説明

疼痛の治療のための相乗的組み合わせ(カンナビノイド受容体アゴニスト及びオピオイド受容体アゴニスト)

本発明は、0.1未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有する末梢に制限されているカンナビノイドCB1受容体アゴニスト及びオピオイド受容体アゴニストを含む同時使用又は連続使用のための鎮痛薬の組み合わせを含む医薬品剤形、ならびに前記医薬品剤形を使用する、疼痛を治療するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相乗的組み合わせの分野に関し、より具体的には末梢に制限されているカンナビノイド受容体アゴニストとオピオイド受容体アゴニストとの相乗的組み合わせ及び疼痛の治療におけるこの組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
疼痛治療はしばしば、現在利用可能な薬物療法の副作用により制限される。中程度から重度の疼痛に関し、オピオイド受容体アゴニスト(オピオイド)が広範に使用されている。この群における最良の公知の化合物は、モルヒネ、コデイン、ペチジン、トラマドール、スフェンタニル及びフェンタニルである。これらの薬物は安価及び効果的であるが、依存(身体的及び心理的の両方)、呼吸抑制、筋硬直、失見当識、鎮静、悪心、嘔吐、便秘、掻痒症及び尿閉を含む重篤な副作用を罹患する。これらの苦痛の多い副作用は、使用できるオピオイドの用量を制限し、そのことは頻繁に、患者が最適以下の疼痛調節を受容するという結果をもたらす。
【0003】
副作用の重度のために、オピオイド受容体アゴニストと他の鎮痛薬との組み合わせは、オピオイドの用量を低下させるための方法として研究されてきた。この点において考慮されてきた鎮痛薬は、アスピリン、ケトロラク及びイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、メロキシカム及びセレコキシブなどのCOX−2選択的阻害剤、及びパラセタモールである。オピオイド鎮痛薬の用量における低下は、NSAIDの同時投与により可能であることが、科学文献において報告されてきた。Cataldo P.A.et al.(Surg.Gynecol.Obstet.176:435−438, 1993)、Picard P.et al.(Pain 73:401−406, 1997)、W.A.et al.(J.Urol.154:1429−1432, 1995)及び複数の他の文献は、術後疼痛緩和におけるモルヒネ及びケトロラクトロメタモール(トラドール)の組み合わせの効果を報告している。この組み合わせは、癌患者における疼痛治療に効果的であることもわかった(Joishy S.K.and Walsh D., J.Pain Symptom Manag.16:334−339, 1998)。Gupta A.Et al.(Reg.Anesth.Pain Med.24:225−230, 1999)は、この組み合わせが相乗的鎮痛効果を有するといわれ得ると示唆するのに対し、Sevarino F.B.et al.は、この組み合わせが相加作用を有すると結論付けている。静脈内プロパセタモール(パラセタモールのプロドラッグ)が、術後疼痛におけるモルヒネ節約効果を有することを示唆する、文献における幾つかの証拠がある(Binhas M.et al.,BMC Anesthesiology 4:6, 2004;Aubrun F.et al.,Br J Anaesth.90:314−319, 2003)が、モルヒネ関連副作用の低下は見られなかった。他の刊行された研究は、静脈内プロパセタモールと偽薬群の間でモルヒネ消費量の有意差を示さなかった(Varassi G.et al., Anesth.Analg.88:611−616, 1999;Fletcher D.et al.,Can.J.Anaesth.44:479−485, 1997;Siddik S.M.et al.,Reg.Anesth.Pain Med.26:310−315,2001)。
【0004】
NSAID及びCOX−2阻害剤は、中程度から重度の疼痛の治療における制限された有効性を有し、及びげっ歯類動物におけるテイルフリック試験などの抗侵害受容の前臨床閾値モデルにおいて活性はない。中枢的に作用するオピオイドなどの強力な鎮痛薬は、テイルフリック試験において強い活性を示す。オピオイド及びNSAIDの幾つかの組み合わせの間における、テイルフリック試験での相乗作用に関する前臨床証拠があるが、他の組み合わせではない。例えば、イブプロフェンは、マウステイルフリック試験においてオピオイドアゴニストであるヒドロコドン及びオキシコドンの効果を亢進することが示されてきたのに対し、アスピリンもケトロラクもヒドロコドン作用に影響を及ぼさず、イブプロフェンは、フェンタニル又はモルヒネによる鎮痛を強化しなかった(Zelcer,S.et al.,Brain Res.1040:151−156, 2005)。ラットテイルフリック試験において、それら自体により不活性であるNSAIDインドメタシン及び選択的COX−2阻害剤であるNS−398は、本モデルにおいてモルヒネの抗侵害受容性効果を増強しなかった(Wong C−S et al.,Br.J.Anaesthesia 85:747−751, 2000)。
【0005】
カンナビノイド受容体アゴニストが、鎮痛薬及び抗炎症薬としての可能性を有するという証拠が集まりつつある。カンナビノイド受容体の2つの種類、すなわち、主として中枢神経系(CNS)に局在するが、末梢ニューロン及び他の末梢組織によっても発現されるカンナビノイドCB1受容体、ならびに主に免疫細胞に局在するカンナビノイドCB2受容体が関係する(Howlett,A.C.et al.,International Union of Pharmacology.XXVII.Classification of Cannabinoid Receptors.Pharmacol.Rev.54:161−202, 2002)。末梢性に制限されるカンナビノイド受容体アゴニストは、鎮静及び向精神性効果などのCNSにおけるCB1受容体の活性化と関連した副作用がなく、疼痛の治療において有用であり得る(Piomelli D.et al., Nature 394:277−281, 1998;Ko M−C and Woods J.H.,Psychopharmacology 143:322−326, 1999;Fox A.et al., Pain 92:91−100, 2001;Johanek L.M.and Simone D.A., Pain 109:432−442, 2004;Fox A.and Bevan S.,Expert Opin.Investig.Drugs 14:695−703, 2005)。しかしながら、CNSにおけるCB1受容体を活性化する化合物とは対照的に、CNSにおいてCB1受容体を活性化させるのに十分な脳レベルに至らない用量で投与される、末梢にて制限されたカンナビノイド受容体アゴニストは、テイルフリック試験などの抗侵害受容の閾値モデルにおいて活性がない。それゆえ、これらの薬物は、単独で投与された場合、中程度から重度の疼痛を治療するのに十分な有効性を有し得ない。中枢的に作用するカンナビノイド受容体アゴニストが、脊髄レベル及び脊髄上位レベルでの相互作用を通じ相乗的様式でオピオイド受容体アゴニストと相互作用することが、文献において記載されている(Tham S.M.et al.,Br.J.Pharmacol.144:875−884, 2005;Cichewicz D.L.,Life Sciences 74:1317−1324, 2004;Pertwee R.G.,Prog.Neurobiol.63:569−611, 2001;Welch et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.272:310−321, 1995)。オピオイド受容体アゴニストとの組み合わせにおいて研究されてきた、中枢的に作用するカンナビノイド受容体アゴニスト(J.D.Richardson,J.of Pain Vol 1, No.1, 2−14, 2000)は、全身又は局所的適用における高い脳Cmax対血漿Cmax比により特徴付けられる。カンナビノイドアゴニストであるΔ−テトラヒドロカンナビノール(ΔTHC)、カンナビノール及びカンナビジオールに関する、ラットにおける脳対血漿比はそれぞれ、0.96、0.88及び2.61であると報告された(Alozie,S.O.et al,Pharmacology,Biochem.Behav.12:217−221, 1980)のに対し、Dyson et al(Pain, 116:129−137, 2005)は、ラットにおいて、ΔTHCに関して1.0、及びアミノアルキリンドールカンナビノイドアゴニストWIN55,212−2に関して1.3から1.9の脳対血漿比を報告した。
【0006】
相乗効果は、オピオイド受容体アゴニストと、脳及び脊髄へ浸透する能力の非常に低い末梢に制限されているカンナビノイド受容体アゴニストとの組み合わせに関し、期待されないであろう。
【0007】
現在利用可能な治療法と比較して副作用の低下した、中程度から重度の疼痛における効果的鎮痛を得られる鎮痛薬又は薬物の組み合わせに関する、満たされていない医学的ニーズが残っている。
【発明の開示】
【0008】
本研究の目的は、マウスにおいて静脈内投与に関し測定される0.1未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有する、末梢に制限されているカンナビノイドCB1受容体アゴニスト及び同時使用又は連続使用のためのオピオイド受容体アゴニストを含む医薬品剤形を提供することである。本発明の医薬品剤形において、末梢に制限されているカンナビノイドCB1受容体アゴニストは、相乗的様式でオピオイド受容体アゴニストの抗侵害受容性効果を亢進し得る。このような剤形によって、投与されるべきオピオイド受容体アゴニストの用量を低下でき、それによりその血漿濃度を低下させる一方で、効果的な疼痛治療をなおも提供する。このことは、オピオイド受容体アゴニストによる一過性又は長期の治療へ供されるとき、患者が経験することがある副作用並びに依存及び耐性を低下させる機会を提供する。
【0009】
本発明に関し、用語「カンナビノイド受容体」は、CB1受容体及びCB2受容体を包含するものを意図している。用語「カンナビノイド受容体アゴニスト」は、CB1受容体アゴニスト及びCB2受容体アゴニストを包含するものを意図し、これにはCB1対CB2に関して質的に非選択的である化合物、及びCB1受容体又はCB2受容体のいずれかに関する選択性の変動を示す化合物が含まれる。本発明の好ましい態様において、本発明のカンナビノイド受容体アゴニストは、CB1受容体アゴニストである。
【0010】
用語「末梢に制限されているカンナビノイドCB1受容体アゴニスト」は、意図される用量において、意図される投与経路により与えられるとき、末梢性ニューロン及び他の末梢組織におけるカンナビノイドCB1受容体を活性化するが、CNSにおけるカンナビノイドCB1受容体を有意には活性化しないカンナビノイドCB1受容体アゴニストを、包含する。CNS中の化合物の最大濃度が、中枢性CB1受容体の有意な活性化に必要なものより低いように意図される用量で、意図される経路によって投与されるとき、末梢に制限されているカンナビノイド受容体アゴニストは、十分に低い血液脳関門への浸透を有する。
【0011】
本発明による末梢性に制限されるカンナビノイドCB1受容体アゴニストは、静脈内投与後のマウスにおいて測定されるように、0.1未満の脳中最大濃度対血漿中最大濃度比から特徴付けられ及び同定され得る。好ましい末梢に制限されているカンナビノイドCB1受容体アゴニストは、0.05未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有する。特に好ましい末梢に制限されているカンナビノイド受容体アゴニストは、0.025未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有する。
【0012】
血液脳関門を横切る化合物の能力を予測するためのインシリコのモデルは、文献(Clark D.E., DDT(2003)8:927−933)に記載されている。927−933).これらのモデルは、特定のカンナビノイド受容体アゴニストが、その化学構造に基づいて、末梢に制限されそうであるかどうかを決定するのに使用され得る。例えば、極性表面積(polar surface area;PSA)と脳浸透との間の逆の関係は、70Åを超えるPSAを有する化合物が、低い脳浸透を有することが多いと考慮されると記載されている(Kelder J.et al., Pharm.Res., 16:1514−1519, 1999)。PSAは、分子の水素結合能の尺度であり、酸素原子及び窒素原子、並びに酸素原子及び窒素原子へ結合した水素からの、分子表面積への寄与を合計することにより、通常算出される。
【0013】
本発明に関し、用語「オピオイド受容体アゴニスト」は、モルヒネ様作用を有する全ての薬物を包含するものを意図している。オピオイドは、中枢に作用する鎮痛薬として主に採用され、及びそれらの特性においてアヘン又はモルヒネ様である、天然及び合成の両方の薬物の群である。オピオイドには、モルヒネ及びモルヒネ様ホモログが含まれ、例えば、多くの他のこのような誘導体のうち、半合成誘導体コデイン(メチルモルヒネ)及びヒドロコドン(ジヒドロコデイノン)が含まれる。モルヒネ及び関連オピオイドは、δ及びκオピオイド受容体と同様、μ−オピオイド受容体において、アゴニスト活性を呈し、鎮痛をもたらす。強力な鎮痛効果に加え、オピオイド受容体アゴニストは、多くの望ましくない効果も生じ得、それには例えば呼吸抑制、吐き気、嘔吐、めまい、傾眠、意識混濁、神経不安、掻痒、便秘、胆道圧上昇、尿閉及び低血圧が含まれる。
【0014】
本発明に適したオピオイド受容体の例には、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクロルファン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィネ、エプタゾシン、エチルモルヒネ、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、レボフェナシルモルファン、レボルファノール、ロフェンタニル、メタドン、メペリジン、メチルモルヒネ、モルヒネ、ナルブフィン、ネコモルヒネ、ノルメタドン、ノルモルヒネ、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、フォルコジン、プロファドール、スフェンタニル及びトラマドールが含まれる。
【0015】
本発明における使用のための好ましいオピオイド受容体アゴニストは、モルヒネ、コデイン、フェンタニル、オキシモルヒネ、オキシコドン、ヒドロモルヒネ、メタドン及びトラマドールである。本発明の医薬品剤形における使用のための特に好ましいオピオイド受容体アゴニストは、モルヒネ、コデイン、フェンタニル及びトラマドールである。
【0016】
末梢性に制限されるカンナビノイドCB1受容体アゴニスト及びオピオイド受容体アゴニストは、(いずれかの順序で)連続して又は同時に投与できる。多様な投与形態において両方の薬物を投与することも可能であり、すなわち、いずれか又は両方が、静脈内ボーラス投与又は注入により、皮下的に、筋肉内に、経口的に、直腸的に又は舌下的に投与され得る。好ましい様式において、本発明は、経口投与のための薬学的剤形を提供する。1日あたり体重1kgあたり約0.005mgから約100mgまでのカンナビノイド受容体アゴニストの用量レベルが、オピオイド鎮痛薬との組み合わせにおいて治療的に有効であり得る。
【0017】
本発明の医薬品剤形の組み合わせは、活性成分として、末梢性に制限されるカンナビノイドCB1受容体アゴニスト及び各アゴニストのための個別の剤形又はアゴニストの両方を含む剤形のいずれかにおけるオピオイド受容体アゴニストを含む。
【0018】
経口投与に関し、本発明の鎮痛薬の組み合わせの活性成分は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、溶液、懸濁液等の別個の単位として提供され得る。
【0019】
非経口投与に関し、本発明の医薬品剤形の活性成分は、単位用量又は多重用量の容器中に提供され得、例えば、密閉されたバイアル及びアンプル中の、所定の量の注入液であり得、並びに使用前に、滅菌液体担体、例えば水の添加のみを要する凍結乾燥した(凍結乾燥した)条件で保存もされ得る。
【0020】
例えば、標準的な参考文献Gennaro,A.R.et al., Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20th Edition., Lippincott Williams & Wilkins, 2000、特にPart 5:Pharmaceutical Manufacturing参照)に記載のような薬学的に許容される補助剤と混合されると、活性成分は、ピル、錠剤などの固体用量単位へと圧縮され得るか、又はカプセル若しくは坐薬へと加工され得る。薬学的に許容される液体により、活性成分は、溶液、懸濁液、乳剤の形態にある液体組成物、例えば注入製剤として、又はスプレー、例えば点鼻スプレーとして適用できる。
【0021】
固体用量単位を調製するため、充填剤、着色料、ポリマー結合剤等の従来の添加物の使用が意図される。一般的に、活性成分の機能に干渉しない、薬学的に許容される全ての添加物が使用できる。本発明の活性成分が固体組成物として投与され得る適切な担体には、適した量で使用される乳糖、デンプン、セルロース誘導体等、又はそれらの混合物が含まれる。非経口投与のため、プロピレングリコール又はブチレングリコールなどの薬学的に許容される分散剤及び/又は湿潤剤を含有する水性懸濁液、等張性食塩水及び滅菌済み注入可能溶液が使用され得る。
【0022】
本発明にはさらに、前記組み合わせに適した包装材料と組み合わせた、上述のような鎮痛薬の組み合わせが含まれ、前記包装材料には、上述のような使用のための組み合わせの使用のための説明書が含まれる。
【0023】
本発明の医薬品剤形は、疼痛の治療に適している。いかなる鎮痛薬治療をも意図しているが、本発明の組成物は、周術期疼痛、腫瘍性患者における疼痛、終末期患者における疼痛、慢性疼痛(背部痛、神経因性疼痛及び関節炎などの炎症性疼痛を含む)、産科疼痛及び月経困難の治療など、オピオイド薬物が通常指示されるであろう中程度から重度の疼痛の治療又は予防において特に有用である。
【0024】
実験
末梢に制限されているCB1受容体アゴニストの調製
2−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイルオキシメチル)−5,7−ジメチル−3−(2−メチルスルファモイルフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−キナゾリン−6−カルボン酸エチルエステル(化合物1a)を、国際特許出願第WO2003066603号(Novartis Pharma GMBH)に記載のとおり調製した。
【0025】
【化1】

【0026】
(S)−7−クロロ−3−[(5−{[3−N−(2−ヒドロキシエチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール塩酸塩(化合物2)を、下記のとおり調製した。
【0027】
【化2】

【0028】
段階Aテトラヒドロチオピラン−4−カルボニトリル
ジメトキシエタン(2.5L)中のテトラヒドロチオピラン−4−オン(75g、646mmol)及びトルエンスルホニルメチルイソシアニド(138.6g、710mmol)の混合物を0℃に冷却し、tert−ブタノール(1.3L)中のカリウムtert−ブトキシド(145g、1.29mol)の溶液を、滴下して添加した。次に、該混合物を室温へ加温し、3時間撹拌した後、ジエチルエーテル(3L)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(2×1.5L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。真空での溶媒の除去により、テトラヒドロチオピラン−4−カルボニトリルを、淡褐色の油として得た(88.3g、646mmol)。
【0029】
段階Bテトラヒドロチオピラン−4−カルボン酸
エタノール(600mL)中のテトラヒドロチオピラン−4−カルボニトリル(646mmol)の溶液を、水(1.1L)中の水酸化ナトリウム(258.4g、6.46mol)の高速撹拌の混合物へ、一部添加した。次に、該混合物を90℃へ2時間加熱し、0℃に冷却し、濃塩酸溶液でpHを2に調整した。次に、エタノールを真空除去し、懸濁液をジクロロメタン(3×1L)へ抽出した。次に、組み合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空蒸発させ、テトラヒドロチオピラン−4−カルボン酸を褐色の固体(96g、646mmol)として得た。
【0030】
段階C(テトラヒドロチオピラン−4−イル)−メタノール
無水テトラヒドロフラン(1.5L)中のボランジメチルスルフィド複合体の溶液(73.5mL、775mmol)を、無水テトラヒドロフラン(300mL)中のテトラヒドロチオピラン−4−カルボン酸(646mmol)の溶液で15分間かけて滴下して処理した。次に、混合物を70℃へ2時間加熱し、室温に冷却し、発泡が停止するまで水の滴下による添加によって反応を停止した。次に、水のさらなる部分(500mL)を添加し、テトラヒドロフランを真空除去した。次に、残渣を希塩酸溶液により酸性化し、ジクロロメタン(3×500mL)中に抽出した。次に、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を真空除去して、(テトラヒドロチオピラン−4−イル)−メタノールを褐色油(90.18g、646mmol)として得た。
【0031】
段階D:(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イル)−メタノール
水(3L)中の過ヨウ素酸ナトリウム(304g、1.42mol)の溶液を、メタノール(1.7L)中の(テトラヒドロチオピラン−4−イル)−メタノール(646mmol)の溶液で処理し、混合物を60℃へ3時間加熱した。次に、過ヨウ素酸ナトリウム(10g)を添加し、さらに1時間加熱し続けた後、全ての揮発物を真空除去した。次に、得られた顆粒状残渣を、ジエチルエーテル(2×500mL)、ジクロロメタン(2×500mL)及びメタノール(2×500mL)中の50%(v/v)ジクロロメタンを分けて、連続してともに振盪した。次に、残存する残渣を、ジクロロメタンを使用して18時間の連続抽出し、より初期の溶媒抽出物と組み合わせた溶媒を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空蒸発させ、(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イル)−メタノールを、静置で結晶化するオレンジ色の油として得た。
【0032】
段階Eトルエン−4−スルホン酸1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イルメチルエステル
クロロホルム(1.5L)中の(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イル)−メタノール(105g、640mmol)、ピリジン(155mL、1.92mol)及び4−ジメチルアミノピリジン(2.5g、20.5mmol)の溶液を、塩化p−トルエンスルホニル(244g、1.28mol)で15分かけて少量ずつ処理した。混合物を72時間撹拌し、水(2×1L)、飽和塩化ナトリウム溶液(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。有機溶媒を真空除去し、油性残渣を酢酸エチル中の60%(v/v)ヘプタンとともに振盪して、ろ過により褐色固体を得た。これを最小ジクロロメタン中に溶解し、酢酸エチル(4L)により溶出してセライトパッドを通過させた。次に、溶液容積が750mLになるまで溶媒を真空除去し、ヘプタン(1.5L)を添加した。次に、得られた懸濁液をろ過し、表題化合物を砂状有色固体(130g、408mmol)として得た。
【0033】
段階F7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール
ジメチルホルムアミド(450mL)中の7−クロロインドール(45g、296mmol)の溶液を、水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散物;17.8g、444mmol)により少量ずつ処理した。混合物を室温で30分間撹拌した。次に、トルエン−4−スルホン酸1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロ−1−チオピラン−4−イルメチルエステル(95.45g、300mmol)を、15分かけて少量ずつ添加し、該混合物を室温で72時間撹拌した。反応物を、水(2L)で反応停止し、沈殿物をろ過し、水(3×300mL)で洗浄し、乾燥し、表題化合物を無色の固体(79g、266mmol)として得た。
【0034】
段階G7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボン酸
ジメチルホルムアミド(800mL)中の1−[(1,1−ジオキソヘキサヒドロチオピラン−4イル)メチル]−7−クロロ−1H−インドール(79g、266mmol)の溶液を、窒素下、アセトン/氷槽中で冷却し、無水トリフルオロ酢酸(74.3mL、532mmol)を滴下して添加し、温度を5℃未満に維持した。該混合物を、撹拌しながら2時間かけて室温へ加温した後、水(3L)で反応停止した。得られた7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(トリフルオロメチル)−カルボニル]−1H−インドール沈殿物をろ過し、水(3×700mL)で洗浄した。湿った固体をエタノール(500mL)中で懸濁し、4M水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を添加し、撹拌しながら混合物を2時間還流加熱した。混合物を冷却し、エタノールを真空除去した。水(500mL)及びヘプタン(200mL)を添加し、5M塩酸水溶液により混合物をpH2へ酸性化した。懸濁液をろ過し、水(3×500mL)で洗浄し、乾燥し、表題化合物を明褐色の固体(70g、205mmol)として得た。
【0035】
段階H7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(750mL)中の7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボン酸(70g、205mmol)の溶液を、窒素下、0℃に冷却し、塩化オキサリル(23mL、266mmol)を滴下して添加した。該混合物を室温で16時間撹拌し、揮発成分を真空蒸発させ、残渣をジクロロメタン中に懸濁した。得られた混合物を、水酸化アンモニウム(33%水溶液、750mL)及び炭酸カリウム(56.5g、410mmol)の冷却した(0℃)混合物に(3分かけて)ゆっくり添加した。得られた二相性懸濁液を1時間撹拌した。次に、ジクロロメタンを真空除去し、塩酸水溶液によりpHを8から9に調整した。次に、懸濁液をろ過し、水(2×300mL)、ヘプタン(2×300mL)及びジエチルエーテル(2×300mL)で洗浄し、乾燥し、表題化合物を砂状有色固体(66.5g、195mmol)として得た。
【0036】
段階I7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−([1,3,4]−オキサチアゾール−2−オン−5−イル)−1H−インドール
テトラヒドロフラン(150mL)中の7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−3−カルボキサミド(10.0g、29.3mmol)及びクロロカルボニルスルフェニルクロリド(5.05mL、60.9mmol)の混合物を、窒素下、3時間撹拌しながら穏やかに還流した。反応混合物を真空濃縮し、冷却し、固体をろ過した。固体をアセトン中に採取し、混合物を真空濃縮し、冷却し、得られた淡黄褐色の固体をろ過して乾燥し、表題化合物(8.7g、21.8mmol)を得た。
【0037】
段階J7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−エチルカルボキシル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドール;7−クロロ−3−シアノ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドールとの約1:1の混合物
混合したキシレン(200mL)中の7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−([1,3,4]−オキサチアゾール−2−オン−5−イル)−1H−インドール(8.3g、20.8mmol)及びエチルシアノギ酸塩(20mL、202mmol)の混合物を、3時間激しく還流しながら加熱した。得られた溶液を真空濃縮し、冷却し、さらなる沈殿が生じなくなるまでヘプタンで希釈した。得られた固体をろ過し、ヘプタンで洗浄し、乾燥し、表題混合物を淡黄褐色の固体として得た(8.2g)。
【0038】
段階K7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−ヒドロキシメチル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドール
ジクロロメタン/メタノール(1:1;240mL)中の7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−エチルカルボキシル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドール及び7−クロロ−3−シアノ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール(8.0g)の上述の混合物の溶液へ、水素化ホウ素ナトリウム(1.34g、35.4mmol)を室温で少量ずつ5分かけて添加した。反応物を15分間撹拌した。次に、アセトン(20mL)を添加し、混合物をさらに5分間撹拌した。該混合物を低容積まで真空濃縮し、さらなる沈殿が生じなくなるまで水で希釈した。沈殿をろ過し、水で洗浄し、空気乾燥した。固体をジクロロメタン(200mL)中に溶解し、水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過した。溶液を真空濃縮した。表題化合物を静置で結晶化し、ろ過した(4.5g、10.9mmol)。ろ液のさらなる濃縮は、先行段階7−クロロ−3−シアノ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−1H−インドールを通じて実施したニトリルの結晶化をもたらした(1.7g)。
【0039】
段階L7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−{5−[(メタン−スルホニルオキシ)メチル]−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドール
ジクロロメタン(200mL)中の7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−[(5−ヒドロキシメチル)−([1,2,4]チアジアゾール−3−イル)]−1H−インドール(4.5g、10.9mmol)の懸濁液へ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.7mL、21.4mmol)を添加した後、塩化メタンスルホニル(1.01mL、13.1mmol)を2から3分かけて滴下して添加した。反応物を15分間撹拌し、次に氷冷水で反応を停止し、さらに10分間撹拌した。層を分離し、有機相を水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過した。溶媒を真空除去し、残渣をアセトンから再結晶化し、表題化合物をピンク色の固体(4.2g、8.6mmol)として得た。
【0040】
段階M(S)−7−クロロ−3−[(5−{[3−N−(2−ヒドロキシエチル)カルボキサミド]ピペリジン−1−イル}メチル)−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)]−1−(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル−1H−インドール塩酸塩
アセトン(10mL)中の7−クロロ−1−[(1,1−ジオキソ−ヘキサヒドロチオピラン−4−イル)メチル]−3−{5−[(メタン−スルホニルオキシ)メチル]−([1,2,4]−チアジアゾール−3−イル)}−1H−インドール(245mg、0.5mmol)、[市販の(S)−Boc−ニペコ酸及びエタノールアミンの標準的なアミド結合から調製される](S)−N−(2−ヒドロキシエチル)ニペコタミド(103mg、0.6mmol)及び炭酸カリウム(103mg、0.75mmol)の混合物を、5時間還流加熱した。反応が不完全であるため、さらなる(S)−N−(2−ヒドロキシエチル)ニペコタミド(40mg)を添加し、さらに2時間還流し続けた。無機物をろ過した後、溶媒を真空除去し、残渣をジクロロメタンと水の間に分配した。次に、5gのStrata(商標)SCXギガチューブを通じて、粗生成物をろ過した。チューブをメタノールで洗浄し、次にメタノール中の2Mアンモニアにより溶出した。メタノール性アンモニア溶液を真空濃縮し、得られた残渣を、ジクロロメタン中の4から6%(v/v)エタノールで溶出するカラムクロマトグラフィーにより、精製し、表題化合物の遊離塩基を得た。ジクロロメタン(5mL)中の遊離塩基の溶液への、塩化水素(ジエチルエーテル中の1M溶液)の添加後の、エーテルによるジクロロメタン+微量メタノールからの2回の沈殿によって、塩酸塩225mg(0.37mmol)を非結晶性固体として得た。EsIMS:m/z 566.5[M+H]。[α]−3.37、MeOH中の1.78mg/mL。
【実施例】
【0041】
実験1
CHO細胞で発現したヒトCB1受容体における有効性及び作用強度のインビトロでの測定
ヒトCB1受容体及びルシフェラーゼリポーター遺伝子を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、フェノールレッドを有さない、ペニシリン/ストレプトマイシン(50U/50μg/mL)及びフンギゾン(1μg/mL)を含有するDMEM/F12 Nut Mix中に懸濁した。1ウェル(100μL最終容積)あたり3×10個の細胞の密度で、白色壁、白色底の96穴プレート中へ細胞を播種し、一晩温置した(37℃で約18時間、空気中の5%CO)後、アッセイした。試験化合物(DMSO中の10mM溶液)を、3%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する(フェノールレッドを有さない)DMEM/F12 Nut Mix中に希釈し、0.1mMから1nMの濃度範囲が得られた。各希釈10μLを細胞プレート中の関連ウェルへ添加し、10μMから0.1nMの最終濃度範囲が得られた。プレートを37℃で5時間温置した後、100μLのLucLite試薬を各ウェルへ添加した(製造者の説明書のとおり再溶解した)。プレートをトップシールで密閉し、Packard TopCount(単一光子計数、0.01分計数時間、計数遅延なし)で計数した。曲線適合及び最小平方和法を使用して、データを分析し、EC50値を得た。CP55940により得られた最大反応(100%)に相対的な百分率として、最大反応(有効性)を表した。
【0042】
化合物1aのEC50値は、67%の有効性で94nMであった。
【0043】
化合物のEC50値は、42%の有効性で23nMであった。
【0044】
実験2
CHO細胞で発現したヒトCB2受容体における有効性及び作用強度のインビトロでの測定
ヒトCB2受容体を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、1mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を含有するHAMS F−12中に懸濁し、ウェル(20μL最終容積)あたり2×10個の細胞の密度で白色壁、白色底の96穴プレート中へ播種し、直後にアッセイした。試験化合物(ジメチルスルホキシド(DMSO)中の10mM溶液)をまずDMSO中に100倍希釈し0.1mMのストック濃度を得て、次にリン酸塩緩衝食塩水(PBS)中でさらに希釈し、1μMから0.01nMの最終濃度範囲が得られた。化合物をCB2細胞の存在下で37℃で30分間温置した後、1μMフォルスコリン(最終濃度)で30分間温置した。製造者の説明書に従い、DiscoveRx cAMP XS EFCアッセイキットを使用して、cAMP測定を実施した。プレートをPackard TopCount(単一光子計数、0.01分計数時間、計数遅延なし)で計数した。曲線適合及び最小平方和法を使用して、データを分析し、EC50値を得た。CP55940により得られた最大反応(100%)に相対的な百分率として、最大反応(有効性)を表した。
【0045】
化合物1aのEC50値は、107%の有効性で3.5nMであった。
【0046】
実験3
静脈内投与後のマウスにおける薬物動態及び脳浸透
マウスにおける脳対血漿の濃度比は、血液脳関門を横切る化合物の能力を示す。カンナビノイド受容体アゴニストの静脈内投与後の総脳中濃度及び血漿濃度を、下記のとおり測定した。
【0047】
材料及び方法
試験化合物1aをMilli−Q水中に溶解し、0.6μmol/mL投与溶液を得た。尾静脈を介して静脈内ボーラス投与(5mL/kg;3μmol/kg)を投与した。
【0048】
各群4匹の動物の8群中の雄ICRマウス(Harlan、UK)に上述のとおり投与し、1、5、15、30、60、120、240及び360分後に終了した。
【0049】
試験化合物を2.6%グリセロール水溶液中に溶解し、0.6μmol/mLの投与溶液を得た。尾静脈を介して静脈内ボーラス投与(5mL/kg;3μmol/kg)を投与した。
【0050】
各群3匹の動物の3群中の雄ICRマウス(Harlan、UK)に上述のとおり投与し、5、15及び60分後に終了した。
【0051】
終了後、心臓穿刺により血液をEDTA含有チューブ中に採取した。血漿を遠心分離(3200×rcf、4℃、10分)により回収し、LC/MS/MSによる試料分析まで−20℃で保存した。脳をPBS中で3回すすぎ、各時点からプールした脳を、LC/MS/MSによる試料分析まで−20℃で保存した。
【0052】
血漿標準曲線(1から1000ng/mL)及び研究試料を、Tecan Genesisロボットを使用して調製した。手短に、血漿50μL(試料及び標準物質)を、適切な内部標準物質の公知の濃度を含有する150μLアセトニトリルへ添加した。次に、試料を遠心分離し(3200×rcf、4℃)、上清をLC/MS/MSにより分析した。
【0053】
ICRマウス脳標準曲線(化合物1aに関し10から10000ng/g及び化合物2に関し1から1000ng/g)及び試料を、手作業で調製した。対照及びプールしたICR脳試料を、氷冷PBS3容積(w/v)中でホモジナイズした。脳ホモジネート(試料及び標準物質)200μLへ、適切な内部標準物質の公知の濃度を含有する600μLアセトニトリルを添加した。次に、試料を遠心分離し(3200×rcf、4℃、10分)、上清をLC/MS/MSにより分析した。
【0054】
Luna C18(30×2mm)hplcカラムを使用するPE Sciex3000質量分析計を使用して、血漿及び脳試料を分析した。薬物動態情報は、WinNonLin(商標)ソフトウェア(Pharsight、USA)を使用して試験化合物の血漿濃度から得た。全てのデータ分析は、定量可能な範囲内の濃度データに基づいている。
【0055】
結果
3μmol/kgの静脈内投与後、化合物1aの測定された最大濃度は、血漿ホモジネート及び脳ホモジネートにおいてそれぞれ2515ng/mL及び43ng/gであった。化合物1aの脳対血漿比は、測定されたCmax濃度に基づいて0.02であった。
【0056】
3μmol/kgの静脈内投与後、化合物の測定された最大濃度は、血漿ホモジネート及び脳ホモジネートにおいてそれぞれ528ng/mL及び18ng/gであった。化合物の脳対血漿比は、測定されたCmax濃度に基づいて0.03であった。
【0057】
実験4
静脈内投与後のマウスにおけるテイルフリック潜時:化合物1a
マウステイルフリック(tail flick)試験は、抗侵害受容の閾値モデルである。本アッセイにおいて、マウスをテイルフリック装置へ配置し、その尾部を放射熱が集中したビームへ暴露した。マウスは、その尾部を熱源から離して振ることにより、有害な熱刺激に反応する。この有害刺激に反応する潜時の増大は、抗侵害受容反応として解釈できる。
【0058】
本研究の目的は、オピオイド受容体アゴニストと末梢に制限されているCB1受容体アゴニストとの同時投与から得られる正味の抗侵害受容が、オピオイド受容体アゴニスト単独で得られ得るものよりも大きいかどうかを決定することであった。本研究において、テイルフリック試験において単独で投与されたときに効果のなかった化合物1aの用量を、約50%効果をもたらすオピオイド受容体アゴニストの用量と組み合わせ、オピオイドの効果が増強できるかどうかを決定した。
【0059】
材料及び方法
体重22から32gの雄ICRマウスを計量し、処理群へ無作為に割り当てた。マウスをテイルフリック装置(Ugo Basile、Italy)に、常に動かずにいるようあらかじめ訓練する一方、テイルフリック潜時を測定した。尾部を、先から約2.5cmの点で、放射熱が集中したビームへ暴露した。テイルフリック潜時は、熱刺激の適用と尾部の引っ込めの間の間隔として定義した。組織損傷を防止するため、12秒の中断を採用した。
【0060】
実験4a:CB1受容体アゴニストである化合物1a単独の効果
8匹のマウスの4群を、静脈内投与される媒体、又は化合物1aの3用量のうちの1つで処理した(媒体:食塩水9g/L中の10%トゥイーン80;注入容積10mL/kg)。媒体又は試験化合物(3.0、10.0及び30.0μmol・kg−1)の静脈内投与前及び化合物投与20、40及び60分後に、テイルフリック潜時を測定した。
【0061】
実験4b:化合物1aと組み合わせたμオピオイド受容体アゴニストであるモルヒネの効果
最大可能効果(MPE)と比較してテイルフリック潜時の約50%増大をもたらす用量でのモルヒネ(1.56μmol・kg−1)を、テイルフリック試験において単独で抗侵害受容でない化合物1a(0.1、0.3及び1.0μmol・kg−1)の用量と組み合わせた。検査に必要な最終濃度の2倍で、化合物を調製した。化合物の等容積を混合し、10mL・kg−1の最終容積として得た。
【0062】
実験4c:化合物1aと組み合わせたμオピオイド受容体アゴニストであるフェンタニルの効果
MPEと比較してテイルフリック潜時の約50%増大をもたらす用量でのフェンタニル(0.05μmol・kg−1)を、テイルフリック試験において単独で抗侵害受容ではない化合物1a(0.1、0.3及び1.0μmol・kg−1)の用量と組み合わせた。検査に必要な最終濃度の2倍で、化合物を調製した。化合物の等容積を混合し、10mL・kg−1の最終容積として得た。
【0063】
実験4d:化合物1aと組み合わせたμオピオイド受容体アゴニストであるコデインの効果
MPEと比較してテイルフリック潜時の約50%増大をもたらす用量でのコデイン(25.5μmol・kg−1)を、テイルフリック試験において単独で抗侵害受容でない化合物1a(0.1、0.3及び1.0μmol・kg−1)の用量と組み合わせた。検査に必要な最終濃度の2倍で、化合物を調製した。化合物の等容積を混合し、10mL・kg−1の最終容積として得た。
【0064】
マウスのさらなる群を化合物1a(1.0μmol・kg−1)で処理し、この用量は単独で与えられるとき何ら効果を有さないことを確認した。
【0065】
検査した化合物の用量、群の数及びTmaxにおいて算出した平均テイルフリック潜時+平均値の標準誤差を、表1に示す。
【0066】
データ分析
データを平均±平均値の標準誤差としてプロットした。2つの上限用量群における各マウスに関する最大効果の時間を測定し、これらの値を平均して、最大効果の平均時間を算出した。分析目的のため、この平均値に最も近い点としてTmaxを定義した。統計比較のために、Tmaxデータを使用した。
【0067】
用量反応実験のため、ノンパラメトリックな統計検定であるKruskal−Wallisの一元配置分散分析法を使用して、Tmaxデータを群間比較した。統計的有意(P<0.05)が観察される場合、ノンパラメトリックなpost−hoc検定であるDunnの検定を使用して、媒体群及び、処理群の各々を比較した(Unistat 5.0ソフトウェア)。
【0068】
相互作用実験に関し、化合物で処理した各群に関するTmaxデータを、Kruskal−Wallisの一元配置分散分析法を使用して比較した。統計的有意(P<0.05)が観察された場合、オピオイドプラス媒体群、及び組み合わせ処理群の各々を、ノンパラメトリックなpost−hoc検定であるDunnの検定を使用して比較した(Unistat 5.0ソフトウェア)。
【0069】
1.0μmol・kg−1における化合物1aの単一用量がテイルフリック潜時に効果を及ぼすかどうかを決定するため、因子が時間であるKruskal−Wallisの一元配置分散分析法を実施した。
【0070】
Tmaxにおけるテイルフリック潜時を、下記%最大可能効果(%MPE)として表した。
【0071】
【数1】

であった。
【0072】
モルヒネ、フェンタニル及びコデインを全て、Sigma Aldrich UKから購入し、食塩水中に溶解した。化合物1aを食塩水中の10%トゥイーン80中に溶解した。
【0073】
結果(表1)
3μmol/kg−1の用量において静脈内投与した化合物1aは、テイルフリック潜時に何ら効果がなかった。化合物1aのより多い用量によって、用量依存的様式でテイルフリック潜時が増大し、最大効果は注入40分後に生じた。化合物1aの30μmol/kg−1の投与後、テイルフリック潜時は7.15±0.88秒であり、これを媒体処理後の3.31秒±0.22秒のテイルフリック潜時と比較した。化合物1aのこの効果は、媒体処理とは有意に異別であった(Dunnの検定、P<0.05)。用量反応実験において、3μmol・kg−1の用量は、テイルフリック潜時に何ら効果がなかった。さらに、検査時に、化合物1aの1.0μmol/kg−1の用量は、テイルフリック潜時を増大させなかった。0.1、0.3及び1.0μmol・kg−1の用量を、組み合わせ実験のために選択した。
【0074】
モルヒネ(1.56μmol・kg−1)、フェンタニル(0.05μmol・kg−1)又はコデイン(25.5μmol・kg−1)と一緒に静脈内同時投与した0.1、0.3及び1.0μmol・kg−1の化合物1aは、用量依存的様式でテイルフリック潜時を増大させ、モルヒネに関して注入40分後、フェンタニル及びコデインに関して注入20分後にそれぞれTmaxが生じた。
【0075】
化合物1a(1.0μmol・kg−1)の上限用量及びモルヒネ、フェンタニル又はコデインの組み合わせの効果は、オピオイド単独の投与後に記録されるテイルフリック潜時とは有意に異別であった。
【0076】
結論
3.0μmol・kg−1を下回る用量で投与された化合物1aは、テイルフリック潜時に何ら効果がなかった(図1参照)。オピオイド受容体アゴニストの各々は、テイルフリック潜時を増大した。オピオイド受容体アゴニストであるモルヒネ(図2)、フェンタニル(図3)及びコデイン(図4)の各々と組み合わせて、0.1、0.3及び1.0μmol・kg−1の用量で化合物1aが投与されたとき、この効果の用量依存的増強を観察した。
【0077】
【表1】

【0078】
実験5
選択的CB1受容体アンタゴニストによるマウステイルフリック潜時増強の反転
本研究の目的は、末梢性に制限されるCB1受容体アゴニストである化合物1aとモルヒネとの同時投与がもたらす抗侵害受容の増強が、選択的CB1受容体アンタゴニストであるSR141716A(Barth,F et al.,欧州特許出願第00656354号、1995;Rinaldi−Carmona M.et al., FEBS Lett. 350:240−244, 1994)による前処理によって反転され得るかどうかを決定することであった。
【0079】
検査の組み合わせの静脈内投与20分前に、皮下投与される媒体(食塩水中の5%ムルゴフェン)又はSR141716A(3.0μmol・kg−1;注入容積10mL・kg−1)を用いて1群8匹のマウス5群を前処理した。静脈内投与のために、化合物の等容積を混合し、10mL・kg−1の最終容積とした:食塩水中の10%トゥイーン80(5mL・kg−1)又は化合物1a(食塩水中の10%トゥイーン80中の1.0μmol・kg−1;5mL・kg−1)のいずれかと組み合わせた食塩水(5mL・kg−1)又はモルヒネ(食塩水中の1.51μmol・kg−1;5mL・kg−1)。化合物投与前及び化合物の静脈内投与20、40、60及び90分後に、テイルフリック潜時を測定した。
【0080】
検査した化合物の用量、群の数及びTmaxで算出した平均テイルフリック潜時+平均値の標準誤差を、表2に示す。
【0081】
実験4に関して記載のとおり、データ分析を実施した。
【0082】
結果(表2)
静脈内投与後のモルヒネは、媒体で(皮下的に)前処理したマウスにおいて、テイルフリック潜時を3.53±0.13秒から6.78±0.27秒まで増大させた。1.0μmol・kg−1の化合物1a及び1.51μmol・kg−1のモルヒネの組み合わせは、テイルフリック潜時を11.33±0.36秒まで増大させた。この効果は、媒体と組み合わせたモルヒネの投与後に観察されるものとは有意に異なっていた(Dunnの検定P<0.01)。この増強は、選択的CB1受容体アンタゴニストであるSR141716Aによる(皮下)前処理により遮断された。SR141716A後に化合物1aと組み合わせたモルヒネを受容した動物において、テイルフリック潜時は6.75±0.77秒であった。SR141716A単独では、テイルフリック潜時に何ら効果はなかった。
【0083】
結論
化合物1aによるマウステイルフリック試験におけるモルヒネの効果の増強は、選択的CB1受容体アンタゴニストであるSR141716Aによる前処理により完全に反転した(図5)。この結果は、観察された増強が、薬物動態学的相互作用よりもむしろ薬力学的相互作用の結果であり、効果がCB1受容体によって仲介されることを示す。
【0084】
【表2】

【0085】
実験6
静脈内投与後のマウスにおけるテイルフリック潜時:化合物2
本研究の目的は、オピオイド受容体アゴニストと末梢性に制限されるCB1受容体アゴニスト化合物との同時投与がもたらす正味の抗侵害受容が、オピオイド受容体アゴニスト単独で得られ得るものよりも大きいかどうかを決定することであった。本研究において、テイルフリック試験において単独で投与されたときに効果のなかった化合物の用量を、約50%の効果をもたらすオピオイド受容体アゴニストの用量と組み合わせ、オピオイドの効果が増強され得るかどうかを決定した。
【0086】
材料及び方法
実験4のとおり。
【0087】
実験6a:CB1受容体アゴニストである化合物単独の効果
8匹のマウスの4群を、静脈内投与される媒体、又は化合物の3用量のうちの1つを用いて処理した(媒体:食塩水9g/L中の10%トゥイーン80;注入容積10mL/kg)。媒体又は試験化合物(10.0、30.0及び60.0μmol・kg−1)の静脈内投与前及び化合物投与20、40及び60分後に、テイルフリック潜時を測定した。
【0088】
実験6b:化合物2と組み合わせたμオピオイド受容体アゴニストであるモルヒネの効果
最大可能効果(MPE)と比較してテイルフリック潜時の約50%増大をもたらす用量でのモルヒネ(1.56μmol・kg−1)を、テイルフリック試験において単独で抗侵害受容ではない化合物(3.0、10.0及び30.0μmol・kg−1)の用量と組み合わせた。検査に必要な最終濃度の2倍で、化合物を調製した。化合物の等容量を混合し、10mL・kg−1の最終容積として得た。マウスのさらなる群を化合物(30μmol・kg−1)で処理し、単独で与えられたとき、この用量が何ら効果を有さないことを確認した。
【0089】
検査した化合物の用量、群の数及びTmaxにおいて算出した平均テイルフリック潜時+平均値の標準誤差を、表3に示す。
【0090】
データ分析
実験4のとおり。
【0091】
結果(表3)
30μmol/kg−1の用量で静脈内投与した化合物は、テイルフリック潜時に何ら効果がなかった(図6)。60μmol・kg−1の用量は、テイルフリック潜時を有意に増大し(Dunnの検定、P<0.05)、最大効果は注入20分後に生じた。モルヒネ(1.56μmol・kg−1)と一緒に静脈内同時投与した3.0、10.0及び30.0μmol・kg−1の化合物は、用量依存的様式でテイルフリック潜時を増大し、Tmaxは注入40分後に生じた(図7)。
【0092】
化合物(30.0μmol・kg−1)の上限用量及びモルヒネの組み合わせの効果は、オピオイド単独の投与後に記録されたテイルフリック潜時とは有意に異なっていた。さらに、化合物の30.0μmol・kg−1用量が、本実験に包含され、テイルフリック潜時を増大させなかった。
【0093】
結論
30.0μmol・kg−1の用量で投与した化合物は、テイルフリック潜時に何ら効果がなかった。テイルフリック潜時に及ぼすモルヒネの効果の用量依存的増強は、化合物が、モルヒネと組み合わせて3.0、10.0及び30.0μmol・kg−1の用量で投与されたときに観察された。
【0094】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、化合物1aをマウスに静脈内投与したときのテイルフリック潜時に及ぼす影響を調べた結果を示す。
【図2】図2は、化合物1aおよびモルヒネをマウスに一緒に静脈内投与したときのテイルフリック潜時に及ぼす影響を調べた結果を示す。
【図3】図3は、化合物1aおよびフェンタニルをマウスに一緒に静脈内投与したときのテイルフリック潜時に及ぼす影響を調べた結果を示す。
【図4】図4は、化合物1aおよびコデインをマウスに一緒に静脈内投与したときのテイルフリック潜時に及ぼす影響を調べた結果を示す。
【図5】図5は、化合物1aおよびモルヒネを、選択的CB1アゴニストSR141716Aにより前処理されたマウスに一緒に静脈内投与したときのテイルフリック潜時に及ぼす影響を調べた結果を示す。
【図6】図6は、化合物2をマウスに静脈内投与したときのテイルフリック潜時に及ぼす影響を調べた結果を示す。
【図7】図7は、化合物2およびモルヒネをマウスに一緒に静脈内投与したときのテイルフリック潜時に及ぼす影響を調べた結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンナビノイド受容体アゴニストが、0.1未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有するように末梢に制限されていることを特徴とする、カンナビノイドCB1受容体アゴニスト及びオピオイド受容体アゴニストを含む、同時使用又は連続使用のための鎮痛薬の組み合わせを含む医薬品剤形。
【請求項2】
末梢に制限されているカンナビノイド受容体アゴニストが、0.05未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有する、請求項1の医薬品剤形。
【請求項3】
オピオイド受容体アゴニストが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、シクロルファン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアモルヒネ、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィネ、エプタゾシン、エチルモルヒネ、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、レボフェナシルモルファン、レボルファノール、ロフェンタニル、メタドン、メペリジン、メチルモルヒネ、モルヒネ、ナルブフィン、ネコモルヒネ、ノルメタドン、ノルモルヒネ、アヘン、オキシコドン、オキシコンチン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、フォルコジン、プロファドール、スフェンタニル及びトラマドールより選択される、請求項1又は2の医薬品剤形。
【請求項4】
オピオイド受容体アゴニストが、モルヒネ、コデイン、フェンタニル、オキシモルヒネ、オキシコドン、ヒドロモルヒネ、メタドン及びトラマドールより選択される、請求項3の医薬品剤形。
【請求項5】
オピオイド受容体アゴニストが、モルヒネ、コデイン、フェンタニル及びトラマドールより選択される、請求項1から4のいずれか1項の医薬品剤形。
【請求項6】
カンナビノイド受容体アゴニストが、オピオイド受容体アゴニストと同時に又は連続して投与される、疼痛の治療のための薬物の調製のための、0.1未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有する末梢に制限されているカンナビノイドCB1受容体アゴニストの使用。
【請求項7】
0.1未満の脳Cmax対血漿Cmax比を有する末梢に制限されているカンナビノイドCB1受容体アゴニスト及びオピオイド受容体アゴニストの同時投与又は連続投与を含む、疼痛の治療のための方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2009−500439(P2009−500439A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520851(P2008−520851)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063985
【国際公開番号】WO2007/006732
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】