説明

発泡された吸水ポリマー粒子の製造方法

発泡されたモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合工程、乾燥工程、粉砕工程、及び分級工程を有する、発泡された吸水性ポリマー粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡されたモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合工程、乾燥工程、粉砕工程、及び分級工程を有する、吸水性ポリマー粒子の製造方法に関する。
【0002】
吸水性ポリマー粒子は、水溶液吸収性製品としておむつを製造するために、また水保持剤として農業や造園業で使用される。
【0003】
吸水性ポリマー粒子の製造は、モノグラフィー"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz及びA.T.Graham,Wiley−VCH,1998,第71頁〜第103頁に記載されている。
【0004】
酸基を含有する架橋されたモノマーをベースとする吸水性発泡体は、例えばEP 0 858 478 B1、WO 97/31971 A1、WO 99/44648 A1、及びWO 00/52087 A1から公知である。このような発泡体は例えば、重合可能な水性混合物(少なくとも50mol%が中和されている酸基含有エチレン性不飽和モノマー、架橋剤、及び少なくとも1種の界面活性剤を含有するもの)を発泡させ、引き続き発泡された混合物を重合させることにより、製造される。重合可能な混合物の発泡は、ラジカルに対して不活性なガスを微細に吹き込んで分散させることにより、又はこのようなガスを高圧下で重合可能な混合物に溶解させ、当該混合物を放圧することにより、行われる。これらの発泡体は例えば衛生用品において、体液を取得、分散、及び貯蔵するために用いられる。
【0005】
本発明の課題は、特性プロフィールが改善された、例えば液体通過性(SFC)が高い、特に膨潤速度(FSR)が大きい吸水性ポリマー粒子を提供することであった。
【0006】
この課題は、
a)酸基を含有し、25〜95mol%中和されている、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)少なくとも1種の界面活性剤
e)任意で、a)で挙げたモノマーと共重合可能な、1種又は複数種のエチレン性不飽和モノマー、
f)任意で、溶解促進剤(Loesevermittler)、及び
g)任意で、粘稠剤、発泡安定剤、重合制御剤、充填材、繊維、及び/又はセル核形成剤(Zellkeimbildner)
を含有する、発泡された水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合させることによる、吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、
前記モノマー溶液又は前記モノマー懸濁液を重合させてポリマー性発泡体にし、かつ乾燥させる前記製造方法によって解決され、当該製造方法は、前記ポリマー性発泡体を引き続き粉砕、及び分級することを特徴とする。得られた吸水性ポリマー粒子は通常、水溶性である。
【0007】
モノマーa)は、好ましくは水溶性である。すなわち、23℃での水への溶解度は通常、水100gあたり少なくとも1g、好ましくは水100gあたり少なくとも5g、特に好適には水100gあたり少なくとも25g、極めて好適には水100gあたり少なくとも35gである。
【0008】
適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸である。特に有利なモノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。さらにアクリル酸が特に有利である。
【0009】
更なる適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和スルホン酸、例えばスチレンスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0010】
不純物は、重合に重大な影響を与えかねない。それゆえ、使用される原料は、可能な限り高い純度を有していることが望ましい。それゆえ多くの場合、モノマーa)を特別に精製することが好ましい。適した精製法は、例えばWO2002/055469A1、WO2003/078378A1及びWO2004/035514A1に記載される。適したモノマーa)は、例えばWO 2004/035514 A1によれば、精製されたアクリル酸であって、99.8460質量%アクリル酸、0.0950質量%酢酸、0.0332質量%水、0.0203質量%プロピオン酸、0.0001質量%フルフラール、0.0001質量%無水マレイン酸、0.0003質量%ジアクリル酸及び0.0050質量%ヒドロキノンモノメチルエーテルを有する。
【0011】
モノマーa)の量はそれぞれ、中和されていないモノマーa)に対して、及びモノマー溶液若しくはモノマー懸濁液に対して、好適には20〜90質量%、特に好適には30〜85質量%、極めて特に好適には35〜75質量%である。本発明の意味合いにおいて、「中和されていないモノマーa)に対して」とは、中和前のモノマーa)の割合を計算するために用いられることを意味する。つまり、中和の貢献は、考慮されていないままである。
【0012】
モノマーa)の酸基は、25〜95mol%、好適には40〜85mol%、好ましくは50〜80mol%、とりわけ好ましくは55〜75mol%が中和されており、ここで慣用の中和剤が使用でき、それは例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、又はアルカリ金属炭酸水素塩、並びにこれらの混合物である。しかしながらこの中和はまた、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミン(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、若しくはトリエタノールアミン)で行うこともできる。
【0013】
本発明の好ましい態様では、中和されたモノマーa)の少なくとも50mol%、好適には少なくとも75mol%、特に好適には少なくとも90mol%、極めて特に好適には少なくとも95mol%が、無機塩基によって、好適には炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、若しくは水酸化ナトリウムによって中和されたものである。
【0014】
高い中和度と、無機塩基で中和された酸基の割合が高いことによって、得られるポリマー性発泡体の可撓性が低減し、引き続いた粉砕が容易になる。
【0015】
モノマーa)の全量におけるアクリル酸及び/又はその塩の割合は、有利に少なくとも50mol%、特に有利に少なくとも90mol%、とりわけ有利に少なくとも95mol%である。
【0016】
モノマーa)は、通常は重合禁止剤、好ましくはヒドロキノン半エーテルを、貯蔵安定剤として含有する。
【0017】
モノマー溶液は、それぞれ中和されていないモノマーa)に対して、ヒドロキノン半エーテルを、好ましくは最大250質量ppm、有利には最大130質量ppm、特に有利には最大70質量ppm、有利には少なくとも10質量ppm、特に有利には少なくとも30質量ppm、殊に約50質量ppm含有する。例えば、モノマー溶液の製造のために、相応するヒドロキノン半エーテル含量を有するエチレン性不飽和の酸基含有モノマーを使用してよい。
【0018】
有利なヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)及び/又はα−トコフェロール(ビタミンE)である。
【0019】
適した架橋剤b)は、架橋に適した基を少なくとも2つ有する化合物である。このような基は例えば、ポリマー鎖中にラジカル重合導入可能なエチレン性不飽和基、及びモノマーa)の酸基と共有結合を形成可能な官能基である。さらに、モノマーa)の少なくとも2個の酸基と配位結合を形成可能な多価金属塩も架橋剤b)として適している。
【0020】
架橋剤b)は、有利には、ポリマー網目にラジカル重合導入できる少なくとも2個の重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアリルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン(例えばEP0530438A1に記載)、ジアクリレート及びトリアクリレート(例えばEP0547847A1、EP0559476A1、EP0632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1及びDE10331450A1に記載)、アクリレート基の他に更なるエチレン性不飽和基を有する混合アクリレート(例えばDE10331456A1及びDE10355401A1に記載)、又は架橋剤混合物(例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1及びWO2002/032962A2に記載)である。
【0021】
有利な架橋剤b)は、ペンタエリトリトリアリルエーテル、テトラアルコキシエタン、メチレンビス−メタクリルアミド、15箇所エトキシ化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びトリアリルアミンである。
【0022】
極めて有利な架橋剤b)は、例えばWO2003/104301A1に記載されているような、アクリル酸又はメタクリル酸でジアクリレート又はトリアクリレートへとエステル化された多重エトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセリンである。3〜10箇所エトキシル化されたグリセリンのジアクリラート及び/又はトリアクリラートが特に有利である。さらに、1〜5箇所エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのジアクリラート又はトリアクリラートが特に有利である。最も有利なのは、3〜5箇所エトキシ化及び/又はプロポキシ化されたグリセリンのトリアクリレート、殊に3箇所エトキシ化されたグリセリンのトリアクリレートである。
【0023】
架橋剤b)の量は、中和されていないモノマーa)に対して好適には1〜10質量%、特に好適には2〜7質量%、極めて特に好適には3〜5質量%である。架橋剤含量が増えるにつれて、遠心保持容量(CRC)は低下し、21.0g/cm2(AUL0.3psi)の加圧下での吸収量は最大値を通過する。
【0024】
開始剤c)としては、重合条件下でラジカルを生じる化合物全体が使用でき、これは例えば熱開始剤、レドックス開始剤、光開始剤である。
【0025】
熱開始剤は例えば、過酸化物、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、過硫酸塩、及びアゾ開始剤である。適切な重合開始剤は例えば、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス−(N,N−ジメチレン)イソブチルアミジンジヒドロクロリド、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−[2−(2’−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、及び4,4’−アゾビス−(4−シアノバレリアン酸)である。
【0026】
光開始剤は例えば、α開裂剤、水素引き抜き系、及びアジ化物である。適切なα開裂剤及び/又は水素引き抜き系は例えば、ベンゾフェノン誘導体、例えばミヒラーケトン、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、アントラキノン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベンゾインエーテル、及びこれらの誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ベンゾインエーテル、及びこれらの誘導体、アゾ開始剤、例えば上記のラジカル形成剤、置換されたヘキサアリールビスイミダゾール、又はアシルホスフィノキシドである。適切なアジ化物は例えば、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドシンナメート、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドナフチルケトン、2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル−4−アジドベンゾアート、5−アジド−1−ナフチル−2′−(N,N−ジメチルアミノ)エチルスルホン、N−(4−スルホニルアジドフェニル)マレインイミド、N−アセチル−4−スルホニルアジドアニリン、4−スルホニルアジドアニリン、4−アジドアニリン、4−アジドフェンアシルブロミド、p−アジド安息香酸、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、及び2,6−ビス−(p−アジド−ベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノンである。
【0027】
開始剤c)は通常の量で使用し、モノマーa)に対して好適には少なくとも0.01mol%、特に好適には少なくとも0.05mol%、極めて特に好ましくは少なくとも1mol%、また通常5mol%未満、好適には2mol%未満で用いる。
【0028】
界面活性剤d)は、発泡したモノマー溶液又はモノマー懸濁液の製造及び安定化にとって、非常に重要である。相互に相容性のアニオン性、カチオン性、若しくは非イオン性の界面活性剤、又は界面活性剤混合物が使用できる。低分子量又はポリマー性の界面活性剤が使用でき、ここで別種の、若しくは同種の界面活性剤の組合わせが有利であると実証されている。使用可能な非イオン性界面活性剤は例えば、アルキレンオキシドの付加生成物であり、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシドが、アルコール、アミン、フェノール、ナフトール、又はカルボン酸に付加したものである。界面活性剤として有利には、エチレンオキシド、及び/又はプロピレンオキシドが、炭素数が少なくとも10のアルコールに付加した付加生成物を使用し、ここでこの付加生成物には、アルコール1molあたり3〜200molのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが付加されている。この付加生成物は、アルキレンオキシド単位を、ブロックで、又は統計的な分布で含有する。使用可能な非イオン性界面活性剤の例は、7molのエチレンオキシドが1molの獣脂アルコールに付加した付加生成物、9molのエチレンオキシドと1molの獣脂アルコールとの反応生成物、及び80molのエチレンオキシドが1molの獣脂アルコールに付加した付加生成物である。さらなる使用可能な市販の非イオン性界面活性剤は、オキソアルコール若しくはチーグラーアルコールと、アルコール1molあたり5〜12molのエチレンオキシド(特に7molのエチレンオキシド)との反応生成物である。使用可能なさらなる市販の非イオン性界面活性剤は、ひまし油のエトキシ化によって得られる。ひまし油1molあたり、例えばエチレンオキシドを12〜80mol付加させる。使用可能なさらなる市販の製品は例えば、18molのエチレンオキシドと1molの獣脂アルコールとの反応生成物、10molのエチレンオキシドが1molのC13/C15オキソアルコールに付加した付加生成物、又は7〜8molのエチレンオキシドと1molのC13/C15オキソアルコールとの反応生成物である。さらなる適切な非イオン性界面活性剤は、フェノールアルコキシレートであり、例えば9molのエチレンオキシドと反応させたp−t−ブチルフェノール、又は1molのC12〜C18アルコールと、7.5molのエチレンオキシドとから得られる反応生成物のメチルエーテルである。
【0029】
上述の非イオン性界面活性剤は例えば、硫酸によるエステル化によって、相応する硫酸半エステルにすることができる。硫酸半エステルは、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形で、アニオン性界面活性剤として使用する。アニオン性界面活性剤として適しているのは例えば、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが脂肪アルコールに付加した付加生成物の硫酸半エステルのアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩、又はアルキルフェノールエーテルスルフェートのアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩である。このような製品は、市販で手に入る。使用可能な市販のアニオン性界面活性剤の例は、硫酸半エステルのナトリウム塩、106molのエチレンオキシドと反応させたC13/C15オキソアルコールの硫酸半エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸のトリエタノールアミン塩、アルキルフェノールエーテルスルフェートのナトリウム塩、及び106molのエチレンオキシドと、1molの獣脂アルコールとの反応生成物の硫酸半エステルのナトリウム塩である。さらなる適切な界面活性剤は、C13/C15オキソアルコールの硫酸半エステル、パラフィンスルホン酸、例えばC15アルキルスルホネート、アルキル置換されたベンゼンスルホン酸、及びアルキル置換されたナフタリンスルホン酸、例えばドデシルベンゼンスルホン酸、及びジ−n−ブチルナフタリンスルホン酸、並びに脂肪アルコールホスフェート、例えばC15/C18脂肪アルコールホスフェートである。重合可能な水性混合物は、非イオン性界面活性剤と、アニオン性界面活性剤との組み合わせ、又は非イオン性界面活性剤の組み合わせ、又はアニオン性界面活性剤の組み合わせを含有ことができる。カチオン性界面活性剤も適している。その例は、ジメチルスルフェートで四級化された、6.5molのエチレンオキシドと1molのオレイルアミンとの反応生成物、ジステアリルメチルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、及びジメチルスルフェートで四級化されたステアリン酸トリエタノールアミンエステルであり、好ましくはカチオン性界面活性剤として用いられる。
【0030】
中和されていないモノマーa)に対する界面活性剤の含分は、好適には0.01〜10質量%、特に好適には0.1〜5質量%、極めて特に好適には0.5〜3質量%である。
【0031】
エチレン性不飽和の酸基含有モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーe)は、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートである。
【0032】
溶解促進剤f)は水と混合可能な有機溶剤、例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、一価アルコール、グリコール、ポリエチレングリコール、又はこれらから誘導されるモノエーテルであり、ここでこのモノエーテルは、分子中に二重結合を含有しないものである。適切なエーテルは、メチルグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、メチルジグリコール、ブチルトリグリコール、3−エトキシ−1−プロパノール、及びグリセリンモノメチルエーテルである。
【0033】
溶解促進剤f)を用いる場合、その含分はモノマー溶液又はモノマー懸濁液中で、好適には最大50質量%、特に好適には1〜25質量%、極めて特に好適には5〜10質量%である。
【0034】
モノマー溶液又はモノマー懸濁液は、g)粘稠剤、発泡安定剤、充填材、繊維、及び/又はセル核形成剤を含有することができる。粘稠剤は例えば、発泡構造を最適化するため、また発泡安定性を改善させるために使用する。これにより、発泡体は重合の間、非常に僅かしか収縮しない。粘稠剤としては、水性系の粘度を著しく向上させ、かつ塩基性ポリマーのアミノ基と反応しない、天然及び合成の公知のあらゆるポリマーが考慮される。これは、水膨潤性又は水溶性の天然及び合成のポリマーである。粘稠剤の概略的な説明は例えば、R.Y. Lochhead及びW.R. Fron著, Cosmetics & Toiletries, 108, 95-135 (Mai 1993)、及びM.T. Clarke著, "Rheological Additives" D. Laba (ed.) "Rheological Properties of Cosmetics and Toiletries", Cosmetic Science and Technology Series, Vol. 13, Marcel Dekker lnc, New York 1993に開示されている。
【0035】
粘稠剤として考慮される水膨潤性又は水溶性の合成ポリマーは例えば、高分子量のポリエチレングリコール、又はエチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、また高分子量の多糖類、例えばデンプン、グアールガム、イナゴマメ粉末、又は天然物質の誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びセルロース混合エーテルである。粘稠剤のさらなる群は、水溶性生成物、例えば微粒子状二酸化ケイ素、ゼオライト、ベントナイト、セルロース粉末、又はこれらとは別の架橋されたポリマーの微粒子状粉末である。モノマー溶液又はモノマー懸濁液は、粘稠剤を最大30質量%含有することができる。このような粘稠剤を用いる場合、これらはモノマー溶液又は懸濁液中には、0.1〜10質量%、好適には0.5〜20質量%の量で含有されている。
【0036】
発泡構造を最適化するため、選択的に、分子中に炭素原子を少なくとも5個有する炭化水素を、水性反応混合物に添加することができる。適切な炭化水素は例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、及びドデカンである。考慮される脂肪族炭化水素は、直鎖状、分枝鎖状、又は環状であってよいが、発泡の間の水性混合物の温度を上回る沸点を有するものである。脂肪族炭化水素は、まだ重合していない発泡された水性反応混合物の耐用時間(Standzeit)を、向上させることができる。これによって、まだ重合していない発泡体の取り扱い性が容易になり、工程の安全性が高まる。これらの炭化水素は例えばセル核形成剤として作用し、同時に既に形成された発泡体を安定化させる。加えて、これらはモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合させる際に、さらなる発泡作用をもたらすことができる。これらはその後、発泡剤の機能も有する。炭化水素の代わり、又は炭化水素との混合物の代わりに選択的に、塩素化若しくはフッ化された炭化水素を、セル形成剤及び/又は発泡安定剤として使用することができ、それは例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロフルオロメタン、又は1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンである。炭化水素を用いる場合、モノマー溶液又はモノマー懸濁液に対して、例えば0.1〜20質量%、好適には0.1〜10質量%の量で使用する。
【0037】
発泡物質の特性を変性するため、1種又は複数種の充填材を添加することができ、それは例えば白亜、タルク、粘度(クレー)、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、親水性若しくは疎水性に変性された沈降ケイ酸、ドロマイト、及び/又は硫酸カルシウムである。充填材は最大30質量%の量で、モノマー溶液又はモノマー懸濁液中に含まれていてよい。
【0038】
上述の水性モノマー溶液又はモノマー懸濁液を、まず発泡させる。例えば、不活性ガス(例えば窒素、二酸化炭素、又は空気)を、例えば2〜400barの圧力下で、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液中に溶解させることができ、これを引き続き、大気圧に放圧することができる。放圧の際に少なくとも1つのノズルから、流動性のモノマー発泡体が生じる。気体溶解性は温度が下がると増加するため、ガス飽和と引き続いた発泡は、可能な限り低い温度で行い、不所望の沈殿を避けるのが望ましい。水性モノマー混合物又はモノマー懸濁液を別の方法で、不活性ガスを微細に吹き込んで分散させることにより、発泡させることもできる。水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液の発泡は実験室では、例えば水性のモノマー又はモノマー懸濁液を、泡立て器付き調理機で発泡させることによって行うことができる。さらに、中和のために炭酸塩又は炭酸水素塩を用いることによって、水性モノマー溶液又はモノマー懸濁液を二酸化炭素で発泡させることもできる。
【0039】
この発泡生成は好適には、不活性ガス雰囲気中で、不活性雰囲気によって行い、例えば窒素又は希ガスを常圧下、又は高圧下、例えば最大25barで混合し、引き続き放圧することによって行うことができる。モノマー発泡体の粘稠度、気泡の大きさ、及びモノマー発泡体中の気泡の分布は、例えばd)界面活性剤、f)溶解促進剤、g)発泡安定剤、セル核形成剤、粘稠剤、及び充填材の選択によって、幅広い範囲で変わり得る。これによって、モノマー発泡体の密度、開孔性の度合い、及び壁厚を容易に調節できる。水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液は好適には、その成分の沸点を下回る温度で、例えば最大100℃の周辺温度、好適には0〜50℃、特に好適には5〜20℃で発泡させる。しかしながらまた、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液を気密に閉鎖された容器で発泡させることにより、沸点が最も低い成分の沸点を超える温度で作業することもできる。流動性があり、比較的長い時間にわたって安定的なモノマー発泡体が得られる。モノマー発泡体の密度は、20℃の温度で、例えば0.01〜0.9g/cm3である。
【0040】
得られたモノマー発泡体は、適切な下地で重合させることができる。この重合は、通常のラジカル形成開始剤c)の存在下で行う。これらのラジカルは例えば、加熱により(熱重合)、又は適切な波長の光を照射することにより(紫外線重合)、発生させることができる。
【0041】
層厚が最大約5mmのポリマー性発泡体は例えば、モノマー発泡体を、片面若しくは両面で加熱することにより、又は特に片面若しくは両面で照射することによって、製造する。より厚いポリマー性発泡体、例えば厚さ数センチメートルのポリマー性発泡体を製造したい場合には、モノマー発泡体をマイクロ波で加熱するのが特に有利である。というのもこの方法では、比較的均一な加熱が可能だからである。しかしながら、層厚が厚くなるにつれて、未反応のモノマーa)の割合、及び架橋剤b)の割合が、得られるポリマー性発泡体中で増加する。この際、熱による重合は例えば、20〜180℃の温度、好適には40〜160℃の範囲の温度、特に65〜140℃の温度で行う。比較的厚いポリマー発泡体の場合、モノマー発泡体を両面で加熱及び/又は照射でき、例えば接触加熱で、又は照射により、又は乾燥機中で行うことができる。得られるポリマー性発泡体は、開孔性である。開孔性セルの割合は、例えば少なくとも80%、好適には90%超である。ポリマー性発泡体は特に好ましくは、開孔性セルの割合が、100%である。ポリマー性発泡体中の開孔性セルの割合は、例えば走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy)で測定できる。
【0042】
モノマー発泡体の重合後、又は重合の間に、ポリマー性発泡体を乾燥させる。この際に、水及び他の揮発性成分を除去する。適切な乾燥法の例は、熱による対流乾燥、例えば空気式乾燥、熱による接触乾燥、例えばローラ乾燥、照射乾燥、例えば赤外線乾燥、誘電性乾燥、例えばマイクロ波乾燥、及び凍結乾燥である。
【0043】
乾燥温度は通常、50〜250℃、好適には100〜220℃、特に有利には120〜210℃、極めて有利には150〜200℃の範囲にある。反応ミキサー又は乾燥機中でのこの温度における有利な滞留時間は、好ましくは少なくとも10分、特に有利には少なくとも20分、極めて有利には少なくとも30分であり、通常は最大60分である。
【0044】
不所望な分解反応及び架橋反応を避けるため、減圧下、保護ガス雰囲気下、及び/又は穏やかな熱条件(生成物の温度が120℃、好適には100℃を越えない温度)で乾燥を行うことが、有利であり得る。特に適切な乾燥法は、(真空)ベルト乾燥機である。
【0045】
乾燥工程の後、ポリマー性発泡体はたいてい、水を10質量%未満含有する。しかしながら、ポリマー性発泡体の水含分は水で湿らせることにより、又は水を蒸発させることにより、任意で調整できる。
【0046】
乾燥されたポリマー性発泡体は、この後に粉砕、分級され、その際、粉砕のために通常は単段式又は多段式のロールミル、ピンミル、ハンマーミル、又は振動ミルが使用できる。本発明の好ましい態様では、乾燥させたポリマー性発泡体を、カッターミルで予備粉砕し引き続きバッフルミル(Pralltellermuehle)で追加粉砕する。
【0047】
有利には、水含分が5〜30質量%、特に好適には8〜25質量%、極めて特に好適には10〜20質量%の予備乾燥させたポリマー性発泡体を粉砕し、追加乾燥して所望の最終水含分にする。予備乾燥したポリマー性発泡体を粉砕することにより、不所望の小さなポリマー粒子は、ほとんど生じない。
【0048】
吸水性ポリマー粒子は、相応する篩を用いて、好適には100〜1,000μm、特に好適には150〜850μm、極めて特に好適には150〜600μmの範囲の粒径にふるい分けする。
【0049】
生成物画分として分離されたポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは少なくとも200μm、とりわけ有利には250〜600μm、極めて有利には300〜500μmである。生成物画分の平均粒径は、EDANAより推奨される試験法No.WSP 220.2−05 "Partikel Size Distribution"によって算出することができ、ここで篩画分の質量割合は累積的にプロットされ、平均粒径はグラフにより定まる。この場合、平均粒径は、累積して50質量%となる目開きの値である。
【0050】
少なくとも150μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0051】
過度に低い粒径を有するポリマー粒子は、透過性(SFC)を低下させる。それゆえ過度に小さいポリマー粒子(微小粒子)の割合は低いことが望ましい。
【0052】
小さすぎるポリマー粒子は、それゆえ通常は分離され、処理に返送される。小さすぎるポリマー粒子は、この返送の前又は間に、水及び/又は水性界面活性剤で湿らせてよい。
【0053】
過度に小さいポリマー粒子を、後の方法工程で、例えば表面後架橋の後又は他のコーティング工程後に分離することも可能である。この場合、返送された過度に小さいポリマー粒子は、表面後架橋されているか、もしくは他の方法で、例えば熱分解法シリカによりコーティングされている。
【0054】
最大850μmの粒度を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0055】
最大710μmの粒度を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に有利には少なくとも95質量%、極めて有利には少なくとも98質量%である。
【0056】
最大600μmの粒径を有する粒子の割合は、好ましくは少なくとも90質量%、特に好ましくは少なくとも95質量%、特にとりわけ好ましくは少なくとも98質量%である。
【0057】
粒径が大きすぎるポリマー粒子は、機械的安定性が乏しい。それゆえ大きすぎるポリマー粒子の割合も同様に低いことが望ましい。
【0058】
それゆえ、過度に大きいポリマー粒子は、通常は分離され、かつ乾燥されたポリマーゲルの粉砕に返送される。
【0059】
このポリマー粒子は、特性のさらなる改善のために後架橋することができる。適した表面後架橋剤は、ポリマー粒子の少なくとも2個のカルボキシレート基と共有結合を形成可能な基を有する化合物である。適した化合物は、例えば多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド(例えばEP0083022A2、EP0543303A1及びEP0937736A2に記載)、二官能性又は多官能性のアルコール(例えばDE3314019A1、DE3523617A1及びEP0450922A2に記載)、又はβ−ヒドロキシアルキルアミド(例えばDE10204938A1及びUS6,239,230に記載)である。
【0060】
加えて、DE4020780C1の中で環状カーボネートが、DE19807502A1の中で2−オキサゾリドン及びその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドンが、DE19807992C1の中でビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが、DE19854573A1の中で2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE19854574A1の中でN−アシル−2−オキサゾリドンが、DE10204937A1の中で環状尿素が、DE10334584A1の中で二環式アミドアセタールが、EP1199327A2の中でオキセタン及び環状尿素が、またWO2003/31482A1の中でモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が適した後架橋剤として記載されている。
【0061】
好ましい表面後架橋剤は、エチレンカーボネート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリアミドとエピクロロヒドリンとの反応生成物及びプロピレングリコールと1,4−ブタンジオールとからの混合物である。
【0062】
極めて好ましい表面後架橋剤は、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン、オキサゾリジン−2−オン及び1,3−プロパンジオールである。
【0063】
更に、DE3713601A1に記載されているような、付加的な重合可能なエチレン性不飽和基を含有する表面後架橋剤も使用することができる。
【0064】
表面後架橋剤の量は、そのつどポリマー粒子に対して、好ましくは0.001〜2質量%、特に有利には0.02〜1質量%、極めて有利には0.05〜0.2質量%である。
【0065】
本発明の好ましい一実施態様では、表面後架橋の前、その間、又はその後に、表面後架橋剤に加えて多価カチオンを粒子表面に施与する。
【0066】
本発明による方法において使用することができる多価カチオンは例えば二価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄及びストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類及びマンガンのカチオン、四価のカチオン、例えばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン及びカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウムが有利である。金属塩以外に、ポリアミンも多価カチオンとして使用することができる。
【0067】
多価カチオンの使用量は、それぞれポリマー粒子に対して、例えば0.001〜1.5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、特に好ましくは0.02〜0.8質量%である。
【0068】
表面後架橋は通常、表面後架橋剤の溶液を、乾燥されたポリマー粒子に吹き付けて行う。吹き付けに続けて、表面後架橋剤でコーティングされたポリマー粒子を熱乾燥し、その際、この表面後架橋反応は、乾燥前でも乾燥中でも行うことができる。
【0069】
表面後架橋剤の溶液の吹き付けは、好ましくは、可動式混合ツールを有するミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー及びパドルミキサー中で行う。特に好ましいは横型ミキサー、例えばパドルミキサーであり、極めて好ましいのは縦型ミキサーである。横型ミキサー及び縦型ミキサーは、ミキシングシャフトの支持部により区別され、すなわち、横型ミキサーは、水平に取り付けられたミキシングシャフトを有し、縦型ミキサーは、垂直に取り付けられたミキシングシャフトを有する。適したミキサーは、例えば横型Pflugschar(R)ミキサー(Gebr.Loedige Maschinenbau GmbH;Paderborn;Germany)、Vrieco−Nauta連続ミキサー(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;the Netherlands)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated;Cincinnati;US)及びSchugi Flexomix(R)(Hosokawa Micron BV;Doetinchem;the Netherlands)である。また、表面後架橋剤溶液を、流動床中で吹き付けることも可能である。
【0070】
表面後架橋剤は、概して水溶液として使用される。非水性溶媒の含量もしくは全体の溶媒量により、ポリマー粒子中への表面後架橋剤の侵入深さを調整することができる。
【0071】
溶媒として主に水を用いる場合、界面活性剤を添加することが有利である。それによって濡れ挙動が改善され、かつ凝塊形成傾向が減少する。しかしながら好ましくは、溶媒混合物、例えばイソプロパノール/水、1,3−プロパンジオール/水、及びプロピレングリコール/水を使用し、ここで当該混合物の質量比は、好ましくは20:80〜40:60である。
【0072】
熱による乾燥は、好ましくは接触乾燥機、とりわけ好ましくはパドル乾燥機、極めて好ましくはディスク乾燥機の中で行う。適した乾燥機は、例えばHosokawa Bepex(R)横型パドルドライヤー(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;Germany)、Hosokawa Bepex(R)ディスクドライヤー(Hosokawa Micron GmbH;Leingarten;Germany)及びNaraパドルドライヤー(Nara Machinery Europe;Frechen;Germany)である。さらに、流動床乾燥機も使用することができる。
【0073】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉か又は加熱可能なスクリューは、同様に好適である。とりわけ好ましくは、流動層乾燥機中で混合及び乾燥される。
【0074】
有利な乾燥温度は、100〜250℃、有利には120〜220℃、特に有利には130〜210℃、極めて有利には150〜200℃の範囲にある。反応ミキサー又は乾燥機中でのこの温度における有利な滞留時間は、好ましくは少なくとも10分、特に有利には少なくとも20分、極めて有利には少なくとも30分であり、通常はせいぜい60分である。
【0075】
引き続き、表面後架橋されたポリマー粒子を再度分級してよく、その際、小さすぎるポリマー粒子及び/又は大きすぎるポリマー粒子が分離され、かつ処理に返送される。
【0076】
好ましい実施態様では、表面後架橋をすでにポリマー性発泡体の段階で行い、ここでポリマー粒子について記載した量と、ポリマー性発泡体について記載した温度が、同じように当てはまる。
【0077】
ポリマー粒子は、特性のさらなる改善のために被覆するか、又は後に湿らせることができる。
【0078】
後湿潤化は、好ましくは、30〜80℃、特に有利には35〜70℃、極めて有利には40〜60℃で実施される。低すぎる温度ではポリマー粒子が固まりになる傾向があり、比較的高い温度では水が顕著に蒸発してしまう。後湿潤化に使用される水量は、好ましくは1〜10質量%、特に有利には2〜8質量%、極めて有利には3〜5質量%である。後湿潤化によって、機械的安定性が高まり、かつ静電帯電する傾向が減少する。
【0079】
膨潤速度(FSR)と液体通過性(SFC)を改善するための適したコーティングは、例えば無機不活性物質、例えば水不溶性の金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー、ならびに二価又は多価の金属カチオン、例えば硫酸アルミニウム、及び乳酸アルミニウムである。粉塵結合のための適したコーティングは例えばポリオールである。ポリマー粒子の不所望な凝結傾向に対する適したコーティングは、例えば熱分解シリカ、例えばAerosil(R)200、及び界面活性剤、例えばSpan(R)20である。未反応のモノマー(モノマー残分)の含有量を下げるための適切な被覆は、例えば還元剤、例えば亜硫酸塩、次亜リン酸塩、及び/又はスルフィン酸塩である。しかしながら還元剤として好適には、2−ヒドロキシ−2−スルフィナト酢酸のナトリウム塩と、2−ヒドロキシ−2−スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と、亜硫酸水素ナトリウムとからの混合物を使用する。このような混合物は、Brueggolite(R)FF6及びBrueggolite(R)FF7(Brueggeman Chemicals;Heilbronn;Germany)として入手可能である。
【0080】
好ましい態様では、後湿潤化及び/又は被覆を、既にポリマー性発泡体の段階で行う。
【0081】
本発明のさらなる対象は、本発明による方法で、発泡されたモノマー溶液又はモノマー懸濁液から製造可能な吸水性ポリマー粒子である。
【0082】
本発明の方法により製造された吸水性ポリマー粒子は、水含有量が好ましくは0〜15質量%、特に好ましくは0.2〜10質量%、特にとりわけ好ましくは0.5〜8質量%であり、ここでこの水含有量はEDANAにより推奨された試験法Nr. WSP 230.2-05 "Moisture Content"に従って測定される。
【0083】
本発明による方法により得られる吸水性ポリマー粒子は、一般に少なくとも10g/g、好ましくは少なくとも15g/g、有利には少なくとも20g/g、特に有利には少なくとも22g/g、殊に有利には少なくとも25g/gの遠心保持能力(CRC)を有する。吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は通常は40g/g未満である。この遠心保持容量(CRC)は、EDANAによって推奨された試験法Nr. WSP 241.2-05 "Centrifuge Retention Capacity"に従って測定される。
【0084】
本発明による方法により製造された吸水性ポリマー粒子は、49.2g/cm2(AUL0.7psi)の加圧下で、概して少なくとも10g/g、好ましくは少なくとも13g/g、有利には少なくとも16g/g、特に有利には少なくとも18g/g、極めて有利には少なくとも20g/gの吸収量を有する。吸水性ポリマー粒子の49.2g/cm2(AUL0.7psi)の加圧下での吸収量は、通常は30g/g未満である。49.2g/cm2(AUL0.7psi)の加圧下での吸収量は、EDANAによって推奨される試験法Nr.WSP 242.2−05 "Absorption under pressure"と同様に測定され、その際、21.0g/cm2の圧力の代わりに、49.2g/cm2の圧力に調整する。
【0085】
本発明の方法により製造される吸水性ポリマー粒子は、液体通過性(SFC)が通常、少なくとも5×10-7cm3s/g、好適には少なくとも20×10-7cm3s/g、特に好適には少なくとも35××10-7cm3s/g、極めて特に好適には少なくとも50×10-7cm3s/gである。吸水性ポリマー粒子の液体通過性(SFC)は、通常は、200×10-7cm3s/g未満である。
【0086】
本発明の方法によれば、液体通過性(SFC)が高く、膨潤速度(FSR)が大きい吸水性ポリマー粒子が製造でき、特に膨潤速度(FSR)は、本発明による吸水性ポリマー粒子の粒径とともに増大する。
【0087】
本発明のさらなる対象は、
a)酸基を含有し、25〜95mol%中和されている、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、
d)任意で、界面活性剤、
e)任意で、a)で挙げたモノマーと共重合可能な、1種又は複数種のエチレン性不飽和モノマー、
f)任意で、溶解促進剤、及び
g)任意で、粘稠剤、発泡安定剤、重合制御剤、充填材、繊維、及び/又は核形成剤、
を含有する、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合させることによる、吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、
前記モノマー溶液又は前記モノマー懸濁液を重合させ、かつ乾燥させる、前記製造方法であり、当該製造方法は、前記モノマー溶液又は前記モノマー懸濁液が、粉砕されたポリマー性発泡体をベースとする本発明による吸水性ポリマー粒子を含有することを特徴とする。
【0088】
ここでモノマー溶液又はモノマー懸濁液の前記成分a)〜g)はさらに、前述の意味を有する。
【0089】
本発明による方法で使用される本発明による吸水性ポリマー粒子(粉砕されたポリマー性発泡体をベースとするもの)は、粒径が好適には250μm未満、特に好適には200μm未満、極めて特に好ましくは150μm未満である。
【0090】
粉砕されたポリマー性発泡体をベースとする吸水性ポリマー粒子の割合は、モノマーa)に対して、好ましくは0.1〜50質量%、特に好ましくは1〜25質量%、極めて特に好ましくは5〜15質量%である。
【0091】
粉砕されたポリマー性発泡体をベースとする吸水性ポリマー粒子の添加により、生成物特性の明らかな改善、特に49.2g/cm2(AUL0.7psi)の圧力下での明らかな吸収性向上につながる。
【0092】
重合に適した反応器は、例えば混練反応器又はベルト反応器である。混練機中では、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液の重合に際して発生するポリマーゲルが、例えば、WO2001/038402A1に記載されているように、反転撹拌棒(gegenlaeufige Ruehrwellen)によって連続的に破砕される。ベルト上での重合は、例えばDE3825366A1及びUS6,241,928に記載されている。ベルト反応器中での重合に際してポリマーゲルが生じ、それはさらなる方法工程において、例えば押出機中又は混練機中で微粉砕しなければならない。得られたポリマーゲルは、前述のように乾燥、粉砕、及び被覆できる。こうして得られた吸水性ポリマー粒子は、上述と同様に引き続き表面後架橋し、被覆し、かつ/又は後湿潤化できる。
【0093】
本発明のさらなる対象は、本発明の方法により、粉砕されたポリマー性発泡体を用いて製造可能な吸水性ポリマー粒子である。
【0094】
本発明のさらなる対象は、粉砕されたポリマー性発泡体を用いて製造可能な、吸水性ポリマー粒子混合物である。
【0095】
このために、本発明による吸水性ポリマー粒子を本発明によらないポリマーゲルと、及び/又は本発明によらない吸水性ポリマー粒子と混合することができる。混合の種類については、何ら制限を受けない。
【0096】
混合物中における本発明による吸水性ポリマー粒子の割合は、好ましくは0.1〜90質量%、特に好ましくは1〜50質量%、極めて特に好ましくは5〜25質量%である。
【0097】
本発明による混合物は、液体通過性(SFC)が意想外に高いことにより特徴付けられる。
【0098】
本発明のさらなる対象は、本発明による吸水性ポリマー粒子を含有する衛生用品である。衛生用品は通常、水不透性の裏側、水透過性の表側、並びにその間に、本発明によるポリマー粒子及びセルロース繊維からの吸収性芯材を有する。吸収性芯材における本発明によるポリマー粒子の割合は、好適には20〜100質量%、好適には40〜100質量%、極めて特に好適には60〜100質量%である。
【0099】
方法:
測定は、他に記載がない場合、23±2℃の周囲温度及び50±10%の空気の相対湿度で実施されるべきである。吸水性ポリマー粒子は、測定前に十分に混合する。
【0100】
液体通過性(生理食塩水通過性(Saline Flow Conductivity))
63.3g/cm2(0.9psi)の圧力負荷下での膨潤されたゲル層の液体通過性(SFC)は、EP 0 640 330 A1に記載のようにして吸収性ポリマー粒子からなる膨潤したゲル層のゲル−相−浸透性として測定し、この場合上記の特許出願明細書第19頁及び図8に記載の装置は、ガラスフリット(40)がもはや使用されず、プランジャー(39)が円筒体(37)と同様のプラスチック材料からなり、今や全載置面にわたって均一に分布するように21個の同じ大きさの孔を含むように十分に変更した。この測定の手順及び評価は、EP0640330A1と変わっていない。供給量は、自動的に把握される。
【0101】
液体通過性(SFC)は、次のように計算される:
SFC[cm3s/g]=(Fg(t=0)×L0)/(d×A×WP)
ここで、Fg(t=0)は、g/秒でのNaCl溶液の流量であり、これは、流量測定のデータFg(t)の線形の回帰分析につきt=0に対する外挿法によって得られ、L0は、cmでのゲル層の厚さであり、dは、g/cm3でのNaCl溶液の密度であり、Aは、cm2でのゲル層の面積であり、WPは、dyn/cm2でのゲル層上の静水圧力である。
【0102】
膨潤時間(Vortex)
100mlのビーカーグラスに、0.9質量%の食塩溶液を50ml装入し、マグネチックスターラにより600回転/分で撹拌しながら、吸水性ポリマー粒子2.00gを、固まりができないように素早く添加した。撹拌により生じる液体の渦が終息し、表面が平らになるまでの時間を、秒単位で測定する。
【0103】
膨潤速度(Free Swell Rate)
膨潤速度(FSR)を測定するため、1.00g(=W1)の吸水性ポリマー粒子を、25mlのビーカー秤り取り、その底部に均一に分布させた。次いで0.9質量%の食塩溶液20mlを第2のガラスビーカーへ供給し、このビーカー中の内容物を第1のビーカーに素早く添加し、ストップウォッチをスタートさせる。食塩溶液の最後の滴が吸収された後(液体表面で反射がなくなることによりわかる)、ストップウォッチを止める。第2のガラスビーカーから流し出され、第1のガラスビーカー中の吸水性ポリマー粒子により吸収された液体の正確な量を第2のガラスビーカーの逆秤量によって正確に測定する(=W2)。ストップウォッチで測定された、吸収のために必要とされる時間をtとして記載する。表面で液体の最後の滴が消えた時を、tとして測定する。
【0104】
ここから膨潤速度(FSR)が以下のとおりに算出される:
FSR[g/gs]=W2/(W1×t)
吸水性ポリマー粒子の水分が3質量%を超える場合、質量W1をこの水分に関して修正すべきである。
【0105】
膨潤性(Free Swell Capacity)
吸水性ポリマー粒子の膨潤性(FSC)は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 "Free Swell Capacity""に従って測定する。
【0106】
遠心保持容量(Centrifuge Retention Capacity)
吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量(CRC)は、EDANAにより推奨される試験法No.WSP 241.2−05 "Centrifuge Retention Capacity"に従って測定する。
【0107】
21.0g/cm2の加圧下での吸収量(Absorption under Pressure)
21.0g/cm2(AUL0.3psi)の加圧下での吸水性ポリマーの吸収量は、EDANA推奨の試験法No. WSP 242.2-05 "Absorption under Pressure"に従って測定する。
【0108】
49.2g/cm2の圧力下での吸収量(Absorption under Pressure)
49.2g/cm2(AUL0.7psi)の圧力下における吸水性ポリマー粒子の吸収量は、EDANAによって推奨される試験法No.WSP 242.2−05 "Absorption under Pressure"と同様に測定され、その際、21.0g/cm2(AUL0.3psi)の圧力の代わりに、49.2g/cm2(AUL0.7psi)の圧力に調整する。
【0109】
EDANA試験法は例えば、EDANA(ベルギー国、ブリュッセル在、Eugene Plasky通り157、B-1030)で得られる。
【0110】
実施例
実施例1
アクリル酸149.0g、37.3質量%のアクリル酸ナトリウム水溶液782.1g、Sartomer(登録商標)SR-344(分子量が約400g/molのポリエチレングリコールのジアクリレート)15.4g、15質量%のLutensol(登録商標)AT80水溶液(80molのエチレンオキシドが、1molの直鎖状飽和C16〜C18脂肪アルコールに付加した付加生成物、ドイツ国Ludwigshafen在、BASF SE)23.5g、及び水30.0gを、ガラスビーカー内で混合した。
【0111】
得られた均質な溶液を圧力容器に移し、そこで25分間、10barの圧力で、二酸化炭素で飽和させた。圧力下、3質量%の2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド水溶液を14.7g添加し、強力な二酸化炭素流で混合した。引き続きさらに5分間、二酸化炭素を反応混合物に通した。その後、二酸化炭素で飽和された反応混合物を、12barの圧力で、直径1.0mmのノズルにより押出し、この際に微細なセルを有し、流動性が良好な発泡体が形成された。
【0112】
得られたモノマー発泡体をDIN A3の大きなガラス板(縁の高さ3mm)に施与し、第二のガラス板で覆った。この発泡体試料に、両面で同時に4分間、紫外線を照射した。上側からは1機のUVA/IS-Strahler UVASPOT 1000/T(ドイツ国Graefelfing在、Dr. Hoenle AG)で、下側からは2機の UVA/IS-Strahlern UVASPOT 400/T(ドイツ国Graefelfing在、Dr. Hoenle AG)で照射した。得られた発泡体層を、空気式乾燥機で100℃で完全に乾燥させ、引き続きRetsch社の粉砕機で粉砕し、150〜600μmの粒径にふるい分けした。
【0113】
反応混合物の固体含分:45.3質量%
中和度:60mol%
モノマー発泡密度:0.16g/cm3
得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表1及び表2に記載されている。
【0114】
実施例2
実施例1と同様に実施した。Sartomer(登録商標)SR-344 15.4gの代わりに、Sartomer(登録商標)SR-344を10.3gだけ用いた。得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表1に記載されている。
【0115】
実施例3
実施例1と同様に実施した。Sartomer(登録商標)SR-344 15.4gの代わりに、Sartomer(登録商標)SR-344を7.7gだけ用いた。得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表1に記載されている。
【0116】
実施例4
実施例1と同様に実施した。Sartomer(登録商標)SR-344 15.4gの代わりに、Sartomer(登録商標)SR-344を4.4gだけ用いた。得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表1に記載されている。
【0117】
実施例5
実施例1と同様に実施した。Sartomer(登録商標)SR-344 15.4gの代わりに、Sartomer(登録商標)SR-344を2.2gだけ用いた。得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表1に記載されている。
【0118】
表1:架橋剤量の変更
【表1】

【0119】
実施例6(本発明によらない)
脱イオン水、50質量%の水酸化ナトリウム溶液、及びアクリル酸を連続的に混合することにより、アクリル酸/アクリル酸ナトリウム溶液を製造し、その中和度は69mol%に相当した。モノマー溶液の固体含分は、35.5質量%であった。
【0120】
多価エチレン性不飽和架橋剤としては、3回エトキシ化されたグリセリントリアクリレート(約85質量%のもの)を用いた。その使用量は、モノマー溶液1kgあたり1.33gであった。
【0121】
ラジカル重合を開始させるため、モノマー溶液1kgあたり2.84gのペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液(15質量%のもの)、及び28.4gのBrueggolite(登録商標)FF7水溶液(0.5質量%のもの、ドイツ国Heilbronn在、Brueggemann Chemicals)を使用した。
【0122】
モノマー溶液の供給量は、1200kg/hであった。反応溶液は、供給部で温度が23.5℃だった。
【0123】
各成分は、以下の量で連続的にList ORP 250 Contikneterという反応器(スイス国Arisdorf在、LIST AG)で供給した:
モノマー溶液 1200kg/h
3回エトキシ化されたグリセリントリアクリレート 1.600kg/h
ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液3.410kg/h
Brueggolite(登録商標)FF7溶液34.10kg/h
【0124】
架橋剤の添加点と、開始剤の添加箇所との間で、モノマー溶液を窒素により不活性化した。
【0125】
反応器中における反応混合物の滞留時間は15分間であった。
【0126】
得られた生成物ゲルは、ベルト乾燥機に入れた。ベルト乾燥機でポリマーゲルに、空気/ガス混合物を連続的に吹き付け、175℃で乾燥させた。ベルト乾燥機での滞留時間は、43分であった。
【0127】
乾燥させたポリマーゲルを粉砕し、150〜710μmの粒径画分にふるい分けした。このように製造されたベースポリマーは以下の特性を有していた:
CRC=35.7g/g
AUL0.3psi=19.1g/g
【0128】
ベースポリマー1,200gを、慣用のLoedige社製実験室混合機(M5R型)に移した。約23℃で、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン0.6g、1,3−プロパンジオール0.6g、1,2−プロパンジオール6.0g、水22.8g、2−プロパノール11.0g、ソルビタンモノココエート0.096g、及び乳酸アルミニウム5.4gから成る混合物を、ノズルでスプレーした。吹き付けられたポリマー粒子は、別の慣用のLoedige社製実験室混合機に移し、素早く175℃に加熱し、50分、この温度で保った。冷却後、表面後架橋されたポリマー粒子を、150〜710μmの篩い画分にふるい分けした。得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表2に記載されている。
【0129】
実施例7
500mlのガラス瓶中で、実施例1の吸水性ポリマー粒子50gと、実施例6の吸水性ポリマー粒子50gとを15分間、Turbula(登録商標)混合機(T2F型、スイス国Muttenz在、Willy A. Bachofen AG Maschinenfabrik)で45回転/分で混合した。得られた混合物の特性は、表2に記載されている。
【0130】
実施例8
500mlのガラス瓶中で、実施例1の吸水性ポリマー粒子10gと、実施例6の吸水性ポリマー粒子90gとを15分間、Turbula(登録商標)混合機(T2F型、スイス国Muttenz在、Willy A. Bachofen AG Maschinenfabrik)で45回転/分で混合した。得られた混合物の特性は、表2に記載されている。
【0131】
表2:慣用の吸水性ポリマー粒子との混合
【表2】

【0132】
実施例9(本発明によらない)
1,000mlのプラスチックビーカー(内径105mm、高さ145mm)中に、アクリル酸17.9gと、37.3質量%のアクリル酸ナトリウム水溶液139.6gとを秤り取った。十字型マグネチックスターラで撹拌しながら、3回エトキシ化されたグリセリントリアクリレート(約85質量%のもの)0.24g、及び水41.0gを添加した。引き続き、このプラスチックビーカーをプラスチックシートで閉鎖し、PTFE被覆された温度計を溶液の中心にセットし、ガラスフリットにより溶液を窒素で貫流した。
【0133】
30分後に、15質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液0.46g、0.4質量%のアスコルビン酸水溶液0.69g、及び10質量%の過酸化水素水溶液0.08gをディスポーザブルシリンジで注入し、温度の記録を開始した。重合の間の最大温度は、102.5℃だった。
【0134】
得られたポリマーゲルを乾燥し、粉砕し、150〜850μmの粒径にふるい分けした。得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表3に記載されている。
【0135】
実施例10
実施例9と同様に実施した。最後の開始剤を添加直後、実施例1の吸水性ポリマー粒子(粒径が150μm未満のもの)7.0gを添加した。得られた吸水性ポリマー粒子の特性は、表3に記載されている。
【0136】
表3:本発明によるポリマー粒子の、モノマー溶液への添加
【表3】

【0137】
実施例11
アクリル酸145.0g、37.3質量%のアクリル酸ナトリウム水溶液761.4g、Sartomer(登録商標)SR-344(分子量が約400g/molのポリエチレングリコールのジアクリレート)15.0g、及び10質量%のLutensol(登録商標)AT80水溶液(80molのエチレンオキシドが、1molの直鎖状飽和C16〜C18脂肪アルコールに付加した付加生成物、ドイツ国Ludwigshafen在、BASF SE)34.3gを、ガラスビーカー内で混合した。
【0138】
得られた均質な溶液を圧力容器に移し、そこで25分間、10barの圧力で、二酸化炭素で飽和させた。圧力下、3質量%の2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド水溶液を43.5g添加し、強力な二酸化炭素流で混合した。引き続きさらに5分間、二酸化炭素を反応混合物に通した。その後、二酸化炭素で飽和された反応混合物を、12barの圧力で、直径1.0mmのノズルにより押出し、この際に微細なセルを有し、流動性が良好な発泡体が形成された。
【0139】
得られたモノマー発泡体をDIN A3の大きなガラス板(縁の高さ3mm)に施与し、第二のガラス板で覆った。この発泡体試料に、両面で同時に4分間、紫外線を照射した。上側からは1機のUVA/IS-Strahler UVASPOT 1000/T(ドイツ国Graefelfing在、Dr. Hoenle AG)で、下側からは2機の UVA/IS-Strahlern UVASPOT 400/T(ドイツ国Graefelfing在、Dr. Hoenle AG)で照射した。上のランプの距離は、モノマー発泡体から39cmであり、下のランプの距離は、モノマー発泡体から13cmであった。
【0140】
得られた発泡体層を、空気式乾燥機で100℃で完全に乾燥させ、引き続きRetsch社の粉砕機で粉砕し、様々な粒径にふるい分けし、その膨潤速度(FSR)を測定した:
反応混合物の固体含分:44.9質量%
中和度:60mol%
モノマー発泡密度:0.16g/cm3
【0141】
得られた篩い画分の特性は、表4に記載されている。
【0142】
表4:各篩い画分の膨潤速度(FSR)
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のa)〜d):
a)酸基を含有し、25〜95mol%中和されている、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、
b)少なくとも1種の架橋剤、
c)少なくとも1種の開始剤、及び
d)少なくとも1種の界面活性剤
を含有する、発泡された水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合させることによる、吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、
前記モノマー溶液又は前記モノマー懸濁液を重合させてポリマー性発泡体にし、かつ乾燥させる、前記製造方法において、前記ポリマー性発泡体を、引き続き粉砕及び分級することを特徴とする、前記製造方法。
【請求項2】
中和されたモノマーa)の少なくとも50mol%が、無機塩基によって中和されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無機塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、又は水酸化ナトリウムであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
粉砕されたポリマー性発泡体を、100〜1,000μmの範囲の粒径に分級することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記モノマー溶液又は前記モノマー懸濁液が、中和されていないモノマーa)に対して、架橋剤b)を少なくとも1質量%含有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記モノマーa)が、少なくとも50mol%アクリル酸であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法により得られる、吸水性ポリマー粒子。
【請求項8】
遠心保持容量が少なくとも10g/gである、請求項7に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項9】
液体通過性が少なくとも10×10-7cm3s/gであることを特徴とする、請求項7又は8に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項10】
以下のa)〜c):
a)酸基を含有し、25〜95mol%中和されている、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、
b)少なくとも1種の架橋剤、及び
c)少なくとも1種の開始剤、
を含有する、水性のモノマー溶液又はモノマー懸濁液を重合させることによる、吸水性ポリマー粒子の製造方法であって、
前記モノマー溶液又は前記モノマー懸濁液を重合させ、かつ乾燥させる前記製造方法において、
前記モノマー溶液又は前記モノマー懸濁液が、請求項7から9までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子を含有することを特徴とする、前記製造方法。
【請求項11】
請求項7から9までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子の粒径が、250μm未満であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法により得られる、吸水性ポリマー粒子。
【請求項13】
請求項7から9までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子を含有する、吸水性ポリマー粒子混合物。
【請求項14】
請求項7から9までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子の割合が、0.1〜90質量%である、請求項13に記載の吸水性ポリマー粒子混合物。
【請求項15】
請求項7から9までのいずれか1項に記載の、若しくは請求項12に記載の吸水性ポリマー粒子を、又は請求項10若しくは11に記載の吸水性ポリマー粒子混合物を含有する、衛生用品。

【公表番号】特表2013−511612(P2013−511612A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540376(P2012−540376)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067877
【国際公開番号】WO2011/061315
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】