発光装置、画像形成装置および電子機器
【課題】 額縁を狭くして基板面積を縮小する。
【解決手段】 ヘッド部10は、複数のOLED素子4が配列された発光領域40を備えた基板1と、集積回路チップ2A及び2Bとを備える。基板1の他方の面から見て集積回路チップ2A及び2Bと発光領域40の一部又は全部とが重なるように集積回路チップ2A及び2Bと基板1とが接続される。従って両者が重なる面積だけ基板1の面積を削減することができる。OLED素子4は集積回路チップ2A及び2Bのから供給される駆動電流によって発光する。
【解決手段】 ヘッド部10は、複数のOLED素子4が配列された発光領域40を備えた基板1と、集積回路チップ2A及び2Bとを備える。基板1の他方の面から見て集積回路チップ2A及び2Bと発光領域40の一部又は全部とが重なるように集積回路チップ2A及び2Bと基板1とが接続される。従って両者が重なる面積だけ基板1の面積を削減することができる。OLED素子4は集積回路チップ2A及び2Bのから供給される駆動電流によって発光する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を用いた発光装置、画像形成装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶素子に代わる次世代の発光デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子や発光ポリマー素子などと呼ばれる有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下適宜「OLED素子」と略称する)素子が注目されている。このOLED素子を用いたパネルは、OLED素子が自発光型であるために視野角依存性が少なく、また、バックライトや反射光が不要であるために低消費電力化や薄型化に向いている。
【0003】
OLED素子を用いた発光装置は、複数のOLED素子、複数の走査線、及び複数のデータ線が形成された基板と、この基板に走査信号やデータ信号を供給する半導体チップ(以下、「IC」と称する)とを備えるのが一般的である。例えば、特許文献1には、基板にOLED素子を配置する画素領域とICを配置するIC領域を別個に設ける技術が開示されている。また、ICの実装方法としては、フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」と称する)にICを実装し、FPCを介して基板に信号や電源を供給する方法が知られている。
【特許文献1】特開2003−271069号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の発光装置のように基板にICを配置すると、画素領域以外の額縁部分において、IC領域の他にICを実装するため公差を見込む必要があり、額縁部分の面積が増大する。一方、FPCを用いたICの実装方法では、ICをFPC上に配置することによってICと基板を接続する配線数が増加するので、FPC自体のコストが増加し、FPCを基板に接続するための実装幅が増加する。加えて、高精細化のためには、FPCの配線間隔を狭くする必要があるが、これはICの実装端子の間隔を狭くするよりも技術的に困難である。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ICを基板に配置する構成において、基板面積の縮小及び高精細化を図ることが可能な発光装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る発光装置は、複数の発光素子が配列され、その一方の面から発光する発光領域を備えた基板と、前記複数の発光素子を制御する信号を生成する集積回路チップとを備え、前記基板の他方の面から見て前記集積回路チップと前記発光領域の一部又は全部とが重なるように前記集積回路チップを前記基板に接続したことを特徴とする。
この発明によれば、発光領域の一部又は全部に集積回路チップが重なるように配置できるので、両者が重なった面積だけ、基板の面積を縮小することができる。これにより、発光装置のコストを低減することができる。なお、発光素子はいかなるものであってもよいが、例えば、OLED素子や無機発光ダイオード素子であってもよい。
【0007】
また、前記発光領域は前記基板の他方の面に形成され、前記集積回路チップは複数の端子を備え、前記複数の端子によって前記基板の他方の面に固着され、前記端子の長さは、前記集積回路チップの底面が前記発光領域に接触しないように設定されることが好ましい。このように集積回路チップの端子の長さを設定することによって、基板上に発光素子等を形成しても、これが集積回路チップの底面と接触して発光素子等に損傷を与えることもない。また、集積回路チップは発光領域が発光する面とは反対の面に配置されるので、集積回路チップによって発光が妨げられることはない。なお、基板と集積回路チップとの固着には異方性導電膜を用いることが望ましい。
【0008】
また、上述した発光装置において、前記集積回路チップの複数の端子の一部は、前記複数の発光素子へ供給する信号を出力する複数の出力端子であり、前記複数の発光素子の各々は陰極と陽極を有し、前記基板に設けられ、前記集積回路チップの前記複数の出力端子と接続される複数の接続端子と、前記複数の発光素子の陰極と共通に接続される共通陰極配線と、前記複数の発光素子の陽極と前記複数の接続端子とを各々接続する第1配線とを備え、前記接続端子は、対応する発光素子から見て前記共通陰極配線と反対側に配置されることが好ましい。
この発明によれば、発光素子を挟んで共通陰極配線と接続端子とを配置したので、接続端子と発光素子を接続する第1配線を共通陰極配線と交差させなくて済む。この結果、入力端子と発光素子を接続する配線と共通陰極線とを同一材料で同時に形成することが可能となる。配線の交差がないため、配線のショートによる歩留まり低下を防止できる。加えて、発光素子に付随する浮遊容量を低減することができ、駆動負荷を低減させることができる。
【0009】
また、上述した発光装置において、前記共通陰極配線は前記複数の発光素子の配列に対して一方の側に配置され、前記複数の接続端子は前記複数の発光素子の配列に対して他方の側に配置されることが好ましい。この発明によれば、レイアウト簡素化することができる。また、複数の接続端子と複数の発光素子とを各々接続する第1配線の長さを揃えることができるので、駆動特性を均一にでき、輝度のバラツキを抑制することができる。
【0010】
また、上述した発光装置において、前記複数の出力端子及び前記複数の接続端子を、前記複数の発光素子の配列に対して交互に配置することが好ましい。この場合には、集積回路チップの出力端子の間隔を広くすることができ、端子間の短絡を防止すると共に取り付けマージンを拡大することが可能となる。
【0011】
また、上述した発光装置において、隣接する前記発光素子の間を横切るように前記共通陰極配線をジグザグに配置し、前記集積回路チップの一方の長辺から他方の長辺に向けて前記共通陰極配線、前記発光素子、前記第1配線及び前記接続端子を配置することが好ましい。この場合には共通陰極配線と第1配線が交差しないので、両者を同一の材料で同一の工程で基板上に形成することが可能となる。また、共通陰極配線と第1配線が短絡することが無くなり歩留まりが向上する。さらに、第1配線と共通陰極配線との間で浮遊容量が発生しないので、発光素子の駆動負荷を低減することが可能となる。また、例えば、集積回路チップが縦長に配置されている場合には、集積回路チップの一方の長辺は、左端部又は右端部が該当する。従って、左端部から右端部にかけて共通陰極配線、発光素子、第1配線及び接続端子が配置されている場合と、右端部から左端部にかけて共通陰極配線、発光素子、第1配線及び接続端子が配置されている場合とが含まれる。
【0012】
また、上述した発光装置において、前記集積回路チップを複数備え、各集積回路チップは短辺と長辺を有し、前記集積回路チップの短辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部が配置され、前記基板には前記短辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、前記短辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第2配線を前記短辺と交差するように設けることが好ましい。この場合には、集積回路チップの短辺に隣接し、発光素子が配置される領域に第2配線を配置することができるので、基板の面積を縮小することが可能となる。
【0013】
また、上述した発光装置において、外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第2の領域のみに配置することが好ましい。さらに、前記共通陰極配線、前記ある集積回路チップと前記次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子、及び前記第3配線の順に配置することが好ましい。この場合には、共通陰極配線と第3配線が交差しないので、両者を同一の材料で同一の工程で基板上に形成することが可能となる。また、共通陰極配線と第3配線が短絡することが無くなり歩留まりが向上する。さらに、第3配線と共通陰極配線との間で浮遊容量が発生しないので、発光素子の駆動負荷を低減することが可能となる。
【0014】
また、上述した発光装置において、外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第1の領域及び前記第2の領域に配置することが好ましい。この場合には、フレキシブル基板と基板とが重なる第1の領域にも第3配線を形成することができるので、額縁を狭くして基板の面積を縮小することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、光線の照射によって画像が形成される感光体と、前記感光体に光線を照射して前記画像を形成するヘッド部とを備え、上記発光装置を前記ヘッド部に用いることが好ましい。この発明によれば、ヘッド部の構成を簡易にできるので、画像形成装置の構成を簡易にして小型化・軽量化を図ることができる。さらに、本発明に係る電子機器は上述した発光装置を備えることが好ましい。このような電子機器としては、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、情報端末装置、電子カメラ等が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<発光装置>
図1に、本発明の実施形態に係る発光装置の構成を示す。この発光装置は、画像形成装置としてのプリンタのヘッド部10として用いられる。ヘッド部10はライン型の光ヘッドである。ヘッド部10は、基板1、集積回路チップ2A及び2B、フレキシブル基板3A、3B、及び3Cを備える。フレキシブル基板3A及び3Bは、集積回路チップ2A及び2Bへ各種の制御信号を供給するものである。集積回路チップ2A及び2Bは、COG(Chip On Glass)技術を用いて基板1に実装されている。この例では、一点鎖線の内側の領域(第1の領域)にフレキシブル基板3A、3B、及び3Cが配置され、それ以外の領域(第2の領域)にはフレキシブル基板3A、3B、及び3Cが配置されない。
基板1には光を透過する透明な材料が用いられ、例えば、ガラスが用いられる。基板1の一方の面には発光領域40が設けられており、発光領域40には複数のOLED素子4が形成されている。なお、この例では、OLED素子4は縦方向に一列で配列されているが、縦方向に2列に配列してもよいことは勿論である。この例では、集積回路チップ2Aと集積回路チップ2Bとの間隔がOLED素子4の間隔より狭い。また、OLED素子4は等間隔で配置されている。
【0017】
このOLED素子4は後述するように陰極と陽極とを有する。各陰極は共通陰極配線5と各々接続されている。また、集積回路チップ2A及び2Bは、長辺と短辺を有し、その長辺に沿って複数のバンプ20(接続端子)が設けられている。集積回路チップ2A及び2Bは、外部から供給される各種の制御信号に基づいて複数のOLED素子4を駆動する駆動信号を出力する。このため、集積回路チップ2A及び2Bに設けられた複数のバンプ20は信号を出力する複数の出力端子21と、信号を入力する複数の入力端子22を備える。
【0018】
基板1には上述した複数の出力端子21に各々対応する第1接続端子11が設けられ、複数の入力端子22に各々対応する第2接続端子12が設けられる。そして第1接続端子11とOLED素子4とは配線13(第1配線)で接続される。ここで、複数のOLED素子4の駆動特性を均一にする観点より、各配線13の距離を等しくすることが好ましい。特に、第1接続端子11とOLED素子4との間の距離を等しくすることが好ましい。配線13はその距離に応じた配線抵抗と浮遊容量を有するので、距離が相違すると、OLED素子4に供給される駆動電流の波形が相違し、距離が長くなるにつれて波形が鈍る。この結果、発光特性にバラツキが生じる。各配線の距離を等しくすることによって、同じ条件で複数のOLED素子4を駆動することができ、均一な発光特性を得ることができる。
【0019】
また、基板1の周辺部分には複数の第3接続端子30が設けられている。複数の第3接続端子30の各々は配線31を介して第2接続端子12と接続されている。そして、複数の第3接続端子30は、フレキシブル基板3A及び3Bに設けられた端子と接続される。これにより、外部機器から供給される信号は、フレキシブル基板3A及び3B→第3接続端子30→配線31→第2接続端子12→入力端子22→集積回路チップ2A及び2B→出力端子21→第1接続端子11→配線13→OLED素子4といった経路でOLED素子4を駆動する。この場合、外部機器から集積回路チップ2A及び2Bを制御するための制御信号及びデータ信号、電源等が供給される。集積回路チップ2A及び2Bでは、データ信号を適切な電流信号に変換し、OLED素子4に出力する。この電流信号によってOLED素子4が発光する。各配線31の距離を等しくすることが好ましい。
【0020】
図2は、図1に示すヘッド部10をA−A’線で切断した断面図である。この図に示すように基板1には、OLED素子4が形成されている。OLED素子4は、陽極41と、機能層42と、陰極43とを備える。機能層42は、正孔を輸送可能な正孔輸送層421と、発光能を有する有機EL物質を含む発光層422と、発光層422の上面に設けられている電子輸送層423とを備える。陽極41は配線13を介して第2入力端子11と接続されている。また絶縁層16の表面のうちOLED素子4が設けられている以外の部分と陰極43との間には、合成樹脂などからなる隔壁15が設けられている。陽極41は、正孔輸送層421に対して正孔を供給する機能を有しており、ITO(インジウム錫酸化物)や酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO(登録商標))等の透明導電材料が用いられる。陽極41は上述した各材料の合金や積層したものであってもよい。陰極43は、電子注入効率を高めるために、低仕事関数の金属元素(例えば、アルカリ金属,アルカリ土類金属,マグネシウム,希土類元素(Pmを除く)、アルミニウム)で構成される。また、陰極43は、光反射性或いは不透明な導電材料であることが望ましい。本例では発光層422からの光を陽極41側から取り出す構成(ボトムエミッション型)である。各陰極43は共通陰極配線5に接続されている。共通陰極配線5は陰極43より単位面積当たりの抵抗値が低いことが好ましい。これによって、OLED素子4を低インピーダンスの下に駆動することが可能となる。なお、陰極43の電流密度が低ければ共通陰極配線5を省略することが可能である。この場合には、更に、狭額縁化を図ることができ、基板1の面積を縮小することが可能となる。
【0021】
図2に示すように陰極43の上面には樹脂等によって構成される封止材17が設けられる。封止材17によって、OLED素子4を外気に含まれる酸素や水分等から保護することができる。更に、封止材17、第1接続端子11、及び第2接続端子12を覆うように異方性導電フィルム(ACF Anisotropic Conductive Film)18が設けられている。異方性導電フィルム17は主として熱或いは紫外線硬化型樹脂の接着剤と導電性粒子等から構成される。異方性導電フィルム18は接着の際に加熱及び押圧される。これにより、集積回路チップ2Aのバンプ20と第1接続端子11及び第2接続端子12として形成されたランドとの間に、異方性導電フィルム17に含まれる導電粒子が介在することより、互いに接合されて良好な導通を確保することが可能となる。
【0022】
ここで、バンプ20の高さHは、異方性導電フィルム18が集積回路チップ2Aの底面Qに接触しないように設定されている。より詳細には、封止材17の膜圧hがバンプ20の高さHより小さく選ばれている。この点は、集積回路チップ2Bについても同様である。このようにバンプ20の高さHを設定することによって、基板1の平面と垂直の方向から見たとき、OLED素子4に損傷を与えることなく集積回路チップ2A及び2Bと発光領域40とを重ねることが可能となる。これにより、発光領域40以外に集積回路チップ2A及び2Bを配置する面積を削減して、基板1の面積を縮小することが可能となる。
【0023】
また、図1に示すように集積回路チップ2A及び2Bにおいて複数の出力端子21を一方の長辺に配置したので、複数の出力端子21が共通陰極配線5に対して一方の側に集中して配置される。換言すれば、OLED素子4は、第1接続端子11と共通陰極配線5との間に配置されている。また、共通陰極配線5は、第2接続端子12とOLED素子4との間に配置されている。従って、OLED素子4の陽極421と出力端子21とを接続する配線13を共通陰極配線5と交差することなく形成することができる。これにより、配線13と共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13と共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、電流信号波形を急峻にできる。
【0024】
また、本実施形態によれば、基板1のレイアウトを簡素化できる。更に、OLED素子4のピッチと同じピッチで複数の第1接続端子11及び第2接続端子12を配置すると共に第3接続端子30を等ピッチで配置することが可能となる。これによって、隣接する第3接続端子30の間での短絡を防止することができ、更には、フレキシブル基板3A及び3Bの配線間隔を等しくできる。
【0025】
<第2実施形態>
図3は第2実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。なお、図中に示す点線Y1は集積回路チップ2A及び2Bの右端部を示し、点線Y2は集積回路チップ2A及び2Bの左端部を示す。第2実施形態に係る発光装置は、集積回路チップ2A及び2Bの出力端子21の配置、並びに第1接続端子11の配置が第1実施形態と相違する。
【0026】
この例では、集積回路チップ2A及び2Bの複数の出力端子21が、右端部Y1と左端部Y2に交互に配置されており、これに伴って、基板1に配置される第1接続端子11が右端部Y1と左端部Y2とに交互に配置されている。このように出力端子21及び第1接続端子11を配置することによって、集積回路チップ2A及び2Bのバンプ20のピッチを大きくできる。この結果、隣接する実装端子間の短絡の可能性を下げることができ、更には、集積回路チップ2A及び2Bの取り付けるマージンを大きくすることができる。なお、入力端子22は図示せぬスペースに配置されている。
また、共通陰極配線5は、OLED素子の一方側に配置されているが、OLED素子の両側に配置してもよい。このようにすることにより、共通陰極配線5と配線13との間の浮遊容量を一定にすることができる。
【0027】
図4は、第2実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。この図に示すように、隣接するOLED素子4の間を横切るように共通陰極配線5をジクザグに配置することにより、共通陰極配線5がOLED素子4を縫う様に形成される。この場合には、OLED素子4と第1接続端子11を接続する配線13が交差しないので、配線13と共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13と共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、奇数番目のOLED素子4と偶数番目のOLED素子4とを同一の条件で駆動することができ、電流信号波形の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を揃えることができる。また、共通陰極配線5は遮光性を有しており、隣接するOLED素子4の間を横切るように共通陰極配線5をジクザグに配置することにより、OLED素子4からの迷光を遮光することができる。共通陰極配線5を構成する遮光性を有する材料としては、Ti、Mo、Crなどの金属、及び、これらの金属の酸化物、並びに、これらの金属と金属酸化物の積層構造を例示することができる。
【0028】
<第3実施形態>
図5は第3実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。なお、図中に示す点線Xは集積回路チップ2A及び2Bの短辺端部を示す。第3実施形態に係る発光装置は、集積回路チップ2A及び2Bの間にもOLED素子4a及び4bが設けられている点、集積回路チップ2A及び2Bの短辺端部21における出力端子21a及び21b並びに第1接続端子11a及び11bの配置を除いて、第1実施形態及び第2実施形態と同様に構成されている。
【0029】
この例では、集積回路チップ4aと集積回路チップ4bとの間隔がOLED素子の間隔より広く、集積回路チップ4aと集積回路チップ4bとの間にOLED素子4a及び4bが配置されている。OLED素子4、4a、及び4bの間隔は等間隔である。ここで、集積回路チップ2Aの短辺端部Xに配置された出力端子21aは第1接続端子11aと接続される。一方、集積回路チップ2Bの短辺端部Xに配置された出力端子21bは第1接続端子11bと接続される。そして、配線13a及び13b(第2配線)によって、OLED素子4a及び4bが第1接続端子11a及び11bと接続される。仮に、長辺Y1側から配線13a及び13bを引き回すと、額縁面積が増加し基板1としてサイズの大きなものを使用する必要がある。しかしながら、本実施形態のように短辺端部Xから配線13a及び13bを引き出すことによって、基板1の面積を縮小することができる。
また、第1実施形態では集積回路チップ2A及び2Bの下部にOLED素子4を配置する必要があるため、集積回路チップ2A及び2Bのサイズが大きくなっていたが、本実施形態では、集積回路チップ2A及び2Bの間にOLED素子4a及び4bを配置できるため、集積回路チップ2A及び2Bのサイズを小さくできる。そして、集積回路チップ2A及び2Bのサイズを小さくすることによりアライメント精度、取り分け特に回転方向の精度を向上することができる。
【0030】
図6は、第3実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。この図に示すように、共通陰極配線5がOLED素子4a及び4bを縫う様にジクザグに引き回してもよい。この場合には、OLED素子4bと第1接続端子11bを接続する配線13bが交差しないので、配線13bと共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13bと共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、電流信号波形を急峻に変化させることができる。
【0031】
<第4実施形態>
図7は第4実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。第4実施形態に係る発光装置は、配線13a及び13bの引き回しを除いて、第3実施形態と同様に構成されている。
【0032】
この例では、複数の第1接続端子21が長辺Y1側に配置されており(図示せず)、配線13a及び13b(第3配線)を長辺Y1の外側の領域を用いて引き回す。従って、図5に示す第3実施形態のレイアウトのように配線13bと共通陰極配線5が交差しない。この結果、配線13bと共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13bと共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、電流信号波形を急峻に変化させることができる。
【0033】
更に、陰極43の幅を広くして電源インピーダンスを低下させることができる。この点について図8を参照して説明する。同図(A)に示すように短辺端部Xに第1接続端子11aを配置する場合には出力端子21aとの接続をとるため、第1接続端子11aの上部に陰極43を配置することはできない。これに対して、短辺端部Xに第1接続端子11aがない場合には、同図(B)に示すように陰極43の幅W2を広くすることができる。
【0034】
<第5実施形態>
図9は第5実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。第5実施形態に係る発光装置は、配線13a及び13bの引き回しを除いて、第5実施形態と同様に構成されている。
この例では、配線13a及び13b(第3配線)の一部をフレキシブル基板3A及び3Bと長辺Y2との間のスペースを用いて引き回す。即ち、配線13a及び13b(第3配線)はフレキシブル基板3A〜3C以外の第2の領域に形成される。これによって、額縁面積を小さくし基板1のサイズを縮小することができる。
【0035】
<第6実施形態>
図10は第6実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。第5実施形態に係る発光装置は、配線13a及び13bの引き回しを除いて、第5実施形態と同様に構成されている。
この例では、配線13a及び13b(第3配線)の一部をフレキシブル基板3A及び3Bの下部のスペースを用いて引き回す。配線13a及び13b(第3配線)はフレキシブル基板3A〜3Cの第1の領域とそれ例外の第2の領域の双方に形成される。第2の領域を引き回しに活用することによって、額縁面積を小さくし基板1のサイズをより一層縮小することができる。
【0036】
<画像形成装置>
図11は、上述したヘッド部10を用いた画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド10K、10C、10M、10Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K、110C、110M、110Yの露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。有機ELアレイ露光ヘッド10K、10C、10M、10Yは上述したヘッド部10によって構成されている。
【0037】
図11に示すように、この画像形成装置は、駆動ローラ121と従動ローラ122が設けられており、図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト120を備えている。この中間転写ベルト120に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体110K、110C、110M、110Yが配置される。前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体110K、110C、110M、110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0038】
各感光体110(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体110(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)111(K、C、M、Y)と、この帯電手段111(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体110(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の上記のような有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)が設けられている。
また、この有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置114(K、C、M、Y)を有している。
【0039】
ここで、各有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)は、有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)のアレイ方向が感光体ドラム110(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置される。そして、各有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)の発光エナルギーピーク波長と、感光体110(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
【0040】
現像装置114(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラヘ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体110(K、C、M、Y)に接触あるいは押厚させることにより、感光体110(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
【0041】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写され、中間転写ベルト120上で順次重ね合わされてフルカラーとなる。ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送された記録媒体102は、二次転写ローラ126に送られる。中間転写ベルト120上のトナー像は、二次転写ローラ126において用紙等の記録媒体102に二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることで記録媒体102上に定着される。この後、記録媒体102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙トレイ上へ排出される。
このように、図11の画像形成装置は、書き込み手段として有機ELアレイを用いているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。
【0042】
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。図12は、画像形成装置の縦断側面図である。図12において、画像形成装置には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機ELアレイが設けられている露光ヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。露光ヘッド167は上述したヘッド部10によって構成されている。
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として反時計回り方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。現像ローラ162a〜162dおよびトナー供給ローラ163a〜163は、前記4色の各像形成ユニットに各々配置されている。また、規制フレード164a〜164dによってトナーは所定の厚さに規制される。
【0043】
感光体ドラム165は、帯電器168によって帯電され、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向に駆動される。中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向に回動される。
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0044】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。用紙は、給紙トレイ178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出されるようになっている。
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータは、例えば低速のブラシレスモークが用いられる。また、中間転写ベルト169は色ずれ補正などが必要となるのでステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略している制御手段からの信号により制御される。
【0045】
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ128aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが90度回転する。
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0046】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0047】
なお、上述した実施形態では、発光装置の一例として画像形成装置に用いられるヘッド部10を取り上げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、OLED素子4等の発光素子を駆動する集積回路チップ2A及び2Bを発光領域40と重なるように配置するのであれば、いかなるものに適用してもよい。例えば、複数のOLED素子をマトリクス状に配置した表示装置も発光装置に含まれる。この場合、基板1には複数のデータ線と複数の走査線とが交差するように形成され、それらの交差に対応して複数の画素回路が形成される。画素回路はOLED素子とこれを駆動するトランジスタを含む。このような構成において、発光領域は複数の画素回路が配置される領域となる。集積回路チップには走査線を駆動する走査線駆動回路、あるいはデータ線を駆動するデータ線駆動回路を組み込むことができる。この場合、発光領域の一部又は全部と集積回路チップとが重なるように配置することによって、基板の面積を縮小することが可能となる。
【0048】
そのような表示装置を用いた電子機器としては、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、デジタルスチルカメラ、テレビジョンモニタ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した表示装置が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の発光装置の構成を示す平面図である。
【図2】同装置の断面を示す断面図である。
【図3】第2実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図4】第2実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図5】第3実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図6】第3実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図7】第4実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図8】同装置の陰極を比較例を用いて説明するための模式図である。
【図9】第5実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図10】第6実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図11】画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図12】画像形成装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10…ヘッド部(発光装置)、103…データ線、P…画素回路、645…陰極(第1電極)、641…陽極(第2電極)、61…保持トランジスタ、62…駆動トランジスタ、63…接続配線、64…OLED素子(発光素子)、110Y,110M,110C,110K…感光体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を用いた発光装置、画像形成装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶素子に代わる次世代の発光デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子や発光ポリマー素子などと呼ばれる有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下適宜「OLED素子」と略称する)素子が注目されている。このOLED素子を用いたパネルは、OLED素子が自発光型であるために視野角依存性が少なく、また、バックライトや反射光が不要であるために低消費電力化や薄型化に向いている。
【0003】
OLED素子を用いた発光装置は、複数のOLED素子、複数の走査線、及び複数のデータ線が形成された基板と、この基板に走査信号やデータ信号を供給する半導体チップ(以下、「IC」と称する)とを備えるのが一般的である。例えば、特許文献1には、基板にOLED素子を配置する画素領域とICを配置するIC領域を別個に設ける技術が開示されている。また、ICの実装方法としては、フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」と称する)にICを実装し、FPCを介して基板に信号や電源を供給する方法が知られている。
【特許文献1】特開2003−271069号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の発光装置のように基板にICを配置すると、画素領域以外の額縁部分において、IC領域の他にICを実装するため公差を見込む必要があり、額縁部分の面積が増大する。一方、FPCを用いたICの実装方法では、ICをFPC上に配置することによってICと基板を接続する配線数が増加するので、FPC自体のコストが増加し、FPCを基板に接続するための実装幅が増加する。加えて、高精細化のためには、FPCの配線間隔を狭くする必要があるが、これはICの実装端子の間隔を狭くするよりも技術的に困難である。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ICを基板に配置する構成において、基板面積の縮小及び高精細化を図ることが可能な発光装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る発光装置は、複数の発光素子が配列され、その一方の面から発光する発光領域を備えた基板と、前記複数の発光素子を制御する信号を生成する集積回路チップとを備え、前記基板の他方の面から見て前記集積回路チップと前記発光領域の一部又は全部とが重なるように前記集積回路チップを前記基板に接続したことを特徴とする。
この発明によれば、発光領域の一部又は全部に集積回路チップが重なるように配置できるので、両者が重なった面積だけ、基板の面積を縮小することができる。これにより、発光装置のコストを低減することができる。なお、発光素子はいかなるものであってもよいが、例えば、OLED素子や無機発光ダイオード素子であってもよい。
【0007】
また、前記発光領域は前記基板の他方の面に形成され、前記集積回路チップは複数の端子を備え、前記複数の端子によって前記基板の他方の面に固着され、前記端子の長さは、前記集積回路チップの底面が前記発光領域に接触しないように設定されることが好ましい。このように集積回路チップの端子の長さを設定することによって、基板上に発光素子等を形成しても、これが集積回路チップの底面と接触して発光素子等に損傷を与えることもない。また、集積回路チップは発光領域が発光する面とは反対の面に配置されるので、集積回路チップによって発光が妨げられることはない。なお、基板と集積回路チップとの固着には異方性導電膜を用いることが望ましい。
【0008】
また、上述した発光装置において、前記集積回路チップの複数の端子の一部は、前記複数の発光素子へ供給する信号を出力する複数の出力端子であり、前記複数の発光素子の各々は陰極と陽極を有し、前記基板に設けられ、前記集積回路チップの前記複数の出力端子と接続される複数の接続端子と、前記複数の発光素子の陰極と共通に接続される共通陰極配線と、前記複数の発光素子の陽極と前記複数の接続端子とを各々接続する第1配線とを備え、前記接続端子は、対応する発光素子から見て前記共通陰極配線と反対側に配置されることが好ましい。
この発明によれば、発光素子を挟んで共通陰極配線と接続端子とを配置したので、接続端子と発光素子を接続する第1配線を共通陰極配線と交差させなくて済む。この結果、入力端子と発光素子を接続する配線と共通陰極線とを同一材料で同時に形成することが可能となる。配線の交差がないため、配線のショートによる歩留まり低下を防止できる。加えて、発光素子に付随する浮遊容量を低減することができ、駆動負荷を低減させることができる。
【0009】
また、上述した発光装置において、前記共通陰極配線は前記複数の発光素子の配列に対して一方の側に配置され、前記複数の接続端子は前記複数の発光素子の配列に対して他方の側に配置されることが好ましい。この発明によれば、レイアウト簡素化することができる。また、複数の接続端子と複数の発光素子とを各々接続する第1配線の長さを揃えることができるので、駆動特性を均一にでき、輝度のバラツキを抑制することができる。
【0010】
また、上述した発光装置において、前記複数の出力端子及び前記複数の接続端子を、前記複数の発光素子の配列に対して交互に配置することが好ましい。この場合には、集積回路チップの出力端子の間隔を広くすることができ、端子間の短絡を防止すると共に取り付けマージンを拡大することが可能となる。
【0011】
また、上述した発光装置において、隣接する前記発光素子の間を横切るように前記共通陰極配線をジグザグに配置し、前記集積回路チップの一方の長辺から他方の長辺に向けて前記共通陰極配線、前記発光素子、前記第1配線及び前記接続端子を配置することが好ましい。この場合には共通陰極配線と第1配線が交差しないので、両者を同一の材料で同一の工程で基板上に形成することが可能となる。また、共通陰極配線と第1配線が短絡することが無くなり歩留まりが向上する。さらに、第1配線と共通陰極配線との間で浮遊容量が発生しないので、発光素子の駆動負荷を低減することが可能となる。また、例えば、集積回路チップが縦長に配置されている場合には、集積回路チップの一方の長辺は、左端部又は右端部が該当する。従って、左端部から右端部にかけて共通陰極配線、発光素子、第1配線及び接続端子が配置されている場合と、右端部から左端部にかけて共通陰極配線、発光素子、第1配線及び接続端子が配置されている場合とが含まれる。
【0012】
また、上述した発光装置において、前記集積回路チップを複数備え、各集積回路チップは短辺と長辺を有し、前記集積回路チップの短辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部が配置され、前記基板には前記短辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、前記短辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第2配線を前記短辺と交差するように設けることが好ましい。この場合には、集積回路チップの短辺に隣接し、発光素子が配置される領域に第2配線を配置することができるので、基板の面積を縮小することが可能となる。
【0013】
また、上述した発光装置において、外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第2の領域のみに配置することが好ましい。さらに、前記共通陰極配線、前記ある集積回路チップと前記次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子、及び前記第3配線の順に配置することが好ましい。この場合には、共通陰極配線と第3配線が交差しないので、両者を同一の材料で同一の工程で基板上に形成することが可能となる。また、共通陰極配線と第3配線が短絡することが無くなり歩留まりが向上する。さらに、第3配線と共通陰極配線との間で浮遊容量が発生しないので、発光素子の駆動負荷を低減することが可能となる。
【0014】
また、上述した発光装置において、外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第1の領域及び前記第2の領域に配置することが好ましい。この場合には、フレキシブル基板と基板とが重なる第1の領域にも第3配線を形成することができるので、額縁を狭くして基板の面積を縮小することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る画像形成装置は、光線の照射によって画像が形成される感光体と、前記感光体に光線を照射して前記画像を形成するヘッド部とを備え、上記発光装置を前記ヘッド部に用いることが好ましい。この発明によれば、ヘッド部の構成を簡易にできるので、画像形成装置の構成を簡易にして小型化・軽量化を図ることができる。さらに、本発明に係る電子機器は上述した発光装置を備えることが好ましい。このような電子機器としては、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、情報端末装置、電子カメラ等が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<発光装置>
図1に、本発明の実施形態に係る発光装置の構成を示す。この発光装置は、画像形成装置としてのプリンタのヘッド部10として用いられる。ヘッド部10はライン型の光ヘッドである。ヘッド部10は、基板1、集積回路チップ2A及び2B、フレキシブル基板3A、3B、及び3Cを備える。フレキシブル基板3A及び3Bは、集積回路チップ2A及び2Bへ各種の制御信号を供給するものである。集積回路チップ2A及び2Bは、COG(Chip On Glass)技術を用いて基板1に実装されている。この例では、一点鎖線の内側の領域(第1の領域)にフレキシブル基板3A、3B、及び3Cが配置され、それ以外の領域(第2の領域)にはフレキシブル基板3A、3B、及び3Cが配置されない。
基板1には光を透過する透明な材料が用いられ、例えば、ガラスが用いられる。基板1の一方の面には発光領域40が設けられており、発光領域40には複数のOLED素子4が形成されている。なお、この例では、OLED素子4は縦方向に一列で配列されているが、縦方向に2列に配列してもよいことは勿論である。この例では、集積回路チップ2Aと集積回路チップ2Bとの間隔がOLED素子4の間隔より狭い。また、OLED素子4は等間隔で配置されている。
【0017】
このOLED素子4は後述するように陰極と陽極とを有する。各陰極は共通陰極配線5と各々接続されている。また、集積回路チップ2A及び2Bは、長辺と短辺を有し、その長辺に沿って複数のバンプ20(接続端子)が設けられている。集積回路チップ2A及び2Bは、外部から供給される各種の制御信号に基づいて複数のOLED素子4を駆動する駆動信号を出力する。このため、集積回路チップ2A及び2Bに設けられた複数のバンプ20は信号を出力する複数の出力端子21と、信号を入力する複数の入力端子22を備える。
【0018】
基板1には上述した複数の出力端子21に各々対応する第1接続端子11が設けられ、複数の入力端子22に各々対応する第2接続端子12が設けられる。そして第1接続端子11とOLED素子4とは配線13(第1配線)で接続される。ここで、複数のOLED素子4の駆動特性を均一にする観点より、各配線13の距離を等しくすることが好ましい。特に、第1接続端子11とOLED素子4との間の距離を等しくすることが好ましい。配線13はその距離に応じた配線抵抗と浮遊容量を有するので、距離が相違すると、OLED素子4に供給される駆動電流の波形が相違し、距離が長くなるにつれて波形が鈍る。この結果、発光特性にバラツキが生じる。各配線の距離を等しくすることによって、同じ条件で複数のOLED素子4を駆動することができ、均一な発光特性を得ることができる。
【0019】
また、基板1の周辺部分には複数の第3接続端子30が設けられている。複数の第3接続端子30の各々は配線31を介して第2接続端子12と接続されている。そして、複数の第3接続端子30は、フレキシブル基板3A及び3Bに設けられた端子と接続される。これにより、外部機器から供給される信号は、フレキシブル基板3A及び3B→第3接続端子30→配線31→第2接続端子12→入力端子22→集積回路チップ2A及び2B→出力端子21→第1接続端子11→配線13→OLED素子4といった経路でOLED素子4を駆動する。この場合、外部機器から集積回路チップ2A及び2Bを制御するための制御信号及びデータ信号、電源等が供給される。集積回路チップ2A及び2Bでは、データ信号を適切な電流信号に変換し、OLED素子4に出力する。この電流信号によってOLED素子4が発光する。各配線31の距離を等しくすることが好ましい。
【0020】
図2は、図1に示すヘッド部10をA−A’線で切断した断面図である。この図に示すように基板1には、OLED素子4が形成されている。OLED素子4は、陽極41と、機能層42と、陰極43とを備える。機能層42は、正孔を輸送可能な正孔輸送層421と、発光能を有する有機EL物質を含む発光層422と、発光層422の上面に設けられている電子輸送層423とを備える。陽極41は配線13を介して第2入力端子11と接続されている。また絶縁層16の表面のうちOLED素子4が設けられている以外の部分と陰極43との間には、合成樹脂などからなる隔壁15が設けられている。陽極41は、正孔輸送層421に対して正孔を供給する機能を有しており、ITO(インジウム錫酸化物)や酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO(登録商標))等の透明導電材料が用いられる。陽極41は上述した各材料の合金や積層したものであってもよい。陰極43は、電子注入効率を高めるために、低仕事関数の金属元素(例えば、アルカリ金属,アルカリ土類金属,マグネシウム,希土類元素(Pmを除く)、アルミニウム)で構成される。また、陰極43は、光反射性或いは不透明な導電材料であることが望ましい。本例では発光層422からの光を陽極41側から取り出す構成(ボトムエミッション型)である。各陰極43は共通陰極配線5に接続されている。共通陰極配線5は陰極43より単位面積当たりの抵抗値が低いことが好ましい。これによって、OLED素子4を低インピーダンスの下に駆動することが可能となる。なお、陰極43の電流密度が低ければ共通陰極配線5を省略することが可能である。この場合には、更に、狭額縁化を図ることができ、基板1の面積を縮小することが可能となる。
【0021】
図2に示すように陰極43の上面には樹脂等によって構成される封止材17が設けられる。封止材17によって、OLED素子4を外気に含まれる酸素や水分等から保護することができる。更に、封止材17、第1接続端子11、及び第2接続端子12を覆うように異方性導電フィルム(ACF Anisotropic Conductive Film)18が設けられている。異方性導電フィルム17は主として熱或いは紫外線硬化型樹脂の接着剤と導電性粒子等から構成される。異方性導電フィルム18は接着の際に加熱及び押圧される。これにより、集積回路チップ2Aのバンプ20と第1接続端子11及び第2接続端子12として形成されたランドとの間に、異方性導電フィルム17に含まれる導電粒子が介在することより、互いに接合されて良好な導通を確保することが可能となる。
【0022】
ここで、バンプ20の高さHは、異方性導電フィルム18が集積回路チップ2Aの底面Qに接触しないように設定されている。より詳細には、封止材17の膜圧hがバンプ20の高さHより小さく選ばれている。この点は、集積回路チップ2Bについても同様である。このようにバンプ20の高さHを設定することによって、基板1の平面と垂直の方向から見たとき、OLED素子4に損傷を与えることなく集積回路チップ2A及び2Bと発光領域40とを重ねることが可能となる。これにより、発光領域40以外に集積回路チップ2A及び2Bを配置する面積を削減して、基板1の面積を縮小することが可能となる。
【0023】
また、図1に示すように集積回路チップ2A及び2Bにおいて複数の出力端子21を一方の長辺に配置したので、複数の出力端子21が共通陰極配線5に対して一方の側に集中して配置される。換言すれば、OLED素子4は、第1接続端子11と共通陰極配線5との間に配置されている。また、共通陰極配線5は、第2接続端子12とOLED素子4との間に配置されている。従って、OLED素子4の陽極421と出力端子21とを接続する配線13を共通陰極配線5と交差することなく形成することができる。これにより、配線13と共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13と共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、電流信号波形を急峻にできる。
【0024】
また、本実施形態によれば、基板1のレイアウトを簡素化できる。更に、OLED素子4のピッチと同じピッチで複数の第1接続端子11及び第2接続端子12を配置すると共に第3接続端子30を等ピッチで配置することが可能となる。これによって、隣接する第3接続端子30の間での短絡を防止することができ、更には、フレキシブル基板3A及び3Bの配線間隔を等しくできる。
【0025】
<第2実施形態>
図3は第2実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。なお、図中に示す点線Y1は集積回路チップ2A及び2Bの右端部を示し、点線Y2は集積回路チップ2A及び2Bの左端部を示す。第2実施形態に係る発光装置は、集積回路チップ2A及び2Bの出力端子21の配置、並びに第1接続端子11の配置が第1実施形態と相違する。
【0026】
この例では、集積回路チップ2A及び2Bの複数の出力端子21が、右端部Y1と左端部Y2に交互に配置されており、これに伴って、基板1に配置される第1接続端子11が右端部Y1と左端部Y2とに交互に配置されている。このように出力端子21及び第1接続端子11を配置することによって、集積回路チップ2A及び2Bのバンプ20のピッチを大きくできる。この結果、隣接する実装端子間の短絡の可能性を下げることができ、更には、集積回路チップ2A及び2Bの取り付けるマージンを大きくすることができる。なお、入力端子22は図示せぬスペースに配置されている。
また、共通陰極配線5は、OLED素子の一方側に配置されているが、OLED素子の両側に配置してもよい。このようにすることにより、共通陰極配線5と配線13との間の浮遊容量を一定にすることができる。
【0027】
図4は、第2実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。この図に示すように、隣接するOLED素子4の間を横切るように共通陰極配線5をジクザグに配置することにより、共通陰極配線5がOLED素子4を縫う様に形成される。この場合には、OLED素子4と第1接続端子11を接続する配線13が交差しないので、配線13と共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13と共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、奇数番目のOLED素子4と偶数番目のOLED素子4とを同一の条件で駆動することができ、電流信号波形の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を揃えることができる。また、共通陰極配線5は遮光性を有しており、隣接するOLED素子4の間を横切るように共通陰極配線5をジクザグに配置することにより、OLED素子4からの迷光を遮光することができる。共通陰極配線5を構成する遮光性を有する材料としては、Ti、Mo、Crなどの金属、及び、これらの金属の酸化物、並びに、これらの金属と金属酸化物の積層構造を例示することができる。
【0028】
<第3実施形態>
図5は第3実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。なお、図中に示す点線Xは集積回路チップ2A及び2Bの短辺端部を示す。第3実施形態に係る発光装置は、集積回路チップ2A及び2Bの間にもOLED素子4a及び4bが設けられている点、集積回路チップ2A及び2Bの短辺端部21における出力端子21a及び21b並びに第1接続端子11a及び11bの配置を除いて、第1実施形態及び第2実施形態と同様に構成されている。
【0029】
この例では、集積回路チップ4aと集積回路チップ4bとの間隔がOLED素子の間隔より広く、集積回路チップ4aと集積回路チップ4bとの間にOLED素子4a及び4bが配置されている。OLED素子4、4a、及び4bの間隔は等間隔である。ここで、集積回路チップ2Aの短辺端部Xに配置された出力端子21aは第1接続端子11aと接続される。一方、集積回路チップ2Bの短辺端部Xに配置された出力端子21bは第1接続端子11bと接続される。そして、配線13a及び13b(第2配線)によって、OLED素子4a及び4bが第1接続端子11a及び11bと接続される。仮に、長辺Y1側から配線13a及び13bを引き回すと、額縁面積が増加し基板1としてサイズの大きなものを使用する必要がある。しかしながら、本実施形態のように短辺端部Xから配線13a及び13bを引き出すことによって、基板1の面積を縮小することができる。
また、第1実施形態では集積回路チップ2A及び2Bの下部にOLED素子4を配置する必要があるため、集積回路チップ2A及び2Bのサイズが大きくなっていたが、本実施形態では、集積回路チップ2A及び2Bの間にOLED素子4a及び4bを配置できるため、集積回路チップ2A及び2Bのサイズを小さくできる。そして、集積回路チップ2A及び2Bのサイズを小さくすることによりアライメント精度、取り分け特に回転方向の精度を向上することができる。
【0030】
図6は、第3実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。この図に示すように、共通陰極配線5がOLED素子4a及び4bを縫う様にジクザグに引き回してもよい。この場合には、OLED素子4bと第1接続端子11bを接続する配線13bが交差しないので、配線13bと共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13bと共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、電流信号波形を急峻に変化させることができる。
【0031】
<第4実施形態>
図7は第4実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。第4実施形態に係る発光装置は、配線13a及び13bの引き回しを除いて、第3実施形態と同様に構成されている。
【0032】
この例では、複数の第1接続端子21が長辺Y1側に配置されており(図示せず)、配線13a及び13b(第3配線)を長辺Y1の外側の領域を用いて引き回す。従って、図5に示す第3実施形態のレイアウトのように配線13bと共通陰極配線5が交差しない。この結果、配線13bと共通陰極配線5とを同一の層で形成することができ、プロセスを簡易化できる。また、配線13bと共通陰極配線5とが交差しないので、両者の間で短絡が発生することがなく、歩留まりが向上する。さらに、交差によって浮遊容量が発生しないので、電流信号波形を急峻に変化させることができる。
【0033】
更に、陰極43の幅を広くして電源インピーダンスを低下させることができる。この点について図8を参照して説明する。同図(A)に示すように短辺端部Xに第1接続端子11aを配置する場合には出力端子21aとの接続をとるため、第1接続端子11aの上部に陰極43を配置することはできない。これに対して、短辺端部Xに第1接続端子11aがない場合には、同図(B)に示すように陰極43の幅W2を広くすることができる。
【0034】
<第5実施形態>
図9は第5実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。第5実施形態に係る発光装置は、配線13a及び13bの引き回しを除いて、第5実施形態と同様に構成されている。
この例では、配線13a及び13b(第3配線)の一部をフレキシブル基板3A及び3Bと長辺Y2との間のスペースを用いて引き回す。即ち、配線13a及び13b(第3配線)はフレキシブル基板3A〜3C以外の第2の領域に形成される。これによって、額縁面積を小さくし基板1のサイズを縮小することができる。
【0035】
<第6実施形態>
図10は第6実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す図である。第5実施形態に係る発光装置は、配線13a及び13bの引き回しを除いて、第5実施形態と同様に構成されている。
この例では、配線13a及び13b(第3配線)の一部をフレキシブル基板3A及び3Bの下部のスペースを用いて引き回す。配線13a及び13b(第3配線)はフレキシブル基板3A〜3Cの第1の領域とそれ例外の第2の領域の双方に形成される。第2の領域を引き回しに活用することによって、額縁面積を小さくし基板1のサイズをより一層縮小することができる。
【0036】
<画像形成装置>
図11は、上述したヘッド部10を用いた画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、同様な構成の4個の有機ELアレイ露光ヘッド10K、10C、10M、10Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K、110C、110M、110Yの露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。有機ELアレイ露光ヘッド10K、10C、10M、10Yは上述したヘッド部10によって構成されている。
【0037】
図11に示すように、この画像形成装置は、駆動ローラ121と従動ローラ122が設けられており、図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト120を備えている。この中間転写ベルト120に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体110K、110C、110M、110Yが配置される。前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体110K、110C、110M、110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0038】
各感光体110(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体110(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)111(K、C、M、Y)と、この帯電手段111(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体110(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の上記のような有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)が設けられている。
また、この有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置114(K、C、M、Y)を有している。
【0039】
ここで、各有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)は、有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)のアレイ方向が感光体ドラム110(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置される。そして、各有機ELアレイ露光ヘッド10(K、C、M、Y)の発光エナルギーピーク波長と、感光体110(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
【0040】
現像装置114(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラヘ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体110(K、C、M、Y)に接触あるいは押厚させることにより、感光体110(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
【0041】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写され、中間転写ベルト120上で順次重ね合わされてフルカラーとなる。ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送された記録媒体102は、二次転写ローラ126に送られる。中間転写ベルト120上のトナー像は、二次転写ローラ126において用紙等の記録媒体102に二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることで記録媒体102上に定着される。この後、記録媒体102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙トレイ上へ排出される。
このように、図11の画像形成装置は、書き込み手段として有機ELアレイを用いているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。
【0042】
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。図12は、画像形成装置の縦断側面図である。図12において、画像形成装置には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機ELアレイが設けられている露光ヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。露光ヘッド167は上述したヘッド部10によって構成されている。
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として反時計回り方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。現像ローラ162a〜162dおよびトナー供給ローラ163a〜163は、前記4色の各像形成ユニットに各々配置されている。また、規制フレード164a〜164dによってトナーは所定の厚さに規制される。
【0043】
感光体ドラム165は、帯電器168によって帯電され、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向に駆動される。中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向に回動される。
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0044】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。用紙は、給紙トレイ178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出されるようになっている。
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータは、例えば低速のブラシレスモークが用いられる。また、中間転写ベルト169は色ずれ補正などが必要となるのでステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略している制御手段からの信号により制御される。
【0045】
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ128aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが90度回転する。
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0046】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0047】
なお、上述した実施形態では、発光装置の一例として画像形成装置に用いられるヘッド部10を取り上げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、OLED素子4等の発光素子を駆動する集積回路チップ2A及び2Bを発光領域40と重なるように配置するのであれば、いかなるものに適用してもよい。例えば、複数のOLED素子をマトリクス状に配置した表示装置も発光装置に含まれる。この場合、基板1には複数のデータ線と複数の走査線とが交差するように形成され、それらの交差に対応して複数の画素回路が形成される。画素回路はOLED素子とこれを駆動するトランジスタを含む。このような構成において、発光領域は複数の画素回路が配置される領域となる。集積回路チップには走査線を駆動する走査線駆動回路、あるいはデータ線を駆動するデータ線駆動回路を組み込むことができる。この場合、発光領域の一部又は全部と集積回路チップとが重なるように配置することによって、基板の面積を縮小することが可能となる。
【0048】
そのような表示装置を用いた電子機器としては、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、デジタルスチルカメラ、テレビジョンモニタ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した表示装置が適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の発光装置の構成を示す平面図である。
【図2】同装置の断面を示す断面図である。
【図3】第2実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図4】第2実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図5】第3実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図6】第3実施形態の変形例に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図7】第4実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図8】同装置の陰極を比較例を用いて説明するための模式図である。
【図9】第5実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図10】第6実施形態に係る発光装置のレイアウトを模式的に示す模式図である。
【図11】画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図12】画像形成装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10…ヘッド部(発光装置)、103…データ線、P…画素回路、645…陰極(第1電極)、641…陽極(第2電極)、61…保持トランジスタ、62…駆動トランジスタ、63…接続配線、64…OLED素子(発光素子)、110Y,110M,110C,110K…感光体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が配列され、その一方の面から発光する発光領域を備えた基板と、
前記複数の発光素子を制御する信号を生成する集積回路チップとを備え、
前記基板の他方の面から見て前記集積回路チップと前記発光領域の一部又は全部とが重なるように前記集積回路チップを前記基板に接続した、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記発光領域は前記基板の他方の面に形成され、
前記集積回路チップは複数の端子を備え、前記複数の端子によって前記基板の他方の面に固着され、
前記端子の長さは、前記集積回路チップの底面が前記発光領域に接触しないように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記集積回路チップの複数の端子の一部は、前記複数の発光素子へ供給する信号を出力する複数の出力端子であり、
前記複数の発光素子の各々は陰極と陽極を有し、
前記基板に設けられ、前記集積回路チップの前記複数の出力端子と接続される複数の接続端子と、
前記複数の発光素子の陰極と共通に接続される共通陰極配線と、
前記複数の発光素子の陽極と前記複数の接続端子とを各々接続する第1配線とを備え、
前記接続端子は、対応する発光素子から見て前記共通陰極配線と反対側に配置される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記共通陰極配線は前記複数の発光素子の配列に対して一方の側に配置され、
前記複数の接続端子は前記複数の発光素子の配列に対して他方の側に配置された、
ことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の出力端子及び前記複数の接続端子を、前記複数の発光素子の配列に対して交互に配置したことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項6】
隣接する前記発光素子の間を横切るように前記共通陰極配線をジグザグに配置し、
前記集積回路チップの一方の長辺から他方の長辺に向けて前記共通陰極配線、前記発光素子、前記第1配線及び前記接続端子を配置した、
ことを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記集積回路チップを複数備え、各集積回路チップは短辺と長辺を有し、
前記集積回路チップの短辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部が配置され、
前記基板には前記短辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、
前記短辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第2配線を前記短辺と交差するように設けたことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、
長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、
前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、
前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、
前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第2の領域のみに配置する、
ことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記共通陰極配線、前記ある集積回路チップと前記次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子、及び前記第3配線の順に配置したことを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、
長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、
前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、
前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、
前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第1の領域及び前記第2の領域に配置する、
ことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項11】
光線の照射によって画像が形成される感光体と、
前記感光体に光線を照射して前記画像を形成するヘッド部とを備え、
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の発光装置を前記ヘッド部に用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の発光装置を備えた電子機器。
【請求項1】
複数の発光素子が配列され、その一方の面から発光する発光領域を備えた基板と、
前記複数の発光素子を制御する信号を生成する集積回路チップとを備え、
前記基板の他方の面から見て前記集積回路チップと前記発光領域の一部又は全部とが重なるように前記集積回路チップを前記基板に接続した、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記発光領域は前記基板の他方の面に形成され、
前記集積回路チップは複数の端子を備え、前記複数の端子によって前記基板の他方の面に固着され、
前記端子の長さは、前記集積回路チップの底面が前記発光領域に接触しないように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記集積回路チップの複数の端子の一部は、前記複数の発光素子へ供給する信号を出力する複数の出力端子であり、
前記複数の発光素子の各々は陰極と陽極を有し、
前記基板に設けられ、前記集積回路チップの前記複数の出力端子と接続される複数の接続端子と、
前記複数の発光素子の陰極と共通に接続される共通陰極配線と、
前記複数の発光素子の陽極と前記複数の接続端子とを各々接続する第1配線とを備え、
前記接続端子は、対応する発光素子から見て前記共通陰極配線と反対側に配置される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記共通陰極配線は前記複数の発光素子の配列に対して一方の側に配置され、
前記複数の接続端子は前記複数の発光素子の配列に対して他方の側に配置された、
ことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の出力端子及び前記複数の接続端子を、前記複数の発光素子の配列に対して交互に配置したことを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項6】
隣接する前記発光素子の間を横切るように前記共通陰極配線をジグザグに配置し、
前記集積回路チップの一方の長辺から他方の長辺に向けて前記共通陰極配線、前記発光素子、前記第1配線及び前記接続端子を配置した、
ことを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記集積回路チップを複数備え、各集積回路チップは短辺と長辺を有し、
前記集積回路チップの短辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部が配置され、
前記基板には前記短辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、
前記短辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第2配線を前記短辺と交差するように設けたことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、
長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、
前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、
前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、
前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第2の領域のみに配置する、
ことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記共通陰極配線、前記ある集積回路チップと前記次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子、及び前記第3配線の順に配置したことを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
外部から前記集積回路チップに信号を供給する複数の配線が形成されたフレキシブル基板を備え、前記フレキシブル基板が前記基板を覆う部分は第1の領域であり前記基板を覆わない部分は第2の領域であり、
長辺と短辺を有する前記集積回路チップを複数備え、
前記集積回路チップの長辺に近接して前記複数の出力端子のうち一部又は全部が配置され、
前記基板には前記長辺に配置される出力端子に対応する位置に前記接続端子が配置され、
前記長辺に近接して配置された接続端子と、ある集積回路チップと次の集積回路チップとの間に配置された前記発光素子とを接続する第3配線を前記長辺と交差し、且つ、前記第1の領域及び前記第2の領域に配置する、
ことを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項11】
光線の照射によって画像が形成される感光体と、
前記感光体に光線を照射して前記画像を形成するヘッド部とを備え、
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の発光装置を前記ヘッド部に用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の発光装置を備えた電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−253538(P2006−253538A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−70504(P2005−70504)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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