説明

皮膚化粧料及び飲食品

【課題】天然抽出物を含有した抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤、美白剤、皮膚化粧料又は飲食品を提供する。
【解決手段】抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤、美白剤、皮膚化粧料又は飲食品に、鳳凰木(Delonix regina,Delonix regia)からの抽出物を有効成分として含有せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤、美白剤、皮膚化粧料及び飲食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、特に生体成分を酸化させる要因として、活性酸素が注目されており、その生体への悪影響が問題となっている。活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、活性酸素としては、スーパーオキサイド(すなわち酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン:・O)、過酸化水素(H)、ヒドロキシラジカル(・OH)及び一重項酸素()等が挙げられる。これらの活性酸素は、食細胞の殺菌機構にとって必須であり、ウイルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしている。
【0003】
しかしながら、活性酸素の過剰な生成は、生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発する。通常、生体内で生産され、他の活性酸素の出発物質ともなっているスーパーオキサイドは、細胞内に含まれているスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)の触媒作用により逐次消去されているが、スーパーオキサイドの産生が過剰である場合、又はSODの作用が低下している場合には、スーパーオキサイドの消去が不十分となり、スーパーオキサイド濃度が高くなり、これが関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、心筋梗塞、脳卒中、白内障、シミ、ソバカス、しわ、糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性等を引き起こす。
【0004】
特に、皮膚は、紫外線等の環境因子の刺激を直接受けることから、スーパーオキサイドが生成しやすい器官であるため、スーパーオキサイド濃度の上昇により、例えば、コラーゲン等の生体組織を分解し、変性し又は架橋したり、油脂類を酸化して細胞に障害を与える過酸化脂質を生成したりすると考えられており、活性酸素によって引き起こされる障害が、皮膚のシワ形成や皮膚の弾力低下等の老化の原因になるものと考えられている(非特許文献1参照)。したがって、活性酸素や生体内ラジカルの生成を阻害・抑制することにより、シワ形成や弾力低下等の皮膚の老化や、関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、心筋梗塞、脳卒中、白内障、シミ、ソバカス、糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性等の活性酸素が関与する各種障害を予防、治療又は改善できるものと考えられる。
【0005】
そこで、活性酸素消去物質、過酸化水素消去物質等を安全性の点で有利な天然物から得る試みがなされており、このような作用を有するものとして、アブラナ科ブラシカ属植物からの抽出物(特許文献1参照)、ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属植物からの抽出物(特許文献2参照)等が知られている。
【0006】
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドであり、細胞内の主要なシステイン残基を有する化合物である。細胞内におけるグルタチオンは、ラジカルの捕捉、酸化還元による細胞機能の調節、各種酵素のSH供与体としての機能を果たすものであり、抗酸化成分としても知られている。その作用発現は、システイン残基に由来すると考えられている。しかしながら、皮膚中のグルタチオン量は、加齢により低下することが報告されており、このことが皮膚における酸化防御能を低下させ、細胞のDNA及びタンパク質等の構成成分にダメージを与える一因であると考えられている。
【0007】
すなわち、皮膚においてグルタチオンの産生を促進することは、加齢により衰える酸化ストレスに対する防御能を高め、かつ紫外線照射に起因する酸化ストレスによる障害を抑制することにつながり、皮膚の老化の予防、治療、又はシミ等の色素沈着に対する改善が期待できると考えられる。このような考えに基づき、グルタチオン産生促進作用を有するものとして、ビルベリー抽出物及びウォルナット抽出物(特許文献3参照)、クチナシ属植物の抽出物(特許文献4参照)等が知られている。
【0008】
炎症性疾患、例えば、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡、その他肌荒れを伴う各種皮膚疾患等の原因及び発症機構は、多種多様である。その原因として、一酸化窒素(以下「NO」と称することもある。)の産生によるもの、主にマクロファージから産生される腫瘍壊死因子(以下「TNF−α」と称することもある。)によるもの、ヒアルロニダーゼの活性の亢進によるもの、ヒスタミンの遊離によるもの、及び血小板凝集によるもの等が知られている。
【0009】
NOは、大気汚染、酸性雨等の原因となる窒素酸化物である。また、近年、NOは、血管内皮由来弛緩因子(EDRF)、神経伝達物質、生態防御における微生物、腫瘍細胞の障害因子等、生体内で多彩な機能を示す生理活性物質であることが報告されている。生理活性物質としては、マクロファージから産生されるNOが、細菌及びウイルスの感染を防御することが知られている。
【0010】
しかし、マクロファージからNOが大量に産生されると、生体にとって無毒ではなく、自己組織の破壊を引き起こし、炎症の悪化、リウマチ、糖尿病等の病態の原因となることがある。また、大量に産生されたNOが、血管平滑筋の弛緩と過剰な透過性の増大とをもたらし、著しい血圧の低下によってエンドトキシンショックを引き起こすこともある。
【0011】
したがって、NOの過剰な産生を抑制することが炎症性疾患の予防、治療又は改善を促進する上で重要となる。このような過剰なNO産生を抑制する作用を有するものとして、例えば、ローズマリー抽出液、カルノソール、カルノシン酸、コーヒー豆抽出液、サクラダソウ抽出液、オウレン抽出液、オウバク抽出液、カンゾウ抽出液、イヌノイバラ抽出液、センキュウ抽出液、トウニン抽出液、シャクヤク抽出液、ヨクイニン抽出液及びアカブドウ抽出液(特許文献5参照)、唐独活、タラ根皮、和続断、車前子、遠子、茜草根、半枝連、槐花及び花椒(非特許文献2参照)等が知られている。
【0012】
TNF−αは、腫瘍を壊死させる因子として見出されたが、最近では腫瘍に対してだけでなく、正常細胞の機能を調節するメディエーター的な役割を担うサイトカインであると考えられている。TNF−αは、炎症の初発から終息までの過程において重要な役割を担っているが、その持続的かつ過剰な産生は、皮膚を含めた組織の障害を引き起こし、全身的には発熱やカクケシアの原因となり、炎症の悪化を引き起こす。このような炎症としては、例えば、関節リウマチ、変形性関節症等の慢性炎症性疾患が代表的である。したがって、病的な炎症においては、TNF−αの過剰な産生を抑制することが重要となる。このようなTNF−α産生抑制作用を有するものとして、例えば、シソ抽出液(非特許文献3参照)、ヒガンバナ科アルカロイドのリコリン及びリコシジノール(非特許文献4参照)等が知られている。
【0013】
ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸の加水分解酵素である。体組織への親和性を保つヒアルロン酸塩は、含水系の中では紫外線、酸素等によって分解され、分子量の低下に伴って保水効果も減少する。また、ヒアルロン酸は、生体内において細胞間組織として存在し、血管透過性にも関与している。さらに、ヒアルロニダーゼは、肥満細胞中に存在するが、その活性化により起こる脱顆粒により遊離され、炎症系ケミカルメディエーターとして作用する。したがって、ヒアルロニダーゼの活性を阻害することで、保湿の強化及び炎症の予防・軽減が期待される。このようなヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有するものとして、たとえば、オスベッキア属植物の抽出物(特許文献6参照)、藤茶抽出物(特許文献7参照)等が知られている。
【0014】
ヒスタミン遊離は、肥満細胞内のヒスタミンが細胞外に遊離する現象であり、遊離されたヒスタミンが炎症反応を引き起こす。そのため、ヒスタミン遊離を阻害又は抑制する物質により、アレルギー性疾患及び炎症性疾患を予防又は治療する試みがなされている。しかし、ヒスタミンの遊離を直接的に評価することは困難であり、ヒスタミンの遊離と同時に遊離されることが確認されているヘキソサミニダーゼの遊離を指標にヒスタミンの遊離を評価することができる。したがって、ヘキソサミニダーゼの遊離を抑制することにより、同時にヒスタミンの遊離も抑制でき、これにより炎症性疾患等の予防、治療又は改善に効果があるものと考えられる。このようなヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用を有するものとして、たとえば、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、バイカリン、バイカレイン及び塩酸プロメタジン等が知られているが、これらの物質はいずれも副作用が強く、安全性の面で問題があるものである。
【0015】
血小板が凝集して活性化することにより、生理的には止血、病理的には血栓形成を生じることが知られている。この血小板の凝集は、アラキドン酸カスケードのホスホリパーゼAの活性化を招き、それによりロイコトリエンB及びプロスタグランジンE等が放出される。そのため、血小板の凝集は、炎症の生じる一因として知られている他、動脈硬化の進展、癌転移等に関与していると考えられている。このため、血小板の凝集を阻害・抑制することにより炎症性疾患を予防・改善することができると考えられている。血小板凝集抑制作用を有するものとしては、例えば、コウサンフウ抽出物(特許文献8参照)、藤茶抽出物(特許文献9参照)等が知られている。
【0016】
皮膚の老化には、様々な因子が複雑に関与している。皮膚の老化の予防又は遅延を目的として、例えば、皮膚に存在し皮膚の分解に関与するマトリックス系プロテアーゼの活性阻害、女性ホルモンの減少抑制、皮膚の新陳代謝の遅延を防止する細胞増殖、紫外線や活性酸素による障害の予防・低減、角層の成熟に不可欠なコーニファイドエンベロープの形成を誘導するトランスグルタミナーゼの産生促進、及びタンパク質と糖との共存で非酵素的に反応するメイラード反応の抑制等が盛んに研究されている。
【0017】
皮膚の表皮及び真皮は、表皮細胞、線維芽細胞及びこれらの細胞の外にあって皮膚構造を支持するエラスチン、コラーゲン等の細胞外マトリックスにより構成されている。若い皮膚においては、これら皮膚組織の相互作用が恒常性を保つことにより水分保持、柔軟性、弾力性等が確保され、肌は外見的にも張りや艶があってみずみずしい状態に維持される。
【0018】
ところが、紫外線の照射、空気の著しい乾燥、過度の皮膚洗浄等、ある種の外的因子の影響があったり、加齢が進んだりすると、細胞外マトリックスの主要構成成分であるエラスチンが分解・変質し、また、コラーゲンの産生量が減少するとともに架橋による弾力性低下を引き起こす。その結果、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、角質の異常剥離が生じるため、肌は、張りや艶を失い、肌荒れ、シワ等の老化症状を呈するようになる。このように、皮膚の老化に伴う変化、すなわち、シワ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等には、コラーゲン、エラスチン等の真皮マトリックス成分の減少、変性等が関与している。
【0019】
近年、皮膚の老化に伴う変化を誘導する因子として、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs;Matrix metalloproteinases)の関与が指摘されている。このMMPsの中でも、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)は、皮膚の真皮細胞外マトリックスの主要構成成分であるコラーゲンを分解する酵素として知られているが、その発現は紫外線の照射により大きく増加し、コラーゲンの減少・変性の一因となり、皮膚のシワの形成、弾力性の低下等の大きな要因となると考えられている。したがって、MMP−1の活性を阻害することは、皮膚の老化症状を予防・改善する上で重要である。このようなMMP−1阻害作用を有するものとしては、例えば、ヒマラヤザクラからの抽出物(特許文献10参照)、ショウガ科ジンギバーカッサムナー又はクワ科フィカスネリフォリアからの抽出物(特許文献11参照)等が知られている。
【0020】
加齢に伴う皮膚老化の一因は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減退することにある。すなわち、エストロゲンは成人女性の健康維持に深く関わっており、その分泌不足は種々の内科的疾患を招くほか、肌の過敏症、弾力性の低下、潤いの減少等、好ましくない肌の変化の原因となったり、閉経後の女性等におけるエストロゲンの欠乏は、冠動脈性心臓疾患や骨粗鬆症の原因となったりすることが知られている。
【0021】
そこで、エストロゲンの分泌が衰える更年期以降の女性に対して、エストロゲンと同様の作用を有する物質を配合した薬剤を、経皮的又は経口的に投与することが行われている。このようなエストロゲン様作用を有するものとしては、例えば、ツルゲンゲからの抽出物(特許文献12参照)、ストリガ属に属する植物からの抽出物(特許文献13参照)等が知られている。
【0022】
表皮は、最下層である基底層から始まって、有棘層、顆粒層、角層へと連なる4層構造からなるが、各層に存在する大部分の細胞は、基底層から分化した角化細胞である。通常、角化細胞は基底層で産生され、徐々に上層に分化しながら移動して角質細胞となって角層を構成し、最終的に垢として角層から脱落していく。
【0023】
角層は皮膚の最外殻に存在しており、外界からの刺激に対する物理的なバリアとしての役割を果たしている。皮膚ではこのバリア機能を持たせるため、角化細胞が基底層で産生されてから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクル(角化)を通常4週間の周期で繰り返し、表皮の新陳代謝を行っている。しかしながら、この角層も加齢によって新陳代謝機能が衰え、こじわ、くすみ、色素沈着、肌荒れ等の皮膚トラブルを発生することになる。そのため、角化細胞の増殖を促進し、肌の新陳代謝機能を回復させることにより、こじわ、くすみ、色素沈着等の皮膚の老化を改善できるものと考えられる。このような考えに基づき、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、タイソウ抽出物(特許文献14参照)、土貝母からの抽出物(特許文献15参照)等が知られている。
【0024】
紫外線を過度に浴びると、紫外線の刺激により皮膚の細胞が活性酸素やサイトカイン等を産生し、細胞自身や周りの細胞に働きかけ、日焼け等の急性炎症反応、すなわち、皮膚に水疱等の炎症が形成され、ひいては色素沈着を生じる等の悪影響をもたらす。また、このとき生じた活性酸素は、DNAの損傷を引き起こすことが知られている。DNAに損傷が生じた細胞では、細胞内にp53と呼ばれる癌抑制遺伝子タンパク質が発現し、このタンパク質がDNA損傷の度合いにより、DNAの修復、細胞周期の停止、アポトーシスを誘導することが知られている。皮膚中におけるアポトーシスの増加は、組織再生能の低下につながり、皮膚の老化を促進する原因となり得る。したがって、紫外線照射によって生じる障害を予防・改善することができれば、皮膚の保湿能力、弾力性、バリア機能等の皮膚機能を維持することにもつながると考えられる。
【0025】
また、紫外線の慢性的な暴露は、皮膚の老化(光老化)を促進し、シミ、シワのみならず、皮膚癌の一因であることが知られている。その結果として、皮膚の老化やシワの形成等が生じ、皮膚機能が低下すると考えられている。したがって、紫外線によって誘発される皮膚の炎症反応や、その後に生じる皮膚機能の障害を予防・改善することは、皮膚の老化や癌を予防・改善することにもつながると考えられる。
【0026】
従来、紫外線照射による障害を予防する方法として、ベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機紫外線散乱剤を配合したサンスクリーン製品が用いられている(特許文献16〜18参照)。しかしながら、これらのサンスクリーン製品は、高い紫外線防御効果が得られるものの、使用感の問題や、耐摩擦性、耐汗性等の物理的耐久性の限界から、継続的な予防効果として満足することができるものではなく、紫外線吸収剤で炎症を起こしてしまう等、安全性の点でも問題となっている。また、紫外線に暴露された後に生じる炎症やその後に引き起こされる障害等を予防・改善することのできる製剤の開発が望まれている。このような紫外線(UV−B)照射によるダメージからの回復作用を有するものとして、例えば、カンゾウの根からの抽出物(特許文献19参照)等が知られている。
【0027】
表皮は、基底層、有棘層、顆粒層及び角層から構成されており、外部刺激を緩和し、水分等の体内成分の逸失を制御する働きを有している。基底層で分裂し、増殖した細胞は、有棘層、顆粒層を通過しながら分化し、強固な架橋結合をもったケラチン蛋白線維で構成された角層になり、最終的には垢として角層から脱落する。特に、顆粒層では、細胞膜が肥厚して肥厚細胞膜を形成するとともに、トランスグルタミナーゼ−1の作用により、タンパク分子間がグルタミル−リジン架橋され、コーニファイドエンベロープ(CE)が形成される。さらに、その一部にセラミド等が共有結合し、疎水的な構造をとることで、細胞間脂質のラメラ構造の土台を供給し、角質バリア機能及び皮膚の保湿機能の基礎が形成される。
【0028】
しかし、加齢とともに表皮におけるトランスグルタミナーゼ−1の産生量が減少すると、角質バリア機能及び皮膚の保湿機能が低下するため、肌荒れ、乾燥肌等の皮膚の老化症状を呈したり、乾燥性皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬等)を発症したりするようになる。そのため、表皮におけるトランスグルタミナーゼ−1の産生を促進することにより、皮膚の老化症状や乾燥性皮膚疾患等を予防、治療又は改善することができると考えられる。このようなトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用を有するものとして、ニガリ又はその構成成分である塩化カルシウム(特許文献20参照)、フロリジン及び/又はフロレチン(特許文献21参照)等が知られている。
【0029】
近年、メイラード(Maillard)反応が、皮膚の褐変、老化現象に深く関与していることが報告されている。メイラード反応は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質のアミノ基、ケトン、アルデヒド、特に還元糖が反応して褐色色素を生成するもので、食品分野では、その褐色と風味とが広く利用され、また研究されている。また、メイラード反応は、食品の劣化の指標となる場合もあるため、メイラード反応の抑制に関する研究も進められている。この反応生成物である褐変した色素の存在と蓄積とが、皮膚においても確認されている(非特許文献5,6参照)。この反応が、皮膚コラーゲンについても起こり、特に加齢に伴うコラーゲンの変性による皮膚の張り及び艶の消失の一因となることが報告されている。このようなメイラード反応抑制作用を有するものとして、例えば、カルカデ、ハイビスカス、シャゼンシ、トウニン、マロニエ、ケイシ、ゴミシ、シコン、センナ、トシシ及びビャッキュウからの抽出物(特許文献22参照)等が知られている。
【0030】
体内の脂肪は、消費エネルギーに対し摂取エネルギーが過剰である場合に、その過剰分が白色脂肪細胞の中性脂肪として蓄積するものである。体脂肪の蓄積によって生じる肥満は、美容上好ましくないばかりでなく、動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群等の様々な疾病を引き起こす。昨今は飽食の時代であり、過食、運動不足、ストレス等による肥満が増加し、美容の観点からも男女を問わず大きな問題となっている。したがって、皮下脂肪等の蓄積は、健康上も好ましくなく、皮下脂肪等の減少・分解、又は蓄積の防止が重要な問題となっている。生体内の脂肪を分解するためには、脂肪細胞に蓄積されたトリグリセライドを分解し、遊離脂肪酸として血液中にて代謝する機構が考えられる。このような脂肪分解促進作用を有するものとして、例えば、エンドウの若芽からの抽出物(特許文献23参照)、カバノキ科シラカバからの抽出物及び/又はイネ科クマザサからの抽出物(特許文献24参照)等が知られている。
【特許文献1】特開2003−81848号公報
【特許文献2】特開2005−29483号公報
【特許文献3】特開2006−241062号公報
【特許文献4】特開2006−347934号公報
【特許文献5】特開2002−87975号公報
【特許文献6】特開2003−55242号公報
【特許文献7】特開2003−12532号公報
【特許文献8】特開2002−53477号公報
【特許文献9】特開2001−97873号公報
【特許文献10】特開2003−176232号公報
【特許文献11】特開2003−176230号公報
【特許文献12】特開2005−220100号公報
【特許文献13】特開2004−345982号公報
【特許文献14】特開2006−316028号公報
【特許文献15】特開2006−56854号公報
【特許文献16】特開平6−305949号公報
【特許文献17】特開平7−145029号公報
【特許文献18】特開平8−259419号公報
【特許文献19】特開2004−250368号公報
【特許文献20】特開2007−106712号公報
【特許文献21】特開2004−51596号公報
【特許文献22】特開平11−106336号公報
【特許文献23】特開2004−256464号公報
【特許文献24】特開2006−045120号公報
【非特許文献1】「フレグランスジャーナル臨時増刊」,1995年,No.14,p.156
【非特許文献2】「和漢医薬学雑誌」,1998年,Vol.15,p.302-303
【非特許文献3】「炎症」,1993年,Vol.13,No.4,p.337-340
【非特許文献4】「薬学雑誌」,2001年,Vol.121,No.2,p.167-171
【非特許文献5】「Z. Ernaehrungswiss」,1991年,Vol.30,p.29-45
【非特許文献6】「Science」,1981年,Vol.211,No.4481,p.491-493
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明は第一に、安全性の高い天然物の中からスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用及びグルタチオン産生促進作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有するものを見出し、それを有効成分とする抗酸化剤を提供することを目的とする。
【0032】
本発明は第二に、安全性の高い天然物の中から一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用及び血小板凝集抑制作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有するものを見出し、それを有効成分とする抗炎症剤を提供することを目的とする。
【0033】
本発明は第三に、安全性の高い天然物の中からマトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用及びメイラード反応阻害作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有するものを見出し、それを有効成分とする抗老化剤を提供することを目的とする。
【0034】
本発明は第四に、安全性の高い天然物の中から脂肪分解促進作用を有するものを見出し、それを有効成分とする抗肥満剤又は脂肪分解促進剤を提供することを目的とする。
【0035】
本発明は第五に、安全性の高い天然物の中からグルタチオン産生促進作用を有するものを見出し、それを有効成分とする美白剤を提供することを目的とする。
【0036】
本発明は第六に、安全性の高い天然物の中からスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用及び脂肪分解促進作用のうちの少なくともいずれか1つの作用を有するものを見出し、それを配合した皮膚化粧料又は飲食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
上記課題を解決するため、本発明の抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤及び美白剤は、鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とし、本発明の皮膚化粧料及び飲食品は、鳳凰木からの抽出物を配合したことを特徴とする。
【0038】
本発明の抗酸化剤においては、上記抽出物が、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用及びグルタチオン産生促進作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することが好ましく、本発明の抗炎症剤においては、上記抽出物が、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用及び血小板凝集抑制作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することが好ましく、本発明の抗老化剤においては、上記抽出物が、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用及びメイラード反応阻害作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、天然物である鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有し、安全性に優れた抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤、美白剤、皮膚化粧料又は飲食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明について説明する。
〔抗酸化剤,抗炎症剤,抗老化剤,抗肥満剤,脂肪分解促進剤,美白剤〕
本発明の抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤は、鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有する。
【0041】
ここで本発明において「鳳凰木からの抽出物」には、鳳凰木を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0042】
本発明において使用する抽出原料は、鳳凰木(学名:Delonix regina,Delonix regia)である。
【0043】
鳳凰木(Delonix regina,Delonix regia)は、マメ科ホウオウボク属に属する15〜20mの高木であり、別名、火炎樹とも呼ばれ、シンガポール、インドネシア、沖縄等では街路樹、緑陰樹として広く植えられており、これらの地域から容易に入手することができる。抽出原料として使用し得る鳳凰木の構成部位としては、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、花部、地上部、根部又はこれらの部位の混合物等が挙げられるが、好ましくは葉部等の地上部である。
【0044】
鳳凰木からの抽出物に含有されるスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用又は脂肪分解促進作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法によって、鳳凰木からこれらの作用を有する抽出物を得ることができる。
【0045】
例えば、上記植物を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用又は脂肪分解促進作用を有する抽出物を得ることができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、鳳凰木の極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0046】
抽出溶媒としては、極性溶媒を用いるのが好ましく、例えば、水、親水性有機溶媒等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用することが好ましい。
【0047】
抽出溶媒として使用し得る水としては、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0048】
抽出溶媒として使用することのできる親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等が挙げられる。
【0049】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と低級脂肪族アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族アルコール1〜90容量部を混合することが好ましく、水と低級脂肪族ケトンとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して低級脂肪族ケトン1〜40容量部を混合することが好ましく、水と多価アルコールとの混合液を使用する場合には、水10容量部に対して多価アルコール10〜90容量部を混合することが好ましい。
【0050】
抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5〜15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0051】
精製は、例えば、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等により行うことができる。得られた抽出液はそのままでも抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤の有効成分として使用することができるが、濃縮液又は乾燥物としたものの方が使用しやすい。
【0052】
鳳凰木からの抽出物は特有の匂いを有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行うことも可能であるが、皮膚化粧料又は飲食品に配合する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
【0053】
以上のようにして得られる鳳凰木からの抽出物は、抗酸化作用、抗炎症作用、抗老化作用、抗肥満作用、脂肪分解促進作用又は美白作用を有しているため、それぞれの作用を利用して抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤の有効成分として用いることができる。
【0054】
ここで、鳳凰木からの抽出物が有する抗酸化作用は、例えば、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用及びグルタチオン産生促進作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用に基づいて発揮される。ただし、鳳凰木からの抽出物が有する抗酸化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗酸化作用に限定されるものではない。なお、鳳凰木からの抽出物は、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用及びグルタチオン産生促進作用を有するため、それらの作用を利用して、スーパーオキサイド消去剤、過酸化水素消去剤及びグルタチオン産生促進剤の有効成分として利用することができる。
【0055】
鳳凰木からの抽出物が有する抗炎症作用は、例えば、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用及び血小板凝集抑制作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用に基づいて発揮される。ただし、鳳凰木からの抽出物が有する抗炎症作用は、上記作用に基づいて発揮される抗炎症作用に限定されるものではない。なお、鳳凰木からの抽出物は、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用及び血小板凝集抑制作用を有するため、それらの作用を利用して、一酸化窒素(NO)産生抑制剤、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制剤、ヒアルロニダーゼ阻害剤、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制剤及び血小板凝集抑制剤の有効成分として利用することができる。また、鳳凰木からの抽出物は、その血小板凝集抑制作用に基づいて、血小板凝集に起因する疾患(例えば、血栓症、虚血性心疾患等)の予防・治療剤の有効成分として利用することができる。
【0056】
鳳凰木からの抽出物が有する抗老化作用は、例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用及びメイラード反応阻害作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用に基づいて発揮される。ただし、鳳凰木からの抽出物が有する抗老化作用は、上記作用に基づいて発揮される抗老化作用に限定されるものではない。なお、鳳凰木からの抽出物は、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用及びメイラード反応阻害作用を有するため、それらの作用を利用して、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害剤、エストロゲン様作用剤、表皮角化細胞増殖促進剤、紫外線照射によるダメージ回復剤、過酸化水素による細胞障害抑制剤、トランスグルタミナーゼ−1産生促進剤及びメイラード反応阻害剤の有効成分として利用することができる。
【0057】
鳳凰木からの抽出物が有する抗肥満作用は、例えば、脂肪分解促進作用に基づいて発揮される。ただし、鳳凰木からの抽出物が有する抗肥満作用は、上記作用に基づいて発揮される抗肥満作用に限定されるものではない。
【0058】
鳳凰木からの抽出物が有する美白作用は、例えば、グルタチオン産生促進作用に基づいて発揮される。ただし、鳳凰木からの抽出物が有する美白作用は、上記作用に基づいて発揮される美白作用に限定されるものではない。
【0059】
本発明の抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤は、鳳凰木からの抽出物のみからなるものであってもよいし、上記抽出物を製剤化したものであってもよい。
【0060】
鳳凰木からの抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。鳳凰木からの抽出物は、他の組成物(例えば、後述する皮膚化粧料、飲食品等)に配合して使用することができるほか、軟膏剤、外用液剤、貼付剤等として使用することができる。
【0061】
なお、本発明の抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤は、必要に応じて、抗酸化作用、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、抗炎症作用、一酸化窒素産生抑制作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、抗老化作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用、抗肥満作用、脂肪分解促進作用又は美白作用を有する他の天然抽出物を配合して有効成分として用いることができる。
【0062】
本発明の抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤の投与方法としては、一般に経皮投与、経口投与等が挙げられるが、疾患の種類に応じて、その予防・治療等に好適な方法を適宜選択すればよい。また、本発明の抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤の投与量も、疾患の種類、重症度、患者の個人差、投与方法、投与期間等によって適宜増減すればよい。
【0063】
本発明の抗酸化剤は、鳳凰木からの抽出物が有するスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用及びグルタチオン産生促進作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を通じて、シワ形成や弾力低下等の皮膚の老化や、関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、心筋梗塞、脳卒中、白内障、シミ、ソバカス、糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性等の活性酸素が関与する各種障害を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の抗酸化剤は、これらの用途以外にもスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用及びグルタチオン産生促進作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0064】
本発明の抗炎症剤は、鳳凰木からの抽出物が有する一酸化窒素産生抑制作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用及び血小板凝集抑制作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を通じて、接触性皮膚炎(かぶれ)、乾癬、尋常性天疱瘡等の各種炎症性疾患を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の抗炎症剤は、これらの用途以外にも一酸化窒素産生抑制作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用及び血小板凝集抑制作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0065】
本発明の抗老化剤は、鳳凰木からの抽出物が有するマトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、及びメイラード反応阻害作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を通じて、皮膚の老化を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の抗老化剤は、これらの用途以外にもマトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、及びメイラード反応阻害作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0066】
本発明の抗肥満剤は、鳳凰木からの抽出物が有する脂肪分解促進作用を通じて、肥満症、それに伴う動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群等の様々な疾病を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の抗肥満剤は、こられの用途以外にも脂肪分解促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0067】
本発明の脂肪分解促進剤は、鳳凰木からの抽出物が有する脂肪分解促進作用を通じて、肥満症、それに伴う動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群等の様々な疾病を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の脂肪分解促進剤は、こられの用途以外にも脂肪分解促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0068】
本発明の美白剤は、鳳凰木からの抽出物が有するグルタチオン産生促進作用を通じて、紫外線による酸化ストレスに対する障害を抑制することができ、これにより紫外線の照射によるシミ等の色素沈着症等を予防、治療又は改善することができる。ただし、本発明の美白剤は、これらの用途以外にもグルタチオン産生促進作用を発揮することに意義のあるすべての用途にもちいることができる。
【0069】
〔皮膚化粧料〕
鳳凰木からの抽出物は、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、一酸化窒素産生抑制作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用又は脂肪分解促進作用を有しており、皮膚に適用した場合の使用感と安全性とに優れているため、皮膚化粧料に配合するのに好適である。
【0070】
この場合、皮膚化粧料には、鳳凰木からの抽出物を配合してもよいし、鳳凰木からの抽出物から製剤化した抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤を配合してもよい。
【0071】
鳳凰木からの抽出物、又はそれらから製剤化された抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤若しくは美白剤を皮膚化粧料に配合することによって、皮膚化粧料にスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、一酸化窒素産生抑制作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用又は脂肪分解促進作用を付与することができる。
【0072】
鳳凰木からの抽出物を配合し得る皮膚化粧料の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、ファンデーション、リップクリーム、口紅、入浴剤等が挙げられる。
【0073】
鳳凰木からの抽出物を皮膚化粧料に配合する場合、その配合量は、皮膚化粧料の種類に応じて適宜調整することができるが、好適な配合率は、標準的な抽出物に換算して約0.0001〜10質量%であり、特に好適な配合率は、標準的な抽出物に換算して約0.001〜1質量%である。
【0074】
本発明の皮膚化粧料は、鳳凰木からの抽出物が有するスーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、一酸化窒素産生抑制作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用又は脂肪分解促進作用を妨げない限り、通常の皮膚化粧料の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料等を併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された上記成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
【0075】
〔飲食品〕
鳳凰木からの抽出物は、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用、グルタチオン産生促進作用、一酸化窒素産生抑制作用、TNF−α産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用、血小板凝集抑制作用、マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用、メイラード反応阻害作用又は脂肪分解促進作用を有しており、消化管で消化されるようなものではないことが確認されており、安全性にも優れているため、飲食品に配合するのに好適である。
【0076】
この場合に、鳳凰木からの抽出物をそのまま配合してもよいし、鳳凰木からの抽出物から製剤化した抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤又は美白剤を配合してもよい。
【0077】
上記鳳凰木からの抽出物、又はそれから製剤化した抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤若しくは美白剤を飲食品に配合する場合、それらにおける有効成分の配合量は、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜変更することができるが、添加対象飲食品の一般的な摂取量を考慮して、成人1日あたりの抽出物摂取量が約1〜1000mgになるようにするのが好ましい。
【0078】
本発明の飲食品は、鳳凰木からの抽出物をその活性を妨げないような任意の飲食品に配合したものであってもよいし、鳳凰木からの抽出物を主成分とする栄養補助食品であってもよい。
【0079】
本発明の飲食品を製造する際には、例えば、デキストリン、デンプン等の糖類;ゼラチン、大豆タンパク、トウモロコシタンパク等のタンパク質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、アラビアゴム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類などの任意の助剤を添加して任意の形状の飲食品にすることができる。
【0080】
鳳凰木からの抽出物を配合し得る飲食品は特に限定されないが、その具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物;その他種々の形態の健康・栄養補助食品;錠剤、カプセル剤、ドリンク剤などが挙げられ、これらの飲食品に上記鳳凰木からの抽出物を配合するときに、通常用いられる補助的な原料や添加物を併用することができる。
【0081】
なお、本発明の抗酸化剤、抗炎症剤、抗老化剤、抗肥満剤、脂肪分解促進剤、美白剤、皮膚化粧料又は飲食品は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例】
【0082】
以下、製造例、試験例及び配合例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の各例に何ら制限されるものではない。
【0083】
〔製造例1〕鳳凰木抽出物の製造
鳳凰木の葉部の粗粉砕物100gに抽出溶媒1000mLを加え、穏やかに攪拌しながら80℃にて2時間保ち、熱時濾過した。得られた抽出液を40℃で減圧下にて濃縮し、減圧乾燥機で乾燥して鳳凰木葉部抽出物を得た(試料1〜3)。抽出溶媒として、水、50容量%エタノール(水とエタノールとの容量比1:1)、80容量%エタノール(水とエタノールとの容量比1:4)を用いたときの各抽出物の収率を表1に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
〔試験例1〕スーパーオキサイド消去作用試験(NBT法)
製造例1により得られた鳳凰木葉部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにしてスーパーオキサイド消去作用を試験した。
【0086】
試験管に3mMのキサンチン、0.05MのNaCO緩衝液(pH10.2)、3mMのEDTA、50μg/mLのウシ血清アルブミン溶液、及び0.75mMのNBT(nitroblue tetrazolium)を0.1mLずつ加え、これに各試料溶液(試料1〜3)0.1mLを添加し、25℃で10分間放置した。放置後、酵素溶液としてのキサンチンオキシダーゼ溶液0.1mLを加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mMの塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させて、波長560nmにおける吸光度を測定した。
【0087】
酵素溶液を添加しない場合についても、同様の操作と吸光度の測定を行い、さらに、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた結果から、下記式によりスーパーオキサイド消去率(%)を算出した。
【0088】
スーパーオキサイド消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
上記式において、Aは「酵素溶液添加・試料溶液添加時の吸光度」を、Bは「酵素溶液無添加・試料溶液添加時の吸光度」を、Cは「酵素溶液添加・試料溶液無添加時の吸光度」を、Dは「酵素溶液無添加・試料溶液無添加時の吸光度」を示す。
【0089】
試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記スーパーオキサイド消去率の測定を行い、スーパーオキサイド消去率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
上記試験の結果を表2に示す。
【0090】
【表2】

【0091】
表2に示すように、鳳凰木葉部抽出物は、優れたスーパーオキサイド消去作用を有することが確認された。また、スーパーオキサイド消去作用の程度は、鳳凰木葉部抽出物の濃度によって調節できることが確認された。
【0092】
〔試験例2〕過酸化水素消去作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにして過酸化水素消去作用を試験した。
【0093】
1.5mMの過酸化水素溶液10μLに試料溶液(試料1〜3)10μLを加え、37℃で20分間反応させた後、発色溶液(100mMのDA−64(和光純薬社製)、0.5質量%トライトンX−100を含有する0.1MのPIPES緩衝液(pH7.0)100mLに100units/mLのペルオキシダーゼ1mLを添加し、全量を100mLに調整したもの)2.98mLを添加し、37℃で5分間インキュベートした。その後、波長727nmにおける吸光度を測定した。
【0094】
過酸化水素の標準溶液を添加していない場合についても、同様の操作と吸光度測定を行い、さらに、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。得られた結果から、下記式により過酸化水素消去率(%)を算出した。
【0095】
過酸化水素消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
上記式において、Aは「過酸化水素標準溶液添加・試料溶液添加時の吸光度」を、Bは「過酸化水素標準溶液無添加・試料溶液添加時の吸光度」を、Cは「過酸化水素標準溶液添加・試料溶液無添加時の吸光度」を表し、Dは「過酸化水素標準溶液無添加・試料溶液無添加時の吸光度」を表す。
【0096】
試料濃度を段階的に減少させて上記過酸化水素消去率の測定を行い、過酸化水素の消去率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
上記試験の結果を表3に示す。
【0097】
【表3】

【0098】
表3に示すように、鳳凰木葉部抽出物は、優れた過酸化水素消去作用を有することが確認された。また、過酸化水素消去作用の程度は、鳳凰木葉部抽出物の濃度により調節できることが確認された。
【0099】
〔試験例3〕グルタチオン産生促進作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにしてグルタチオン産生促進作用を試験した。
【0100】
ヒト正常皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を10%FBS含有α−MEMを用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10cells/mLの細胞密度に10%FBS含有α−MEMで希釈した後、48ウェルプレートに1ウェルあたり200μLずつ播種し、一晩培養した。培養後、1%FBS含有D−MEMで溶解した試料溶液(試料3,試料濃度:200μg/mL)を各ウェルに200μL添加し、24時間培養した。培養終了後、各ウェルから培地を抜き、400μLのPBS(−)にて洗浄後、150μLのM−PER(PIERCE社製)を用いて細胞を溶解した。このようにして得られた細胞溶解液100μLを用いて、総グルタチオンの定量を下記のようにして行った。
【0101】
細胞溶解液100μL、0.1Mのリン酸緩衝液50μL、2mMのNADPH25μL及びグルタチオンレダクターゼ25μL(終濃度17.5unit/mL)を加え、37℃で10分間加温した後、10mMの5,5'-dithiobis(2-nitrobenzoic acid)25μLを加え、5分後までの波長412nmにおける吸光度を測定し、ΔOD/minを求めた。総グルタチオン濃度は、酸化型グルタチオンを用いて作成した検量線をもとに算出した。得られた値を総タンパク量あたりのグルタチオン量に補正した後、下記式によりグルタチオン産生促進率(%)を算出した。
【0102】
グルタチオン産生促進率(%)=B/A×100
上記式において、Aは「試料無添加時の細胞中における総タンパク量あたりのグルタチオン量」を、Bは「試料添加時の細胞中における総タンパク量あたりのグルタチオン量」を表す。
上記試験の結果を表4に示す。
【0103】
【表4】

【0104】
表4に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れたグルタチオン産生促進作用を有することが確認された。
【0105】
〔試験例4〕一酸化窒素(NO)産生抑制作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにして一酸化窒素(NO)産生抑制作用を試験した。
【0106】
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7細胞,大日本製薬社製)を、10%FBSを添加したDMEM培地(日水製薬社製)にて前培養後、セルスクレーパーにより細胞を回収した。回収した細胞を3.0×10cells/mLの細胞密度になるように10%FBSを含有しフェノールレッドを含有しないD−MEMで希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、4時間培養した。培養終了後、培地を抜き、終濃度2%のDMSOを含む10%FBSを含有しフェノールレッドを含有しないD−MEMで溶解した試料溶液(試料3,試料濃度:200μg/mL)を各ウェルに100μL添加し、10%FBSを含有しフェノールレッドを含有しないD−MEMに溶解したリポポリサッカライド(LPS,終濃度1μg/mL,E.coli0111:B4,DIFCO社製)を100μL加え、48時間培養した。
【0107】
一酸化窒素(NO)産生量は、亜硝酸イオン(NO)量を指標に測定した。培養終了後、各ウェルの培養液に、培養上清と同量のグリス試薬(1質量%のスルファニルアミド,0.1%N-1-naphthyl ethylendiamine dihydrochlpride in 5%リン酸溶液)を添加し、10分間室温にて反応させた。反応後、波長540nmにおける吸光度を測定した。一酸化窒素(NO)産生抑制率(%)は、試料無添加時(コントロール)の一酸化窒素(NO)産生量を基に、下記式により算出した。
【0108】
NO産生抑制率(%)={1−(C−D)/(A−B)}×100
式中、Aは「試料無添加時の吸光度」を表し、Bは「試料無添加時のブランクの吸光度」を表し、Cは「試料添加時の吸光度」を表し、Dは「試料添加時のブランクの吸光度」を表す。
結果を表5に示す。
【0109】
【表5】

【0110】
表5に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れた一酸化窒素産生抑制作用を有することが確認された。
【0111】
〔試験例5〕腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにして腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用を試験した。
【0112】
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7細胞,大日本製薬社製)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地(日水製薬社製)を用いて培養した後、セルスクレーパーにより細胞を回収した。回収した細胞を1ウェルあたり1.0×10cells/100μLの細胞密度になるように10%FBS含有ダルベッコMEMで希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、4時間培養した。
【0113】
培養終了後、培地を抜き、終濃度2%DMSOを含む10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて溶解した試料溶液(試料3)を各ウェルに100μLずつ添加し、終濃度1μg/mLで10%FBS含有ダルベッコMEMに溶解したリポポリサッカライド(LPS,E.coli0111;B4,DIFCO社製)を100μL加え、細胞を刺激した。その後、37℃、5%CO−95%airの条件下で24時間培養し、培養終了後、各ウェルの培養上清中のTNF−α量を、下記のサンドイッチELISA法を用いて測定した。
【0114】
一次抗体であるラット抗マウスTNF−αモノクローナル抗体(Endogen Inc.社製)を50mmol/L炭酸ナトリウム溶液(pH9.6)で2.5μg/mLの濃度になるように溶解した。かかる溶液100μLを96ウェルプレートに加え、一晩4℃でコーティングした。次いで、洗浄液(0.05質量%Tween20を含むリン酸緩衝液)で各ウェルを洗浄後、1質量%BSAを含むリン酸緩衝液でブロッキングを行った。
【0115】
次に、洗浄液によって各ウェルを洗浄後、試験培地で培養上清を希釈し、その100μLを各ウェルに加え、37℃で60分間インキュベートした。各ウェルを洗浄した後、二次抗体として0.3質量%BSAを含むリン酸緩衝液に2.5μg/mLの濃度で溶解させたウサギ抗マウスTNF−αポリクローナル抗体(Endogen Inc.社製)100μLを加え、37℃で60分間インキュベートしてから洗浄した。
【0116】
そして、500倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗ウサギIgG抗体(CHEMICON Inc.社製)を100μL加え、37℃で60分間インキュベートした。各ウェルを洗浄した後、発色用緩衝液(20mmol/L硫酸マグネシウム含有トリス塩酸緩衝液,pH8.0)100mLにp−ニトロフェニルリン酸50mgを溶解してなる基質溶液150μLを各ウェルに添加し、37℃で20〜30分間酵素反応を行って発色させ、波長405nmの吸光度を測定し、リコンビナントマウスTNF−α(Endogen Inc.社製)標準液より作成した標準曲線から、培養上清中のTNF−α量(pg/mL)を求めた。得られた結果から、下記式によりTNF−α産生抑制率(%)を算出した。
【0117】
TNF−α産生抑制率(%)={(B−A)/B}×100
式中、Aは「試料溶液添加時のTNF−α量」を表し、Bは「試料溶液無添加時のTNF−α量」を表す。
結果を表6に示す。
【0118】
【表6】

【0119】
表6に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れたTNF−α産生抑制作用を有することが確認された。
【0120】
〔試験例6〕ヒアルロニダーゼ阻害作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部抽出物(試料1〜3)について、下記のようにしてヒアルロニダーゼ阻害作用を試験した。
【0121】
試料(試料1〜3)を溶解した0.1mol/Lの酢酸緩衝液(pH3.5)0.2mL(試料濃度;400μg/mL)にヒアルロニダーゼ溶液(Type IV-S(from bovine testis),SIGMA社製,400NFunits/mL)0.1mLを加え、37℃で20分間反応させた。さらに、活性化剤として2.5mmol/Lの塩化カルシウム0.2mLを加え、37℃で20分間反応させた。これに0.4mg/mLのヒアルロン酸カリウム溶液(from Rooster Comb)0.5mLを加え、37℃で40分間反応させた。
【0122】
その後、0.4mol/L水酸化ナトリウムを0.2mL加えて反応を停止し、冷却した後、各反応溶液にホウ酸溶液0.2mLを加え、3分間煮沸した。氷冷後、p−DABA試薬(p-Dimethylaminobenzaldehyde,和光純薬工業社製)6mLを加え、37℃で20分間反応させた。その後、波長585nmにおける吸光度を測定した。同様の方法で空試験を行い補正した。得られた測定結果から、下記式によりヒアルロニダーゼ阻害率(%)を算出した。
【0123】
ヒアルロニダーゼ阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
式中、Aは「試料添加・酵素溶液添加時の波長585nmにおける吸光度」を表し、Bは「試料添加・酵素溶液無添加時の波長585nmにおける吸光度」を表し、Cは「試料無添加・酵素溶液添加時の波長585nmにおける吸光度」を表し、Dは「試料無添加・酵素溶液無添加時の波長585nmにおける吸光度」を表す。
結果を表7に示す。
【0124】
【表7】

【0125】
表7に示すように、鳳凰木葉部抽出物は、優れたヒアルロニダーゼ阻害作用を有することが確認された。
【0126】
〔試験例7〕ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにしてヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用を試験した。
【0127】
ラット好塩基球白血病細胞(RBL−2H3)を15%FBS添加S−MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を4.0×10cells/mLの細胞密度に希釈し、終濃度0.5μg/mLとなるようにDNP-specific IgE(SIGMA社製)を添加した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
【0128】
培養終了後、培地を抜き、シリガリアン緩衝液500μLにて洗浄を2回行った。次に、同緩衝液30μL及び同緩衝液にて調製した試料溶液(試料1〜3)10μLを加え、37℃にて10分間静置した。その後、100ng/mLのDNP−BSA溶液(LSL Co.,Ltd.社製)10μLを加え、37℃にて15分間静置し、ヘキソサミニダーゼを遊離させた。その後、96ウェルプレートを氷上に静置することにより遊離を停止した。各ウェルの細胞上清10μL及び1mmol/Lのp−NAG溶液(p-nitrophenyl N-acetyl b-D-glucosaminide,SIGMA社製)10μLを、新たな96ウェルプレートに添加し、37℃で1時間反応させた。反応終了後、各ウェルに0.1mol/LのNaCO/NaHCO250μLを加え、波長415nmにおける吸光度を測定した。また、空試験として、細胞上清10μLと、0.1mol/LのNaCO/NaHCO250μLとの混合液の波長415nmにおける吸光度を測定し、補正した。得られた測定結果から、下記式によりヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)を算出した。
【0129】
ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)={1−(B−C)/A}×100
式中、Aは「試料無添加時の波長415nmにおける吸光度」を表し、Bは「試料添加時の波長415nmにおける吸光度」を表し、Cは「試料添加・p−NAG無添加時の波長415nmにおける吸光度」を表す。
【0130】
試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率を算出し、その結果から内挿法により、ヘキソサミニダーゼの遊離を50%阻害する試料濃度IC50(μg/mL)を求めた。
結果を表8に示す。
【0131】
【表8】

【0132】
表8に示すように、鳳凰木葉部抽出物は、優れたヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用を有することが確認された。また、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用の程度は、鳳凰木葉部抽出物の濃度により調節できることが確認された。
【0133】
〔試験例8〕血小板凝集抑制作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにして血小板凝集抑制作用を試験した。
【0134】
(1)血小板浮遊液の調製
採血したウサギの血液にヘパリンナトリウム注射液(日本薬局方)を1/10量加えて遠心分離(180×g、10分、室温)して、血小板浮遊液(Platelet Rich Plasma,P.R.P.)を得た。
【0135】
(2)血小板凝集抑制作用試験
次に、血小板浮遊液(P.R.P.)223μLに200mmo1/Lの塩化カルシウム溶液1μLを加え、37℃で1分間反応した。これに試料溶液1μLを加え、さらに2分間反応し、撹拌子を入れて1分間撹絆した後、コラーゲン溶液25μLを添加して、37℃で10分間反応した後の血小板凝集率を測定した。別に、コントロールとして試料溶液の代わりに試料溶液の溶媒を添加した以外は、上記と同様に操作して血小板凝集率を測定した。得られた結果から、下記式により血小板凝集抑制率(%)を算出した。
【0136】
血小板凝集抑制率(%)=(A−B)/A×100
式中、Aは「コントロールの血小板凝集率」を表し、Bは「試料添加時の血小板凝集率」を表す。
【0137】
試料濃度を段階的に減少させて上記血小板凝集抑制率の測定を行い、血小板凝集抑制率が50%になる試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
結果を表9に示す。
【0138】
【表9】

【0139】
表9に示すように、鳳凰木葉部抽出物は、優れた血小板凝集抑制作用を有することが確認された。また、血小板凝集抑制作用の程度は、鳳凰木葉部抽出物の濃度により調節できることが確認された。
【0140】
〔試験例9〕マトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部抽出物(試料1〜3)について、以下のようにしてマトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)阻害作用を試験した。
【0141】
蓋付試験管にて、20mmol/Lの塩化カルシウムを含有する0.1mol/Lのトリス−塩酸緩衝液(pH7.1)で調製した試料溶液50μL、0.1mg/mLのマトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1,COLLAGENASE Type IV from Clostridium histolyticum,SIGMA社製)溶液50μL、及び0.5mmol/LのPz−ペプチド(Pz-Pro-Leu-gly-Pro-D-Arg-OH,BACHEM Feinchemikalien AG社製)溶液400μLを混合し、37℃にて30分間反応させた後、25mmol/Lのクエン酸溶液1mLを加え、反応を停止した。
【0142】
その後、酢酸エチル5mLをさらに加えて、激しく振とうした。これを遠心分離し(1600×g,10分間)、酢酸エチル層の波長320nmにおける吸光度を測定した。また、同様の方法により空試験を行った。得られた結果から、下記式によりマトリックスメタロプロテアーゼ−1阻害率(%)を算出した。
【0143】
MMP−1阻害率(%)={1−(C−D)/(A−B)}×100
式中、Aは「試料無添加・酵素添加時の吸光度」を表し、Bは「試料無添加・酵素無添加時の吸光度」を表し、Cは「試料添加・酵素添加時の吸光度」を表し、Dは「試料添加・酵素無添加時の吸光度」を表す。
【0144】
試料濃度を段階的に減少させて上記阻害率の測定を行い、マトリックスメタロプロテアーゼ−1の活性を50%阻害する試料濃度IC50(μg/mL)を内挿法により求めた。
結果を表10に示す。
【0145】
【表10】

【0146】
表10に示すように、鳳凰木葉部抽出物は、優れたMMP−1阻害作用を有することが確認された。また、MMP−1阻害作用の程度は、鳳凰木葉部抽出物の濃度により調節できることが確認された。
【0147】
〔試験例10〕エストロゲン様作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにしてエストロゲン様作用を試験した。
【0148】
ヒト乳癌由来細胞(MCF−7)を10%FBS、1%NEAA及び1mmol/Lのピルビン酸ナトリウムを含有するMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を、活性炭処理した10%FBS、1%NEAA及び1mmol/Lのピルビン酸ナトリウムを含有しフェノールレッドを含有しないMEM培地(T−MEM培地)を用いて、3.0×10cells/mLの細胞密度に調整した後、48ウェルプレートに1ウェルあたり450μLずつ播種し、細胞を定着させるため培養した。6時間後(0日目)にT−MEM培地で終濃度の10倍に調整した試料溶液(試料3,試料濃度:50μg/mL)を各ウェルに50μLずつ添加し培養を続けた。3日目に培地を抜き、T−MEM培地で終濃度に調整した試料溶液を各ウェルに0.5mLずつ添加し、さらに培養を続けた。
【0149】
エストロゲン様作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。培養終了後、培地を抜き、1%NEAA及び1mmol/Lのピルビン酸ナトリウムを含有するMEM培地に終濃度0.4mg/mLで溶解したMTTを各ウェルに200μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール200μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。ポジティブコントロールとして、1×10−9Mのエストラジオールを使用した。得られた結果から、下記式によりエストロゲン様作用率(%)を算出した。
【0150】
エストロゲン様作用率(%)=A/B×100
上記式において、Aは「試料溶液添加時の吸光度」を表し、Bは「試料溶液無添加時の吸光度」を表す。
上記試験の結果を表11に示す。
【0151】
【表11】

【0152】
表11に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れたエストロゲン様作用を有することが確認された。
【0153】
〔試験例11〕表皮角化細胞増殖促進作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにして表皮角化細胞増殖作用を試験した。
【0154】
正常ヒト新生児包表皮角化細胞(NHEK)を、80cmのフラスコで正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(Epilife-KG2)を用いて37℃、5%CO−95%airの条件下で培養した後、トリプシン処理にて細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10cells/mLの細胞密度になるようにEpilife-KG2にて希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。その後、試料をEpiLife-KG2に溶解した試料溶液(試料3,試料濃度:3.13μg/mL)を各ウェルに100μL添加し、3日間培養した。
【0155】
表皮角化細胞増殖作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。培養終了後、培地を抜き、終濃度0.4mg/mLでPBS(−)に溶解したMTTを各ウェル100μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。得られた結果から、下記式により表皮角化細胞増殖促進率(%)を算出した。
【0156】
表皮角化細胞増殖促進率(%)=A/B×100
上記式において、Aは「試料添加時の吸光度」を表し、Bは「試料無添加の吸光度」を表す。
上記試験の結果を表12に示す。
【0157】
【表12】

【0158】
表12に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有することが確認された。
【0159】
〔試験例12〕紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用試験
製造例1によれ得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにして紫外線UV−Bによるダメージからの回復作用を試験した。
【0160】
ヒト正常皮膚線維芽細胞(NB1RGB)を、10%FBS含有α−MEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10cells/mLの細胞密度になるようにα−MEM培地を用いて希釈した後、48ウェルプレートに1ウェルあたり200μLずつ播種した。24時間培養後、培地を100μLのPBS(−)へ交換し、1.0J/cmのUV−Bを照射した。照射後、直ちに、PBS(−)を抜き、10%FBS含有DMEMに溶解した試料溶液(試料3)を各ウェルに400μLずつ添加し、24時間培養した。
【0161】
紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用は、MTTアッセイを用いて測定した。培養終了後、培地を抜き、終濃度0.4mg/mLでPBS(−)に溶解したMTTを各ウェルに200μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール200μLで抽出し、抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。また、同様に細胞を播種した後、UV−Bを照射しない細胞及びUV−Bを照射し試料溶液を添加しない細胞についても同様に測定し、それぞれ非照射群及び照射群とした。得られた測定結果から、下記式により、紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復率(%)を算出した。
【0162】
ダメージ回復率(%)={(A−B)−(A−C)}/(A−B)×100
式中、Aは「UV−Bを照射していない細胞での吸光度」を表し、Bは「UV−Bを照射し試料溶液を添加していない細胞での吸光度」を表し、Cは「UV−Bを照射し試料溶液を添加した細胞」での吸光度を表す。
結果を表13に示す。
【0163】
【表13】

【0164】
表13に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)は、優れた紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用を有することが確認された。
【0165】
〔試験例13〕過酸化水素による細胞障害抑制作用
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにして過酸化水素による細胞障害抑制作用を試験した。
【0166】
ヒト正常皮膚線維芽細胞(NB1RGB)10%FBSを含有するα−MEMを用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.5×10cells/mLの細胞密度になるように5%FBS含有α−MEMで希釈した後、48ウェルプレートに1ウェルあたり200μLずつ播種し、一晩培養した。
【0167】
培養終了後、培地を抜き、1%FBSを含有するα−MEMに試料を溶解した試料溶液(試料3,試料濃度:400μg/mL)を、各ウェルに200μLずつ添加し、24時間培養した。培養終了後、培地を抜き、400μLのPBS(−)で洗浄した。洗浄後、過酸化水素を溶解したHank's緩衝液(過酸化水素最終濃度:1mM)を各ウェルに200μL添加し、2時間培養した。
【0168】
また、試料溶液を添加して培養し、培養後、過酸化水素を溶解していないHank's緩衝液を200μL添加し、同様の条件で培養した。さらに、試料溶液を添加せずに培養し、培養後、過酸化水素を溶解したHank's緩衝液を200μL添加し、同様の条件で培養した。
【0169】
培養後、400μLのPBS(−)で洗浄し、終濃度0.05mg/mLで1%FBS含有α−MEMに溶解したニュートラルレッド溶液を、各ウェルに200μLずつ添加し、2.5時間培養した。この後、ニュートラルレッド溶液を除去し、エタノール・酢酸溶液(エタノール:酢酸:水=50:1:49)300μLを各ウェルに加え、色素を抽出した。その後、マイクロプレートリーダーを用い540nmでの吸光度を測定し、下記式により過酸化水素による細胞障害抑制率(%)を算出した。
【0170】
細胞障害抑制率(%)={1−(C−A)/(C−B)}×100
上記式において、Aは「試料溶液添加・過酸化水素溶液添加時の吸光度」を、Bは「試料溶液無添加・過酸化水素溶液添加時の吸光度」を、Cは「試料溶液無添加・過酸化水素溶液無添加時の吸光度」を表す。
結果を表14に示す。
【0171】
【表14】

【0172】
表14に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れた過酸化水素による細胞障害抑制作用を有することが確認された。
【0173】
〔試験例14〕トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにしてトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用を試験した。
【0174】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト新生児表皮角化細胞用増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1×10cells/mLの細胞密度になるようにKGMで希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、2日間培養した。培養終了後、KGMで溶解した試料溶液(試料3)を各ウェルに100μLずつ添加し、24時間培養した。培養終了後、培地を抜き、細胞をプレートに固定させ、細胞表面に発現したトランスグルタミナーゼ−1の量を、モノクローナル抗ヒトトランスグルタミナーゼ−1抗体を用いたELISA法により測定した。得られた測定結果から、下記式によりトランスグルタミナーゼ−1産生促進率(%)を算出した。
【0175】
トランスグルタミナーゼ−1産生促進率(%)=A/B×100
式中、Aは「試料添加時の波長405nmにおける吸光度」を表し、Bは「試料無添加時の波長405nmにおける吸光度」を表す。
試験結果を表15に示す。
【0176】
【表15】

【0177】
表15に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れたトランスグルタミナーゼ−1産生促進作用を有することが確認された。
【0178】
〔試験例15〕メイラード反応抑制作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにしてメイラード反応抑制作用を試験した。
【0179】
試料溶液(試料3)50μL、100mmol/LのD(−)−リボース200μL、25mg/mLのリゾチーム200μL、100mmol/Lのリン酸水素ナトリウム(pH7.4)500μL、及び滅菌蒸留水50μLを混合し(全量1000μL)、37℃で7日間静置した。
【0180】
7日間静置後、ボルテックスで攪拌し、反応液20μLにSDS−PAGE用サンプルバッファー20μLを混合した後、沸騰浴中で3分間加熱し、分析サンプルとした。アクリルアミド濃度を、分離ゲル15%、濃縮ゲル4%に調整したポリアクリルアミドゲルに分析サンプル20μLをアプライし、電気泳動を行った。泳動したゲルをクマシーブリリアントブルー染色後脱色し、検出したバンドをKODAK 1D Image Analysis Software EDAS290 Version3.5にて定量的に測定した。コントロールとして、試料溶液の代わりに蒸留水としたものについても同様に試験するとともに、ブランクとして、試料溶液の代わりに蒸留水とし、4℃で7日間静置したものについても同様に試験した。
【0181】
結果は、各バンドのNet intensity(バンド強度)を用いて、リゾチームの二量体、三量体の形成阻害率を計算し、得られた結果から、下記式によりメイラード反応阻害率(%)を算出した。
【0182】
メイラード反応阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×100
式中、Aは「試料添加時の二量体及び三量体のNet intensityの和」を表し、Bは「コントロールの二量体及び三量体のNet intensityの和」を表し、Cは「ブランクの二量体及び三量体のNet intensityの和」を表す。
結果を表16に示す。
【0183】
【表16】

【0184】
表16に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れたメイラード反応阻害作用を有することが確認された。
【0185】
〔試験例16〕脂肪分解促進作用試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)について、以下のようにして脂肪分解促進作用を試験した。
【0186】
(1)脂肪細胞液の調製
ウイスター系雄性ラット(8週齢)7匹をエーテル麻酔にかけ、麻酔下で断頭により放血致死させた。副睾丸上の脂肪組織を切り出し、37℃に保温した生理食塩水中で組織をハサミで細かく切った。組織小片を小型の三角フラスコに入れ、これに10mLの緩衝液A(119mmol/Lの塩化ナトリウム、4.7mmol/Lの塩化カリウム、2.6mmol/Lの塩化カルシウム、1.2mmol/Lのリン酸二水素カリウム、1.2mmol/Lの硫酸マグネシウム、32.3mmol/LのHEPES(pH7.4)、20mg/mLのウシ血清アルブミン、及び2mmol/Lのグルコース)に溶解した10mgのコラゲナーゼを入れて1時間37℃で攪拌(100rpm/min)しながら反応させた。
【0187】
反応後、ガーゼで濾過して未消化組織を除き、濾液を蓋付きスピッツ管に取って遠心し(180×g,20秒)、下層をパスツールピペットで取り除いた。これに緩衝液Aを10mL加え、混合した後、再度遠心した。この操作を4回繰り返し、コラゲナーゼを十分取り除いた。最後に、10mL程度の緩衝液Aを加えて、脂肪細胞液とした。
【0188】
(2)遊離脂肪酸量の測定
上記のようにして調製した脂肪細胞液を96ウェルプレートに1ウェルあたり90μLずつ播種し、試料溶液を各ウェルに10μLずつ添加して、1.5時間インキュベートした。その後、各ウェルから5μLずつ採取して、遊離した脂肪酸量をNEFA−Cテストワコー(和光純薬工業社製)により測定した。得られた測定結果から、下記式により脂肪分解促進率(%)を算出した。
【0189】
脂肪分解促進率(%)=A/B×100
式中、Aは「試料添加時の遊離脂肪酸量」を表し、Bは「試料無添加時の遊離脂肪酸量」を表す。
結果を表17に示す。
【0190】
【表17】

【0191】
表17に示すように、鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物は、優れた脂肪分解促進作用を有することが確認された。
【0192】
〔試験例17〕肌荒れ改善作用(皮膚老化防止・改善作用)試験
製造例1により得られた鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(試料3)を配合した乳液(以下「実施例乳液」という)を常法に従って調製した。実施例乳液の組成を以下に示す。
【0193】
鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物(製造例1) 0.1g
セチルアルコール 0.5g
ミツロウ 2.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(10E.O.) 1.0g
モノステアリン酸グリセリル 1.0g
ヒアルロン酸 0.1g
プロピレングリコール 5.0g
エタノール 3.0g
パラオキシ安息香酸メチル 0.3g
香料 0.03g
精製水 (全量を100gとする)
【0194】
鳳凰木葉部80容量%エタノール抽出物を含まない他は実施例乳液と同一の組成からなる比較例乳液を調製し、実施例乳液及び比較例乳液について下記の評価試験を行った。
【0195】
被験者:23〜48歳の女性多数の中から、皮溝・皮丘が消失し、広範囲にわたって角質がめくれている(下記表19に示す評点1)、又は皮溝・皮丘が不鮮明で、角質が部分的にめくれている(下記表19に示す評点2)肌荒れと判定された20名を選抜して被験者とした。
塗布試験:各被験者の顔の右半分には実施例乳液を、左半分には比較例乳液を、朝夕各1回、30日間塗布させた。
【0196】
[判定1:肌荒れ改善効果]
塗布試験終了後、シルフロ(FLEXICL DEVELOPMENTS LTD.社製)によるレプリカ法を用いて顔のレプリカをとり、50倍の顕微鏡で皮紋の状態及び角質剥離の状態を観察し、下記表18に示す評価基準で肌の状態を判定した。
判定結果を表19に示す。
【0197】
【表18】

【0198】
【表19】

【0199】
表19に示すように、実施例乳液を塗布した領域は、比較例乳液を塗布した領域に比べて顕著に肌荒れ(皮膚の老化)が改善された。このことから、鳳凰木葉部抽出物は、優れた肌荒れ改善効果を示すことが確認された。
【0200】
[判定2:官能評価]
使用感と肌への効果とについて、実施例乳液と比較例乳液とを比較した優劣を被験者全員に質問した。
回答の集計結果を表20に示す。
【0201】
【表20】

【0202】
表20に示すように、実施例乳液は、比較例乳液に比べて使用感に優れていることが確認された。
これらのことから、鳳凰木葉部抽出物を配合した皮膚化粧料が、皮膚の老化防止・改善作用(肌荒れ改善作用)を有するとともに、皮膚に適用した場合の使用感と安全性とに優れていることが確認された。
【0203】
〔配合例1〕
下記組成の乳液を常法により製造した。
鳳凰木葉部80%エタノール抽出物(製造例1) 1.0g
ホホバオイル 4.0g
オリーブオイル 2.0g
スクワラン 2.0g
セタノール 2.0g
モノステアリン酸グリセリル 2.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.5g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0204】
〔配合例2〕
下記組成の化粧水を常法により製造した。
鳳凰木葉部80%エタノール抽出物(製造例1) 2.2g
グリセリン 3.0g
1,3−ブチレングリコール 3.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5g
パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
クエン酸 0.1g
クエン酸ソーダ 0.1g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0205】
〔配合例3〕
下記組成のクリームを常法により製造した。
鳳凰木葉部80%エタノール抽出物(製造例1) 1.1g
流動パラフィン 5.0g
サラシミツロウ 4.0g
セタノール 3.0g
スクワラン 10.0g
ラノリン 2.0g
ステアリン酸 1.0g
オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
モノステアリン酸グリセリル 3.0g
1,3−ブチレングリコール 6.0g
香料 0.1g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0206】
〔配合例4〕
下記組成のパックを常法により製造した。
鳳凰木葉部80%エタノール抽出物(製造例1) 5.0g
ポリビニルアルコール 15.0g
ポリエチレングリコール 3.0g
プロピレングリコール 7.0g
エタノール 10.0g
パラオキシ安息香酸エチル 0.05g
香料 0.05g
精製水 残部(全量を100gとする)
【0207】
〔配合例5〕
下記の混合物を打錠して、錠剤状の栄養補助食品を製造した。
鳳凰木葉部80%エタノール抽出物(製造例1) 50質量部
粉糖(ショ糖) 188質量部
グリセリン脂肪酸エステル 12質量部
【0208】
〔配合例6〕
下記の混合物を顆粒状にして、栄養補助食品を製造した。
鳳凰木葉部80%エタノール抽出物(製造例1) 50質量部
ビートオリゴ糖 1000質量部
ビタミンC 167質量部
ステビア抽出物 10質量部
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明の抗酸化剤は、活性酸素が関与する各種障害の予防、治療又は改善に、本発明の抗炎症剤は、各種炎症性疾患の予防、治療又は改善に、本発明の抗老化剤は、皮膚の老化の予防、治療又は改善に、本発明の抗肥満剤又は脂肪分解促進剤は、肥満や、それに伴う動脈硬化、糖尿病、メタボリック症候群等の様々な疾病等の予防、治療又は改善に、本発明の美白剤は、シミ等の色素沈着症等の予防、治療又は改善に大きく貢献できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗酸化剤。
【請求項2】
前記抽出物が、スーパーオキサイド消去作用、過酸化水素消去作用及びグルタチオン産生促進作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することを特徴とする請求項1に記載の抗酸化剤。
【請求項3】
鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤。
【請求項4】
前記抽出物が、一酸化窒素(NO)産生抑制作用、腫瘍壊死因子(TNF−α)産生抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用及び血小板凝集抑制作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することを特徴とする請求項3に記載の抗炎症剤。
【請求項5】
鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗老化剤。
【請求項6】
前記抽出物が、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)阻害作用、エストロゲン様作用、表皮角化細胞増殖促進作用、紫外線(UV−B)照射によるダメージ回復作用、過酸化水素による細胞障害抑制作用、トランスグルタミナーゼ−1産生促進作用及びメイラード反応阻害作用からなる群より選ばれる1種又は2種以上の作用を有することを特徴とする請求項7に記載の抗老化剤。
【請求項7】
鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗肥満剤。
【請求項8】
鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする脂肪分解促進剤。
【請求項9】
鳳凰木からの抽出物を有効成分として含有することを特徴とする美白剤。
【請求項10】
鳳凰木からの抽出物を配合したことを特徴とする皮膚化粧料。
【請求項11】
鳳凰木からの抽出物を配合したことを特徴とする飲食品。

【公開番号】特開2009−67747(P2009−67747A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239675(P2007−239675)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(591082421)丸善製薬株式会社 (239)
【Fターム(参考)】