説明

発光素子

【課題】発光出力を向上させることのできる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子1は、第1半導体層と、第2半導体層と、第1半導体層と第2半導体層とに挟まれる活性層105とを有する半導体積層構造10と、半導体積層構造10の一方の面に設けられる中心電極と、中心電極の外周から延びる細線電極とを有する表面電極110と、半導体積層構造10の他方の面の表面電極110の直下を除く部分に細線電極に沿って平行に設けられ、細線電極との間の最短の電流経路である第1電流経路を形成する複数の第1領域と、複数の第1領域を接続する第2領域とを有するコンタクト部120とを備え、表面電極110とコンタクト部120との間の最短の電流経路は第1電流経路であり、第1電流経路の割合が、第1電流経路を除く表面電極110とコンタクト部120との間の電流経路である第2電流経路の割合より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子に関する。特に、本発明は、発光出力の高い発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アノード電極を一方の表面に有するシリコン支持基板と、シリコン支持基板の他方の表面に設けられる金属反射層と、金属反射層上に設けられ、金属反射層にオーミック接触する光透過膜と、光透過膜上に設けられ、光透過膜にオーミック接触するp型半導体層とn型半導体層とに挟まれた活性層を有する半導体積層構造と、半導体積層構造の上に設けられるカソード電極とを備える発光素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の発光素子は、半導体積層構造と金属反射層との間に導電性を有する光透過膜を配置して、半導体積層構造及び金属反射層の双方にオーミック接触すると共に、半導体積層構造と金属反射層との間の合金化を光透過膜が抑制するので、優れた光反射特性を有する金属反射層を構成することができ、発光効率を向上させた発光素子を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−175462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の発光素子は、カソード電極の直下を除く領域の活性層と同程度の電流がカソード電極の直下の活性層に供給されるので、カソード電極の直下の活性層から発せられる光がカソード電極に吸収され、発光素子の発光出力の向上には限界がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、発光出力を向上させることのできる発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、第1導電型の第1半導体層と、第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層と、第1半導体層と第2半導体層とに挟まれる活性層とを有する半導体積層構造と、半導体積層構造の一方の面に設けられる中心電極と、中心電極の外周から延びる細線電極とを有する表面電極と、半導体積層構造の他方の面の表面電極の直下を除く部分に細線電極に沿って平行に設けられ、細線電極との間の最短の電流経路である第1電流経路を形成する複数の第1領域と、複数の第1領域を接続する第2領域とを有するコンタクト部とを備え、表面電極とコンタクト部との間の最短の電流経路は第1電流経路であり、第1電流経路の割合が、第1電流経路を除く表面電極とコンタクト部との間の電流経路である第2電流経路の割合より大きい発光素子が提供される。
【0008】
また、上記発光素子は、第1電流経路は、半導体積層構造の膜厚の二乗と、表面電極とコンタクト部との間の上面視における最短距離Wの二乗との和の平方根により求められ、第2電流経路は、半導体積層構造の膜厚の二乗と、最短距離となる表面電極の部分を除く表面電極の部分とコンタクト部との間の上面視における距離Wの二乗との和の平方根により求められ、最短距離Wと距離Wとは、W<Wの関係を満たしてもよい。
【0009】
また、上記発光素子は、第1電流経路は、20μm以上50μm以下の距離を有していてよい。また、活性層が発する光を反射する反射層を有する支持基板と、反射層と半導体積層構造との間に設けられる透明層とを更に備え、半導体積層構造は、透明層を介して支持基板に支持され、コンタクト部は、透明層を貫通して半導体積層構造と反射層とを電気的に接続してもよい。そして、半導体積層構造は、一方の面の一部に算術平均粗さが100nm以上である凹凸形状部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る発光素子によれば、発光出力を向上させることのできる発光素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】第1の実施の形態に係る発光素子の模式的な上面図である。
【図1B】第1の実施の形態に係る発光素子の模式的な縦断面図である。
【図1C】第1の実施の形態に係る発光素子の上面の詳細図である。
【図1D】第1の実施の形態に係る発光素子の縦断面の一部を示す図である。
【図2A】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2B】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2C】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2D】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2E】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2F】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2G】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2H】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2I】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2J】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2K】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図2L】第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の図である。
【図3】発光素子のDの値の違いによる発光出力を示す図である。
【図4】発光素子のSの値の違いによる順方向電圧を示す図である。
【図5】発光素子のSの値の違いによる発光効率を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る発光素子の模式的な上面図である。
【図7】第3の実施の形態に係る発光素子の模式的な上面図である。
【図8】第3の実施の形態に係る発光素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の模式的な上面を示す。また、図1Bは、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の模式的な縦断面を示す。なお、図1Bは、図1AのA−A線における断面である。
【0013】
(発光素子1の構造の概要)
まず、図1Bを参照する。第1の実施の形態に係る発光素子1は、所定の波長の光を発する活性層105を有する半導体積層構造10と、半導体積層構造10の一方の表面の一部の領域と電気的に接続する表面電極110と、表面電極110の表面に設けられるワイヤーボンディング用パッドとしてのパッド電極115と、半導体積層構造10の他方の表面の一部に電気的に接続するコンタクト部120と、コンタクト部120が設けられている領域を除く半導体積層構造10の他方の表面に設けられる透明層140と、コンタクト部120及び透明層140の半導体積層構造10に接する面の反対側の表面に設けられる反射部130とを備える。
【0014】
更に、発光素子1は、反射部130のコンタクト部120及び透明層140に接する面の反対側に設けられる電気導電性を有する密着層200と、密着層200の反射部130に接する面の反対側に設けられる電気導電性を有する支持基板20と、支持基板20の密着層200に接する面の反対側の面に設けられる裏面電極210とを備える。
【0015】
また、本実施の形態に係る発光素子1の半導体積層構造10は、コンタクト部120及び透明層140に接して設けられるp型コンタクト層109と、p型コンタクト層109の透明層140に接している面の反対側に設けられる第2導電型の第2半導体層としてのp型クラッド層107と、p型クラッド層107のp型コンタクト層109に接している面の反対側に設けられる活性層105と、活性層105のp型クラッド層107に接している面の反対側に設けられる第1導電型の第1半導体層としてのn型クラッド層103と、n型クラッド層103の活性層105に接している面の反対側の一部の領域に設けられるn型コンタクト層101とを有する。
【0016】
半導体積層構造10の透明層140に接している側の反対側の表面は、本実施の形態に係る発光素子1の光取出し面となる。具体的には、n型クラッド層103の活性層105に接している面の反対側の表面の一部が光取出し面となる。そして、n型クラッド層103の光取出し面には、一の凹部と一の凸部とを一つのペアとした凹凸部が連続した凹凸形状部103aが形成される。例えば、一の凹部と他の凹部、又は一の凸部と他の凸部とが所定の間隔をおいてn型クラッド層103の表面に形成されることにより、n型クラッド層103の表面に凹凸形状部103aが設けられる。本実施の形態に係る凹凸形状部103aは、例えば、算術平均粗さが100nm以上の凹凸を有して形成される。
【0017】
更に、反射部130は、コンタクト部120及び透明層140に接して設けられる反射層132と、反射層132のコンタクト部120及び透明層140に接する面の反対側で反射層132に接して設けられるバリア層134と、バリア層134の反射層132に接する面の反対側でバリア層134に接して設けられる接合層136とを有する。そして、密着層200は、反射部130の接合層136に対して機械的及び電気的に接合する接合層202と、接合層202の反射部130に接する面の反対側に設けられるバリア層204と、バリア層204の接合層202に接する面の反対側に設けられるコンタクト電極206とを有する。
【0018】
ここで、発光素子1は、活性層105の側面を含むエッチング側面としての側面10aを有する。具体的に、発光素子1は、n型クラッド層103の側面と、活性層105の側面と、p型クラッド層107の側面と、p型コンタクト層109の側面とを含む側面10aを有する。そして、側面10aは、支持基板20の表面に対して略垂直に形成される。更に、発光素子1は、反射部130の側面と、密着層200の側面と、支持基板20の側面とを含む加工側面としての側面10bを有する。
【0019】
側面10aは、n型クラッド層103の一部と、活性層105の一部と、p型クラッド層107の一部と、p型コンタクト層109の一部とのそれぞれがウェットエッチング等により除去されて形成される面である。一方、側面10bは、反射部130の一部と、密着層200の一部と、支持基板20の一部とのそれぞれが、ダイシング装置を用いたダイシング等により機械的に切断されて形成される面である。したがって、側面10aは、側面10bに比べて滑らかな表面を有する。
【0020】
また、図1Aに示すように、本実施形態に係る発光素子1は上面視にて略正方形に形成される。一例として、発光素子1の平面寸法は、縦寸法及び横寸法がそれぞれ500μmである。また、発光素子1の厚さは、200μm程度に形成される。また、本実施の形態に係る発光素子1は、例えば、平面寸法が300μm程度のチップサイズを有する発光素子、又は平面寸法が1000μm程度の大型のチップサイズを有する発光素子にすることもできる。
【0021】
(表面電極110とコンタクト部120との詳細)
図1Cは、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の上面の詳細を示し、図1Dは、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の縦断面の一部を示す。
【0022】
まず、図1Cを参照して、表面電極110及びコンタクト部120の詳細を説明する。表面電極110は、n型クラッド層103上に設けられる中心電極としての円電極と複数の細線電極とから構成される。例えば、表面電極110は、上面視にて、略矩形に形成される発光素子1の一の辺に近接して当該一の辺に略水平に設けられる細線電極110aと、当該一の辺の対辺に近接して当該対辺に略水平に設けられる細線電極110cと、細線電極110aと細線電極110cとの間において、細線電極110aと細線電極110cとの双方から略等しい位置に細線電極110a及び細線電極110cと略水平に設けられる細線電極110bとを有する。なお、表面電極110の円電極は、一例として、上面視にて円形状に形成されるものの、多角形状(例えば、六角形等)を有して形成することもできる。
【0023】
そして、表面電極110は、細線電極110a、細線電極110b、及び細線電極110cそれぞれの長手方向に対して略垂直な方向に延びると共に、これらの細線電極の略中間付近においてこれらの細線電極と接して設けられる細線電極110dを更に有する。また、表面電極110は、細線電極110bと細線電極110dとの交点を含む領域に円電極を有する。すなわち、複数の細線電極のうち、細線電極110b及び細線電極110dはそれぞれ、円電極の外周から離れる方向に向かって(換言すれば、上面視にて、円電極の外周から発光素子1の外縁に向かって)、円電極の外周から延びて形成される。なお、図1Cにおいて、円電極は、パッド電極115の直下に位置するので図示されていない。また、上面視にて、発光素子1の中心とパッド電極115の中心とが略一致する位置に、パッド電極115は設けられる。
【0024】
次に、コンタクト部120は、上面視にて、表面電極110の直下の透明層140の領域を除く部分に位置する開口内に設けられる。例えば、コンタクト部120は、上面視にて、発光素子1の外周に沿った形状(例えば、発光素子1が上面視にて矩形状である場合、矩形状)を有する外周部120aと、外周部120aの一の辺から中心に向かって所定の長さを有して延びると共に、外周部120aに一方の端部が接して設けられる細線部120bと、外周部120aの当該一の辺から細線部120bと水平な方向に延び、細線部120bから所定の距離をおいて設けられる細線部120cと、外周部120aの当該一の辺の対辺から中心に向かって所定の長さを有して伸びると共に、細線部120b及び細線部120cのそれぞれに対向して設けられる、細線部120d及び細線部120eとを有する。なお、細線部120bないし細線部120eはそれぞれ、略同程度の長さを有する。
【0025】
また、第1の実施の形態におけるコンタクト部120は、細線電極に対して平行に設けられ、かつ、細線電極との距離が最短となる複数の第1領域と、複数の第1領域を電気的に接続する第2領域とを有する。例えば、図1Cに示すように、外周部120aの一部、及び細線部120bないし細線部120eの一部が、細線電極110aないし細線電極110cの長手方向に沿って平行に設けられる複数の第1領域に該当する。また、外周部120aの一部が、細線電極110dの長手方向に沿って平行に設けられる第1領域に該当する。ここで、図1Cを参照すると、第1の実施の形態に係る細線電極110dは、コンタクト部120に対して平行に設けられている。そして、細線電極110dは、コンタクト部120との間の距離がWより長くなる構成である。したがって、第1の実施の形態においては、細線電極110dに対する第1領域は存在しない。
【0026】
なお、表面電極110及びコンタクト部120が曲線領域を有する場合、曲線同士が等間隔に設けられることにより形成される平行曲線についても、本実施の形態における「平行」に設けられる領域に含まれるものとする。
【0027】
そして、上面視にて、表面電極110とコンタクト部120とは重ならない配置となる。例えば、細線電極110aと細線電極110bとの間に、細線部120b及び細線部120dが位置すると共に、細線部120b及び細線部120dはそれぞれ、細線電極110dとは接しない長さを有して形成される。同様に、細線電極110bと細線電極110cとの間に、細線部120c及び細線部120eが位置すると共に、細線部120c及び細線部120eはそれぞれ、細線電極110dとは接しない長さを有して形成される。
【0028】
ここで、発光素子1の上面視にて、表面電極110の細線電極の外縁からコンタクト部120の細線部の外縁までの最短距離を「W」と定義すると共に、パッド電極115の外周(すなわち、表面電極110の円電極の外周)からコンタクト部120への最短距離を「W」と定義する。ここで、最短距離Wは、例えば、細線電極の長手方向の線からコンタクト部120の細線部の長手方向の線までの距離である。また、最短距離Wは、例えば、円電極の外周からコンタクト部120の細線部端までの距離である。例えば、細線電極110aの外縁から外周部120aまでの最短距離、及び細線電極110aの外縁から細線部120bまでの最短距離がWとなる。また、パッド電極115の外縁から細線部120bまでの最短距離、及びパッド電極115の外縁から細線部120eまでの最短距離がWとなる。
【0029】
また、図1Dを参照して、本実施の形態において、半導体積層構造10の膜厚、すなわち、n型コンタクト層101の表面からp型コンタクト層109の底面までの厚さを「T」と定義する。
【0030】
ここで、本実施の形態に係る発光素子1は、表面電極110とコンタクト部120との間の全ての電流経路に対する第1電流経路としての最短の電流経路の割合が、最短の電流経路を除く第2電流経路としての他の電流経路の割合より大きくなる形状で表面電極110とコンタクト部120とが設けられる。例えば、半導体積層構造10の膜厚の二乗と、表面電極110の外縁の各部分とコンタクト部120の外縁の各部分との間のそれぞれの上面視における距離の二乗との和の平方根により求められる各距離のうち、半導体積層構造10の膜厚の二乗と表面電極110とコンタクト部120との間の上面視における最短距離の二乗との和の平方根の値の割合が50%以上となる形状の表面電極110及びコンタクト部120を備える。
【0031】
なお、本実施の形態において「電流経路」は、表面電極110とコンタクト部120との間で電流が流れる経路をいう。ここで、表面電極110とコンタクト部120との間には半導体積層構造10が存在しており、半導体積層構造10を構成する複数の半導体層の抵抗率が相違するものの、半導体積層構造10は発光素子1のサイズと比較して薄い。したがって、抵抗率の相違による電流経路の変動は実質的に無視し得るので、電流経路は、半導体積層構造の膜厚と表面電極とコンタクト部との間の上面視における距離とに基づいて決定することができる。また、「電流経路の割合」は、円電極及び細線電極110aないし110dを含んで構成される表面電極110の外縁(すなわち、外周)の全長に対する、表面電極110の外縁のうち、コンタクト部120に対して直線の最短距離を構成するW1(但し、発光素子1の上面視における距離)の位置(但し、発光素子1の表面における位置)となる表面電極110の外縁の長さの合計の割合として規定される。
【0032】
例えば、本実施の形態においては、表面電極110の細線電極とコンタクト部120の細線部との間の上面視における最短距離Wと、表面電極110の円電極とコンタクト部120細線部との間の上面視における最短距離Wとが存在する。ここで、一例として、W<Wとなる配置を有して表面電極110及びコンタクト部120は形成される。そして、この場合、表面電極110とコンタクト部120との間の最短の電流経路(又は、表面電極110とコンタクト部120との間の最短の距離S)は、最短距離Wとなる部分である。
【0033】
ここで、表面電極110の円電極部分とコンタクト部120との最短距離Wを、細線電極110a等とコンタクト部120との最短距離Wより長く形成する理由は以下のとおりである。すなわち、表面電極110の円電極部分(つまり、パッド電極115)直下及び近傍における発光は、円電極部分及びパッド電極115により光が吸収され、光取り出し効率が低下する。つまり、パッド電極115近傍における発光量を増加させても、発光素子1としての光取り出し量を向上させ難い。一方、細線電極110a等は、パッド電極115に対して幅が狭く、活性層105から発せられる光に対して影となる、若しくは当該光を吸収する影響を低減できる。したがって、本実施の形態においては、W<Wの関係を満たすことが好ましいからである。
【0034】
また、Sは、以下の「数1」の式により表される。
【0035】
【数1】

【0036】
そして、本実施の形態において、「数1」を満たす部分が50%以上となる形状の表面電極110とコンタクト部120とが形成される。更に、「数1」で表わされる「S」が、例えば、20μm≦S≦50μmの範囲となるように、表面電極110及びコンタクト部120は形成される。この配置関係、すなわち「数1」の式を満たす表面電極110とコンタクト部120とを設けることにより、表面電極110とコンタクト部120との間の電流経路のうちの最短の電流経路の割合が、最短の電流経路を除く他の電流経路の割合より大きくなる形状で設けられることになる。したがって、表面電極110の細線電極とコンタクト部120との間の最短の電流経路の方に、パッド電極115に供給された電流が優先的に流れることになる。そして、「数1」を満たす部分が50%以上となる形状の表面電極110とコンタクト部120とが形成することにより、発光素子1内における電流密度の偏りが低減される。
【0037】
なお、表面電極110の円電極は、円電極上に設けられるパッド電極115に接続されるAu等の金属材料からなるワイヤーのボール部分の直径に応じて、少なくとも75μm以上の直径を有して形成される。一例として、表面電極110の円電極は、直径が100μmの円形状に形成される。また、表面電極110の細線電極110aないし110dは、幅が10μmの線状に形成される。更に、コンタクト部120は、表面電極110の直下の領域を除いたp型コンタクト層109の表面に設けられる。具体的に、コンタクト部120は、透明層140を貫通して設けられる開口内に形成されることにより、半導体積層構造10と反射層132とを電気的に接続する。一例として、コンタクト部120は、Au、Znを含む金属材料から形成される。
【0038】
(半導体積層構造10)
本実施形態に係る半導体積層構造10は、III−V族化合物半導体であるAlGaInP系の化合物半導体を有して形成される。具体的に、半導体積層構造10は、不純物であるドーパントがドープされていないアンドープのAlGaInP系の化合物半導体のバルクから形成される活性層105を、n型のAlGaInPを含んで形成されるn型クラッド層103と、p型のAlGaInPを含んで形成されるp型クラッド層107とで挟んだ構成を有する。
【0039】
活性層105は、外部から電流が供給されると所定の波長の光を発する。例えば、活性層105は、波長が630nm付近の赤色光を発する化合物半導体材料で形成される。活性層105は、一例として、アンドープの(Al0.1Ga0.90.5In0.5P層から形成される。また、n型クラッド層103は、Si、Se等のn型のドーパントを所定の濃度含む。一例として、n型クラッド層103は、Siがドープされたn型の(Al0.7Ga0.30.5In0.5P層から形成される。更に、p型クラッド層107は、Zn、Mg等のp型のドーパントを所定の濃度含む。一例として、p型クラッド層107は、Mgがドープされたp型の(Al0.7Ga0.30.5In0.5P層から形成される。
【0040】
更に、半導体積層構造10が有するp型コンタクト層109は、一例として、p型のドーパントとしてのMgが所定の濃度ドープされたp型のGaP層から形成される。そして、n型コンタクト層101は、一例として、n型のドーパントとしてのSiが所定の濃度ドープされたGaAs層から形成される。ここで、n型コンタクト層101は、n型クラッド層103の上面において、表面電極110が設けられる領域に設けられる。
【0041】
(透明層140)
透明層140は、p型コンタクト層109の表面であって、コンタクト部120が設けられていない領域に設けられる。透明層140は、活性層105が発する光の波長に対して透明な材料で形成され、一例として、SiO、TiO、SiN等の等の透明誘電体層から形成される。また、透明層140は、活性層105が発する光の波長をλとすると共に、透明層140を構成する材料の屈折率をnとした場合に、(2×λ)/(4×n)以上の厚さで形成する。なお、透明層140は、コンタクト部120の導電率より低い導電率を有するITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物材料を含む透明導電体層から形成することもできる。
【0042】
また、透明層140を、屈折率がそれぞれ異なる複数の材料からなる薄膜の積層構造から形成することもできる。すなわち、透明層140を、分布ブラック反射(Distributed Bragg Reflector:DBR)構造とすることもできる。例えば、所定膜厚のSiOからなる層と、所定膜厚のTiOからなる層とをペアとしたペア層を複数回積層したDBR構造を有する透明層140を形成できる。
【0043】
(反射部130)
反射部130の反射層132は、活性層105が発する光に対して高い反射率を有する導電性材料から形成される。一例として、反射層132は、当該光に対して80%以上の反射率を有する導電性材料から形成する。反射層132は、活性層105が発した光のうち、反射層132に達した光を活性層105側に向けて反射する。反射層132は、例えば、Al、Au、Ag等の金属材料、又は、これらの金属材料から選択される少なくとも1つの金属材料を含む合金から形成される。一例として、反射層132は、所定膜厚のAlから形成される。そして、反射部130のバリア層134はTi、Pt等の金属材料から形成され、一例として、所定膜厚のTiから形成される。バリア層134は、接合層136を構成する材料が反射層132に伝搬することを抑制する。また、接合層136は、密着層200の接合層202と電気的及び機械的に接合する材料から形成され、一例として、所定膜厚のAuから形成される。
【0044】
(支持基板20)
支持基板20は導電性材料から形成される。支持基板20は、p型又はn型の導電性Si基板、Ge基板、GaAs基板、GaP基板等の半導体基板、若しくはCu等の金属材料からなる金属基板から形成することができる。例えば、本実施形態においては、導電性Si基板を支持基板20として用いることができる。
【0045】
そして、密着層200の接合層202は、反射部130の接合層136と同様に、所定膜厚のAuから形成することができる。また、バリア層204は、Ti、Pt等の金属材料から形成され、一例として所定膜厚のPtから形成することができる。バリア層204は、接合層202を構成する材料がコンタクト電極206に伝搬することを防止する。更に、コンタクト電極206は、支持基板20と電気的に接合する材料から形成され、Au、Ti、Al等を含む金属材料から形成される。一例として、コンタクト電極206は、所定膜厚のTiから形成する。
【0046】
裏面電極210は、支持基板20に電気的に接合する材料から形成され、例えば、Ti、Au等の金属材料から形成される。本実施形態においては、裏面電極210はTiとAuとを有する。具体的に、所定膜厚のTiが支持基板20に電気的に接合して設けられ、Tiの上に所定膜厚のAuが更に設けられる。なお、発光素子1は、裏面電極210の側を下に向けて、Agペースト等の導電性の接合材料、又はAuSn等の共晶材料を用いてAl、Cu等の金属材料から形成されるステムの所定の位置に搭載される。
【0047】
(変形例)
本実施形態に係る発光素子1は、波長が630nmの赤色を含む光を発するが、発光素子1が発する光の波長はこの波長に限定されない。半導体積層構造10の活性層105の構造を制御して、所定の波長範囲の光を発する発光素子1を形成することもできる。活性層105が発する光としては、例えば、橙色光、黄色光、又は緑色光等の波長範囲の光が挙げられる。また、発光素子1が備える半導体積層構造10は、紫外領域、紫色領域、若しくは青色領域の光を発する活性層105を含むInGaN系又はInAlGaN系の化合物半導体から形成することもできる。
【0048】
更に、発光素子1が備える半導体積層構造10は、半導体積層構造10を構成する化合物半導体層の導電型を、第1の実施の形態の反対にすることもできる。例えば、n型コンタクト層101及びn型クラッド層103の導電型をp型にすると共に、p型クラッド層107及びp型コンタクト層109の導電型をn型にすることもできる。また、凹凸形状部103aは、n型クラッド層103の表面に規則性を有さない凹凸部を形成することにより、n型クラッド層103の表面に設けることもできる。
【0049】
また、コンタクト部120は、切断部のない単一な形状に形成されているが、変形例においては、コンタクト部120の一部に切断部を形成して、複数の領域からなるコンタクト部120を形成することもできる。例えば、コンタクト部120は、複数のドット状に形成することもできる。なお、この場合においても、複数のコンタクト部は、表面電極110の直下を除く領域に設けられる。
【0050】
また、発光素子1の平面寸法は上記の実施形態に限られない。例えば、発光素子1の平面寸法は、縦寸法及び横寸法がそれぞれ300μm程度に設計することもでき、あるいは1mmを超える寸法となるように設計することもできる。また、発光素子1の使用用途に応じて、縦寸法及び横寸法を適宜変更して発光素子1を形成することもできる。一例として、発光素子1の平面寸法を、縦寸法の方が横寸法より短くなるように設計することもできる。この場合、発光素子1の上面視における形状は、略長方形となる。
【0051】
また、活性層105は量子井戸構造を有して形成することもできる。量子井戸構造は、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造、又は歪み多重量子井戸構造のいずれの構造からも形成することができる。
【0052】
(発光素子1の製造方法)
図2Aから図2Lは、本発明の第1の実施の形態に係る発光素子の製造工程の流れを示す。
【0053】
まず、図2A(a)に示すように、n型GaAs基板100の上に、例えば、有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE法)によって複数の化合物半導体層を含むAlGaInP系の半導体積層構造11を形成する。具体的には、n型GaAs基板100の上に、アンドープの(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pを有するエッチングストップ層102と、Siがドープされたn型のGaAsを有するn型コンタクト層101と、Siがドープされたn型の(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pを有するn型クラッド層103と、アンドープの(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pを有する活性層105と、Mgがドープされたp型の(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pを有するp型クラッド層107と、Mgがドープされたp型のGaPを有するp型コンタクト層109とをMOVPE法を用いてこの順に形成する。これにより、n型GaAs基板100上に半導体積層構造11が形成されたエピタキシャルウエハが形成される。
【0054】
ここで、MOVPE法を用いた半導体積層構造11の形成は、成長温度を650℃に、成長圧力を6666.1Pa(50Torr)に、半導体積層構造11が有する複数の化合物半導体層のそれぞれの成長速度を0.3nm/secから1.0nm/secに、及びV/III比を約200前後に設定して実施する。なお、V/III比とは、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)等のIII族原料のモル数を基準とした場合における、アルシン(AsH)、ホスフィン(PH)等のV族原料のモル数の比である。
【0055】
また、MOVPE法において用いる原料は、トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)等の有機金属化合物、及びアルシン(AsH)、ホスフィン(PH)等の水素化物ガスを用いることができる。更に、n型のドーパントの原料は、ジシラン(Si)を用いることができる。そして、p型のドーパントの原料は、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いることができる。
【0056】
また、n型のドーパントの原料として、セレン化水素(HSe)、モノシラン(SiH)、ジエチルテルル(DETe)、又はジメチルテルル(DMTe)を用いることもできる。そして、p型のドーパントの原料として、ジメチルジンク(DMZn)又はジエチルジンク(DEZn)を用いることもできる。
【0057】
なお、n型GaAs基板100の上の半導体積層構造11は、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)又はハライド気相エピタキシー法(Halide Vapor Phase Epitaxy:HVPE)等を用いて形成することもできる。
【0058】
次に、図2A(b)に示すように、図2A(a)において形成したエピタキシャルウエハをMOVPE装置から搬出した後、p型コンタクト層109の表面に透明層140を形成する。具体的には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、透明層140としてのSiO膜をp型コンタクト層109の表面に形成する。なお、透明層140を複数の層から形成する場合、真空蒸着法により形成することができる。
【0059】
次に、図2B(c)に示すように、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いて、透明層140に開口140aを形成する。例えば、開口140aを形成すべき領域に溝を有するフォトレジストパターンを、透明層140上に形成する。開口140aは、透明層140の表面からp型コンタクト層109と透明層140との界面までを貫通して形成される。具体的には、フッ酸系のエッチング液としてのエッチャントを用いて、フォトレジストパターンが形成されていない領域の透明層140を除去することにより、透明層140に開口140aを形成する。なお、開口140aは、図1Aにおいて説明したコンタクト部120が設けられる領域に形成する。
【0060】
続いて、図2B(d)に示すように、真空蒸着法を用いて、開口140aにコンタクト部120を構成する材料であるAuZn合金を形成する。例えば、開口140aを形成する際に用いるフォトレジストパターンをマスクとして、AuZnを開口140a内に真空蒸着することにより、コンタクト部120を形成する。これにより、図2Cに示すように、透明層140にAuZnからなるコンタクト部120が形成される。なお、コンタクト部120の形状は、「(表面電極110とコンタクト部120との詳細)」において詳述したので説明を省略する。
【0061】
次に、図2Dの(e)に示すように、真空蒸着法又はスパッタ法を用いて、反射層132としてのAl層と、バリア層134としてのTi層と、接合層136としてのAu層とを形成する。これにより、半導体積層構造体1aが形成される。なお、反射層132は、活性層105が発する光の波長に応じて、当該光の波長に対する反射率が高い材料を選択する。
【0062】
そして、図2E(f)に示すように、支持基板20としての導電性のSi基板上に、コンタクト電極206としてのTiと、バリア層204としてのPtと、接合層202としてのAuとをこの順に真空蒸着法を用いて形成する。これにより、支持構造体20aが形成される。続いて、半導体積層構造体1aの接合層136の表面である接合面136aと、支持構造体20aの接合層202の表面である接合面202aとを対向させて重ね、この状態をカーボン等から形成される冶具で保持する。
【0063】
続いて、半導体積層構造体1aと支持構造体20aとが重なり合った状態を保持している冶具を、ウエハ貼合わせ装置内に導入する。そして、ウエハ貼合わせ装置内を所定圧力にする。一例として、1.333Pa(0.01Torr)の圧力に設定する。そして、互いに重なり合っている半導体積層構造体1aと支持構造体20aとに冶具を介して圧力を加える。一例として、30kgf/cmの圧力を加える。次に、冶具を所定温度まで所定の昇温速度で加熱する。
【0064】
具体的には、冶具の温度を350℃まで加熱する。そして、冶具の温度が350℃程度に達した後、冶具を当該温度で約30分保持する。その後、冶具を徐冷する。冶具の温度を、例えば室温まで十分に低下させる。冶具の温度が低下した後、冶具に加わっている圧力を開放する。そして、ウエハ貼合わせ装置内の圧力を大気圧にして冶具を取り出す。これにより、図2E(g)に示すように、半導体積層構造体1aと支持構造体20aとが接合層136と接合層202との間において機械的・電気的に接合した接合構造体1bが形成される。
【0065】
なお、本実施形態においては、半導体積層構造体1aは、バリア層134を有している。したがって、半導体積層構造体1aと支持構造体20aとを接合面136aと接合面202aとで接合させた場合であっても、接合層136及び接合層202を形成する材料が反射層132に拡散することを抑制して、反射層132の反射特性が劣化することを抑制できる。
【0066】
次に、研磨装置の冶具に貼り付け用ワックスで接合構造体1bを貼り付ける。具体的に、支持基板20側を当該冶具に貼り付ける。そして、接合構造体1bのn型GaAs基板100を所定の厚さになるまで研磨する。続いて、研磨後の接合構造体1bを研磨装置の冶具から取り外して、支持基板20の表面に付着しているワックスを洗浄除去する。そして、図2F(h)に示すように、GaAsエッチング用のエッチャントを用いて、研磨後の接合構造体1bからn型GaAs基板100を選択的に完全に除去してエッチングストップ層102が露出した接合構造体1cを形成する。GaAsエッチング用のエッチャントとしては、例えば、アンモニア水と過酸化水素水との混合液が挙げられる。なお、n型GaAs基板100を研磨せずに、全てのn型GaAs基板100をエッチングにより除去することもできる。
【0067】
そして、図2F(i)に示すように、接合構造体1cからエッチングストップ層102を所定のエッチャントを用いてエッチングにより除去する。これにより、エッチングストップ層102が除去された接合構造体1dが形成される。エッチングストップ層102がAlGaInP系の化合物半導体から形成されている場合、所定のエッチャントとしては、塩酸を含むエッチャントを用いることができる。これによりn型コンタクト層101の表面が外部に露出する。
【0068】
続いて、フォトリソグラフィー法及び真空蒸着法を用いて、n型コンタクト層101の表面の所定の位置に、表面電極110を形成する。表面電極110は、直径が100μmの円電極と幅が10μmの複数の細線電極とから形成される。表面電極110は、例えば、AuGe、Ti、Auをこの順にn型コンタクト層101上に蒸着することにより形成される。この場合に、表面電極110は、コンタクト部120の直上に位置しないように形成される。なお、表面電極110の形状の詳細は、「(表面電極110とコンタクト部120との詳細)」において説明したのでここでは省略する。これにより、図2Gに示すように、表面電極110を有する接合構造体1eが形成される。
【0069】
次に、図2Hに示すように、図2Gにおいて形成した表面電極110をマスクとして、表面電極110の直下に対応するn型コンタクト層101を除くn型コンタクト層101を、硫酸と過酸化水素水と水との混合液を用いてエッチングして除去する。これにより、接合構造体1fが形成される。なお、当該混合液を用いることにより、GaAsから形成されるn型コンタクト層101を、n型の(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pから形成されるn型クラッド層103に対して選択的にエッチングできる。したがって、接合構造体1fにおいては、n型クラッド層103の表面が外部に露出することとなる。
【0070】
次に、図2Iに示すように、n型クラッド層103の表面の一部に、凹凸形状部103aを形成する。具体的には、凹部用のパターン又は凸部用のパターンが所定の間隔をおいて繰り返されるマスクパターンを、フォトリソグラフィー法を用いてn型クラッド層103の表面に形成する。例えば、凹部用のパターン又は凸部用のパターンが1.0μm以上3.0μm以下の範囲内の間隔をおいて繰り返されるマスクパターンを形成する。なお、凹部用のパターン又は凸部用のパターンは、例えば、マトリックス状、ハニカム状等の配置を有して形成される。そして、形成したマスクパターンをマスクとして、ウェットエッチング法を用いてn型クラッド層103の表面に凹凸形状部103aを形成する。これにより、凹凸形状部103aを有する接合構造体1gが形成される。
【0071】
続いて、フォトリソグラフィー法を用いて発光素子間を分離するマスクパターンを接合構造体1gの表面に形成する。すなわち、接合構造体1gのn型クラッド層103の表面に発光素子間分離用のマスクパターンを形成する。マスクパターンをマスクとして、n型クラッド層103の表面側からp型コンタクト層109までをウェットエッチング法で除去することにより発光素子をそれぞれ分離する。これにより、図2Jに示すように、複数の発光素子間が分離された接合構造体1hが形成される。なお、側面10aはウェットエッチングにより露出した面であり、機械的に半導体積層構造10を切断した場合に比べて滑らかな表面を有する。これにより、製造される発光素子の端面のダメージを低減でき、また、発光素子端面におけるリーク電流を低減できる。
【0072】
次に、支持基板20の裏面の略全面に、裏面電極210を真空蒸着法によって形成する。裏面電極210は、TiとAuとをこの順に支持基板20の底面に蒸着することにより形成する。その後、コンタクト部120とp型コンタクト層109との間、表面電極110とn型コンタクト層101との間、コンタクト電極206と支持基板20との間、及び裏面電極210と支持基板20との間のそれぞれの電気的接合を形成する合金化工程であるアロイ工程を裏面電極210を備える接合構造体1hに施す。一例として、不活性雰囲気としての窒素雰囲気下、400℃で5分間の熱処理を接合構造体1hに施す。続いて、フォトリソグラフィー法及び真空蒸着法を用いて、表面電極110の表面の一部、具体的には円電極上に、パッド電極115を形成する。パッド電極115は、例えば、Ti、Auをこの順に表面電極110の円電極の表面に蒸着することにより形成する。これにより、図2Kに示すような接合構造体1iが形成される。なお、パッド電極115には熱処理を施さない。
【0073】
そして、ダイシングブレードを有するダイシング装置を用いて、接合構造体1iを素子分離する。これにより、図2Lに示すように、本実施の形態に係る複数の発光素子1が形成される。この場合、ダイシングブレードにより機械的に切断された領域には、側面10bが生じる。側面10bは、機械的に切断された領域なので、側面10aの表面に比べて大きな凹凸が生じている。
【0074】
図2Aから図2Lの各工程を経て製造された発光素子1は、一例として、平面寸法が500μm角の略四角形状を有する素子サイズ(平面寸法)の発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。そして、この発光素子1をTO−18ステムに導電性の接合材料を用いてダイボンディングすると共に、表面電極110とTO−18ステムの所定の領域をAu等のワイヤーで接続する。これにより、ワイヤーを介してパッド電極115に外部から電流を供給することにより、発光素子1の特性を評価することができる。
【0075】
具体的に、この製造工程で製造した発光素子1の初期特性を、樹脂モールドを施して評価した。具体的には、以下の構成を備える発光素子1の初期特性を評価した。なお、当該発光素子1は、図1Aないし図1Dに示した構造を備える。
【0076】
まず、半導体積層構造10は、Siがドープされたn型GaAsからなるn型コンタクト層101と、Siがドープされたn型の(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなるn型クラッド層103と、アンドープの(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pからなる活性層105と、Mgがドープされたp型の(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなるp型クラッド層107と、Mgがドープされたp型のGaPからなるp型コンタクト層109とから形成した。
【0077】
また、支持基板20としては、導電性Si基板を用い、コンタクト電極206としてはTi層を、バリア層204としてはPt層を、接合層202としてはAu層を用いた。そして、反射部130の接合層136はAu層を用い、バリア層134はTi層を用い、反射層132はAl層を用いた。更に、透明層140はSiOを用い、コンタクト部120はAuZnを用いた。コンタクト部120の幅は、10μmとした。また、表面電極110は、AuGe、Ti、Auを用いた。表面電極110の円電極の直径は100μmとすると共に、細線電極の幅は10μmとした。そして、パッド電極115は、Ti/Auから形成した。すなわち、Ti層がn型コンタクト層101に接触した構成である。なお、素子サイズは、上面視にて500μm角とした。
【0078】
ここで、発光素子1は、半導体積層構造10の膜厚Tの二乗とパッド電極115(表面電極110の円電極)とコンタクト部120との間の上面視における最短距離Wの二乗との和の平方根の値(S1)が、半導体積層構造10の膜厚Tの二乗と細線電極とコンタクト部120との間の上面視における最短距離Wの二乗との和の平方根の値(S2)より大きい値となる表面電極110とコンタクト部120との配置関係を有する構造とした。そして、S1=25μmに設定すると共に、D=S2−S1と定義して、Dの値を変化させた発光素子を製造した。
【0079】
図3は、発光素子のDの値の違いによる発光出力を示す。
【0080】
発光素子の発光出力は、発光素子に20mAの電流を通電して実施した。その結果、図3に示すように、Dが0を超えた場合、すなわち、S1>S2が満たされる表面電極110とコンタクト部120との位置関係を有する本発明の第1の実施の形態に係る発光素子において、発光出力が高くなることが確認された。これは、活性層105が発する光を吸収する表面電極110の円電極部分とコンタクト部120との間の電流経路より、表面電極110の細線電極とコンタクト部120との間の電流経路の方が短く、表面電極110の円電極直下に位置する活性層105における発光を抑制できたためと考えられる。
【0081】
図4は、発光素子のSの値の違いによる順方向電圧を示す。
【0082】
図4は、20mA通電時の発光素子の「数1」の式で表したSの値の違いによる順方向電圧を示している。すなわち、Wを変化させることによる順方向電圧への影響を図4は示している。図4を参照すると、Sの値の増加に比例して順方向電圧も高くなった。これは、パッド電極115から表面電極110に供給された電子は、表面電極110から半導体積層構造10を通り、コンタクト部120を介して支持基板20側へと流れるので、Sの値が大きいと半導体積層構造10における電流への抵抗が大きいためと考えられる。
【0083】
図5は、発光素子のSの値の違いによる発光効率を示す。
【0084】
表面電極110とコンタクト部120との間に位置する活性層105、例えば、表面電極110のある位置とコンタクト部120のある位置とを結んだ線上に位置する活性層105において、当該線上に位置しない部分の活性層105に比べて明るく発光する。表面電極110及びコンタクト部120は、活性層105が発する光を吸収しやすい。したがって、Sの値が大きい方、すなわち、上面視にて表面電極110とコンタクト部120とが離れている方が、当該線上に位置する部分の活性層105の直上又は直下に表面電極110及びコンタクト部120が存在しないので、光の吸収が低減される。
【0085】
ここで、図5において、Sの値が20μm以上の場合に、Sの値が20μm未満の場合に比べて発光効率が大幅に向上する。そして、Sの値が20μmから50μmの範囲内で、発光効率が60lm/W以上となっている。そして、Sの値が50μmを超えると、発光効率の低下率が大きくなって発光効率が低下していく。これは、Sの値が大きくなりすぎると、図4に示したように順方向電圧が高くなるので、発光効率が低下する傾向があるからである。したがって、本実施の形態に係る発光素子においては、順方向電圧の増加及び発光効率の向上の2つの観点を考慮して、例えば、Sの値が20μmから50μmとなるような表面電極110及びコンタクト部120の形状、配置とすることが好ましい。
【0086】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る発光素子1は、表面電極110及びコンタクト部120を、表面電極110とコンタクト部120との間の電流経路のうちの最短の電流経路の割合を、最短の電流経路を除く他の電流経路の割合より大きくなる形状で設けることにより、活性層105が発した光の表面電極110及びコンタクト部120における吸収を抑制することができるので、光取り出し効率を高めた光出力の大きな発光素子を提供できる。
【0087】
また、本実施の形態に係る発光素子1は、表面電極110及びコンタクト部120を、表面電極110とコンタクト部120との間の電流経路のうちの最短の電流経路の割合を、全ての電流経路に対して50%以上の割合となる形状、配置で設けることにより、表面電極110に供給された電流が一部の電流経路に集中することを抑制できるので、大電流を発光素子1に供給した場合でも発光効率を向上させた発光素子を提供できる。
【0088】
更に、本実施の形態に係る発光素子1は、「数1」を満たす部分が50%以上になる形状の表面電極110とコンタクト部120とを備えるので、発光素子1内における電流密度の偏りを低減することができる。これにより、発光素子1に注入された電子は発光素子1内に広がりやすいので、活性層105が局所的に発光することを抑制できる。更に、活性層105が局所的に発光することに伴って生じる熱による発光効率の低下を抑制でき、発光素子1の信頼性を向上させることができる。
【0089】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る発光素子の模式的な上面を示す。
【0090】
本発明の第2の実施の形態に係る発光素子2は、表面電極の細線電極の配置とコンタクト部の細線部の配置とが異なる点を除き、第1の実施の形態に係る発光素子1と略同一の構成を備える。よって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0091】
第2の実施の形態に係る発光素子2の表面電極111は、パッド電極115直下の円電極と、上面視にて、円電極の中心から発光素子2の外縁に向かって延びる複数の細線電極とを有する。なお、図6において円電極は、パッド電極115直下に位置するので図示されていない。
【0092】
具体的に、表面電極111は、上面視にて略正方形の発光素子2の一方の対角線に沿った方向に設けられる細線電極111aと、他方の対角線に沿った方向に設けられる細線電極111cと、発光素子2の一の辺に略水平な方向に沿って設けられ、当該一の辺に垂直な2つの辺の略中央を結ぶ線上の一部に設けられる細線電極111bと、細線電極111dの長手方向に対して垂直な方向に沿って設けられる細線電極111dとを有する。細線電極111aと細線電極111cとの交点と、細線電極111bと細線電極111dとの交点とは略一致する位置に設定される。そして、細線電極111a及び細線電極111cの長さは、細線電極111b及び細線電極111dの長さより長く形成される。なお、円電極は、細線電極111aないし細線電極111dのそれぞれと接触しており、上面視にて、発光素子2の略中央に設けられる。
【0093】
また、コンタクト部122は、上面視にて、表面電極111の直下の透明層140の領域を除く部分に位置する開口内に設けられる。例えば、コンタクト部122は、上面視にて、発光素子2の外周に沿った形状を有する外周部122aと、発光素子2の一の辺に沿った方向に延びる部分と、対角線に沿った方向に延びる部分とを含む複数の張り出し部とを有する。例えば、張り出し部122bは、細線電極111dに沿った方向に延びる部分と、細線電極111aに沿った方向に延びる部分とを含んで形成される。同様に、張り出し部122cは、細線電極111aに沿った方向に延びる部分と細線電極111bに沿った方向に延びる部分とを含んで形成される。
【0094】
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る発光素子の模式的な上面を示し、図8は、本発明の第3の実施の形態に係る発光素子の断面の概要を示す。
【0095】
第3の実施の形態に係る発光素子3は、電流を発光素子3の上面側から供給する点を除き、第1の実施の形態に係る発光素子1と略同様の構成を備える。よって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0096】
図7を参照すると、第3の実施の形態に係る発光素子3は、半導体積層構造10と、半導体積層構造10の一方の表面の一部の領域と電気的に接続する表面電極112と、表面電極112の一部の表面に設けられるワイヤーボンディング用パッドとしての第1パッド電極115aと、半導体積層構造10の他方の表面の一部にオーミック接触するコンタクト部123と、コンタクト部123が設けられている領域を除く半導体積層構造10の他方の表面に接して設けられる透明層140と、コンタクト部123及び透明層140の半導体積層構造10に接する面の反対側の表面に設けられる反射部130とを備える。なお、第3の実施の形態に係る密着層201は、反射部130の接合層136に対して機械的に接合する接合層202と、接合層202の反射部130に接する面の反対側に設けられるバリア層204とを有する。なお、第3の実施の形態に係る支持基板20は、導電性を有さない材料、例えば、ガラス基板、サファイア基板等から形成することもできる。
【0097】
ここで、本実施の形態に係る発光素子3は、半導体積層構造10の一部の領域が、半導体積層構造10の一方の面から他方の面にかけて除去されている。そして、半導体積層構造10が除去された領域に対応するコンタクト部123に、第2パッド電極115bが設けられる。第1パッド電極115aの表面と、第2パッド電極115bの表面とはそれぞれ、同一の方向に向いて露出する。また、第2パッド電極115bは、半導体積層構造10が除去された領域で外部に露出したコンタクト部123の一部上に設けられる。これにより、第2パッド電極115bに供給された電流は、コンタクト部123を介して半導体積層構造10に供給される。
【0098】
(電極の位置関係について)
図7に示すように、表面電極112は、n型クラッド層103上において、略円形上に形成される円電極と、円電極と電気的に接続している複数の線状電極とを有して形成される。なお、図7において円電極は、第1パッド電極115aの直下に位置するため図示されていない。
【0099】
表面電極112は、n型コンタクト層101に接して設けられ、例えば、上面視にて略櫛形状を有する。一例として、表面電極112は、発光素子3の一の辺に近接して当該一の辺に略水平に設けられる細線電極112aと、当該一の辺の対辺に近接して当該対辺に略水平に設けられる細線電極112cと、細線電極112aと細線電極112cとの間であって、細線電極112aからの距離と細線電極112cからの距離とが略等しい位置に設けられる細線電極112bとを有する。
【0100】
更に、表面電極112は、細線電極112a、細線電極112b、及び細線電極112cの長手方向に対して垂直な方向に延び、細線電極112a、細線電極112b、及び細線電極112cの端部で細線電極112a、細線電極112b、及び細線電極112cのそれぞれを電気的に接続する細線電極112dと、第1パッド電極115aが設けられる領域の直下に位置する円電極とを有する。なお、第3の実施の形態においても、細線電極112dに対するコンタクト部123の第1領域は存在しない。また、細線電極112a及び細線電極112bの長さは略等しく、第1パッド電極115aから最も離れた位置に設けられる細線電極112cの長さは、細線電極112aの長さ及び細線電極112bの長さより短く形成される。そして、表面電極112の円電極は、細線電極112aと細線電極112dとの交点を含む位置に設けられる。
【0101】
また、コンタクト部123は、透明層140に設けられた開口内に設けられ、表面電極112の上面視における形状に応じて、表面電極112の直下を除く領域に設けられる。コンタクト部123は、半導体積層構造10の他方の面に電流を略均一に拡散させることのできる形状を有して設けられる。
【0102】
例えば、コンタクト部123は、表面電極112と同様に略櫛形状を有する。一例として、コンタクト部123は、上面視にて、発光素子3の一の辺に近接して設けられ、当該一の辺に略水平な線状部123aと、当該一の辺の対辺に近接して設けられ、当該対辺に略水平な線状部123dと、線状部123dより線状部123aに近接して設けられる線状部123bと、線状部123aより線状部123dに近接して設けられる線状部123cとを有する。
【0103】
更に、コンタクト部123は、線状部123a、線状部123b、線状部123c、及び線状部123dの長手方向に対して垂直な方向に延び、線状部123a、線状部123b、線状部123c、及び線状部123dの端部で線状部123a、線状部123b、線状部123c、及び線状部123dのそれぞれを電気的に接続する線状部123eと、第2パッド電極115bが設けられる領域の直下に位置する円部とを有する。なお、コンタクト部123の円部は、第2パッド電極115bの直下に位置するので、図7においては図示されていない。
【0104】
また、線状部123aは他の線状部より短く形成され、線状部123dは他の線状部より長く形成される。また、線状部123bの長さと線状部123cの長さとは略等しく形成される。そして、線状部123a、線状部123b、線状部123c、及び線状部123dはそれぞれ略同一間隔で配置される。また、コンタクト部123の円部は、線状部123dと線状部123eとの交点を含む領域に設けられ、発光素子3の上面視にて、第1パッド電極115aの対角の位置に設けられる。
【0105】
また、上面視にて、線状電極112aを挟む位置に線状部123a及び線状部123bが配置される。なお、一例として、第1パッド電極115a及び第2パッド電極115bは、直径が100μmの円状に形成され、複数の線状電極及び複数の線状部は、幅が10μmの線状に形成される。
【0106】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【符号の説明】
【0107】
1、2、3 発光素子
1a 半導体積層構造体
1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i 接合構造体
10 半導体積層構造
10a 側面
10b 側面
11 半導体積層構造
20 支持基板
20a 支持構造体
100 n型GaAs基板
101 n型コンタクト層
102 エッチングストップ層
103 n型クラッド層
103a 凹凸形状部
105 活性層
107 p型クラッド層
109 p型コンタクト層
110、111、112 表面電極
110a、110b、110c、110d 細線電極
115 パッド電極
115a 第1パッド電極
115b 第2パッド電極
120、122、123 コンタクト部
120a 外周部
120b、120c、120d、120e 細線部
130 反射部
132 反射層
134、204 バリア層
136、202 接合層
136a、202a 接合面
140 透明層
140a 開口
200、201 密着層
206 コンタクト電極
210 裏面電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の第1半導体層と、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層とに挟まれる活性層とを有する半導体積層構造と、
前記半導体積層構造の一方の面に設けられる中心電極と、前記中心電極の外周から延びる細線電極とを有する表面電極と、
前記半導体積層構造の他方の面の前記表面電極の直下を除く部分に前記細線電極に沿って平行に設けられ、前記細線電極との間の最短の電流経路である第1電流経路を形成する複数の第1領域と、前記複数の第1領域を接続する第2領域とを有するコンタクト部と
を備え、
前記表面電極と前記コンタクト部との間の最短の電流経路は前記第1電流経路であり、
前記第1電流経路の割合が、前記第1電流経路を除く前記表面電極と前記コンタクト部との間の電流経路である第2電流経路の割合より大きい発光素子。
【請求項2】
前記第1電流経路は、前記半導体積層構造の膜厚の二乗と、前記表面電極と前記コンタクト部との間の上面視における最短距離Wの二乗との和の平方根により求められ、
前記第2電流経路は、前記半導体積層構造の膜厚の二乗と、前記最短距離Wになる前記表面電極の部分を除く前記表面電極の部分と前記コンタクト部との間の上面視における距離Wの二乗との和の平方根により求められ、
前記最短距離Wと前記距離Wとは、W<Wの関係を満たす請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1電流経路は、20μm以上50μm以下の距離を有する請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記活性層が発する光を反射する反射層を有する支持基板と、
前記反射層と前記半導体積層構造との間に設けられる透明層と
を更に備え、
前記半導体積層構造は、前記透明層を介して前記支持基板に支持され、
前記コンタクト部は、前記透明層を貫通して前記半導体積層構造と前記反射層とを電気的に接続する請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記半導体積層構造は、前記一方の面の一部に算術平均粗さが100nm以上である凹凸形状部を有する請求項4に記載の発光素子。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate

【図2G】
image rotate

【図2H】
image rotate

【図2I】
image rotate

【図2J】
image rotate

【図2K】
image rotate

【図2L】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−192709(P2010−192709A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35822(P2009−35822)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】