員が対応できない障害種類については、同列の該当項目は空欄である。
【0029】
図3は、対応記録記憶手段140が記憶する対応記録の例を示す図である。ここでは、太陽光発電システムに発生した出力低下障害についての対応記録例を示した。
【0030】
対応プロセス取得手段130は、障害が1件発生する毎に、図3に例示するような記録を作成し、対応記録記憶手段140に格納する。作成時点は、異常情報取得手段110が当該障害についての異常情報を受け取った時点などでもよいし、対応者が異常通知装置100へ最初に連絡事項を送信した時点(例えば対応開始通知)などでもよい。
以下、図3に示す対応記録の各項目について説明する。
【0031】
対応記録には、当該障害について異常情報取得手段110が取得した各情報、即ち「異常コード」「発生場所」「発生日時」が記録される。必要に応じて、個々の障害を識別する内部的な識別番号などを付与して記録してもよい。
【0032】
また、対応記録には、当該障害が発生した旨の通知を異常通知装置100が最初に送信した保守員(通知先)と、当該障害を最終的に解決した旨を異常通知装置100に通知した保守員(最終解決者)とが記録される。
最初と最後の保守員の間で他の保守員等との連絡が発生した場合は、その保守員等との間の連絡履歴も記録される。連絡履歴の内容については、下記で説明する。
【0033】
なお、対応記録のタイトルは、最終解決者などが適当な時点で記載する。
【0034】
各保守員と異常通知装置100、または保守員同士の連絡履歴は、図3の下部にテーブル形式で記録されている(対応履歴)。このテーブルには、各連絡の「日時」「連絡元」「連絡先」「連絡手段」「記録(連絡の内容)」が記録される。
図3の対応記録の例では、以下のような対応履歴が記録されていることが分かる。
【0035】
(対応履歴1)2007年4月11日13時10分15秒に、マスター(異常通知装置100)から保守員Aに電子メールが送信された。
(対応履歴2)2007年4月11日13時30分24秒に、保守員Aから保守員Dに電子メールが送信された。
(対応履歴3)2007年4月11日14時05分31秒に、電話番号090−4567−8901(保守員D)から、電話番号090−9876−5432(部材調達業者)に宛てて電話がかけられた。
【0036】
なお、「記録(連絡の内容)」列には、連絡が電子メールで行われた場合はその電子メールの内容、連絡が電話で行われた場合はその通話音声の録音データが、電子ファイルとして格納される。
【0037】
対応プロセス取得手段130が上述のような対応履歴を取得する手法としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0038】
(取得手法例1)
各保守員は、当該障害への対応に関連して連絡を行うごとに、手作業でその連絡内容を異常通知装置100へ送信する。送信手段としては、電子メールやWebフォーム等の電子的入力フォームなどを用いればよい。
対応プロセス取得手段130は、その送信内容を受信し、対応記録記憶手段140に格納する。
【0039】
(取得手法例2)
各保守員同士や、保守員と異常通知装置100などとの間の連絡は、全て異常通知装置100を介して行う。
【0040】
(取得手法例2:電子メールの場合)
電子メールで連絡を行う場合、保守員は、件名欄や本文欄に所定の書式で当該電子メールの宛先を記載して、異常通知装置100に送信する。
対応プロセス取得手段130は、その電子メールを受信し、所定欄に所定書式で記載された宛先に当該電子メールを転送するとともに、その内容や送信元/送信先などの情報を、対応履歴として記録する。
本手法を用いる場合、異常通知装置100は、電子メールサーバーとしての機能を備える必要がある。
【0041】
(取得手法例2:電話の場合その1)
電話で連絡を行う場合、保守員は、まず異常通知装置100に電話をかける。
対応プロセス取得手段130は、その呼を受信すると、呼の転送先電話番号を入力するように、音声案内などで促す。
保守員は、案内にしたがって宛先番号を入力する。以後の通話は異常通知装置100を介して行われる。また、対応プロセス取得手段130は、通話内容を録音し、適当な形式の電子ファイルとして記録する。
本手法を用いる場合、異常通知装置100は、呼制御装置としての機能を備える必要がある。
【0042】
(取得手法例2:電話の場合その2)
異常通知装置100は、各保守員などの電話番号を、適当な桁数の識別番号などと対応付け、対応表を記憶しておく。
保守員は、まず異常通知装置100に電話をかける。このとき、異常通知装置100の電話番号の後に適当な記号を介して転送先の識別番号などを入力する。例えば、「09012345678#001」などとする。
対応プロセス取得手段130は、その呼を受信すると、記号の後に付与されている識別番号に対応する宛先に呼を転送する。以後の通話は異常通知装置100を介して行われ、通話内容は電子ファイルとして記録される。
【0043】
(取得手法例2:Webフォームの場合)
Webフォームを用いて連絡を行う場合、保守員は、まずWebブラウザを用いて異常通知装置100の所定URLにアクセスし、連絡先や連絡内容を所定のWebフォームに入力する。
対応プロセス取得手段130は、その入力内容を受信し、対応記録記憶手段140に格納するとともに、連絡先に電子メールを送信するなどして、連絡が届いた旨やその内容を通知する。以後の連絡プロセスは、同様の手順の繰り返しである。
本手法を用いる場合、異常通知装置100は、Webサーバーとしての機能を備える必要がある。また、必要に応じて、さらに電子メールサーバーとしての機能を備える必要もある。
【0044】
以上、各部の詳細について説明した。
次に、異常通知装置100の動作フローについて説明する。
【0045】
図4は、異常通知装置100の全体動作フローである。以下、図4の各ステップについて説明する。なお、ここでは、各保守員が連絡を行う手段として電子メールまたは電話のいずれかを用いる例を示したが、その他の手段を用いる場合でも、動作は同様である。
【0046】
(ST401)
異常情報取得手段110は、監視対象に発生した異常についての異常情報を取得する。
【0047】
(ST402)
対応者選択手段150は、ステップST401で異常情報取得手段110が取得した異常情報に含まれる各情報と、対応候補者リスト120が保持している各保守員についての情報とを照合し、当該障害に対応できる保守員候補をリストアップする。
具体的には、対応者選択手段150は、異常情報に含まれる項目と対応候補者リスト120内の項目をそれぞれ以下のように比較し、全ての項目が相互に合致する保守員を選択する。
【0048】
(ST402:比較項目1)
異常情報の「異常コード」:対応候補者リスト120の「担当分野」
(ST402:比較項目2)
異常情報の「発生場所」:対応候補者リスト120の「担当地域」
(ST402:比較項目3)
異常情報の「発生日時」:対応候補者リスト120の「勤務時間帯」
【0049】
(ST403)
対応者選択手段150は、ステップST402でリストアップした保守員が過去に同種の障害に対応した実績を、対応記録記憶手段140が記憶している対応記録の中から検索する。
このときの検索対象は、対応記録内の「通知先」「最終解決者」「対応履歴」の少なくとも1つとする。また、検索キーは異常コードを用いるとよい。
【0050】
(ST404)
対応者選択手段150は、ステップST403で検索して得た対応実績に基づき、当該障害の対応実績がある保守員を、問題解決に最も適切な保守員として選択する。対応実績がある保守員が複数存在する場合、選択基準は以下のようなものが考えられる。
【0051】
(ST404:選択基準例1)最終解決者
対応者選択手段150は、対応記録の「最終解決者」欄に記載されている数が最も多い保守員を選択する。同種の障害の解決実績が最も多い保守員は、解決手法に精通していると思われることによる。
【0052】
(ST404:選択基準例2)最終解決者+発生日時
対応者選択手段150は、対応記録の「最終解決者」欄に記載されている保守員の中から、「発生日時」欄の日時が最も新しい保守員を選択する。同種の障害に最も最近対応した保守員は、解決過程の記憶も新しいと思われることによる。
【0053】
(ST404:選択基準例3)条件を緩和
対応者選択手段150は、異常情報に含まれる項目と、対応候補者リスト120が保持している項目とが全て合致しない場合でも、いくつかの条件が合致している場合は、その保守員を選択してもよい。特に、全ての項目が合致する保守員が存在していない場合は、代替案として次善の保守員を選択してもよい。
【0054】
(ST405)
異常通知手段160は、対応者選択手段150が選択した保守員に対し、電子メールや電話を発信して対応を依頼し、その旨を対応プロセス取得手段130に通知する。
電子メールで対応を依頼する場合は、依頼内容をメール本文に記載するか、もしくは依頼内容を記載したWebページのURL(Uniform Resource Locator)をメール本文に記載する。
電話で対応を依頼する場合は、例えば音声案内を用いて、依頼内容そのものを通知してもよいし、所定の連絡先電話番号やURLなどを通知して依頼内容を問い合わせるように保守員へ促してもよい。
【0055】
(ST406)
対応プロセス取得手段130は、異常通知手段160が障害対応を依頼した保守員から対応依頼を了承する旨を返信するまで待機する。
所定時間内にその旨の返信があれば本動作フローを終了し、他の障害についての異常情報を待ち受ける。所定時間内に返信がなければ、当該保守員を候補から外した上で、ステップST402に戻って同様の処理を繰り返す。
なお、障害対応依頼を受けた保守員が異常通知装置100に了承の旨を返信する手段としては、以下のような例が考えられる。
【0056】
(ST406:返信例1)
保守員は、所定の電子メールアドレス宛に、障害対応を了承する旨を、所定の書式で記載して返信する。対応プロセス取得手段130は、この返信メールを受信する。
【0057】
(ST406:返信例2)
保守員は、所定のWebフォームにアクセスし、障害対応を了承する旨を入力する。対応プロセス取得手段130は、この入力内容を取得する。
【0058】
(ST406:返信例3)
保守員は、所定の電話番号に電話をかける。対応プロセス取得手段130は、その電話を受信し、音声案内などを用いて、例えば当該障害の識別番号と、対応を了承する旨を示す番号とを入力するように、保守員に促す。対応プロセス取得手段130は、その入力内容を取得する。
【0059】
なお、ステップST402以降の処理を2回目以降に実行するときは、ステップST402〜ST404で実行する処理の条件を緩和してもよい。
例えば、ステップST403を1回目に実行するときは、対応記録内の「最終解決者」欄のみを参照するが、2回目以降はこれに加えて「対応履歴」に記載されている保守員も検索対象とする、といった処理が考えられる。
【0060】
図5は、対応プロセス取得手段130が対応履歴を取得する際の動作フローである。以下、図5の各ステップについて説明する。なお、ここでは保守員の連絡手段として、電子メールまたは電話のいずれかを用いる例を示すが、他の手段を用いる場合も同様の動作となることを付言しておく。
【0061】
(ST501)
対応プロセス取得手段130は、保守員からの発信を取得(受信)する。
(ST502)
対応プロセス取得手段130は、保守員がどのような手段を用いて連絡を発信したかを識別する。発信手段がメールである場合はステップST503へ進み、電話である場合はステップST505へ進む。
【0062】
(ST503)
対応プロセス取得手段130は、電子メールの内容(本文、ヘッダなど)を、対応する対応記録にテキストファイルなどの形式で保存する。
(ST504)
対応プロセス取得手段130は、当該電子メールが他の保守員宛である場合は、宛先保守員にその電子メールを転送する。
【0063】
(ST505)
連絡手段が電話である場合、保守員は、宛先保守員の電話番号を異常通知装置100に対して通知する。対応プロセス取得手段130は、その呼を宛先保守員の電話番号に転送する。以後の通話は、対応プロセス取得手段130を介して行われる。
【0064】
(ST506)
対応プロセス取得手段130は、保守員同士の電話会話を仲介し、通話内容を音声ファイルとして対応する対応記録に保存する。
【0065】
以上、異常通知装置100の動作フローについて説明した。
【0066】
以上のように、本実施の形態1によれば、対応プロセス取得手段130は、保守員が障害対応を行う過程の記録を取得し、対応者選択手段150は、その記録に基づき同種の障害対応実績がある保守員を選択する。
これにより、対応候補者リスト120に記載されている順序のみに左右されることなく、当該障害に対応すべき適切な保守員を呼び出すことができる。
【0067】
また、本実施の形態1において、対応者選択手段150は、同種の障害に最も多く対応し、または同種の障害を最も多く最終解決した保守員を、当該障害に対応する最適な対応者として選択することもできる。
この場合、解決手法に精通して障害を効率的に解決することができる保守員を選択することができる。
【0068】
また、本実施の形態1において、対応者選択手段150は、同種の障害に最も最近対応し、または同種の障害に最も最近最終解決した保守員を、当該障害に対応する最適な対応者として選択することもできる。
この場合も同様に、解決手法に精通して障害を効率的に解決することができる保守員を選択することができる。
【0069】
また、本実施の形態1において、対応者選択手段150は、同種の障害に対応した保守員を、対応履歴の中から抽出し、当該障害に対応する適切な対応者として選択することができる。
この場合、仮に最適な保守員が不在などで見つからなくても、代替の保守員を障害対応者として選択することができる。
この手法は、単に対応候補者リスト120に記載されている順序にしたがって次の保守員を呼び出すのではなく、同種の問題への対応実績等がある保守員の中から次善の保守員を選択する手法である。そのため、対応候補者リスト120に記載されている順序にしたがって保守員を選択する手法と比較して、より適切な保守員を選択することができる。
【0070】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、障害対応者が過去の障害事例を参照し、障害解決に役立てることのできる構成と動作例を説明する。
【0071】
図6は、本実施の形態2に係る異常通知装置100の機能ブロック図である。
本実施の形態2に係る異常通知装置100は、実施の形態1の図1で説明した構成に加えて、新たに対応情報検索手段170を備える。その他の構成は実施の形態1と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
【0072】
対応情報検索手段170は、対応記録記憶手段140が記憶している対応記録の中から同種の障害に関するものを検索すべき旨のリクエストを、保守員が所持している端末などから受け取る。また、その検索結果をリクエスト元に返信する。
【0073】
保守員から異常通知装置100に対して、上記リクエストを送信して検索結果を得る手法としては、例えば以下のような例が考えられる。
【0074】
(送信手法例1)Webクエリ
保守員は、Webブラウザを搭載した携帯端末などを用いて、異常通知装置100が提供する所定URLにアクセスし、異常コードなどの検索条件を指定して、検索結果を返信すべき旨をリクエストする。
対応情報検索手段170は、そのリクエストを例えばCGI(Common Gateway Interface)などの適当なプログラムを介して受け取り、指定された検索条件を用いて対応記録記憶手段140内を検索し、検索結果を返信する。
【0075】
(送信手法例2)電子メール
保守員は、電子メール送受信機能を備えた携帯端末などを用いて、異常コードなどの検索条件を所定の書式で記載した電子メールを、異常通知装置100宛に送信する。
対応情報検索手段170は、その電子メールを受け取り、指定された検索条件を用いて対応記録記憶手段140内を検索し、検索結果を返信する。
【0076】
図7は、対応情報検索手段170が返信する検索結果の表示画面例である。
対応情報検索手段170は、Webページや電子メールなどの形式で、上述の検索結果を、保守員が所持している端末に返信する。この検索結果は、例えば過去に発生した障害の発生日時やタイトルなど、保守員が障害の概要を把握できる程度の内容で構成しておくと好ましい。
【0077】
図8は、対応記録の内容の表示画面例である。画面上の各項目は、図3で説明したものと同様である。
【0078】
保守員は、図7で例示したような検索結果の中から、より詳細な内容を閲覧したいものを画面上で選択する。保守員が所持している端末は、その対応記録の内容を送信すべき旨のリクエストを、上記で例示した手法などを用いて異常通知装置100に送信する。このとき、保守員が所持している端末は、保守員が閲覧したい対応記録の識別番号などを、併せて送信する。
【0079】
対応情報検索手段170は、そのリクエストを受け取り、指定された識別番号などを用いて対応記録記憶手段140内の当該対応記録の内容を取得し、保守員が所持している端末に返信する。
【0080】
図8の画面の「連絡元」欄、「連絡先」欄、「記録」欄は、画面上で選択可能に構成しておくことが好ましい。
例えば、保守員が携帯端末で図8の画面を閲覧すると仮定する。保守員が「連絡元」欄や「連絡先」欄を画面上で選択すると、当該端末は電子メールや電話を発信するように構成しておくとよい。
また、「記録」欄が選択されると、その電子メールのテキストの内容や、通話録音内容を、画面上またはスピーカーなどで再生することができるように構成しておくとよい。これらのファイルサイズが大きい場合は、ファイル本体は異常通知装置100に格納したままにしておき、再生要求があったときのみ携帯端末に転送する、という構成も考えられる。
【0081】
なお、対応プロセス取得手段130が保守員同士の連絡履歴を取得できるようにする観点から、図8の画面の「連絡元」欄と「連絡先」欄から発信される電子メールや電話は、異常通知装置100に一旦送信されるように構成しておくことが好ましい。
具体的には、保守員が所持する端末は、異常通知装置100を介してその電子メールや電話を宛先に転送するため、以下に例示するような処置を行う。
【0082】
(転送処置例1)電子メールの場合
保守員が所持する端末は、転送先の電子メールアドレスを、所定書式で電子メール内に記載する。
(転送処置例2)電話の場合
保守員が所持する端末は、異常通知装置100の電話番号の後に、適当な記号を挟んで転送先の識別番号などを付与する。
【0083】
以上のように、本実施の形態2によれば、対応情報検索手段170は、対応記録記憶手段140が格納している対応記録を検索して保守員が所持する端末などに返信する。
これにより、保守員は過去の対応記録を参考にしながら障害対応を行うことができるので、効率的で確実な障害対応に資する。
【0084】
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る異常通知システムの構成図である。
本実施の形態3に係る異常通知システムは、実施の形態1〜2で説明した異常通知装置100、監視対象に発生する障害を監視する監視装置900を備える。これらの装置は、インターネットなどのネットワークを介して接続されている。
【0085】
監視装置900は、監視対象の障害発生を監視する機能部(図示せず)と、障害発生を検知した際にその内容を異常情報として異常情報取得手段110に送信する通信部910と、を備える。
【0086】
通信部910が使用する通信手法は、異常情報取得手段110が使用する通信手法と合致させておく。
【0087】
例えば、通信部910が異常情報を電子メールとして送信する場合、異常情報取得手段110はSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバー機能を備える。
【0088】
また、通信部910が異常情報をWebページなどのHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で送信されるコンテンツとして送信する場合は、異常情報取得手段110はHTTPクライアントまたはHTTPサーバーとしての機能を備える。
通信部910から異常通知装置100へ異常情報を発信する場合は、通信部910はHTTPクライアント機能を備え、異常情報取得手段110はHTTPサーバー機能を備える。
異常情報取得手段110から監視装置900へ異常情報を送信するようリクエストする場合は、通信部910はHTTPサーバー機能を備え、異常情報取得手段110はHTTPクライアント機能を備える。
【0089】
以上のように、本実施の形態3によれば、異常情報取得手段110はネットワークを介して異常情報を取得する。
これにより、異常通知装置100は、遠隔の監視対象に発生する障害についての異常情報であっても、即座に取得して対応者に通知することができる。
【0090】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、保守員が異常通知装置100から対応依頼などを受け取った際に、保守員がこれに返信する手間を軽減するための構成と動作例を説明する。
なお、異常通知装置100の構成は、実施の形態1〜3で説明したものと同様である。
【0091】
図10は、異常通知手段160が送信する対応依頼メールの画面表示例である。
本実施の形態4において、異常通知手段160は、異常情報の内容を記載した対応依頼メールを、保守員が所持する端末宛の電子メールアドレス宛に送信する。
保守員が所持する端末は、この対応依頼メールを受け取ると、図10のような画面を表示する。図10の各項目の内容は、それぞれ以下の通りである。
【0092】
(項目1)電子メール宛先
図10のヘッダ部分には、電子メールの送信先(To)、送信元(From)、返信先(Reply−To)が表示されている。
【0093】
(項目2)対応依頼メッセージ
ヘッダ部分の下方には、保守員に障害対応を依頼する旨のテキストメッセージが表示されている。
【0094】
(項目3)異常情報
対応依頼メッセージの下方には、発生した障害についての異常情報が記載されている。
【0095】
(項目4)動作指示選択部
図10の画面の最下部には、以下の項目が表示されている。
【0096】
(項目4:検索要求送信指示部)
図10の「検索」と表示されている部分を保守員が画面上で選択すると、端末は、異常通知装置100に宛てて、実施の形態2で説明した検索リクエストを送信する。
【0097】
(項目4:対応了承応答指示部)
図10の「対応了承」と表示されている部分を保守員が画面上で選択すると、端末は、異常通知装置100に宛てて、当該障害への対応を了承する旨の通知を送信する。
【0098】
(項目4:対応完了応答指示部)
図10の「解決」と表示されている部分を保守員が画面上で選択すると、端末は、異常通知装置100に宛てて、当該障害への対応が完了した旨の通知を送信する。
【0099】
保守員が所持する端末が、図10のような画面を表示する際の処理手法として、例えば以下のようなものが考えられる。
【0100】
(処理手法例1)
異常通知手段160は、異常情報と必要な文字メッセージのみを記載した対応依頼メールを送信する。
端末は、対応依頼メールの送信元アドレスが所定アドレス(ここでは「master@example.com」)である場合、その電子メールは対応依頼メールであるものと判断する。
端末は、その電子メールを画面表示するとき、メールの内容に加えて、図10下半分の選択肢を自動的に生成して画面表示する。異常通知装置100との間の通信手段は、端末が独自に用意する。
【0101】
(処理手法例2)
異常通知手段160は、異常情報と必要な文字メッセージに加えて、図10下半分の選択肢を記載した対応依頼メールを送信する。
この対応依頼メールは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式で記載しておく。図10下半分の選択肢は、異常通知装置100の対応するCGI等のプログラムへ向けたURLリンクとして記載しておく。
端末は、対応依頼メールをHTMLコンテンツとして画面表示する。保守員は、図10下半分のように表示されているURLリンクを選択して、異常通知装置100に各リンクが指示する内容を送信する。
この場合、標準的なWeb技術のみを用いて図10の画面を構成することができ、開発コストなどの観点から有利である。
【0102】
以上では、対応依頼メールを例に説明したが、保守員が障害対応を開始した後に保守員同士で行う連絡メールなどについても、本実施の形態4と同様の手法を用いて、保守員の手間を軽減することもできる。
【0103】
以上のように、本実施の形態4によれば、保守員が所持する端末は、異常通知装置100に対して検索リクエストや対応開始/完了通知を行うための指示部を画面表示する。
これにより、保守員は画面上でこれらの指示部を選択するのみで異常通知装置100との間で必要な通信を行うことができるので、必要事項を入力するための手間などを軽減することができる。
【0104】
実施の形態5.
異常の実施の形態1〜4において、異常情報取得手段110、対応プロセス取得手段130、対応者選択手段150、異常通知手段160、対応情報検索手段170は、これらの機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成してもよいし、CPU(Central Processing Unit)やマイコンなどの演算装置とその動作を規定するソフトウェアなどを用いて構成してもよい。
【0105】
また、異常情報取得手段110、異常通知手段160は、必要なインターフェースを適宜備えるものとする。
【符号の説明】
【0106】
100 異常通知装置、110 異常情報取得手段、120 対応候補者リスト、130 対応プロセス取得手段、140 対応記録記憶手段、150 対応者選択手段、160 異常通知手段、170 対応情報検索手段、900 監視装置、910 通信部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象に異常が発生した旨を通知する装置であって、
前記異常の内容についての情報を取得する異常情報取得部と、
前記異常に対応する対応者の一覧を格納した対応者リストと、
対応者が前記異常に対応する過程の記録を取得する対応プロセス取得部と、
前記対応プロセス取得部が取得した記録を記憶する対応記録記憶部と、
前記異常情報取得部が取得した情報と前記対応記録記憶部が記憶している記録に基づき前記対応者リストから当該異常に対応すべき適切な対応者を選択する対応者選択部と、
監視対象に異常が発生した旨を前記対応者選択部が選択した対応者に通知する異常通知部と、
対応者が前記異常と同種の異常に対して対応した過程の記録を前記対応記録記憶部から検索する対応記録検索部とを備え、
前記対応記録検索部は、
対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを当該異常通知装置の外部から受け付けてその記録を検索し検索結果を返信する
ことを特徴とする異常通知装置。
【請求項2】
前記対応プロセス取得部は、
前記異常の種別に関する情報を取得して前記対応記録記憶部に格納し、
前記対応者選択部は、
前記異常情報取得部が取得した情報と前記対応記録記憶部が記憶している記録に基づき、
当該異常と同種の異常に最も多く対応しまたは当該異常と同種の異常を最も多く解決した対応者を優先的に選択する
ことを特徴とする請求項1記載の異常通知装置。
【請求項3】
前記対応プロセス取得部は、
対応者が前記異常に対応した日時を取得して前記対応記録記憶部に格納し、
前記対応者選択部は、
前記異常情報取得部が取得した情報と前記対応記録記憶部が記憶した記録に基づき、
当該異常と同種の異常に最も最近対応した対応者を優先的に選択する
ことを特徴とする請求項1記載の異常通知装置。
【請求項4】
前記対応プロセス取得部は、
前記異常に対応する複数の対応者の連絡経路を取得して前記対応記録記憶部に格納し、
前記対応者選択部は、
選択した対応者が当該異常に対応できる旨を当該異常通知装置に所定時間内に返信しなかったときは、
前記連絡経路を参照して他の対応者を選択する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の異常通知装置。
【請求項5】
前記対応記録検索部は、
前記対応記録記憶部が記憶している記録に対する閲覧要求を当該異常通知装置の外部から受け付けてその記録を取得し要求元に返信する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の異常通知装置。
【請求項6】
前記異常情報取得部は、
ネットワークを介して前記異常の内容についての情報を取得する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の異常通知装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の異常通知装置と、
前記異常通知部からの通知を受信する受信端末と、
を備えたことを特徴とする異常通知システム。
【請求項8】
前記受信端末は、前記異常通知部からの通知を画面表示する表示部を備える
ことを特徴とする請求項7記載の異常通知システム。
【請求項9】
前記表示部は、
前記異常通知部から通知された異常に対して対応する旨を前記異常通知装置へ応答するよう当該受信端末に指示するための対応了承応答指示部を画面表示する
ことを特徴とする請求項8記載の異常通知システム。
【請求項10】
前記表示部は、
前記異常通知部から通知された異常に対する対応を完了した旨を前記異常通知装置へ応答するよう当該受信端末に指示するための対応完了応答指示部を画面表示する
ことを特徴とする請求項8または請求項9記載の異常通知システム。
【請求項11】
前記表示部は、
対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを前記異常通知装置へ送信するよう当該受信端末に指示するための検索要求送信指示部を画面表示する
ことを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の異常通知システム。
【請求項12】
前記受信端末は、
他の対応者宛の通信を前記異常通知装置に送信し、
前記対応プロセス取得部は、
その通信を受信して当該他の対応者に転送する
ことを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の異常通知システム。
【請求項1】
監視対象に異常が発生した旨を通知する装置であって、
前記異常の内容についての情報を取得する異常情報取得部と、
前記異常に対応する対応者の一覧を格納した対応者リストと、
対応者が前記異常に対応する過程の記録を取得する対応プロセス取得部と、
前記対応プロセス取得部が取得した記録を記憶する対応記録記憶部と、
前記異常情報取得部が取得した情報と前記対応記録記憶部が記憶している記録に基づき前記対応者リストから当該異常に対応すべき適切な対応者を選択する対応者選択部と、
監視対象に異常が発生した旨を前記対応者選択部が選択した対応者に通知する異常通知部と、
対応者が前記異常と同種の異常に対して対応した過程の記録を前記対応記録記憶部から検索する対応記録検索部とを備え、
前記対応記録検索部は、
対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを当該異常通知装置の外部から受け付けてその記録を検索し検索結果を返信する
ことを特徴とする異常通知装置。
【請求項2】
前記対応プロセス取得部は、
前記異常の種別に関する情報を取得して前記対応記録記憶部に格納し、
前記対応者選択部は、
前記異常情報取得部が取得した情報と前記対応記録記憶部が記憶している記録に基づき、
当該異常と同種の異常に最も多く対応しまたは当該異常と同種の異常を最も多く解決した対応者を優先的に選択する
ことを特徴とする請求項1記載の異常通知装置。
【請求項3】
前記対応プロセス取得部は、
対応者が前記異常に対応した日時を取得して前記対応記録記憶部に格納し、
前記対応者選択部は、
前記異常情報取得部が取得した情報と前記対応記録記憶部が記憶した記録に基づき、
当該異常と同種の異常に最も最近対応した対応者を優先的に選択する
ことを特徴とする請求項1記載の異常通知装置。
【請求項4】
前記対応プロセス取得部は、
前記異常に対応する複数の対応者の連絡経路を取得して前記対応記録記憶部に格納し、
前記対応者選択部は、
選択した対応者が当該異常に対応できる旨を当該異常通知装置に所定時間内に返信しなかったときは、
前記連絡経路を参照して他の対応者を選択する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の異常通知装置。
【請求項5】
前記対応記録検索部は、
前記対応記録記憶部が記憶している記録に対する閲覧要求を当該異常通知装置の外部から受け付けてその記録を取得し要求元に返信する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の異常通知装置。
【請求項6】
前記異常情報取得部は、
ネットワークを介して前記異常の内容についての情報を取得する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の異常通知装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の異常通知装置と、
前記異常通知部からの通知を受信する受信端末と、
を備えたことを特徴とする異常通知システム。
【請求項8】
前記受信端末は、前記異常通知部からの通知を画面表示する表示部を備える
ことを特徴とする請求項7記載の異常通知システム。
【請求項9】
前記表示部は、
前記異常通知部から通知された異常に対して対応する旨を前記異常通知装置へ応答するよう当該受信端末に指示するための対応了承応答指示部を画面表示する
ことを特徴とする請求項8記載の異常通知システム。
【請求項10】
前記表示部は、
前記異常通知部から通知された異常に対する対応を完了した旨を前記異常通知装置へ応答するよう当該受信端末に指示するための対応完了応答指示部を画面表示する
ことを特徴とする請求項8または請求項9記載の異常通知システム。
【請求項11】
前記表示部は、
対応者が同種の異常に対して対応した過程の記録を送信すべき旨のリクエストを前記異常通知装置へ送信するよう当該受信端末に指示するための検索要求送信指示部を画面表示する
ことを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の異常通知システム。
【請求項12】
前記受信端末は、
他の対応者宛の通信を前記異常通知装置に送信し、
前記対応プロセス取得部は、
その通信を受信して当該他の対応者に転送する
ことを特徴とする請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の異常通知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−123840(P2012−123840A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−56973(P2012−56973)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【分割の表示】特願2009−16482(P2009−16482)の分割
【原出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【分割の表示】特願2009−16482(P2009−16482)の分割
【原出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]