説明

発光ダイオードを動作させる回路装置

【課題】自動車における発光ダイオードの汎用動作を可能にし、製造が安価である回路装置を提供する。
【解決手段】自動車用の少なくとも1つの発光ダイオードLED1又はLED2を動作させる回路装置10であって、データバスと接続可能でデータバスからの制御信号を少なくとも受信する通信装置と、通信装置と接続された制御装置と、発光ダイオードLED1又はLED2を動作させるための動作電流を供給するスイッチングレギュレータのクロック制御のために制御装置に接続された制御回路と、を備え、制御装置は通信装置によって受信された制御信号に基づいて制御回路を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に自動車用の少なくとも1つの発光ダイオードを動作させる回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードの開発、特に、高性能の白色発光ダイオードにおける進歩は、自動車部門の利用、例えば、車両のパッセンジャコンパートメント(客室)又は車両外部の照明目的においてますます興味をもたせる。この種の発光ダイオードは一定した動作電流を要求するので、自動車の搭載電源に直接接続することができない。なぜならば、その搭載電源は特有の変動を有しているからである。それ故に、一定した電流源が発光ダイオードの動作のために要求され、そうでないと発光ダイオードの寿命期間が大幅に短くなる。
【0003】
更に、発光ダイオードをオン及びオフさせるために対応したスイッチング部材への接続が必要である。これは例えば、自動車の客室照明ではドア接点(コンタクト)を介して行われる。更に、その客室照明を遅延をもってオン又はオフさせる、又はその明るさを調整することができることが望まれる。
【0004】
発光ダイオードを制御するためにかなりの配線上の取り組みや比較的複雑な回路の使用がそれらのアレンジメントを現実化させるために必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明の目的は、特に自動車における発光ダイオードの汎用動作を可能にし、製造が安価である当初の名前が付けられた種類の回路装置を提供することである。
【0006】
その目的は、請求項1の特徴によって満足され、特に自動車用の少なくとも1つの発光ダイオードを動作させる回路装置によって満足され、回路装置は、データバスと接続可能でそのデータバスからの制御信号を少なくとも受信する通信装置と、その通信装置と接続された制御装置と、発光ダイオードを動作させるための動作電流を供給するスイッチングレギュレータのクロック制御のために制御装置に接続された制御回路とを有し、制御装置は通信装置によって受信された制御信号に基づいて制御回路を制御する。
【0007】
本発明による回路装置は、簡単な方法で複数の動作モードを有する1以上の発光ダイオードを制御することを可能にする。発光ダイオードを動作させるために要求される供給電圧は、例えば、自動車の搭載電源によって与えられ、一方で、発光ダイオードを制御するための制御信号はデータバスを介して伝送され、制御装置によってスイッチングレギュレータのために対応する制御信号に変換される。それによってデータバスに接続された複数の作動部材によって、作動部材毎に提供されなければならない回路装置への個別の独立ライン接続なしに作動命令を受信することができる。
【0008】
そのようなデータバスとしては、例えば、いわゆるLINバスを用いることができ、LINはローカルインターコネクトネットワーク(local interconnect network)の略称である。そのようなLINバスは、信号ラインと参照電位として供給電圧のグランド電位を用いるワンワイヤバスである。LINバスを介して制御され得る装置は3つの端子だけ、すなわち、供給電圧の正極及び負極又はグランド電位用の端子と、LINバスの信号ライン用の端子を有する必要がある。制御信号は、2400bit/s、9600bit/s、及び19200bit/sである共通データレートの比較的低いデータレートでLINバスを介して伝送される。また、本発明による回路装置では通常、他のバスタイプ、例えば、CANバスを用いることができる。
【0009】
本発明による回路装置は、個々の発光ダイオードを制御するだけでなく、列に並べられた発光ダイオードである発光ダイオードストリング(strings)又はパラレルに接続された複数列の発光ダイオードである発光ダイオードアレイ(arrays)を制御することもできる。
【0010】
例えば、自動車の天井に組み込まれた客室照明、ドア照明、又は外部照明の発光ダイオードを制御するために本発明による回路装置を用いることができる。データバスを介した適切な制御を用いて、例えば、周囲の光に従ってユーザによって又は自動的に照明の明るさを変更させるために連続的なスイッチングオン及びオフで発光ダイオードの明るさを増加又は減少させることができる。更に、ユーザはフラッシングモードで発光ダイオードを動作させるように、またユーザが暗闇でユーザの駐車した自動車を容易に見つけ出すことができるように、例えば、無線キー(radio key)を介して制御信号を本発明による回路装置に伝送することができる。
【0011】
本発明の有利な実施例によれば、その回路装置は発光ダイオードを含んでいる。よって、発光ダイオード及びその動作のための回路装置はユニットを形成している。
【0012】
その回路装置が発光ダイオードの温度を判別する温度センサを有し、制御装置が発光ダイオードの温度に基づいて制御回路を制御することが好ましい。発光ダイオード、特に高性能発光ダイオードの寿命期間があまりにも高い動作温度では大きく短いので、制御回路の温度に従った制御は、発光ダイオードを常に最大許容動作温度より低い温度で動作させるように発光ダイオードの動作電流が調整されることを可能にする。
【0013】
回路装置は好ましくはその目的のために発光ダイオードに熱的に結合した温度センサを有する。その温度センサは特に、発光ダイオードの近傍に空間的に配置される回路装置に接続したスイッチングレギュレータのダイオードであることができる。ダイオードの順方向バイアスはその動作温度に依存するので、この順方向バイアスをモニタして、発光ダイオードを動作させる動作電流をその順方向バイアスに基づいて調整することができる。
【0014】
更に、本発明の有利な実施例によれば、その回路装置はスイッチングレギュレータを含んでいる。そのスイッチングレギュレータは好ましくはDCコンバータ、例えば、ステップアップコンバータ、ステップダウンコンバータ又はSEPICコンバータと呼ばれるステップアップコンバータとステップダウンコンバータの組み合わせである。SEPICコンバータの使用は、特に直列に接続された発光ダイオードの数又は利用できる供給電圧のレベルに対して柔軟な適応を可能にする。スイッチングレギュレータを動作させるために要求される電子スイッチは制御回路に組み込まれるか又は外部コンポーネントとして備えられても良い。
【0015】
更に、本発明の有利な実施例によれば、その回路装置は少なくとも通信装置、制御装置及び制御回路が配置された共通基板、特に、薄膜基板を有している。裸の又はハウジングなしの半導体チップが例えば、半田付け又は接着によって基板、例えば、薄膜基板上に搭載されるそのような技術はCOB(chip-on-board)技術と呼ばれている。基板上における通信装置、制御装置及び制御回路の個々の半導体チップと、更に任意のアセンブリの搭載後、それらは任意に接着され、その後一緒にモールド化されても良い。
【0016】
COB技術は回路装置を高クロック周波数で動作させることができるように個々の半導体チップ間又は他のアセンブリ間のより短いラインパスを可能にする。加えて、外部干渉放射に対する回路装置の検出感度が低下する。更に利点は、基板上の裸でハウジングなしの半導体チップのそのようなアレンジメントが印刷回路ボード(PCB)上のハウジング有りの半導体チップの従来のアレンジメントに対してかなり高い集積密度を可能にすることを備える。これは例えば、発光ダイオード及びスイッチングレギュレータを含む回路装置を白熱灯が備えられた従来の照明装置と同じ構成空間にほぼ実現することができる、特に自動車技術における利点である。更に、白熱灯に対して発光ダイオードのかなり高い効率性のために熱的な点で利点がある。
【0017】
更に、有利な実施例によれば、少なくとも通信装置及び制御装置、好ましくは更に制御回路が共通の集積回路に組み込まれている。そのような集積回路は例えば、シリコンキャリア基板に基づいた半導体チップである。よって、通信装置及び制御装置は、任意に制御回路も1つの半導体チップにその要求構成空間がそれによって更にもっと減少されるように組み込まれる。しかしながら、制御装置及び制御回路を1つの共通の集積回路内に組み込むこともできる。
【0018】
スイッチングレギュレータは好ましくは少なくとも1つのインダクタ、少なくとも1つのキャパシタ、少なくとも1つのダイオード、特にショットキーダイオード、及び好ましくは少なくとも1つの抵抗を含む複数のコンポーネントを有し、それらのコンポーネントのうちの少なくとも1つは基板上に配置されるか、又は集積回路に組み込まれる。基板上又は集積回路におけるスイッチングレギュレータの個々のコンポーネント又は全てのコンポーネントの組み込みによって回路装置の更にもっとコンパクトな構成を実現することができる。
【0019】
発光ダイオードは、好ましくは温度センサも好ましくは基板上に配置されるか又は集積回路に組み込まれる。基板上に発光ダイオードを形成する半導体チップを配置すること、又は共通の集積回路に発光ダイオードを配置することができる。よって、これは温度センサに、特に温度センサとして同時に作用するスイッチングレギュレータのダイオードに適用する。
【0020】
好ましい実施例によれば、制御装置は、特に、データバスから通信装置によって受信されるプログラミング信号によってプログラム可能なマイクロコントローラである。よって、例えば、最初に記述した調光処理のための個々の時間間隔又はマイクロコントローラにおけるフラッシング周波数を保存することができる。これは特に、対応するプログラミング信号がデータバスを介して回路装置に伝送される所望の時点に行われ得る。また、回路装置の動作パラメータの変更は回路装置の自動車への搭載完了後に行われ得る。
【0021】
通信装置は、好ましくはデータバスから制御信号を受信しデータバスに制御信号を送信するトランシーバである。評価回路はそれによってデータバスから制御信号を受信することができるだけでなくデータバスに信号を送り出すことができる。よって、例えば、個々の発光ダイオードの故障又は回路装置の異常についてのエラーメッセージを例えば、データバスへ送り出すことができる。
【0022】
発光ダイオードは好ましくは複数の動作位置間で調整可能な動作要素、特にスイッチに組み込まれ、通信装置によって受信された制御信号は動作要素の現在の動作位置に対応する位置信号を含み、制御装置はその位置信号に基づいて制御回路を制御する。よって、例えば、背景照明としてスイッチに発光ダイオードを組み込むことができ、動作位置(回路の位置)はデータバスに送出され、通信装置を介して回路装置によって検出される。スイッチの動作位置に基づいて、スイッチによって活性化される車両の装置、例えば、ワイパーの現在の切り替え状態をユーザに知らしめるために本発明による回路装置を用いることができる。回路装置はこの目的のためにデータバスにとにかく適用されたスイッチの制御信号を評価しなければならないだけである。動作位置はスイッチとして形成された動作要素の機械的な位置として単に理解されるべきではなく、むしろ動作要素によってもたらされ、例えば、プッシュボタンとして形成された動作要素を介して変化され得るスイッチング状態として一般に理解されるべきである。更に、動作位置はポテンショメータ、例えば、機器灯火の調光ポテンショメータの瞬間抵抗値を含むことができる。
【0023】
好ましい実施例によれば、通信装置によって受信される制御信号は周辺光信号を含み、更に、制御装置はその周辺光信号に基づいて制御回路を制御する。例えば、その照明の明るさを既に上述したように周辺光に応じて制御することができるように、例えば、データバスに接続されている周辺光センサによって周辺光信号を提供することができる。更に、例えば、客室照明として設計され、車両ドアの開についてデータバスと接続されたドア接点によって制御される回路装置は、この機能のために追加の制御装置が要求されることなく周辺光が特定の閾値を下回ったときにだけ活性化される。
【0024】
更に、本発明の有利な実施例は、従属請求項、詳細な説明及び図面に記載されている。
【0025】
次に、本発明が実施例及び図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施例としての回路装置の回路図である。
【図2】本発明の第2の実施例としての回路装置の回路図である。
【図3】ハウジングに組み込まれた本発明による回路装置の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明による回路装置は基板40、例えば、単層又は多層の薄膜基板を含み、その上には更に詳細に説明される複数の個別コンポーネントと共に集積回路ICが配置されている。回路装置10は、動作電圧、例えば、自動車搭載電源の12Vの端子VB、共通グランド用の端子GND、及びLINバスのLIN信号ライン用の端子LINを有している。
【0028】
端子LINで受け入れられた制御信号はLINトランシーバ12によってUARTインターフェースモジュール14を介してマイクロコントローラ16に送信される。LINトランシーバ12とマイクロコントローラ16との間の接続は双方向であり、すなわち、信号、例えば、エラーメッセージをマイクロコントローラ16からLINバスに送信することができる。
【0029】
電圧源18はマイクロコントローラ16と更に回路装置10の回路に安定した供給電圧を供給する。
【0030】
マイクロコントローラ16は、LINバスによって受信された制御信号に基づいてPWM(pulse width modulated:パルス幅変調)制御信号を生成し、それをPWM制御信号ライン28を介してスイッチングレギュレータドライバ20に送信する。変調周波数は好ましくは200Hzより高くなる。スイッチングレギュレータドライバ20はPWM制御信号に基づいて無線周波数クロック制御信号を生成する。それ自体が公知であってステップダウンコンバータとして設計されたスイッチングレギュレータのMOSトランジスタM1は増幅器V1を介して制御される。クロック制御信号の周波数は2MHz以下となる。
【0031】
スイッチングレギュレータはインダクタL、2つのキャパシタC1,C2、及びショットキーダイオードSDを含んでいる。スイッチングレギュレータを構成するコンポーネントを基板40上にSMDコンポーネントの形で接着接合又は半田付けすることができる。MOSトランジスタM1が制御されるスイッチング周波数が600KHzより高くなるならば、基板にインダクタLを直接組み込むことができる。更に、キャパシタC1,C2及びC3(図2)及び/又は分流抵抗R1及びR2(図2)のような受動コンポーネントを基板40に組み込むことができる。
【0032】
スイッチングレギュレータは動作電圧を2つの直列に接続された発光ダイオーLED1,LED2を介して流れる動作電流に変換する。更に、その動作電流は分流抵抗R1を流れ、そこで電圧降下を生じる。演算増幅器OPにおいて差信号はR1の両端間で測定された電圧と参照電圧VREFとから生成され、動作電流を予め定められた所望の値に制御するためにスイッチングレギュレータドライバ20の入力に供給される。1Aまでの動作電流を回路装置を用いて提供することができる。
【0033】
発振器22はマイクロコントローラ16及びスイッチングレギュレータドライバ20の両方にシステムクロック周波数を供給する。
【0034】
ショットキーダイオードSDの発光ダイオードLED1,LED2に対する熱的結合を確実にする空間的配置により、発光ダイオードLED1,LED2の動作電流の調整が温度に応じて生じることができるように、ショットキーダイオードSDの順方向バイアスはその温度を表す。ショットキーダイオードSDは正の温度係数等を有している。順方向バイアスの増加は発光ダイオードLED1,LED2の動作温度における増加を示している。
【0035】
ショットキーダイオードSDの順方向バイアスを測定するために、そして、その測定値のそれに続くディジタル化のために、集積回路ICはマルチプレクサ26とその後段に配置されたアナログ/ディジタルコンバータ24を有している。ディジタル化された測定値はマイクロコントローラ16に送出される。動作温度が所定の限界値を越えたならば、マイクロコントローラ16は、発光ダイオードLED1,LED2の温度が再度その限界値より低くなるくらいスイッチングレギュレータドライバ20が動作電流をかなり低下させるようにPWM制御信号を変化させる。
【0036】
発光ダイオードLED1,LED2を除く全てのコンポーネントを覆うマスク(図示せず)を基板上に備えても良い。
【0037】
発光ダイオードLED1,LED2は、例えば、自動車用の客室照明として機能することができる。回路装置10のいくつかの動作ルーチン例がこの適用のために次に説明される。
【0038】
回路装置10は客室照明のスイッチオンを要求する制御信号を端子LINで受け取ると、マイクロコントローラ16は、動作電流がマイクロコントローラ16に順に保存されている最大動作電流に到達するまでマイクロコントローラ16において予め定められた時間間隔内で連続的に増加するようにスイッチングレギュレータドライバ20を制御する。逆に、その照明をスイッチオフするための制御信号の端子LINへの到来により、その動作電流のゼロへの連続的な低下又は下方制御が起きる。更に、発光ダイオードLED1,LED2のスイッチオフ又は連続的な下方制御が既に定められた遅延時間の終わりにだけ起きるようにマイクロコントローラ16をプログラミングしても良い。
【0039】
有利な実施例においては、回路装置10がLINバスに接続された周辺光センサ(図示せず)の周辺光信号を端子LINで追加的に受け取るとこができ、その周辺光信号は周辺光の測定量である。この実施例では、客室照明のスイッチオンは、客室照明は暗闇でだけ実行されるように周辺光が特定の閾値より低下したときにだけ起きる。
【0040】
更に、例えば、スイッチオン及びオフ処理のための時間間隔の期間又は所望の明るさを設定するための動作電流のレベルを変更することができるようにプログラミング信号はLINバスを介して送信されても良い。これは、客室照明の動作モードの非常に快適で柔軟なユーザ固有の適応を可能にする。
【0041】
更に、回路装置10を、車両のダッシュボード用の機器照明として用いることができる。この適用では、例えば、周辺の明るさの増加で、常に理想的なコントラストを確保するために機器照明の明るさが増加されるように上記した周辺光信号を機器照明の明るさを制御するために用いることができる。
【0042】
図2は図1の回路装置10について変更された回路装置110を示しているが、回路装置110は図1の回路装置10に動作において対応する。この点において、同一の参照符号を有する要素は同一の機能を有する。
【0043】
回路装置10と違って、図2の回路装置110のスイッチングレギュレータは更に、分流抵抗R1に並列に接続された分流抵抗R2を任意に有している。更に、キャパシタC3は発光ダイオードLED1,LED2に任意に並列に接続されている。よって、スイッチングレギュレータの所望の動作パラメータへのより良い適応を達成することができる。更に、発光ダイオードLED1,LED2の温度検出が回路装置110では備えられていない。しかしながら、これは、図1の回路装置10に応じてショットキーダイオードSDの順方向バイアスを検出することによって又は個々の温度センサによって任意に実行することができる。
【0044】
単一の集積回路ICに代わって、回路装置110は制御回路30と更に回路32を有する。
【0045】
図1のスイッチングレギュレータドライバ20、演算増幅器OP、増幅器V1、及びMOSトランジスタM1に対応するコンポーネント及び回路は制御回路30に組み込まれている。
【0046】
図1のLINトランシーバ12、UARTインターフェースモジュール14、マイクロコントローラ16、電圧源18、アナログ/ディジタルコンバータ24及びマルチプレクサ26に対応するコンポーネント及び回路は回路32に組み込まれている。PWM制御信号は回路32からPWM制御信号ライン28を介して制御回路30に送出される。図2には発振器は示されていないが、外部コンポーネントとして又は回路30,32の一方又は両方に発振器を備えても良い。
【0047】
通常、破線で示されているように2つの回路30,32を単一の回路内に組み入れることはできる。
【0048】
2つの回路装置10,110では、インダクタL、キャパシタC1〜C3、分流抵抗R1,R2、ショットキーダイオードSD及び発光ダイオードLED1,LED2が個々のコンポーネントとして備えられているが、集積回路IC又は制御回路30内にそれらを部分的に又は全部備えることは可能である。
【0049】
よって、結局のところ回路装置10又は110を1つの集積回路又は半導体チップに各々組み込むことは可能である。発光ダイオード照明要素の極めてコンパクトな構成がそれによって可能である。
【0050】
図3には照明要素42の例が示されている。それはキャリアプレート44を含み、そのキャリアプレート44上で図1又は図2に各々応じて回路装置10又は110が基板40上に配置されている。基板40上に配置されたコンポーネント(図示せず)を囲むフレーム46がキャリアプレート44の反対側に設けられた基板40の一方側に配置されている。発光ダイオードは、障害なしで図の方向において上方に光を照射するように配置されている。
【0051】
フレーム46の内部は透明な一体型化合物48でモールド化され、一体型化合物48は凸面のメニスカスを形成している。これは発光ダイオードによって生成される光の発散照射を提供する。
【符号の説明】
【0052】
10,110 回路装置
12 LINトランシーバ
14 UARTインターフェースモジュール
16 マイクロコントローラ
18 電圧源
20 スイッチングレギュレータドライバ
22 発振器
24 アナログ/ディジタルコンバータ
26 マルチプレクサ
28 PWM制御信号ライン
30 制御回路
32 回路
40 基板
42 照明要素
44 キャリアプレート
46 フレーム
48 一体型化合物
VB 動作電圧用端子
GND グランド電位用端子
LIN LIN信号ライン用端子
IC 集積回路
LED1,LED2 発光ダイオード
L インダクタ
C1〜C3 キャパシタ
SD ショットキーダイオード
R1,R2 分流抵抗
OP 演算増幅器
M1 MOSトランジスタ
V1 増幅器
VREF 参照電圧




【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車用の少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)を動作させる回路装置であって、
データバスと接続可能で前記データバスからの制御信号を少なくとも受信する通信装置(12,14)と、
前記通信装置(12,14)と接続された制御装置(16)と、
前記発光ダイオード(LED1,LED2)を動作させるための動作電流を供給するように設計されているスイッチングレギュレータのクロック制御のために前記制御装置(16,32)に接続された制御回路(20,30)と、を備え、
前記制御装置(16,32)は前記通信装置(12,14)によって受信された前記制御信号に基づいて前記制御回路(20,30)を制御することを特徴とする回路装置。
【請求項2】
前記データバスはLINバスであることを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項3】
前記回路装置(10,110)は前記少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)を含むことを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項4】
前記回路装置(10,110)は前記少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)の温度を判別し、前記制御装置(16,32)は前記少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)の前記温度に基づいて前記制御回路(20,30)を制御することを特徴とする請求項3記載の回路装置。
【請求項5】
前記回路装置(10,110)は前記少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)に熱的に結合した温度センサを有することを特徴とする請求項4記載の回路装置。
【請求項6】
前記温度センサはショットキーダイオード(SD)を有し、前記ショットキーダイオードの順方向バイアスが前記ショットキーダイオードの動作温度を表し、前記ショットキーダイオードは前記スイッチングレギュレータの一部であることを特徴とする請求項5記載の回路装置。
【請求項7】
前記回路装置(10,110)は前記スイッチングレギュレータを含むことを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項8】
前記スイッチングレギュレータはDCコンバータであることを特徴とする請求項7記載の回路装置。
【請求項9】
前記回路装置(10,110)は特に薄膜の共通基板(40)を有し、前記基板上に少なくとも前記通信装置(12,14)、前記制御装置(16,32)及び前記制御回路(20,30)が備えられていることを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項10】
前記スイッチングレギュレータは、少なくとも1つのインダクタ(L)、少なくとも1つのキャパシタ(C1〜C3)及び少なくとも1つのダイオード、特にショットキーダイオード(SD)を含む複数のコンポーネントを有し、前記複数のコンポーネントは前記共通基板(40)上に配置されていることを特徴とする請求項9記載の回路装置。
【請求項11】
前記回路装置(10,110)は前記少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)を含み、前記少なくとも1つの発光ダイオードは前記共通基板(40)上に配置されていることを特徴とする請求項9記載の回路装置。
【請求項12】
少なくとも前記通信装置(12,14)及び前記制御装置(16,32)、好ましくは追加的に前記制御回路(20,30)は共通の集積回路(IC)に組み込まれていることを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項13】
前記スイッチングレギュレータは、少なくとも1つのインダクタ(L)、少なくとも1つのキャパシタ(C1〜C3)及び少なくとも1つのダイオード、特にショットキーダイオード(SD)を含む複数のコンポーネントを有し、前記コンポーネントの少なくとも1つは前記共通の集積回路(IC)に組み込まれていることを特徴とする請求項12記載の回路装置。
【請求項14】
前記回路装置(10,110)は前記少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)を含み、前記少なくとも1つの発光ダイオードは前記共通の集積回路(IC)に組み込まれていることを特徴とする請求項12記載の回路装置。
【請求項15】
前記制御装置は、前記データバスから前記通信装置(12,14)を介して受信されるプログラミング信号によってプログラム可能であるマイクロコントローラ(16,32)であることを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項16】
前記通信装置(12,14)は、前記データバスから制御信号を受信し、前記データバスに制御信号を送出するトランシーバ(12)を含むことを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの発光ダイオード(LED1,LED2)は複数の動作位置間で調整可能な動作要素、特にスイッチに組み込まれ、前記通信装置(12,14)によって受信された前記制御信号は前記動作要素の現在の動作位置に対応する位置信号を含み、前記制御装置(16,32)は前記位置信号に基づいて前記制御回路(20,30)を制御することを特徴とする請求項1記載の回路装置。
【請求項18】
前記通信装置(12,14)によって受信された前記制御信号は周辺光信号を含み、前記制御装置(16,32)は前記周辺光信号に基づいて前記制御回路(20,30)を制御することを特徴とする請求項1記載の回路装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−115132(P2012−115132A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−240812(P2011−240812)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(507198783)ビシェイ エレクトロニック ゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフトゥング (2)
【Fターム(参考)】