説明

痴呆症及び免疫低下症状に対して治療効果を有する治療薬、食品又は飲料

【課題】各種痴呆ならびに免疫能低下症状の発症を未然に防止し、発症後もその症状のすみやかな改善を果たす治療薬、食品及び飲料を提供する。
【解決手段】(i)植物起源精製フェルラ酸またはその塩、(ii)Angerica archangerica抽出エキス、(iii)Ginkgo Blloba抽出エキス、(iv)Apocynaceae Vinca minor抽出エキス、(v)ビタミンC、(vi)ビタミンE(Alpha−d−tochoferol)、(vii)クルクミノイド(ウコン精製物)、(viii)Phellinus linteusおよび/またはAgaricus blazei Murrillエキスの中から選ばれる少なくとも1種の生理活性物質を含有することを特徴とする痴呆症及び免疫能低下症状に対して治療効果を有する治療薬、食品又は飲料。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物由来の成分を有効成分として含有する痴呆症ならびに免疫能低下症状に対して治療効果を有する治療薬、食品または飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
主要先進諸国では、超高齢化社会の到来にともない高齢者の心身の諸機能、なかでも精神神経機能および免疫機能を長期安定的に良好に維持するかということは、きわめて緊急かつ重要な課題である。この課題解決は、高齢者本人およびその家族構成員はもとより、良好な医療を効率的に供給する体制側からも強く望まれ、その目的実現のために今日まで多くの大学医学部、同附属病院はじめ種々の関連研究機関で鋭意研究開発がなされているが、未だ決定的に有効な解決策なく課題が山積している。
【0003】
精神神経疾患のなかでも、アルツハイマー痴呆、脳血管性痴呆は、定義如何にもよるが、先進国人口の5%前後が罹患し、いったん発症すると病状は着実に悪化の一路をたどり、現代医学では完治不可能で、発症後約10年後に死に至る。その間、患者本人はもとよりその近親者は深刻な苦難に直面し、経済的、精神的に苦悩するが、現在のところ疾患発生の機構解明も不充分で、そのため決定的に有効で副作用のない治療薬も見つかっていない。
【0004】
一方、欧米並びにアジア諸国の医学情報のなかに、(1)抗酸化物質、(2)微小循環改善物質、(3)神経伝達物質産生向上物質についてそれぞれの有効性を主張する文献、医薬品、サプリメント、食品などがあるが、実地に検討してみると臨床効果のほどは期待水準とかけ離れ、決して満足できるものではない。
【0005】
また、加齢にともない免疫能が低下し、そのために感染症、癌などに罹患する確率が高まり不幸な転帰をたどる患者の数が少なくない。免疫能の改善法として、これまで(1)担子菌はじめ各種微生物の菌体またはその抽出エキスの投与、(2)患者本人の免疫担当細胞を無菌的に体外に単離、活性化、同細胞増殖後、点滴で患者体内に再注入する方法など諸報告があり、それらを1つ1つ検討したが、それぞれの方法に、有効性、簡便性の点で問題あることは世界の医学者間で認識されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、各種痴呆ならびに免疫能低下症状の発症を未然に防止し、発症後もその症状のすみやかな改善を果たす治療薬、食品及び飲料を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、(i)植物起源精製フェルラ酸またはその塩、(ii)Angerica archangerica抽出エキス、(iii)Ginkgo Blloba抽出エキス、(iv)Apocynaceae Vinca minor抽出エキス、(v)ビタミンC、(vi)ビタミンE(Alpha−d−tochoferol)、(vii)クルクミノイド(ウコン精製物)、(viii)Phellinus linteusおよび/またはAgaricus blazei Murrillエキスの中から選ばれる少なくとも1種の生理活性物質を含有することを特徴とする痴呆症及び免疫能低下症状に対して治療効果を有する治療薬、食品又は飲料が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる(1)植物起源精製フェルラ酸またはその塩、(2)Angerica archangerica抽出エキス、(3)Ginkgo Blloba抽出エキス、(4)Apocynaceae Vinca minor抽出エキス、(5)ビタミンC、(6)ビタミンE(Alpha−d−tochoferol)、(7)クルクミノイド(ウコン精製物)、(8)Phellinus linteusおよび/またはAgaricus blazei Murrillエキスは、単独で使用可能であるが、好ましくはそれぞれの少なくとも1種以上との混合物の形態で用いることにより、その効果は一層向上する。
【0009】
本発明の痴呆症ならびに免疫低下症の治療薬(以下、単に治療薬とも言う)は、1日1〜2回食後に投与される。この投与薬の形態は、カプセルや顆粒、粉末、シロップ、液状であることが出来る。その一回の投与量は各成分の純度によるが、通常の純度の揚合で常識的賦形剤を使用する揚合、300〜600mgである。
【0010】
本発明の治療薬を投与した場合の動物実験で以下のような結果が得られている。
動物実験条件:Male ICR mice、体重:18〜26g/匹、飼育条件:22 degree Centigrade、明暗調節12時間毎、本治療薬を飲用水に添加自由摂取。
実験方法:(1)beta−Amyloid脳内注入試験:beta amyloid(Abeta1−42=American Peptide Co.,USA製、Abeta42−1=Bachem,Swiss製)をそれぞれ410picomol/mouse)、Laurenらの方法で、Hamiltonmicro syringe50(26−gauge needle付)を用い、前頭部bregma深度2.4mmに5microliter/匹注入し試験に供した。
【0011】
(2)受動回避検査(Passive Avoidance Performance Test):標準法にしたがい(明暗各室からなり暗室底部に0.25mA、1秒間電気刺激供給可能)動物を訓練後明室におき、暗室へ入るまでの時間測定し、受動回避時間を求める。
(3)Y−迷路試験:Starter(et al 1988)の方法で自発的交叉行動量を評価した。
(4)水迷路試験:Morris(1984)の方法に従い、水温摂氏23度、水深15cmの円形水槽(直径100cm)中にプラットフォーム(直径4.5cm、高さ14.5cm、水面下0.5cm)を用いて実施した。
一連の実験結果から、本発明の治療薬を投与すると動物の学習、記憶力は顕著に改善することが判明した。
【0012】
本発明の治療薬を、状況の許す限り、ヒト有志につき以下の方法の改変法で試験した。
(1)試験参加者:低中程度の痴呆患者のうち試験参加に書面で賛同した患者80名を選び、無作為的に2群に分け、本治療薬を1日2回、経口投与し、以下の判定基準で効果判定した。
(2)ADAS−cogscale(Alzheimer’s DiseaseAssessment Scale,Cognitive section,Mohs 1983)
(3)LADL (Instrumental Activity of Daily Living,Lowton,Brody 1969)
(4)GDS(Geriatric Depression Scale,Yeavege 1983)
(5)Immunopharmacology 41(1999),pp 157
その結果、本治療薬を投与すると上記いずれの評価系でも、投与開始2〜3ヶ月後に顕著な認知力、記憶力の改善、うつ症状の改善、免疫能の改善を認めることが出来た。
【0013】
【発明の効果】
本発明の治療薬を投与した揚合、その使用者は投与開始数ヶ月で記憶力、認知力、免疫力の向上を自覚することが出来る。
本発明による生理活性物質を食品や飲料に含有させることにより、痴呆症ならびに免疫能低下症状に対して治療効果を有する食品及び飲料を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)植物起源精製フェルラ酸またはその塩、(ii)Angerica archangerica抽出エキス、(iii)Ginkgo Blloba抽出エキス、(iv)Apocynaceae Vinca minor抽出エキス、(v)ビタミンC、(vi)ビタミンE(Alpha−d−tochoferol)、(vii)クルクミノイド(ウコン精製物)、(viii)Phellinus linteusおよび/またはAgaricus blazeiMurrillエキスの中から選ばれる少なくとも1種の生理活性物質を含有することを特徴とする痴呆症及び免疫能低下症状に対して治療効果を有する治療薬、食品又は飲料。

【公開番号】特開2004−331538(P2004−331538A)
【公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−127464(P2003−127464)
【出願日】平成15年5月2日(2003.5.2)
【出願人】(596160414)株式会社グロリヤ・インターナショナル (1)
【Fターム(参考)】