説明

皮膚用又は毛髪用組成物

【課題】 ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性が改善された外用組成物を提供する。
【解決手段】 ジベンゾイルメタン誘導体と、下記式(1)で示されるベンザルマロネート誘導体とを配合する。
【化1】


[式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基である。]R、R及びRがメチル基であることが好適である。また、Rが2−エチルヘキシル基であることが好適である。また、ジベンゾイルメタン誘導体が4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであることが好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚用又は毛髪用の外用組成物、特に化粧料等の分野で紫外線吸収剤として使用されているジベンゾイルメタン誘導体の光安定性が改善され、ジベンゾイルメタン誘導体の効果が持続する外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料には、紫外線から人体の皮膚を保護するために、あるいは配合成分の分解等を防止するために、紫外線吸収剤が配合されている。
【0003】
紫外線の波長領域としては、UV−A領域(320〜400nm)、UV−B領域(290〜320nm)UV−C領域(〜290nm)に分けられるが、このうちUV−C領域の紫外線は、通常、地上に達することはない。また、UV−A領域(320〜400nm)の紫外線は皮膚を黒く侵すが、UV−B領域(290〜320nm)の紫外線のようにサンバーンを起こし、皮膚の老化を促進させるものではないと考えられていた。ところが近年になってUV−B領域の紫外線が比較的、皮膚の表面部分にとどまるのに対してUV−A領域の紫外線が、皮膚の深部にまで達し、皮膚の老化はもとより皮膚癌を誘発する原因となることがわかってきている。
【0004】
今日までに使用されてきた化粧料用紫外線吸収剤は、構造面から分類すると、(1)安息香酸誘導体、(2)ケイ皮酸エステル誘導体、(3)ベンゾフェノン誘導体、(4)ジベンゾイルメタン誘導体、(5)サリチル酸誘導体、(6)カンファー誘導体、(7)フェニルベンズイミダゾール誘導体、(8)フェニルベンゾトリアゾール誘導体、(9)トリアジン誘導体、(10)フェニルアクリレート誘導体などがある。
【0005】
これらのうち、(4)ジベンゾイルメタン誘導体は、安全性や紫外線吸収能(特にUV−B)に優れることから、化粧料分野において近年最も汎用されている紫外線吸収剤の一つである。代表的なものとしては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンがあり、これは極大吸収波長が360nm付近にあり、吸光度も大きく、UV−A領域の紫外線吸収剤として優れていることから、最もよく使用されているUV−A吸収剤である。
しかしながら、ジベンゾイルメタン誘導体は光安定性が低く、このため、これを配合して製剤化しても紫外線あるいは太陽光の暴露によりその紫外線防御効果が経時的に低下するという問題があった。そのため、光線下で長時間にわたり一定の皮膚保護作用を発揮するためには、この製剤を定常的にあるいは短時間内に繰返し適用することが必要であった。
【0006】
また、ある種のベンザルマロネート誘導体に紫外線吸収作用があることが知られている。例えば、特許文献1には、特定のベンザルマロネート誘導体が紫外線吸収作用を有し、光安定性が高く、非極性油剤への溶解性にも優れると記載されている。しかしながら、これまで2,4,5−トリメトキシ置換ベンザルマロネート誘導体について具体的に開示された文献はない。
【特許文献1】特開平9−87234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記背景技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的はジベンゾイルメタン誘導体の光安定性が改善された外用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のベンザルマロネート誘導体を併用することにより、ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性が顕著に改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる皮膚用又は毛髪用組成物は、ジベンゾイルメタン誘導体と、下記式(1)で示されるベンザルマロネート誘導体とを含有することを特徴とする。
【化2】

[式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基である。]
本発明の組成物において、R、R及びRがメチル基であることが好適である。
また、Rが2−エチルヘキシル基であることが好適である。
また、ベンザルマロネート誘導体が組成物中0.1質量%以上であることが好適である。
また、ジベンゾイルメタン誘導体が4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであることが好適である。
また、ジベンゾイルメタン誘導体が組成物中0.01〜10質量%であることが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定のベンザルマロネート誘導体をジベンゾイルメタン誘導体とともに用いることにより、ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性が向上し、ジベンゾイルメタン誘導体の効果の持続性に優れる外用組成物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明において使用することのできるベンザルマロネートは前記式(1)で示され、これらベンザルマロネート誘導体の1種以上を用いることができる。
式(1)中、Rはそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基であるが、好ましくは2−エチルヘキシル基である。
、R及びRはそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基であるが、好ましくはメチル基である。
【0011】
本発明にかかるベンザルマロネート誘導体として特に好適なものは、下記に示すジ−(2−エチルヘキシル)−2,4,5−トリメトキシベンザルマロネートである。
【化3】

【0012】
本発明にかかるベンザルマロネート誘導体は、例えば下記スキーム(1)のように、2,4,5−トリアルコキシ置換ベンスアルデヒド(i)と、マロン酸ジアルキルエステル(ii)とを用いたKnoevenagel縮合により合成することができる。スキーム(1)において、R〜Rは前記式(1)の定義の通りである。
スキーム(1)
【0013】
【化4】

【0014】
本反応は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アルコールなどの溶媒中、ピペリジン、ピリジンなどの塩基、酢酸、安息香酸、塩化亜鉛、四塩化チタンなどの酸、あるいは酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムなどのカルボン酸塩、無水酢酸等の酸無水物などの触媒存在下で、室温〜溶媒の還流温度で反応させることができる。
【0015】
スキーム(1)で用いる原料は、市販品を利用することができ、また公知の方法により合成することもできる。例えば、2,4,5−トリメトキシベンスアルデヒド(i−a)は、下記スキーム(2)のように、レソルシノール(iii)を出発原料として公知の反応により合成することができる。
スキーム(2):
【0016】
【化5】

【0017】
スキーム(2)においては、まず、レソルシノール(iii)をジメチル硫酸などのメチル化剤によりメチル化し、1,3−ジメトシキベンゼン(iv)を得る。
次いでVilsmeyer反応により芳香環にホルミル基を導入することができる。本反応はイミニウム中間体を経由して進行するので、N−メチルホルムアミドのような他のアミドも使用することができる。
さらに、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(v)を臭素化して5−ブロモ−2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(vi)を得る。これは、一般的な臭素化条件で行うことができる。
最後に、Cu(I)化合物を触媒として用い、メトキシドにより臭化物(vi)を置換することにより(Ullmann反応と同様の反応)、2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(i−a)を得ることができる。
【0018】
また、マロン酸エステル(ii)は、例えば、マロン酸と対応するアルコールROHとを用いたエステル交換反応により得ることができる。
【0019】
本発明におけるジベンゾイルメタン誘導体としては、紫外線吸収剤として公知のジベンゾイルメタン誘導体の1種以上が使用できるが、特に4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンが好適である。4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンは市販されており、例えばパルソール1789(R)(DSM社)などがある。
【0020】
本発明の外用組成物は、上記ベンザルマロネート誘導体とジベンゾイルメタン誘導体とを必須成分として含むものである。
ベンザルマロネート誘導体の配合量は、組成物中のジベンゾイルメタン誘導体の光安定性を改善するのに有効な量が用いられ、各組成物によって適宜変更することができる。光安定化のための最小量は、一般的な光安定性測定試験によって決定することができるが、通常は組成物中0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
ジベンゾイルメタン誘導体の配合量は、通常は組成物中0.01〜10重量%、好ましくは0.3〜5質量%の範囲である。
【0021】
本発明の外用組成物は、上記の必須成分を既存の外用剤基剤に配合することにより調製することができる。本発明の外用組成物には、上記以外の水溶性または油溶性紫外線吸収剤の一つ以上を含有することができる。
例えば、トリアジン系紫外線吸収剤(例えば、ビスレゾルシニルトリアジン、2,4―ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)―2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、オクチルトリアゾン(2,4,6―トリス{4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジン等);安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);ケイ皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチルメトキシシンナメート(パラメトキシケイ酸2−エチルヘキシル)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート、ジエタノールアミンエトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン;フェニルアクリレート系紫外線吸収剤(例えば、2−エチルヘキシルー2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等);フェニルベンズイミダゾール誘導体(例えば、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ジソジウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルフォネート等);ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤(例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等);カンファー誘導体(例えば4−メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルフォニックアシッド等);フェニルベンゾトリアゾール誘導体(例えばヒドロキシ−(エチルヘキシル)フェノキシベンゾトリアゾール、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール等);ベンザルマロネート誘導体(例えばジメチコベンザルマロネート等)などが挙げられる。
【0022】
本発明の組成物は、上記紫外線吸収剤のうち、ジベンゾイルメタン誘導体、ケイ皮酸誘導体、アントラニレート誘導体、サリチル酸誘導体、カンファー誘導体、ベンザルマロネート誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体の1種以上をさらに含有することが好ましく、特に好ましくは、エチルヘキシルサリシレート、ホモサレート、オクチルメトキシシンナメート(パラメトキシケイ酸2−エチルヘキシル)、オクトクリレン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、4−メチルベンジリデンカンファー、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルベンゾトリアゾール、ジエチルアミノ−ヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルエステル、ヒドロキシ−(エチルヘキシル)フェノキシベンゾトリアゾール、ビス−エチルヘキシルフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジメチコンジエチルベンザルマロネート、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルフォネート2ナトリウムである。
【0023】
また、本発明の組成物には、通常外用組成物に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することができ、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。
【0024】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0025】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0026】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0027】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0028】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0029】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0030】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0031】
合成エステル油としては、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0032】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0033】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0034】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0035】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0036】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0037】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0038】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0039】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0040】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0041】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0042】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0043】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0044】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0045】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POPーブチルエーテル;POP・POEーブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POPーグリセリンエーテル;POPーグリセリンエーテルリン酸;POP・POEーペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0046】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0047】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0048】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0049】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0050】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0051】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0052】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B、B、B、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0053】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0054】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0055】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0056】
本発明の外用組成物の剤型は任意であり、可溶化物、乳化物、懸濁物、液状、固形状、半固形状、ゲル状、軟膏状、その他何れの剤型でも構わない。また、本発明の外用組成物の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル皮膚外用剤;ファンデーション、口紅、アイシャドー等のメーキャップ皮膚外用剤;ボディー皮膚外用剤;芳香組成物;メーク落とし、ボディーシャンプーなどの皮膚洗浄料;軟膏;シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、整髪料、育毛料などの毛髪外用剤等に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。配合量は特に指定のない限り質量%である。
【実施例】
【0057】
合成例1 ジ−(2−エチルヘキシル)−2’,4’,5’−トリメトキシベンザルマロネート(化合物1)
マロン酸ジ−2−エチルヘキシル(0.02モル)をピリジン(5mL)に溶解し、2,4,5−トリメトキシベンスアルデヒド(0.02モル)及びピペリジン(0.15mL)を添加した。この混合物を70〜75℃で4.5時間還流した後、冷却し、この溶液を10mLの水で2回、10mLの1N塩酸で2回、及び10mLの飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、黄色油状の標題化合物1を得た(収率64%)。吸光度(溶媒:エタノール、濃度:10ppm)を図1に示す。またその他の分析値は次の通り。
【0058】
Rf:0.3(80%酢酸エチル/ヘキサン);
IR(neat,cm-1):2950, 2862, 1715, 1602, 1512, 1461, 1250, 1211, 1130;
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm):8.03(s, 1H, Ar-CH=), 6.95(s, 1H, Ar-H), 6.45(s, 1H, Ar-H), 4.13-4.12 and 4.09-4.08(m, 4H, 2X-OCH2-), 3.89, 3.82 and 3.76(s, 9H, 3X-OCH3), 1.38-0.75(m, 30H, 2X-C7H15);
13C-NMR(CDCl3) δ(ppm):167.8, 164.7(2X-COOR), 154.0, 152.4, 142.9, 123.4, 111.5 and 96.4(aromatic carbons), 137.1(Ar-CH=), 113.5(=C(COOR1)2), 56.3, 56.2 and 55.9(-OCH3), 68.1, 67.4, 38.7, 38.5, 30.3, 30.2, 28.8, 28.7, 23.7, 23.5, 22.9, 22.8, 14.0, 13.9, 10.9 and 10.8(alkyl carbons).
【0059】
合成例2 ジエチル−2’,4’,5’−トリメトキシベンザルマロネート(化合物2)
マロン酸ジ−2−エチルヘキシルの代わりに、マロン酸ジエチルを用いた以外は合成例1と同様にして、淡黄色固体状の標題化合物2を得た(収率74%)。
m.p.:98-99℃
Rf:0.31(50%酢酸エチル/ヘキサン);
IR(KBr, cm-1):2974, 2928, 2846, 1704, 1600, 1518, 1460, 1413, 1250, 1207, 1121, 1021;
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm):8.04(s, 1H, Ar-CH=), 6.98(s, Ar-H, 1H), 6.46(s, Ar-H, 1H), 4.34-4.21(q, 4H, 2X-OCH2-), 3.91, 3.86 and 3.78(s, 9H, 3X-OCH3), 1.39-4.19(t, 6H, 2X-CH3);
13C-NMR(CDCl3) δ(ppm):173.4, 71.8(2X-COOR), 162.2, 156.5, 156.3, 142.5, 131.0and 130.8(aromatic carbons), 132.6(Ar-CH=), 115.7(=C(COOR1)2), 75.6,75.5,and 75.3(-OCH3), 80.7, 80.6, 33.5 and 33.3(alkyl carbons).
【0060】
合成例3 ジヘキシル−2’,4’,5’−トリメトキシベンザルマロネート(化合物3)
マロン酸ジ−2−エチルヘキシルの代わりに、マロン酸ジヘキシルを用いた以外は合成例1と同様にして、淡黄色固体状の標題化合物3を得た(収率73%)。
m.p.:62-63℃
Rf:0.2(80%酢酸エチル/ヘキサン);
IR(KBr, cm-1):2955, 2028, 2854, 1712, 1607, 1518, 1464, 1238, 1200, 1029;
1H-NMR(CDCl3) δ(ppm):8.05(s, 1H, Ar-CH=), 6.97(s, 1H, Ar-H), 6.46(s, 1H, Ar-H), 4.20-4.12(t, 4H, 2X-OCH2-), 3.91, 3.85 and 3.78(s, 9H, 3X-OCH3), 1.66-0.81(m, 22H, 2X-C5H11);
13C-NMR(CDCl3) δ(ppm):176.6, 173.6(2X-COOR), 163.0, 161.5, 151.8, 145.9, 122.2, 120.4(aromatic carbons), 132.1(Ar-CH=), 105.3(=C(COOR1)2), 74.5, 74.2 and 65.1(-OCH3), 40.3, 34.5, 37.2, 34.5, 31.5, 31.4, 22.9(alkyl carbons).
【0061】
これらベンザルマロネート誘導体は、UV−B領域とUV−A領域の両方に吸収極大を有する。また、アルコール類やエステル油、シリコーン油など化粧料基剤に対する溶解性も良好であり、化粧料に好適に配合できる。特に、ジ−(2−エチルヘキシル)−2,4,5−トリメトキシベンザルマロネートは油状物質であり、使用性に優れる。
【0062】
試験例1 光安定化効果
本発明のベンザルマロネート誘導体のジベンゾイルメタン誘導体に対する光安定化効果を、次のようにして調べた。
すなわち、下記表1の組成でW/Oサンスクリーン組成物を常法により調製し、試料液とした。試料液を2mg/cmで膜上に均一に塗布したサンプルに、太陽光シミュレートした光源サンテストTM(アトラス社)を用いて、40℃で2.5時間280〜800nmの光を照射した。
照射前及び照射後のサンプルをそれぞれ100mLのテトラヒドロフランに浸して紫外線吸収剤を抽出し、ケイ皮酸エステル量をHPLCにて定量した。照射前の量を100%として、照射後の残存率を算出した。
【0063】
【表1】

【0064】
表2に、ジベンゾイルメタン誘導体として4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、光安定化剤として、本発明のベンザルマロネート誘導体である化合物1及び公知の紫外線吸収剤であるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを用いた場合の結果を示す。
【表2】

【0065】
光安定化剤を使用しない場合(試料液1)では、光照射により4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンはほとんど分解してしまう。
また、試料液3のように、化粧料分野においてUV−B吸収剤として汎用されているパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを配合すると、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンの残存率はやや改善したものの、その効果は低い。
これに対して、本発明のベンザルマロネート誘導体である化合物1を4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンとともに併用した場合には残存率が飛躍的に向上した(試料液2)。
このように、本発明にかかるベンザルマロネート誘導体は、ジベンゾイルメタン誘導体に対して優れた光安定化効果を発揮し、光照射下におけるジベンゾイルメタン誘導体の持続性を改善することができる。
【0066】
配合例1 サンスクリーン乳液
A.油相
揮発性環状シリコーン 27.0質量%
ジメチコンコポリオール 0.9
二酸化チタン(疎水化処理品) 10.0
酸化亜鉛(疎水化処理品) 10.0
タルク(疎水化処理品) 4.0
フェネチルベンゾエート 10.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン 1.0
2,4―ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)―2−ヒドロキシ〕フェニル}
−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン 1.0
2−エチルヘキシルー2−シアノー3,3−ジフェニルアクリレート 2.0
{2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸
ヘキシルエステル 1.0
化合物1 1.0
有機変性モンモリロナイト 0.5
防腐剤 適 量
香料 適 量
B.水相
2−フェニルベンズイミダゾールー5−スルホン酸 2.0
ジプロピレングリコール 7.0
トリエタノールアミン 1.1
精製水 残 余
【0067】
(製法)
油相部と水相部をそれぞれ混合し溶解させる。油相部は二酸化チタンの分散を十分に行い、これに水相部を加え、ホモジナイザーを用いて乳化した。
得られたサンスクリーン乳液は、非常に高い光安定性を有していた。
【0068】
配合例2 日焼け止め化粧料(W/O)
ジメチルポリシロキサン 1質量%
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
トリメチルシロキシケイ酸 5
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1
イソノナン酸イソノニル 5
ジプロピレングリコール 5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.02
グルタチオン 1
チオタウリン 0.05
クララエキス 1
パラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
球状ポリアクリル酸アルキル粉体 5
ブチルエチルプロパンジオール 0.5
2,4,6−トリス[p−(2’−エチルヘキシル−1’−
オキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン 1
ヒドロキシ−エチルヘキシルフェノキシベンゾトリアゾール 1
4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン 1
2,4−ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}
−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン 2
2−エチルヘキシルー2−シアノー3,3−ジフェニルアクリレート 2
{2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]
安息香酸ヘキシルエステル 1
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 1
化合物1 3
水酸化ナトリウム 0.15
アルキル−アリール1,3−プロパンジオンシリコーン 5
フェネチルベンゾエート誘導体 5
疎水化処理酸化亜鉛または疎水処理酸化チタン 15
精製水 残余
【0069】
(製法)
油相に水相を徐々に添加し添加終了後、攪拌機を用いて乳化粒子が均一になるように調製した。
得られた日焼け止め化粧料は、非常に高い光安定性を有していた。
【0070】
配合例3 サンスクリーンクリーム(O/W)
A.油相
ステアリン酸 10.0質量%
ステアリルアルコール 4.0
ステアリン酸ブチル 8.0
ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.0
ビタミンEアセテート 0.5
ビタミンAパルミテート 0.1
フェネチルベンゾエート 5.0
4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン 2.0
2,4−ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}
−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン 3.0
2−エチルヘキシルー2−シアノー3,3−ジフェニルアクリレート 3.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
化合物1 3.0
マカデミアナッツ油 1.0
茶実油 3.0
香料 0.4
防腐剤 適 量
B.水相
グリセリン 4.0
1,2ペンタンジオール 3.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
水酸化カリウム 2.0
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
L−アルギニン塩酸塩 0.01
エデト酸三ナトリウム 0.05
精製水 残 余
【0071】
(製法)
Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全溶解する。A相をB相に加えて、乳化機で乳化する。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリームを得た。
得られたサンスクリーンクリームは、非常に高い光安定性を有していた。
【0072】
配合例4 クリーム(O/W)
A.油相
セタノール 4.0重量%
ワセリン 7.0
イソプロピルミリステート 8.0
スクワラン 10.0
オクチルトリアゾン 2.0
化合物1 1.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 1.0
2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート 0.5
ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2.0
ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.2
POE(20)ソルビタンモノステアレート 2.8
フェネチルベンゾエート 5.0
ビタミンEニコチネート 2.0
香料 0.3
酸化防止剤 適 量
防腐剤 適 量
B.水相
グリセリン 10.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.02
ジプロピレングリコール 4.0
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0
エデト酸二ナトリウム 0.01
精製水 残 余
【0073】
(製法)
油相部と水相部をそれぞれ混合溶解させる。油相部に水相部を加え、ホモジナイザーを用い乳化して、クリームを得た。
得られたクリームは、非常に高い光安定性を有していた。また、なめらかさに優れ、べたつき感がなく、且つ保湿効果が持続した。
【0074】
配合例5 ファンデーション(O/W)
A.油相
セタノール 3.5 質量%
脱臭ラノリン 4.0
ホホバ油 5.0
ワセリン 2.0
スクワラン 6.0
ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.5
POE(60)硬化ヒマシ油 1.5
POE(20)セチルエーテル 1.0
フェネチルベンゾエート 2.0
3,4,5−トリメトキシケイ皮酸3−メチル−4−
[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]ブチル 0.1
2,4−ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ〕フェニル}
−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン 0.5
4−tert−ブチル−4‘−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
2−エチルヘキシルー2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート 0.5
化合物1 2.5
ピリドキシントリパルミテート 0.1
防腐剤 適 量
香料 0.3
B.水相
プロピレングリコール 10.0
調合粉末 12.0
エデト酸二ナトリウム 1.0
精製水 残 余
【0075】
(製法)
配合例4に準じてファンデーションを得た。得られたファンデーションは、非常に高い光安定性を有していた。
【0076】
配合例6 日焼け止め化粧料(O/W)
ポリオキシエチレン硬化ひまし油 1 質量%
ジメチコンコポリオール 0.5
デカメチルシクロペンタシロキサン 15
イソステアリン酸 0.5
フェニルトリメチコン 1
疎水化処理酸化チタン 5
2,4,6−トリス[p−(2’−エチルヘキシル−1’−
オキシカルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン 3
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
アルキル−アリール1,3−プロパンジオンシリコーン誘導体 5
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 2
化合物1 2
シリカ 1
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.09
パラベン 適 量
フェノキシエタノール 適 量
エタノール 5
グリセリン 1
サクシノグルカン 0.2
セルロースガム 1
フェネチルベンゾエート 5
イオン交換水 残 余
【0077】
(製法)
常法に従って、日焼け止め化粧料を得た。得られた日焼け止め化粧料は、非常に高い光安定性を有していた。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】ジ−(2−エチルヘキシル)−2’,4’,5’−トリメトキシベンザルマロネート(化合物1)の吸光度を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジベンゾイルメタン誘導体と、下記式(1)で示されるベンザルマロネート誘導体とを含有することを特徴とする皮膚用又は毛髪用組成物。
【化1】

[式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基である。]
【請求項2】
請求項1記載の組成物において、R、R及びRがメチル基であることを特徴とする皮膚用又は毛髪用組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の組成物において、Rが2−エチルヘキシル基であることを特徴とする皮膚用又は毛髪用組成物。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の組成物において、ベンザルマロネート誘導体が組成物中0.1質量%以上であることを特徴とする皮膚用又は毛髪用組成物。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の組成物において、ジベンゾイルメタン誘導体が4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであることを特徴とする皮膚用又は毛髪用組成物。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の組成物において、ジベンゾイルメタン誘導体が組成物中0.01〜10質量%であることを特徴とする皮膚用又は毛髪用組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2007−261978(P2007−261978A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87486(P2006−87486)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】