説明

皮膚化粧料

【課題】 みずみずしさとコク感を併せ持つ優れた使用感を有し、皮膚への柔軟性付与効果にも優れ、しかも経時安定性に極めて優れた皮膚化粧料を提供すること。
【解決手段】 (a)有機溶媒若しくは油分を分散媒とし、水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し、分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤と、
(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸とのエステル
とを含有することを特徴とする皮膚化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚化粧料に関する。さらに詳しくは、みずみずしさとコク感を併せ持つ優れた使用感を有し、皮膚への柔軟性付与効果と保湿効果に優れ、しかも、経時安定性に極めて優れた皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚化粧料に使用できる水溶性増粘剤としては、種々の多糖類、ゼラチンなどの天然高分子、ポリオキシエチレン、架橋ポリ(メタ)アクリル酸などの合成高分子、モンモリナイト、シリカなどの無機鉱物などが挙げられる。
【0003】
これらの中で、特に架橋ポリ(メタ)アクリル酸は、安価で増粘効果が高く、少量でゲル化するため、化粧品業界、特に皮膚化粧料において、水溶性増粘剤あるいは安定化剤として多用されている。
【0004】
しかしながら、増粘剤として汎用されている架橋ポリ(メタ)アクリル酸は、pH5以下の酸性下や塩の存在する水溶液中では、カルボキシル基の解離が抑えられ、粘度が極端に低下しゲル化しなくなる。このため、酸性条件や塩共存系が要求される処方においては使用することが出来ない。
【0005】
具体的に述べると、現在最も汎用されている化粧料用増粘剤は、カルボキシビニルポリマーと総称されるアクリル酸の重合体であり、商品名としてはハイビスワコー(和光純薬株式会社)、シンタレン(3V SIGMA社)、カーボポール(グッドリッチ社)等として市販されているものである。これらの増粘剤は化学的に架橋している重合体である(The B.F. Goodrich Company, Specialty Polymers and Chemical Div., Carbopol Data Sheets and Applications Literature)。
【0006】
このような架橋重合体の水分散液は非常に増粘効果が高く、化粧料の増粘剤として汎用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらのカルボキシビニルポリマーの欠点として、その増粘可能なpH範囲が限られるという問題がある。カルボキシビニルポリマーは該ポリマーに含まれるカルボキシル基が解離状態になることで水中にてポリマーが膨潤し増粘する。したがって、カルボキシル基が充分に解離しない弱酸性以下のpH領域ではカルボキシビニルポリマーは増粘剤として機能しないという極めて重大な欠点があり、これに代わる広いpH範囲で増粘可能な増粘剤の開発が強く望まれているのが現状である。
【0007】
この問題を解決するために、アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリル酸との共重合体(特許文献2)、アクリルアミドアルキルスルホン酸とアルキル基含有不飽和単量体との共重合体(特許文献3)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のホモポリマー(特許文献4)、或いはポリアクリル酸アミドなどが、化粧料に応用されている。
【0008】
【特許文献1】特開平8−99855号公報
【特許文献2】特開平9−157130号公報
【特許文献3】特開平10−279636号公報
【特許文献4】特開平10−67640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のアクリルアミドアルキルスルホン酸を骨格に有するポリマーは耐酸性が向上し、酸性条件が要求される処方において使用できるものの、アクリル酸に由来すると考えられる乾き際のべたつき感が生じ、増粘化粧料として十分に満足できる使用性に至っているとは言えない。また、低温保存下や高温保存下、あるいは温度変化サイクル保存下でゲル化等により増粘、あるいは減粘するなどの現象が観察され、経時安定性に優れているとはいえない。ポリアクリル酸アミドの経時安定性についても同様である。
【0010】
一方、肌への塗布時のコク感を与え、皮膚への柔軟性を付与することなどを目的として、様々な固形油や半固形油、抱水性油剤を皮膚化粧料に配合する技術が用いられている。しかしながら、固形油や半固形油、抱水性油剤を配合すると、塗布時のしっとりしたコク感は得られるが、みずみずしい使用感を同時に満足することは極めて困難であった。また、乳化滴の凝集や合一、結晶析出などにより経時安定性が悪化してしまう場合があった。
【0011】
本発明者等は、上述の事情に鑑み、鋭意研究をした結果、特定の逆相乳化重合(逆相マイクロエマルション重合)により製造した合成高分子電解質からなるミクロゲルを化粧料増粘剤として用い、硬化ヒマシ油と高級脂肪酸のエステルを配合することにより、みずみずしさとコク感を併せ持つ優れた使用感を有し、皮膚への柔軟性付与効果にも優れ、しかも経時安定性に極めて優れた皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は、
(a)有機溶媒若しくは油分を分散媒とし、水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し、分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤と、
(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸とのエステル
とを含有することを特徴とする皮膚化粧料を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドとイオン性アクリルアミド誘導体とである上記の皮膚化粧料を提供するものである。
一般式(1)
【化12】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
【0014】
さらに、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(2)に示されるアニオン性アクリルアミド誘導体とである上記の皮膚化粧料を提供するものである。



一般式(1)
【化13】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(2)
【化14】

(R4及びR5はそれぞれ独立にH又はメチル基、R6は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNH3を表わす。)
【0015】
また、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(3)に示されるカチオン性アクリルアミド誘導体とである上記の皮膚化粧料を提供するものである。
一般式(1)
【化15】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(3)
【化16】

(R7はH又はメチル基、R8はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R9は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10、R11、R12はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)
【0016】
さらに、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(2)に示されるアニオン性アクリルアミド誘導体と、一般式(4)に示される架橋性モノマーとである上記の皮膚化粧料を提供するものである。
一般式(1)
【化17】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(2)
【化18】

(R4及びR5はそれぞれ独立にH又はメチル基、R6は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNH3を表わす。)

一般式(4)
【化19】

【0017】
また、本発明は、前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと一般式(3)に示されるカチオン性アクリルアミド誘導体と、一般式(4)に示される架橋性モノマーとである上記の皮膚化粧料を提供するものである。


一般式(1)
【化20】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(3)
【化21】

(R7はH又はメチル基、R8はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R9は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10、R11、R12はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)

一般式(4)
【化22】

【0018】
さらに、本発明は、前記(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸とのエステルが、硬化ヒマシ油と炭素数14〜22の高級脂肪酸とのモノエステルであることを特徴とする上記の皮膚化粧料を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、前記(a)の増粘剤の配合量が皮膚化粧料全量に対して0.01〜2.5質量%であり、前記(b)のエステルの配合量が皮膚化粧料全量に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする上記の皮膚化粧料を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、さらに(c)HLB3〜18非イオン界面活性剤とを含有し、前記皮膚化粧料が水中油型乳化組成物であることを特徴とする上記の皮膚化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0021】
(1)みずみずしさとコク感の両者を併せ持つ優れた使用感を有する。
(2)皮膚に対する柔軟付与効果と保湿効果に優れている。
(3)経時安定性に極めて優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明について詳述する。
【0023】
本発明の必須成分である「(a)ミクロゲルからなる増粘剤」とは、有機溶媒もしくは油分を分散媒とし、水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し、分散相中にてラジカル重合して得られる合成高分子のミクロゲルからなる増粘剤である。すなわち、一般に逆相乳化重合法と称される重合法により製造される高分子ミクロゲルを増粘剤の用途に使用するものであり、特開平2001−114641号公報に開示されているような均一重合系により得られる合成高分子からなる増粘剤とは、その重合方法および力学物性が異なる。
【0024】
ミクロゲルとは逆相マイクロエマルション重合法で製造された合成高分子電解質の微粒子である。本発明に用いられるミクロゲルからなる増粘剤は、水、エタノールあるいは水―エタノール混合溶液中で膨潤し、外観上肉眼的に均一な高粘度溶液を提供できる。
【0025】
本発明に用いられる増粘剤として使用されるミクロゲルの重合系は、従来の増粘剤である合成高分子を製造する均一重合系とは異なるものである。例えば、特開平2001−114641号公報に開示されている均一重合系による合成高分子は本発明に用いるミクロゲルではなく、合成高分子を重合後、化粧料に配合するためには粉末状態に粉砕しなければならない。また、合成高分子のゲルが目立ち、外観上問題を生じる場合がある。
これに対して、本発明に用いられるミクロゲルは不均一重合系で重合される。得られる合成高分子は微細な高分子ゲル、すなわちミクロゲルとなり、化粧料に配合する際に新たに粉砕して粉末状態にする必要がなく、優れた増粘効果と優れた使用感を発揮し、さらに化粧料の外観上も好ましいものである。
【0026】
また、高分子の逆相乳化重合法に関しては、特許第1911623号公報にアクリル酸を用いた水膨潤性ポリマーを逆相重合により製造し、これを増粘剤として応用する技術の記載があるが、これは現在汎用されているカルボキシビニルポリマーの欠点を改良するために、本発明に用いられるミクロゲルとは異なるものである。
【0027】
また、特開平9−12613号公報には、水吸収性樹脂のミクロゲル粒子をおむつあるいは生理用品に適するように一定以上の大きさに製造することが開示されているが、これは化粧料増粘剤に応用できる技術ではなく、本発明に用いられるミクロゲルとは全く異なるものである。
【0028】
本発明に用いられる増粘剤は逆相乳化重合法において製造される。すなわち、有機溶媒若しくは油分を分散媒とし水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して製造される。重合されたミクロゲルは洗浄、乾燥されるが、粉砕する必要はない。
特に適宜選択された親水疎水バランス(HLB)に調節された界面活性剤を使用することにより、逆相乳化重合における重合系が一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する条件下において、ミクロゲルからなる増粘剤が製造されることが好ましい。
【0029】
一相マイクロエマルションとは熱力学的に安定に油相と水相が共存している状態で油・水間の界面張力は極小になっている状態である。また、微細W/Oエマルションは熱力学的には不安定であるが速度論的に安定に油と水が微細なW/Oエマルションとして存在している状態である。一般的に微細W/Oエマルションの内水相の粒子径は数10〜100nm程度である。これらの状態は系の組成と温度のみで決定され、機械的な攪拌条件などには左右されない。
【0030】
重合系を構成する組成物は、水とは混合しない有機溶媒若しくは油分からなる分散媒(外相を構成する)、水からなる分散相(内相を構成する)とからなる。
好ましい有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカンなどのアルカン類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、ナフタレンなどの芳香族および環状炭化水素が挙げられる。
好ましい油分としてはパラフィン油などの非極性油分が挙げられる。
【0031】
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、分散相である水に溶解し次いで分散媒である有機溶媒あるいは油分と混合され、所望の温度に加熱した後、重合開始剤を水相に添加し重合を行う。
【0032】
一般的に不均一重合法では重合中の攪拌条件により製造される高分子の物性が異なることが知られている。その理由は、乳化系が熱力学的に安定な状態ではない為に攪拌条件による乳化粒子の形状、サイズに変化が生じる為である。本発明においては、熱力学的に安定な一相マイクロエマルション領域あるいは準安定的である一相領域の近傍に存在する微細W/Oエマルション領域で重合を行うことでこれらの問題を回避できることを見出した。具体的には、通常の熱重合あるいはレドックス重合用の重合開始剤の最適重合温度近傍に上記一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルション領域が出現するように重合系の組成(有機溶媒の種類、界面活性剤のHLB)を調節することで微細な水相(水滴)内で高分子を重合することで増粘効果が高いミクロゲルを得ることが可能になった。
【0033】
これに対して、従来の懸濁重合による高分子の増粘剤(例えば、特開平2001−1146641公報記載の方法)では重合時の水滴の粒子径コントロールが困難であり、良質なミクロゲルを得ることは困難である。
【0034】
水溶性エチレン性不飽和モノマーは、非イオン性モノマーとイオン性モノマー(アニオン性モノマー若しくはカチオン性モノマー)とを併用することが好ましい。
非イオン性モノマーは上記一般式(1)に示すジアルキルアクリルアミドが好ましい。
イオン性モノマーは、一般式(2)に示すアニオン性アクリルアミド誘導体または一般式(3)に示すカチオン性アクリルアミド誘導体が好ましい。
【0035】
一般式(2)
【化23】

(R4及びR5はそれぞれ独立にH又はメチル基、R6は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン、NH3、アミン化合物を表す。例えば、金属イオンはLi、Na、Kのアルカリ金属イオン、アミン化合物はトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等である。)

一般式(3)
【化24】

(R7はH又はメチル基、R8はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R9は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10、R11、R12はメチル基またはエチル基、Yは陰性カウンターイオンを表わし、例えば、Cl、Br等のマイナスカウンターイオンである。)
【0036】
特に好ましいジアルキルアクリルアミドは、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドである。
特に好ましいイオン性アクリルアミド誘導体は、2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸およびその塩である。
特に好ましいカチオン性アクリルアミド誘導体はN,N,-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライドである。
【0037】
非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系におけるモノマー組成比(重合系の仕込み比)は、目的とするミクロゲルのモノマー構成比に応じて適宜任意に決定される。ミクロゲルのモノマー構成比と重合系への仕込み比はほぼ同一となる。非イオン性モノマーとイオン性モノマーの重合系の仕込み比(モル比)は、通常、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1、さらに好ましくは7:3〜9:1の範囲で共重合に供される。最適比率は、非イオン性モノマー:イオン性モノマー=8:2である。
【0038】
上記の水溶性エチレン性不飽和モノマーを任意に選択して本発明の増粘剤が重合される。特に好ましい増粘剤は、水溶性エチレン性不飽和モノマーにジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用い、これらのモノマーから共重合される2元共重合体のミクロゲルである。この場合に、架橋モノマーは必要がなく、自己架橋により優れた増粘効果と使用感が発揮される増粘剤が得られる。
【0039】
なお、架橋モノマーを用いることもでき、その場合には一般式(4)で示される架橋モノマーが好ましく、特にメチレンビスアクリルアミドが好ましい。









一般式(4)
【化25】

【0040】
水溶性エチレン性不飽和モノマーを、分散相に溶解して本発明に好ましいミクロゲルを重合するためには、最適な外相油分あるいは有機溶媒と、界面活性剤とをそれぞれを選択することが必要である。本発明者は、非イオン界面活性剤の親水性疎水性バランス(HLB)を重合系の組成において相図を作成することにより、熱ラジカル重合に適する温度において曇点を示すように重合系を調製することで、通常の熱ラジカル重合温度において一相マイクロエマルションあるいは微細W/Oエマルションを形成する状態を作り、増粘剤として好ましいレオロジー特性を持つミクロゲルが得られることを見出した。
【0041】
好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ソルビタン脂肪酸エステル、モノ脂肪酸グリセリン、トリ脂肪酸グリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
これらの界面活性剤を適宜組み合わせて所望のHLBに調整して重合系に添加することが出来る。
【0042】
また、ジアルキルアクリルアミドとアクリルアミド系イオン性モノマーを共重合したミクロゲルにおいては、自発的な架橋反応が進行し、特に第三成分として多官能性架橋モノマーを共重合しなくても、化学的に自己架橋されたミクロゲルが得られ、本発明に用いる特に好ましい増粘剤となる。
【0043】
第三成分の多官能性架橋モノマーは必要ではないが、これを添加し共重合しても本発明に使用されるミクロゲルは合成可能である。多官能性架橋モノマーは、一般式(4)に示されるモノマーが好ましく、一般式(4)で示される架橋モノマーの一種類あるいは二種類以上を使用して架橋することが出来る。これらの架橋性モノマーはジアルキルアクリルアミドとイオン性アクリルアミド誘導体との重合系において効率よく架橋構造を取り得ることが必須である。
【0044】
好ましい架橋性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、N,N'-エチレンビスアクリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトールジメタクリレート等が挙げられ、この中から選ばれた一種または二種以上を用いることが出来る。本発明においては、特に、N,N'-メチレンビスアクリルアミドが好ましく使用される。
【0045】
本発明に用いられる増粘剤である共重合体中の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位とジアルキルアクリルアミド単位の含有量のモル比は、通常、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=0.5:9.5〜9.5:0.5、好ましくは1:9〜9:1であり、さらに好ましくは=3:7〜1:9である。最適比は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位:ジアルキルアクリルアミド単位=2:8である。本発明の増粘剤の粘性は強解離基であるスルホニル基に基づく静電反発による分子鎖の伸展およびジアルキルアクリルアミドの自発架橋反応あるいは架橋性単量体による架橋構造に起因しているが、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸単位またはその塩の含有量が、ジアルキルアクリルアミド単位に対して5モル%未満では十分に分子鎖の伸展が起こらないため十分な粘度が得られないことがある。
【0046】
架橋性モノマーの使用量は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩とジアルキルアクリルアミドの全モル数に対し0.0001〜2.0モル%の範囲で添加されることが好ましい。0.0001モル%未満で調製された増粘剤は架橋の効果が見られない場合がある。また、2モル%を超えて調製された場合、架橋密度が高すぎてミクロゲルが充分に膨潤出来ないために充分な増粘効果を発揮しない場合がある。
【0047】
本発明に用いられるミクロゲルの分子量は重量平均分子量10万〜500万(PEG換算:GPCによる測定)程度であり、増粘剤として求められる粘度により調節される。
【0048】
上記の重合法によって得られるミクロゲルは、下記(1)〜(3)のすべてのレオロジー的性質を有する。このミクロゲルからなる増粘剤は上記の重合法による製造方法により得られ、増粘剤として好ましく使用される。
(1)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0s-1において10000mPa・s以上である。
(2)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)のエタノール分散液の見かけ粘度が、ずり速度1.0 s-1において5000mPa・s以上である。
(3)ミクロゲルの0.5%(質量百分率)の水分散液若しくはエタノール分散液のおける動的弾性率が、歪み1%以下、周波数0.01〜10Hzの範囲でG'>G"である。
なお、ミクロゲルの水若しくはエタノール分散液の見かけ粘度とは、コーンプレート型レオメータ(Paar Rhysica製 MCR-300)を用い、測定温度25℃、ずり速度1s-1における粘度である。
また、動的弾性率は、同上の測定装置を用いて測定温度25℃、歪み1%以下で周波数範囲0.1〜10Hzで測定した貯蔵弾性率(G')および損失弾性率(G")の値を意味する。
【0049】
本発明に用いられるミクロゲルは重合後簡単な沈殿精製工程を経て粉末状態で分離することが可能である。粉末状に分離されたミクロゲルは、水あるいはエタノールまたは水/エタノールの混合溶剤に容易に分散して速やかに膨潤し増粘剤として機能する。
また、ミクロゲルに共重合されるイオン性モノマーを、強酸性のモノマー(例えばスルホン酸残基を含むモノマー)を選択することで、従来のカルボキシビニルポリマーでは増粘が不可能であった酸性製剤の増粘も可能である。
【0050】
本発明の皮膚化粧料は、上記ミクロゲルを増粘剤として皮膚化粧料基剤に配合して製造される。増粘剤の配合量は目的とする化粧料に応じて適宜決定され限定されない。使用性の点から、好ましい配合量は0.01〜2.5質量%、さらに好ましくは0.05〜1.5質量%である。2.5質量%を越えて配合すると、べたつき、あるいはみずみずしさの点で問題を生じる場合がある。一方、0.01質量%未満では、十分な増粘効果が得られない場合がある。
【0051】
次に、本発明のもう一つの必須成分である「(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸のエステル」について詳述する。
(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸のエステルとは、ヒマシ油を水素添加して得られる硬化ヒマシ油の水酸基を一部、又は全て他の高級脂肪酸でエステル化して得られる化合物である。具体的にはモノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノイソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸硬化ヒマシ油等が例示される。
【0052】
本発明において、成分(b)は肌に塗布したときのコク感を与え、皮膚に柔軟性を付与し、保湿効果を高めることができる。成分(b)は、通常化粧料に使用できる、硬化ヒマシ油と高級脂肪酸のエステルであれば特に限定されないが、硬化ヒマシ油と炭素数14〜22の高級脂肪酸のモノエステルが好ましく、具体的にはモノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノイソステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油などが好ましい。これらのうち、本発明に特に好ましくは、下記式(5)のモノステアリン酸硬化ヒマシ油である。
式(5)
【化26】

【0053】
成分(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸のエステルは、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、皮膚化粧料全量に対して0.01〜5.0質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜3.0質量%である。0.01質量%未満では配合による効果が発揮されず、5.0質量%を超えるとべたつきを生じる場合がある。
【0054】
本発明の皮膚化粧料においては、油分を乳化剤を用いて乳化して、組成物中に配合して、水中油型の乳化型皮膚化粧料とすることも好ましい。油分として用いられるものとしては、炭化水素油、シリコーン油、ロウ類、脂肪酸エステル類、高級アルコール類、紫外線吸収剤等である。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、平均分子量20万以上のシリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、液状ラノリン、ジョジョバロウ等が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル、ミツロウ脂肪酸2−オクチルドデシル等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、トリアコンチルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキサン)シリルイソペンチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノール−メトキシフェニル−トリアジン、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
【0055】
また、本発明に用いられる乳化剤としては、HLB3〜18の非イオン性界面活性剤を使用したものが、みずみずしい使用感と安定性の観点からより好ましい。
以下にHLB3〜18の非イオン性界面活性剤を具体的に挙げる。一種または二種以上を配合することが出来る。ただし、これらに限定されるものではない。
【0056】
POE(2)ステアリルエーテル(HLB4.0)、自己乳化型モノステアリン酸プロピレングリコール(HLB4.0)、ミリスチン酸グリセリル(HLB3.5)、モノステアリン酸グリセリル(HLB4.0)、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル(HLB4.0)、モノイソステアリン酸グリセリル(HLB4.0)、ペンタステアリン酸デカグリセリル(HLB3.5)、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル(HLB3.5)、ペンタオレイン酸デカグリセリル(HLB3.5)、モノステアリンソルビタン(HLB4.7)、モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB5.0)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB4.5)、モノオレイン酸ソルビタン(HLB4.3)、ヘキサステアリン酸POE(6)ソルビット(HLB3.0)、POE(3)ヒマシ油(HLB3.0)、モノステアリン酸PEG(2)(HLB4.0)、モノステアリン酸エチレングリコール(HLB3.5)、ステアリン酸PEG(2)(HLB4.5)、モノラウリン酸ヘキサグリセリル(HLB14.5)、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル(HLB11)、モノステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB9.0)、モノオレイン酸ヘキサグリセリル(HLB9.0)、モノラウリン酸デカグリセリル(HLB15.5)、モノミリスチン酸デカグリセリル(HLB14.0)、モノステアリン酸デカグリセリル(HLB12.0)、モノイソステアリン酸デカグリセリル(HLB12.0)、モノオレイン酸デカグリセリル(HLB12.0)、ジステアリン酸デカグリセリル(HLB9,5)、ジイソステアリン酸デカグリセリル(HLB10.0)等のポリグリセリン脂肪酸エステル類。
【0057】
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)(5)グリセリル(HLB9.5)、モノステアリン酸POE(15)グリセリル(HLB13.5)、モノオレイン酸POE(5)グリセリル(HLB9.5)、モノオレイン酸POE(15)グリセリル(HLB14.5)等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類。
モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン(HLB16.9)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(HLB15.6)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(HLB14.9)、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン(HLB9.5)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(HLB10.5)、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン(HLB15.0)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(HLB15.0)、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン(HLB10.0)、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン(HLB11.0)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類。
【0058】
モノラウリン酸POE(6)ソルビット(HLB15.5)、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット(HLB13.0)、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット(HLB11.5)、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット(HLB12.5)、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット(HLB14.0)等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類。
【0059】
POE(10)ラノリン(HLB12.0)、POE(20)ラノリン(HLB13.0)、POE(30)ラノリン(HLB15.0)、POE(5)ラノリンアルコール(HLB12.5)、POE(10)ラノリンアルコール(HLB15.5)、POE(20)ラノリンアルコール(HLB16.0)、POE(40)ラノリンアルコール(HLB17.0)、POE(20)ソルビットミツロウ(HLB9.5)等のポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体類。
【0060】
POE(20)ヒマシ油(HLB10.5)、POE(40)ヒマシ油(HLB12.5)、POE(50)ヒマシ油(HLB14.0)、POE(60)ヒマシ油(HLB14.0)、POE(20)硬化ヒマシ油(HLB10.5)、POE(30)硬化ヒマシ油(HLB11.0)、POE(40)硬化ヒマシ油(HLB13.5)、POE(60)硬化ヒマシ油(HLB14.0)、POE(80)硬化ヒマシ油(HLB16.5)、POE(40)硬化ヒマシ油(100)硬化ヒマシ油(HLB16.5)等のポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油類。
【0061】
POE(5)フィトステロール(HLB9.5)、POE(10)フィトステロール(HLB12.5)、POE(20)フィトステロール(HLB15.5)、POE(30)フィトステロール(HLB18.0)、POE(25)フィトスタノール(HLB14.5)、POE(30)コレスタノール(HLB17.0)等のポリオキシエチレンステロール・水素添加ステロール類。
【0062】
POE(2)ラウリルエーテル(HLB9.5)、POE(4.2)ラウリルエーテル(HLB11.5)、POE(9)ラウリルエーテル(HLB14.5)、POE(5.5)セチルエーテル(HLB10.5)、POE(7)セチルエーテル(HLB11.5)、POE(10)セチルエーテル(HLB13.5)、POE(15)セチルエーテル(HLB15.5)、POE(20)セチルエーテル(HLB17.0)、POE(23)セチルエーテル(HLB18.0)、POE(4)ステアリルエーテル(HLB9.0)、POE(20)ステアリルエーテル(HLB18.0)、POE(7)オレイルエーテル(HLB10.5)、POE(10)オレイルエーテル(HLB14.5)、POE(15)オレイルエーテル(HLB16.0)、POE(20)オレイルエーテル(HLB17.0)、POE(50)オレイルエーテル(HLB18.0)、POE(10)ベヘニルエーテル(HLB10.0)、POE(20)ベヘニルエーテル(HLB16.5)、POE(30)ベヘニルエーテル(HLB18.0)、POE(2)(C12−15)アルキルエーテル(HLB9.0)、POE(4)(C12−15)アルキルエーテル
(HLB10.5)、POE(10)(C12−15)アルキルエーテル(HLB15.5)、POE(5)2級アルキルエーテル(HLB10.5)、POE(7)2級アルキルエーテル(HLB12.0)、POE(9)アルキルエーテル(HLB13.5)、POE(12)アルキルエーテル(HLB14.5)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類。
【0063】
ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)(1)ポリオキシプロピレン(以下、POPと略す)(4)セチルエーテル(HLB9.5)、POE(10)POP(4)セチルエーテル(HLB10.5)、POE(20)POP(8)セチルエーテル(HLB12.5)、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル(HLB11.0)、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル(HLB12.0)等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類。
【0064】
モノラウリン酸ポリエチレングリコール(以下、PEGと略す)(10)(HLB12.5)、モノステアリン酸PEG(10)(HLB11.0)、モノステアリン酸PEG(25)(HLB15.0)、モノステアリン酸PEG(40)(HLB17.5)、モノステアリン酸PEG(45)(HLB18.0)、モノステアリン酸PEG(55)(HLB18.0)、モノオレイン酸PEG(10)(HLB11.0)、ジステアリン酸PEG(HLB16.5)、ジイソステアリン酸PEG(HLB9.5)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類。
【0065】
イソステアリン酸PEG(8)グリセリル(HLB10.0)、イソステアリン酸PEG(10)グリセリル(HLB10.0)、イソステアリン酸PEG(15)グリセリル(HLB12.0)、イソステアリン酸PEG(20)グリセリル(HLB13.0)、イソステアリン酸PEG(25)グリセリル(HLB14.0)、イソステアリン酸PEGグリセリル(30)(HLB15.0)、イソステアリン酸PEG(40)グリセリル(HLB15.0)、イソステアリン酸PEG(50)グリセリル(HLB16.0)、イソステアリン酸PEG(60)グリセリル(HLB16.0)等のイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル類。
【0066】
本発明において、水中油型の乳化型皮膚化粧料とする場合には、前記HLB3〜18の非イオン性界面活性剤は、5.0質量%以下が望ましい。5.0質量%を超えて配合すると、みずみずしさといった使用感の面で問題を生じる場合があるからである。
【0067】
本発明の皮膚化粧料には、上記必須成分の他に、通常皮膚化粧料に配合され得る成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合して、常法により製造することができる。以下に配合可能な成分を例示する。
【0068】
多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール,グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール,エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、1,2−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
【0069】
水溶性高分子としては、例えば、カラギーナン、ペクチン、マンナン、カードラン、コンドロイチン硫酸、デンプン、グリコーゲン、アラビアガム、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天等が挙げられる。
【0070】
その他、エタノール等の低級アルコール;ブチルヒドロキシトルエン、δ−トコフェロール、フィチン等の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、フェノキシエタノール、ヘキサクロロフェン、ε−ポリリジン等の防腐剤;クエン酸、乳酸、ヘキサメタリン酸等の有機または無機酸よびその塩;ビタミンA、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート等のビタミンA誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2およびその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、アルブチン、セファランチン等の各種薬剤、ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センブリ、タイム、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、オウゴン、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サクラリーフ等の植物の抽出物、β−カロチン等の色素等も配合することができる。
【0071】
本発明の皮膚化粧料の剤型は任意であり、どのような剤型でも構わない。また、本発明の皮膚化粧料の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル皮膚化粧料;ファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ化粧料;ボディー皮膚化粧料;芳香皮膚化粧料に用いることが出来る。
【実施例】
【0072】
本発明を以下に実施例を挙げてさらに詳述する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0073】
まず、本発明に用いられるミクロゲルの合成例を説明する。合成例で得られるミクロゲルは本発明に用いる増粘剤である。
【0074】
合成例1 ミクロゲルの合成
「ポリ(ジメチルアクリルアミド-co-2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸-co-メチレンビスアクリルアミド)」
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gと2-アクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸(Sigma製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド7mgを260gのイオン交換水に溶解し水酸化ナトリウムでpH=7.0に調節する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびエポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0075】
合成例2 ミクロゲルの合成
「ポリ(ジメチルアクリルアミド-co-N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド-co-メチレンビスアクリルアミド)」
ジメチルアクリルアミド(興人製)を35gとN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルクロライド(興人製)17.5gおよびメチレンビスアクリルアミド7mgを260gのイオン交換水に溶解する。還流装置を備えた1000ml三つ口フラスコに、n-ヘキサン260gとポリオキシエチレン(3)オレイルエーテル(エマレックス503、日本エマルション製)8.7gおよびポリオキシエチレン(6)オレイルエーテル(エマレックス506、日本エマルション製)17.6gを入れ混合溶解しN2置換する。この三つ口フラスコにモノマー水溶液を添加してN2雰囲気下で攪拌しながらオイルバスで65℃〜70℃に加熱する。系の温度が65℃〜70℃に達したところで系が半透明なマイクロエマルション状態になっていることを確認した後、過硫酸アンモニウム2gを重合系に添加し重合を開始する。重合系を65〜70℃に3時間攪拌しながら維持することでミクロゲルが生成する。重合終了後ミクロゲル懸濁液にアセトンを加えてミクロゲルを沈殿させ、引き続きアセトンで3回洗浄し、残存モノマーおよび界面活性剤を除去する。沈殿物は濾過後減圧乾燥し、白色粉末状のミクロゲル乾燥物を得る。
【0076】
「表1」及び「表2」に記載した配合量組成よりなる実施例1〜10、比較例1〜11のスキンケア乳液を常法により製造した。得られた乳液(試料)について、下記試験方法により、安定性および使用性(のび、みずみずしさ、コク感、べたつき、皮膚への柔軟効果)を評価した。
【0077】
[安定性試験]
試料を低温0℃保存下、高温50℃保存下、及び5〜45℃サイクル保存下、1ヶ月間放置後、3ヶ月放置後の粘度を測定し、下記評価基準により判定した。
(評価基準)
○ :粘度低下あるいは上昇が全くみられなかった。
△ :3ヶ月で粘度低下あるいは上昇がわずかにみられた。
× :1ヶ月で粘度低下あるいは上昇がみられた。
[使用性(のび)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、肌へののびについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎: 10名全員が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
○: 7〜9名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
△: 3〜6名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
×: 0〜2名が、のびが軽く、なめらかであると判定した。
[使用性(みずみずしさ)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、みずみずしさについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎: 10名全員が、みずみずしさがあると判定した。
○: 7〜9名が、みずみずしさがあると判定した。
△: 3〜6名が、みずみずしさがあると判定した。
×: 0〜2名が、みずみずしさがあると判定した。
[使用性(コク感)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、コク感について、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎: 10名全員が、コク感があると判定した。
○: 7〜9名が、コク感があると判定した。
△: 3〜6名が、コク感があると判定した。
×: 0〜2名が、コク感があると判定した。
[使用性(べたつき)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、べたつきについて、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎: 10名全員が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
○: 7〜9名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
△: 3〜6名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
×: 0〜2名が、べたつきがなく、しっとりしたと判定した。
[使用性(皮膚への柔軟効果:塗布後に肌に柔らかさを感じるか)]
女性専門パネル(10名)による実使用試験を行い、柔軟効果について、それぞれ下記の評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎: 10名全員が、柔軟効果があると判定した。
○: 7〜9名が、柔軟効果があると判定した。
△: 3〜6名が、柔軟効果があると判定した。
×: 0〜2名が、柔軟効果があると判定した。





































【0078】
【表1】

*1)商品名:SIMULGEL EG(SEPIC社製)
*2)商品名:セピゲル501(SEPIC社製)







【0079】
【表2】

【0080】
「表1」及び「表2」の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜10のスキンケア乳液は、優れた安定性と使用性を有していることがわかる。
以下に、本発明のその他の実施例を示す。
【0081】
実施例11 スキンケアクリーム
(配合成分) 質量%
(1)イオン交換水 残余
(2)ヘキサメタリン酸ソーダ 0.05
(3)合成例1のミクロゲル 0.4
(4)(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))コポリマー 0.1
(5)水酸化カリウム 0.15
(6)ポリエチレングリコール1500 4.0
(7)グリセリン 5.0
(8)1,3−ブチレングリコール 10.0
(9)フェノキシエタノール 0.5
(10)ワセリン 4.0
(11)スクワラン 2.0
(12)(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル 0.1
(13)テトラオクタン酸ペンタエリスリチル 2.0
(14)モノステアリン酸硬化ヒマシ油 0.8
(15)POE(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
<製法>
(10)〜(15)を70℃にて、均一に混合溶解した(油相)。一方、(1)〜(9)を70℃にて均一に混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながら、ホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的のスキンケアクリームを得た。
<製品の性状>
得られたスキンケアクリームについて、実施例1〜10と同様の評価を行ったところ、使用性に優れ(使用性評価、肌へののび、べたつき、コク感、みずみずしさ、柔軟効果とも◎)、安定性も良好(安定性評価:○)なものであった。
【0082】
実施例12 美白スキンケア乳液
(配合成分) 質量%
(1)イオン交換水 残余
(2)水酸化ナトリウム 0.3
(3)クエン酸ナトリウム 0.1
(4)合成例2のミクロゲル 0.3
(5)メチルパラベン 0.2
(6)ジプロピレングリコール 5.0
(7)グリセリン 3.0
(8)エタノール 2.0
(9)キサンタンガム 0.1
(10)エデト酸三ナトリウム 0.1
(11)流動パラフィン 3.0
(12)ジメチルポリシロキサン 2.0
(13)ベヘニルアルコール 0.5
(14)イソステアリン酸 0.2
(15)ステアリン酸 0.3
(16)ベヘニン酸 0.2
(17)オクタン酸セチル 5.0
(18)イソステアリン酸PEG−60グリセリル 1.0
(19)ステアリン酸PEG−5グリセリル 0.5
(20)アスコルビン酸グルコシド 1.0
(21)モノイソステアリン酸硬化ヒマシ油 2.0
(22)香料 適量
<製法>
(11)〜(22)を70℃にて、均一に混合溶解した(油相)。一方、(1)〜(10)を70℃にて均一に混合溶解した(水相)。70℃に保持した水相に油相を徐添しながら、ホモミキサーで乳化した。乳化が終了したら、40℃以下に急冷し、目的の美白スキンケア乳液を得た。
<製品の性状>
得られた美白スキンケア乳液について、実施例1〜10と同様の評価を行ったところ、使用性に優れ(使用性評価、肌へののび、べたつき、コク感、みずみずしさ、柔軟効果とも◎)、安定性も良好(安定性評価:○)なものであった。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、増粘剤として、有機溶媒もしくは油分を分散媒とし、水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し、分散相中にラジカル重合して得られるミクロゲルを用い、皮膚への柔軟効果の付与を目的として、硬化ヒマシ油と高級脂肪酸のエステルを配合することにより、安定性と使用性に極めて優れた組成物が得られ、この組成物は皮膚化粧料として利用される。
【0084】
安定性については、低温0℃保存下、高温50℃保存下、及び5〜45℃温度サイクル保存下による経時安定性や遠心分離によっても、油浮きなどの分離やゲル化などによる増粘や減粘がなく、経時安定性に極めて優れている。また、使用性については、特に、べたつかず、のびが軽く、みずみずしさとコク感を併せもっており、皮膚への柔軟効果に優れるという使用感に極めて優れた特性を有するものである。
【0085】
また、本発明の皮膚化粧料は、乳液等の水中油型乳化皮膚化粧料としても好ましく利用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有機溶媒若しくは油分を分散媒とし、水を分散相とする組成物において、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し、分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤と、
(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸とのエステル
とを含有することを特徴とする皮膚化粧料。
【請求項2】
前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドとイオン性アクリルアミド誘導体とである請求項1記載の皮膚化粧料。
一般式(1)
【化1】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)
【請求項3】
前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(2)に示されるアニオン性アクリルアミド誘導体とである請求項1〜2記載の皮膚化粧料。
一般式(1)
【化2】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(2)
【化3】

(R4及びR5はそれぞれ独立にH又はメチル基、R6は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNH3を表わす。)
【請求項4】
前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(3)に示されるカチオン性アクリルアミド誘導体とである請求項1〜2記載の皮膚化粧料。
一般式(1)
【化4】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(3)
【化5】

(R7はH又はメチル基、R8はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R9は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10、R11、R12はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)
【請求項5】
前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと、一般式(2)に示されるアニオン性アクリルアミド誘導体と、一般式(4)に示される架橋性モノマーとである請求項1〜3記載の皮膚化粧料。
一般式(1)
【化6】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(2)
【化7】

(R4及びR5はそれぞれ独立にH又はメチル基、R6は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、Xは金属イオン若しくはNH3を表わす。)

一般式(4)
【化8】

【請求項6】
前記水溶性エチレン性不飽和モノマーが、一般式(1)に示されるジアルキルアクリルアミドと一般式(3)に示されるカチオン性アクリルアミド誘導体と、一般式(4)に示される架橋性モノマーとである請求項1、2、4記載の皮膚化粧料。
一般式(1)
【化9】

(R1はHまたはメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表わす。)

一般式(3)
【化10】

(R7はH又はメチル基、R8はHまたは炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R9は炭素原子数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基、R10、R11、R12はメチル基またはエチル基、Yは金属イオンを表わす。)

一般式(4)
【化11】

【請求項7】
前記(b)硬化ヒマシ油と高級脂肪酸とのエステルが、硬化ヒマシ油と炭素数14〜22の高級脂肪酸とのモノエステルであることを特徴とする請求項1〜6記載の皮膚化粧料。
【請求項8】
前記(a)の増粘剤の配合量が皮膚化粧料全量に対して0.01〜2.5質量%であり、前記(b)のエステルの配合量が皮膚化粧料全量に対して0.01〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1〜7記載の皮膚化粧料。
【請求項9】
さらに(c)HLB3〜18非イオン界面活性剤とを含有し、前記皮膚化粧料が水中油型乳化組成物であることを特徴とする請求項1〜8記載の皮膚化粧料。

【公開番号】特開2007−39360(P2007−39360A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224114(P2005−224114)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】