説明

発電プラントおよび発電プラント制御装置

【課題】蒸気タービン回転数の変動に基づいてガバナ弁を制御する制御機能の試験を的確に安全に行なう。
【解決手段】発電プラント制御装置は、ガバナ弁位置指令信号14を出力するボイラ・タービン協調制御部40と、調整信号21とガバナ弁位置指令信号14とを加算してガバナ弁指令信号22を出力するガバナ制御部41と、を有する。ガバナ制御部41は、定格周波数と蒸気タービンの回転数の実測データとを比較して偏差信号18を出力する減算器17と、偏差信号18に模擬試験信号を加算して調整基礎信号43を出力する試験信号加算部42と、調整基礎信号43に比例処理を行なって調整信号21を出力する比例器20と、調整信号21にガバナ弁位置指令信号14を加算してガバナ弁指令信号22を出力する協調制御加算器23と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は蒸気タービンを備えた発電プラントとその制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンを備えた典型的な発電プラントにおいて、電力系統の周波数調整は、定格周波数に対する系統周波数の偏差を検出し、周波数変化の方向に応じてガバナ制御装置にてガバナ弁(蒸気加減弁)を駆動し、負荷を変化させている(特許文献1など)。すなわち、定格周波数に対し系統周波数の上昇時にはガバナ弁を閉方向として負荷を下げ、また系統周波数の下降時にはガバナ弁を開方向として負荷を上げる。
【0003】
これに対し、ボイラ・タービン協調制御装置の負荷制御は、中央給電所からの目標負荷指令による負荷制御がガバナ制御部による負荷制御(周波数調整)を阻害しないように、周波数による補正を加えている。
【0004】
図9は、従来の発電プラントの構成例を示すブロック図である。ボイラ・タービン協調制御部40では、中央給電所からの目標負荷指令信号1を検出し、この指令信号に対し、ガバナ制御部41の周波数調整による負荷の変動を補正するために、系統周波数信号6を検出し、関数変換器5に導いて関数変換した後、目標負荷指令信号1とともに加算器7に導いて負荷指令信号8を作成する。さらに負荷指令信号8をもとに発電機出力信号11が追従するよう、減算器12、比例・積分器15を介してガバナ制御部41にガバナ弁位置指令信号14を出力している。
【0005】
また、ガバナ制御部41では、タービン回転数信号4を検出し、定格回転数設定器16を備えた減算器17により偏差信号18を求め、該偏差信号18に応じて、ボイラ・タービン協調制御部40からのガバナ弁位置指令信号14に、比例器20出力信号を協調制御加算器23で加算することによりガバナ弁指令信号22を得て、蒸気タービン24の直前に設けたガバナ弁19を作動して負荷制御を行なうようにしている。図中の符号9は交流発電機を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−304199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年の電力自由化推進に伴い、電力の小売部門に競争が導入され、一定規模以上の需要家に対して、電力会社以外の新規参入者が、電力会社の監視する送電線を使い、需要家に電力を供給することが可能となっている。このため独立発電事業者(IPP)などの参入が促進されている。これら新規参入に際して、系統電力安定を維持するために、系統受け入れ試験を行なうことが多くなってきた。すなわち系統周波数が変動した場合に発電プラントが頑強であり、かつ早急に周波数変動を補正することができることを確認するガバナ・出力応答試験が行なわれる。
【0008】
従来の蒸気タービン発電プラントにおいては、系統周波数に対して周波数を一定に保つように、タービン回転数の変動に基づいて、ガバナ弁を制御する機能がある。しかし、このような制御機能に対応する試験手段がないため、系統周波数の変動を捕え、この変動に対して、発電プラントの挙動を確認しており、的確にその機能を有するかどうかを把握することができないとの問題点があった。
【0009】
そこで本発明は、蒸気タービンを備えた発電プラントで、蒸気タービン回転数の変動に基づいてガバナ弁を制御する制御機能の試験を的確に安全に行なえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る発電プラント制御装置は、系統周波数および、蒸気タービンによって駆動される発電機の出力に基づいて、前記系統周波数が目標周波数に近づくように、前記蒸気タービンの出力を調節するガバナ弁位置指令信号を出力するボイラ・タービン協調制御部と、前記蒸気タービンの定格回転数と前記蒸気タービンの回転数との偏差に基づく調整信号を出力し、この調整信号と前記ガバナ弁位置指令信号とを加算して前記ガバナ弁にガバナ弁指令信号を出力するガバナ制御部と、を有する発電プラント制御装置であって、前記ガバナ制御部は、前記蒸気タービンの定格回転数を設定する定格回転数設定器と、前記定格回転数設定器で設定された定格回転数と前記蒸気タービンの回転数の偏差信号を出力する減算器と、前記偏差信号に模擬試験信号を加算して調整基礎信号を出力する試験信号加算部と、前記調整基礎信号に比例処理を行なって前記調整信号を出力する比例器と、前記調整信号に前記ガバナ弁位置指令信号を加算して前記ガバナ弁指令信号を出力する協調制御加算器と、を具備すること、を特徴とする。
【0011】
本発明に係る発電プラントは、蒸気タービンと、前記蒸気タービンに供給される蒸気流量を調節するガバナ弁と、前記蒸気タービンによって駆動される発電機と、系統周波数および前記発電機の出力に基づいて、前記発電機が接続されている電力系統の系統周波数が目標周波数に近づくように、前記蒸気タービンの出力を調整するガバナ弁位置指令信号を出力するボイラ・タービン協調制御部と、前記蒸気タービンの定格回転数と前記蒸気タービンの回転数との偏差に基づく調整信号を出力し、この調整信号と前記ガバナ弁位置指令信号とを加算して前記ガバナ弁にガバナ弁指令信号を出力するガバナ制御部と、を有する発電プラント制御装置であって、前記ガバナ制御部は、前記蒸気タービンの定格回転数を設定する定格回転数設定器と、前記定格回転数設定器で設定された定格回転数と前記蒸気タービンの回転数の偏差信号を出力する減算器と、前記偏差信号に模擬試験信号を加算して調整基礎信号を出力する試験信号加算部と、前記調整基礎信号に比例処理を行なって前記調整信号を出力する比例器と、前記調整信号に前記ガバナ弁位置指令信号を加算して前記ガバナ弁指令信号を出力する協調制御加算器と、を具備すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、蒸気タービンを備えた発電プラントで、蒸気タービン回転数の変動に基づいてガバナ弁を制御する制御機能の試験を的確に安全に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る発電プラントの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る発電プラントの第1の実施形態における試験関数の例を示すグラフである。
【図3】本発明に係る発電プラントの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る発電プラントの第3の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る発電プラントの第3の実施形態における設定値切り替え器の出力の例を示すグラフである。
【図6】本発明に係る発電プラントの第4の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る発電プラントの第4の実施形態におけるデッドバンド演算器の特性の例を示すグラフである。
【図8】本発明に係る発電プラントの第5の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の発電プラントの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1ないし図8を参照して、本発明に係る発電プラントの実施形態について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る発電プラントの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。図示しないボイラで発生した蒸気が、ガバナ弁(蒸気加減弁)19を介して蒸気タービン24に供給され、これによって、蒸気タービン24に取り付けられた交流発電機9が駆動されて発電が行なわれるようになっている。ガバナ弁19の開度は、ボイラ・タービン協調制御部40とガバナ制御部41とを備えた制御装置によって制御される。
【0016】
従来技術(図9)と同様に、ボイラ・タービン協調制御部40は、中央給電所(図示せず)からの目標負荷指令信号1を検出し、この目標負荷指令信号1に対し、ガバナ制御部41の周波数調整による負荷の変動を補正するために、発電プラントが接続される電力系統の系統周波数信号6を検出し、関数変換器5に導いて関数変換した後、目標負荷指令信号1とともに加算器7に導いて負荷指令信号8を作成する。さらに、負荷指令信号8をもとに、発電機9の発電機出力信号11が追従するように、減算器12、比例・積分器15を介してガバナ制御部41にガバナ弁位置指令信号14を出力している。
【0017】
ガバナ制御部41では、タービン回転数信号4を検出し、定格回転数設定器16を備えた減算器17により偏差信号18を出力する。その偏差信号18を試験信号加算部42に入力して調整基礎信号43を出力し、調整基礎信号43を比例器20に入力して調整信号21を出力する。この調整信号21とボイラ・タービン協調制御部40からのガバナ弁位置指令信号14は協調制御加算器23で加算され、これによって得られたガバナ弁指令信号22によりガバナ弁19の負荷制御が行なわれる。
【0018】
試験信号加算部42は、ガバナ・出力応答試験を行なうためのものであって、周波数バイアスを与えるための試験関数を発生する試験関数発生器29と、試験関数発生器29の設定を行なうための設定器26と、偏差信号18に試験関数発生器29の出力を加算するための試験信号加算器28とを備えている。
【0019】
試験関数発生器29によって発生する試験関数の例を図2に示す。図2に示す例では、時刻t1まではゼロが出力され、時刻t1以降は設定値s1が出力される。時刻t1および設定値s1は設定器26で設定される。
【0020】
この実施形態によれば、ガバナ・出力応答試験に際して、試験信号加算部42により、試験用の模擬周波数バイアス信号を印加することができので、プラントの挙動を的確に把握でき、ガバナ・出力応答試験を行なうことができる。
【0021】
なお、発電プラントの通常運転時には、試験関数発生器29の出力をゼロにしておけば、従来技術(図9)と同様の制御を行なうことができる。
【0022】
[第2の実施形態]
図3は、本発明に係る発電プラントの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。この実施形態は第1の実施形態の変形であって、ボイラ・タービン協調制御部40の関数変換器5の入力である系統周波数信号6として、タービン回転数信号4を入力できるようになっている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0023】
この第2の実施形態によれば、系統周波数信号6が得られない場合、たとえば、新設の発電プラントで、外部電力系統と接続を行なう前の状態などであっても、ガバナ・出力応答試験を行なうことができる。なお、ガバナ・出力応答試験が完了し、電力系統に発電プラントを接続する際には、タービン回転数信号4が系統周波数信号として入力されないように切り替えを行なう。
【0024】
また、第1の実施形態と同様に、ガバナ・出力応答試験に際して、試験信号加算部42により、試験用の模擬周波数バイアス信号を印加することができるので、プラントの挙動を的確に把握でき、ガバナ・出力応答試験を行なうことができる。
【0025】
[第3の実施形態]
図4は、本発明に係る発電プラントの第3の実施形態の構成を示すブロック図である。この実施形態は第1の実施形態の変形であって、試験信号加算部42の構成が第1の実施形態と異なる。
【0026】
すなわち、第3の実施形態では、試験信号加算部42は、設定値切り替え器32と、複数の設定値を設定するための設定器26と、偏差信号18に設定値切り替え器32の出力を加算するための試験信号加算器28とを備えている。設定値切り替え器32は、設定器26で設定された複数の設定値の間で切り替えて出力する。試験信号加算器28は、設定値切り替え器32の出力と偏差信号18とを加算して調整基礎信号43を出力する。
【0027】
図5は、第3の実施形態における設定値切り替え器32の出力の例を示すグラフである。この図に示すように、設定値切り替え器32により、任意の時刻t1に、設定器26で設定された設定値S2からS1に出力を変化させることができる。
【0028】
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ガバナ・出力応答試験に際して、試験信号加算部42により、試験用の模擬周波数バイアス信号を印加することができるので、プラントの挙動を的確に把握でき、ガバナ・出力応答試験を行なうことができる。
【0029】
[第4の実施形態]
図6は、本発明に係る発電プラントの第4の実施形態の構成を示すブロック図である。この実施形態は第1の実施形態の変形であって、試験信号加算部42の構成が第1の実施形態と異なる。
【0030】
第4の実施形態では、試験信号加算部42は、第1の実施形態と同様の試験関数発生器29と、試験関数発生器29の設定を行なうための設定器26と、試験信号加算器28とを備えているほかに、デッドバンド演算器27と、デッドバンド演算器27の設定を行なうための設定器50とを有する。
【0031】
図7は、この第4の実施形態におけるデッドバンド演算器27の特性の例を示すグラフである。図7に示すように、デッドバンド演算器27の出力は、設定器50で設定された範囲、たとえば設定範囲−s3から+s3の間の入力に対して出力がゼロになる。また、設定範囲外の入力に対しては、入力と同じ値をそのまま出力する。
【0032】
図6に示すように、減算器17の出力である偏差信号18は、デッドバンド演算器27に入力される。デッドバンド演算器27の出力と試験関数発生器29の出力が試験信号加算器28に入力され、試験信号加算器28の出力である調整基礎信号43が比例器20に入力される。比例器20の出力である調整信号21が協調制御加算器23に入力されるのは第1の実施形態と同様である。
【0033】
この実施形態によれば、ガバナ・出力応答試験を行なうために、回転数が一定変動範囲では、回転数の変動にガバナが変動しないように不感帯を設ける周波数信号処理がなされる。すなわち、タービン回転数が一定変動範囲では、蒸気タービンの回転数の変動にガバナが追従しないように収めることができる。これにより、プラントの挙動を的確に把握できる。また、一定範囲を逸脱した場合には通常制御にて蒸気タービンの回転数を制御することができるので、安全にガバナ・出力応答試験を行なうことができる。
【0034】
[第5の実施形態]
図8は、本発明に係る発電プラントの第5の実施形態の構成を示すブロック図である。この実施形態は第1の実施形態の変形であって、試験信号加算部42の構成が第1の実施形態と異なる。
【0035】
第5の実施形態では、試験信号加算部42は、第1の実施形態と同様の試験関数発生器29と、試験関数発生器29の設定を行なうための設定器26と、試験信号加算器28とを備えているほかに、記憶器31と試験信号切り替え器30とを有する。
【0036】
この実施形態によれば、ガバナ出力応答試験時に、試験信号切り替え器30により、通常の信号からガバナ出力応答試験用信号に切り替える。このとき、試験直前の偏差信号18が記憶器31により保持されており、試験信号加算器28は、一定値になっている偏差信号18に、試験関数発生器29の出力を加算することになる。
【0037】
偏差信号18が所定の範囲内にあるときは、試験信号加算器28の出力を調整基礎信号43として、比例器20に入力する。この場合はガバナ・出力応答試験を続行する。
【0038】
偏差信号18が所定の範囲外にあるときは、その時点の偏差信号18が試験信号加算器28の出力となり、これを調整基礎信号43として比例器20に入力することになる。このばあいは、試験関数発生器29の出力は無視され、蒸気タービンの回転数制御を安全に行なうことができる。これにより、ガバナ・出力応答試験を安全に行なうことが可能となる。
【0039】
[他の実施形態]
以上説明した実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、各実施形態の特徴を種々に組み合わせることもできる。さらに具体例を挙げれば、第3ないし第5の実施形態は第1の実施形態の変形として説明したが、これら第3ないし第5の実施形態を、第2の実施形態からの変形とすることもできる。さらに、第4および第5の実施形態を、第3の実施形態からの変形とすることもできる。
【符号の説明】
【0040】
1 目標負荷指令信号
4 タービン回転数信号
5 関数変換器
6 系統周波数信号
7 加算器
8 負荷指令信号
9 交流発電機
11 発電機出力信号
12 減算器
14 ガバナ弁位置指令信号
15 比例・積分器
16 定格回転数設定器
17 減算器
18 偏差信号
19 ガバナ弁
20 比例器
21 調整信号
22 ガバナ弁指令信号
23 協調制御加算器
24 蒸気タービン
26 設定器
27 デッドバンド演算器
28 試験信号加算器
29 試験関数発生器
30 試験信号切り替え器
31 記憶器
32 設定値切り替え器
40 ボイラ・タービン協調制御部
41 ガバナ制御部
42 試験信号加算部
43 調整基礎信号
50 設定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
系統周波数および、蒸気タービンによって駆動される発電機の出力に基づいて、前記系統周波数が目標周波数に近づくように、前記蒸気タービンの出力を調節するガバナ弁位置指令信号を出力するボイラ・タービン協調制御部と、
前記蒸気タービンの定格回転数と前記蒸気タービンの回転数との偏差に基づく調整信号を出力し、この調整信号と前記ガバナ弁位置指令信号とを加算して前記ガバナ弁にガバナ弁指令信号を出力するガバナ制御部と、
を有する発電プラント制御装置であって、
前記ガバナ制御部は、
前記蒸気タービンの定格回転数を設定する定格回転数設定器と、
前記定格回転数設定器で設定された定格回転数と前記蒸気タービンの回転数の偏差信号を出力する減算器と、
前記偏差信号に模擬試験信号を加算して調整基礎信号を出力する試験信号加算部と、
前記調整基礎信号に比例処理を行なって前記調整信号を出力する比例器と、
前記調整信号に前記ガバナ弁位置指令信号を加算して前記ガバナ弁指令信号を出力する協調制御加算器と、
を具備すること、
を特徴とする発電プラント制御装置。
【請求項2】
前記試験信号加算部は、
所定の試験関数を発生する試験関数発生器と、
前記試験関数発生器の出力を前記偏差信号に加算して前記調整基礎信号を出力する試験信号加算器と、
を具備すること、
を特徴とする請求項1に記載の発電プラント制御装置。
【請求項3】
前記試験信号加算部は、
複数の設定値を設定できる設定器と、
一時には前記設定器で設定された複数の設定値のうちの一つを前記調整基礎信号として出力するように切り替える設定値切り替え器と、
前記設定値切り替え器からの出力を前記偏差信号に加算して前記調整基礎信号を出力する試験信号加算器と、
を具備すること、
を特徴とする請求項1に記載の発電プラント制御装置。
【請求項4】
前記ボイラ・タービン協調制御部は、前記蒸気タービンの回転数を前記系統周波数として入力することができるように構成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発電プラント制御装置。
【請求項5】
前記試験信号加算部は、前記偏差信号が所定の範囲内にあるときに当該偏差信号をゼロ信号に変換するデッドバンド演算器を含み、このデッドバンド演算器の出力に前記模擬試験信号を加算して前記調整基礎信号を出力すること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の発電プラント制御装置。
【請求項6】
前記試験信号加算部は、
前記偏差信号を保持する記憶器と、
前記偏差信号が所定の範囲内にあるときは、前記記憶器に保持された一定の偏差信号に前記模擬試験信号を加算したものを前記調整基礎信号として出力し、前記偏差信号が前記所定の範囲から外れたときは当該偏差信号を前記調整基礎信号として出力するように切り替える試験信号切り替え器と、
を具備すること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の発電プラント制御装置。
【請求項7】
蒸気タービンと、
前記蒸気タービンに供給される蒸気流量を調節するガバナ弁と、
前記蒸気タービンによって駆動される発電機と、
系統周波数および前記発電機の出力に基づいて、前記発電機が接続されている電力系統の系統周波数が目標周波数に近づくように、前記蒸気タービンの出力を調整するガバナ弁位置指令信号を出力するボイラ・タービン協調制御部と、
前記蒸気タービンの定格回転数と前記蒸気タービンの回転数との偏差に基づく調整信号を出力し、この調整信号と前記ガバナ弁位置指令信号とを加算して前記ガバナ弁にガバナ弁指令信号を出力するガバナ制御部と、
を有する発電プラント制御装置であって、
前記ガバナ制御部は、
前記蒸気タービンの定格回転数を設定する定格回転数設定器と、
前記定格回転数設定器で設定された定格回転数と前記蒸気タービンの回転数の偏差信号を出力する減算器と、
前記偏差信号に模擬試験信号を加算して調整基礎信号を出力する試験信号加算部と、
前記調整基礎信号に比例処理を行なって前記調整信号を出力する比例器と、
前記調整信号に前記ガバナ弁位置指令信号を加算して前記ガバナ弁指令信号を出力する協調制御加算器と、
を具備すること、
を特徴とする発電プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−77617(P2012−77617A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220389(P2010−220389)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】