説明

症例画像登録装置、方法およびプログラム

【課題】画像を症例DBへ登録する際の分類の選択作業を効率化する。
【解決手段】登録画像に類似する症例画像である類似画像に対応するメタ情報から所望のメタ情報をユーザに選択させ、選択されたメタ情報と登録画像とを対応づけてデータベースに登録する。類似画像の特徴は、登録画像の特徴と類似しているため、類似画像のメタ情報は、登録画像のメタ情報の候補として適切であり、ユーザはこの候補から所望のメタ情報を選ぶだけで済むから、ユーザ自身がデータベース上で細分化された分類をいちいち確認して適切なものを選ぶ手間が省ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断対象画像から抽出した特徴量に基づいてその診断対象画像と類似する症例画像を検索するためのデータベースへ症例画像を分類して登録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像データ入力手段が、被写体画像中に設定されたROIの画像データP′を入力し、検索手段が、入力されたROI画像データP′と画像の特性が類似している部分を有する類似画像データとその類似画像データに関連する診断データを症例データベースから検索して読み込む。検索手段は、選択手段により選択された類似判定項目について類似性を判定して検索を行う。出力手段が、検索手段による検索結果を表す検索結果情報を表示手段に出力し表示手段が検索結果をモニタに表示させる。
【0003】
特許文献2は、電子化された医学書を格納したデータベースの検索システムの一例である。一般に電子医学書とは、医学書を電子化することによりコンピュータ上で閲覧できるようにされているコンテンツである。症例データベースの各症例データには、関連する電子医学書の情報を参照できるハイパーリンクなどのデータを対応づけることがある。
【0004】
特許文献3および4は、階層化された医用データベースの一例である。
【0005】
特許文献5は、医用情報を分類してデータベースに登録する一例である。
【0006】
特許文献6は注目領域の位置情報をもとに病変領域を抽出する技術の一例である。
【0007】
非特許文献1は関心領域中の画像特徴量の算出技術の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−5364号公報
【特許文献2】特開2004−118566号公報
【特許文献3】特開2007−105461号公報
【特許文献4】特開2004−185330号公報
【特許文献5】特開2004−334647号公報
【特許文献6】特開2008−245719号公報
【非特許文献1】クーツ、エドワーズ、テイラー、「動的見えモデル」、第5回計算機視覚欧州会議報、ドイツ、シュプリンガー、1998年、第2巻484−498頁(T. F. Coootes, G. J. Edwards, C. J. Taylor “Active Appearance Models”, In Proc. 5th European Conference on Computer Vision, Springer)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
医用画像症例データベース(症例DB)は、教育や診断支援を目的に、各疾患の典型画像や参考にすべき症例画像をピックアップし、データベースに登録・記憶し、必要に応じて閲覧できるシステムである。この症例DBに画像を登録する場合、画像の各分類は一覧やツリーのような構造をもって登録者に提示され(図2、図3参照)、提示された分類から手作業で適切な分類を選択する。この分類の項目は、症例DBが充実して精緻になるに従って多くなり、また、複数の分類に同じ画像を登録する場合などを考えると、煩雑で時間のかかる作業となり、作業の効率化が望まれる。
【0010】
また、症例DBに登録した画像を電子医学書の医学情報に関連づけて参照できるようにしたい場合、症例DBの画像の分類構造が電子医学書の画像の分類構造と同じであれば、登録した画像の属する分類と同じ電子医学書の画像の分類を対応づけるリンク情報を自動で登録した画像に付与することが考えられる。しかし、症例DBの分類は目的に応じて自由に設定できるのが望ましいので、症例DBの分類構造と電子医学書の分類構造が常に一致するとは限らない。よって、症例DBへの画像の登録時に電子医学書へのリンク情報を逐一手動で設定することになるが、これは煩雑な作業となり望ましくない。
【0011】
本発明は、画像を症例DBへ登録する際の分類の選択作業を効率化することを目的とする。また望ましくは、本発明は、画像を症例DBへ登録する際、当該画像と電子医学書の医学情報へのリンク情報を作成する作業を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る症例画像登録装置は、症例画像と症例画像のメタ情報とを対応づけて記憶するデータベースと、所望の登録画像に類似する症例画像である類似画像をデータベースから検索する検索部と、検索部の検索した類似画像に対応するメタ情報を提示するメタ情報提示部と、メタ情報提示部の提示したメタ情報の中から所望のメタ情報の選択を受け付けるメタ情報選択部と、メタ情報選択部の選択したメタ情報と登録画像とを対応づけてデータベースに記憶する記憶制御部と、を備える。
【0013】
好ましくは、所望のメタ情報の指定を受け付けるメタ情報指定部を備え、検索部は、メタ情報指定部から指定されたメタ情報に対応する症例画像の中から登録画像に類似する類似画像を検索する。
【0014】
好ましくは、メタ情報提示部は、検索部の検索した類似画像に対応するメタ情報のうち重複するメタ情報を統合して提示する。
【0015】
好ましくは、メタ情報提示部は、検索部の検索した類似画像に対応するメタ情報のうち重複するメタ情報から優先的に一覧に提示する。
【0016】
好ましくは、データベースは症例データベースおよび電子医学書データベースを含む。
【0017】
好ましくは、検索部は、登録画像に類似する類似画像を電子医学書データベースから検索し、記憶制御部は、電子医学辞書データベースから検索された類似画像に対応するメタ情報の中からメタ情報選択部により選択されたメタ情報にリンクする情報を登録画像と対応づけて症例データベースに記憶する。
【0018】
好ましくは、メタ情報選択部の選択したメタ情報を編集するメタ情報編集部を備え、記憶制御部は、メタ情報編集部の編集したメタ情報と登録画像とを対応づけてデータベースに記憶する。
【0019】
好ましくは、メタ情報は症例画像の分類情報を含む。
【0020】
好ましくは、分類情報は、症例画像に関する診断名、所見、病原体、症状および患部のうち少なくとも1つを示す情報を含む。
【0021】
本発明に係る症例画像登録方法は、コンピュータが、症例画像と症例画像のメタ情報とを対応づけて記憶するデータベースから、所望の登録画像に類似する症例画像である類似画像を検索するステップと、検索した類似画像に対応するメタ情報を提示するステップと、提示したメタ情報の中から所望のメタ情報の選択を受け付けるステップと、選択したメタ情報と登録画像とを対応づけてデータベースに記憶するステップと、を実行する。
【0022】
この症例画像登録方法をコンピュータに実行させるための症例画像登録プログラムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によると、登録画像に類似する症例画像である類似画像に対応するメタ情報から所望のメタ情報をユーザに選択させ、選択されたメタ情報と登録画像とを対応づけてデータベースに登録する。類似画像の特徴は、登録画像の特徴と類似しているため、類似画像のメタ情報は、登録画像のメタ情報の候補として適切であり、ユーザはこの候補から所望のメタ情報を選ぶだけで済むから、ユーザ自身がデータベース上で細分化された分類をいちいち確認して適切なものを選ぶ手間が省ける。また、電子医学書データベースの類似画像のメタ情報に対するリンク情報を登録画像とともに簡単に症例データベースに記憶できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】症例画像登録システムの概略構成図
【図2】症例データベースの階層構造(ツリー構造)の一例を示す図
【図3】症例データベースの階層構造に対応する分類情報の一覧の例を示す図
【図4】分類情報提示の一例を示す図
【図5】提示された分類情報の中から選択された分類情報の一例を示す図
【図6】編集・登録画面の一例を示す図
【図7】電子医学書のデータベースから検索された類似画像および当該類似画像に対応する分類情報の一例を示す図
【図8】当該電子医学書のデータベースの検索結果から作成された分類候補提示情報の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は本発明の好ましい実施形態に係る症例画像登録システム100の概略構成図である。このシステムは、類似検索部1、分類特定部2、分類候補提示部3、分類選択部4、分類登録部5、症例データベース(DB)6を含む。症例画像登録システム100は、コンピュータ(CPU,RAM,ROMなど演算処理に必要な回路、データ記憶媒体、データ入出力回路、表示回路、操作装置、通信回路などを備えたもの)で構成することができる。各ブロックは1つのコンピュータに一体的に構成されていてもよいが、各々のブロックを単独のコンピュータやロジック回路で構成し、かつそれらをネットワークやシステムバスなどのデータ通信手段で接続することでこのシステムを構成してもよい。また、類似検索部1、分類特定部2、分類登録部5はコンピュータで実行されるプログラムモジュール(ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に格納)で代替することもでき、必ずしも特定のハードウェア構成を要求するのではない。分類候補提示部3はディスプレイ、症例DB6はハードディスク、分類選択部4はキーボードやマウスやタッチパネルなどの操作装置で構成できる。
【0026】
症例DB6には、検索対象画像となる症例画像に対応するメタ情報が格納されている。ここで、症例画像は、対応するメタ情報に規定される分類情報に従い、疾患別(例えば特許文献5と同様、ICD10に対応した病名コード別)や所見(病変の性状)別に分類されて症例DB6に格納されている。症例画像およびメタ情報からなるデータセットの分類の単位は、ディレクトリ、フォルダ、パーティションのように症例DB6に設けられた論理的な格納単位に対応するものとする。この論理的な格納単位は、階層構造(ツリー構造)をとることができる(図2参照)。図3は、図2の階層に対応する分類情報の一覧の例を示す。
【0027】
各分類に対応するデータセットを物理的な格納単位に格納することで分類してもよい。物理的な格納単位ごとに個別の論理的な格納単位を設けることもできる。例えば、症例DB6とは別の物理的あるいは論理的な格納単位に、電子医学書のデータベースを構築し、その中では、症例DB6とは異なる階層構造を構築できる。
【0028】
症例DB6には、分類(疾患)別に統計情報、疾患情報、電子医学書の医学情報(特定の疾患に対しては間違えられやすい疾患の疾患情報や当該疾患に関する症例画像など)がハイパーリンクなどでリンクされている。リンク情報はメタ情報に含めることができる。1つの症例画像にリンクする医学情報は1つでも複数でもよい。電子医学書は症例DB6に蓄積されていてもよいし症例DB6とは別のデータベース(例えば特許文献2参照)に蓄積されてもよい。
【0029】
メタ情報には症例情報を含めることができる。症例情報には、画像診断名、病理診断名、所見(浸潤影、腫瘤、蜂窩肺など)、「CR」や「CT」などの撮像モダリティ情報、患者の氏名、年令、性別等の患者に関する個人情報を示す患者関連情報、担当医師名、症例カンファレンスのあった年月日、撮像部位を示す撮像部位情報、読影医が作成した診断レポート等のテキストベースの診断情報が含まれる。
【0030】
また、疾患別の統計情報には、例えば、下記の情報が含まれる。
・代表症例における類似度(疾患内の最高類似度)
・平均類似度
・症例DB内の該当疾患の総登録件数
・代表症例に近い症例 (症例パターン) の登録件数
・症例パターンにおける特徴… 主な症状
・症例パターンにおける患者の特徴…平均年齢、病歴、喫煙歴など
・全国/地域別罹患率
・その他
症例DB6には、登録されている各症例画像の部位から抽出された特徴量(第2の特徴量)が格納されている。ただし、症例画像自体が症例DB6に蓄積されていれば、事後的にその症例画像を解析することで第2の特徴量を得ることができるから、症例DB6に第2の特徴量を登録することが本願発明の実施にあたって常に必ず必要なのではない。
【0031】
類似検索部1は、CT画像、MRI画像、PET画像、X線画像(CR画像含む)、US(超音波)画像、内視鏡画像、マンモグラフィ、病理画像などの登録画像を入力する。類似検索部1は、これらの登録画像と、登録画像のサイズや撮像日時といった付帯情報や症例情報を入力することもできる。類似検索部1および医療用画像診断装置の間の通信プロトコルおよび登録画像および付帯情報のフォーマットは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)のような所定の規格に従っている。
【0032】
類似検索部1は、入力された登録画像を解析し、症例DB6に蓄積された症例画像の検索に必要な特徴量(第1の特徴量)を作成する。
【0033】
類似検索部1によって算出される特徴量は画像データの平均、分散、最大値、最小値、輝度ヒストグラムといった画素値に関する特徴量や、関心領域の位置、輪郭の円形度やモーメント、断面の半径、体積、面積など形状に関する特徴量の他、非特許文献1の手法によって得られる、ROI(関心領域)の病変部の形状情報やテクスチャ情報でもよい。あるいは、症例DB6に一旦登録された情報を所定の数式(例えば主成分分析、独立成分分析)で処理した値を特徴量としてもよい。要するに、公知の手法で得られた画像の輪郭・画素値、位置情報などを特徴量とすることができる。
【0034】
また、特徴量の計算の前処理として画像の病変領域を特定し、その病変領域を対象とした特徴量の計算を行ってもよい。病変領域の特定の例としては、特許文献6のような注目領域の位置情報をもとに領域を抽出する手法などがある。
【0035】
また、病変領域の特定は必ずしも全自動でなくてもよく、ユーザによる操作装置の指定した領域近傍の特徴量(画素値に関する特徴量あるいは輪郭など形状に関する特徴量)を利用した画像処理技術で半自動的に抽出してもよい。このように、病変部位に特化した特徴量を用いることで、着目した病変部位と類似する症例画像の検索を行える。
【0036】
類似検索部1は、第1の特徴量と症例DB6に蓄積された症例画像の特徴量(第2の特徴量)とを比較し、両者の類似度を算出する。第2の特徴量は症例画像と同じ手法に従って予め作成および蓄積されている。
【0037】
類似度の算出方法としては公知のもの、例えば特徴量の値の差分、特徴量空間(重み付き空間も可)上の最小2乗法などが採用できる。説明の便宜上、類似度Sは以下の数式で定義する。ただし、本願発明の実施のために、類似度Sの算出基準がこの定義に限定されるわけではない。
【0038】
【数1】

【0039】
特徴量m(i=1,2,…,n)は登録済みの症例画像の注目領域の特徴量、M(i=1,2,…,n)は診断画像の注目領域から抽出された特徴量である。w(i=1,2,…,n)は、疾患別に予め定義された各特徴量に対する重み付け係数である。m、M、wの添え字iは特徴量空間上の座標軸を示す。双方の特徴量が近いほど類似度Sの値が小さくなり、双方の特徴量が遠いほど類似度Sの値が大きくなる。
【0040】
類似検索部1は、症例DB6に蓄積された全ての症例画像あるいは予め操作装置から指定された付随検索項目に対応する症例画像のうち、登録画像の特徴量情報との類似度Sが所定の閾値よりも高い第2の特徴量に対応する症例画像である類似画像を特定する。付随検索項目はユーザが任意に指定できる情報であり、例えば、撮像部位(胸部、乳房など)、解剖学的位置情報(肝臓右葉、肺S1など)、撮像モダリティ情報、患者関連情報、画像診断名、病理診断名、所見(浸潤影、腫瘤、蜂窩肺など)、撮像モダリティ情報、担当医師名など、症例DB6のメタ情報とマッチングによる症例画像の絞り込みが可能な情報が挙げられる。そして、類似検索部1は、特定された類似画像と、その類似画像に対応する症例DB6上の分類を示す分類情報を、分類特定部2に出力する。類似検索部1は、分類情報と合わせて、対応する類似画像および症例情報(画像診断名、病理診断名、所見など)や、当該症例情報によってリンクされた電子医学書に含まれる医学情報(電子医学書における病名、病原体、症状、患部ごとの分類など)を分類特定部2に出力してもよい。医学書における分類は医学書ごとに固有であり、異なる電子医学書間で同一の分類構造を採用しているとは限らないし、電子医学書の分類構造が症例DB6の分類構造と一致しているとも限らない。
【0041】
なお、類似検索部1は、所望のクエリー画像に類似する症例画像の検索にも利用することができる。すなわち、類似検索部1は、登録画像と同様に撮像装置(CT装置、MRI装置、PET装置、X線装置、US装置、内視鏡、マンモグラフィ装置、顕微鏡用カメラなど)から所望のクエリー画像を入力し、入力されたクエリー画像に類似する症例画像を症例DB6から検索し、検索された類似症例画像を出力装置(ディスプレイ、スピーカ、プリンタ、ネットワーク上の端末)に出力することができる。出力装置は分類候補提示部3と共通化できる。
【0042】
分類特定部2は、類似検索部1から出力された分類情報に基づいて分類候補提示情報を生成する。分類情報自体がユーザにとって意味解釈できる可読的な情報(文字、映像など)であれば分類情報をそのまま分類候補提示情報に組み込むことができる。また、分類情報が階層化された構造であれば、その構造も分類候補提示情報に組み込む。分類情報がコード化されておりユーザにとって意味の理解が容易でない場合、分類情報をそれと等価な情報に置換してもよい。例えば、分類特定部2は、予め用意した病名マスタに従い、類似検索部1から入力した各ICD10コードを対応する各病名に置換した上、これらの各病名を一覧化した出力情報(典型的には映像情報)を生成する。
【0043】
重複した分類情報は同一の分類情報ごとに統合して重複を排除することが好ましい。例えば、図4(a)に示すように、分類「A−01」は類似画像「画像1」および類似画像「画像3」に重複して対応しており、分類「A−05」は類似画像「画像4」および類似画像「画像5」に重複して対応しているとする。この場合、図4(b)に示すように、「A−01」および「A−05」は一つずつ提示し、重複して提示しない。この際、異なる類似画像に対応する重複回数の多い分類情報を優先的に一覧の上位に配置してもよい(図4(c)参照)。あるいは、分類特定部2から分類情報に対応する医学情報が出力された場合は、分類情報に対応する医学情報を分類候補提示情報に組み込んでもよい。あるいは、類似画像の類似度が高いものに対応する分類情報から優先的に一覧の上位に配置してもよい。あるいは、分類情報の重複回数や対応する類似画像の類似度を出力してもよい。
【0044】
分類候補提示部3は、生成された分類候補提示情報を出力してユーザに提示する。例えば、分類候補提示情報をディスプレイなどの映像表示手段に表示する。
【0045】
分類候補提示部3は、映像表示手段以外の出力手段に代替できる。例えば出力手段をネットワークI/Fとし、所望の通信端末(パソコン、携帯電話、PDAなど)に分類候補提示情報を出力してもよい。あるいは映像表示手段とともに、印刷手段によって分類候補提示情報を出力してもよい。また、音声出力手段からの合成音声の出力などによって分類候補提示情報を出力してもよい。
【0046】
分類選択部4は、分類候補提示情報に含まれる分類情報の中から、症例DB6における登録画像の分類として登録するべき所望の分類の選択をユーザ操作により受け付ける。分類情報に対応する症例画像や医学情報が分類候補提示情報に組み込まれている場合は、分類情報、症例画像、医学情報からなる組の中から所望の分類と医学情報の組の選択をユーザ操作により受け付ける。選択する分類は1つでも複数でもよい。
【0047】
例えば、図5では、類似画像「画像3」に対応する組が選択されている。分類選択部4は、分類候補提示情報の中から選択された分類情報および当該分類情報に対応するメタ情報を、登録画像に対応するデフォルトのメタ情報として分類登録部5に出力する。分類登録部5は、そのデフォルトのメタ情報の編集・登録を行う編集・登録画面をディスプレイに表示する。このディスプレイは分類候補提示部3が分類候補提示情報を表示するものと共通化できる。
【0048】
図6に例示するように、編集・登録画面には、分類選択部4にて選択された、類似画像「画像3」に対応するメタ情報が「分類」、「医学書分類」、「画像診断名」、「病理診断名」、「所見」といった項目ごとのテキストボックスに入力されており、ユーザは操作装置を介して、テキストボックス内のデフォルトのメタ情報を自由に編集(変更、削除、追加)できる。メタ情報の編集後、操作装置を介して登録ボタンを押下すれば、それに応じて分類登録部5が編集後のメタ情報を登録画像に対応づけて症例DB6に登録する。これにより、症例DB6の格納単位のうち選択された分類に対応する格納単位に登録画像とメタ情報が格納される。デフォルトのメタ情報の一部(例えば分類情報以外の症例情報)または全部を編集しないまま登録ボタンを押下すれば、それに応じて分類登録部5が編集されないメタ情報をそのまま登録画像に対応づけて症例DB6に登録する。なお、編集・登録画面を表示せずに、選択された分類情報に対応するメタ情報の編集が全くできないようにし、分類登録部5がそのメタ情報全てをそのまま登録画像に対応づけて登録してもよい。
【0049】
以上のように、登録画像に類似する症例画像である類似画像に対応する分類情報から所望の分類情報を選択してその分類に対応する格納単位に登録画像を登録できる。
【0050】
<第2実施形態>
第1実施形態では、症例DBの症例画像を検索対象としていたが、症例画像の代わりに、電子医学書のデータベースに登録されている画像を検索対象としてもよい。この場合、分類候補提示部3が出力する分類情報は、登録画像に類似する電子医学書のデータベースの症例画像に対応するメタ情報(画像診断名、病理診断名、所見などの症例情報)となる。
【0051】
図7は、電子医学書のデータベースから検索された類似画像および当該類似画像に対応するメタ情報(分類情報)の一例であり、図8は、当該電子医学書のデータベースの検索結果から作成された分類候補提示情報の一例を示す。
【0052】
この分類候補提示情報の中から所望の分類情報を選択させ、選択された分類情報をそのままあるいは編集して登録画像と対応づけてデータベースに登録すれば、電子医学書の画像と類似する画像を電子医学書の分類に従って登録できる。
【0053】
あるいは、この分類候補提示情報の中から所望の分類情報を選択させ、選択された分類情報を登録画像に対応するリンク情報として登録画像とともに症例DBに登録すれば、登録画像に類似する電子医学書の画像へのリンクを簡単に作成できる。なお、選択する分類情報は1つでも複数でもよいので、複数の分類情報を選択することで1つの登録画像に複数のリンク情報を対応づけることもできる。
【符号の説明】
【0054】
1:類似検索部、2:分類特定部、3:分類候補提示部、4:分類選択部、5:分類登録部、6:症例データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
症例画像と前記症例画像のメタ情報とを対応づけて記憶するデータベースと、
所望の登録画像に類似する症例画像である類似画像を前記データベースから検索する検索部と、
前記検索部の検索した類似画像に対応するメタ情報を提示するメタ情報提示部と、
前記メタ情報提示部の提示したメタ情報の中から所望のメタ情報の選択を受け付けるメタ情報選択部と、
前記メタ情報選択部の選択したメタ情報と前記登録画像とを対応づけて前記データベースに記憶する記憶制御部と、
を備える症例画像登録装置。
【請求項2】
所望のメタ情報の指定を受け付けるメタ情報指定部を備え、
前記検索部は、前記メタ情報指定部から指定されたメタ情報に対応する症例画像の中から前記登録画像に類似する類似画像を検索する請求項1に記載の症例画像登録装置。
【請求項3】
前記メタ情報提示部は、前記検索部の検索した類似画像に対応するメタ情報のうち重複するメタ情報を統合して提示する請求項1または2に記載の症例画像登録装置。
【請求項4】
前記メタ情報提示部は、前記検索部の検索した類似画像に対応するメタ情報のうち重複するメタ情報から優先的に一覧に提示する請求項1〜3のいずれかに記載の症例画像登録装置。
【請求項5】
前記データベースは症例データベースおよび電子医学書データベースを含む請求項1〜4のいずれかに記載の症例画像登録装置。
【請求項6】
前記検索部は、前記登録画像に類似する類似画像を前記電子医学書データベースから検索し、
前記記憶制御部は、前記電子医学辞書データベースから検索された類似画像に対応するメタ情報の中から前記メタ情報選択部により選択されたメタ情報にリンクする情報を前記登録画像と対応づけて前記症例データベースに記憶する請求項5に記載の症例画像登録装置。
【請求項7】
前記メタ情報選択部の選択したメタ情報を編集するメタ情報編集部を備え、
前記記憶制御部は、前記メタ情報編集部の編集したメタ情報と前記登録画像とを対応づけて前記データベースに記憶する請求項1〜6のいずれかに記載の症例画像登録装置。
【請求項8】
前記メタ情報は前記症例画像の分類情報を含む請求項1〜7のいずれかに記載の症例画像登録装置。
【請求項9】
前記分類情報は、前記症例画像に関する診断名、所見、病原体、症状および患部のうち少なくとも1つを示す情報を含む請求項8に記載の症例画像登録装置。
【請求項10】
コンピュータが、
症例画像と前記症例画像のメタ情報とを対応づけて記憶するデータベースから、所望の登録画像に類似する症例画像である類似画像を検索するステップと、
前記検索した類似画像に対応するメタ情報を提示するステップと、
前記提示したメタ情報の中から所望のメタ情報の選択を受け付けるステップと、
前記選択したメタ情報と前記登録画像とを対応づけて前記データベースに記憶するステップと、
を実行する症例画像登録方法。
【請求項11】
請求項10に記載の症例画像登録方法をコンピュータに実行させるための症例画像登録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−48672(P2011−48672A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197147(P2009−197147)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】