説明

発泡充填部位用の収容具、及び発泡充填具

【課題】中空部において各種部材が挿入される空間を確保することの容易な発泡充填部位用の収容具、及び発泡充填具を提供する。
【解決手段】収容具は、中空構造体51を形成するパネル53に穿設された挿入孔53aを通じて中空部52に挿入される各種部材を収容する収容体13を備えている。収容体13は、各種部材が挿入される開口部を有する有底筒状をなしている。開口部は、挿入孔53aに挿入されるとともに挿入孔53aの内周面に沿って配置される孔内挿入部13aを有している。収容体13には係合部14が設けられ、収容体13は係合部14によりパネル53に固定される。発泡充填具11は、中空構造体51の中空部52に配置される熱発泡性基体12と、収容体13とを備えている。熱発泡性基体12は、収容体13に一体に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空構造体の発泡充填部位に用いられる発泡充填部位用の収容具、及びそれを用いた発泡充填具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の構造部材には、ピラーに代表されるように中空部を有する中空構造体が多用されている。中空構造体の中空部には、強度、剛性、制振性等の向上を目的として発泡充填具を配置させる手法が知られている。この発泡充填具は、一般に、加熱によって発泡及び硬化することで発泡体を形成する熱発泡性基体と、その熱発泡性基体を中空部において金属パネルに支持させる支持部材とから構成されている。
【0003】
中空構造体は、複数の金属製パネルが積層された構造を有している。これら金属パネルには、内装材等を締結するために設けられたボルト用の孔、電装部品の配線が挿通される配線用の孔等が形成されている。こうした孔が形成されている部位に跨って、上記発泡充填具が配置される場合、支持部材又は発泡体により、上述した孔の利用が妨げられることになる。
【0004】
そこで従来では、金属パネルに形成した孔を覆うように設けられる覆い部を備えた発泡充填具が提案されている(特許文献1参照)。この覆い部は、各々2つの延出部及び切込部が対向するように立設されてなり、覆い部内に各種部材が挿入されるように構成されている。こうした覆い部により、前記隙間や孔内で発泡体が過剰に形成されることが抑制されることで、孔内への各種部材の設置が容易となる。
【特許文献1】特開2002−120759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の発泡充填具においては、覆い部とパネルとの間に間隙が形成されているため、その間隙から熱発泡性基体が侵入し、覆い部の内側で孔を塞ぐように発泡体が形成されるおそれがある。この点、覆い部とパネルとを密着して配置することにより、覆い部への熱発泡性基体の侵入は抑制されるため、各種部材が挿入される空間はより確実に確保されるようになる。ところが、覆い部とパネルとを密着して配置するには、発泡充填具の寸法精度を高める必要があるため、発泡充填具の製造に手間を要することになる。もっとも、熱発泡性基体の材料を適宜変更して熱発泡性基体の流動を抑制する対策等により、熱発泡性基体が上記間隙に侵入することを抑制することは可能であるものの、こうした対策は材料設計が煩雑となり得る。なお、このような課題は、加熱により発泡体を形成する熱発泡性基体を用いた場合に限らず、流動性を有する発泡材を中空部に注入し、その発泡材を反応させることで発泡体を形成する場合においても共通している。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中空部において各種部材が挿入される空間を確保することの容易な発泡充填部位用の収容具、及び発泡充填具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、パネルにより形成される中空部を有する中空構造体の前記パネルに穿設された挿入孔を通じて前記中空部内に挿入される部材を収容する収容体と、前記収容体を前記パネルに固定する固定手段とを備え、前記中空部において発泡体を充填する部位に前記収容体が配置される発泡充填部位用の収容具であって、前記収容体は、前記部材が挿入される開口部を有する有底筒状をなし、前記開口部は、前記挿入孔に挿入されるとともに前記挿入孔の内周面に沿って配置される孔内挿入部を有してなることを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、挿入孔を通じて中空部に挿入される部材は、開口部から収容体に収容される。こうした有底筒状の収容体により、前記部材の配置空間が確保される。ところで、収容体の内部に発泡体が形成される現象は、加熱により軟化した熱発泡性基体が収容体の内部に侵入することにより発生することになる。なお、この現象は、熱発泡性基体を発泡材として用いた場合に限らず、流動性を有する発泡材を中空部に注入し、その発泡材を反応させることで発泡体を形成する場合においても共通する。ここで、上記開口部は、挿入孔に挿入されるとともに挿入孔の内周面に沿って配置される孔内挿入部を有している。このため、加熱により軟化した熱発泡性基体が、挿入孔を有するパネル面に沿って流動し、孔内挿入部の外面に到達した場合、その外面に沿って流動するようになる。すなわち、孔内挿入部を有する部位において、熱発泡性基体の侵入経路は、孔内挿入部を回り込むように屈曲した経路となる。これにより、収容体の内部への前記熱発泡性基体の侵入が抑制される。しかも、こうした孔内挿入部は、その寸法を挿入孔の寸法に応じて変更することで、異なる寸法の挿入孔に対応することも容易である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記孔内挿入部が、前記挿入孔の周方向全体にわたって配置される環状をなすことを要旨とする。
【0010】
この構成によれば、挿入孔の周方向のいずれの位置において、軟化した熱発泡性基体が侵入しようとしたとしても、その侵入を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記孔内挿入部が、前記中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出して配置されることを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出している孔内挿入部は、軟化した熱発泡性基体の流動に際して障壁となるため、上記侵入がさらに抑制される。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記孔内挿入部が、前記挿入孔の周方向全体にわたって前記中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出して配置されることを要旨とする。
【0013】
この構成によれば、中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出している孔内挿入部は、軟化した熱発泡性基体の流動に際して障壁となるため、上記侵入がさらに抑制される。しかも、挿入孔の周方向のいずれの位置において、軟化した熱発泡性基体が侵入しようとしたとしても、その侵入を抑制することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記固定手段が、前記収容体に設けられる複数の係合部であり、前記複数の係合部に前記挿入孔を有するパネルを介在させることで、同パネルに前記収容体が固定されることを要旨とする。
【0015】
この構成によれば、パネルにおける挿入孔の近傍を複数の係合部に介在させることで、発泡充填具をパネルに固定することができるため、パネルに発泡充填具を固定する孔を別途設ける手間を省くことができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、第1挿入孔の穿設された第1パネルと第2挿入孔の穿設された第2パネルとにより形成される中空部を有する中空構造体の前記第1挿入孔又は前記第2挿入孔を通じて前記中空部に挿入される部材を収容する収容体と、前記収容体を前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方に固定する固定手段とを備え、前記中空部において発泡体を充填する部位に前記収容体が配置される発泡充填部位用の収容具であって、前記収容体は、前記部材が挿入される複数の開口部を有し、前記複数の開口部は、前記第1挿入孔に挿入されるとともに前記第1挿入孔の内周面に沿って配置される第1孔内挿入部を有してなる開口部と、前記第2挿入孔に挿入されるとともに前記第2挿入孔の内周面に沿って配置される第2孔内挿入部を有してなる開口部とを含むことを要旨とする。
【0017】
この構成によれば、第1又は第2挿入孔を通じて中空部に挿入される部材は、開口部から収容体に収容される。こうした収容体により、前記部材の配置空間が確保される。さらに、収容体は、複数の開口部を有し、それら開口部は上記第1孔内挿入部を有する開口部と上記第2孔内挿入部を有する開口部を含んでいる。このため、加熱により軟化した熱発泡性基体が、挿入孔を有するパネル面に沿って流動し、第1又は第2孔内挿入部の外面に到達した場合、その外面に沿って流動するようになる。すなわち、第1及び第2孔内挿入部を有する部位において、熱発泡性基体の侵入経路は、孔内挿入部を回り込むように屈曲した経路となる。これにより、収容体の内部への前記熱発泡性基体の侵入が抑制される。しかも、こうした第1及び第2孔内挿入部は、その寸法を挿入孔の寸法に応じて変更することで、異なる寸法の挿入孔に対応することも容易である。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記第1孔内挿入部及び第2孔内挿入部の少なくとも一方が、その配置される挿入孔の周方向全体に沿った環状をなすことを要旨とする。
【0019】
この構成によれば、第1及び第2挿入孔の周方向のいずれの位置において、軟化した熱発泡性基体が侵入しようとしたとしても、その侵入を抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は請求項7に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記第1孔内挿入部及び第2孔内挿入部の少なくとも一方が、その配置されるパネルの中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出する構成であることを要旨とする。
【0020】
この構成によれば、中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出している第1及び第2孔内挿入部は、軟化した熱発泡性基体の流動に際して障壁となるため、上記侵入がさらに抑制される。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記第1孔内挿入部及び第2孔内挿入部が、その配置される挿入孔の周方向全体において、同挿入孔の有するパネルの中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出する構成であることを要旨とする。
【0022】
この構成によれば、中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出している第1及び第2孔内挿入部は、軟化した熱発泡性基体の流動に際して障壁となるため、収容体の内部への発泡体の侵入がさらに抑制される。しかも、第1及び第2挿入孔の周方向のいずれの位置において、軟化した熱発泡性基体が侵入しようとしたとしても、その侵入を抑制することができる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の発泡充填部位用の収容具において、前記固定手段が、前記収容体に設けられる複数の係合部であり、前記複数の係合部に第1パネル及び第2パネルの少なくとも一方のパネルを介在させることで、同パネルに前記収容体が固定されることを要旨とする。
【0024】
この構成によれば、第1パネルにおける第1挿入孔の近傍、及び第2パネルにおける第2挿入孔の近傍の少なくとも一方に複数の係合部に介在させることで、発泡充填具をパネルに固定することができるため、パネルに発泡充填具を固定する孔を別途設ける手間を省くことができる。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発泡充填部位用の収容具と、加熱により前記発泡体を形成する熱発泡性基体とを備え、前記収容体に前記熱発泡性基体を一体に設けたことを要旨とする。
【0026】
この構成によれば、収容具とともに熱発泡性基体を中空部に固定することができるため、熱発泡性基体を別途中空部に固定する手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、中空部において各種部材が挿入される空間を確保することの容易な発泡充填部位用の収容具、及び発泡充填具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1の実施形態)
本発明を具体化した第1の実施形態について図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、発泡充填具11は、四角形状をなす熱発泡性基体12と開口部を有する有底円筒状の収容体13と複数の係合部14とを備えて構成されている。図2(a)及び図2(b)に示すように、筒状の中空部52を有する中空構造体51に発泡充填具11が取着されることで、中空構造体51の中空部52には、熱発泡性基体12が配置される。中空部52の所定位置には、図2(c)に示すように熱発泡性基体12から形成した発泡体15が充填される。このように発泡体15が充填された中空構造体51では、その強度、剛性、制振性等が高められる。
【0029】
本実施形態の中空構造体51は、アウタパネルとリインフォースパネルとから構成された車両用ピラーの一部である。この中空構造体51を形成する一対のパネル53のうち、一方のパネル53には挿入孔53aが穿設され、同挿入孔53aを通じて中空部52に各種部材が挿入できるように構成されている。
【0030】
発泡充填具11の備える収容体13は、挿入孔53aを通じて中空部52に挿入された各種部材を収容可能に構成及び配置される。収容体13は、中空部52において発泡体15を充填する部位に配置されることで、中空部52において発泡体15の形成される領域と各種部材の挿入される領域とを区画する。これにより、中空部52の発泡充填部位において各種部材が挿入される空間は確保される。
【0031】
熱発泡性基体12は、中空部52に配置された後、加熱により発泡及び硬化した発泡体15を形成する。熱発泡性基体12は、基材、発泡剤、及び架橋剤を含有する他に、充填剤、可塑剤等を適宜含有して構成されている。基材としては、合成樹脂、エラストマー及びゴムが挙げられる。合成樹脂としては、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、EVA(エチレン/ビニルアセテートコポリマー)等が挙げられる。エラストマーとしては、RB(ポリブタジエンエラストマー)、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、SEBS(スチレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。ゴムとしては、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン/ブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IR(イソプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)、UR(ウレタンゴム)、ENR(エポキシ化天然ゴム)、EPM(エチレン/プロピレンゴム)等が挙げられる。発泡剤としてはアゾジカルボンアミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン等、架橋剤としては周知のジメチルウレア、ジシアンジアミド、充填剤としては炭酸カルシウム、硫酸バリウム、フェライト、シリカ等が挙げられる。熱発泡性基体12は、押出成形、プレス成形、射出成形等の周知の成形法により成形することができる。熱発泡性基体12は、収容体13の外周面に一体に設けられている。熱発泡性基体12は、接着剤を用いた接着、インサート成型等を用いた溶着等によって収容体13に一体に設けられている。
【0032】
収容体13の有する開口部は、中空部52に挿入される各種部材が挿入されるように形成されている。この開口部は、挿入孔53aに挿入される孔内挿入部13aを有している。孔内挿入部13aは、挿入孔53aの内周形状に沿った形状をなすことで、挿入孔53aの内周面に沿って配置されるように構成されている。
【0033】
本実施形態の孔内挿入部13aは、挿入孔53aの内周形状に沿った環状をなすことで、挿入孔53aの周方向全体にわたって配置される。また、本実施形態の孔内挿入部13aは、挿入孔53aの周方向全体にわたって、中空部52側とは反対側のパネル面53bよりも外方へ突出して配置される。こうした孔内挿入部13aは、その寸法を挿入孔53aの寸法に応じて変更することで、異なる寸法の挿入孔53aに対応することが容易である。
【0034】
なお、収容体13の底壁及び周壁には、軟化した熱発泡性基体12が侵入可能な孔等が形成されていない。すなわち、収容体13の開口部以外は、軟化した熱発泡性基体12が侵入不能に構成されている。
【0035】
また、本実施形態の収容体13は、挿入孔53aに対向して配置されているパネル53の近傍に収容体13の底壁が位置されるように形成されている。すなわち、収容体13の底壁は、挿入孔53aよりも同挿入孔53aに対向するパネル53に近い位置に配置されるように構成されている。このように収容体13を形成することで、収容体13の深さ寸法は、中空部52において十分に大きくなる結果、各種部材が挿入される空間が十分に確保されるようになる。従って、例えばボルト等の柱状をなす各種部材を、挿入孔53a(開口部)から同挿入孔53aに対向するパネル53の近傍まで挿入することが可能である。
【0036】
複数の係合部14は、収容体13をパネル53に固定する固定手段として設けられている。複数の係合部14には、挿入孔53aを有するパネル53が介在されるように構成されている。なお、本実施形態では、開口部の周方向に対して直交する方向に沿って位置する一対の係合部14が、開口部の周方向においてほぼ等間隔で4箇所設けられている。
【0037】
本実施形態の収容体13及び係合部14は、樹脂材料(ポリアミド系樹脂)から一体成形されることで軽量化が図られている。
次に、発泡充填具を用いた発泡体の充填方法について説明する。
【0038】
図2(a)及び図2(b)に示すように、孔内挿入部13aを挿入孔53aに挿入し、係合部14及び開口部を弾性変形させることで、複数の係合部14にパネル53を介在させる。このように発泡充填具11は、挿入孔53aを有するパネル53に固定される。続いて、同パネル53は、対応するパネル53に組み付けられることで、中空構造体51が形成され、その中空部52に熱発泡性基体12及び収容体13が配置される。このとき、孔内挿入部13aは、挿入孔53aの内周面に沿って配置されている。またこのとき、孔内挿入部13aは、挿入孔53aの周方向全体にわたって配置され、かつ、周方向全体にわたって中空部52側とは反対側のパネル面53bよりも外方へ突出して配置されている。
【0039】
発泡充填具11の取着された中空構造体51は、所定の温度で所定の時間加熱される。こうした加熱により、熱発泡性基体12が発泡及び硬化することで、図2(c)に示すように発泡体15が中空部52の所定位置に充填される。
【0040】
ここで、加熱により軟化した熱発泡性基体12が収容体13の内部に侵入すると、収容体13の内部に発泡体15が形成されることになる。収容体13の内部における発泡体15の形成が過剰になると、収容体13の内部に各種部材を挿入することが困難となる。この点、収容体13は孔内挿入部13aを有し、同孔内挿入部13aは挿入孔53aの内周面に沿って配置されている。このため、加熱により軟化した熱発泡性基体12が、挿入孔53aを有するパネル面に沿って流動し、孔内挿入部13aの外面に到達した場合、その外面に沿って流動するようになる。すなわち、熱発泡性基体12の侵入経路は、孔内挿入部13aを回り込むように屈曲した経路となる。これにより、収容体13の内部への前記熱発泡性基体12の侵入が抑制される結果、収容体13の内部における発泡体15の形成が抑制されるようになる。
【0041】
続いて、収容体13の内部には、挿入孔53a(開口部)を通じて位置決め用のピン、ボルト等の各種部材が配置される。このとき、収容体13の内部における発泡体15の形成が抑制又は防止されることで、収容体13の内部空間が十分に確保されるようになる。従って、各種部材を収容体13の内部に配置するに際して、発泡体15が障害となることが軽減又は防止される。また、孔内挿入部13aの外面に沿った熱発泡性基体12の流動により、開口部を塞ぐように発泡体15が形成されることも抑制されているため、各種部材を挿入孔53a(開口部)に挿入する際にも、発泡体15が障害となることが軽減又は防止される。
【0042】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)開口部は、挿入孔53aの内周面に沿って配置される孔内挿入部13aを有している。このため、熱により軟化した熱発泡性基体12が収容体13の内部へ侵入する経路は、孔内挿入部13aを回り込むように屈曲した経路となる。これにより、収容体13の内部で発泡体15が形成されることを抑制することができる。しかも、こうした孔内挿入部13aは、その寸法を挿入孔53aの寸法に応じて変更することで、異なる寸法の挿入孔53aに対応することも容易であるため、発泡充填具11の設計の煩雑化を極力回避することができる。従って、中空部52において各種部材が挿入される空間を確保することの容易な発泡充填具11が提供される。
【0043】
(2)本実施形態の孔内挿入部13aは、挿入孔53aの周方向全体にわたって配置される構成であるため、挿入孔53aにおける周方向のいずれの位置において、軟化した熱発泡性基体12が侵入しようとしたとしても、その侵入を抑制することができる。従って、各種部材が挿入される空間をより確実に確保することが容易である。さらに、各種部材が挿入される空間を確保することが容易であるため、例えば発泡倍率を高めた熱発泡性基体12を用いることで、収容体13の周壁全体に発泡体15を十分に密着して充填させることができるようになる。こうした発泡体15の充填により、収容体13の周囲において、強度、剛性、制振性等を十分に高めることができるとともに、収容体13を安定して固定させることもできる。
【0044】
(3)本実施形態の孔内挿入部13aは、中空部52側とは反対側のパネル面53bよりも外方へ突出して配置される構成である。このように突出した孔内挿入部13aは軟化した熱発泡性基体12の流動に際して障壁となるため、上記侵入がさらに抑制されるようになる。従って、各種部材が挿入される空間をより確実に確保することが容易である。
【0045】
(4)本実施形態の孔内挿入部13aは、挿入孔53aの周方向全体にわたって中空部52側とは反対側のパネル面53bよりも外方へ突出して配置される構成であるため、上記(2)及び(3)欄に述べた作用効果のいずれも得ることができる。
【0046】
(5)本実施形態の収容体13には、複数の係合部14が設けられ、それら係合部14に挿入孔53aを有するパネル53を介在させることで、同パネル53に前記収容体13が固定されるように構成されている。この構成によれば、パネル53に発泡充填具11を固定する孔を別途設ける手間を省くことができる。
【0047】
(6)本実施形態の収容体13には、熱発泡性基体12が一体に設けられているため、係合部14を利用して、熱発泡性基体12を中空部52に位置決めして固定することができる。従って、熱発泡性基体12を別途位置決めして中空部52に固定する手間を省くことができる。
【0048】
(第2の実施形態)
本発明を具体化した第2の実施形態について図3及び図4に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、収容体の構成が第1の実施形態と異なるため、その構成を中心に説明する。図3に示すように、本実施形態の発泡充填具21における収容体23は両端に開口部を有する円筒状をなしている。
【0049】
本実施形態の中空構造体は、車両用ピラーの内部に配置される。図4(a)及び図4(b)に示すように、中空構造体61は、第1挿入孔63aの穿設された第1パネル63と第2挿入孔64aの穿設された第2パネル64とから中空部62が形成されている。これら第1挿入孔63a及び第2挿入孔64aは対向するように配置されている。本実施形態の収容体23は、各挿入孔63a,64aに対応した開口部を有している。
【0050】
各開口部は、第1挿入孔63aに挿入される第1孔内挿入部23a及び第2挿入孔64aに挿入される第2孔内挿入部23bを有している。第1孔内挿入部23aは、第1挿入孔63aの内面に沿って配置される。第1孔内挿入部23aは、第1挿入孔63aの内周形状に沿った環状をなすことで、第1挿入孔63aの周方向全体にわたって配置される。また、第1孔内挿入部23aは、第1挿入孔63aの周方向全体にわたって、中空部62側とは反対側のパネル面63bよりも外方へ突出して配置される。第2孔内挿入部23bについても、第1孔内挿入部23aと同様の形状をなし、第1孔内挿入部23aが第1挿入孔63a及びパネル面63bに対して配置されるように、第2挿入孔64a及びパネル面64bに対して配置される構成である。
【0051】
各開口部には、収容体23を各パネル63,64に固定する固定手段として複数の係合部24が設けられている。なお、本実施形態では、一対の係合部24が各開口部の周方向に沿ってほぼ等間隔で4箇所ずつ設けられている。
【0052】
発泡充填具21は、各孔内挿入部23a,23bを各挿入孔63a,64aに挿入し、複数の係合部24に各パネル63,64を介在させることで、各パネル63,64に固定される。続いて、各パネル63,64が組み付けられることで、中空構造体61が形成され、その中空部62に熱発泡性基体22及び収容体23が配置される。
【0053】
発泡充填具21の取着された中空構造体61は、所定の温度で所定の時間加熱される。こうした加熱により、熱発泡性基体22が発泡及び硬化することで、図4(b)に示すように発泡体25が中空部62の所定位置に充填される。
【0054】
収容体23の内部には、例えば位置決め用のピン、ボルト、配線等の各種部材が配置される。本実施形態の収容体23は、第1挿入孔63a及び第2挿入孔64aに対応した一対の開口部を有するため、各種配線を中空構造体61の各パネル63,64間に貫通させるに際して有効である。
【0055】
以上詳述した本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(6)欄に記載した作用効果が得られる。
(第3の実施形態)
本発明を具体化した第3の実施形態について図5及び図6に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、中空構造体及び収容体の構成が第1の実施形態と異なるため、その構成を中心に説明する。図5(a)、図5(b)及び図5(c)に示すように、本実施形態の発泡充填具31における収容体33は、断面円形状をなす管状部が分岐部を介して3方向に延設される形状をなすことで、3つの開口部を有している。
【0056】
本実施形態の中空構造体は、車両用ピラーの内部に配置される。図6(a)及び図6(b)に示すように、中空構造体71は、第1挿入孔73aの穿設された第1パネル73、及び一対の第2挿入孔74a,74bの穿設された第2パネル74とから中空部72が形成されている。第1挿入孔73aは、一対の第2挿入孔74a,74bの間に配置されている。
【0057】
3つの開口部は、第1挿入孔73aに挿入される第1孔内挿入部33aを有する開口部、第2挿入孔74aに挿入される第2孔内挿入部33bを有する開口部、及び第2挿入孔74bに挿入される第2孔内挿入部33cを有する開口部である。
【0058】
第1孔内挿入部33aは、第1挿入孔73aの内面に沿って配置される。第1孔内挿入部33aは、第1挿入孔73aの内周形状に沿った環状をなすことで、第1挿入孔73aの周方向全体にわたって配置される。また、第1孔内挿入部33aは、第1挿入孔73aの周方向全体にわたって、中空部72側とは反対側のパネル面73bよりも外方へ突出して配置される。
【0059】
第2孔内挿入部33b,33cについても、第1孔内挿入部33aと同様に、第2挿入孔74a、74b及びパネル面74cに対して配置される構成である。
各開口部には、収容体33を各パネル73,74に固定する固定手段として複数の係合部34が設けられている。なお、本実施形態では、第1パネル73に固定する係合部34は各開口部にそれぞれ3つ設けられるとともに、第2パネル74に固定する係合部34は、開口部に4つ設けられている。
【0060】
発泡充填具31は、各孔内挿入部33a,33b,33cを各挿入孔73a,74a,74bに挿入し、複数の係合部34に各パネル73,74を介在させることで、各パネル73,74に固定される。続いて、各パネル73,74が組み付けられることで、中空構造体71が形成され、その中空部72に熱発泡性基体32及び収容体33が配置される。
【0061】
発泡充填具31の取着された中空構造体71は、所定の温度で所定の時間加熱される。こうした加熱により、熱発泡性基体32が発泡及び硬化することで、図6(b)に示すように発泡体35が中空部72の所定位置に充填される。
【0062】
収容体33の内部には、例えば位置決め用のピン、ボルト、配線等の各種部材が配置される。本実施形態の収容体33は、第1挿入孔73a及び一対の第2挿入孔74a,74bに対応した3つの開口部を有するため、各種配線を中空構造体71の各パネル73,74間に貫通させるに際して有効である。
【0063】
以上詳述した本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(6)欄に記載した作用効果が得られる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成してもよい。
【0064】
・第1の実施形態の収容体13には、熱発泡性基体12が一体に設けられているが、同熱発泡性基体12は、収容体13と別体として構成してもよい。すなわち、発泡充填部位用の収容具として、収容体13と係合部14とを備えた構成に変更するとともに、熱発泡性基体12を例えば接着、粘着等によりパネル53に固定するように構成してもよい。このように収容具は、熱発泡性基体12とともに中空部52に配置されることで、第1の実施形態の(1)〜(5)欄に記載した作用効果が得られる。なお、第2の実施形態の発泡充填具21及び第3の実施形態の発泡充填具31についても、第1の実施形態と同様に熱発泡性基体22,32をそれぞれ収容体23,33と別体として構成することで、発泡充填部位用の収容具として構成することができる。
【0065】
・前記各実施形態の発泡充填具11,21,31を発泡充填部位用の収容具として構成した場合、熱発泡性基体12,22,32から発泡体15,25,35を形成させる以外に、流動性を有する発泡材から発泡体を形成させてもよい。すなわち、上記収容具を取り付けた中空構造体51,61,71において、その中空部52,62,72に流動性を有する発泡材を注入し、その発泡材を反応させることで発泡体を形成してもよい。こうした流動性を有する発泡材としては、例えば二液又は一液からなる化学反応型発泡材(ウレタン系発泡材等)が挙げられる。
【0066】
・第1及び第2の実施形態では、収容体13,23は円筒状をなしているが、多角筒状等の形状に変更してもよい。
・第2の実施形態において、第1挿入孔63aと第2挿入孔64aとの位置は適宜変更されてもよい。この場合、例えば収容体23を屈曲した管状に形成することで、各開口部の位置を各挿入孔63a,64aの位置に合わせることができる。
【0067】
・第3の実施形態では、収容体33は断面円形状をなす管状部を有しているが、管状部の断面形状を例えば多角形状に変更してもよい。
・第3の実施形態において、収容体33の管状部を4本以上に変更することで、4つ以上の開口部を有する構成としてもよい。
【0068】
・第3の実施形態において、第2孔内挿入部33b,33cのいずれか一方を設けずに収容体33を構成してもよい。
・第1の実施形態では、熱発泡性基体12は四角形状をなしているが、熱発泡性基体12の形状は特に限定されず、円柱状等の形状に変更してもよい。また、収容体13に設けられる熱発泡性基体12の数、収容体13に対する熱発泡性基体12の固定位置は、特に限定されない。なお、第2の実施形態の熱発泡性基体22及び第3の実施形態の熱発泡性基体32についても、上記と同様に変更してもよい。
【0069】
・第1の実施形態の熱発泡性基体12は、接着又は溶着による固定以外に、例えば収容体13に係止部を設けて、その係止部に熱発泡性基体12を係止させることで固定することもできる。なお、第2の実施形態の熱発泡性基体22及び第3の実施形態の熱発泡性基体32についても、上記と同様に変更して固定することができる。
【0070】
・第1の実施形態では、複数の係合部14にパネル53を介在させることで、発泡充填具11をパネル53に固定している。例えば、収容体13に係止部を設けるとともに、その係止部を係止させる係止孔をパネル53に形成することで、発泡充填具11をパネル53に固定するように構成してもよい。また、係合部14を設けずに、例えば収容体13に接着層又は粘着層を固定手段として設けることで、発泡充填具11をパネル53に固定するように構成してもよい。また例えば、係合部14と粘着層とにより固定するように、異なる固定手段を併用してもよい。なお、第2の実施形態の係合部24、及び第3の実施形態の係合部34についても、上記と同様に変更することができる。
【0071】
・第2及び第3の実施形態において、発泡充填具21,31が第1パネル63,73及び第2パネル64,74の一方に固定されるように、係合部24,34を設けてもよい。
・第1の実施形態の孔内挿入部13aは、挿入孔53aの周方向全体にわたってパネル面53bよりも外方へ突出して配置される構成としている。こうした孔内挿入部13aは、挿入孔53aの周方向に沿った一部において、パネル面53bよりも外方へ突出して配置されるように変更してもよい。なお、第2の実施形態の各孔内挿入部23a,23bの少なくとも一方の構成、及び第3の実施形態の各孔内挿入部33a,33b,33cの少なくとも一つの構成についても、上記と同様に変更してもよい。
【0072】
・第1の実施形態の孔内挿入部13aは、パネル面53bよりも外方へ突出して配置される構成としているが、孔内挿入部13aをパネル面53bよりも内方へ配置される構成としてもよい。第2の実施形態の各孔内挿入部23a,23bの少なくとも一方の構成、及び第3の実施形態の各孔内挿入部33a,33b,33cの少なくとも一つの構成についても、上記と同様に変更してもよい。
【0073】
・第1の実施形態の孔内挿入部13aは、挿入孔53aの周方向全体にわたって配置される環状をなしているが、挿入孔53aの周方向に沿った一部において配置される形状に変更してもよい。例えば、孔内挿入部13aを、挿入孔53aの周方向に沿って配置される複数の突起部から構成することもできる。なお、第2の実施形態の各孔内挿入部23a,23bの少なくとも一方の構成、及び第3の実施形態の各孔内挿入部33a,33b,33cのいずれか一つの構成についても、上記と同様に変更してもよい。
【0074】
・前記各実施形態では、発泡充填具を車両用ピラーに適用しているが、例えば車両のドア、バンパ等を構成する車両用中空構造体に適用してもよい。また、鉄道用、船舶用、航空機用、建築用等に適用される中空構造体に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は第1の実施形態の発泡充填具を示す半断面図、(b)は発泡充填具の上面図。
【図2】(a)は発泡充填具を中空構造体に取着する状態を説明する部分断面図、(b)は中空構造体に取着された発泡充填具を示す部分断面図、(c)は発泡体が充填された中空構造体を示す部分断面図。
【図3】第2の実施形態の発泡充填具を示す半断面図。
【図4】(a)は中空構造体に取着された発泡充填具を示す部分断面図、(b)は発泡体が充填された中空構造体を示す部分断面図。
【図5】(a)は第3の実施形態の発泡充填具を示す正面図、(b)は発泡充填具を示す上面図、(c)は発泡充填具を示す下面図。
【図6】(a)は中空構造体に取着された発泡充填具を示す部分断面図、(b)は発泡体が充填された中空構造体を示す部分断面図。
【符号の説明】
【0076】
11,21,31…発泡充填具、12,22,32…熱発泡性基体、13,23,33…収容体、13a…孔内挿入部、14,24,34…係合部、15,25,35…発泡体、23a,33a…第1孔内挿入部、23b,33b,33c…第2孔内挿入部、51,61,71…中空構造体、52,62,72…中空部、53…パネル、53a…挿入孔、53b,63b,64b,73b,74c…パネル面、63,73…第1パネル、63a,73a…第1挿入孔、64,74…第2パネル、64a,74a,74b…第2挿入孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルにより形成される中空部を有する中空構造体の前記パネルに穿設された挿入孔を通じて前記中空部内に挿入される部材を収容する収容体と、前記収容体を前記パネルに固定する固定手段とを備え、前記中空部において発泡体を充填する部位に前記収容体が配置される発泡充填部位用の収容具であって、
前記収容体は、前記部材が挿入される開口部を有する有底筒状をなし、
前記開口部は、前記挿入孔に挿入されるとともに前記挿入孔の内周面に沿って配置される孔内挿入部を有してなることを特徴とする発泡充填部位用の収容具。
【請求項2】
前記孔内挿入部が、前記挿入孔の周方向全体にわたって配置される環状をなすことを特徴とする請求項1に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項3】
前記孔内挿入部が、前記中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出して配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項4】
前記孔内挿入部が、前記挿入孔の周方向全体にわたって前記中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出して配置されることを特徴とする請求項2に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項5】
前記固定手段が、前記収容体に設けられる複数の係合部であり、
前記複数の係合部に前記挿入孔を有するパネルを介在させることで、同パネルに前記収容体が固定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項6】
第1挿入孔の穿設された第1パネルと第2挿入孔の穿設された第2パネルとにより形成される中空部を有する中空構造体の前記第1挿入孔又は前記第2挿入孔を通じて前記中空部に挿入される部材を収容する収容体と、前記収容体を前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方に固定する固定手段とを備え、前記中空部において発泡体を充填する部位に前記収容体が配置される発泡充填部位用の収容具であって、
前記収容体は、前記部材が挿入される複数の開口部を有し、
前記複数の開口部は、
前記第1挿入孔に挿入されるとともに前記第1挿入孔の内周面に沿って配置される第1孔内挿入部を有してなる開口部と、
前記第2挿入孔に挿入されるとともに前記第2挿入孔の内周面に沿って配置される第2孔内挿入部を有してなる開口部とを含むことを特徴とする発泡充填部位用の収容具。
【請求項7】
前記第1孔内挿入部及び第2孔内挿入部の少なくとも一方が、その配置される挿入孔の周方向全体に沿った環状をなすことを特徴とする請求項6に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項8】
前記第1孔内挿入部及び第2孔内挿入部の少なくとも一方が、その配置されるパネルの中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出する構成であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項9】
前記第1孔内挿入部及び第2孔内挿入部が、その配置される挿入孔の周方向全体において、同挿入孔の有するパネルの中空部側とは反対側のパネル面よりも外方へ突出する構成であることを特徴とする請求項7に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項10】
前記固定手段が、前記収容体に設けられる複数の係合部であり、
前記複数の係合部に第1パネル及び第2パネルの少なくとも一方のパネルを介在させることで、同パネルに前記収容体が固定されることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の発泡充填部位用の収容具。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発泡充填部位用の収容具と、加熱により前記発泡体を形成する熱発泡性基体とを備え、前記収容体に前記熱発泡性基体を一体に設けたことを特徴とする発泡充填具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−131860(P2010−131860A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309977(P2008−309977)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000101905)イイダ産業株式会社 (47)
【Fターム(参考)】