説明

発光装置および電子機器

【課題】発光装置を小型化する。
【解決手段】可撓性の基板12Aは、第1部分21と第2部分22と第3部分23とに区分される。第1部分21には複数の発光素子32が形成され、第2部分22には各発光素子32を駆動する回路部34が形成される。基板12Aは、第2部分22および第3部分23が第1部分21に対して同じ方向に折り曲げられた状態で筐体40Aに支持される。第1部分21の背面側には、第1部分21を平面状に維持するための固定部材60Aが配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子を配列した発光装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子などの複数の発光素子を配列した発光装置は、携帯電話機などの電子機器の表示装置や電子写真方式の画像形成装置の露光装置として利用される。特許文献1や特許文献2には、発光装置の各発光素子からの出射光を屈折率分布型レンズアレイで集光することで像担持体(感光体ドラム)の表面に潜像を形成する画像形成装置が開示されている。
【0003】
特許文献1や特許文献2の発光装置は、図11に示すように、長尺状の基板(TFT基板)91に複数の発光素子92を配置した構造である。基板91は、特許文献2に開示されるようにガラスで形成され、屈折率分布型レンズアレイ93の光軸に対して垂直に配置された状態で筐体94に収容される。各発光素子92を封止する封止ガラス95が基板91の背面側に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/120858号
【特許文献2】国際公開第2006/129552号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、各発光素子92から基板91の周縁までの距離が短いと、例えば、各発光素子92から封止ガラス95の周縁(封止端)までの距離が不足することで封止が不十分になるという問題や、発光素子92の駆動用の素子(例えば駆動トランジスタ)の形成が困難になるという問題が発生し得る。以上の問題を解消するためには、各発光素子92から基板91の周縁までの距離が充分に確保されるように基板91の寸法を選定する必要があり、基板91の小型化が制約されるという問題があった。以上の事情を考慮して、本発明は、発光装置の小型化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の発光装置は、第1部分と第2部分とを有する可撓性の基板と、第1部分に形成された複数の発光素子と、第2部分が第1部分に対して折り曲げられた状態で基板を支持する筐体とを具備する。以上の構成においては、基板が折り曲げられた状態で筐体に支持されるから、基板が平面状に維持されたまま支持される図11の構成と比較して、発光装置を小型化することが可能である。なお、「可撓性」とは、破断せずに変形(折れ曲がる)できる性質を意味し、変形が弾性的であるか塑性的であるかは不問である。また、筐体は、基板の全体を収容する必要はない。
【0007】
本発明の好適な態様において、基板は、第1部分を挟んで第2部分の反対側に位置するとともに第1部分に対して第2部分と同方向に折り曲げられた第3部分(例えば図2や図4の第3部分23)を含む。以上の構成においては、基板の第3部分を例えば発光素子の封止や駆動用の回路の形成に利用することが可能である。例えば、複数の発光素子を覆う封止体(例えば図2や図4の封止体36)を第1部分と第2部分と第3部分とに形成した構成によれば、各発光素子から封止の端部(封止体の周縁)までの距離が充分に確保されるから、各発光素子を有効に封止できるという利点がある。他方、第3部分は第1部分に対して第2部分とともに折り曲げられるから、第3部分を含まない構成と同様に発光装置の小型化は実現され得る。
【0008】
本発明の好適な態様において、第2部分および第3部分は、第1部分の背面側の空間を挟むように折り曲げられ、複数の発光素子は、第1部分の背面側の表面に形成され、第1部分の背面側の表面に間隔をあけて対向するとともに第2部分と第3部分とにわたる封止部材(例えば図4の封止部材58)が配置される。以上の態様においては、封止体による封止(例えば薄膜封止)に加えて封止部材による缶封止が実現されるから、各発光素子に対する外気や水分の接触を有効に防止できるという利点がある。
【0009】
本発明の好適な態様に係る発光装置は、第1部分の背面側に配置され、第1部分に対向する平坦面を有する固定部材(例えば固定部材60A,60B,60C,60D)を具備し、第1部分は、平坦面に沿う平面状に維持される。以上の態様においては、固定部材により第1部分が平面状に維持されるから、発光素子の出射光を所期の方向(第1部分に垂直な方向)に安定させることが可能である。
【0010】
ところで、基板に封止体を形成した構成や固定部材を発光素子の封止に利用する構成を採用しても、第1部分のうち第2部分とは反対側の側面(基板と封止体または固定部材との境界)から外気や水分が進入する可能性がある。そこで、本発明の第1の態様において、固定部材は、第1部分のうち第2部分とは反対側の側面(例えば図5や図7の側面15)に対向するように平坦面から突出する封止部(例えば図5や図7の封止部66)を含み、第1部分の側面と固定部材の封止部との間に位置する部分(例えば図5や図7の部分83)を含むシール材(例えば図5や図7のシール材80A)を具備する。以上の態様においては、固定部材の封止部が第1部分の側面に対向するから、第1部分の側面側からの外気や水分の進入が防止されるという利点がある。
【0011】
第1の態様の具体例に係る発光装置は、複数の発光素子からの出射光を導く光学体を具備し、封止部は、第1部分の側面(例えば図5や図7の側面15)および光学体の側面(例えば図5や図7の側面522)に対向し、シール材は、封止部と光学体との間に位置する部分(例えば図5や図7の部分83)を含む。以上の態様においては、封止部と光学体との間にもシール材が介在するから、各発光素子から封止端までの距離を充分に確保できるという利点がある。なお、光学体が、第1部分の光出射側に配置された透光体と、透光体の光出射側に配置された集光体とを含む構成のもとでは、封止部が透光体の側面(例えば図7の側面522)および集光体の側面(例えば図7の側面542)に対向し、封止部と透光体および集光体との間に位置する部分(例えば図7の部分83)をシール材が含む構成が好適である。以上の構成においては封止端が集光体の側面上に位置するから、さらに有効な封止が実現される。
【0012】
本発明の第2の態様において、筐体は、第2部分に対向する第1側部材(例えば図8の第1側部材41Bや図9の第1側部材41C)と、第1部分のうち第2部分とは反対側の側面(例えば図8や図9の側面15)に対向する第2側部材(例えば図8の第2側部材42Bや図9の第2側部材42C)とを含み、第1部分の側面と第2側部材との間に位置する部分(例えば図8や図9の部分85)を含むシール材(例えば図8や図9のシール材80C)を具備する。以上の態様においては、第2側部材が第1部分の側面に対向するから、第1部分の側面側からの外気や水分の進入が防止されるという利点がある。
【0013】
第2の態様の具体例に係る発光装置は、複数の発光素子からの出射光を導く光学体を具備し、第2側部材は、第1部分の側面(例えば図8や図9の側面15)および光学体の側面(例えば図8や図9の側面522)に対向し、シール材は、第2側部材と光学体との間に位置する部分(例えば図8や図9の部分85)を含む。以上の態様においては、第2側部材と光学体との間にもシール材が介在するから、各発光素子から封止端までの距離を充分に確保できるという利点がある。なお、光学体が、第1部分の光出射側に配置された透光体と、透光体の光出射側に配置された集光体とを含む構成のもとでは、第2側部材が透光体の側面および集光体の側面に対向し、第2側部材と透光体および集光体との間に位置する部分をシール材が含む構成が好適である。以上の構成においては封止端が集光体の側面上に位置するから、さらに有効な封止が実現される。
【0014】
第2の態様の具体例に係る発光装置は、第1部分の背面側に配置され、第1部分に対向する平坦面を有する固定部材(例えば図8の固定部材60Cや図9の固定部材60D)を具備し、第1部分は、平坦面に沿う平面状に維持され、シール材は、固定部材と第2側部材との間に位置する部分(例えば図8や図9の部分87)を含む。以上の態様においては、固定部材と第2部材との間にシール材が介在するから、各発光素子から封止端までの距離を充分に確保できるという利点がある。
【0015】
第1の態様および第2の態様の具体例において、シール材は、固定部材と第1部分との間に位置する部分と、固定部材と第2部分との間に位置する部分とを含む。以上の態様においては、第1部分や第2部分と固定部材との間にもシール材が介在するから、第1部分側からの外気や水分の進入が防止されるという利点がある。
【0016】
本発明の好適な態様に係る発光装置は、第1部分の光出射側に配置されて複数の発光素子からの出射光を導く光学体を具備し、第2部分の表面は、光学体の側面と同一の平面内に位置する。以上の態様においては、光学体の側面と第2部分の表面とが同一の平面内に位置するから、発光装置の小型化という効果は格別に顕著となる。なお、光学体の側面と第2部分の表面とが「同一の平面内に位置する」とは、光学体の側面を含む平面と第2部分の表面を含む平面とが完全に合致する場合のほか、両者が実質的に合致する場合も包含する。「実質的に合致する場合」としては、例えば、光学体の側面を含む平面と第2部分の表面を含む平面とが例えば製造上の誤差の範囲内でずれている場合が例示される。
【0017】
本発明に係る発光装置は各種の電子機器に利用される。本発明に係る電子機器の典型例は、以上の各態様に係る発光装置を像担持体の露光に利用した電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置は、露光で潜像が形成される像担持体と、像担持体を露光する本発明の発光装置と、像担持体の潜像に対する現像剤(例えばトナー)の付加によって顕像を形成する現像器とを含む。もっとも、本発明に係る発光装置の用途は像担持体の露光に限定されない。例えば、発光素子を行列状に配列した発光装置は、パーソナルコンピュータや携帯電話機など各種の電子機器の表示装置として利用される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る発光装置を利用した画像形成装置の部分的な斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図3】第1実施形態に係る発光装置の基板の平面図である。
【図4】第2実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図5】第3実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図6】第3実施形態に係る発光装置の基板の平面図である。
【図7】第4実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図8】第5実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図9】第6実施形態に係る発光装置の断面図である。
【図10】各実施形態の発光装置を利用した画像形成装置の構成図である。
【図11】従来の発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置100Aを露光装置(光ヘッド)として利用した電子写真方式の画像形成装置の部分的な構造を示す斜視図である。図1に示すように、画像形成装置は、発光装置100Aと像担持体(感光体ドラム)70とを具備する。像担持体70は、X方向(主走査方向)の回転軸に支持された円柱体であり、被露光面(外周面)70Aを発光装置100Aに対向させた状態で回転する。発光装置100Aは、像担持体70の露光で被露光面70Aに潜像(静電潜像)を形成する。以下の説明では、発光装置100Aのうちの着目した要素からみて像担持体70側を「光出射側」と表記し、当該要素からみて像担持体70とは反対側を「背面側」と表記する。
【0020】
図2は、発光装置100Aの断面図である。なお、図1と図2とでは上下(Z方向)が逆転している。すなわち、図2においては、上方が光出射側(像担持体70側)に相当し、下方が背面側に相当する。図2に示すように、発光装置100Aは、発光体10と筐体40Aと回路基板46と配線基板48と光学体50と固定部材60Aとを含んで構成される。図1から理解されるように、発光装置100Aの各要素はX方向に長尺に形成される。
【0021】
図3は、発光体10の構造を示す平面図である。図2および図3に示すように、発光体10は、基板12Aと複数の発光素子32と回路部34と封止体36とを含んで構成される。基板12Aは、第1面121と第2面122(図2)とを有する平板状に形成された略長方形の部材である。基板12Aは可撓性を有する。すなわち、基板12Aは、破断させることなく外力の付加で折り曲げる(湾曲させる)ことが可能である。基板12Aの材料は任意であるが、例えば、ポリイミドやPET(polyethylene terephthalate)などの合成樹脂で形成されたフイルム状の板材が基板12Aとして好適である。また、薄膜状に形成することで可撓性を持たせた硝子製の板材も基板12Aとして採用され得る。基板12Aの厚さは、例えば100μm以下(例えば数十μm程度)に設定される。図3には、折り曲げられていない状態の基板12Aが図示されている。図3の符号DYは、折り曲げられていない状態の基板12AのY方向(副走査方向)の寸法である。
【0022】
図2および図3に示すように、基板12Aは、X方向に延在する2本の直線L(図3の鎖線)を境界として第1部分21と第2部分22と第3部分23とに区分される。第1部分21は、第2部分22と第3部分23との間に位置する。第1部分21の第1面121の面上にはX方向に配列する複数の発光素子32が形成される。各発光素子32は、例えば、相対向する陽極と陰極との間に有機EL材料の発光層を介在させた有機EL素子である。なお、複数の発光素子32の配列の態様は任意である。例えば、複数の発光素子32を複数列に配列した構成も採用される。
【0023】
複数の発光素子32の各々を駆動する回路部34が基板12Aのうち第2部分22の第1面121に配置される。回路部34は、基板12Aの面上に各発光素子32とともに形成されたトランジスタ(例えば、低温ポリシリコンで半導体層を形成した薄膜トランジスタ)で構成される。例えば、発光素子32に供給される電流を自身のゲートの電位に応じて制御する駆動トランジスタが回路部34に含まれる。
【0024】
基板12Aの第1面121の面上には封止体36が形成される。封止体36は、各発光素子32および回路部34に対する外気や水分の接触を防止するための膜体である。図2および図3に示すように、封止体36は、第1部分21と第2部分22と第3部分23とにわたって連続するように形成されて第1部分21の発光素子32や第2部分22の回路部34を被覆する(薄膜封止)。
【0025】
図2の筐体40Aは、発光体10を収容および支持する要素である。筐体40Aは、金属などの高剛性の材料で形成される。画像形成装置の本体(図示略)に筐体40Aの両端部が固定されることで、像担持体70に対する発光装置100Aの位置や姿勢が決定される。図2に示すように、筐体40Aは、第1側部材41Aおよび第2側部材42Aを含んで構成される。第1側部材41Aと第2側部材42Aとは、間隔Dをあけて対向する。
【0026】
基板12Aは、発光素子32(第1部分21の第1面121)を背面側に向けた状態で第1側部材41Aと第2側部材42Aとの間に収容される。各発光素子32からの出射光は、基板12Aを透過して光出射側に進行する。すなわち、第1実施形態の発光体10はボトムエミッション型である。したがって、基板12Aは光透過性の材料で形成される。ただし、トップエミッション型の発光装置も採用され得る。
【0027】
図2に示すように、発光体10は、基板12Aの第2部分22と第3部分23とが第1部分21に対して折り曲げられた状態で筐体40Aに収容される。具体的には、第2部分22と第3部分23とは、第1部分21の背面側(第1面121側)の空間を挟んで相互に対向するように第1部分21に対して略垂直に折り曲げられる。第2部分22は、第1側部材41Aの表面に第2面122を接触させた状態で第1側部材41Aに沿って背面側に延在する。同様に、第3部分23は、第2側部材42Aの表面に第2面122を接触させた状態で第2側部材42Aに沿って背面側に延在する。すなわち、基板12Aは、横断面(X方向に垂直な断面)が略Π字状となるように変形した状態で筐体40Aに収容される。以上の説明から理解されるように、第1側部材41Aと第2側部材42Aとの間隔Dは、折り曲げられていない状態の基板12AのY方向の寸法DY(図3)を下回る。なお、基板12Aの第2部分22を第1側部材41Aに固定した構成や、基板12Aの第3部分23を第2側部材42Aに固定した構成も採用され得る。
【0028】
図2の回路基板46には、発光素子32や回路部34を制御する電子回路が配置される。回路基板46と発光体10とは、基板12Aの第2部分22と回路基板46とに接合された配線基板48(フレキシブル配線基板)を介して電気的に接続される。配線基板48には、回路部34を駆動する集積回路(チップ)482が実装される。なお、基板12AのX方向の寸法が大きい場合には、複数の配線基板48をX方向に配列して基板12Aに実装した構成が好適に採用される。
【0029】
図2に示すように、基板12Aの第1部分21の光出射側には光学体50が配置される。光学体50は、各発光素子32からの出射光を像担持体70に導く光学系である。光学体50は、透光体52と集光体54とを含んで構成される。透光体52は、光透過性の材料で形成された部材である。図2に示すように、透光体52は、第1側部材41Aと第2側部材42Aとに挟持された状態で基板12Aの第1部分21と集光体54との間に配置される。透光体52のうち発光体10との対向面は平坦面521である。平坦面521が第1部分21の第2面122に密着した状態で透光体52は基板12Aに固定(例えば接着)される。各発光素子32からの出射光は、基板12Aと透光体52とを透過したうえで集光体54に入射する。太陽光や照明光などの外光が光学体50に入射しないように、筐体40Aは遮光性の材料で形成される。
【0030】
集光体54は、発光素子32からの出射光を像担持体70の被露光面70Aに集光(結像)させる。具体的には、集光体54は、横断面内で屈折率が変化する複数の屈折率分布型レンズの作用で像担持体70の被露光面70Aに等倍正立像を形成するレンズアレイである。集光体54は透光体52に固定(例えば接着)される。集光体54からの出射光が像担持体70の被露光面70Aで結像するように透光体52の寸法(第1部分21と集光体54との間隔)が選定される。すなわち、透光体52は、各発光素子32と集光体54との相対的な位置を決定するスペーサとして機能する。
【0031】
第1部分21の背面側には固定部材60Aが配置される。固定部材60Aは、硝子や金属(例えばアルミニウム)などの高剛性の材料で形成される。固定部材60Aの両端部は、例えば筐体40Aに固定される。固定部材60Aは、第1部分21の第1面121(封止体36)に対向する平坦面62を有する。基板12Aは、封止体36の表面が固定部材60Aの平坦面62に接触した状態で固定部材60Aに固定(例えば接着)される。基板12Aの第1部分21は、透光体52の平坦面521と固定部材60Aの平坦面62とに挟まれることで平面状に保持される。
【0032】
以上の形態においては、基板12Aが折り曲げられた状態で筐体40Aに収容されるから、基板91が平面状に保持されたまま筐体94に収容される図11の構成と比較して、発光装置100AのY方向の寸法を削減することが可能である。具体的には、第1側部材41Aと第2側部材42Aとの間隔Dが基板12Aの寸法DYを下回るように筐体40Aを小型化することが可能である。
【0033】
また、第1部分21と第2部分22と第3部分23とにわたって封止体36が形成されるから、各発光素子32から封止体36の周縁(封止端)までの距離が充分に確保される。したがって、発光素子32に対する外気や水分の接触が有効に防止されるという利点がある。基板91を平板状に維持したまま筐体94に収容する図11の構成では、封止面積の増大(基板の大型化)が発光装置の大型化に直結するから、封止性能の向上と発光装置の小型化とを両立することは困難である。第1実施形態においては、有効な封止のために封止体36の面積を充分に確保した場合でも、基板12Aを折り曲げることで発光装置100Aの小型化が実現される。すなわち、封止性能の向上と発光装置100Aの小型化との両立が可能である。
【0034】
また、特許文献1や特許文献2の構成では、基板91上に形成される回路の規模の増大(基板91の大型化)が発光装置の大型化に直結するから、発光装置の小型化のためには基板91上の回路の規模が制約される。他方、第1実施形態においては、回路部34を形成した第2部分22が第1部分21に対して折り曲げられるから、回路部34の規模に関わらず発光装置100のY方向の寸法を削減できるという利点もある。
【0035】
なお、以上のように第2部分22と第3部分23とを第1部分21に対して折り曲げる構成のもとで第1部分21を何ら拘束しない場合には第1部分21が曲面状に湾曲する可能性がある。第1部分21が湾曲した状態では、各発光素子32からの出射光の方向が安定しない(第1部分21の湾曲の程度に応じて出射光の方向が変化する)という問題がある。第1実施形態においては、透光体52の平坦面521と固定部材60Aの平坦面62とに挟持されることで第1部分21が平面状に保持されるから、各発光素子32からの出射光が目標の方向に安定するという利点がある。
【0036】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0037】
図4は、第2実施形態に係る発光装置100Bの断面図である。図4に示すように、発光装置100Bは、第1実施形態の発光装置100Aに封止部材58を追加した構成である。封止部材58は、基板12Aの第1部分21の背面側の空間(第2部分22と第3部分23とを内壁面として第1部分21を底面とする空間)Rを閉塞する部材である。例えば硝子製の板材が封止部材58として採用される。
【0038】
封止部材58は、第1部分21の第1面121に間隔をあけて対向した状態で第2部分22と第3部分23との間に配置される。具体的には、封止部材58のうち第2部分22との対向面はシール材583を介して第2部分22の第1面121に接合され、封止部材58のうち第3部分23との対向面はシール材585を介して第3部分23の第1面121に接合される。また、封止部材58のX方向の両端部には、第1部分21と第2部分22と第3部分23とで包囲された空間Rを閉塞する部分(図示略)が形成される。したがって、基板12A(第1部分21,第2部分22,第3部分23)と封止部材58とで包囲された閉空間Rが画定される(缶封止)。閉空間Rには不活性ガス(例えば窒素)が充填される。また、封止部材58のうち第1部分21との対向面には乾燥剤581が配置(例えば塗布)される。
【0039】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、封止体36による薄膜封止に加えて封止部材58による缶封止が発光素子32の封止に採用される。したがって、発光素子32に対する外気や水分の接触を第1実施形態よりも確実に防止できるという利点がある。なお、薄膜封止の代わりに缶封止を採用した構成(すなわち、図4から封止体36を省略した構成)も採用され得る。
【0040】
<C:第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係る発光装置100Cの断面図である。図5に示すように、発光装置100Cは、第1実施形態の発光装置100Aにおける基板12Aおよび固定部材60Aを基板12Bおよび固定部材60Bに置換した構成である。図6に示すように、基板12Bは、X方向に延在する直線L(鎖線)を境界として第1部分21と第2部分22とに区分される。第1実施形態と同様に、第1部分21の第1面121には複数の発光素子32が形成され、第2部分22の第1面121には回路部34が形成される。すなわち、第3実施形態の基板12Bは、第1実施形態の基板12Aの第3部分23を省略した構成である。
【0041】
基板12Bの第1面121には、第1部分21と第2部分22とにわたる封止体36が形成される。封止体36は、第1部分21のうち第2部分22とは反対側の周縁まで形成される。図5に示すように、基板12Bが筐体40Aに収容された状態では、基板12Bの第1部分21のうち第2部分22とは反対側の側面15(封止体36の側面)と透光体52の側面522とが同一の平面内に位置する(いわゆる面一である)。
【0042】
固定部材60Bは、固定部64と封止部66とを含んで構成される。固定部64と封止部66とは例えば一体に形成される。固定部64は、第1実施形態の固定部材60Aと同様に、平坦面62を基板12Bの第1部分21に対向させた状態で第1部分21の背面側に配置される。封止部66は、基板12Bの第1部分21の側面15(側面15と封止体36との境界E0)に対向するように平坦面62から光出射側に突出した部分である。第3実施形態の封止部66は、第1部分21の側面15に加えて透光体52の側面522にも対向するように寸法(平坦面62からの高さ)が選定される。
【0043】
基板12Bと固定部材60Bとはシール材(接着剤)80Aで相互に固定される。図5に示すように、シール材80Aは、相連続する部分81と部分82と部分83とを含む。部分81は、基板12Bの第2部分22の第1面121と固定部材60Bの側面681との間に介在する。部分82は、第1部分21の第1面121と固定部材60Bの平坦面62との間に介在する。部分83は、第1部分21の側面15(封止体36の側面)および透光体52の側面522と封止部66との間に介在する。以上の構成のシール材80Aは、基板12Bと固定部材60Bとを固定する機能に加えて、各発光素子32を封止体36とともに封止する機能を実現する。具体的には、各発光素子32は、第2部分22の面上に位置する部分81の周縁E1から透光体52の面上に位置する部分83の周縁E2までにわたって封止される。すなわち、発光素子32が封止される領域の端部(封止端)は周縁E1および周縁E2である。
【0044】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態の基板12Bは第1実施形態の第3部分23を含まないから、第1実施形態と比較して発光装置100が小型化され得る。
【0045】
なお、第3部分23を省略した構成において、第1部分21の側面15を外気に露出させた場合(すなわち、封止体36を省略した場合)には、第1部分21の側面15と封止体36の側面との境界E0が封止端となる。したがって、発光素子32から封止端までの距離が不足して封止性能が低下するという問題が発生し得る。第3実施形態においては、第1部分21と封止体36との境界E0を覆うように封止部66がシール材80Aで基板12Bに接合されるから、シール材80Aの部分83の周縁E2が封止端となる。すなわち、基板12Bが第3部分23を含まない構成にも関わらず、発光素子32から封止端までの距離が充分に確保される。したがって、発光素子32を有効に封止することが可能である。特に、図5の例示においては、シール材80Aの部分83が透光体52の側面524まで延在するから、例えば部分83が第1部分21の側面15までしか形成されない構成と比較すると、発光素子32の封止の効果は格別に顕著である。
【0046】
また、シール材80Aは、第2部分22と固定部材60Bとの間に介在する部分81も含むから、第2部分22側からの外気や水分の進入も有効に防止される。もっとも、部分81を省略した構成も採用され得る。
【0047】
<D:第4実施形態>
図7は、第4実施形態に係る発光装置100Dの断面図である。発光装置100Dにおける固定部材60Bの封止部66は、固定部64の平坦面62から集光体54の側面542まで延在する。シール材80Aのうち封止部66に接触する部分83は、基板12Bの第1部分21の側面15と透光体52の側面522と集光体54の側面542とにわたって連続する。すなわち、シール材80Aの部分83のうち集光体54の側面542の面上に位置する周縁E2が封止端となる。以上の構成によれば、各発光素子32から封止端までの距離が図5の構成と比較して増加するから、第3実施形態と比較して封止性能を向上させることが可能である。
【0048】
<E:第5実施形態>
図8は、本発明の第5実施形態に係る発光装置100Eの断面図である。図8に示すように、発光装置100Eは、第1実施形態の発光装置100Aにおける基板12Aと固定部材60Aと筐体40Aとを基板12Cと固定部材60Cと筐体40Bとに置換した構成である。
【0049】
基板12Cは、第3実施形態や第4実施形態の基板12Bと同様に、複数の発光素子32が形成された第1部分21と、回路部34が形成された第2部分22とに区分される。封止体36は、第1部分21と第2部分22とにわたって連続する。そして、図8に示すように、基板12Cが筐体40Bに収容された状態において、第2部分22の第2面122が透光体52の側面524および集光体54の側面544と同一の平面内に位置する(いわゆる面一となる)ように、第2部分22は第1部分21に対して折り曲げられる。第1部分21のうち第2部分22とは反対側の側面15が透光体52の側面522や集光体54の側面542と同一の平面内に位置する構成は第3実施形態や第4実施形態と同様である。
【0050】
固定部材60Cは、第1実施形態の固定部材60Aと同様に、基板12Cの第1部分21の第1面121に平坦面62を対向させた状態で第1部分21の背面側に配置される。図8に示すように、固定部材60Cの側面682は、第1部分21の側面15や透光体52の側面522と同一の平面内に位置する。
【0051】
筐体40Bは、相対向する第1側部材41Bおよび第2側部材42Bとを含んで構成される。第1側部材41Bおよび第2側部材42Bは、遮光性の材料で形成された平面状の板材である。第1側部材41Bと第2側部材42Bとの間に基板12Cおよび光学体50が収容および支持される。基板12Cおよび光学体50はシール材80Bで第1側部材41Bに固定される。具体的には、基板12Cの第2部分22の第2面122と透光体52の側面524と集光体54の側面544(一部)とがシール材80Bで第1側部材41Bの表面(平坦面)に固定される。すなわち、シール材80Bは、第1側部材41Bの表面のうち基板12Cの第2部分22の周縁E3から第1側部材41Bの表面のうち光出射側の周縁E4まで連続する。
【0052】
また、基板12Cと光学体50とはシール材80Cで第2側部材42Bに固定される。シール材80Cは、相連続する部分81と部分82と部分85と部分87とを含んで構成される。第3実施形態と同様に、第2部分22の第1面121(封止体36の表面)と固定部材60Cの側面681とが部分81で固定され、第1部分21の第1面121と固定部材60Cの平坦面62とが部分82で固定される。
【0053】
シール材80Cの部分85は、基板12Cおよび光学体50と第2側部材42Bとの間に介在して両者を固定し、部分87は、固定部材60Cと第2側部材42Bとの間に介在して両者を固定する。具体的には、基板12Cの側面15と透光体52の側面522と集光体54の側面542(一部)とが部分85で第2側部材42Bの表面(平坦面)に固定され、固定部材60Cの側面682が部分87で第2側部材42Bの表面に固定される。すなわち、シール材80Cは、第2側部材42Bの表面上で部分87の周縁E5から部分85の周縁E6(第2側部材42Bの周縁)まで連続する。
【0054】
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態においては、基板12Cにおける第2部分22の第2面122が光学体50の表面(側面524および側面544)と同一の平面内に位置し、固定部材60Cの側面682と基板12Cの側面15とが光学体50の表面(側面522および側面542)と同一の平面内に位置するから、第1側部材41Bおよび第2側部材42Bの間隔Dが光学体50のY方向の寸法まで低減される。したがって、発光装置100のY方向の寸法を縮小できるという効果は、第1実施形態から第4実施形態と比較して格別に顕著である。
【0055】
また、基板12Cの第1部分21と封止体36との境界E0を覆うようにシール材80Cの部分85が形成されるから、部分87の周縁E5や部分85の周縁E6が発光素子32の封止端となる。すなわち、基板12Cが第3部分23を含まない構成にも関わらず、発光素子32から封止端までの距離を充分に確保することが可能である。したがって、発光素子32に対する外気や水分の接触を有効に防止できるという利点がある。特に、図8の例示においては、シール材80Cの部分85が集光体54の側面542まで延在するから、例えば部分85が第1部分21の側面15や透光体52の側面522までしか延在しない構成と比較して、発光素子32の封止の効果は格別に顕著である。ただし、第1部分21の側面15や透光体52の側面522まで部分85を延在させた構成も採用され得る。
【0056】
<F:第6実施形態>
図9は、本発明の第6実施形態に係る発光装置100Fの断面図である。図9に示すように、発光装置100Fは、第5実施形態の発光装置100Eの筐体40Bおよび固定部材60Cを筐体40Cおよび固定部材60Dに置換した構成である。筐体40Cは、第5実施形態の筐体40Bと同様に、第1側部材41Cと第2側部材42Cとを含んで構成される。第1側部材41Cおよび第2側部材42Cは、遮光性の材料で形成された平面状の板材である。
【0057】
第5実施形態では筐体40Bが画像形成装置の本体に固定されるのに対し、第6実施形態では筐体40Cは画像形成装置の本体に固定されない。すなわち、筐体40Cは、発光体10や光学体50を保護する保護カバーとして機能し、発光装置100Fを画像形成装置の本体に固定する要素(フレーム)としては機能しない。したがって、第6実施形態の筐体40Cは、第1実施形態から第5実施形態の筐体40(40A,40B)と比較して低剛性の材料(例えば樹脂材料)で形成される。
【0058】
固定部材60Dは、発光装置100を像担持体70に対して所定の位置および姿勢に固定するフレームとして機能する。具体的には、固定部材60DのX方向の両端部が画像形成装置の本体に固定される。図9に示すように、固定部材60Dは、部分61Aと部分61Bと部分61Cとを含んで構成される。部分61Aはシール材80Cの部分81で基板12Cの第2部分22に固定され、部分61Bはシール材80Cの部分82で基板12Cの第1部分21に固定される。
【0059】
部分61Cのうち第2側部材42Bに対向する表面は、基板12Cの第1部分21の側面15や透光体52の側面522(さらに集光体54の側面542)と同一の平面内に位置する。第2側部材42Cは、第5実施形態と同様に基板12Cの側面15や光学体50に対してシール材80Cの部分85で固定され、固定部材60Dの部分61Cに対してシール材80Cの部分87で固定される。部分61Cのうち第2側部材42Cとは反対側の表面には回路基板46が固定される。
【0060】
以上の説明から理解されるように、発光装置100の固定に利用される固定部材60Dと発光体10の保護や遮光に利用される筐体40Cとが協働して発光素子32を封止する。第6実施形態においても第5実施形態と同様の効果が実現される。なお、筐体40Cとは別個の固定部材60Dで発光装置100の位置や姿勢を固定する第6実施形態の構成は、第1実施形態から第5実施形態にも同様に適用され得る。
【0061】
<G:変形例>
以上の形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は併合され得る。
【0062】
(1)変形例1
光学体50の具体的な構成は適宜に変更される。例えば透光体52は省略され得る。透光体52を省略した構成でも、例えば基板12(12A,12B,12C)の第1部分21を固定部材60(60A,60B,60C)の平坦面62に固定することで、第1部分21を平面状に保持することは可能である。また、各発光素子32からの出射光を集光するマイクロレンズアレイを集光体54として採用した構成も採用され得る。すなわち、光学体50は、各発光素子32からの出射光を導く要素として包括される。
【0063】
(2)変形例2
以上の各形態においては第1側部材41(41A,41B,41C)と第2側部材42(42A,42B,42C)とを別体としたが、第1側部材41と第2側部材42とを一体に形成した構成も好適である。ただし、第1側部材41と第2側部材42とを別体とした構成によれば、例えば、第1側部材41の面上に基板12(12A,12B,12C)や光学体50や固定部材60(60A,60B,60C,60D)を配置したうえで第2側部材42を第1側部材41に固定するという手順で発光装置100(100A〜100F)の組立てが完了する。したがって、製造工程の簡素化という観点からすると、第1側部材41と第2側部材42とを別体とした構成が好適である。
【0064】
(3)変形例3
以上に例示した各形態の構成は適宜に併合される。例えば、第2部分22の第2面122が光学体50の側面(側面524および側面544)と同一の平面内に位置する第5実施形態(図8)や第6実施形態(図9)の構成は、第1実施形態から第4実施形態にも同様に適用される。また、第1実施形態や第2実施形態における第3部分23にも同様の構成(すなわち、第3部分23の第2面122が光学体50の側面と同一の平面内に位置する構成)が採用される。
【0065】
(4)変形例4
以上の各形態においては集積回路を配線基板に実装したが、基板12(12A,12B,12C)に集積回路を実装した構成も採用される。また、回路部34が形成される位置は基板12(12A,12B,12C)に限定されない。例えば、配線基板に実装された集積回路に回路部34が内蔵された構成も好適である。
【0066】
(5)変形例5
以上の各形態に例示した要素は適宜に省略され得る。例えば、固定部材60(60A,60B,60C,60D)を省略した構成や、シール材80(80A,80C)の部分81や部分82を省略した構成も採用され得る。また、第1側部材41(41A,41B,41C)または第2側部材42(42A,42B,42C)は省略され得る。
【0067】
(6)変形例6
有機EL素子は発光素子32の例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を利用した発光装置にも以上の各形態と同様に本発明が適用される。すなわち、本発明における発光素子は、電気エネルギの供給で発光する被駆動素子(典型的には電流駆動型の自発光素子)として包括される。
【0068】
<H:応用例>
次に、本発明に係る発光装置を利用した電子機器について説明する。図10は、以上の各形態の発光装置100(100A〜100F)を露光装置として利用した電子機器(画像形成装置)の模式図である。画像形成装置は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、以上の各形態に係る4個の発光装置100(100K,100C,100M,100Y)と、各発光装置100に対応する4個の感光体ドラム70(70K,70C,70M,70Y)とを具備する。各発光装置100は、当該発光装置100に対応した感光体ドラム70の被露光面70A(外周面)と対向するように配置される。なお、図10の各符号の添字「K」「C」「M」「Y」は、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各顕像の形成に利用されることを意味している。
【0069】
図10に示すように、駆動ローラ711と従動ローラ712とには無端の中間転写ベルト72が巻回される。4個の感光体ドラム70は、相互に所定の間隔をあけて中間転写ベルト72の周囲に配置される。各感光体ドラム70は、中間転写ベルト72の駆動に同期して回転する。
【0070】
各感光体ドラム70の周囲には、発光装置100のほかにコロナ帯電器731(731K,731C,731M,731Y)と現像器732(732K,732C,732M,732Y)とが配置される。コロナ帯電器731は、これに対応する感光体ドラム70の被露光面70Aを一様に帯電させる。この帯電した被露光面70Aを各発光装置100が露光することで静電潜像が形成される。各現像器732は、静電潜像に現像材(トナー)を付着させることで感光体ドラム70に顕像(可視像)を形成する。
【0071】
以上のように感光体ドラム70に形成された各色(黒・シアン・マゼンタ・イエロー)の顕像が中間転写ベルト72の表面に順次に転写(一次転写)されることでフルカラーの顕像が形成される。中間転写ベルト72の内側には4個の一次転写コロトロン(転写器)74(74K,74C,74M,74Y)が配置される。各一次転写コロトロン74は、これに対応する感光体ドラム70から顕像を静電的に吸引することによって、感光体ドラム70と一次転写コロトロン74との間隙を通過する中間転写ベルト72に顕像を転写する。
【0072】
用紙(記録材)75は、ピックアップローラ761によって給紙カセット762から1枚ずつ給送され、中間転写ベルト72と二次転写ローラ77との間のニップに搬送される。中間転写ベルト72の表面に形成されたフルカラーの顕像は、二次転写ローラ77によって用紙75の片面に転写(二次転写)され、定着ローラ対78を通過することで用紙75に定着される。排紙ローラ対79は、以上の工程を経て顕像が定着された用紙75を排出する。
【0073】
以上に例示した画像形成装置は有機EL素子を光源として利用しているので、レーザ走査光学系を利用した構成よりも装置が小型化される。なお、以上に例示した以外の構成の画像形成装置にも発光装置100を適用することができる。例えば、ロータリ現像式の画像形成装置や、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラム70から用紙に対して直接的に顕像を転写するタイプの画像形成装置、あるいはモノクロの画像を形成する画像形成装置にも発光装置100を利用することが可能である。
【0074】
また、発光素子32を行列状に配列した発光装置は、各種の電子機器の表示装置としても利用される。本発明が適用される電子機器としては、例えば、可搬型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器などがある。
【符号の説明】
【0075】
100(100A,100B,100C,100D,100E,100F)……発光装置、10……発光体、12(12A,12B,12C)……基板、21……第1部分、22……第2部分、23……第3部分、32……発光素子、34……回路部、36……封止体、40(40A,40B,40C)……筐体、41(41A,41B,41C)……第1側部材、42(42A,42B,42C)……第2側部材、46……回路基板、48……配線基板、50……光学体、52……透光体、54……集光体、60(60A,60B,60C,60D)……固定部材、80(80A,80B,80C)……シール材。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分と第2部分とを有する可撓性の基板と、
前記第1部分に形成された複数の発光素子と、
前記第2部分が前記第1部分に対して折り曲げられた状態で前記基板を支持する筐体と
を具備する発光装置。
【請求項2】
前記基板は、前記第1部分を挟んで前記第2部分の反対側に位置するとともに前記第1部分に対して前記第2部分と同方向に折り曲げられた第3部分を含む
請求項1の発光装置。
【請求項3】
前記第1部分と前記第2部分と前記第3部分とにわたって前記基板の表面に形成されて前記複数の発光素子を覆う封止体を具備する
請求項2の発光装置。
【請求項4】
前記第2部分および前記第3部分は、前記第1部分の背面側の空間を挟むように折り曲げられ、
前記複数の発光素子は、前記第1部分の背面側の表面に形成され、
前記第1部分の背面側の表面に間隔をあけて対向するとともに前記第2部分と前記第3部分とにわたる封止部材
を具備する請求項2または請求項3の発光装置。
【請求項5】
前記第1部分の背面側に配置され、前記第1部分に対向する平坦面を有する固定部材を具備し、
前記第1部分は、前記平坦面に沿う平面状に維持される
請求項1の発光装置。
【請求項6】
前記固定部材は、前記第1部分のうち前記第2部分とは反対側の側面に対向するように前記平坦面から突出する封止部を含み、
前記第1部分の前記側面と前記固定部材の前記封止部との間に位置する部分を含むシール材
を具備する請求項5の発光装置。
【請求項7】
前記複数の発光素子からの出射光を導く光学体を具備し、
前記封止部は、前記第1部分の側面および前記光学体の側面に対向し、
前記シール材は、前記封止部と前記光学体との間に位置する部分を含む
請求項6の発光装置。
【請求項8】
前記光学体は、
前記第1部分の光出射側に配置された透光体と、
前記透光体の光出射側に配置された集光体とを含み、
前記封止部は、前記透光体の側面および前記集光体の側面に対向し、
前記シール材は、前記封止部と前記透光体および前記集光体との間に位置する部分を含む
請求項7の発光装置。
【請求項9】
前記筐体は、
前記第2部分に対向する第1側部材と、
前記第1部分のうち前記第2部分とは反対側の側面に対向する第2側部材とを含み、
前記第1部分の前記側面と前記第2側部材との間に位置する部分を含むシール材
を具備する請求項1の発光装置。
【請求項10】
前記複数の発光素子からの出射光を導く光学体を具備し、
前記第2側部材は、前記第1部分の側面および前記光学体の側面に対向し、
前記シール材は、前記第2側部材と前記光学体との間に位置する部分を含む
請求項9の発光装置。
【請求項11】
前記光学体は、
前記第1部分の光出射側に配置された透光体と、
前記透光体の光出射側に配置された集光体とを含み、
前記第2側部材は、前記透光体の側面および前記集光体の側面に対向し、
前記シール材は、前記第2側部材と前記透光体および前記集光体との間に位置する部分を含む
請求項10の発光装置。
【請求項12】
前記第1部分の背面側に配置され、前記第1部分に対向する平坦面を有する固定部材を具備し、
前記第1部分は、前記平坦面に沿う平面状に維持され、
前記シール材は、前記固定部材と前記第2側部材との間に位置する部分を含む
請求項9から請求項11の何れかの発光装置。
【請求項13】
前記シール材は、前記固定部材と前記第1部分との間に位置する部分と、前記固定部材と前記第2部分との間に位置する部分とを含む
請求項6から請求項12の何れかの発光装置。
【請求項14】
前記第1部分の光出射側に配置されて前記複数の発光素子からの出射光を導く光学体を具備し、
前記第2部分の表面は、前記光学体の側面と同一の平面内に位置する
請求項1の発光装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14の何れかの発光装置を具備する電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−16321(P2011−16321A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163470(P2009−163470)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】