説明

発振システム(oscillatorysystem)の周期タイミング・ジッタ(periodictimingjitter)の減少

【解決手段】PLL及びVCOを含む発振システムのようなノイズに敏感なアナログ回路について適応切替周波数回路を含む電圧調整器を含む装置が開示される。例において、装置は参照クロック発振器30、低ジッタ発振器170a、低ジッタ発振器について電源電圧WD_REGを調整するためにクロック信号入力を含む電源120、低ジッタ発振器出力周波数が安定している場合クロック検出器制御信号BOOST_CLK_SELを生成するクロック検出器、クロック検出器制御信号がアサートされた場合、低ジッタ発振器出力信号の周期ジッタの影響を抑制するために、電源へのクロック信号CLK入力として、参照クロック発振器出力信号REF_CLK、及び低ジッタ発振器出力信号VCO_CLKのうち一つを選択するマルチプレクサ110を含む。他の例において、クロック検出器制御信号は低ジッタ発振器出力周波数が安定している場合、電源のクロック信号入力として低ジッタ発振器出力信号を選択するために、マルチプレクサを制御する。

【発明の詳細な説明】
【米国特許法第119条に基づく優先権の主張】
【0001】
特許についての本願は、本願の譲受人に譲渡され、これにより本明細書の参照によって明示的に組み込まれ、2009年2月3日に出願され、“Periodic Timing Jitter Reduction In Digital Clock Generators”と表題された米国仮出願番号61/149、421に対して優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して集積回路(IC)の分野に関する。より具体的には、本開示は、フェーズ・ロック・ループ(PLL:phase lock loop)のようなノイズに敏感な(noise-sensitive)集積回路(IC)について、電圧レギュレータ、電圧制御発振器(VCO:voltage-controlled oscillator)、及びデジタル・プロセッサのクロック生成、またはアナログ及び無線周波数(RF)回路の周波数合成(frequency synthesis)に利用される他の低ジッタ発振システム(low-jitter oscillatory system)に関する。
【背景技術】
【0003】
ハイ・スピード・デジタル・ロジック回路は、低タイミング不確実性(uncertainty)またはジッタ(jitter)(確定的(deterministic)及びランダムの両方)を含むデジタル・クロック信号に依存する。一般的に、デジタル・クロック信号は、PLL(phase-locked loop)及び電圧(または電流)制御発振器(VCO)を含むクロック生成器によって生成される。PLL出力は、VCOを低ジッタ外部参照発振器クロック信号(low-jitter external reference oscillator clock signal)(参照クロック・ソース)にロックするフェーズ(phase)及び周波数を含む。クロック生成器のようにクロック・ジッタをデジタル化するので、メイン・コントリビュータ(main contributor)の一つは、PLL及びVCOへの電源電圧信号上のノイズである。専用(dedicated)、または“クリーン(clean)”電源電圧信号はいつも入手可能なわけではない。PLL及びVCOは、デジタル・スィッチング・アクティビティ(ノイズ)を、通常の電源電圧信号に注入する他のロジック・ブロックを含む通常の電源電圧信号を強制的に共有し得る。
【0004】
クロック生成器に基づくPLL_VCOへ、専用の“クリーン”電源電圧入力が無い場合、“クリーン”電源電圧信号を生成することが高く望まれる。一技術は、存在するノイジー電源電圧信号をフィルタリング、及び/または電圧調整するために、ロー・ドロップアウト電圧レギュレータ(LDO:low dropout voltage regulator)を使用する。LDOの出力は、これらの回路ブロックが、特に電源電圧ノイズに敏感であるので、クロック生成器のVCO及びPLLに電源を供給する。PLL_VCOクロック生成器アプリケーションに適した、いくつかの知られたLDOの実施がある。これらは典型的に、ノイズ・カップリングを減らす為に、一つまたはそれ以上の電圧レギュレータ・ステージ(voltage regulator stage)を用いることを含む。
【0005】
伝統的に、チップ上にPLL及びVCOを組み込む集積回路(IC)は、クリーン電源接続を達成するために、独立した電源バンプ(power-supply bump)である。電源バンプ及びシリコン・ダイ・ボンド・パッドの数は、複数のPLLと同様に増加し、VCOは、IC内に取り込まれる。電源バンプは、パッケージされたIC及びメイン・アプリケーション回路ボードとの間の接続の半田ボールと呼ぶ。低ジッタを要求するアプリケーションをサポートするために、LDOをICに組み込むことによって、電源及びグランド接続(ground connection)の数は最小化され得る。従って、パッケージされたICピン数、チップ、及び複雑に経路指定する(routing complexity)メイン・アプリケーション回路ボードを抑制する。
【0006】
図1は、従来の発振システム10の概略的なダイアグラムを示している。発振システム10は、LDO20、参照クロック・ソース30、及びPLL_VCOクロック40を含む。LDO20は更に、PLL_VCOクロック生成器40に動力を供給するために、キャパシティブ電圧ブースタ(capacitive voltage booster)120を含んでいる。LDO20は、PLL_VCOクロック生成器40内への入力電圧VDD_NOISY、“クリーン”調整出力電圧(第1の入力バイアス電圧)VDD_REGの生成、を調整する(regulate)。VDD_REGは、PLL_VCOクロック生成器40内に含まれるノイズに敏感なPLL160及びVCO170に入る。PLL_VCOクロック生成器40はまた、参照クロック発振器30から参照クロックREF_CLKを受信する。参照クロック発振器30は、VCO170の出力を、望ましい出力信号VCO_CLKに固定するために、安定したクロック・ソースを供給する。例示的な図では、周波数Foscである。
【0007】
図1を参照することで、フェーズ周波数ロック(phase-frequency lock)VCO170に作用する電圧制御信号Vctrlを生成するためにPLL160は入力クロックREF_CLK及びVCO_CLKを比較する。動作周波数範囲(低速デジタル、高速デジタル、または無線周波数等)と同様に発振システム10について、要求される周波数分解能(周波数ステップ・サイズ)に依存するPLL160を構成することについて、他のよく知られた実施がある。
【0008】
キャパシティブ電圧ブースタ120はVDD_NOISYの電圧レベルよりも高い電圧レベルの信号GATE_BOOSTを生成するためにRCロー・パス・フィルタ(抵抗素子R130及び容量素子C140を含んでいる)と直列である。GATE_BOOSTは、NMOSトランジスタ150を含むソース・フォロワー電圧レギュレータ(source-follower voltage regulator)のゲートにバイアスを印加する。ここで、NMOSトランジスタ150を確かにするために、入力VDD_NOISY及びLDO20、VDD_REGの出力信号の間で低電圧降下(low voltage drop)を維持する間、VDD_NOISYよりも高くあるべきであるGATE_BOOSTは飽和状態である。
【0009】
このように構成されることで、LDO20は、広い周波数範囲にわたってVDD_NOISY及びVDD_REG間に適正なノイズ分離(reasonable noise isolation)を供給する。しかしながら、GATE_BOOST(理想的なDC電圧)はまた、AC電圧要素、またはキャパシティブ電圧ブースタ120によって生成されるスィッチング・アクティビティ(この場合は、REF_CLKによってクロックされる)の影響である“リップル(ripple)”を有している。抵抗素子Rf 130及び容量素子Cf 140(RCフィルタ)について、大きな成分値(component value)は、典型的にNMOSトランジスタ150のゲートにそれを適用する前にGATE_BOOSTのAC電圧要素を最小化する。NMOSトランジスタ150のゲートで、任意の電圧変動(voltage fluctuation)は、PLL160及びVCO170への信号VDD_REGに対応するソース・ノードで表れる傾向がある。
【0010】
LDO20は、VDD_REGからVDD_NOISYを分離するとはいえ、VDD_REGは、キャパシティブ電圧ブースタ120への入力であるREF_CLKからの電圧リップル要素を含んでいる。この電圧リップル要素は、VCO170出力クロック(LOCK)信号VCO_CLK内にノイズを導入する。この場合は、VCO_CLKは、時間範囲の決定論的な(deterministic)ジッタ、または周波数範囲の(FREF_CLKのインターバルで)拍車(spur)を示す。ターゲット・アプリケーション次第で、両方の影響は望ましくない。一つのオプションとしては、LDO20とスィッチング電圧レギュレータを交換することである。しかしながら、電圧リップル要素は、VCO_CLKにおいて決定論的なジッタが再び導入される。
【0011】
低発振器フェーズ・ノイズを要求するアプリケーションについて、例えば(i)特に高速デジタル・デザイン(マルチGHz CPU、デジタル通信リンク等)における多くのアナログ及び無線周波数発振システム及び、(ii)無線周波数及びアナログ周波数シンセサイザー・デザイン(トランスミッタ、レシーバ、信号生成器等)といった改良された低ジッタ発振システムが望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、従来の発振システム(oscillatory system)の概略的なダイアグラムを示している。
【図2】図2は、例示的な実施形態に従って、図1の発振システムで用いるための容量素子電圧ブースタの概略的なダイアグラムを示している。
【図3】図3は、図1の発振システムについて、VDD_REGに与えるノイズ周波数の関数(function)として、VCOの周期ジッタ転送関数(period jitter transfer function)を図式的に描画する。
【図4】図4は、例示的な実施形態に従って、LDO、PLL、及びVCOを含む発振システムの概略的なダイアグラムを示している。
【図5】図5は、他の例示的な実施形態に従って、LDO、クロック・ディテクタ、及び低ジッタ発振器(low-jitter oscillator)を含む、発振システムの概略的なダイアグラムを示している。
【図6】図6は、図4の発振システムのREF_CLK、VCO_CLK,BOOST_CLK_SEL,GATE_BOOST,VDD_REG,及びVCO_PERIODについて、タイミング関係、及び信号特性を示している。
【図7】図7は、図4のキャパシティブ電圧ブースタを利用するLDOについて、クロック周波数を選択するプロセスの動作フロー・ダイアグラムである。
【図8】図8は、図5のキャパシティブ電圧ブースタを利用するLDOについて、クロック周波数を選択するプロセスの動作フロー・ダイアグラムである。
【0013】
理解を容易にするために、適切な場合に以下のような要素を区別するために、添え字(suffixes)を加えられ得ることをのぞいて、同一の参照番号は、図面に共通する同一の要素を示す為に用いることができる。図のイメージは、説明の目的で単純化され、スケールを描画する必要は無い。
【0014】
添付した図面は、本会時の例示的な構成を図示し、他の同等の効果的な構成を認め得る開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。同様に、更なる記述無しに他の構成において、いくつかの構成の特徴は、有利な結合であり得るということが考えられている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
“例示的”という言葉は、本明細書では、“例、事例、または実例として役目を果たす”という意味で用いられる。“例示”として本明細書に記載される実施形態は、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であるとして解釈される必要はない。
【0016】
添付した図面に関連して下に示す詳細な記載は、本発明の例示的な実施形態の記載として示され、本発明が実施することができる唯一の実施形態を意味するように示されない。この記載を通して用いられる用語“例示”は、“例、事例、または実例として役目を果たす”ことを意味し、他の例示的な実施形態よりも好ましいまたは有利であるとして解釈されるべきではない。詳細な記載は、発明の例示的な実施形態の十分な理解を提供する目的のために、特定の詳細を含む。発明の例示的な実施形態は、これらの特定の詳細無しで実施されるということが当業者に明らかになるだろう。ある場合において、よく知られた構造及びデバイスは、本明細書に示された例示的な実施形態の新規性を曖昧にすることを避けるために、ブロック・ダイアグラム形式で示される。
【0017】
図2は、図1の発振システム10で用いるために、キャパシティブ電圧ブースタ120の概略的なダイアグラムを示す。
【0018】
キャパシティブ電圧ブースタ120は、電荷転送スィッチS1 121、S2 122,S3 124,及びS4 125を含んでいる。キャパシティブ電圧ブースタ120は、Vin(Vout=2*Vin)で加えられる電圧を2倍にするチャージ・ポンプとして機能する。この例において、Vin=VDD_NOISY及びVout=GATE_BOOSTである。REF_CLK(REF_CLK=1)の第1のハーフ・サイクルの間、電荷転送スィッチS1 121、及びS2 122は閉じられ、電荷転送スィッチS3 124、及びS4 125は開けられ、容量素子C1 123はVin(VDD_NOISY=Vin)に充電される。REF_CLK(REF_CLK=0)の第2のハーフ・サイクルの間、電荷転送スィッチS1 121、及びS2 122は開けられ、電荷転送スィッチS3 124、及びS4 125は閉じられ、容量素子C1 123はVinボルトによって、上方にレベルシフトされる(VDD_NOISY=Vin)。REF_CLK(REF_CLK=0)の第2のハーフ・サイクルの間、容量素子C1 123は、リザーバ容量素子(reservoir capacitor)C2 127に接続され、必要に応じて電荷を出力電圧Vout(GATE_BOOST)に供給することができる。
【0019】
電荷転送スィッチS1 121、S2 122、S3 124、及びS4 125は、連続した抵抗を有し、Vout(GATE_BOOST)上の任意の負荷電流(load current)は、リザーバ容量素子C2 127から電荷を排出するので、実際の出力電圧Vout(GATE_BOOST)は、2*Vinよりもわずかに低い。図1の発振システム10の実施において、GATE_BOOSTが、NMOSトランジスタ150のゲートを駆動する場合、負荷電流はとても小さい。
【0020】
出力電圧(Vout=GATE_BOOST)のリップルは、電荷転送スィッチS1 121、S2 122、S3 124、及びS4 125の連続した抵抗(Rs)と、出力(Iout)で計測される負荷電流とに比例し、式Vripple=Iout*Rsで表されることができる。リップル周波数は、キャパシティブ電圧ブースタ120への入力クロックREF_CLK周波数FCLKと等しい。
【0021】
キャパシティブ電圧ブースタ120の動作において考慮するための重要な要素は、Vin(VDD_NOISY)及びVout(GATE_BOOST)間の電力変換ロス“電力ロス”(power conversion loss- Power Loss)である。電力ロスは、電力ロス(Power Loss)=1/2*[c1*(4Vin−Vout)+c2*(2Vout*Vripple−Vripple)]*FCLK(FCLKは、Hzの入力クロック周波数である)のように表されることができるということが当業者によく知られている。
【0022】
上で示した電力ロスの式からわかるように、電力ロスは、出力電圧の小さい降下(minimal drop)及び小さいVrippleで最小化され得る。しかしながら、電力ロスはまた、FCLKに比例し、FCLKの任意の上昇は、いつもキャパシティブ電圧ブースタ120の電力ロスを上昇させる。キャパシティブ電圧ブースタ120の電力ロス特性及び電圧リップルは、更に詳細が記載されている。キャパシティブ電圧ブースタ120について、他の構成は知られており、その構成は、他の基準(criteria)の間で、GATE_BOOST DC電圧、GATE_BOOST 負荷電流、GATE_BOOST ACリップル、入力クロック周波数範囲に関してターゲット・アプリケーションについて、要求に依存する。
【0023】
図3は、図1の発振システムについて、VDD_REGに与えるノイズ周波数の関数として、VCOの周期ジッタ転送関数を図式的に描画する。
【0024】
VDD_REGにノイズが与えられない理想的な状態において、クロック生成器40は、(Hzの)Foscの周波数を用いて、VCO170への入力制御電圧Vctrlによって単独で決定される出力信号VCO_CLKを生成するために、電圧制御発振器(VCO170)を利用する。VDD_REGに存在するノイズを有する例において、Foscは、電源電圧(VDD_REG)、及び他のバイアス電圧(図1には図示せず)と同様な基板電圧(GND)の関数である。
【0025】
VCO170は、VDD_REG及びVctrlの電圧変化(voltage variation)を、時間ドメインのVCO_CLK出力ジッタ、または周波数ドメインのフェーズ・ノイズにコード変換する(translate)フェーズ変化(phase variation)に変換する線形時間変化(LTV:liner time-variant)回路として作られることがある。このモデルのVCO170の振る舞いの後の計算は、当業者によく知られている。VCO170のモデルは、VCO170の周期ジッタ転送関数(VCO_CLK出力で計測される)は、複数の発振周波数(oscillation frequency)Foscで空白(null)を示すということを示すために、拡大されることがある。言い換えると、VCO170(及びVCO_CLK出力)は、ノイズ周波数が、発振周波数Foscの整数倍である場合、VctrlまたはVDD_REGのどちらかに注入されたノイズに対して鈍感である。他の全ての周波数においても、ノイズ周波数は、VCO170(及びVCO_CLK出力)の計測された周期ジッタに影響を与える。この数学的な性質(mathematical property)は、下に示され、そして記載される例示的な実施形態で利用される。
【0026】
図4は、例示的な実施形態に従って、LDO、PLL、及びVCOを含む発振システム10aの概略的なダイアグラムを示している。発振システム10a内において、LDO20aは、クロック生成器40aについて、“クリーン”調整出力電圧VDD_REGを生成するためにVDD_NOISY入力電圧を調整する。VDD_REGは、クロック生成器40a内に含まれ、ノイズに敏感なPLL160a及びVCO170aに接続される。
【0027】
従来技術の図1及び特にPLL160に関連する記載と同様に、PLL160aは、入力クロックREF_CLK及びVCO_CLKを比較するフェーズ・ロック・ループ(phase-locked loop)であり、VCO170aをロックするフェーズ周波数について、Vctrl信号を生成する。動作周波数範囲(低速デジタル、高速デジタル、または無線周波数等)と同様に発振システム10aについて、要求された周波数分解能(周波数ステップ・サイズ)に基づいてPLL160aについて、多くの可能な実施がある。
【0028】
発振システム10aの例示的な実施形態において、LDO20aは、図2のシステムに関連するキャパシティブ電圧ブースタ120について、クロック信号入力CLKを選択するために、マルチプレクサ(MUX)110を更に含む。発振システム10aのスタートアップ(パワーオン)において、REF_CLK信号は、MUX110及び(PLL160aロック信号が低い場合に低い)制御信号BOOST_CLK_SELを介してクロック信号入力CLKに接続する。この場合、PLL160aは、VCO_CLKをREF_CLKにロックしない。そして、PLL160aロック信号及びBOOST_CLK_SEL信号の両方は、アクティブ・ロー(active low)になる。一旦PLL160aが、VCO_CLKをREF_CLKにロックすると、PLL160aロック信号及びBOOST_CLK_SEL信号の両方は、アクティブ・ハイ(active high)になる。一旦BOOST_CLK_SELがアクティブ・ハイになると、VCO_CLK信号は、MUX110を介してクロック信号入力CLKに接続される。
【0029】
LDO20及びクロック生成器40(図1から)以上のLDO20aと、クロック生成器40aとのキー・アドバンテージは、キャパシティブ電圧ブースタ120へのクロック入力について、アダプティブ・スィッチング周波数(adaptive switching frequency)である。図4の発振システム10aにおいて、GATE_BOOST信号AC電圧要素は、(図1を参照して示すように)未だに存在しているが、PLL160aがVCO_CLKからREF_CLKにロックされている場合、スィッチング周波数は、VCO_CLK信号周波数に変えられる。従って、図3から分かるように、ノイズ周波数がFoscと等しい場合(VCO170a及びVCO_CLK出力信号について、)周期ジッタは0である。
【0030】
キャパシティブ電圧ブースタ120について、スィッチング周波数CLKはFoscと等しいので、抵抗素子R 130a及び容量素子C 140a(RCフィルタ)について、成分値(component value)は、図1のR 130及びC 140の値よりも小さいことがある。これは、GATE_BOOSTの電圧リップルが、(図3に関連して記載するように)VCO_CLK信号と同様の周波数であるからである。
【0031】
より小さいR 130a及びC 140a成分値という結果として、(集積回路である場合)ICダイ領域、及び発振システム10aについて、コストは、VCO170aの周期ピーク・ピーク・クロック・ジッタ(period peak to peak clock jitter)を排除するので、図1の発振システム10のICダイ領域及びコストよりも小さくなる。
【0032】
より小さいR 130a及びC 140a成分値に加え、VFF_REGリップルへのVCO170aの感度は、図1のVCO170に要求される感度よりも低い。これは、(図3に示す)周期ピーク・ピーク・ジッタ(periodic peak-to-peak jitter)が排除されるからである。しかしながら、VDD_REGへのVCO170aの感度は、LDO20a分離(isolation)に依存するVDD_NOISYからのノイズ・リーク対(vs.)VDD_NOISYからVDD_REGへの周波数によって、依然として影響を受け得る。発振システム10aのリマインダは、その他の点で図1の発振システム10に似ていることがある。同様にして、図示しない例示的な他の実施形態において、LDO20aは、スィッチング電圧レギュレータに取って代わり、VCO_CLKの決定論的なジッタ(deterministic jitter)を更に除去する。
【0033】
例示的な実施形態に従って、LDO20aは、周期ジッタの影響を除去し、VCO170aのVDD_REGからフェーズ・ノイズを抑制するために、デジタル、アナログ、及び無線周波数発振システムについて利用され得る。低フェーズ・ノイズは、特に、無線周波数アナログ・デザイン(トランスミッタ、レシーバ、信号生成器等)と同様の高速デジタル・デザイン(マルチGHz CPU、デジタル通信リンク等)において、多くのアナログ及び無線周波数発振システムについて要求される。図2に記載するように、キャパシティブ電圧ブースタ120の電力浪費は、VCO170a出力周波数が上昇するにつれて上昇する。しかしながら、集積回路プロセス技術(より少ないプロセス構成(process geometry))において、改善点は、特に高速デジタル・クロック及び無線周波数デザインについて、キャパシティブ電圧ブースタ120の電力浪費を減少するだろう。
【0034】
加えて、図1を参照して前述したように、図4のLDO20a、参照クロック発振器30、クロック生成器40aは、一つまたはそれ以上の回路ブロックであり得る。各回路ブロックは、集積回路(分離または結合される)、またはディスクリート電子部品の組み合わせとして実施され得る。
【0035】
図5は、代替の例示的な実施形態に従って、LDO、クロック・ディテクタ、及び低ジッタ・発振器(low-jitter oscillator)を含む発振システムの概略的なダイアグラムを示している。発振システム10bにおいて、LDO20bは、クロック生成器40bについて、“クリーン”調整出力電圧信号(”clean” regulated output voltage signal)VDD_REGを生成するためにVDD_NOISY入力電圧を調整する。VDD_REGは、クロック・ディテクタ160b、及びクロック生成器40b内に含まれ、ノイズに敏感な(noise sensitive)低ジッタ発振器(OSC170b)に接続される。
【0036】
図4と図5の間の主な違いは、VCO170aは、固定された出力周波数信号OSC_CLKを生成する低ジッタ発振器(OSC170b)と取って代わっているということである。
【0037】
OSC170bは、外部周波数制御入力の無い任意の電子発振器であり得る(またはPLL160aを要求する)。結果として、クロック・ディテクタ160bは、図4の上述したPLL160aの代わりにBOOST_CLK_SELを生成するために、利用される。クロック・ディテクタ160bは、参照クロック(REF_CLK)について、ラッチ・クロック入力、マルチプレクサ、及びマルチ・タップ遅延ライン(multi-tap delay line)を含むデジタル論理ブロックと、検出される低ジッタ・クロック・ソース(図5のCLK)とで実施され得る。クロック・ディテクタ160bについて、いくつかの可能な実施は、2002年2月15日にダラス・セミコンダクター(Dallas Semiconductor)(今や最大の半導体企業)によって発行されたTech Brief 35の“Building a Clock Fail Detector Using a Delay Line”に記載されている。
【0038】
発振システム10bのこの代替の例示的実施形態において、LDO20bは、キャパシティブ電圧ブースタ120についてクロック信号入力CLKを選択するために(図4を参照して記載されるように)マルチプレクサ(MUX)110を含んでいる。発振システム10bのスタートアップ(パワー・オン)において、REF_CLKは、MUX110を介して制御信号入力CLKを接続し、制御信号BOOST_CLK_SEL(クロック・ディテクタ160bディテクト(DETECT)信号が低い場合、低い)を接続する。この場合、クロック・ディテクタ160bは、周波数の特定の範囲内、または安定した周波数でトグリングする(toggling)OSC_CLKを検出しない。そして、クロック・ディテクタ160bディテクト信号及びBOOST_CLK_SEL信号の両方はアクティブ・ローになる。一旦、クロック・ディテクタ160bが、安定した望ましい周波数で、または周波数の範囲内でOSC_CLKを検出すると、クロック・ディテクタ160bディテクト信号及びBOOST_CLK_SEL信号の両方はアクティブ・ハイになる。一旦BOOST_CLK_SELがアクティブ・ハイになると、OSC_CLK信号はMUX110を介してクロック信号入力に接続する。
【0039】
図4を参照して記載する様に、(図1の)LDO20及びクロック生成器40を越えるLDO20b及びクロック生成器40bのキー・アドバンテージは、キャパシティブ電圧ブースタ120へのクロック入力について、アダプティブ・スィッチング周波数である。図5の発振システム10bにおいて、GATE_BOOST信号AC電圧要素は、未だに存在する(図1を参照して示すように)。しかし、クロック・ディテクタ160bが、OSC_CLKが、望ましい動作周波数の範囲で、または範囲内であるということを検出する場合、スィッチング周波数は、OSC_CLK信号周波数Foscに変換される。それ故、図3に従って、ノイズ周波数がFoscに等しい場合、(OSC170b及びOSC_CLK出力信号について)周期ピーク・ピーク・ジッタ(period peak to peak jitter)は、0である。
【0040】
キャパシティブ電圧ブースタ120について、スィッチング周波数CLKは、Foscと等しいので、抵抗素子R 130b及び容量素子C 140b(RC フィルタ)について、成分値は、図1の抵抗素子R 130及び容量素子C 140よりも小さいことがある。このため、GATE_BOOSTの電圧リップルは、OSC_CLK信号(図3を参照して記載するように)のように同じ周波数である。結果としてより小さいR 130b及びC 140b成分値なので、発振システム10bについて、ICダイ領域及びコストは、OSC170bの周期クロック・ジッタを除去する(そしてOSC_CLK出力信号に関連する)間、図1の発振システム10のダイ領域及びコストよりも小さい。
【0041】
より小さいR 130b及びC 140b成分値に加え、VDD_REGリップルに敏感なOSC170bは、図1のVCO170について要求されるものよりも小さい。また、これにより、(図3の)周期ピーク・ピーク・ジッタ(periodic peak-to-peak jitter)は、除去される。しかしながら、VDD_REGに敏感なOSC170bは、LDO20分離に基づくVDD_NOISYからのノイズ・リーク(noise leakage)対VDD_NOISYからVDD_REGの周波数によって、さらに影響が与えられ得る。周波数チューニング(Vctrlではない)があるので、OSC170bは、VCO170及びVCO170aとは異なる。発振システム10bのリマインダは、更に図1の発振システム10及び図4の発振システム10aと同様であり、より低い周期ピーク・ピーク・ジッタ(period peak to peak jitter)のアドバンテージは、図4のように図5に適応する。図4を参照して前述したように、LDO20bはまた、スィッチング電圧レギュレータと取って代えられ、更にOSC_CLK決定論的ジッタを除去する。
【0042】
加えて、図1及び図4を参照して前述したように、図5のLDO20b、参照クロック発振器30、クロック生成器40bは、一つまたはそれ以上の回路ブロックであり得る。各回路ブロックは、(別々、または組み合わされた)集積回路、またはディスクリート電子部品の組み合わせとして、実施され得る。
【0043】
図6は、例示的な実施形態に従って、図4の発振システムの適切な信号(REF_CLK、VCO_CLK,BOOST_CLK_SEL,GATE_BOOST,VDD_REG,及びVCO_PERIOD)のプロットを示している。図6で明白であるように、まず、REF_CLK周波数FREF_CLKに等しい周波数において、GATE_BOOST信号上のACリップルが存在する。このリップルは、キャパシティブ電圧ブースタ120によって生成される。GATE_BOOST信号リップルは、VCO_CLK信号に周期またはタイミング・ジッタを導入するVDD_REG上に電圧リップルを導入する。
【0044】
一旦PLL160aが、VCO170aを望ましい周波数にロックすると、ローからハイ論理レベルからのBOOST_CLK_SEL信号変化(signal transition)、及びGATE_BOOST信号のキャパシティブ電圧ブースタ120からのACリップルは、VCO_CLK周波数Foscと等しい周波数になる。この場合、GATE_BOOST信号リップル及びVDD_REG電圧リップルは、Fosc周波数であり、対応するVCO_CLK信号の周期またはタイミング・ジッタがない。結果として、VCO_CLK信号は、VDD_REG上にACリップルが存在するにもかかわらず、“クリーン(clean)”である。
【0045】
図5の発振システム10bについて、同様のプロット(図示せず)は図示されない。しかしながら、キャパシティブ電圧ブースタ120のスィッチング周波数を適応して変える同様の原理は、図4及び図5の両方の発振システム10a及び10bにそれぞれ適応する。しかしながら、VCO_CLK及びVCO_PERIOD信号は、OSC_CLK及びOSC_PERIOD信号とそれぞれ取って代わられ、BOOST_CLK_SEL信号について、ソースは、PLL160aロック(LOCK)信号からクロック・ディテクタ160bディテクト(DETECT)信号に変化する。
【0046】
図7は、例示的な実施形態に従って、図4のキャパシティブ電圧ブースタを利用するLDOについて、クロック周波数を選択するプロセスの動作フロー・ダイアグラムである。
【0047】
動作フロー・ダイアグラム200aは、VCO170aを望ましいクロック周波数にロックさせるPLL160aを作動することで始める(ブロック202a)。その後、PLL160aは、アンロックされた信号状態(signal condition)(ロック(LOCK)信号=0)を生成する(ブロック204a)。PLL160aロック信号は、マルチプレクサ110へのBOOST_CLK_SEL信号入力として送信される(ブロック206a)。その後に、マルチプレクサ110は、キャパシティブ電圧ブースタ120について、クロック信号入力(CLK)としてREF_CLKを選択する(ブロック208a)。一旦PLL160aがVCO170aを望ましい周波数にロックすると、PLL160aは、ロックされた信号状態(ロック信号=1)を生成する(ブロック210a)。PLL160aロック信号は、マルチプレクサ110へのBOOST_CLK_SEL信号入力として送信される(ブロック212a)。その後、マルチプレクサ110は、VCO_CLKを、キャパシティブ電圧ブースタ120について、クロック信号入力(CLK)として選択する(ブロック214a)。PLL160aが、これまでにアンロックされた信号状態(ロック信号=0)を生成する場合、動作フロー・ダイアグラム200aは再び開始する(ブロック204aにおいて)。
【0048】
図8は、代替の例示的な実施形態に従って、図5のキャパシティブ電圧ブースタを有するLDOを利用するクロック・ディテクタ低ジッタ発振器システム(clock detector-low-jitter oscillator system)について、クロック周波数を選択するプロセスの動作フロー・ダイアグラムである。
【0049】
動作フロー・ダイアグラム200bは、OSC170b信号出力を検出するために、クロック・ディテクタ160bを作動することで始める(ブロック202a)。その後、クロック・ディテクタ160bは、信号状態(ディテクト(DETECT)信号=0)を生成しない(ブロック204b)。クロック・ディテクタ160bディテクト信号は、マルチプレクサ110へのBOOST_CLK_SEL信号入力として送信される(ブロック206b)。その後、マルチプレクサ110は、キャパシティブ電圧ブースタ120について、クロック信号入力(CLK)としてREF_CLKを選択する。一旦、クロック・ディテクタ160bが、OSC170bから出力信号周波数を検出すると、クロック・ディテクタ160bは、ディテクト信号状態(ディテクト信号=1)を生成する(ブロック210b)。クロック・ディテクタ160bディテクト信号は、マルチプレクサ110へのBOOST_CLK_SEL信号入力として送信される(ブロック212b)。その後、マルチプレクサ110は、キャパシティブ電圧ブースタ120について、クロック信号入力(CLK)として、OSC_CLKを選択する(ブロック214b)。クロック・ディテクタ160bが、これまでに信号状態(ディテクト信号=0)を生成しない場合、動作フロー・ダイアグラム200bが再開する(ブロック204bにおいて)。
【0050】
当業者は、情報及び信号は、種々のテクノロジー及び技術の多様性のいくつかを用いることで、表され得るということを理解するだろう。例えば、上の記載を通して言及され得る、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁粒、光学場または光子、またはこれらのあらゆる組み合わせにより表され得る。
【0051】
当業者は更に、本明細書に開示された実施形態に関連して述べられた種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズム・ステップが、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこの組み合わせが実施され得るということを、正しく理解するだろう。ハードウェア、及びソフトウェアのこの互換性を明確に例示するために、様々な例示的な要素部品、ブロック、モジュール、回路、及びステップは、一般的にそれらの機能に関して上で述べられてきた。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアとして実施されるか否かは、特定のアプリケーション及びシステム全体に課せられた設計制限に依存する。当業者は、記述した機能を特定の各アプリケーションのために様々な方法で実施し得るが、そのような実施の決定は、本発明の例示的な実施形態の範囲から逸脱するものと解釈されるべきではない。
【0052】
本明細書で開示された実施形態に関連して述べた様々な例示の論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリート・ハードウェア部品、または、本明細書で述べた機能を実行するように設計されたこれらの組み合わせによって実施され、または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであって良いが、これに代わるものでは、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステート・マシンであり得る。プロセッサはまた、計算デバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連係した一つまたはそれ以上のマイクロプロセッサ、または他の任意のそのような構成として実装され得る。
【0053】
本明細書で開示された実施形態に関連して述べた方法またはアルゴリズムのステップは、直接、ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールにおいて、またはその二つの組み合わせにおいて具体化され得る。ソフトウェア・モジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュ・メモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、消去及び書き込み可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去及び書き込み可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバル・ディスク、CD−ROM、または当技術分野で既知である他の形のあらゆる記憶媒体に存在し得る。例となる記憶媒体は、記憶媒体から情報を読み取ることができ、記憶媒体に情報を書き込むことができるようなプロセッサに結合されることができる。代替的に、記憶媒体は、プロセッサに不可欠であり得る。プロセッサと記憶媒体はASIC内にあっても良い。このASICはユーザー装置内にあっても良い。あるいは、プロセッサと記憶媒体は、ディスクリート部品としてユーザー装置内にあっても良い。
【0054】
一つまたはそれ以上の例示的な実施形態において、述べた機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせ内に実装され得る。ソフトウェアに実装された場合、コンピュータ読み取り可能な媒体に、記憶され、または、一つまたはそれ以上の命令またはコードとして送信され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、一箇所から他の場所へのコンピュータ・プログラムの転送を促進する任意のメディアを含んでいるコンピュータ記憶メディア及び通信メディアを含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされることができる任意の入手可能な媒体であり得る。例のため、そして例に限らず、そのようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光学ディスク記憶、磁気ディスク記憶、または他の磁気記憶デバイス、または、命令またはデータ構造の形態において、望ましいプログラム・コードを運び、記憶することができ、コンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体を備えることができる。また、任意のつながりは、適切にコンピュータ読み取りメディアと称される。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバー、または、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、及びマイクロ波のようなワイヤレス技術を用いる他の遠隔ソース、から送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、または赤外線、無線、及びマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書に用いたように、ディスク(disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光学ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、及びブルーレイ(登録商標)ディスク、を含み、ディスク(disk)は大抵磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は光学的またはレーザーでデータを再生する。上の組み合わせは、また、コンピュータ読み取り可能なメディアの範囲の中に含まれるべきである。
【0055】
開示された例示的な実施形態のこれまでの記載は、当業者が本発明を行う、または用いることを可能にするために提供される。これらの開示された例示的な実施形態の種々の変形は、当業者に直ちに理解され、本明細書で定義された一般的な原理は、本発明のスピリットや範囲から逸脱しない他の実施形態に適用され得る。従って、本発明は、本明細書に記載の実施形態に限定されることは意図されず、開示された本明細書の原理及び新規性のある特徴に一致する広い範囲は認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低ジッタ発振システム(low-jitter oscillatory system)について、構造化可能な(configurable)スィッチング周波数で実施可能な電源を動作する方法であって、
クロック・ディテクタ制御信号の状態を識別することと、
クロック・ディテクタ制御信号がアサートされた場合、前記低ジッタ発振システム出力信号の周期ジッタ(period jitter)の影響を和らげるために、前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態に基づいて、参照クロック発振器出力信号及び低ジッタ発振システム出力信号間の前記電源について、前記構造化可能なスィッチング周波数を適応して(adaptively)選択することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態は、前記低ジッタ発振システム出力周波数が安定していない場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記参照クロック・発振器出力信号を選択するために、更に構成される請求項1の方法。
【請求項3】
前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態は、前記低ジッタ発振システム出力周波数が安定している場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記低ジッタ発振システム出力信号を選択するために、更に構成される請求項2の方法。
【請求項4】
前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態は、前記低ジッタ発振システムが最初に電源がオンする場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、更に構成される請求項3の方法。
【請求項5】
低ジッタ発振システム(low-jitter oscillatory system)について、構造化可能な(configurable)スィッチング周波数で実施可能な電源を動作するデバイスであって、
クロック・ディテクタ制御信号の状態を識別する手段と、
クロック・ディテクタ制御信号がアサートされた場合、前記低ジッタ発振システム出力信号の周期ジッタ(period jitter)の影響を和らげるために、前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態に基づいて、参照クロック発振器出力信号及び低ジッタ発振システム出力信号間の前記電源について、前記構造化可能なスィッチング周波数を適応させて選択する手段と、
を備えるデバイス。
【請求項6】
前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態を識別する前記手段は、前記発振システム出力周波数が安定していない場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、更に構成される請求項5のデバイス。
【請求項7】
前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態を識別する前記手段は、前記発振システム出力周波数が安定している場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記発振システム出力信号を選択するために、更に構成される請求項6のデバイス。
【請求項8】
前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態を識別する前記手段は、前記発振システムが最初に電源がオンになる場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、更に構成される請求項7のデバイス。
【請求項9】
構造化可能な(configurable)スィッチング周波数で実施可能な電源を含む低ジッタ発振システム(low-jitter oscillatory system)を引き起こす命令を含み、コンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品であって、
前記命令は、
クロック・ディテクタ制御信号の状態を識別し、
前記クロック・ディテクタ制御信号がアサートされた場合、前記低ジッタ発振システム出力信号の周期ジッタ(period jitter)の影響を和らげるために、前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態に基づいて、参照クロック発振器出力信号及び低ジッタ発振システム出力信号間の前記電源について、前記構造化可能なスィッチング周波数を適応させて選択する
コンピュータ・プログラム製品。
【請求項10】
前記命令は、前記低ジッタ発振システム出力周波数が安定していない場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記参照クロック発振器出力信号を選択することを含む前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態を識別する請求項9のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項11】
前記命令は、前記低ジッタ発振システム出力周波数が安定している場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記参照クロック発振器出力信号を選択することを更に含む前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態を識別する請求項10のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項12】
前記命令は、前記低ジッタ発振システムが最初に電源がオンした場合、前記電源への前記クロック信号入力として、前記参照クロック発振器出力信号を選択することを更に含む前記クロック・ディテクタ制御信号の前記状態を識別する請求項11のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項13】
参照クロック発振器と、
低ジッタ発振器(low-jitter oscillator)と、
前記低ジッタ発振器について、電源電圧を調整するために、クロック信号入力を含む電源と
低ジッタ発振器出力信号周波数が安定している場合、クロック・ディテクタ制御信号を生成するクロック・ディテクタと
クロック・ディテクタ制御信号がアサートされた場合、前記低ジッタ発振器出力信号の周期ジッタ(period jitter)の影響を和らげるために、電源へのクロック信号入力として、参照クロック発振器出力信号及び前記低ジッタ発振器出力信号のうち一つを選択するマルチプレクサと
を備えるデバイス。
【請求項14】
前記クロック・ディテクタ制御信号は更に、前記低ジッタ発振器出力周波数が安定していない場合、前記電源への前記クロック信号入力として前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項13のデバイス。
【請求項15】
前記クロック・ディテクタ制御信号は更に、前記低ジッタ発振器出力周波数が安定している場合、前記電源への前記クロック信号入力として前記低ジッタ発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項13のデバイス。
【請求項16】
前記クロック・ディテクタ制御信号は更に、前記低ジッタ発振器が初めに電源がオンになった場合、前記電源への前記クロック信号入力として前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項15のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスは集積回路である請求項13のデバイス。
【請求項18】
発振システムを含むデバイスであって、
参照クロック発振器と、
低ジッタ発振器(low-jitter oscillator)と、
前記低ジッタ発振器について、電源電圧を調整するスィッチング電源と、
低ジッタ発振器出力信号周波数が安定している場合、クロック・ディテクタ制御信号を生成するクロック・ディテクタと、
クロック・ディテクタ制御信号がアサートされた場合、前記低ジッタ発振器出力信号の周期ジッタ(period jitter)の影響を和らげるために、前記電源へのクロック信号入力として、参照クロック発振器出力信号及び前記低ジッタ発振器出力信号のうち一つを選択するマルチプレクサと
を備えるデバイス。
【請求項19】
前記クロック・ディテクタ制御信号は更に、前記低ジッタ発振器出力周波数が安定していない場合、前記電源への前記クロック信号入力として前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項18のデバイス。
【請求項20】
前記クロック・ディテクタ制御信号は更に、前記低ジッタ発振器出力周波数が安定している場合、前記電源への前記クロック信号入力として前記低ジッタ発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項18のデバイス。
【請求項21】
前記クロック・ディテクタ制御信号は更に、前記低ジッタ発振器が初めに電源がオンになった場合、前記電源への前記クロック信号入力として前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項20のデバイス。
【請求項22】
前記デバイスは集積回路である請求項18のデバイス。
【請求項23】
参照クロック発振器と、
電圧制御発振器(VCO:voltage-controlled oscillator)と、
前記VCOを望ましい動作周波数にロックするために制御電圧を生成し、フェーズ・ロック・ループ(PLL:phase locked loop)・ロック(lock)信号を供給するPLLと、
通常の電源電圧に関して、前記VCOについて電源電圧を調整するNMOSトランジスタと、
前記NMOSトランジスタのゲート・ノードについて、GATE_BOOST信号電圧を生成するキャパシティブ電圧ブースタと、
PLLロック信号がアサートされた場合、周期ジッタ(period jitter)の影響を和らげるために、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力として、参照クロック発振器出力信号及びVCO出力信号のうち一つを選択するマルチプレクサと、
を備えるデバイス。
【請求項24】
前記PLLロック信号は更に、前記PLL及びVCOが望ましい動作周波数にロックされた場合、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力としての前記VCO出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項23のデバイス。
【請求項25】
前記PLLロック信号は更に、前記PLL及びVCOが望ましい動作周波数にロックされない場合、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力としての前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項24のデバイス。
【請求項26】
前記PLLロック信号は更に、前記PLL及びVCOが初めに電源がオンになった場合、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力としての前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項25のデバイス。
【請求項27】
前記デバイスは集積回路である請求項23のデバイス。
【請求項28】
発振システムを含むデバイスであって、
参照クロック発振器と、
電圧制御発振器(VCO:voltage-controlled oscillator)と、
前記VCOを望ましい動作周波数にロックするために制御電圧を生成し、フェーズ・ロック・ループ(PLL:phase locked loop)・ロック(lock)信号を供給するPLLと、
通常の電源電圧に関して、前記VCOについて電源電圧を調整するNMOSトランジスタと、
前記NMOSトランジスタのゲート・ノードについて、GATE_BOOST信号電圧を生成するキャパシティブ電圧ブースタと、
前記PLLロック信号がアサートされた場合、周期ジッタ(period jitter)の影響を和らげるために、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力として、参照クロック発振器出力信号及びVCO出力信号のうち一つを選択するマルチプレクサと、
を備えるデバイス。
【請求項29】
前記PLLロック信号は更に、前記PLL及びVCOが望ましい動作周波数にロックされた場合、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力としての前記VCO出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項28のデバイス。
【請求項30】
前記PLLロック信号は更に、前記PLL及びVCOが望ましい動作周波数にロックされない場合、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力としての前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項29のデバイス。
【請求項31】
前記PLLロック信号は更に、前記PLL及びVCOが初めに電源がオンになった場合、前記キャパシティブ電圧ブースタへのクロック信号入力としての前記参照クロック発振器出力信号を選択するために、前記マルチプレクサを制御するように構成される請求項30のデバイス。
【請求項32】
前記デバイスは集積回路である請求項28のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−517192(P2012−517192A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549229(P2011−549229)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/023011
【国際公開番号】WO2010/091063
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】