説明

皮膚外用剤

皮膚のはり・しわ改善効果及び保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じない皮膚外用剤を提供する。
本発明の皮膚外用剤は、
(A)下記(a1)、(a2)及び(a3)のモノマーを構成モノマーとして含むアクリル系ポリマーと、
(B)架橋型ポリアミノ酸又はその塩とを含むことを特徴とする。
(a1)アクリル酸又はメタクリル酸。
(a2)アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル。
(a3)アクリル酸又はメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル。
前記皮膚外用剤において、(a)成分を実分として、0.01〜10.0質量%、(b)成分を実分として、0.0001〜5.0質量%含むことが好適である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤、特にアクリル系ポリマーを配合した皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚のはりやしわの改善を目的として、皮膚外用剤に保湿剤や皮膜剤が配合されている。保湿剤は、皮膚の表面や内部に水分を補給し、はりを与えることができるが、比較的多量に配合しなければ効果が発揮されず、使用感にべたつきや重さを生じることがあった。
一方、皮膜剤は、皮膜形成時の収縮力により、小じわを引っ張り上げて、皮膚にはりを与え、一時的にしわを除去するものであるが、皮膚への密着力が弱い、使用中に違和感がある等の問題があった。
【0003】
そこで、はり・しわの改善や保湿を目的として、カルボキシビニルポリマーやキサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤と、グリセリン等の保湿剤を組み合わせて用いた化粧料が開示されている(特開2000−143477号公報及び特開2004−149463号公報参照)。
しかしながら、上記化粧料は、肌へののびが悪い、あるいは塗布後べたつきが生じる等の問題があった。また、保湿効果は期待できず、はり・しわ改善効果も十分ではなかった。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、皮膚のはり・しわ改善効果及び保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じない皮膚外用剤を提供することにある。
上記事情を鑑み、本発明者等が鋭意検討を行った結果、増粘剤として特定のアクリル系ポリマーを用い、さらに架橋型ポリアミノ酸を配合することにより、皮膚のはり・しわ改善効果及び保湿効果に優れ、且つべたつかず、肌へののびが良い皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明の皮膚外用剤は、
(A)下記(a1)、(a2)及び(a3)のモノマーを構成モノマーとして含むアクリル系ポリマーと、
(B)架橋型ポリアミノ酸又はその塩とを含むことを特徴とする。
(a1)アクリル酸又はメタクリル酸。
(a2)アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル。
(a3)アクリル酸又はメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル。
【0006】
(A)成分は、アクリレート/セテス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアレス−50メタクリレート、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体から選ばれる1種又は2種以上であることが好適である。
(B)成分は、架橋型ポリ−γ―グルタミン酸、架橋型ポリアスパラギン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることが好適である。
前記皮膚外用剤において、(a)成分を実分として、0.01〜10.0質量%、(b)成分を実分として、0.0001〜5.0質量%含むことが好適である。
前記皮膚外用剤において、さらに水溶性薬剤を含むことが好適である。
前記皮膚外用剤は、pHが6.0〜7.5であることが好適である。

【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、本発明におけるはり改善効果試験の結果を示した図である。
【図2】は、本発明におけるしわ改善効果試験の結果を示した図である。
【図3】は、本発明における保湿効果試験の結果を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<(A)成分>
本発明で用いられるアクリル系ポリマーは、下記(a1)〜(a3)のモノマーの共重合体である。
(a1)アクリル酸又はメタクリル酸。
(a2)アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル。
(a3)アクリル酸又はメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル。
【0009】
これらは、例えば、INCI(International Cosmetic Ingredient Dictionary)収載名で、アクリレート/セテス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアレス−50メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体等が挙げられ、アキュリン22、アキュリン28等の商品名で水分散液(ポリマーエマルジョン)として市販されている(ローム&ハース社)。
【0010】
本発明のアクリル系ポリマーとしては、べたつきのなさの点で、特にアキュリン22(アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体)が好適である。アキュリン22は、
(a1)メタクリル酸と、
(a2)アクリル酸エチルと、
(a3)メタクリル酸と、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルとのエステル、の共重合体の水分散液である。
【0011】
上記アクリル系ポリマーの水分散液は、必要に応じて水等で希釈し、アルカリ剤を添加して中和することにより増粘する。よって本発明の皮膚外用剤のpHは6〜7.5の範囲であることが好適である。中和用のアルカリ剤としては、特に限定されず、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、トリエタノールアミンやイソプロパノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基を用いることができる。
【0012】
本発明の皮膚外用剤中、上記(A)成分の配合量は、ポリマー実分として、0.01〜10.0質量%、好ましくは0.03〜9.0質量%、特に0.05〜5.0質量%配合する。0.01質量%未満であるとはり・しわ改善効果が十分に発揮されず、10.0質量%を超えると使用性が低下する。
上記(A)成分の増粘作用は、主として、ポリマー鎖にぶら下がっているPOE鎖先端のアルキル基による疎水作用と、カルボキシル基による正電反発作用によるものである。
【0013】
<(B)成分>
架橋型ポリアミノ酸は、ポリアミノ酸の一部が架橋した構造を有するものである。架橋型ポリアミノ酸の基本骨格は、アミノ酸が脱水縮合したポリペプチドからなる。
アミノ酸の具体例としては、例えば以下の(i)〜(iv)に示す20種類のアミノ酸を挙げることができる。
(i)非極性(すなわち疎水基を有する)アミノ酸:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、プロリン。
(ii)極性であるが電荷のないアミノ酸:グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン。
(iii)正電荷を持つ基を有するアミノ酸:リジン、ヒスチジン、アルギニン。
(iv)負荷電極を持つ基を有するアミノ酸:アスパラギン酸、グルタミン酸。
【0014】
アミノ酸の他の具体例としては、例えばL−オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN−置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げることができる。α−アミノ酸は、光学活性体(L体、D体)であっても、ラセミ体であってもよい。
【0015】
本発明で用いられる架橋型ポリアミノ酸は、ホモポリマーであっても、コポリマーであってもよいが、ホモポリマーが特に好ましく用いられる。中でも、べたつきのなさや保湿効果等を考慮すると、ポリアスパラギン酸、ポリ−γ−グルタミン酸を基本骨格としたものが好ましく、ポリ−γ−グルタミン酸のホモポリマーが特に好ましい。
コポリマーの場合、共重合形式は特に限定されるものでなく、ブロック・コポリマー、ランダム・コポリマー、グラフト・コポリマー等、任意の形式をとり得る。コポリマー成分(アミノ酸以外のモノマー成分)の具体例としては、例えばアミノカルボン酸、アミノスルホン酸、アミノホスホン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトカルボン酸、メルカプトスルホン酸、メルカプトホスホン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明に用いられる架橋型ポリアミノ酸の側鎖構造については、置換基がないものが好ましい。置換基があると、使用感にべたつきを生じるようになるからである。
本発明に用いられる架橋型ポリアミノ酸は、基本骨格と架橋部分の結合部分は、特に限定されない。酸性ポリアミノ酸の場合、通常、アミド結合、エステル結合、チオエステル結合である。
また、本発明に用いられる架橋型ポリアミノ酸は、塩を構成してもかまわない。カルボキシル基の対イオンとしては、アルカリ金属(Na、K等)塩、アンモニウム塩、アミン塩等がある。塩としては、匂いの観点からナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。
【0017】
(架橋型ポリアミノ酸の製造方法)
本発明に用いられる架橋型ポリアミノ酸の製造方法は、特に限定されず、例えば、特開平7−224163号、特開平7−309943号、特開2001−72764号、特開2003−12442号等に記載の公知の方法により製造できる。特に本発明においては、特開2003−12442号公報に記載された放射線架橋によって得られた架橋型ポリ−γ−グルタミン酸及びその塩が使用感の観点から好ましい。
【0018】
放射線架橋による架橋型ポリ−γ−グルタミン酸の製造方法は具体的には以下のとおりである。
1. まず原料となるポリ−γ−グルタミン酸を製造する。ポリ−γ−グルタミン酸の製造は種々の方法によることができ、例えば微生物による培養法、すなわち枯草菌による培養法、遺伝子組み換微生物による培養法、納豆による調製方法や、化学合成法等が挙げられる。
【0019】
微生物による培養法によりポリ−γ−グルタミンサンを製造する場合には、ポリ−γ−グルタミン酸を菌体外に生成する菌株であればいずれも使用可能であるが、特にバチルス属菌種が望ましい。具体的な例としては、バチルス・ズブチルス、バチルス・アントラシス、バチルス・ナットウ等が用いられる。特にバチルス・ズブチリスのような微生物により産生される数百万以上の分子量を有するものが好ましい。
【0020】
微生物の培養法においては、菌株や培地等はポリ−γ−グルタミン酸が生産されるものならどのようなものでもよい。例えば、培地としては、炭素源、窒素源、無機物その他の栄養物を適当に含有する培地ならば、合成培地、天然培地いずれでも用いることができる。添加アミノ酸としては、L−グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、ヒスチジン等又はこれらの塩を用いることができ、好ましくはL−グルタミン酸であり、添加量は2〜12質量%程度が好ましく、より好ましくは3〜10質量%程度である。
【0021】
炭素源としては、グルコ−ス、シュクロ−ス、クエン酸又はキシロース等を用いることができるが、好ましくはクエン酸又はグルコースである。窒素源としては、ペプトン又は酵母エキス等の有機栄養源、硫酸アンモニウム等の無機栄養源等を用いることができる。培養は、振盪培養又は攪拌培養等の好気的条件下で行い、培養温度は25〜45℃、好ましくは30〜40℃である。培養時のpHは5〜9、好ましくは6〜8であり、培養時のpH調整は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等により行う。
【0022】
培養時間は通常48〜72時間で、ポリ−γ−グルタミン酸は菌体外に蓄積される。培養終了後の培養液中のポリ−γ−グルタミン酸は、従来から行われている方法により回収することができる。すなわち、遠心分離、濾過助剤又は微細孔を有するフィルター濾過により菌体を除去し、限外濾過することによりポリ−γ−グルタミン酸を回収することができる。また、3〜4倍量のエタノール等を添加してポリ−γ−グルタミン酸を沈殿させる。沈殿物を水に溶解させ不溶物を除去し、透析又は限外濾過等により低分子量物を除き、エタノ−ル等により再沈殿を繰り返してポリ−γ−グルタミン酸を回収することができる。
【0023】
2. 上述のようにして得られたポリ−γ−グルタミン酸を、溶媒中に2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%となるように溶解し、該溶液を放射線照射して生成した架橋体を分離精製する。溶媒としては水、アルコールの他、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル等が用いられるが、水、メチルアルコール及びエチルアルコールが好ましく、特に水が好ましい。
ポリ−γ−グルタミン酸を溶解した溶液は、放射線透過性容器、例えばガラス製バイアル瓶等が用いられる。放射線については、特に制限なく、例えば、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線等があるが、好ましくは電子線である。照射する電子線の照射線量は、通常、照射線量が20kGy以上であることが好ましい。照射時間は、少なくとも1秒以上であることが好ましい。1秒未満では架橋体を十分に形成することができない場合がある。
【0024】
この後、溶媒を除去することにより固形物である架橋型ポリ−γ−グルタミン酸を得ることができる。この架橋型ポリ−γ−グルタミン酸は、無色透明であり、吸水性に優れ、生分解性も有している。以上の方法により得られる架橋型ポリ−γ−グルタミン酸は、所定形状に造粒されていてもよく、また、不定形破砕状、球状等であってもよい。
【0025】
本発明において、上記(B)成分の配合量は、乾燥重量に換算して0.001〜5.0質量%、好ましくは0.01〜3.0質量%、特に0.2〜3.0質量%である。0.001質量%未満では保湿効果が十分に発揮されず、5.0質量%を超えると、効果の増強が見られない上、皮膚外用剤の経時安定性、あるいはべたつきや重さといった使用性に問題を生じるようになるからである。
【0026】
本発明においては、上記(A)成分及び(B)成分を含む皮膚外用剤を調整することにより、使用時にべたつかず、皮膚に対してのびやなじみがよく、塗布後においてもべたつかず、感触が良好で、うるおい感、しっとり感に優れ、かつ皮膚のはり・しわ改善に優れた化粧料が得られる。
【0027】
<水溶性薬剤>
本発明において、上記(A)成分及び(B)成分と組み合わせて、チオタウリン、ローズアップルリーフエキス、酵母エキス、バラ抽出液等の抗老化に効果のある水溶性薬剤を配合した場合、これら薬剤を有効的に皮膚へ浸透させることができる。
【0028】
また、美白剤も配合できる。例を挙げれば、例えば、アスコルビン酸系美白剤として、L―アスコルビン酸、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、dl−α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル等のアスコルビン酸無機塩エステル類;L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレエート等のアスコルビン酸モノアルキルエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレエート等のアスコルンビン酸ジエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレエート等のアスコルビン酸トリエステル類;2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸等のアスコルビン酸−2−グリコシド等が挙げられる。
【0029】
これらアスコルビン酸及びその誘導体は、塩として配合することが多く、このような塩としては、アルカリ金属塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類金属塩(Ca塩、Mg塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属塩である。
【0030】
また、アルコキシサリチル酸系美白剤の例としては、例えば特開平6−40886号記載のものが挙げられる。具体例としては、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポシキサリチル酸、あるいはこれらの塩が挙げられる。塩はアルカリ金属塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類金属塩(Ca塩、Mg塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属塩である。
【0031】
なお、本発明の皮膚外用剤において、塩型美白剤を用いる場合、塩の形にしてから配合してもよいし、アルカリ剤により組成物中で中和してもよい。このような塩型美白剤中和用のアルカリ剤としては、塩形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;クエン酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸塩、リシン等のアミノ酸等が挙げられる。このうち、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物である。
本発明において、上記塩型美白剤は、皮膚外用剤のpHを6〜7.5の範囲に調整することにより、安定性が保証される。
【0032】
また、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジン等のアミノ酸及びこれらのアルカリ金属塩と塩酸塩;アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等の有機酸;ビタミンA及びその誘導体;ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類;ビタミンD類;ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、アルブチン、セファランチン、プラセンタエキス等の各種薬剤も挙げることができる。
【0033】
その他、併用できる水溶性薬剤としては、通常、化粧品に用いられるものであれば、特に限定されない。例を挙げれば、例えば、アシタバ抽出液、アセンヤク抽出液、アルテア抽出液、アルニカ抽出液、アロエエキス、アロエベラ抽出液、イチョウ抽出液、イラクサ抽出液、ウイキョウ抽出液、エイジツ抽出液、エンメイソウ抽出液、オウゴン抽出液、オウバク抽出液、オウレン抽出液、オトギリソウ抽出液、オランダカラシ抽出液、海藻抽出液、ガイヨウ抽出液、褐藻エキス、カミツレ抽出液、カラス麦抽出液、カワラヨモギ抽出液、クチナシ抽出液、クマザサ抽出液、クララ抽出液、クレマティス抽出液、ゲンノショウコウ抽出液、紅茶抽出液、ゴボウ抽出液、米ぬか抽出液、コンフリー抽出液、サボテンエキス、サルビア抽出液、サンザシ抽出液、ジオウ抽出液、シソエキス、シモツケ抽出液、シャクヤク抽出液、ジュウヤク抽出液、ショウキョウチンキエキス、ショウブ根抽出液、シラカバ抽出液、水溶性シコン抽出液、西洋キズタ抽出液、西洋鋸草抽出液、西洋ハッカ抽出液、西洋菩提樹抽出液、ゼニアオイ抽出液、センブリ抽出液、ソウハクヒ抽出液、大豆エキス、タイム抽出液、タチジャコウソウ抽出液、茶エキス、チョウジ抽出液、チンピ抽出液、トウガラシチンキ抽出液、トウキ抽出液、トウキンセンカ抽出液、トウヒ抽出液、ニンジン抽出液、ノバラ抽出液、パセリ抽出液、ハマメリス抽出液、バラエキス、ビワ抽出液、ブドウリーフ抽出液、ヘチマ抽出液、ベニバナ抽出液、ホオウ抽出液、ボタンピ抽出液、ホップ抽出液、マルメロエキス、マロニエ抽出液、マンネンロウ抽出液、メリッサ抽出液、メリロート抽出液、桃葉エキス、ヤグルマギク抽出液、ユキノシタ抽出液、ユーカリ抽出液、ユリ抽出液、ヨクイニン抽出液、ラベンダー抽出液、レモンエキス、ローズマリー抽出液、ローマカミツレ抽出液、ワレモコウ抽出液、キウイ抽出液、グレープフルーツ抽出液、ローヤルゼリーエキス等がある。
【0034】
本発明の皮膚外用剤においては、界面活性剤を配合しなくても、十分に安定な組成物が形成される。ただし本発明においては、安定性の更なる向上、またはその他の目的のために界面活性剤を配合してもよい。
例えば、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ラウロイルジエタノールアミド、脂肪酸ジプロパノールアミド、マルチトールヒドロキシ脂肪族エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル、ポリエーテル変性シリコーン等の非イオン界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤;パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミン、アシルメチルタウリン塩等のアニオン界面活性剤;両性界面活性剤等を適宜選択して配合することができる。
【0035】
本発明の皮膚外用剤には、上記成分に加えて、通常、化粧料等の外用組成物に配合され得る他の成分を、本発明の所期の効果を損なわない限りにおいて配合することができる。
例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類;マカデミアナッツ油、オリーブ油、ラノリン等の油脂類;ホホバ油、カルナバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルシロキサン等のシリコーン類;カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール、フィトステロール等の高級アルコール類;カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等の高級脂肪酸;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン等の保湿剤;エタノール等の低級アルコール;ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン等の酸化防止剤;安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、ヘキサクロロフェン等の抗菌剤、皮膜形成剤、油ゲル化剤、金属酸化物、有機紫外線吸収剤、無機金属塩類、有機金属塩類、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、薬効成分、色素、香料、精製水等を本発明外用組成物中に通宜配合することができる。
【0036】
本発明の皮膚外用剤の剤型は特に限定されず、任意の剤型をとり得る。例えば水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油2層系、水−油−粉末3層系、油/水(O/W)型乳化系、水/油(W/O)型乳化系、ゲル、エアゾール、ミスト、及びカプセル等が挙げられる。また、製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料;ファンデーション、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、サンスクリーン等のメーキャップ化粧料;ボディー化粧料;芳香化粧料;メーク落とし、洗顔料、ボディーシャンプー等の皮膚洗浄料;ヘアーリンス、シャンプー等の毛髪化粧料;軟膏;浴用剤等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれの形で適用することもできる。
【0037】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0038】
[はり・しわ改善効果]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布5時間後のはり・しわ改善効果について官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、はり・しわ改善効果があると回答
B: 7〜9名が、はり・しわ改善効果があると回答
C: 3〜6名が、はり・しわ改善効果があると回答
D: 2名以下が、はり・しわ改善効果があると回答
【0039】
[保湿効果]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布後の肌のうるおい感(保湿効果)について官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、うるおい感があると回答
B: 7〜9名が、うるおい感があると回答
C: 3〜6名が、うるおい感があると回答
D: 2名以下が、うるおい感があると回答
【0040】
[べたつき]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布後の肌のべたつきについて官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、べたつきがないと回答
B: 7〜9名が、べたつきがないと回答
C: 3〜6名が、べたつきがないと回答
D: 2名以下が、べたつきがないと回答
【0041】
[肌へののび]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布時の肌へののびについて官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
B: 7〜9名が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
C: 3〜6名が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
D: 2名以下が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
【0042】
(製造例1)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸
明治γ−PGA(明治製菓(株)製ポリ−γ−グルタミン酸)の10質量%の水溶液をガラス製トレイに入れ、コッククロフトウオルトン型電子線照射装置にて、照射距離10cm、2.5kGy/1secにて照射量30kGYになるように合計12秒間照射した。得られた処理物を1週間、4℃の水に浸漬し、未架橋のポリ−γ−グルタミン酸を除去した。水を吸収して膨潤したポリ−γ−グルタミン酸ゲルを80メッシュの金網で濾過後、凍結乾燥し、ゲル化率91%の架橋型ポリ−γ−グルタミン酸を得た。
【0043】
(製造例2)架橋型ポリアスパラギン酸
リジンメチルエステル・2塩酸塩7.2部とリジン・1塩酸塩22.6部とを蒸留水40部に溶解し、苛性ソーダ7.8部を少しずつ加えて中和し、リジン水溶液を調製した。一方、窒素気流下、重量平均分子量(Mw)9.6万のポリコハク酸イミド100部をDMF400部に溶解し、前記リジン水溶液を加え、室温で1時間撹拌後、攪拌を止め、20時間反応した。反応物を刃付き撹拌翼がついたミキサーに移送し、蒸留水400部とメタノール400部を加え、8000rpmにて5分間ゲルを細断した。さらに27質量%苛性ソーダ水溶液129.7部を2時間かけて滴下後、2時間撹拌し、7質量%塩酸水を用いてpH7になるまで中和した。その後メタノール300部を加え、沈殿物を60℃で乾燥し、サンプルミルを用いて、粒子直径が100μm以下となるまで粉砕し、架橋型ポリアスパラギン酸143部を得た。
【0044】
下記表1、2に示す試料を調整し、上記評価基準により評価した。
(表1)

(表2)

*1:アキュリン22(ポリマー実分30%)(ローム&ハース社製)
*2:シンタレンK(3V社製)
*3:PEMULEN TR-1(NOVEON社製)
*4:バイオダインEMPP(Arch Personal Care Products L.P.社製)
【0045】
(製法)
(1)〜(10)の水相をディスパーで撹拌しながら、(11)〜(17)の油相を徐添して、目的のスキンケアクリームを得た。
【0046】
本願のアクリル系ポリマーと、架橋型ポリアミノ酸を用いた場合は、いずれもはり、しわ改善効果及び保湿効果に優れ、且つべたつかず、肌へののびが良いものとなった(試験例1−1〜1−6)。これに対し、(A)成分のみの場合や(試験例2−1〜2−4)、(A)成分の代わりに従来用いられている増粘剤を用いた場合(試験例3−1〜3−8)は、はり・しわ改善効果や保湿効果が十分ではなく、肌へののびが悪い、べたつきが生じる等の問題があった。
【0047】
<はり・しわ改善効果>
はり・しわ改善効果を、下記に示す動的粘弾性を測定することにより試験した。
(動的粘弾性の試験方法)
Paar Physica社製のコーンプレート型粘弾性測定機(MCR−300)を用い、周波数0.1〜100(rad/sec)の範囲にて、下記試験例4〜6のサンプルの貯蔵弾性率(G‘)と損失弾性率(G“)を測定した。結果を図1に示す。
【0048】
試験例4:アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体(商品名:アキュリン22,ローム&ハース社製)3.3%水溶液(実分1%)(水酸化カリウムでpH7に調整)。
試験例5:架橋型ポリ−γ−グルタミン酸Na(商品名:ジェルプロテインA−8001,出光テクノファイン(株)社製)10%水溶液(実分0.2%)。
試験例6:試験例4と試験例5の1:1混合物。
【0049】
図1より、(A)成分と(B)成分を組み合わせた場合(試験例6)の弾性率は、各々単独の場合(試験例4,5)の弾性率よりも相乗的に大きくなっていることがわかる。よって動的粘弾性の測定においても、本発明の皮膚外用剤の優れた皮膚のはり改善効果が確認された。
【0050】
さらに、3cm四方の皮溝76μmのビトロスキン(人工皮膚)に上記試験例6のサンプルを1g滴下し、25℃,50%RHで24時間放置後、レーザーテック社製共焦点型顕微鏡(HD100D)を用いて観察した。
図2より、(A)成分と(B)成分を組み合わせた場合、塗布1日後においてもしわの凹凸が減少しており、本発明の皮膚外用剤の優れたしわ改善効果が確認できた。
【0051】
<保湿効果>
2cm四方のろ紙に上記試験例4〜6のサンプル、水、グリセリン5%水溶液を各10μL滴下し、その5分ごとの重量変化を25℃、50%RH下で測定した。その結果を最小二乗法により算出される(nX+m)のnを水分蒸散速度定数とし、絶対値としてプロットした各サンプル計3回の平均値を求めた。水分蒸散速度定数が低いほど、保湿効果があることになる。結果を図3に示す。
図3より、(A)成分と(B)成分を組み合わせた場合(試験例6)には、各々単独の場合(試験例4,5)と比較して、飛躍的に保湿効果が得られた。従来の保湿剤であるグリセリンを用いた場合と比較しても、著しく保湿効果が高かった。よって水分蒸散速度定数の測定においても、本発明の皮膚外用剤の優れた保湿効果が確認された。
【0052】
<スキンクリーム>
(配合成分) (質量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 5.0
(2)(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー 1.0
(商品名:SIMULGEL EG,SEPIC社製)
(3)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸(製造例1) 3.0
(4)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.) 1.5
(商品名;NIKKOL MYS-40V,日光ケミカルズ(株)社製)
(5)モノステアリン酸グリセリル(自己乳化型) 2.5
(商品名:NIKKOL MGS-ASE,日光ケミカルズ(株)社製)
(6)水添ポリイソブテン 5.0
(7)メドウフォーム油 5.0
(8)デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0
(9)ステアリルアルコール 0.8
(10)ベヘニルアルコール 1.5
(11)セタノール 4.0
(12)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(13)アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体 3.0
(商品名:ACULYN 28,ローム&ハース社製)
(14)水酸化カリウム 0.1
(15)パラベン 適量
(16)エデト酸塩 適量
(17)ジブチルヒドロキシトルエン 適量
(18)香料 適量
(19)精製水 残余
【0053】
(製法)
(1)〜(3)、(13)〜(17)、(19)を均一に混合溶解して70℃に加温した水相に、(4)〜(12)、(18)を70℃に加温して均一に溶解した油相を徐添してホモミキサーにて乳化する。次いで、熱交換機にて冷却して、目的のスキンケアクリームを得た。得られたスキンケアクリームのpHは7.0であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0054】
<スキンケア乳液>
(配合成分) (質量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 4.0
(2)ダイナマイトグリセリン 7.0
(3)ポリエチレングリコール1500 1.5
(4)ポリエチレングリコール20000 1.0
(5)キシリトール 1.0
(6)アセチル化ヒアルロン酸 0.01
(7)カルボキシビニルポリマー 0.14
(8)キサンタンガム 0.05
(9)水酸化ナトリウム 0.2
(10)アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体 1.0
(商品名:ACULYN 22(実分30%),ローム&ハース社製)
(11)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸(製造例1) 1.0
(12)イソステアリン酸PEG−60グリセリル 1.2
(商品名:EMALEX GWIS-160,日本エマルジョン(株)社製)
(13)ステアリン酸PEG−5グリセリル 0.5
(商品名:EMALEX GM-5,日本エマルジョン(株)社製)
(14)ステアリン酸 0.45
(15)ミリスチン酸 0.15
(16)水添パーム油 2.0
(17)スクワラン 1.0
(18)テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4.5
(19)ジメチルポリシロキサン(6mPa・s) 2.0
(20)イザヨイバラ果実エキス 0.02
(21)L−セリン 0.01
(22)トリメチルグリシン 1.0
(23)ルムプヤンエキス 0.3
(24)トラネキサム酸 2.0
(25)ビタミン−Eアセテート 0.05
(26)ヘキサメタリン酸ソーダ(試薬一級) 0.01
(27)エチルパラベン 0.23
(28)ブチルパラベン 0.1
(29)酸化鉄 適量
(30)パラベン 適量
(31)香料 適量
(32)精製水 残余
【0055】
(製法)
(1)〜(11)、(20)〜(30)、(32)を均一に混合溶解して70℃に加温した水相に、(12)〜(19)、(31)を70℃に加温して均一に溶解した油相を徐添してホモミキサーにて乳化する。次いで、熱交換機にて冷却して、目的のスキンケア乳液を得た。得られたスキンケアクリームのpHは6.5であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0056】
<スキンケアクリーム>
(配合成分) (質量%)
(1)ステアリン酸 8.0
(2)ステアリルアルコール 4.0
(3)ステアリン酸ブチル 6.0
(4)プロピレングリコール 5.0
(5)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸 10.0
(商品名:ジェルプロテインA−8001)
(6)モノステアリングリセリン 2.0
(7)水酸化カリウム 0.4
(8)アクリレート/ベヘネス−20メタクリレート共重合体 1.5
(商品名:ACULYN 22(実分30%),ローム&ハース社製)
(9)メチルパラベン 0.15
(10)ブチルヒドロキシトルエン 適量
(11)香料 適量
(12)精製水 残余
(13)L−アスコルビン酸 1.0
【0057】
(製法)
(12)に、(4)、(5)、(7)、(8)、(9)、(13)を加え、70℃に加熱調整する。(1)〜(3)、(6)、(10)、(11)を70℃に加熱溶解後、これを先の水相に加え予備乳化を行う。ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却を行い、スキンケアクリームを得た。得られたスキンケアクリームのpHは、6.3であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0058】
<スキンケア乳液>
(配合成分) (質量%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)セチルアルコール 1.0
(3)ワセリン 4.0
(4)スクワラン 5.0
(5)グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.0
(6)ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0
(7)ジプロピレングリコール 5.0
(8)ポリエチレングリコール1500 3.0
(9)トリエタノールアミン 1.0
(10)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸Na 5.0
(商品名:ジェルプロテインA−8001,出光テクノファイン(株)社製)
(11)エチルパラベン 0.2
(12)香料 適量
(13)精製水 残余
(14)アクリレート/ベヘネス-25メタクリレート共重合体 1.0
(商品名:ACULYN 28(実分20%),ローム&ハース社製)
(15)水酸化ナトリウム 0.1
(16)エイジツ抽出液 0.2
(17)オウゴン抽出液 0.1
【0059】
(製法)
(14)に、(7)、(8)、(9)、(10)、(14)、(15)〜(17)を加え、70℃に加熱溶解する。(1)〜(6)、(11)、(12)を加え、
70℃に調整する。この油相を、先に調整した水相に加え予備乳化を行う。ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却してスキンケア乳液を得た。得られたスキンケア乳液のpHは、6.3であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0060】
<スキンケア乳液>
(配合成分) (質量%)
(1)セチルアルコール 1.0
(2)ミツロウ 0.5
(3)ワセリン 2.0
(4)スクワラン 6.0
(5)ジメチルポリシロキサン 2.0
(6)エタノール 5.0
(7)グリセリン 4.0
(8)1,3−ブチレングリコール 4.0
(9)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸Na 0.5
(商品名:ジェルプロテインA−8001,出光テクノファイン(株)社製)
(10)ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸エステル 1.0
(11)グリセロールモノステアリン酸エステル 1.0
(12)クインスシード抽出液(5%水溶液) 5.0
(13)フェノキシエタノール 0.2
(14)色剤(水溶性染料) 適量
(15)香料 適量
(16)精製水 残余
(17)アクリレート/ステアレス-20メタクリレート共重合体 0.2
(商品名:ACULYN 22(実分30%),ローム&ハース社製)
(18)トリエタノールアミン 0.1
(19)アセンヤク抽出液 0.3
【0061】
(製法)
(16)に、(6)〜(9)、(12)〜(14)、(17)、(18)、(19)を加え、70℃に加熱溶解する。(1)〜(5)、(10)、(11)、(15)を加え加熱溶解する。これを先の水相に加え、予備乳化を行う。次いで、ホモミキサーにて、乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却を行い、スキンケア乳液を得た。得られたスキンケア乳液のpHは、6.8であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0062】
<化粧水>
(配合成分) (質量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 6.0
(2)グリセリン 4.0
(3)オレイルアルコール 0.1
(4)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
(5)ポリオキシエチレン(15)ラウリルアルコールエーテル 0.5
(6)エタノール 10.0
(7)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸Na 1.0
(商品名:ジェルプロテインA−8001,出光テクノファイン(株)社製)
(8)香料 適量
(9)色剤(水溶性染料) 適量
(10)メチルパラベン 0.2
(11)褪色防止剤(ジモルホリノピリダジノン) 適量
(12)クエン酸ナトリウム 0.04
(13)クエン酸 0.06
(14)アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体 0.1
(商品名:ACULYN 28,ローム&ハース社製)
(15)水酸化ナトリウム 0.3
(16)精製水 残余
(17)2-O-α-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸 2.0
【0063】
(製法)
(16)に、(1)、(2)、(7)、(9)、(11)〜(15)、(17)を室温にて溶解し、水相とする。(6)に、(3)〜(5)、(8)、(10)を溶解し、先の水相に混合可溶化して、目的の化粧水を得た。得られた化粧水のpHは6.7であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0064】
<マイクロエマルション型化粧水>
(配合成分) (質量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 6.0
(2)グリセリン 5.0
(3)ポリエチレングリコール4000 3.0
(4)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸Na 3.0
(商品名:ジェルプロテインA−8001,出光テクノファイン(株)社製)
(5)アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体 0.5
(商品名:ACULYN 22,ローム&ハース社製)
(6)水酸化カリウム 0.1
(7)オリーブ油 0.5
(8)ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
(9)ポリオキシエチレン(5)オレイルアルコールエーテル 0.3
(10)エタノール 10.0
(11)香料 適量
(12)色剤(水溶性染料) 適量
(13)メチルパラベン 0.3
(14)乳酸 0.06
(15)乳酸ナトリウム 0.04
(16)エデト酸塩 適量
(17)精製水 残余
(18)バラ抽出液 0.1
【0065】
(製法)
一部の(17)に、(4)、(5)、(6)を溶解しておく(一部の水相)。次いで、残部の(17)に、(1)〜(3)、(12)、(14)〜(16)、(18)を加え、室温下で溶解する(水相)。一方、(10)に、(7)〜(9)、(11)、(13)を加え、室温下で溶解する。このアルコール相を前述の水相に添加し、マイクロエマルションを調整する。これに先の一部の水相を添加し、目的のマイクロエマルション型化粧水を得た。得られたマイクロエマルション型化粧水のpHは、7.0であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0066】
<スキンケアクリーム>
(配合成分) (質量%)
(1)セチルアルコール 5.0
(2)ステアリン酸 3.0
(3)ワセリン 5.0
(4)スクワラン 10.0
(5)グリセロールトリ2−エチルヘキサン酸エステル 7.0
(6)ジプロピレングリコール 5.0
(7)グリセリン 5.0
(8)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸Na 15.0
(商品名:ジェルプロテインA−8001,出光テクノファイン(株)社製)
(9)プロピレングリコールモノステアリン酸エステル 7.0
(10)ポリオキシエチレン(20)セチルアルコールエーテル 3.0
(11)トリエタノールアミン 1.0
(12)ブチルパラベン 0.15
(13)ブチルヒドロキシトルエン 適量
(14)香料 適量
(15)精製水 残余
(16)アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体 2.0
(商品名:ACULYN 22(実分30%),ローム&ハース社製)
(17)ユキノシタ抽出液 0.1
(18)タイム抽出液 0.1
(19)水酸化ナトリウム 0.1
【0067】
(製法)
(15)に、(6)〜(8)、(11)、(16)〜(19)を加え、70℃に調整する。次いで、(1)〜(5)、(10)、(12)、(13)、(14)の油相を70℃で加熱溶解する。これを先の水相に添加して予備乳化を行う。ホモミキサーにて乳化粒子を均一にした後、脱気、濾過、冷却して目的のスキンケアクリームを得た、得られたスキンケアクリームのpHは、6.2であった。
本品は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0068】
本発明の皮膚外用剤は、特定のアクリル系ポリマーと架橋型ポリアミノ酸とを配合することにより、皮膚のはり・しわ改善効果及び保湿効果に優れ、且つ肌へののびが良く、べたつきが生じないものとなる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記(a1)、(a2)及び(a3)のモノマーを構成モノマーとして含むアクリル系ポリマーと、
(B)架橋型ポリアミノ酸又はその塩とを含む皮膚外用剤。
(a1)アクリル酸又はメタクリル酸。
(a2)アクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル。
(a3)アクリル酸又はメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル。
【請求項2】
請求項1に記載の皮膚外用剤において、(A)成分が、アクリレート/セテス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアレス−50メタクリレート、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の皮膚外用剤において、(B)成分が、架橋型ポリ−γ―グルタミン酸、架橋型ポリアスパラギン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の皮膚外用剤において、(a)成分を実分として、0.01〜10.0質量%、(b)成分を実分として、0.0001〜5.0質量%含むことを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の皮膚外用剤において、さらに水溶性薬剤を含むことを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用剤において、pHが6.0〜7.5であることを特徴とする皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【国際公開番号】WO2005/044216
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【発行日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515263(P2005−515263)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015831
【国際出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】