説明

盗聴器検出器および時計

【課題】断続音による盗聴器の検出に対応し、周囲に違和感を与えることなく盗聴器の検出を行うことができる盗聴器検出器および時計を提供することにある。
【解決手段】盗聴器検出器100は、特定音を発音する発音部と、発音部が特定音を断続的に発音するように発音部を制御し、発音部の制御状態に応じてスキャン部106のスキャン速度を制御するマイクロコンピュータ105と、電波信号の周波数をスキャンするスキャン部106とを有する。マイクロコンピュータ105は、消音期間のスキャン速度を発音期間のスキャン速度よりも下げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盗聴器の検出を行う盗聴器検出器および時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
盗聴器が発する電波信号を検出して盗聴器の有無を判断する盗聴器検出器(たとえば特許文献1を参照)や、スピーカから発せられた音波信号が電波信号として発せられていることを検出して、盗聴器を検知する盗聴器検出器が開示されている(たとえば特許文献2を参照)。
【0003】
特許文献1,2に開示されている盗聴器検出器は、盗聴器を検出するとスピーカの出力音量を順次下げながら、盗聴器が仕掛けられている設置場所を絞り込んでいくものである。
【特許文献1】特開昭49−24089号公報
【特許文献2】特開2000−13500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の盗聴器検出器は、「ピー」のような連続音を発信することによって、盗聴器の検出を行うが、このような連続音は、非常に不快感の強い音であるばかりか、静かな環境下や深夜での使用には不向きである。
【0005】
従来の盗聴器検出器は、「ピッ、ピッ、ピッ、…」のような断続音による盗聴器の検出には対応していない。
【0006】
本発明は、断続音による盗聴器の検出に対応し、周囲に違和感を与えることなく盗聴器の検出を行うことができる盗聴器検出器および時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点の盗聴器検出器は、受信した特定音を電波信号として送信している盗聴器を検出する盗聴器検出器であって、上記特定音を発音する発音部と、上記発音部が上記特定音を断続的に発音するように上記発音部を制御する発音制御部と、上記電波信号の周波数をスキャンするスキャン部と、上記発音制御部の制御状態に応じて上記スキャン部のスキャン速度を制御する制御部とを有し、上記制御部は、上記特定音の消音期間においては、上記スキャン速度を上記特定音の発音期間における上記スキャン速度よりも下げる。
【0008】
好適には、上記スキャン部は、電流供給ノードに接続されたキャパシタと、上記電流供給ノードに接続された少なくとも一つの電流源を含み、上記制御部は、上記特定音の消音期間においては、上記電源供給ノードに供給する電流を上記特定音の発音期間における当該電流よりも少なくする。
【0009】
好適には、上記制御部は、上記特定音の消音期間においては、上記スキャン部のスキャンを停止させる。
【0010】
好適には、上記スキャン部は、電流供給ノードに接続されたキャパシタと、上記電流供給ノードに接続された少なくとも一つの電流源と、上記電流供給ノードに接続されたすべての電流源が生成する電流を上記電流供給ノードに供給させるか否かを切り替えるスイッチとを含み、上記制御部は、上記特定音の消音期間においては、上記スイッチをオフに保持する。
【0011】
好適には、上記電波信号の受信レベルを検出し、検出結果に基づいて上記発音部を制御する受信レベル制御部を有し、上記受信レベル制御部は、上記受信レベルを所定のしきい値と比較し、比較結果に応じて上記特定音を発するか否かを判断する。
【0012】
本発明の第2の観点の時計は、時刻を計時する計時部と、上記計時部による時刻に応じて、受信した特定音を電波信号として送信している盗聴器を検出する盗聴器検出器とを有し、上記盗聴器検出器は、上記特定音を発音する発音部と、上記発音部が上記特定音を断続的に発音するように上記発音部を制御する発音制御部と、上記電波信号の周波数をスキャンするスキャン部と、上記発音制御部の制御状態に応じて上記スキャン部のスキャン速度を制御する制御部とを含み、上記制御部は、上記特定音の消音期間においては、上記スキャン速度を上記特定音の発音期間における上記スキャン速度よりも下げる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、断続音による盗聴器の検出に対応し、周囲に違和感を与えることなく盗聴器の検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る盗聴器検出器の一形態を示すブロック図である。
【0016】
図1に図示する盗聴器検出器100は、受信アンテナ101、受信回路102、増幅器103、バンドパスフィルタ104、マイクロコンピュータ105、切り替え部107、スキャン部106、VCO108、信号増幅器109、スピーカ110、表示部111、および記憶部112を有する。
受信回路102は、高周波増幅器1021、混合器1022、中間周波数増幅器1023、受信レベル検出部(受信レベル制御部)1024、および検波器1025で構成されている。
信号増幅器109は、音量調整部1091によって構成されている。
信号増幅器109およびスピーカ110によって、発音部が構成されている。マイクロコンピュータ105によって、発音制御部および制御部が構成されている。
【0017】
盗聴器検出器100は、「ピッ、ピッ、ピッ、…」のような特定周波数の断続音を発信することによって、盗聴器200を検出する第1のモードと、「ピー」のような連続音を必要なときのみ発信することによって盗聴器200を検出する第2のモードとを有する。これらのモードは選択的に実行することができる。
【0018】
盗聴器検出器100が発信する特定周波数の音を単に特定音ともいう。
【0019】
次に、盗聴器検出器100の各構成要素について説明する。
【0020】
受信アンテナ101は、盗聴器200が発信している電波信号を受信し、電波信号を受信回路102の高周波増幅器1021に出力する。
【0021】
高周波増幅器1021は、受信アンテナ101が受信した電波信号が入力され、高周波の信号(たとえば400MHz程度)を増幅して混合器1022に出力する。
【0022】
混合器1022は、高周波増幅器1021によって増幅された電波信号と、VCO108が発振する所定周波数の信号とが入力され、周波数の異なる2つの信号を掛け合わせて混合し、中間周波数増幅器1023に出力する。
【0023】
中間周波数増幅器1023は、混合器1022から入力された信号の内、中間周波数成分(たとえば10.7MHz程度)のみを増幅し、信号を検波器1025に出力する。
【0024】
受信レベル検出部1024は、中間周波数増幅器1023が出力した信号の受信レベル(RSSI;Received Signal Strength Indication)を検出し、検出信号SRをマイクロコンピュータ105に出力する。
受信レベル検出部1024は、受信レベルが所定のしきい値を超えたか否かを判断し、しきい値を超えた場合は真の検出信号SR1(たとえばハイレベルの電圧信号)を、しきい値を超えない場合は偽の検出信号SR2(たとえばローレベルの電圧信号)をマイクロコンピュータ105に出力する。
受信レベルは、スキャン時にマイクロコンピュータ105によって参照される。所定のしきい値は、好適に設定される。
【0025】
検波器1025は、中間周波数増幅器1023から入力された信号を復調して音声信号を取り出し、増幅器103に出力する。
【0026】
増幅器103は、検波器1025から音声信号が入力され、所定の音声レベルまで増幅し、バンドパスフィルタ104に出力する。
【0027】
バンドパスフィルタ104は、増幅された音声信号から特定の周波数成分を取りだし、マイクロコンピュータ105に出力する。
【0028】
マイクロコンピュータ105は、バンドパスフィルタ104から入力された音声信号を内蔵されたA/D変換器にて割り込み(サンプリング)周波数毎にアナログからデジタルの信号にA/D変換する。
【0029】
マイクロコンピュータ105は、特定周波数の音声信号を生成するための生成信号S1を信号増幅器109に出力する。マイクロコンピュータ105は、信号増幅器109が生成した音声信号をスピーカ110に出力させるか否かを制御する制御信号S3を信号増幅器109に出力する。
【0030】
マイクロコンピュータ105は、特定音の発信期間には、ハイレベルの切り替え信号CNTを切り替え部107の切り替え信号線CNTLに出力する。一方、マイクロコンピュータ105は、消音期間(特定音を発信しない期間)には、ローレベルの切り替え信号CNTを切り替え部107の切り替え信号線CNTLに出力する。この処理は、第1のモードが選択された場合に行われる。
【0031】
マイクロコンピュータ105は、受信レベル検出部1024から入力された検出信号SRの真偽に基づいた処理を行う。
【0032】
マイクロコンピュータ105は、受信レベル検出部1024から真の検出信号SR1が入力されると、ローレベルの切り替え信号CNTを切り替え部107に出力する。このとき、マイクロコンピュータ105は、A/D変換された音声信号から、所定の演算方法によって特定の周波数成分(たとえば1kHz)の振幅の大きさを算出する。
【0033】
マイクロコンピュータ105は、受信レベル検出部1024から偽の検出信号SR2が入力されると、制御信号S3の出力を停止する。
【0034】
後述する割り込み処理において、マイクロコンピュータ105は、特定周波数成分の振幅の大きさが所定のしきい値以上か否かを判断し、特定周波数成分の振幅の大きさがしきい値以上のとき、盗聴器検出フラグをセットする。マイクロコンピュータ105は、盗聴器200の検出時またはスキャン周波数が最大に達した時に、音量レベルおよび表示レベルを切り替えるか否かを判定し、切り替える場合、切り替え処理フラグをセットする。
【0035】
マイクロコンピュータ105は、たとえばPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)の平滑電圧によって音量レベルを調整するためのパルス状の制御信号S2を生成し、音量調整部1091に出力する。本実施形態では、音量レベルを5段階で調整するが、何段階に設定するかは好適に設定可能である。
【0036】
マイクロコンピュータ105は、表示内容を制御する制御信号S4を生成して表示部111に出力する。これにより、表示部111は、信号増幅器109の出力(音量)レベルに応じた値を表示部111に表示する。出力レベルに応じた値には、出力レベルの制御値あるいはスピーカ110の出力レベルが含まれる。
PWMに限らず、後述するデジタル/アナログ(D/A)変換器にて電圧を制御するようにしてもよい。
【0037】
マイクロコンピュータ105は、不図示のカウンタ等を用いてスキャン開始時点からの経過時間をカウントし、経過時間が所定時間(本実施形態では100ms程度)経過したか否かを判断する。
【0038】
本実施形態においては、ハードウェアのフィルタと、マイクロコンピュータ105による信号処理(デジタルフィルタの処理)を合わせて用いることにより、簡単なハードウェアと信号処理で高い選択度(Q)で特定周波数を弁別し、高精度の周波数弁別を行い、この弁別された特定周波数レベルをもとに、発信音の音声レベルを制御し、安定した盗聴器200の発見を行うことのできる盗聴器検出器100を実現している。
【0039】
後述するスキャン部106の電圧比較部CPNは、スキャン周波数(図2に図示する電流供給ノードNDIの電圧VCNT)が最大になったとき、エンド信号ENDをハイレベルにする。
【0040】
マイクロコンピュータ105は、エンド信号ENDがハイレベルになったことを検知すると、スキャン部106のリセット信号線RSTLにハイレベルのリセット信号RSTを出力し、電流供給ノードNDIの電圧を接地電位にリセットする。これにより、スキャン処理が終了する。
【0041】
マイクロコンピュータ105が行う動作は、記憶部112に記憶されたプログラムにしたがって処理を行うことができる。
【0042】
次に、スキャン部106および切り替え部107について説明する。図2は、本実施形態に係るスキャン部および切り替え部の構成例を示す回路図である。
【0043】
スキャン部106は、電圧比較部CPNと、電流IC3を生成する第1の電流源と、キャパシタC1と、電流供給ノードNDIと、電流供給ノードNDIを所定電圧にリセットするためのnpn型のトランジスタTR4と、ノードND6を有する。
【0044】
電圧比較部CPNは、pnp型のトランジスタTR1とTR2、抵抗R1〜R4、およびノードND1〜ND3で構成されている。
【0045】
第1の電流源は、pnp型のトランジスタTR3、抵抗R5〜R7、ノードND4、ND5で構成されている。
【0046】
電圧比較部CPNの抵抗R1とR2は、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に直列に接続されている。
【0047】
トランジスタTR1は、ベースがノードND1に、エミッタがノードND2に、コレクタがノードND3にそれぞれ接続されている。トランジスタTR2は、ベースがノードND4に、エミッタがノードND2に、コレクタが接地電位GNDにそれぞれ接続されている。
【0048】
抵抗R3は、電源電位VDDとノードND2との間に接続され、抵抗R4は、接地電位GNDとノードND3との間に接続されている。ノードND3は、エンド信号線ENDLによってマイクロコンピュータ105に接続されている。
【0049】
抵抗R5とR6は、電源電位VDDと接地電位GNDとの間に直列に接続され、抵抗R7は、電源電位VDDとトランジスタTR3のエミッタとの間に接続されている。キャパシタC1は、電流供給ノードNDIと接地電位GNDとの間に接続されている。電流供給ノードNDIは、ノードND6とND8を介してVCO制御信号線VCNTLによってVCO108と接続されている。
【0050】
トランジスタTR3は、ベースがノードND5に、エミッタが抵抗R7に、コレクタがノードND4にそれぞれ接続されている。トランジスタTR4は、ベースがリセット信号線RSTLによってマイクロコンピュータ105に、エミッタが接地電位GNDに、コレクタがノードND6にそれぞれ接続されている。
【0051】
切り替え部107は、電流IC4を生成する第2の電流源と、スイッチとして機能するnpn型のトランジスタTR6(単にスイッチともいう)を有する。
【0052】
第2の電流源は、pnp型のトランジスタTR5、ノードND7、ND8および抵抗R8〜R10で構成されている。トランジスタTR6は、第2の電流源が出力する電流IC4を電流供給ノードNDIに供給するか否かを切り替える。
【0053】
トランジスタTR5は、ベースがノードND7に、エミッタが抵抗R8に、コレクタがノードND8にそれぞれ接続されている。
【0054】
抵抗R8は、電源電位VDDとトランジスタTR5のエミッタとの間に接続されている。また、抵抗R9と抵抗R10は、電源電位VDDとトランジスタTR6のコレクタとの間に直列に接続されている。
【0055】
トランジスタTR6は、ベースが切り替え信号線CNTLによってマイクロコンピュータ105に、エミッタが接地電位GNDに、コレクタが抵抗R10にそれぞれ接続されている。
【0056】
VCO制御信号線VCNTLには電流供給ノードNDIの電圧VCNTが、リセット信号線RSTLにはリセット信号RSTが、切り替え信号線CNTLには切り替え信号CNTが、エンド信号線ENDLにはエンド信号ENDが、それぞれ伝搬される。
【0057】
上述した構成において、切り替え部107は、マイクロコンピュータ105からハイレベルの切り替え信号CNTが入力さると、トランジスタTR6をオンに切り替える。
【0058】
スキャン部106は、トランジスタTR6がオフの期間には、第1の電流源による電流IC3によって、キャパシタC1を充電するが、トランジスタTR6がオンに切り替わると、電流IC3に加え、第2の電流源による電流IC4によって、キャパシタC1を充電する。
【0059】
なお、第1の電流源が生成する電流IC3の電流量は、第2の電流源が生成する電流IC4の電流量よりも小さい方が望ましい。
【0060】
スキャン部106は、電圧比較部CPNにて、電流供給ノードNDIの電圧と基準電圧とを比較し、電流供給ノードNDIの電圧が基準電圧に達した時に、キャパシタC1の電圧を所定電圧(たとえば接地電位)にリセットする。
【0061】
ただし、スキャン部106は、キャパシタC1の電圧が所定電圧にリセットされるまでの期間、電流供給ノードNDIの電圧をVCO108に出力する。
【0062】
第1のモードにおいて、第1および第2の電流源を使用してキャパシタC1を充電する期間(タイミング)、すなわちトランジスタTR6がオンに切り替わる期間は、特定音の発信期間である。第2のモードにおいては、特定音の発信期間であっても、受信レベルがしきい値以下の場合にのみ、2つの電流源が使用される。
【0063】
このように、条件に応じて2つの電流源を使用すれば、一つの電流源を使用する場合よりも速くキャパシタC1を充電することができるため、スキャン速度が向上し、1回のスキャンに要する時間を短縮させることができる。
【0064】
本実施形態では、2つの電流源によってキャパシタC1を充電し、スキャンを行うことを通常スキャンという。一つの電流源によってキャパシタC1を充電し、通常スキャンよりもゆっくりとした速度でスキャンを行うことを低速スキャンという。
【0065】
VCO108は、スキャン部106から電流供給ノードNDI(図2参照)の電圧が入力され、盗聴器検出器100が電波信号を安定して受信するために、入力電圧に応じた周波数で発振し、発振した所定周波数の信号を混合器1022に出力する。
【0066】
信号増幅器109は、マイクロコンピュータ105から特定周波数の音声信号を生成するための生成信号S1が入力されると、生成信号S1に基づいて、特定音としての音声信号を生成する。信号増幅器109は、マイクロコンピュータ105から制御信号S3が入力されたときに、生成した音声信号をスピーカ110に出力する。
【0067】
音量調整部1091について図3を適宜参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る音量調整部を説明するための図である。
【0068】
音量調整部1091は、図示しない音声信号増幅器(Amplifier;以後アンプという)や平滑回路等で構成されている。音量調整部1091は、マイクロコンピュータ105から音量レベルを調整するための制御信号S2が入力され、信号増幅器109が生成した音声信号の音量レベルをアンプ等を用いて5段階で調整し、スピーカ110に出力する。
【0069】
ここで、音量調整部1091の回路構成について述べる。音量調整部1091は、図3に示すようにパルス状の制御信号S2を平滑回路にて直流に平滑する。たとえば、平滑回路に入力された制御信号S2の電圧を5V、周波数を10kHz、デューティ比を50%とすると、平滑後の電圧は、デューティ比が100%時の半分、すなわち2.5Vとなる。音量調整部1091の回路構成は、限定されないが、スピーカ110が発信する音量が平滑後の電圧に比例するような回路であれば、制御信号S2によって音量を制御できる。
【0070】
説明の便宜上、最小の音量レベルを音量VOL1、最大の音量レベルを音量VOL5のように、5段階で適宜表記する。この音量レベルの最大値および最小値、音量レベル間の幅などは、好適に設定可能である。
【0071】
表示部111について説明する。図4は、本実施形態に係る表示部の主要部の構成例を示す回路図である。
【0072】
表示部111は、図4に示すように、スイッチSW1〜SW5、抵抗R11〜R15、発光素子(LED;Light Emitting Diode)としてのLED1〜LED5を有する。それぞれのスイッチSW1〜SW5、抵抗R11〜R15およびLED1〜LED5がそれぞれ直列接続され、直列接続されたそれぞれが並列接続されている。スイッチSW1〜SW5の一端が共通に電源電位VDDに、LED1〜LED5のカソード側が共通に接地電位に接続されている。
【0073】
表示部111は、マイクロコンピュータ105が盗聴器200を検出すると、盗聴器200の検出結果に応じて図示しない制御信号S4が入力され、制御信号S4に応じたスイッチSWがオンに切り替わってLEDが発光することで、ユーザ(盗聴器検出器100の使用者)と盗聴器200との推定距離を5段階で表示する。この表示の段階を単に表示レベルともいう。表示部111は、他に図示しない発光素子や表示パネルなどが設けられ、たとえば電源の投入状態や検出結果など種々の情報を好適に表示できる。なお、図4に示す表示部111の回路構成は主要部の一例であって、本実施形態に限定されない。
【0074】
記憶部112は、たとえばフラッシュROMあるいはレジスタ等で構成され、たとえばマイクロコンピュータ105が処理する内容のプログラム、一時的なデータを記憶し、マイクロコンピュータ105によって適宜読み出しされる。記憶部112の構成、記憶内容等は特に限定されない。
【0075】
盗聴器200は、アンテナ201、およびマイクロフォン202を有する。盗聴器200は、マイクロフォン202で音声(音波信号)を取得し、その音波信号で搬送波の高周波を変調して、アンテナ201を介して送出する。盗聴器200による一連の動作を盗聴と表現する。
【0076】
盗聴器には、VOX(Voice Operation Transmission)機能が搭載されたものがある。VOX機能は、たとえば盗聴器200が音声を受信したときに起動して盗聴を行い、無音状態のときには盗聴を行わず、電波信号を送出しない機能である。
【0077】
次に、マイクロコンピュータ105上で実行される盗聴器検出処理について説明する。はじめに、特定周波数の断続音を発信することによって、盗聴器200を検出する第1のモードが選択された場合について説明する。
【0078】
図5は、本実施形態に係る盗聴器検出処理例を示すフローチャートである。
【0079】
(ステップST11)
図5に示すように、盗聴器検出処理のメインルーチンが開始される。
【0080】
(ステップST12)
はじめに、図5に示すように盗聴器検出器100は、ユーザによって設定されたスキャン周波数、発信する音の周波数等を記憶部112等に反映させ、記憶部112内のレジスタの初期化等を行う。ユーザによる初期設定の入力は、図示しない外部入力装置等で設定される。
【0081】
以下の説明では、盗聴器200に多く使用されている139MHzから400MHzの周波数をカバーするため、スキャン周波数を100MHz〜500MHzとする。詳細は後述するが、出力する音声信号の周波数が1kHzであるものとすると、割り込み(サンプリング)周波数は、4倍の4kHzに設定される。
【0082】
(ステップST13)
マイクロコンピュータ105は、スキャンスタート信号(ハイレベルのリセット信号RST)をリセット信号線RSTL送出した後(図8(D)参照)、割り込み処理を許可する。これにより、盗聴周波数のスキャンと割り込み処理が開始される。
【0083】
(ステップST14)
マイクロコンピュータ105は、割り込み処理を終了するか否かの判定を繰り返し行う。
マイクロコンピュータ105は、割り込み処理を終了させるか否かを、切り替え処理フラグ(後述のステップST28を参照)で判断し、切り替え処理フラグがセットされるまで繰り返し割り込み処理が行われ(NO)、切り替え処理フラグがセットされると(YES)、割り込み処理を禁止するため、ステップST15の処理を行う。
この割り込み処理の詳細については後述する。
【0084】
(ステップST15)
マイクロコンピュータ105は、割り込み処理の実行を禁止する。これにより、スキャン周波数のスキャン処理および音の出力が終了する。
なお、再びステップST13の処理が実行されるまで、割り込み処理は行われない。
【0085】
(ステップST16)
マイクロコンピュータ105は、盗聴器200の有無を盗聴器検出フラグ(後述のステップST26を参照)によって判断する。マイクロコンピュータ105は、盗聴器検出フラグがセットされていれば(YES)、盗聴器200が検出されたと判断してステップST17の処理を行い、盗聴器検出フラグがセットされていなければ(NO)、盗聴器200が検出されなかったと判断してステップST19の処理を行う。
【0086】
(ステップST17)
マイクロコンピュータ105は、盗聴器200を検出した場合、現時点での音量レベルが最小音量レベル(音量VOL1)であるか否かを判断する。マイクロコンピュータ105は、最小音量レベルであるものと判断した場合(YES)、ステップST13の処理に戻り、最小音量レベルでないものと判断した場合(NO)、ステップST18の処理を行う。
【0087】
(ステップST18)
ステップST16にて盗聴器200が検出され、ステップST17にて音量レベルが最小音量レベルでないものと判断された場合、マイクロコンピュータ105は、たとえばPWMによって音量レベルを1段階下げるためのパルス状の制御信号S2を生成し、音量調整部1091に出力する。たとえば現段階の音量レベルが音量VOL5であれば、音量VOL4に切り替えるように、音量調整部1091は、次回のスキャン処理に向けて、音量VOL4の音声信号を生成する。
【0088】
マイクロコンピュータ105は、表示レベルを1段階上げるように、制御信号S4を生成して表示部111に出力する。たとえば現段階の表示レベルが最低レベルの無灯状態であれば、表示部111は、LED1のみが点灯するように、スイッチSW1をオンに切り替え、その他のスイッチをオフの状態に切り替える(図4を参照)。
【0089】
このように、1回のスキャン(ステップST13〜ST15)で盗聴器200が検出された場合、音量レベルは1段階下げられ、表示レベルは1段階上げられる。
【0090】
(ステップST19)
一方、ステップST16にて盗聴器200が検出されなかった場合、マイクロコンピュータ105は、現時点での音量レベルが最大音量レベル(音量VOL5)であるか否かを判断する。マイクロコンピュータ105が、最大音量レベルであると判断した場合(YES)、音量レベルおよび表示レベルを維持したまま、ステップST13の処理に戻り、スキャン処理が再開され、最大音量レベルでないと判断した場合(NO)、ステップST110の処理を行う。
【0091】
(ステップST110)
ステップST16にて盗聴器200が検出されず、ステップST19にて音量レベルが最大音量レベル(音量VOL5)でないものと判断された場合、マイクロコンピュータ105は、たとえばPWMによって音量レベルを1段階上げるためのパルス状の制御信号S2を生成し、音量調整部1091に出力する。たとえば現段階の音量レベルが音量VOL3であれば、音量VOL4に切り替えるように、音量調整部1091は、次回のスキャン処理に向けて、音量VOL4の音声信号を生成する。
【0092】
マイクロコンピュータ105は、表示レベルを1段階下げるように、制御信号S4を生成して表示部111に出力する。たとえば現段階においてLED1〜LED3が点灯していれば、表示部111は、LED1〜LED2のみが点灯するように、スイッチSW1〜SW2をオンの状態に保持し、スイッチSW3をオフに切り替える。
【0093】
このように、1回のスキャンで盗聴器200が検出されなかった場合、音量レベルは1段階上げられ、表示レベルは1段階下げられる。
その後、再びステップST13の処理に戻る。
【0094】
続いて、ステップST13〜ST15において実行される割り込み処理について、図6を参照しながら詳細に説明する。
【0095】
図6は、本実施形態に係る第1のモードにおける割り込み処理例を示すフローチャートである。
【0096】
(ステップST21)
割り込み処理のルーチンが開始される。後述のステップST24における演算を行って盗聴器200を検出する場合、割り込み処理を行う周波数は、A/D変換のサンプリング周波数であり、出力音の周波数の4倍となる。たとえば、出力音が1kHzであれば、割り込み周波数は4kHzである。
【0097】
(ステップST22)
マイクロコンピュータ105は、特定周波数の音声信号を生成するための生成信号S1を信号増幅器109に出力する。これと共に、マイクロコンピュータ105は、信号増幅器109が生成した音声信号をスピーカ110に出力させるか否かを制御する制御信号S3を信号増幅器109に出力する。
【0098】
このとき、マイクロコンピュータ105は、断続音を発信できるように、生成信号S1および制御信号S3を信号増幅器109に出力する。
【0099】
信号増幅器109が、特定音としての音声信号を生成し、音声信号をスピーカ110に断続的に出力することにより、断続的な特定音がスピーカ110を介して送出される。
【0100】
マイクロコンピュータ105は、特定音の発信期間に、受信レベル検出部1024から真の検出信号SR1が入力されると、ローレベルの切り替え信号CNTを切り替え部107に出力する。
【0101】
(ステップST23)
マイクロコンピュータ105は、バンドパスフィルタ104から入力された音声信号を内蔵されたA/D変換器にて割り込み処理毎にアナログからデジタルの信号にA/D変換する。
【0102】
(ステップST24)
マイクロコンピュータ105は、所定の演算方法によって特定周波数成分(たとえば1kHz)の振幅の大きさ(すなわち電圧)を算出する。
【0103】
(ステップST25)
マイクロコンピュータ105は、ステップST24において算出した特定周波数成分の振幅の大きさが、しきい値以上であれば(YES)、盗聴器200を検出したものと判断してステップST26の処理を行い、しきい値以下であれば(NO)、盗聴器200が未検出であるものと判断してステップST27の処理を行う。
【0104】
(ステップST26)
特定周波数成分の振幅の大きさがしきい値以上のとき、マイクロコンピュータ105は、盗聴器検出フラグをセットし、ステップST27の処理を行う。本ステップST26の盗聴器検出フラグは、ステップST16の処理に用いられる。
【0105】
(ステップST27)
マイクロコンピュータ105は、エンド信号ENDがハイレベルになった場合、またはステップST26の処理において盗聴器検出フラグがセットされた場合、切り替え処理を行うものと判断して(YES)、ステップST28の処理を行い、いずれでもない場合(NO)、ステップST29の処理を行い、割り込み処理を終了する。
【0106】
(ステップST28)
マイクロコンピュータ105は、音量レベルおよび表示レベルを切り替える場合、切り替え処理フラグをセットし、割り込み処理を終了する(ステップST29)。
【0107】
次に、連続音を必要なときのみ発信することによって盗聴器200を検出する第2のモードが選択された場合について説明する。
【0108】
第2のモードのメインルーチンは、図5に図示する第1のモードのものと同様であるが、ステップST13〜ST15において実行される割り込み処理が、第1のモードのものと異なる。ここでは、第1のモードと異なる点について説明する。
【0109】
図7は、本実施形態に係る第2のモードにおける割り込み処理例を示すフローチャートである。
【0110】
図7に図示するように、第1のモードにおけるステップST23の処理とステップST24の処理との間に(図6参照)、第2のモードの特徴であるステップST31〜ST33の処理が実行される。
【0111】
(ステップST22a)
ステップST22aの処理において、マイクロコンピュータ105は、特定周波数の音声信号を出力させる信号S1の信号レベルを切り替えて信号増幅器109に出力し、信号増幅器109は、音声信号を生成する。割り込み周波数が4kHzであれば、1kHzの音声信号を出力するため、2回の割り込み処理ごとに、信号のレベルを切り替えて(ハイレベルならローレベルに、ローレベルならハイレベルに)処理を行う。
【0112】
(ステップST31)
ステップST23の処理後、マイクロコンピュータ105は、不図示のカウンタ等を用いてスキャン開始時点(たとえばステップST13の直後)からの経過時間をカウントしており、最大音量かつ所定時間(本実施形態では100ms程度)経過したか否かを判断する。経過時間が所定時間を経過している場合(YES)、ステップST32の処理を実行し、経過時間が所定時間を経過していない場合(NO)、後述のステップST24aの処理を実行する。なお、経過時間の設定は、好適に設定することができる。
【0113】
(ステップST32)
マイクロコンピュータ105は、受信レベル検出部1024から入力された検出信号SRの真偽に基づいた処理を行う。具体的には、マイクロコンピュータ105は、真の検出信号SR1が入力された場合、ステップST24aの処理を行い、偽の検出信号SR2が入力された場合、ステップST33の処理を行う。
【0114】
(ステップST33)
ステップST32にて、検出信号SRが偽の検出信号SR2であった場合、マイクロコンピュータ105は、制御信号S3の出力を停止する。これにより、信号増幅器109は、制御信号S3が入力されないため、音声信号の出力を停止(キャンセル)し、ステップST24の処理を行う。
【0115】
ところで、盗聴器200は、動作(盗聴)中に電波信号を出力しているため、盗聴器検出器100が盗聴器200に近づくと、受信レベルがしきい値を超える受信領域が存在する。すなわち、受信レベルが所定のしきい値を超えないということは、盗聴器検出器100が受信領域外に位置していることを示す。
本ステップST33の処理により、盗聴器検出器100が不必要な音を出力することを防止している。
【0116】
(ステップST24a)
一方、ステップST32にて、検出信号SRが真の検出信号SR1であった場合、マイクロコンピュータ105は、特定周波数の音声信号を出力させる制御信号S31を信号増幅器109に出力し、信号増幅器109は、特定周波数の音声信号を出力する。
マイクロコンピュータ105は、所定の演算方法によって特定周波数成分(たとえば1kHz)の振幅の大きさ(すなわち電圧)を算出する。
以下、第1モードと同様の処理が実行される。
【0117】
以下、第1のモードが選択された場合の盗聴器検出器100の動作について、図8を参照しながら説明する。
【0118】
図8は、本実施形態に係る切り替え部、およびスキャン部の動作を説明するためのタイミングチャートである。図8(A)は、電流供給ノードNDIの電圧VCNTを、図8(B)は、制御信号S3、図8(C)は、エンド信号ENDを、図8(D)は、リセット信号RSTを、図8(E)は、受信レベル検出部1024の受信レベルを、図8(F)は、切り替え信号CNTをそれぞれ示す。図8(E)のLEVは、受信レベルのしきい値を示す。
【0119】
マイクロコンピュータ105は、盗聴周波数のスキャンを行うため、パルス状のスキャンスタート信号(ハイレベルのリセット信号RST)をリセット信号線RSTL送出する(図8(D)参照)。これにより、トランジスタTR4がオンに切り替わり、電流供給ノードNDIの電圧が接地電位GNDにリセットされ、キャパシタC1の電荷が0になる(図2参照)。
【0120】
電流供給ノードNDIがリセットされた後、トランジスタTR4がオフに保持され、キャパシタC1の充電が開始される。
【0121】
このとき、マイクロコンピュータ105は、生成信号S1を信号増幅器109に出力すると共に、ハイレベルの制御信号S3を信号増幅器109に出力する(図8(B)参照)。これにより、特定音がスピーカ110を介して発信される。
【0122】
マイクロコンピュータ105は、通常スキャンを行うため、ハイレベルの切り替え信号CNTを切り替え信号線CNTLに供給する(図8(F)参照)。これにより、切り替え部107のトランジスタTR6がオンに切り替わり、電流IC3および電流IC4によって、キャパシタC1が充電される(図2参照)。
【0123】
受信回路102が受信アンテナ101を介して盗聴器200が送出している電波信号を受信すると、抽出した音声信号を増幅器103に、検出信号SRをマイクロコンピュータ105に出力する。このときの受信回路102の動作は以下の通りである。
【0124】
高周波増幅器1021は、高周波信号を増幅し、混合器1022は、この増幅された高周波信号とVCO108が出力する所定周波数の信号とを掛け合わせる。
【0125】
中間周波数増幅器1023は、混合器1022から掛け合わされた信号が入力されると、中間周波数成分の信号を取り出して検波器1025と受信レベル検出部1024とに出力する。
【0126】
受信レベル検出部1024は、中間周波数の信号の受信レベルが所定のしきい値LEVを超えたか否かを判断し、しきい値LEVを超えた場合は真の検出信号SR1(たとえばハイレベルの信号)を、しきい値LEVを超えない場合は偽の検出信号SR2(たとえばローレベルの信号)をマイクロコンピュータ105に出力する。
【0127】
一方で、検波器1025は、中間周波数増幅器1023から入力された信号を復調して音声信号を取り出し、増幅器103に出力する。
【0128】
増幅器103は、受信回路102の検波器1025から音声信号が入力されると、この音声信号を所定の音声レベルにまで増幅し、バンドパスフィルタ104に出力する。そして、バンドパスフィルタ104が、増幅された音声信号から特定の周波数成分を取りだし、マイクロコンピュータ105に出力する。
【0129】
スキャン部106は、たとえば100MHz〜500MHzの周波数帯域をスキャンする。トランジスタTR6は、オンの状態に保持されているため、電流IC3および電流IC4によって、キャパシタC1が充電されている。
【0130】
キャパシタC1の充電に伴って、電流供給ノードNDIの電圧VCNTは、図8(A)に図示するように上昇する。この電圧VCNTは、VCO制御信号線VCNTLに伝搬され、VCO108に出力される。なお、電流供給ノードNDIの電圧が所定の電圧に達するまで、スキャンが行われる。
【0131】
VCO108は、スキャン部106から電流供給ノードNDIの電圧VCNTが入力され、入力電圧に応じた周波数で発振し、発振した所定周波数の信号を混合器1022に出力する。
【0132】
消音期間を設けるため、現在出力中の特定音を停止する処理が行われる。具体的には、マイクロコンピュータ105は、生成信号S1の生成を停止すると共に、制御信号S3の信号増幅器109への出力を停止する(図8(B)参照)。
【0133】
通常スキャンから低速スキャンに切り替えるため、マイクロコンピュータ105は、ローレベルの切り替え信号CNTを切り替え信号線CNTLに供給する(図8(F)参照)。
【0134】
ところで、盗聴器200は、盗聴器検出器100が発信している特定音を受信した時に、盗聴を行うため、特定音を発信しない期間には、周波数をスキャンする必要がない。
【0135】
しかし、この時点でスキャンを停止すると、次の特定音の発信時に、スキャンを中断した時点の周波数からスキャンを再開することができない。すなわち、盗聴周波数全域を連続してスキャンすることができない。
【0136】
そこで、本実施形態は、消音期間中には、スキャンを停止する代わりに、低速スキャンを行う。
【0137】
低速スキャンを行うため、切り替え部107のトランジスタTR6がオフに切り替わり、電流IC3のみによって、キャパシタC1が充電される。電流IC3によるキャパシタC1の充電は、再び特定音が発信されるときまで行われる。
【0138】
電流IC3のみによって、キャパシタC1が充電されるため、電流供給ノードNDIの電圧VCNTは、図8(A)に図示するように、通常スキャンよりもゆっくりと上昇する。このため、通常スキャン時よりもゆっくりとした速度で周波数のスキャンが行われる。
【0139】
このように、低速スキャンを行うことで、消音期間中に行われるスキャンの周波数範囲をできるだけ小さくすることができる。
【0140】
再び、特定音を発信するため、マイクロコンピュータ105は、生成信号S1を信号増幅器109に出力すると共に、ハイレベルの制御信号S3を信号増幅器109に出力する(図8(B)参照)。
【0141】
マイクロコンピュータ105は、通常スキャンを行うため、ハイレベルの切り替え信号CNTを切り替え信号線CNTLに供給する(図8(F)参照)。
【0142】
その後、受信レベル検出部1024が、中間周波数増幅器1023が出力した信号の受信レベルを検出し、受信レベルがしきい値LEVを超えたものとする(図8(E)参照)。受信レベルがしきい値を超えたということは、盗聴器200が盗聴器検出器100付近に存在していることを示している。
【0143】
そこで、通常スキャンから低速スキャンに切り替える。この低速スキャンは、この時点での周波数付近を重点的にスキャンするために行われる。
【0144】
このとき、受信レベル検出部1024は、検出信号SR1(たとえばハイレベルの電圧信号)をマイクロコンピュータ105に出力し、マイクロコンピュータ105は、ローレベルの切り替え信号CNTを切り替え信号線CNTLに供給する(図8(F)参照)。
【0145】
このときも、電流IC3のみによってキャパシタC1が充電されるため、電流供給ノードNDIの電圧VCNTは、図8(A)に図示するように、通常スキャン時よりもゆっくりと上昇する。
【0146】
このように、特定音の発信期間であっても、受信レベルがしきい値LEV以上の時には、低速スキャンが行われる。
【0147】
受信レベルが再びしきい値LEV以下になると(図8(E)参照)、通常スキャンが行われる。
【0148】
電圧比較部CPNは、スキャンの開始時点から、電流供給ノードNDIの電圧とノードND1の電圧とを比較している。電流供給ノードNDIの電圧VCNTが、抵抗R1とR2による分圧電圧(ノードND1の電圧)VB1に達した時、ノードND3の電位が上昇して、エンド信号線ENDLのエンド信号ENDがハイレベルに切り替わる(図8(C)参照)。
【0149】
マイクロコンピュータ105は、エンド信号ENDがハイレベルになったことを検知すると、スキャン部106のリセット信号線RSTLにハイレベルのリセット信号RSTを出力し、電流供給ノードNDIの電圧を接地電位にリセットする。
【0150】
このときが、スキャン周波数の最大時(本実施形態では500MHz)であり、1回のスキャンが終了する。
【0151】
説明の簡便化のため、1回のスキャンで一度だけ特定音が停止する動作例を挙げた。スキャンの周期と、この断続音の周期とは、同期する必要はない。
【0152】
次に、第2のモードが選択された場合の盗聴器検出器100の動作について、図9を参照しながら説明する。
【0153】
図9は、本実施形態に係る切り替え部、およびスキャン部の動作を説明するためのタイミングチャートである。図9(A)は、電流供給ノードNDIの電圧VCNTを、図9(B)は、エンド信号ENDを、図9(C)は、リセット信号RSTを、図9(D)は、受信レベル検出部1024の受信レベルを、図9(E)は、切り替え信号CNTをそれぞれ示す。図9(D)のLEVは、受信レベルのしきい値を示す。
【0154】
第2のモードが選択された場合、受信レベルがしきい値LEVを超えると(図9(D)参照)、第1のモードにて詳細に説明したように、マイクロコンピュータ105は、ローレベルの切り替え信号CNTを切り替え信号線CNTLに供給し(図9(E)参照)、低速スキャンが行われる。
【0155】
第2モードでは、連続音によって盗聴器200の検出を行うため、マイクロコンピュータ105は、ハイレベルの切り替え信号CNTを常時、切り替え信号線CNTLに供給する(不図示)。
【0156】
本実施形態によれば、盗聴器検出器100は、特定音を発音する発音部と、発音部が特定音を断続的に発音するように発音部を制御し、発音部の制御状態に応じてスキャン部106のスキャン速度を制御するマイクロコンピュータ105と、電波信号の周波数をスキャンするスキャン部106とを有する。
【0157】
マイクロコンピュータ105が、消音期間のスキャン速度を発音期間のスキャン速度よりも下げることにより、断続音による盗聴器の検出に対応し、周囲に違和感を与えることなく盗聴器の検出を行うことができる。
【0158】
断続音を発生する場合であっても、途中でスキャンを停止することなく、低い周波数から高い周波数まで、盗聴周波数帯域全体を1回のスキャンで実行することができる。
【0159】
第2のモードにおいては、必要なときのみ音が発生するため、ユーザや周囲の人に不快感を与えることなく、静かな環境で盗聴器検出器を使用することができる。
【0160】
1回のスキャンで盗聴器が検出された場合、音量レベルが1段階下げられ、表示レベルは1段階上げられる。逆に、1回のスキャンで盗聴器が検出されなかった場合、音量レベルが1段階上げられ、表示レベルは1段階下げられる。これが交互に繰り返されることにより、ユーザは、音量を手がかりに盗聴器までの距離を推定しやすくなる。
【0161】
音量と表示の変更は、マイクロコンピュータ105にて自動的に連続して実行されるため、ユーザは、音量調節を手動で行う必要がなく、ユーザ自身が移動するだけで盗聴器の設置場所まで容易に到達できる利点がある。したがって、専門知識を必要とせずに容易に盗聴器を発見できる。
【0162】
本盗聴器検出器は、受信レベルに関係なく、定期的に特定音を発信するため、VOX機能が搭載された盗聴器の検出にも対応できる利点がある。
【0163】
本実施形態において、音量レベルと表示レベルとを一致させる必要はない。たとえば、音量レベルを6段階、表示レベルを3段階に設定し、音量レベルが2段階下がる度に表示レベルを1段階上げてもよい。
【0164】
(第2実施形態)
第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0165】
第1実施形態では、消音期間中に行われるスキャンの周波数範囲をできるだけ小さくするため、低速スキャンが行われる。このとき、スイッチとしてのトランジスタTR6がオフに保持されるが(図2参照)、第1の電流源は電流IC3を生成している。
【0166】
その結果、電流IC3によって、電流供給ノードNDIの電圧が緩やかに上昇し、低速スキャンから通常スキャンに以降する(再び特定音が発信する)際に、スキャン再開時点での周波数が消音開始時点の周波数から僅かながら上がる「周波数の飛び」が生じる。
【0167】
本実施形態は、この「周波数の飛び」を防止し、消音期間中にスキャンを停止することができる盗聴器検出器に関するものである。
【0168】
図10は、本実施形態に係るスキャン部および切り替え部の構成例を示す回路図である。
【0169】
図10に図示するように、スキャン部106aは、抵抗R6とノードND9との間に、第2のスイッチとして機能するnpn型のトランジスタTR7が設けられている。
【0170】
具体的には、トランジスタTR7は、ベースが切り替え信号線CNTL2によってマイクロコンピュータ105に、エミッタがノードND9(接地電位GND)に、コレクタが抵抗R6にそれぞれ接続されている。このトランジスタTR7は、第1の電流源が出力する電流IC3を電流供給ノードNDIに供給するか否かを切り替える。
【0171】
第1実施形態と同様に、第1のスイッチとして機能するトランジスタTR6は、ベースが切り替え信号線CNTL1によってマイクロコンピュータ105に接続されている。
【0172】
マイクロコンピュータ105は、切り替え信号線CNTL1に切り替え信号CNT1を、切り替え信号線CNTL2に切り替え信号CNT2を供給する。
【0173】
消音期間に、第1のスイッチとしてのトランジスタTR6だけではなく、第2のスイッチとしてのトランジスタTR7もオフに保持されることにより、電流供給ノードNDIへの電流の供給が停止される。
【0174】
キャパシタC1の充電が終了することで、電流供給ノードNDIの電圧の上昇が止まり、電流供給ノードNDIの電圧は、ほぼ一定となる。その結果、VCO108が発振する周波数もほぼ一定となり、消音期間にスキャン中の周波数が保持される。したがって、消音期間にスキャンを停止し、周波数の飛びを防止することができる。
【0175】
次に、図10に図示するスキャン部106aを搭載した盗聴器検出器100の動作について、図11を参照しながら説明する。なお、第1のモードが選択された場合について説明する。
【0176】
図11は、本実施形態に係る切り替え部、およびスキャン部の動作を説明するためのタイミングチャートである。図11(A)は、電流供給ノードNDIの電圧VCNTを、図11(B)は、制御信号S3、図11(C)は、エンド信号ENDを、図11(D)は、リセット信号RSTを、図11(E)は、受信レベル検出部1024の受信レベルを、図11(F)は、切り替え信号CNT1を、図11(G)は、切り替え信号CNT2をそれぞれ示す。図11(E)のLEVは、受信レベルのしきい値を示す。
【0177】
第2実施形態では、制御信号S3がローレベルに保持されている消音期間に(図11(B)参照)、トランジスタTR6およびTR7が同時にオフに保持される。
【0178】
詳細には、マイクロコンピュータ105は、ローレベルの切り替え信号CNT1を切り替え信号線CNTL1に、ローレベルの切り替え信号CNT2を切り替え信号線CNTL2に供給する(図8(F)、(G)参照)。
【0179】
その結果、電流供給ノードNDIには、電流IC3および電流IC4の供給が停止され、キャパシタC1に蓄積された電荷が放電を開始する。電流供給ノードNDIの電圧はやがて下降するが、キャパシタC1のインピーダンスは非常に高いため、図11(A)に図示するように、その電圧の下降は極めて僅かである。このため、電流供給ノードNDIの電圧は、ほぼ一定であるとみなすことができる。
【0180】
したがって、消音期間中にスキャンを停止し、「周波数の飛び」を防止することができる。
【0181】
電流供給ノードNDIの電圧が僅かに低下したとしても、低速スキャンから通常スキャンへの移行時に、スキャン周波数の重複を最小限に抑制することができる。
【0182】
(第3実施形態)
たとえば、置き時計のように、「ピッ、ピッ、ピッ、…」のような断続的な時報音を発信し、定時を知らせる時計が広く普及している。そこで、本実施形態では、第2実施形態に係る盗聴器検出器を時計に組み込み、時報音を利用して盗聴器200の検出を行うことができる盗聴器検出器について説明する。
【0183】
図12は、本発明に係る盗聴器検出器が組み込まれた時計の主要構成例を示すブロック図である。
【0184】
図12に図示するように、時計300は、盗聴器検出器100、制御回路310、計時部320、および時刻表示部330を有する。
【0185】
時計300は、時刻情報等を表示する時計としての機能の他、定時を時報音で知らせるアラーム機能(アラームモード)、および盗聴器検出器100が持つ盗聴器検出機能(盗聴器検出モード)を有する。
【0186】
これら2つのモードは、好適に選択することができる。アラームモードが選択された場合、時計300は、定時(たとえば12時、1時、…)に達すると発信する時報音を利用して盗聴器200の検出を行う。一方、盗聴器検出モードが選択された場合、時計300は、ユーザの操作によって、盗聴器200の検出を行う。
【0187】
制御回路310は、時計300全般の制御を行う。具体的には、制御回路310は、時刻表示部330を制御すると共に、盗聴器検出器100のマイクロコンピュータ105を制御する。
【0188】
制御回路310は、計時部320が計時する時刻が定時に達すると、盗聴器検出器100の電源をオフからオンに切り替えるための電源制御信号S5をマイクロコンピュータ105に出力する。
【0189】
制御回路310は、盗聴器検出モードの作動中に、信号増幅器109が生成した音声信号をスピーカ110に出力させるか否かを制御するための制御信号S6をマイクロコンピュータ105に出力する。このとき、制御回路310は、断続的に制御信号S6をマイクロコンピュータ105に出力する。
【0190】
計時部320は、たとえば年情報カウンタ、月情報カウンタ、日情報カウンタ、曜日情報カウンタ、時情報を計時する時カウンタ、分情報を計時する分カウンタ、および秒情報を計時する秒カウンタで構成されている。計時部320は、これらのカウンタによって時刻を計時し、計時した時刻を制御回路310に出力する。
【0191】
時刻表示部330は、たとえば指針である秒針、分針、および時針で構成されている。時刻表示部330は、制御回路310を介して計時部320から入力された時情報、分情報、秒情報等の時刻情報を、指針である秒針、分針、および時針の指示位置により表示する。時計300は、いわゆるアナログ方式の時計であるが、デジタル方式の時計であってもよい。
【0192】
盗聴器検出器100は、盗聴器検出モードがオフの時には、盗聴器検出器100の電源がオフに保持されている。なお、図12に図示する盗聴器検出器100には、本実施形態の説明に必要な構成要素のみが図示されている。無論、第1実施形態に係る盗聴器検出器を時計300に組み込むこともできる。
【0193】
マイクロコンピュータ105は、制御回路310から電源制御信号S5が入力されると、不図示の電源をオフからオンに切り替える。これにより、盗聴器検出器100の電源がオンとなる。
【0194】
マイクロコンピュータ105は、制御回路310から制御信号S6が入力されると、特定周波数の音声信号(時報音)を生成するための生成信号S1を信号増幅器109に出力する。
【0195】
信号増幅器109は、マイクロコンピュータ105から生成信号S1が入力されると、生成信号S1に基づいて、時報音としての音声信号を断続的に生成する。
【0196】
時計300の動作を図13に関連付けて説明する。
【0197】
図13は、本実施形態に係る盗聴器検出器が組み込まれた時計の動作例を示すフローチャートである。
【0198】
(ステップST41)
ユーザがモード設定を行い、盗聴器検出モードが選択されたものとする。
【0199】
(ステップST42)
計時部320が計時する時刻が定時に達すると、制御回路310は、盗聴器検出器100の電源をオフからオンに切り替えるための電源制御信号S5をマイクロコンピュータ105に出力する。
【0200】
(ステップST43)
盗聴器検出器100の電源がオンに切り替わると同時に、制御回路310は、断続的に制御信号S6をマイクロコンピュータ105に出力する。
【0201】
マイクロコンピュータ105は、断続的な制御信号S6を受けて、時報音としての特定周波数の音声信号を生成するための生成信号S1を信号増幅器109に出力する。
【0202】
信号増幅器109は、マイクロコンピュータ105から生成信号S1が入力されると、生成信号S1に基づいて、特定音としての音声信号を断続的に生成する。
【0203】
これにより、断続的な時報音がスピーカ110を介して出力され、盗聴器の検出が行われる。
【0204】
時報の終了後、制御回路310は、盗聴器検出器100の電源をオンからオフに切り替えるための電源制御信号S5をマイクロコンピュータ105に出力し、盗聴器検出器100の電源がオフに切り替わることで、盗聴器200の検出が終了する。
【0205】
本実施形態では、時報音を利用することによって、盗聴器200の検出を行うが、時報音の代わりに目覚まし(アラーム)機能としてのアラーム音を利用することができる。この場合、目覚まし時刻を好適に設定することにより、定期的に盗聴器の検出を行うことができる。
【0206】
本実施形態によれば、時計に盗聴器検出器が組み込まれ、時報音を利用して盗聴器の検出を行うことができるため、盗聴器検出器の存在を悟られることなく、日常生活において違和感なく、盗聴器の検出を行うことができる。
【0207】
このように、時報音を利用する場合、断続音に対応した本発明の盗聴器検出器が非常に好適である。言うまでもなく、本発明に係る盗聴器検出器は、メロディーのように連続した音にも対応可能である。
【0208】
時報音の発信時にのみ、盗聴器検出器100の電源がオンに切り替わるため、盗聴器検出器100や時計300の省電力化を図ることができる。
【0209】
定期的に盗聴器検出を行うことができるという利点もある。
【0210】
本発明は、当業者であれば本発明の要旨を変更しない範囲内で様々な改変が可能である。たとえば、目覚まし時計に第1のモードまたは第2のモードが選択可能なモード切替スイッチを設け、モードを選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0211】
【図1】第1実施形態に係る盗聴器検出器の一形態を示すブロック図である。
【図2】第1施形態に係るスキャン部および切り替え部の構成例を示す回路図である。
【図3】第1実施形態に係る音量調整部を説明するための図である。
【図4】第1実施形態に係る表示部の主要部の構成例を示す回路図である。
【図5】第1実施形態に係る盗聴器検出処理例を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係る第1のモードにおける割り込み処理例を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る第2のモードにおける割り込み処理例を示すフローチャートである
【図8】第1実施形態に係る切り替え部、およびスキャン部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】第1実施形態に係る切り替え部、およびスキャン部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】第2実施形態に係る本実施形態に係るスキャン部および切り替え部の構成例を示す回路図である。
【図11】第2実施形態に係る切り替え部、およびスキャン部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】本発明に係る盗聴器検出器が組み込まれた時計の主要構成例を示すブロック図である。
【図13】第3実施形態に係る盗聴器検出器が組み込まれた時計の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0212】
100…盗聴器検出器、101…受信アンテナ、102…受信回路、103…増幅器、104…バンドパスフィルタ、105…マイクロコンピュータ(CPU)、106…スキャン部、107…切り替え部、108…VCO、109…信号増幅器、110…スピーカ、111…表示部、112…記憶部、113…スイッチ回路、1021…高周波増幅器、1022…混合器、1023…中間周波数増幅器、1024…受信レベル検出部、1025…検波器、1091…音量調整部、200…盗聴器、201…(盗聴器の)アンテナ、202…マイクロフォン、C1…キャパシタ、IC3、IC4…電流源、ND1〜ND9…ノード、NDI…電流供給ノード、R1〜R10…抵抗、TR1〜TR3、TR5…pnp型のトランジスタ、TR4、TR6、TR7…npn型のトランジスタ、VCNTL…VCO制御信号線、RSTL…リセット信号線、CNTL、CNTL1、CNTL2…切り替え信号線、ENDL…エンド信号線、VCNT…VCO制御信号、RST…リセット信号、CNT…切り替え信号、END…エンド信号、SW113…スイッチ、300…時計、310…制御回路、320…計時部、330…時刻表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した特定音を電波信号として送信している盗聴器を検出する盗聴器検出器であって、
上記特定音を発音する発音部と、
上記発音部が上記特定音を断続的に発音するように上記発音部を制御する発音制御部と、
上記電波信号の周波数をスキャンするスキャン部と、
上記発音制御部の制御状態に応じて上記スキャン部のスキャン速度を制御する制御部と
を有し、
上記制御部は、
上記特定音の消音期間においては、上記スキャン速度を上記特定音の発音期間における上記スキャン速度よりも下げる
盗聴器検出器。
【請求項2】
上記スキャン部は、
電流供給ノードに接続されたキャパシタと、
上記電流供給ノードに接続された少なくとも一つの電流源を含み、
上記制御部は、
上記特定音の消音期間においては、上記電源供給ノードに供給する電流を上記特定音の発音期間における当該電流よりも少なくする
請求項1記載の盗聴器検出器。
【請求項3】
上記制御部は、
上記特定音の消音期間においては、上記スキャン部のスキャンを停止させる
請求項1記載の盗聴器検出器。
【請求項4】
上記スキャン部は、
電流供給ノードに接続されたキャパシタと、
上記電流供給ノードに接続された少なくとも一つの電流源と、
上記電流供給ノードに接続されたすべての電流源が生成する電流を上記電流供給ノードに供給させるか否かを切り替えるスイッチとを含み、
上記制御部は、
上記特定音の消音期間においては、上記スイッチをオフに保持する
請求項3記載の盗聴器検出器。
【請求項5】
上記電波信号の受信レベルを検出し、検出結果に基づいて上記発音部を制御する受信レベル制御部を有し、
上記受信レベル制御部は、
上記受信レベルを所定のしきい値と比較し、比較結果に応じて上記特定音を発するか否かを判断する
請求項1から4のいずれか一に記載の盗聴器検出器。
【請求項6】
時刻を計時する計時部と、
上記計時部による時刻に応じて、受信した特定音を電波信号として送信している盗聴器を検出する盗聴器検出器と
を有し、
上記盗聴器検出器は、
上記特定音を発音する発音部と、
上記発音部が上記特定音を断続的に発音するように上記発音部を制御する発音制御部と、
上記電波信号の周波数をスキャンするスキャン部と、
上記発音制御部の制御状態に応じて上記スキャン部のスキャン速度を制御する制御部とを含み、
上記制御部は、
上記特定音の消音期間においては、上記スキャン速度を上記特定音の発音期間における上記スキャン速度よりも下げる
時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−11412(P2010−11412A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171679(P2008−171679)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000115773)リズム時計工業株式会社 (208)
【Fターム(参考)】