説明

皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物

【課題】、優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感を有する皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)一般式(1)
1O−(AO)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数8〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、nはアルキレンオキシ基の数であり平均0.5〜3.5の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)
で表される化合物 0.2〜20重量%、
(B)(A)成分以外の界面活性剤 5〜60重量%、並びに
(C)シリコーン類及び炭素数15〜28の1価アルコールからなる群より選ばれる1種以上 0.1〜10重量%、
を含有する皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー、ボディシャンプー等の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤組成物には、油などの汚れ成分の乳化力や可溶化力、又は洗浄力といった種々の機能が求められている。なかでも皮膚又は毛髪用途の洗浄剤は、工業用洗浄剤と異なり、洗浄時の泡立ちの良さや泡の感触、すすぎ時、乾燥後の感触、特に毛髪の場合は指通りや髪の柔らかさ、皮膚の場合はすすぎやすさや乾燥後のしっとり感、といった使用感が求められている。そのため、様々な種々のシリコーン類及び油剤が配合されているが、それらを組み合わせて用いると、起泡力、泡質などの泡性能が悪くなると言う問題があった。
【0003】
そこで、洗浄剤組成物の起泡性向上や粘度調整のために、種々の増泡・増粘剤が開発され、脂肪酸アルカノールアミドや脂肪酸アミドプロピルベタイン等が汎用増泡・増粘剤として用いられている。しかしこれら含窒素化合物は、配合条件によっては色相などが経時変化を起こす。また、脂肪酸ジエタノールアミドは、不純物であるニトロソ化合物に発ガン性の疑いがある。これらの理由から、窒素非含有の増粘・増泡剤が望まれている。
【0004】
特許文献1には、窒素非含有の増粘・増泡剤として、炭素数8〜12の1価アルコールを出発原料とし、エチレンオキシドを1〜3モル付加させた(ポリ)エチレングリコールアルキルエーテルと陰イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤との組合せにより、起泡性に優れた洗浄剤組成物が記載されている。
【0005】
また、特許文献2、3にも、短鎖のエチレンキシドやプロピレンオキシドを導入した高級脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加物が記載され、起泡性向上や低温安定性向上の例が紹介されている。
しかし、これらの文献記載の組成物は、起泡性に優れるものの、満足できる使用感が得られず、特に皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物に求められる十分な使用感が得られないものであった。
かように、いずれの先行文献においても、優れた起泡性と使用感が両立できた皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は記載されておらず、特に、優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感と両立できる皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物が望まれていた。
【特許文献1】特開2004−277685号公報
【特許文献2】特開平11−12594号公報
【特許文献3】特開平7−53991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、優れた起泡性と、洗浄時から乾燥後まで良好な使用感を有する、皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる実情に鑑み、本発明者は鋭意研究した結果、下記成分(A)、(B)及び(C)を含有する皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物が優れた起泡性と使用感を付与することを見出し本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)一般式(1)
1O−(AO)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数8〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、nはアルキレンオキシ基の数であり平均0.5〜3.5の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)
で表される化合物 0.2〜20重量%、
(B)(A)成分以外の界面活性剤 5〜60重量%、
(C)シリコーン類及び炭素数15〜28の1価アルコールからなる群より選ばれる1種以上 0.1〜10重量%、
を含有する皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
成分(A)の一般式(1)において、R1は炭素数8〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示すが、低臭化の観点から直鎖アルキル基が好ましい。また、起泡性の観点からR1は炭素数8のものが好ましく、混合アルキルの場合、炭素数8のものが50重量%以上、更に80重量%以上、特に98%重量以上であるものが好ましい。
【0011】
成分(A)の一般式(1)において、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、このうち、プロピレンオキシ基(以下POと言う)及び/又はエチレンオキシ基(以下EOと言う)が好ましい。POとEOはブロックでもランダムでも良いが、ブロックが好ましく、低臭化の観点からPO、EOの順にブロック状に配列しているのがより好ましく、特にPOのみのものが好ましい。
【0012】
成分(A)の一般式(1)の化合物において、nは平均0.5〜3.5の数を示すが、起泡性及び低臭化の観点から1〜3が好ましく、更に2〜3、特に2〜2.7が好ましい。
【0013】
一般式(1)中のR2は、水素原子またはメチル基を示すが、水素原子が好ましい。
【0014】
成分(A)は、皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物中に0.2〜20重量%配合すると使用感やコンデショニング効果を損なわず、より十分な起泡力が得られる。更に好ましい配合量は0.3〜15%重量%であり、特に好ましい配合量は0.5〜10重量%である。
【0015】
成分(B)の界面活性剤は、(A)成分以外の界面活性剤、すなわち、アニオン性界面活性剤、(A)成分以外の非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤であり、具体的には以下のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
アニオン性界面活性剤としては、硫酸系、スルホン酸系、カルボン酸系、リン酸系及びアミノ酸系のものが好ましく、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、が好ましく、特に次の一般式(2)又は(3)で表されるものが好ましい。
【0017】
R3-O(CH2CH2O)pSO3M (2)
R4-OSO3M (3)
【0018】
〔式中、R3は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、R4は炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸を示し、pはエチレンオキシ基の数で、平均1〜5の数を示す。〕
【0019】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、(A)成分以外のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、(A)成分以外のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、アルキルグリコシド類、ポリオキシアルキレンC8−C20脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。(A)成分以外のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類としては、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数5〜26)アルキル(炭素数12〜20)エーテル、ポリオキシプロピレン(プロピレンオキシド平均付加モル数5〜26)アルキル(炭素数12〜20)エーテル、ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数5〜26)・ポリオキシプロピレン(プロピレンオキシド平均付加モル数5〜26)アルキル(炭素数12〜20)エーテルが好ましい。アルキルグリコシド類としては、アルキル基の炭素数8〜14で、糖(グルコース)の縮合度1〜2のものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドとしては、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、またモノアルカノールアミド、ジアルカノールアミドのいずれでもよいが炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するものが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸メチルエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド等が挙げられる。
【0020】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤及びアミンオキサイド型界面活性剤等が挙げられる。このうち、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のベタイン系界面活性剤及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤がより好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン及びアルキルジメチルアミンオキサイドが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタイン及びアルキルヒドロキシスルホベタインは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン及びラウリルヒドロキシスルホベタインが好ましい。アルキルジメチルアミンオキサイドは、炭素数8〜18、特に炭素数10〜16のアルキル基を有するものが好ましく、特にラウリルジメチルアミンオキサイド及びミリスチルジメチルアミンオキサイドが好ましい。
【0021】
カチオン性界面活性剤の例としては、特開2000-178146号公報に記載の、下記一般式(4):
【0022】
【化1】

【0023】
〔式中、R5、R6、R7及びR8のうち、少なくとも1個は総炭素数12〜28のアルコキシ基、好ましくは16〜28の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルカノイルアミノ基、アルケノイルアミノ基、アルカノイル基又はアルカノイルオキシ基が置換していてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、残余はベンジル基、炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はエチレンオキシド合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、Z-はハロゲンイオン又は有機アニオン、例えばアセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフォネート、スルフェート、及びアルキルスルフェート基から選択されたものを示す。〕
で表わされる第4級アンモニウム塩が挙げられる。
【0024】
上記化合物(4)の好ましい例として、R5、R6、R7及びR8のうち、少なくとも1個が総炭素数8〜22のアルコキシ基で置換していても良いアルキル基で、残余は、メチル基、エチル基、ベンジル基を示すものが挙げられる。さらに好ましい具体例としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムや塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムのような塩化モノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムや塩化分岐ジアルキルジメチルアンモニウムのような塩化ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0025】
成分(B)の界面活性剤は、起泡性の観点からアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の界面活性剤が好ましい。
【0026】
成分(B)は、皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物中に5〜60重量%、更に8〜40重量%、特に10〜30重量%配合することが起泡性、経済性の観点から好ましい。
【0027】
また、成分(A)と(B)の比率は、起泡性と経済性の観点から重量比で(A)/(B)=0.005〜1が好ましく、更に0.01〜1、特に0.03〜0.5が好ましい。
【0028】
成分(C)のシリコーン類としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
(1)下記式で表されるジメチルポリシロキサン:
(Me)3Si−[(Me)2SiO]d−Si(Me)3
(式中、Meはメチル基、dは3〜20000の数を示す)
【0029】
(2)特開2005−97150号公報中に記載されている分岐ポリグリセロール変性シリコーン、市販品としてはソフケアGS−G(花王(株)製)
(3)その他、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、環状シリコーン等が挙げられる。
【0030】
成分(C)の炭素数15〜28の1価アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられ、使用感の観点から、特に直鎖の炭素数16〜22の1価アルコールが好ましい。
【0031】
成分(C)は1種以上用いることができる。皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物中の成分(C)の含有量は、泡質、感触及びコンディショニング効果の観点から、全組成中に0.1〜10重量%、より好ましくは0.3〜8重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。
成分(A)と成分(C)の比率は、起泡性と感触の観点から重量比で(A)/(C)=0.05〜50が好ましく、特に0.1〜30、更に0.2〜20が好ましい。
【0032】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、更に、グリセリン、保湿剤、カチオン性ポリマー、多糖類、ポリペプタイド、パール化剤、溶剤、液晶形成基剤、色素、香料、噴射剤、エデト酢酸塩やクエン酸塩などのキレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を、適宜配合することができる。カチオンポリマーとしてはカチオン化セルロース、特開平11−71435記載のカチオン性ポリマーなどがあげられ、抗フケ剤としては、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミンなどが挙げられる。
【0033】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物の剤型は特に制限されず、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることができるが、液体状、ペースト状又はクリーム状とするのが好ましく、特に液体状とするのが好ましい。液体状とする場合には、液体媒体として水、ポリエチレングリコール等を用いるのが好ましく、水の配合量は、全組成中に10〜80重量%が好ましい。
【0034】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物のpHは、20倍希釈液とした場合、25℃で4〜10、特に5〜9となるよう調整することが好ましい。
【0035】
本発明の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物は、常法に従って製造でき、例えば毛髪洗浄料、全身洗浄料、洗顔料、手洗い剤等の身体用洗浄剤とすることができる。
【実施例】
【0036】
実施例1
表1及び表2に示したアルキレングリコールエーテル1〜10と界面活性剤等を用い、常法にて表3に示すヘアシャンプーを調製し、下記の方法で起泡性、泡の感触、すすぎ時の指通り、乾燥後の櫛通り及び髪の柔らかさの評価を行った。その結果を表3に示す。
【0037】
<評価方法>
ブリーチ処理した日本人女性の毛髪20g(20cm)にシャンプー1gを塗布し、30秒間泡立てた時点の起泡性、泡の感触、すすぎ時の指通り、及びドライヤーで乾燥させた後の櫛通りと髪の柔らかさについて専門パネラー5名により下記の基準で評価した。
【0038】
1)起泡性
4:起泡性が非常に良い。
3:起泡性が良い。
2:起泡性が普通。
1:起泡性が悪い。
【0039】
2)泡の感触
4:クリーミーな泡質で感触が非常に良い。
3:普通の泡質で感触が良い。
2:普通の泡質で感触がやや悪い。
1:粗い泡質で感触悪い。
【0040】
3)すすぎ時の指通り
4:きしみは全くなく、指通りが非常に良い。
3:きしみが弱く、指通りが良い。
2:きしみがやや強く、指が通りづらい。
1:きしみが強く、指通りが悪い。
【0041】
4)乾燥後の櫛通り
4:櫛通りが良く非常になめらか。
3:櫛を通すのに多少ひっかかるが、おおむねなめらか。
2:櫛を通すのにひっかかりが目立つ。
1:櫛通りが悪く、ひっかかりが非常に多い。
【0042】
5)乾燥後の髪の柔らかさ
4:非常に柔らかく、しなやか。
3:柔らかい。
2:柔らかさに少し欠ける。
1:ゴワつく。
【0043】
いずれも5名の評価の平均点を求め、3.5以上を◎、2.5〜3.5未満を○、1.5〜2.5未満を△、1.5未満を×とした。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
表3の結果に示されるように、従来技術の比較品1にジメチルポリシロキサンを添加した比較品2は起泡性が弱く、感触は若干向上する程度(公知レベル)である。一方、本願発明の成分(A)である特定の増泡剤を含む比較品3は、起泡性は良いが感触に欠点があり、これに(C)成分を添加すると(本発明品2)感触が飛躍的に向上することが判る。
【0048】
実施例2
表1及び表2に示したアルキレングリコールエーテル1〜7と界面活性剤等を用い、常法にて表4に示すボディシャンプーを調製し、下記の方法で起泡性、泡の感触、すすぎやすさ、及び乾燥後のしっとり感の評価を行った。その結果を表4に示す。
【0049】
<評価方法>
ボディシャンプー1gを手に取り、手、腕を洗浄したときの起泡性、泡の感触、すすぎやすさ、及び乾燥後のしっとり感について専門パネラー5名により下記の基準で評価した。
【0050】
1)起泡性
4:起泡性が非常に良い。
3:起泡性が良い。
2:起泡性が普通。
1:起泡性が悪い。
【0051】
2)泡の感触
4:クリーミーな泡質で感触が非常に良い。
3:普通の泡質で感触が良い。
2:普通の泡質で感触がやや悪い。
1:粗い泡質で感触悪い。
【0052】
3)すすぎやすさ
4:すすぎ性が非常に良い。
3:すすぎ性が良い。
2:ややすすぎ性が悪く、ぬるつきが残る。
1:すすぎ性が悪く、ぬるつきが強い。
【0053】
5)乾燥後のしっとり感
4:非常にしっとりし、うるおいを感じる。
3:しっとりする。
2:しっとり感に欠ける。
1:かさつく。
【0054】
いずれも5名の評価の平均点を求め、3.5以上を◎、2.5〜3.5未満を○、1.5〜2.5未満を△、1.5未満を×とした。
【0055】
【表4】

【0056】
表4の結果から、表3のヘアシャンプーと同様、本発明品は特定の増泡剤とシリコーン類及び油剤との併用効果が著しいことが分かる。
【0057】
実施例3
表1に示したアルキレングリコールエーテル1等を用い、常法にて下記組成のヘアシャンプーを製造した。
(成分) (重量%)
アルキレングリコールエーテル1 0.7
ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム* 12.0
ラウリン酸モノエタノールアミド 0.8
シリコーンエマルション** 2.0
カチオン性ポリマー*** 0.2
香料,メチルパラベン 適量
精製水 バランス
合計 100
*:エマール125A〔花王(株)製〕
**:BY22−060〔東レ・ダウコーニング(株)製〕
***:ポイズ C-150L〔花王(株)製〕
【0058】
このヘアシャンプーは、起泡性が良好で、洗浄時から乾燥後まで指通りが良好で優れた使用感を有していた。
【0059】
実施例4
表1に示したアルキレングリコールエーテル1等を用い、常法にて下記組成のシャンプーを製造した。
(成分) (重量%)
アルキレングリコールエーテル1 0.5
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム* 15.0
ポリグリセロール変成ポリジメチルシロキサン** 0.5
ベヘニルアルコール 0.5
ラウリルヒドロキシスルホベタイン*** 2.0
グリセリン 3.0
香料,メチルパラベン 適量
精製水 バランス
合計 100
*:エマール327〔花王(株)製〕
**:ソフケアGS−G〔花王(株)製〕
***:アンヒトール20HD〔花王(株)製〕
このヘアシャンプーは、起泡性が良好で、洗浄時から乾燥後まで指通りが良好で優れた使用感を有していた。
【0060】
実施例5
表1に示したアルキレングリコールエーテル2等を用い、常法にて下記組成のボディシャンプーを製造した。
(成分) (重量%)
アルキレングリコールエーテル2 2.0
ラウリルリン酸塩* 30.0
ポリグリセロール変成ポリジメチルシロキサン** 0.5
アミドプロピルベタイン*** 2.0
グリセリン 3.0
香料,メチルパラベン 適量
精製水 バランス
合計 100
*:プライオリー B−650D〔花王(株)製〕
**:ソフケアGS−G〔花王(株)製〕
***:アンヒトール20AB〔花王(株)製〕
【0061】
このボディシャンプーは、起泡性が良好で、洗浄時の泡質が良好で、乾燥後もしっとりとした、優れた使用感を有していた。
【0062】
実施例6
表1に示したアルキレングリコールエーテル2等を用い、常法にて次の組成の洗顔料を調製した。
(成分) (重量%)
ラウリルリン酸塩* 45.0
ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム** 5.0
アルキレングリコールエーテル2 5.4
ラウリルヒドロキシスルホベタイン*** 5.0
グリセリン 1.0
ソルビトール 2.0
ポリグリセロール変成ポリジメチルシロキサン**** 0.6
香料、メチルパラベン 適量
精製水 バランス
合計 100.0
*:プライオリー B−650D〔花王(株)製〕
**:エマール227〔花王(株)製〕
***:アンヒトール20HD〔花王(株)製〕
*****:ソフケアGS−G〔花王(株)製〕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)一般式(1)
1O−(AO)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数8〜10の直鎖または分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、nはアルキレンオキシ基の数であり平均0.5〜3.5の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)
で表される化合物 0.2〜20重量%、
(B)(A)成分以外の界面活性剤 5〜60重量%、
(C)シリコーン類及び炭素数15〜28の1価アルコールからなる群より選ばれる1種以上 0.1〜10重量%、
を含有する皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項2】
成分(A)と成分(C)の重量比率が(A)/(C)=0.05〜50である請求項1記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項3】
成分(A)と成分(B)の重量比率が(A)/(B)=0.005〜1である請求項1又は2記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(A)の一般式(1)中のnが1〜3である請求項1〜3の何れか1項記載の皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2008−63294(P2008−63294A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244655(P2006−244655)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】