発光モジュール
【課題】発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制する。
【解決手段】発光モジュール40において、光波長変換部材50は板状に形成され、半導体発光素子48の発光面48aに入射面50aが対向するよう配置される。光波長変換部材50は、入射面50aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材50の入射面50aには凹凸が設けられる。半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aの間には、接着剤層52が設けられる。接着剤層52は、入射面50aの凹部に入り込むように設けられ、半導体発光素子48と光波長変換部材50とを互いに固着させる。
【解決手段】発光モジュール40において、光波長変換部材50は板状に形成され、半導体発光素子48の発光面48aに入射面50aが対向するよう配置される。光波長変換部材50は、入射面50aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材50の入射面50aには凹凸が設けられる。半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aの間には、接着剤層52が設けられる。接着剤層52は、入射面50aの凹部に入り込むように設けられ、半導体発光素子48と光波長変換部材50とを互いに固着させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールに関し、特に発光素子とその発光素子が発する光を波長変換する光波長変換部材とを備える発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蛍光体などを用いてLED(Light Emitting Diode)が発する光を波長変換することにより、LEDが発する光の色とは異なる色の光を出射する発光モジュールを得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば変換効率を増大させるべく、波長変換材料を含むセラミック層を発光層によって放出された光の経路内に配置する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−59864号公報
【特許文献2】特開2006−5367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、LEDの用途は益々広がっており、例えば車両用前照灯の用途としても期待されている。しかしながら、このような用途で用いるためには、高輝度または高光度のLEDを実現する必要がある。このためには、LEDが発する光の取り出し効率の向上が大きな課題となる。上述の特許文献に記載される技術では、発光素子から発せられた光はいちど光波長変換材料を通過して出射するため、光の取り出し効率向上のためには、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の発光モジュールは、発光素子と、発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、を備える。発光素子の発光面または光波長変換部材の入射面に凹凸が設けられる。
【0007】
この態様によれば、発光素子から光波長変換材料に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。このため、光波長変換部材を設けることにより発光モジュールが発する光の光度または輝度が低下することを回避することができる。
【0008】
発光素子の発光面と光波長変換部材の入射面は、直接接合によって互いに接合されてもよい。
【0009】
例えば両者を接着剤層を介して固着させた場合、接着剤層の屈折率の影響によって発光素子から光波長変換材料に光が入射するとき光の取り出し効率が低下する可能性がある。この態様によれば、このように両者を接着剤層を介して固着させる場合に比べて光の取り出し効率を高めることが可能となる。このため、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制することができる。
【0010】
直接接合を用いて発光素子と光波長変換部材とを互いに固着させるべく発光素子の発光面または光波長変換部材の入射面に形成されたバッファ層をさらに備えてもよい。バッファ層は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成されてもよい。
【0011】
バッファ層を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。しかし、バッファ層の透光性が光波長変換部材よりも低い場合があり得るため、バッファ層を設ける場合はそれによる光の取り出し効率の低下を抑制する必要がある。この態様によれば、直接接合される凸部上にバッファ層を形成しつつ、凹部に貫通する開口部を設けることでバッファ層を通過することなく光が通過可能な領域を確保することができる。このため、バッファ層自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0012】
本発明の別の態様もまた、発光モジュールである。この発光モジュールは、発光素子と、発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、発光素子の発光面と光波長変換部材の入射面とに介在するフォトニック結晶と、を備える。
【0013】
この態様によれば、屈折率が周期的に変化する構造体であるというフォトニック結晶の特質を利用して、発光素子から光波長変換材料に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を簡易に抑制することができる。このため、光波長変換部材を設けることにより発光モジュールが発する光の光度または輝度が低下することを回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る車両用前照灯の構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る発光モジュール基板の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図4】第2の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図5】第3の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図6】第4の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図7】第5の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図8】第6の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図9】第7の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図10】第8の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図11】第9の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図12】第10の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図13】第11の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図14】第12の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る車両用前照灯10の構成を示す断面図である。車両用前照灯10は、灯具ボディ12、前面カバー14、および灯具ユニット16を有する。以下、図1において左側を灯具前方、右側を灯具後方として説明する。また、灯具前方にみて右側を灯具右側、左側を灯具左側という。図1は、灯具ユニット16の光軸を含む鉛直平面によって切断された車両用前照灯10を灯具左側から見た断面を示している。なお、車両用前照灯10が車両に装着される場合、車両には互いに左右対称に形成された車両用前照灯10が車両左前方および右前方のそれぞれに設けられる。図1は、左右いずれかの車両用前照灯10の構成を示している。
【0018】
灯具ボディ12は開口を有する箱状に形成される。前面カバー14は透光性を有する樹脂またはガラスによって椀状に形成される。前面カバー14は、縁部が灯具ボディ12の開口部に取り付けられる。こうして、灯具ボディ12と前面カバー14とによって覆われる領域に灯室が形成される。
【0019】
灯室内には、灯具ユニット16が配置される。灯具ユニット16は、エイミングスクリュー18によって灯具ボディ12に固定される。下方のエイミングスクリュー18はレベリングアクチュエータ20が作動することにより回転するよう構成されている。このため、レベリングアクチュエータ20を作動させることで、灯具ユニット16の光軸を上下方向に移動することが可能となっている。
【0020】
灯具ユニット16は、投影レンズ30、支持部材32、リフレクタ34、ブラケット36、発光モジュール基板38、および放熱フィン42を有する。投影レンズ30は、灯具前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、その後方焦点面上に形成される光源像を反転像として灯具前方に投影する。支持部材32は、投影レンズ30を支持する。発光モジュール基板38には発光モジュール40が設けられている。リフレクタ34は、発光モジュール40からの光を反射して、投影レンズ30の後方焦点面に光源像を形成する。このようにリフレクタ34および投影レンズ30は、発光モジュール40が発した光を灯具前方に向けて集光する光学部材として機能する。放熱フィン42は、ブラケット36の後方側の面に取り付けられ、主に発光モジュール40が発した熱を放熱する。
【0021】
支持部材32には、シェード32aが形成されている。車両用前照灯10はロービーム用光源として用いられ、シェード32aは、発光モジュール40から発せられリフレクタ34にて反射した光の一部を遮ることで、車両前方においてロービーム用配光パターンにおけるカットオフラインを形成する。ロービーム用配光パターンは公知であることから説明を省略する。
【0022】
図2は、第1の実施形態に係る発光モジュール基板38の構成を示す図である。発光モジュール基板38は、発光モジュール40、基板44、サブマウント45、および透明カバー46を有する。発光モジュール40はサブマウント45に取り付けられており、このサブマウント45が基板44に取り付けられている。発光モジュール40は無色の透明カバー46によって覆われており、透明カバー46の内部は中空となっている。発光モジュール40は、半導体発光素子48および光波長変換部材50を有する。
【0023】
図3は、第1の実施形態に係る発光モジュール40の側面図である。半導体発光素子48は、LED素子によって構成される。第1の実施形態では、半導体発光素子48として、青色の波長の光を主として発する青色LEDが採用されている。具体的には、半導体発光素子48は、AlxInyGa(1−x−y)N系半導体層を結晶成長させることにより形成されるAlxInyGa(1−x−y)N系LED素子によって構成されている。なお、半導体発光素子48を形成するための材料はこれに限られず、例えばInN、AlGaN、AINのいずれかであってもよい。
【0024】
半導体発光素子48は、例えば1mm角のチップとして形成され、発する青色光の中心波長は460nmとなるよう設けられている。なお、半導体発光素子48の構成や発する光の波長が上述したものに限られないことは勿論であり、半導体発光素子48は青以外の波長の光を主として発するものが採用されてもよい。
【0025】
半導体発光素子48は、いわゆるフリップチップタイプのものが採用される。なお、半導体発光素子48に他のタイプのものが採用されてもよいことは勿論であり、例えば半導体発光素子48にいわゆる縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0026】
半導体発光素子48は、半導体層54と、半導体層54の結晶成長に用いられた結晶成長用基板56とを有する。結晶成長用基板56はサファイアによって形成されている。なお、結晶成長用基板56の材質がサファイアに限られないことは勿論であり、結晶成長に用いられる他の材質が採用されてもよい。半導体層54は、結晶成長用基板56に結晶成長して形成されるため、半導体層54と結晶成長用基板56とは互いに固着されている。半導体発光素子48は、結晶成長用基板56の外面のうち半導体層54に固着している面と反対側の面が発光面48aとなる。発光面48aは平面状に形成される。なお、半導体発光素子48は、結晶成長用基板上に半導体層を結晶成長させた後、結晶成長用基板を除去したものが用いられてもよい。
【0027】
光波長変換部材50は、いわゆる発光セラミック、または蛍光セラミックと呼ばれるものであり、青色光によって励起される蛍光体であるYAG(Yttrium Alminum Garnet)粉末を用いて作成されたセラミック素地を焼結することにより得ることができる。このような光波長変換セラミックの製造方法は公知であることから詳細な説明は省略する。なお、光波長変換部材50は焼結セラミックに限定されず、例えばアモルファス、多結晶、単結晶のものを含み、結晶構造などによって限定されない。光波長変換部材50は板状に形成される。
【0028】
また、光波長変換部材50には、透明なものが採用されている。第1の実施形態において「透明」とは、変換波長域の光の全光線透過率が40%以上のことを意味するものとする。発明者の鋭意なる研究開発の結果、変換波長域の光の全光線透過率が40%以上の透明な状態であれば、光波長変換部材50において光の波長を適切に変換できると共に、各々を通過する光の光度の減少も適切に抑制できることが判明した。したがって、光波長変換部材50をこのように透明な状態にすることによって、半導体発光素子48が発する光をより効率的に変換することができる。
【0029】
また、光波長変換部材50は有機系バインダーレスの無機物で構成され、有機系バインダーなどの有機物を含有する場合に比べて耐久性の向上が図られている。このため、例えば発光モジュール40に1W(ワット)以上の電力を投入することが可能となっており、発光モジュール40が発する光の輝度、光度、および光束を高めることが可能となっている。なお、光波長変換部材50にバインダーが含まれていてもよい。
【0030】
光波長変換部材50は、入射面50aが半導体発光素子48の発光面48aに対向するよう配置され、入射面50aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材50は、半導体発光素子48が主として発する青色光の波長を変換して黄色光を出射する。このため、発光モジュール40からは、光波長変換部材50をそのまま透過した青色光と、光波長変換部材50によって波長変換され出射された黄色光との合成光である白色光が出射する。
【0031】
第1の実施形態では、光波長変換部材50の入射面50aに凹凸が設けられる。このような凹凸を設けることにより、入射面50aによって反射される光を抑制することができ、光波長変換部材50を設けることによる光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0032】
半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aの間には、接着剤層52が設けられる。接着剤層52は、例えばシリコン系または有機系の材料によって生成され、半導体発光素子48と光波長変換部材50とを互いに固着させる。このとき接着剤層52は、入射面50aの凹部に入り込むように設けられる。
【0033】
なお、凹凸形状は図3に示すような形状に限られないことは勿論であり、断面が三角形状の凹部または凸部が設けられてもよく、また、底部が曲面となる凹部または頂部が曲面となる凸部が設けられてもよい。
【0034】
また、凹凸に代えて入射面50aにフォトニック結晶が設けられてもよい。この場合も、発光面48aと入射面50aとの間に接着剤層52が設けられてもよい。これにより、半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aとにフォトニック結晶を介在させることができる。フォトニック結晶は、屈折率が周期的に変化する構造体である。フォトニック結晶は公知であるため、その形成方法などについての説明は省略する。このようにフォトニック結晶を設けることによっても、入射面50aによる光の反射を抑制することができ、半導体発光素子48から光波長変換部材50に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る発光モジュール60の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール60が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
発光モジュール60は、半導体発光素子62および光波長変換部材64を備える。第2の実施形態では、半導体発光素子62もまた、半導体層68と、半導体層68の結晶成長に用いられた結晶成長用基板70とを有する。半導体発光素子62は、結晶成長用基板70の外面のうち半導体層68に固着している面と反対側の面が発光面62aとなる。なお、半導体発光素子62は、結晶成長用基板上に半導体層を結晶成長させた後、結晶成長用基板を除去したものが用いられてもよい。
【0037】
半導体層68および結晶成長用基板70の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様である。このため半導体発光素子62もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0038】
光波長変換部材64は、入射面64aが半導体発光素子62の発光面62aに対向するよう配置され、入射面64aから入射した光を波長変換して出射する。入射面64aは平面状に形成される。光波長変換部材64の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材64もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子62もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0039】
発光モジュール60は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0040】
第2の実施形態では、半導体発光素子62の発光面62a、すなわち結晶成長用基板70の外面に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層68の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。このように発光面62aに凹凸を設けることによっても、半導体発光素子62の発光面62aから光波長変換部材64の入射面64aに光が入射するときの光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0041】
半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aの間には、接着剤層66が設けられる。接着剤層66の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54と同様である。接着剤層66は、半導体発光素子62と光波長変換部材64とを互いに固着させる。このとき接着剤層66は、発光面62aの凹部に入り込むように設けられる。
【0042】
また、凹凸に代えて発光面62aにフォトニック結晶が設けられてもよい。この場合も、発光面62aと入射面64aとの間に接着剤層66が設けられてもよい。このような態様で半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aとにフォトニック結晶を介在させることによっても、半導体発光素子62から光波長変換部材64に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る発光モジュール80の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール80が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
発光モジュール80は、半導体発光素子82および光波長変換部材84を備える。第3の実施形態では、半導体発光素子82もまた、半導体層88と、半導体層88の結晶成長に用いられた結晶成長用基板90とを有する。半導体発光素子82は、結晶成長用基板90の外面のうち半導体層88に固着している面と反対側の面が発光面82aとなる。なお、半導体発光素子82は、結晶成長用基板上に半導体層を結晶成長させた後、結晶成長用基板を除去したものが用いられてもよい。
【0045】
半導体層88および結晶成長用基板90の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様である。このため半導体発光素子82もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0046】
光波長変換部材84は、入射面84aが半導体発光素子82の発光面82aに対向するよう配置され、入射面84aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材84の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材84もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子82もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0047】
発光モジュール80は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0048】
第3の実施形態では、光波長変換部材84の入射面84a、および半導体発光素子82の発光面82a、すなわち結晶成長用基板90の外面の双方に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層88の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。このように半導体発光素子82の発光面82aおよび光波長変換部材84の入射面84aの双方に凹凸を設けることによっても、半導体発光素子82の発光面82aから光波長変換部材84の入射面84aに光が入射するときの光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0049】
半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aの間には、接着剤層86が設けられる。接着剤層86の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54と同様である。接着剤層86は、半導体発光素子82と光波長変換部材84とを互いに固着させる。このとき接着剤層86は、半導体発光素子82の発光面82aおよび光波長変換部材84の入射面84aの双方の凹部に入り込むように設けられる。
【0050】
また、凹凸に代えて、半導体発光素子82の発光面82aおよび光波長変換部材84の入射面84aの双方にフォトニック結晶が設けられてもよい。この場合も、発光面82aと入射面84aとの間に接着剤層86が設けられてもよい。このような態様で半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aとにフォトニック結晶を介在させることによっても、入射面84aによる光の反射を抑制することができ、半導体発光素子82から光波長変換部材84に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0051】
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態に係る発光モジュール100の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール100が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
発光モジュール100は、接着剤層52に代えて、入射面50aの凹部に入り込むように塗布された接着剤102によって半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aとが互いに固着される以外は、第1の実施形態に係る発光モジュール60と同様に構成される。なお、接着剤102の材質は、第1の実施形態に係る接着剤層52と同様である。
【0053】
これにより、入射面50aに設けられた凸部の先端と発光面48aとを当接させた状態で光波長変換部材50と半導体発光素子48とを互いに固着させることができる。接着剤102は、結晶成長用基板56や光波長変換部材50よりも屈折率の低い材料によって生成される。このため、接着剤102に入射した光は、接着剤102よりも屈折率の高い光波長変換部材50に入射しにくくなる。このように入射面50aの凸部の先端と発光面48aとを当接させることにより、光波長変換部材50と半導体発光素子48とが当接する部分については接着剤102を介することなく半導体発光素子48が発した光を光波長変換部材50に入射させることができる。このため、半導体発光素子48と光波長変換部材50との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材50に光を入射させることができる。
【0054】
(第5の実施形態)
図7は、第5の実施形態に係る発光モジュール120の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール120が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
発光モジュール120は、接着剤層66に代えて、半導体発光素子62の発光面62aの凹部に入り込むように塗布された接着剤122によって半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aとが互いに固着される以外は、第2の実施形態に係る発光モジュール60と同様に構成される。なお、接着剤122の材質は、第1の実施形態に係る接着剤層52と同様である。
【0056】
これによっても、光波長変換部材64と半導体発光素子62とが当接する部分については接着剤122を介することなく半導体発光素子62が発した光を光波長変換部材64に入射させることができる。このため、半導体発光素子62と光波長変換部材64との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材64に光を入射させることができる。
【0057】
(第6の実施形態)
図8は、第6の実施形態に係る発光モジュール140の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール140が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
半導体発光素子82および光波長変換部材84は、各々に設けられた凸部の先端が互いに当接するよう凹凸が形成される。したがって、半導体発光素子82および光波長変換部材84の双方の凹部が互いに連通する。
【0059】
発光モジュール140は、接着剤層86に代えて、光波長変換部材84の入射面84aおよび半導体発光素子82の発光面82aの双方の凹部に入り込むように塗布された接着剤142によって半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aとが互いに固着される以外は、第3の実施形態に係る発光モジュール80と同様に構成される。なお、接着剤142の材質は、第1の実施形態に係る接着剤層52と同様である。
【0060】
これによっても、光波長変換部材84と半導体発光素子82とが当接する部分については接着剤142を介することなく半導体発光素子82が発した光を光波長変換部材84に入射させることができる。このため、半導体発光素子82と光波長変換部材84との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材84に光を入射させることができる。
【0061】
(第7の実施形態)
図9は、第7の実施形態に係る発光モジュール160の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール160が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
発光モジュール160は、接着剤ではなく直接接合によって半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aが互いに接合される以外は、第4の実施形態に係る発光モジュール100と同様に構成される。
【0063】
発明者によって行われた実験の結果、表面活性化接合によって半導体発光素子48と光波長変換部材50とを直接接合可能であることが確認された。なお、プラズマ接合によって両者を直接接合可能であることも確認されている。このように例えばシリコン系や有機系の接着剤を用いない直接接合を用いて半導体発光素子48と光波長変換部材50とを互いに固着させることにより、固着部分の劣化を回避することができ、また、半導体発光素子48が発する光の取り出し効率低下も回避することができる。
【0064】
(第8の実施形態)
図10は、第8の実施形態に係る発光モジュール180の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール180が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
発光モジュール180は、接着剤ではなく直接接合によって半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aが互いに接合される以外は、第5の実施形態に係る発光モジュール120と同様に構成される。また、直接接合方法、半導体発光素子62および光波長変換部材64の材質は、第7の実施形態と同様である。
【0066】
これによっても、接着剤を介することなく半導体発光素子62が発した光を光波長変換部材64に入射させることができる。このため、半導体発光素子62と光波長変換部材64との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材64に光を入射させることができる。
【0067】
(第9の実施形態)
図11は、第9の実施形態に係る発光モジュール200の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール200が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
発光モジュール200は、接着剤ではなく直接接合によって半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aが互いに接合される以外は、第6の実施形態に係る発光モジュール140と同様に構成される。また、直接接合方法、半導体発光素子82および光波長変換部材84の材質は、第7の実施形態と同様である。
【0069】
これによっても、接着剤を介することなく半導体発光素子82が発した光を光波長変換部材84に入射させることができる。このため、半導体発光素子82と光波長変換部材84との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材84に光を入射させることができる。
【0070】
(第10の実施形態)
図12は、第10の実施形態に係る発光モジュール220の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール220が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
発光モジュール220は、半導体発光素子222および光波長変換部材224を備える。半導体発光素子222は、半導体層228および結晶成長用基板230を有する。半導体層228および結晶成長用基板230の各々は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様に構成される。このため半導体発光素子222もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0072】
光波長変換部材224は、入射面224aが半導体発光素子222の発光面222aに対向するよう配置され、入射面224aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材224の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材224もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子222もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0073】
発光モジュール220は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0074】
第10の実施形態では、光波長変換部材224の入射面224aに凹凸が設けられる。さらに入射面224aと発光面222aとの間には、直接接合を用いて半導体発光素子222と光波長変換部材224とを互いに固着させるべく、バッファ層226が形成される。バッファ層226を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。バッファ層226を形成する材料はYAGであってもよく、またはSiO2であってもよい。
【0075】
バッファ層226は、スパッタリングにより半導体発光素子222の発光面222aに薄膜形成される。なお、スパッタリングに代えて、蒸着、MOCVD(有機金属気相成長法:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、またはMBE(分子線エピタキシー法:Molecular Beam Epitaxy)が用いられてもよい。バッファ層226は、半導体発光素子222が発する光の少なくとも一部を透過させる透光性を有する。
【0076】
次に、バッファ層226と半導体発光素子222の発光面222aとが直接接合によって互いに接合される。発明者によって行われた実験の結果、表面活性化接合、およびプラズマ接合の双方とも、両者を直接接合可能であることが確認された。なお、バッファ層226を形成する材料がYAGであってもSiO2であっても、これらの接合方法によって両者を固着可能であることが確認されている。したがってこのような態様によっても、直接接合を用いて半導体発光素子222と光波長変換部材224とを互いに固着させることができる。
【0077】
このバッファ層226は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成される。これにより、直接接合される凸部上にバッファ層226を形成しつつ、凹部に貫通する開口部を設けることでバッファ層226を通過することなく光が通過可能な領域を確保することができる。バッファ層226は、材質によっては光の透過性が光波長変換部材224などよりも低くなる可能性がある。このようにバッファ層226に開口部を設けることにより、バッファ層226自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0078】
(第11の実施形態)
図13は、第11の実施形態に係る発光モジュール240の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール240が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
発光モジュール240は、半導体発光素子242および光波長変換部材244を備える。半導体発光素子242は、半導体層248および結晶成長用基板250を有する。半導体層248および結晶成長用基板250の各々は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様に構成される。このため半導体発光素子242もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0080】
光波長変換部材244は、入射面244aが半導体発光素子242の発光面242aに対向するよう配置され、入射面244aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材244の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材244もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子242もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0081】
発光モジュール240は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0082】
第11の実施形態では、半導体発光素子242の発光面242a、すなわち結晶成長用基板250の外面に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層248の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。さらに発光面242aには、直接接合を用いて半導体発光素子242と光波長変換部材244とを互いに固着させるべく、バッファ層246が形成される。バッファ層246を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。バッファ層246の材質、発光面242aへの形成方法、および光波長変換部材244の入射面244aへの直接接合方法は、第10の実施形態に係るバッファ層226と同様である。
【0083】
このバッファ層246は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成される。これにより、バッファ層246を発光面242aに形成する場合においても、バッファ層246自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0084】
なお、半導体発光素子242の発光面242aの全面にバッファ層246を形成させた後、凹部が形成されるようバッファ層246の上から発光面242aに加工が施される。これにより、発光面242aの凹部に貫通する開口部が形成されるよう、発光面242aの凸部上にバッファ層246を簡易に形成することができる。
【0085】
(第12の実施形態)
図14は、第12の実施形態に係る発光モジュール260の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール260が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
発光モジュール260は、半導体発光素子262および光波長変換部材264を備える。半導体発光素子262は、半導体層268および結晶成長用基板270を有する。半導体層268および結晶成長用基板270の各々は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様に構成される。このため半導体発光素子262もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0087】
光波長変換部材264は、入射面264aが半導体発光素子262の発光面262aに対向するよう配置され、入射面264aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材264の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材264もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子262もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0088】
発光モジュール260は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0089】
第12の実施形態では、半導体発光素子262の発光面262a、すなわち結晶成長用基板270の外面に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層268の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。
【0090】
さらに発光面262aには、直接接合を用いて半導体発光素子262と光波長変換部材264とを互いに固着させるべく、バッファ層266が形成される。バッファ層266は、入射面264aに直接接合される。なお、バッファ層266は、光波長変換部材264の入射面264aに形成され、発光面262aに直接接合されてもよい。バッファ層266を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。バッファ層266の材質、形成方法、および直接接合方法は、第10の実施形態に係るバッファ層226と同様である。
【0091】
半導体発光素子262および光波長変換部材264は、各々に設けられた凸部の先端が互いに対向するよう凹凸が形成される。バッファ層266は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成される。したがって、半導体発光素子262および光波長変換部材264の双方の凹部が互いに連通する。このためこのような態様によっても、バッファ層266自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0092】
なお、半導体発光素子262の発光面262aの全面にバッファ層266を形成させた後、凹部が形成されるようバッファ層266の上から発光面262aに加工が施される。これにより、発光面262aの凹部に貫通する開口部が形成されるよう、発光面262aの凸部上にバッファ層266を簡易に形成することができる。
【0093】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
【0094】
ある変形例では、半導体発光素子は紫外光を主として発するものが用いられる。また、光波長変換部材は、紫外光を互いに異なる色の光に変換する複数の光波長変換層が積層されて形成されている。例えば、紫外光を青色光に変換する光波長変換層と、紫外光を黄色光に変換する光波長変換層が積層されて形成されてもよい。または、紫外光を青色光に変換する光波長変換層と、紫外光を緑色光に変換する光波長変換層と、紫外光を赤色光に変換する光波長変換層が積層されて形成されてもよい。このように半導体発光素子および光波長変換部材を構成することによっても、白色光を発する発光モジュールを得ることができる。
【0095】
なお、光波長変換部材に、紫外光を互いに異なる色の光に変換する複数種類の蛍光体が含められていてもよい。例えば、紫外光を青色光に変換する蛍光体と、紫外光を黄色光に変換する蛍光体が光波長変換部材に含められていてもよい。または、紫外光を青色光に変換する蛍光体と、紫外光を緑色光に変換する蛍光体と、紫外光を赤色光に変換する蛍光体が光波長変換部材に含められていてもよい。このように半導体発光素子および光波長変換部材を構成することによっても、白色光を発する発光モジュールを得ることができる。
【符号の説明】
【0096】
40 発光モジュール、 48a 発光面、 50 光波長変換部材、 50a 入射面、 60 発光モジュール、 62a 発光面、 64 光波長変換部材、 64a 入射面、 80 発光モジュール、 82a 発光面、 84 光波長変換部材、 84a 入射面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールに関し、特に発光素子とその発光素子が発する光を波長変換する光波長変換部材とを備える発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蛍光体などを用いてLED(Light Emitting Diode)が発する光を波長変換することにより、LEDが発する光の色とは異なる色の光を出射する発光モジュールを得る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば変換効率を増大させるべく、波長変換材料を含むセラミック層を発光層によって放出された光の経路内に配置する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−59864号公報
【特許文献2】特開2006−5367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、LEDの用途は益々広がっており、例えば車両用前照灯の用途としても期待されている。しかしながら、このような用途で用いるためには、高輝度または高光度のLEDを実現する必要がある。このためには、LEDが発する光の取り出し効率の向上が大きな課題となる。上述の特許文献に記載される技術では、発光素子から発せられた光はいちど光波長変換材料を通過して出射するため、光の取り出し効率向上のためには、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の発光モジュールは、発光素子と、発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、を備える。発光素子の発光面または光波長変換部材の入射面に凹凸が設けられる。
【0007】
この態様によれば、発光素子から光波長変換材料に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。このため、光波長変換部材を設けることにより発光モジュールが発する光の光度または輝度が低下することを回避することができる。
【0008】
発光素子の発光面と光波長変換部材の入射面は、直接接合によって互いに接合されてもよい。
【0009】
例えば両者を接着剤層を介して固着させた場合、接着剤層の屈折率の影響によって発光素子から光波長変換材料に光が入射するとき光の取り出し効率が低下する可能性がある。この態様によれば、このように両者を接着剤層を介して固着させる場合に比べて光の取り出し効率を高めることが可能となる。このため、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制することができる。
【0010】
直接接合を用いて発光素子と光波長変換部材とを互いに固着させるべく発光素子の発光面または光波長変換部材の入射面に形成されたバッファ層をさらに備えてもよい。バッファ層は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成されてもよい。
【0011】
バッファ層を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。しかし、バッファ層の透光性が光波長変換部材よりも低い場合があり得るため、バッファ層を設ける場合はそれによる光の取り出し効率の低下を抑制する必要がある。この態様によれば、直接接合される凸部上にバッファ層を形成しつつ、凹部に貫通する開口部を設けることでバッファ層を通過することなく光が通過可能な領域を確保することができる。このため、バッファ層自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0012】
本発明の別の態様もまた、発光モジュールである。この発光モジュールは、発光素子と、発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、発光素子の発光面と光波長変換部材の入射面とに介在するフォトニック結晶と、を備える。
【0013】
この態様によれば、屈折率が周期的に変化する構造体であるというフォトニック結晶の特質を利用して、発光素子から光波長変換材料に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を簡易に抑制することができる。このため、光波長変換部材を設けることにより発光モジュールが発する光の光度または輝度が低下することを回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光素子から光波長変換材料に光が入射するときの光度または輝度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態に係る車両用前照灯の構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る発光モジュール基板の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図4】第2の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図5】第3の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図6】第4の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図7】第5の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図8】第6の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図9】第7の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図10】第8の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図11】第9の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図12】第10の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図13】第11の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【図14】第12の実施形態に係る発光モジュールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る車両用前照灯10の構成を示す断面図である。車両用前照灯10は、灯具ボディ12、前面カバー14、および灯具ユニット16を有する。以下、図1において左側を灯具前方、右側を灯具後方として説明する。また、灯具前方にみて右側を灯具右側、左側を灯具左側という。図1は、灯具ユニット16の光軸を含む鉛直平面によって切断された車両用前照灯10を灯具左側から見た断面を示している。なお、車両用前照灯10が車両に装着される場合、車両には互いに左右対称に形成された車両用前照灯10が車両左前方および右前方のそれぞれに設けられる。図1は、左右いずれかの車両用前照灯10の構成を示している。
【0018】
灯具ボディ12は開口を有する箱状に形成される。前面カバー14は透光性を有する樹脂またはガラスによって椀状に形成される。前面カバー14は、縁部が灯具ボディ12の開口部に取り付けられる。こうして、灯具ボディ12と前面カバー14とによって覆われる領域に灯室が形成される。
【0019】
灯室内には、灯具ユニット16が配置される。灯具ユニット16は、エイミングスクリュー18によって灯具ボディ12に固定される。下方のエイミングスクリュー18はレベリングアクチュエータ20が作動することにより回転するよう構成されている。このため、レベリングアクチュエータ20を作動させることで、灯具ユニット16の光軸を上下方向に移動することが可能となっている。
【0020】
灯具ユニット16は、投影レンズ30、支持部材32、リフレクタ34、ブラケット36、発光モジュール基板38、および放熱フィン42を有する。投影レンズ30は、灯具前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、その後方焦点面上に形成される光源像を反転像として灯具前方に投影する。支持部材32は、投影レンズ30を支持する。発光モジュール基板38には発光モジュール40が設けられている。リフレクタ34は、発光モジュール40からの光を反射して、投影レンズ30の後方焦点面に光源像を形成する。このようにリフレクタ34および投影レンズ30は、発光モジュール40が発した光を灯具前方に向けて集光する光学部材として機能する。放熱フィン42は、ブラケット36の後方側の面に取り付けられ、主に発光モジュール40が発した熱を放熱する。
【0021】
支持部材32には、シェード32aが形成されている。車両用前照灯10はロービーム用光源として用いられ、シェード32aは、発光モジュール40から発せられリフレクタ34にて反射した光の一部を遮ることで、車両前方においてロービーム用配光パターンにおけるカットオフラインを形成する。ロービーム用配光パターンは公知であることから説明を省略する。
【0022】
図2は、第1の実施形態に係る発光モジュール基板38の構成を示す図である。発光モジュール基板38は、発光モジュール40、基板44、サブマウント45、および透明カバー46を有する。発光モジュール40はサブマウント45に取り付けられており、このサブマウント45が基板44に取り付けられている。発光モジュール40は無色の透明カバー46によって覆われており、透明カバー46の内部は中空となっている。発光モジュール40は、半導体発光素子48および光波長変換部材50を有する。
【0023】
図3は、第1の実施形態に係る発光モジュール40の側面図である。半導体発光素子48は、LED素子によって構成される。第1の実施形態では、半導体発光素子48として、青色の波長の光を主として発する青色LEDが採用されている。具体的には、半導体発光素子48は、AlxInyGa(1−x−y)N系半導体層を結晶成長させることにより形成されるAlxInyGa(1−x−y)N系LED素子によって構成されている。なお、半導体発光素子48を形成するための材料はこれに限られず、例えばInN、AlGaN、AINのいずれかであってもよい。
【0024】
半導体発光素子48は、例えば1mm角のチップとして形成され、発する青色光の中心波長は460nmとなるよう設けられている。なお、半導体発光素子48の構成や発する光の波長が上述したものに限られないことは勿論であり、半導体発光素子48は青以外の波長の光を主として発するものが採用されてもよい。
【0025】
半導体発光素子48は、いわゆるフリップチップタイプのものが採用される。なお、半導体発光素子48に他のタイプのものが採用されてもよいことは勿論であり、例えば半導体発光素子48にいわゆる縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0026】
半導体発光素子48は、半導体層54と、半導体層54の結晶成長に用いられた結晶成長用基板56とを有する。結晶成長用基板56はサファイアによって形成されている。なお、結晶成長用基板56の材質がサファイアに限られないことは勿論であり、結晶成長に用いられる他の材質が採用されてもよい。半導体層54は、結晶成長用基板56に結晶成長して形成されるため、半導体層54と結晶成長用基板56とは互いに固着されている。半導体発光素子48は、結晶成長用基板56の外面のうち半導体層54に固着している面と反対側の面が発光面48aとなる。発光面48aは平面状に形成される。なお、半導体発光素子48は、結晶成長用基板上に半導体層を結晶成長させた後、結晶成長用基板を除去したものが用いられてもよい。
【0027】
光波長変換部材50は、いわゆる発光セラミック、または蛍光セラミックと呼ばれるものであり、青色光によって励起される蛍光体であるYAG(Yttrium Alminum Garnet)粉末を用いて作成されたセラミック素地を焼結することにより得ることができる。このような光波長変換セラミックの製造方法は公知であることから詳細な説明は省略する。なお、光波長変換部材50は焼結セラミックに限定されず、例えばアモルファス、多結晶、単結晶のものを含み、結晶構造などによって限定されない。光波長変換部材50は板状に形成される。
【0028】
また、光波長変換部材50には、透明なものが採用されている。第1の実施形態において「透明」とは、変換波長域の光の全光線透過率が40%以上のことを意味するものとする。発明者の鋭意なる研究開発の結果、変換波長域の光の全光線透過率が40%以上の透明な状態であれば、光波長変換部材50において光の波長を適切に変換できると共に、各々を通過する光の光度の減少も適切に抑制できることが判明した。したがって、光波長変換部材50をこのように透明な状態にすることによって、半導体発光素子48が発する光をより効率的に変換することができる。
【0029】
また、光波長変換部材50は有機系バインダーレスの無機物で構成され、有機系バインダーなどの有機物を含有する場合に比べて耐久性の向上が図られている。このため、例えば発光モジュール40に1W(ワット)以上の電力を投入することが可能となっており、発光モジュール40が発する光の輝度、光度、および光束を高めることが可能となっている。なお、光波長変換部材50にバインダーが含まれていてもよい。
【0030】
光波長変換部材50は、入射面50aが半導体発光素子48の発光面48aに対向するよう配置され、入射面50aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材50は、半導体発光素子48が主として発する青色光の波長を変換して黄色光を出射する。このため、発光モジュール40からは、光波長変換部材50をそのまま透過した青色光と、光波長変換部材50によって波長変換され出射された黄色光との合成光である白色光が出射する。
【0031】
第1の実施形態では、光波長変換部材50の入射面50aに凹凸が設けられる。このような凹凸を設けることにより、入射面50aによって反射される光を抑制することができ、光波長変換部材50を設けることによる光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0032】
半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aの間には、接着剤層52が設けられる。接着剤層52は、例えばシリコン系または有機系の材料によって生成され、半導体発光素子48と光波長変換部材50とを互いに固着させる。このとき接着剤層52は、入射面50aの凹部に入り込むように設けられる。
【0033】
なお、凹凸形状は図3に示すような形状に限られないことは勿論であり、断面が三角形状の凹部または凸部が設けられてもよく、また、底部が曲面となる凹部または頂部が曲面となる凸部が設けられてもよい。
【0034】
また、凹凸に代えて入射面50aにフォトニック結晶が設けられてもよい。この場合も、発光面48aと入射面50aとの間に接着剤層52が設けられてもよい。これにより、半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aとにフォトニック結晶を介在させることができる。フォトニック結晶は、屈折率が周期的に変化する構造体である。フォトニック結晶は公知であるため、その形成方法などについての説明は省略する。このようにフォトニック結晶を設けることによっても、入射面50aによる光の反射を抑制することができ、半導体発光素子48から光波長変換部材50に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る発光モジュール60の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール60が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、第1の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
発光モジュール60は、半導体発光素子62および光波長変換部材64を備える。第2の実施形態では、半導体発光素子62もまた、半導体層68と、半導体層68の結晶成長に用いられた結晶成長用基板70とを有する。半導体発光素子62は、結晶成長用基板70の外面のうち半導体層68に固着している面と反対側の面が発光面62aとなる。なお、半導体発光素子62は、結晶成長用基板上に半導体層を結晶成長させた後、結晶成長用基板を除去したものが用いられてもよい。
【0037】
半導体層68および結晶成長用基板70の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様である。このため半導体発光素子62もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0038】
光波長変換部材64は、入射面64aが半導体発光素子62の発光面62aに対向するよう配置され、入射面64aから入射した光を波長変換して出射する。入射面64aは平面状に形成される。光波長変換部材64の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材64もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子62もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0039】
発光モジュール60は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0040】
第2の実施形態では、半導体発光素子62の発光面62a、すなわち結晶成長用基板70の外面に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層68の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。このように発光面62aに凹凸を設けることによっても、半導体発光素子62の発光面62aから光波長変換部材64の入射面64aに光が入射するときの光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0041】
半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aの間には、接着剤層66が設けられる。接着剤層66の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54と同様である。接着剤層66は、半導体発光素子62と光波長変換部材64とを互いに固着させる。このとき接着剤層66は、発光面62aの凹部に入り込むように設けられる。
【0042】
また、凹凸に代えて発光面62aにフォトニック結晶が設けられてもよい。この場合も、発光面62aと入射面64aとの間に接着剤層66が設けられてもよい。このような態様で半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aとにフォトニック結晶を介在させることによっても、半導体発光素子62から光波長変換部材64に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0043】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る発光モジュール80の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール80が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
発光モジュール80は、半導体発光素子82および光波長変換部材84を備える。第3の実施形態では、半導体発光素子82もまた、半導体層88と、半導体層88の結晶成長に用いられた結晶成長用基板90とを有する。半導体発光素子82は、結晶成長用基板90の外面のうち半導体層88に固着している面と反対側の面が発光面82aとなる。なお、半導体発光素子82は、結晶成長用基板上に半導体層を結晶成長させた後、結晶成長用基板を除去したものが用いられてもよい。
【0045】
半導体層88および結晶成長用基板90の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様である。このため半導体発光素子82もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0046】
光波長変換部材84は、入射面84aが半導体発光素子82の発光面82aに対向するよう配置され、入射面84aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材84の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材84もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子82もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0047】
発光モジュール80は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0048】
第3の実施形態では、光波長変換部材84の入射面84a、および半導体発光素子82の発光面82a、すなわち結晶成長用基板90の外面の双方に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層88の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。このように半導体発光素子82の発光面82aおよび光波長変換部材84の入射面84aの双方に凹凸を設けることによっても、半導体発光素子82の発光面82aから光波長変換部材84の入射面84aに光が入射するときの光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0049】
半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aの間には、接着剤層86が設けられる。接着剤層86の材質は、第1の実施形態に係る半導体層54と同様である。接着剤層86は、半導体発光素子82と光波長変換部材84とを互いに固着させる。このとき接着剤層86は、半導体発光素子82の発光面82aおよび光波長変換部材84の入射面84aの双方の凹部に入り込むように設けられる。
【0050】
また、凹凸に代えて、半導体発光素子82の発光面82aおよび光波長変換部材84の入射面84aの双方にフォトニック結晶が設けられてもよい。この場合も、発光面82aと入射面84aとの間に接着剤層86が設けられてもよい。このような態様で半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aとにフォトニック結晶を介在させることによっても、入射面84aによる光の反射を抑制することができ、半導体発光素子82から光波長変換部材84に光が入射するとき光の取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0051】
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態に係る発光モジュール100の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール100が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
発光モジュール100は、接着剤層52に代えて、入射面50aの凹部に入り込むように塗布された接着剤102によって半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aとが互いに固着される以外は、第1の実施形態に係る発光モジュール60と同様に構成される。なお、接着剤102の材質は、第1の実施形態に係る接着剤層52と同様である。
【0053】
これにより、入射面50aに設けられた凸部の先端と発光面48aとを当接させた状態で光波長変換部材50と半導体発光素子48とを互いに固着させることができる。接着剤102は、結晶成長用基板56や光波長変換部材50よりも屈折率の低い材料によって生成される。このため、接着剤102に入射した光は、接着剤102よりも屈折率の高い光波長変換部材50に入射しにくくなる。このように入射面50aの凸部の先端と発光面48aとを当接させることにより、光波長変換部材50と半導体発光素子48とが当接する部分については接着剤102を介することなく半導体発光素子48が発した光を光波長変換部材50に入射させることができる。このため、半導体発光素子48と光波長変換部材50との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材50に光を入射させることができる。
【0054】
(第5の実施形態)
図7は、第5の実施形態に係る発光モジュール120の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール120が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
発光モジュール120は、接着剤層66に代えて、半導体発光素子62の発光面62aの凹部に入り込むように塗布された接着剤122によって半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aとが互いに固着される以外は、第2の実施形態に係る発光モジュール60と同様に構成される。なお、接着剤122の材質は、第1の実施形態に係る接着剤層52と同様である。
【0056】
これによっても、光波長変換部材64と半導体発光素子62とが当接する部分については接着剤122を介することなく半導体発光素子62が発した光を光波長変換部材64に入射させることができる。このため、半導体発光素子62と光波長変換部材64との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材64に光を入射させることができる。
【0057】
(第6の実施形態)
図8は、第6の実施形態に係る発光モジュール140の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール140が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
半導体発光素子82および光波長変換部材84は、各々に設けられた凸部の先端が互いに当接するよう凹凸が形成される。したがって、半導体発光素子82および光波長変換部材84の双方の凹部が互いに連通する。
【0059】
発光モジュール140は、接着剤層86に代えて、光波長変換部材84の入射面84aおよび半導体発光素子82の発光面82aの双方の凹部に入り込むように塗布された接着剤142によって半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aとが互いに固着される以外は、第3の実施形態に係る発光モジュール80と同様に構成される。なお、接着剤142の材質は、第1の実施形態に係る接着剤層52と同様である。
【0060】
これによっても、光波長変換部材84と半導体発光素子82とが当接する部分については接着剤142を介することなく半導体発光素子82が発した光を光波長変換部材84に入射させることができる。このため、半導体発光素子82と光波長変換部材84との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材84に光を入射させることができる。
【0061】
(第7の実施形態)
図9は、第7の実施形態に係る発光モジュール160の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール160が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
発光モジュール160は、接着剤ではなく直接接合によって半導体発光素子48の発光面48aと光波長変換部材50の入射面50aが互いに接合される以外は、第4の実施形態に係る発光モジュール100と同様に構成される。
【0063】
発明者によって行われた実験の結果、表面活性化接合によって半導体発光素子48と光波長変換部材50とを直接接合可能であることが確認された。なお、プラズマ接合によって両者を直接接合可能であることも確認されている。このように例えばシリコン系や有機系の接着剤を用いない直接接合を用いて半導体発光素子48と光波長変換部材50とを互いに固着させることにより、固着部分の劣化を回避することができ、また、半導体発光素子48が発する光の取り出し効率低下も回避することができる。
【0064】
(第8の実施形態)
図10は、第8の実施形態に係る発光モジュール180の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール180が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
発光モジュール180は、接着剤ではなく直接接合によって半導体発光素子62の発光面62aと光波長変換部材64の入射面64aが互いに接合される以外は、第5の実施形態に係る発光モジュール120と同様に構成される。また、直接接合方法、半導体発光素子62および光波長変換部材64の材質は、第7の実施形態と同様である。
【0066】
これによっても、接着剤を介することなく半導体発光素子62が発した光を光波長変換部材64に入射させることができる。このため、半導体発光素子62と光波長変換部材64との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材64に光を入射させることができる。
【0067】
(第9の実施形態)
図11は、第9の実施形態に係る発光モジュール200の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール200が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
発光モジュール200は、接着剤ではなく直接接合によって半導体発光素子82の発光面82aと光波長変換部材84の入射面84aが互いに接合される以外は、第6の実施形態に係る発光モジュール140と同様に構成される。また、直接接合方法、半導体発光素子82および光波長変換部材84の材質は、第7の実施形態と同様である。
【0069】
これによっても、接着剤を介することなく半導体発光素子82が発した光を光波長変換部材84に入射させることができる。このため、半導体発光素子82と光波長変換部材84との間に接着剤層が設けられる場合に比べ、より高い効率で光波長変換部材84に光を入射させることができる。
【0070】
(第10の実施形態)
図12は、第10の実施形態に係る発光モジュール220の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール220が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
発光モジュール220は、半導体発光素子222および光波長変換部材224を備える。半導体発光素子222は、半導体層228および結晶成長用基板230を有する。半導体層228および結晶成長用基板230の各々は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様に構成される。このため半導体発光素子222もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0072】
光波長変換部材224は、入射面224aが半導体発光素子222の発光面222aに対向するよう配置され、入射面224aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材224の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材224もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子222もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0073】
発光モジュール220は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0074】
第10の実施形態では、光波長変換部材224の入射面224aに凹凸が設けられる。さらに入射面224aと発光面222aとの間には、直接接合を用いて半導体発光素子222と光波長変換部材224とを互いに固着させるべく、バッファ層226が形成される。バッファ層226を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。バッファ層226を形成する材料はYAGであってもよく、またはSiO2であってもよい。
【0075】
バッファ層226は、スパッタリングにより半導体発光素子222の発光面222aに薄膜形成される。なお、スパッタリングに代えて、蒸着、MOCVD(有機金属気相成長法:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、またはMBE(分子線エピタキシー法:Molecular Beam Epitaxy)が用いられてもよい。バッファ層226は、半導体発光素子222が発する光の少なくとも一部を透過させる透光性を有する。
【0076】
次に、バッファ層226と半導体発光素子222の発光面222aとが直接接合によって互いに接合される。発明者によって行われた実験の結果、表面活性化接合、およびプラズマ接合の双方とも、両者を直接接合可能であることが確認された。なお、バッファ層226を形成する材料がYAGであってもSiO2であっても、これらの接合方法によって両者を固着可能であることが確認されている。したがってこのような態様によっても、直接接合を用いて半導体発光素子222と光波長変換部材224とを互いに固着させることができる。
【0077】
このバッファ層226は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成される。これにより、直接接合される凸部上にバッファ層226を形成しつつ、凹部に貫通する開口部を設けることでバッファ層226を通過することなく光が通過可能な領域を確保することができる。バッファ層226は、材質によっては光の透過性が光波長変換部材224などよりも低くなる可能性がある。このようにバッファ層226に開口部を設けることにより、バッファ層226自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0078】
(第11の実施形態)
図13は、第11の実施形態に係る発光モジュール240の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール240が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
発光モジュール240は、半導体発光素子242および光波長変換部材244を備える。半導体発光素子242は、半導体層248および結晶成長用基板250を有する。半導体層248および結晶成長用基板250の各々は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様に構成される。このため半導体発光素子242もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0080】
光波長変換部材244は、入射面244aが半導体発光素子242の発光面242aに対向するよう配置され、入射面244aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材244の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材244もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子242もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0081】
発光モジュール240は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0082】
第11の実施形態では、半導体発光素子242の発光面242a、すなわち結晶成長用基板250の外面に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層248の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。さらに発光面242aには、直接接合を用いて半導体発光素子242と光波長変換部材244とを互いに固着させるべく、バッファ層246が形成される。バッファ層246を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。バッファ層246の材質、発光面242aへの形成方法、および光波長変換部材244の入射面244aへの直接接合方法は、第10の実施形態に係るバッファ層226と同様である。
【0083】
このバッファ層246は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成される。これにより、バッファ層246を発光面242aに形成する場合においても、バッファ層246自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0084】
なお、半導体発光素子242の発光面242aの全面にバッファ層246を形成させた後、凹部が形成されるようバッファ層246の上から発光面242aに加工が施される。これにより、発光面242aの凹部に貫通する開口部が形成されるよう、発光面242aの凸部上にバッファ層246を簡易に形成することができる。
【0085】
(第12の実施形態)
図14は、第12の実施形態に係る発光モジュール260の側面図である。なお、発光モジュール40に代えて発光モジュール260が設けられる以外は、車両用前照灯10の構成は第1の実施形態と同様である。以下、上述の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
発光モジュール260は、半導体発光素子262および光波長変換部材264を備える。半導体発光素子262は、半導体層268および結晶成長用基板270を有する。半導体層268および結晶成長用基板270の各々は、第1の実施形態に係る半導体層54および結晶成長用基板56と同様に構成される。このため半導体発光素子262もまた、主として青色光を発するよう設けられる。
【0087】
光波長変換部材264は、入射面264aが半導体発光素子262の発光面262aに対向するよう配置され、入射面264aから入射した光を波長変換して出射する。光波長変換部材264の材質も、第1の実施形態に係る光波長変換部材50と同様である。このため光波長変換部材264もまた、青色光を波長変換して黄色光を出射するよう設けられる。したがって、半導体発光素子262もまた、青色光と黄色光との合成光である白色光を出射する。
【0088】
発光モジュール260は、第1の実施形態と同様にいわゆるフリップチップタイプのものが採用される。しかしこれに限定されないことは勿論であり、例えば縦型チップタイプのものやいわゆるフェイスアップタイプのものが採用されてもよい。
【0089】
第12の実施形態では、半導体発光素子262の発光面262a、すなわち結晶成長用基板270の外面に凹凸が設けられる。なお、結晶成長用基板が除去されている場合は、半導体層268の外面、すなわちエピ層に凹凸が設けられてもよい。
【0090】
さらに発光面262aには、直接接合を用いて半導体発光素子262と光波長変換部材264とを互いに固着させるべく、バッファ層266が形成される。バッファ層266は、入射面264aに直接接合される。なお、バッファ層266は、光波長変換部材264の入射面264aに形成され、発光面262aに直接接合されてもよい。バッファ層266を設けることにより、より容易に直接接合することが可能となる。バッファ層266の材質、形成方法、および直接接合方法は、第10の実施形態に係るバッファ層226と同様である。
【0091】
半導体発光素子262および光波長変換部材264は、各々に設けられた凸部の先端が互いに対向するよう凹凸が形成される。バッファ層266は、凹部に貫通する開口部が形成されるよう凸部上に形成される。したがって、半導体発光素子262および光波長変換部材264の双方の凹部が互いに連通する。このためこのような態様によっても、バッファ層266自身による光の取り出し効率低下を抑制することができる。
【0092】
なお、半導体発光素子262の発光面262aの全面にバッファ層266を形成させた後、凹部が形成されるようバッファ層266の上から発光面262aに加工が施される。これにより、発光面262aの凹部に貫通する開口部が形成されるよう、発光面262aの凸部上にバッファ層266を簡易に形成することができる。
【0093】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
【0094】
ある変形例では、半導体発光素子は紫外光を主として発するものが用いられる。また、光波長変換部材は、紫外光を互いに異なる色の光に変換する複数の光波長変換層が積層されて形成されている。例えば、紫外光を青色光に変換する光波長変換層と、紫外光を黄色光に変換する光波長変換層が積層されて形成されてもよい。または、紫外光を青色光に変換する光波長変換層と、紫外光を緑色光に変換する光波長変換層と、紫外光を赤色光に変換する光波長変換層が積層されて形成されてもよい。このように半導体発光素子および光波長変換部材を構成することによっても、白色光を発する発光モジュールを得ることができる。
【0095】
なお、光波長変換部材に、紫外光を互いに異なる色の光に変換する複数種類の蛍光体が含められていてもよい。例えば、紫外光を青色光に変換する蛍光体と、紫外光を黄色光に変換する蛍光体が光波長変換部材に含められていてもよい。または、紫外光を青色光に変換する蛍光体と、紫外光を緑色光に変換する蛍光体と、紫外光を赤色光に変換する蛍光体が光波長変換部材に含められていてもよい。このように半導体発光素子および光波長変換部材を構成することによっても、白色光を発する発光モジュールを得ることができる。
【符号の説明】
【0096】
40 発光モジュール、 48a 発光面、 50 光波長変換部材、 50a 入射面、 60 発光モジュール、 62a 発光面、 64 光波長変換部材、 64a 入射面、 80 発光モジュール、 82a 発光面、 84 光波長変換部材、 84a 入射面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、前記入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、
を備え、
前記発光素子の発光面または前記光波長変換部材の入射面に凹凸が設けられることを特徴とする発光モジュール。
【請求項2】
前記発光素子の発光面と前記光波長変換部材の入射面は、直接接合によって互いに接合されることを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
直接接合を用いて前記発光素子と前記光波長変換部材とを互いに固着させるべく前記発光素子の発光面または前記光波長変換部材の入射面に形成されたバッファ層をさらに備え、
前記バッファ層は、前記凹部に貫通する開口部が形成されるよう前記凸部上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項4】
発光素子と、
前記発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、前記入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、
前記発光素子の発光面と前記光波長変換部材の入射面とに介在するフォトニック結晶と、
を備えることを特徴とする発光モジュール。
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、前記入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、
を備え、
前記発光素子の発光面または前記光波長変換部材の入射面に凹凸が設けられることを特徴とする発光モジュール。
【請求項2】
前記発光素子の発光面と前記光波長変換部材の入射面は、直接接合によって互いに接合されることを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
直接接合を用いて前記発光素子と前記光波長変換部材とを互いに固着させるべく前記発光素子の発光面または前記光波長変換部材の入射面に形成されたバッファ層をさらに備え、
前記バッファ層は、前記凹部に貫通する開口部が形成されるよう前記凸部上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項4】
発光素子と、
前記発光素子の発光面に入射面が対向するよう配置され、前記入射面から入射した光を波長変換して出射する板状の光波長変換部材と、
前記発光素子の発光面と前記光波長変換部材の入射面とに介在するフォトニック結晶と、
を備えることを特徴とする発光モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−9305(P2011−9305A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149111(P2009−149111)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
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