説明

監視システム、監視方法、及び該方法を実行させるためのプログラム

【課題】管理者の負担を軽減すると共に少数の管理者でも突発的な事態に適切に対処することができる監視システムを提供する。
【解決手段】画像記憶サーバ100は、センサ部から送信されるイベント情報を記憶すると共に、監視端末200における監視領域の画像の表示を制御する制御情報Iを記憶し、イベント情報に基づいてイベント発生箇所の画像の制御情報IIを送信し、監視端末200からの変更要求信号に応じてイベント発生箇所の画像の撮像制御値を変更する。監視端末200は、画像記憶サーバ100から送信された制御情報Iに基づいて複数の監視領域の画像を切換表示し、複数の監視領域の配置に対応するように配列された複数の単位画像で構成される平面レイアウト画面40を生成し、平面レイアウト画面40上で選択された単枠に対応する監視領域の画像の撮像制御値を変更する変更要求信号をサーバに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システム、監視方法、及び該方法を実行させるためのプログラム関し、特に、農場で飼育される家畜等を監視する監視システム、監視方法、及び該方法を実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の監視カメラの画像を所定のタイミングで切換えると共に、センサ感知等のイベントが発生した場合に、イベント発生箇所に画面を切換える構成を備える監視カメラ・システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、農場の画像情報や気象情報を収集し、収集された情報に応じて農作業の依頼を行うことができる農園情報収集・管理システムが開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平06−153033号公報
【特許文献2】特開2001−344381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、農産物の低コスト競争に打克つべく少数の管理者で農場を運営することが要求されているため、上記従来のシステムでは少数の管理者で家畜等の病気や出産等の突発的な事態に適切に対処することが困難であり、特に、昼間よりも少人数となる夜間の管理者の負担が重くなるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、管理者の負担を軽減すると共に少数の管理者でも突発的な事態に適切に対処することができる監視システム、監視方法、及び該方法を実行させるためのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る監視システムは、複数の監視領域の画像を撮像する複数の撮像装置と、前記複数の監視領域の画像を記憶するサーバと、前記複数の監視領域の画像を表示する端末装置と、前記複数の監視領域のイベント情報を検知する複数の検知部とがネットワークを介して互いに接続された監視システムにおいて、前記サーバは、前記検知部から送信されるイベント情報を記憶するイベント記憶手段と、前記端末装置における監視領域の画像の表示を制御する制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、前記イベント情報に基づいて特定監視領域の画像の制御情報を送信する制御情報送信手段と、前記端末装置からの変更要求に応じて前記特定監視領域の画像の制御情報を変更する制御情報変更手段とを備え、前記端末装置は、前記サーバから送信された制御情報に基づいて前記複数の監視領域の画像を切換表示する切換表示手段と、前記複数の監視領域の配置に対応するように配列され、画面上で選択可能に設けられた複数の単位画像で構成されるレイアウト画像を生成する画像生成手段と、画面上で選択された前記単位画像に対応する監視領域の画像の制御情報を変更する制御変更情報を前記サーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サーバでは、検知部から送信されるイベント情報が記憶され、端末装置における監視領域の画像の表示を制御する制御情報が記憶され、イベント情報に基づいて特定監視領域の画像の制御情報が送信され、端末装置からの変更要求に応じて前記特定監視領域の画像の制御情報が変更され、一方、端末装置では、サーバから送信された制御情報に基づいて複数の監視領域の画像が切換表示され、複数の監視領域の配置に対応するように配列され且つ画面上で選択可能に設けられた複数の単位画像で構成されるレイアウト画像が生成され、画面上で選択された単位画像に対応する監視領域の画像の制御情報を変更する制御変更情報がサーバに送信される。サーバから送信された制御情報に基づいて複数の監視領域の画像を切換表示すると共に、レイアウト画像上で管理者が特定監視領域を選択することにより、イベント情報に基づいて送信された特定監視領域の画像の制御情報が変更される。これにより、複数の監視領域が存在する場合であっても、特に監視が必要とされる特定監視領域をレイアウト画面上で容易に認識することができると共に、制御情報の変更によってきめ細かい監視を実現することができ、もって管理者の負担を軽減すると共に少数の管理者でも突発的な事態に適切に対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態に係る監視システムの構成を概略的に示す図である。
【0010】
図1において、監視システムは、農場で飼育される家畜等を監視する監視カメラ(撮像装置)10A〜10N(A<N)と、監視カメラ10A〜10Nの各々に接続され、イベント情報、例えば家畜の動作に応じて各監視カメラに信号を送信するセンサ部10a〜10n(a<n)と、監視カメラ10A〜10NとLAN等のネットワーク20を介して接続され、監視カメラ10A〜10Nから送信される画像データを保存又は記憶する画像記憶サーバ100と、画像記憶サーバ100にネットワーク20を介して接続された監視端末200とを備える。
【0011】
尚、センサ部10a〜10nは監視カメラ10A〜10Nに接続されるが、通信回線I/Fを備えることを前提に直接通信回線に接続されていてもよい。この場合、監視カメラ10A〜10Nが撮影した画像は画像記憶サーバ100と監視端末にUDP(User Datagram Protocol)等プロトコルで送信される。センサ部10a〜10nのイベント情報は、画像記憶サーバ100に送信される。
【0012】
図2は、図1の画像記憶サーバ100のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図2において、画像記憶サーバ100は、画像記憶サーバ100の各構成要素を統括的に制御するCPU101と、CPU101の主メモリ及びワークエリア等として機能するRAM102と、CPU101の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、及びサーバ100が実行する各種プログラム(クライアント側で画面を表示させるための画面情報を含む)等を記憶するROM103と、外部機器と通信可能に接続されるLANアダプタ104と、ネットワーク20を介して送信される画像データを後述のモニタ107に表示させるためのビデオアダプタ105と、キーボードやマウス等の入力装置106と、CPU101が制御する不図示のディスプレイコントローラを介して取得した表示データを表示するモニタ107と、データベース領域及びイメージ領域を記憶するハードディスク108と、CD−ROMに記憶された画像データや各種プログラムを読み出すCD−ROMドライブ109とを備え、これらはシステムバス110を介して互いに接続されている。なお、オペレーティングシステムプログラム(OS)及びサーバ100が実行する各種プログラムは、ハードディスク108に記憶されても良い。
【0014】
ハードディスク108は、監視カメラ10A〜10Nの制御情報として、監視カメラ10A〜10Nの通常時における切換順、監視カメラ10A〜10Nの切換タイミング、監視カメラ10A〜10Nの角度制御パラメータ、各監視カメラの撮像制御値(パン・チルト・ズーム値)等を記憶する。
【0015】
図3は、図1の監視端末200のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【0016】
図3において、監視端末200は、画像記憶サーバ100の各構成要素を統括的に制御するCPU201と、CPU201の主メモリ及びワークエリア等として機能するRAM202と、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)等を記憶するROM203と、外部機器と通信可能に接続されるLANアダプタ204と、ネットワーク20を介して送信される画像データを後述のモニタ207に表示させるためのビデオアダプタ205と、キーボードやマウス等の入力装置206と、CPU201が制御する不図示のディスプレイコントローラを介して取得した表示データを表示するモニタ207と、オペレーティングシステムプログラム(OS)及び監視端末200が実行する各種プログラムとデータベース領域及びイメージ領域を記憶するハードディスク208と、CD−ROMに記憶された画像データや各種プログラムを読み出すCD−ROMドライブ209とを備え、これらはシステムバス210を介して互いに接続されている。
【0017】
本実施の形態では、所定の監視領域、例えば、畜舎に監視カメラ10A〜10N及びセンサ部10a〜10nが設置され、畜舎で飼育されている合計(n−a)頭の家畜を個別に監視する。各家畜の動作に応じた検出信号がセンサ部10a〜10nから監視カメラ10A〜10Nに送信されると共に、上記検出信号及び監視カメラ10A〜10Nで撮影された各家畜の画像データが監視端末200に送信される。各家畜の画像データは、監視端末200のモニタ207に表示される。
【0018】
図4は、監視システムにより監視される監視領域の平面レイアウト画面を示す図である。尚、本実施の形態では、監視領域として3棟の畜舎が選択されている。以下、各棟を夫々第一畜舎、第二畜舎、及び第三畜舎という。
【0019】
図4において、平面レイアウト画面40は、第一畜舎に対応する第1欄400と、第二畜舎に対応する第2欄420と、第3畜舎に対応する第3欄440とを有する。第1欄400は、各監視領域、すなわち第一畜舎の第1号〜第12号に対応する単枠401〜412を有する。同様にして、第2欄420は第二畜舎の第1号〜第12号に対応する単枠421〜432を、第3欄440は第三畜舎の第1号〜第12号に対応する単枠441〜452を夫々有する。
【0020】
平面レイアウト画面40上で入力装置206を介してポインタを移動し、単枠401〜412、421〜432、及び441〜452のうちの特定の監視領域をクリックしてから「設定変更」ボタン460を押下すると、後述する各監視領域の表示頻度設定画面(図5)に切換えられる。
【0021】
単枠のクリック動作は、監視履歴として監視端末200ハードディスク208に記憶されており、この監視履歴(クリック回数)に応じて単枠の表示色が変更される。単枠の表示色は、参照回数がゼロのときは白色であり、参照回数の増加に応じて黄色→オレンジ→赤色に変更される。これにより、管理者が他の管理者と交代する際に監視内容の引継ぎを忘れたときであっても、監視回数の多い箇所、すなわち要注意すべき監視領域を容易に認識することができる。
【0022】
図5は、図4の平面レイアウト画面40における特定の監視領域の設定を変更する際に表示される表示頻度設定画面を示す図である。尚、図5では、特定の監視領域として第二畜舎第5号に対応する枠425を選択した場合を示す。
【0023】
図5において、表示頻度設定画面500には、上から順に、「管理者名」、「ロケーション1」、「ロケーション2」、「指定頻度」、「トリガイベント」、及び「時間指定」の文字が表示されている。
【0024】
文字「管理者名」の右側には、本管理システムにログインしているユーザの氏名が表示され、文字「ロケーション1」及び「ロケーション2」の右側には、夫々図4の平面レイアウト画面40でクリックされた畜舎及び号が表示される。文字「指定頻度」の右側には、「連続」、「特別A(監視頻度が通常の2倍)」、「特別B(監視頻度が通常の4倍)、及び「通常」の4つから監視頻度を選択する選択監視頻度選択枠501が設けられている。文字「トリガイベント」の右側には、監視頻度選択枠501で選択された指定頻度に自動設定するきっかけとなるイベント(トリガイベント)を選択するイベント選択枠502が設けられている。例えば、トリガイベントとして「動きセンサオン」を選択したときは、被写体の動きを検知したときに監視頻度選択枠501で選択された指定頻度が設定される。
【0025】
文字「時間指定」の右側には、監視頻度選択枠501で選択された指定頻度に自動設定される時間範囲を指定する時間設定枠502が設けられている。本実施の形態では、時間範囲として20時から翌日9時までの期間が選択されている。
【0026】
尚、表示頻度設定画面500において、「指定頻度」で「連続」又は「特別/指定」が選択されている場合は、「トリガイベント」が必須項目となり、イベント選択枠502でイベントを必ず選択するように設定されている。
【0027】
図6は、監視端末200のモニタ207に表示される監視画面を示す図である。
【0028】
図6に示すように、監視画面600は、監視領域の連続した画像(動画)を表示する画像用枠611と、短期間毎に更新される監視領域の画像を表示する画像用枠621,622と、通常の所定期間毎に更新される監視領域の画像を表示する画像用枠631〜638とを有する。画像用枠611,621,622は、同一の表示サイズであり、監視画面600の上部に横一列に表示される。画像用枠631〜638は、画像用枠611,621,622の下方において2×4のマトリックス状に表示され、その表示サイズは画像用枠611,621,622よりも小さい。
【0029】
画像用枠611には、最も注意すべき監視領域、例えば現時点で突発的な事態が発生している監視領域の連続した画像(動画)が表示される。画像用枠621には、特に注意すべき監視領域、例えば、5分毎に監視が必要な監視領域の画像が表示され(もし対象の監視領域が3箇所あれば2分半毎に切替表示する)、画像用枠622には、指定された監視領域、例えば、10分毎に監視が必要な監視領域の画像が表示される。また、画像用枠631〜638には、例えば、15分毎に監視が必要な監視領域の画像が表示される。監視画面600の右下には、各画像の表示頻度の種類(連続,特別/指定,通常)及び各表示頻度に設定された監視領域の数が表示される。
【0030】
監視画面600上でポインタを移動し、監視画面600の左下に設けられた「設定変更」のボタンを押下すると、監視カメラ10A〜10Nの切換順や切換えタイミングを設定する不図示の画面が表示される。また、「設定変更」ボタンの横に設けられた「レイアウト表示」のボタンを押下すると、図4の平面レイアウト図面40をポップアップ表示する。このとき、図4の平面レイアウト図面40は、監視画面600とは別画面で表示される。
【0031】
また、特定の監視領域に対応する画像をダブルクリックすると、通常の表示シーケンスを中断して、特定の監視領域に対応する監視カメラの撮像制御値を調整するべく、当該監視領域の撮影画像をモニタ107の画面全体に表示する。
【0032】
図7は、特定監視領域の表示頻度設定処理を示すフローチャートである。尚、本フローチャートにおいて、ステップS421〜ステップS430は監視端末200のCPU201により実行され、ステップS441〜ステップS448は画像記憶サーバ100のCPU101により実行される。
【0033】
図7において、先ず、監視端末200のモニタ107に表示されている監視画面600(図6)の「レイアウト表示」のボタンを押下し、平面レイアウト画面40を表示するための画面情報を要求する画面要求信号を画像記憶サーバ100に送信する(ステップS421)。画像記憶サーバ100では、画面要求信号を受信すると(ステップS441)、平面レイアウト画面40の画面情報を監視端末200に送信し(ステップS442)、その後操作情報の受信待ちを行う(ステップS443)。監視端末200では、ステップS442で画像記憶サーバ100から送信された画面情報を受信し、該画面情報に基づいて平面レイアウト画面40(図4)をモニタ107に表示する(ステップS422)。
【0034】
次に、監視端末200では、平面レイアウト画面40において特定の監視領域(以下、単に「特定箇所」という)特定箇所に対応する枠を選択した後(ステップS423)、平面レイアウト画面40の「設定変更」ボタンが押下されたか否かを判別する(ステップS424)。「設定変更」ボタンが押下されていないときはステップS422に戻り、「設定変更」ボタンが押下されたときは画面要求信号を画像記憶サーバ100に送信する(ステップS425)。画像記憶サーバ100では、画面要求信号を受信すると(ステップS444)、監視端末200から送信された画面要求信号に応じて特定箇所の表示頻度設定画面(図5)の画面情報を監視端末200に送信し(ステップS445)、その後設定情報の受信待ちを行う(ステップS446)。監視端末200では、ステップS445で画像記憶サーバ100から送信された画像情報を受信し、該画面情報に基づいて図5の表示頻度設定画面500をモニタ207に表示する(ステップS426)。
【0035】
その後、監視端末200では、表示頻度設定画面500上で、特定箇所の表示頻度及び必須項目(トリガイベント)を選択する(ステップS427)。次に、必須項目が選択されたか否かを判別し(ステップS428)、必須項目が選択されていないときはステップS426に戻り、必須項目が選択されているときは、ステップS427で選択された表示頻度設定情報を画像記憶サーバ100に送信する(ステップS429)。画像記憶サーバ100では、表示頻度設定情報を受信すると(ステップS447)、監視端末200から送信された表示頻度設定情報をハードディスク108に記憶し(ステップS448)、ステップS443に戻る。
【0036】
監視端末200では、平面レイアウト画面40の「終了」ボタンが押下されたか否かを判別し(ステップS430)、「終了」ボタンが押下されていないときはステップS426に戻り、「終了」ボタンが押下されたときは、本処理を終了する。
【0037】
図8は、図6の監視画面600における画像の表示を切換える表示切換制御処理を示すフローチャートである。尚、本フローチャートにおいて、ステップS540〜ステップS555は監視端末200のCPU201により実行され、ステップS521〜ステップS531は画像記憶サーバ100のCPU101により実行される。
【0038】
図8において、先ず、画像記憶サーバ200では、監視カメラ10A〜10Nから送信された画像データ及びセンサ部10a〜10から送信されたトリガイベントに基づくイベント情報を受信し(ステップS521)、受信した画像データ及びイベント情報をハードディスク108に記憶する(ステップS522)。また、ハードディスク108に記憶されている通常画像の切換えタイミングの制御情報Iを所定のタイミングで監視端末200に送信する(ステップS523)。
【0039】
監視端末200では、監視カメラ10A〜10Nから送信された画像データを受信した後(ステップS540)、画像記憶サーバ200から送信された制御情報Iを受信したか否かを判別する(ステップS541)。制御情報Iを受信したときは、当該制御情報Iに基づいてRAM202に取込む画像を変更した後(ステップS542)、通常画像をモニタ107に切換え表示し(ステップS543)、制御情報Iを受信していないときは、そのままステップS543に進む。尚、ステップS543において監視端末表示画面600の「レイアウト表示」ボタンが押下されたときは、図4の平面レイアウト画面40をポップアップ表示する。
【0040】
画像記憶サーバ100では、ハードディスク108に記憶した過去のイベント情報を参照して、センサ部から送信されたイベント情報が新イベントであるか否かを判別し(ステップS525)、新イベントでないときはステップS527に進み、新イベントであるときは、イベント情報を送信したセンサ部に接続された監視カメラの画像を表示するための制御情報IIを監視端末200に送信し(ステップS526)、ステップS527に進む。
【0041】
監視端末200では、制御情報IIを受信すると(ステップS544)、当該制御情報IIに基づいてRAM202に取込む画像を変更し(ステップS545)、イベント発生箇所(特定監視領域)に設置された監視カメラの画像を通常画像より大きく表示する(ステップS546)。これにより、監視端末表示画面600に表示される画像が切換えられる。尚、ステップS546において「レイアウト表示」ボタンが押下されたときは、図4の平面レイアウト画面40をポップアップ表示する。
【0042】
次に、画像記憶サーバ100では、ハードディスク108に記憶した過去のイベント情報を参照して、イベント発生箇所(例えば、第二畜舎第5号)に設置されたセンサ部から送信されたイベント情報を継続して受信しているか否かを判別し(ステップS527)、イベント情報を継続して受信していないときはステップS529に進み、イベント情報を継続して受信していないときは、イベント発生箇所を撮影している監視カメラの画像表示を終了するための制御情報IIIを監視端末200に送信し(ステップS528)、ステップS529に進む。
【0043】
監視端末200では、制御情報IIIを受信したか否かを判別し(ステップS547)、制御情報IIIを受信していないときはステップS550に進み、制御情報IIIを受信したときは、さらに、イベント情報の受信終了後所定時間が経過したかを判別し(ステップS548)、所定時間が経過していない場合はステップS550に進み、所定時間が経過した場合はイベント発生箇所の画像の表示を終了して(ステップS549)、ステップS550に進む。
【0044】
次に、監視端末200では、図4のレイアウト画面でイベント発生箇所に対応する単枠(単枠425)がダブルクリックにより選択されたか否かを判別する(ステップS550)。イベント発生箇所に対応する単枠が選択されていないときはステップS555に進み、イベント発生箇所に対応する単枠が選択されたときは、イベント発生箇所の画像を参照した回数を1回増加させてイベント発生箇所の画像の参照履歴を更新し(ステップS551)、イベント発生箇所の画像の表示を制御する制御情報の変更を要求する変更要求信号を画像記憶サーバ100に送信する(ステップS552)。
【0045】
画像記憶サーバ100では、変更要求信号を受信すると(ステップS529)、イベント発生箇所を撮影するのに必要な撮像制御値(パン・チルト・ズーム値)をハードディスク108から読み出し、イベント発生箇所を撮影している監視カメラに撮像制御値を送信する(ステップS530)。その後、イベント発生箇所の監視カメラの撮像制御値を変更し(ステップS531)、ステップS526に戻る。
【0046】
一方、監視端末200では、RAM202への取込み画像をステップS550で選択されたイベント発生箇所の画像に変更し(ステップS553)、図6の監視画面600上で、当該イベント発生箇所の画像を通常画像より大きく表示する(ステップS554)。尚、ステップS554において「レイアウト表示」ボタンが押下された場合は、図4の平面レイアウト画面40をポップアップ表示する。その後、監視端末表示画面600の「終了」ボタンが押下されたか否か判別し、「終了」ボタンが押下されていないときはステップS540に戻り、「終了」ボタンが押下されたときは、本処理を終了する。
【0047】
本実施の形態によれば、画像記憶サーバ100では、センサ部10a〜10nから送信されるイベント情報が記憶され(ステップS522)、監視端末200における監視領域の画像の表示を制御する制御情報Iが記憶され、イベント情報に基づいてイベント発生箇所の画像の制御情報IIが送信され(ステップS526)、監視端末200からの変更要求信号に応じてイベント発生箇所の画像の制御情報(撮像制御値)が変更され(ステップS531)、一方、監視端末200では、画像記憶サーバ100から送信された制御情報Iに基づいて複数の監視領域の画像が切換表示され(ステップS543)、複数の監視領域の配置に対応するように配列され且つ画面上で選択可能に設けられた複数の単枠で構成される平面レイアウト画面40が生成され、平面レイアウト画面40上で選択された単枠に対応するイベント発生箇所の画像の制御情報を変更する変更要求信号が画像記憶サーバ100に送信される(ステップS552)。すなわち、画像記憶サーバ100から送信された制御情報に基づいて複数の監視領域の画像が監視画面600上で切換表示されると共に、管理者が平面レイアウト画面40上でイベント発生箇所に対応する単枠を選択することにより、イベント発生箇所の監視カメラの撮像制御値が変更される。これにより、複数の監視領域が存在する場合であっても、イベント発生箇所を容易に認識することができると共にイベント発生箇所に設置された監視カメラの撮像制御値の変更によって極細かい監視を実現することができ、もって管理者の負担を軽減すると共に少数の管理者でも突発的な事態に適切に対処することができる。
【0048】
尚、本実施の形態では、監視端末200と画像記憶サーバ100とがネットワークを介して互いに接続されているが、これに限るものではなく、監視端末と画像記憶サーバとが一体的に設けられてもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、被写体のイベント情報を検知するべくセンサ部10a〜10nが設けられているが、各監視カメラに対応したマイクロホンが設けられてもよい。この場合、画像記憶サーバ100はマイクロホンの音声を受信して記憶し、図8の表示切換制御処理とは異なるプロセスで、当該音声の周波数分析処理を実行する。具体的には、画像記憶サーバ100は、監視対象である家畜の通常の泣き声の音声をリファレンス音声として画像記憶サーバ100のハードディスク108に記憶し、受信した音声の周波数成分をリファレンス音声と比較分析して、異常な周波数成分(=異常な泣き声)の発生を検出したときに、イベント情報を表示制御情報を監視端末200に送信する(図8におけるステップS526に対応)。
【0050】
また、本実施の形態では、センサ部10a〜10nから送信されたイベント情報に基づいて表示制御情報を監視端末200に送信するが、これに限るものではなく、監視対象の画像の動き検知に基づいて表示制御情報を監視端末200に送信してもよい。この場合は、図8の表示切換制御処理とは異なるプロセスで、監視端末表示画面600に表示されている家畜の画像のフレーム画像比較による動き検知処理を実行する。具体的には、画像記憶サーバ100は、監視対象である家畜の通常の移動範囲を閾値として画像記憶サーバ100のハードディスク108に記憶し、家畜の画像の動きが上記閾値を越えたときに、イベント情報表示制御情報を監視端末に送信する(図8におけるステップS526に対応)。
【0051】
また、本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記憶した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出して実行することによっても、達成される。
【0052】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。
【0053】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0054】
コンピュータから読出されたプログラムコードを実行することにより、上述した上記実施の形態の機能が実現されだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動するOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0055】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0056】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態に係る監視システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の画像記憶サーバのハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1の監視端末のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】監視システムにより監視される対象領域の平面レイアウト画面を示す図である。
【図5】図4の平面レイアウト画面における特定の監視領域の設定を変更する際に表示される表示頻度設定画面を示す図である。
【図6】監視端末のモニタに表示される監視画面を示す図である。
【図7】特定監視領域の表示頻度設定処理を示すフローチャートである。
【図8】図6の監視端末表示画面における画像の表示を切換える表示切換制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10A〜10N 監視カメラ
10a〜10n センサ部
20 ネットワーク
100 画像記憶サーバ
200 監視端末
40 平面レイアウト画面
500 表示頻度設定画面
600 監視画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視領域の画像を撮像する複数の撮像装置と、前記複数の監視領域の画像を記憶するサーバと、前記複数の監視領域の画像を表示する端末装置と、前記複数の監視領域のイベント情報を検知する複数の検知部とがネットワークを介して互いに接続された監視システムにおいて、
前記サーバは、
前記検知部から送信されるイベント情報を記憶するイベント記憶手段と、
前記端末装置における監視領域の画像の表示を制御する制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、
前記イベント情報に基づいて特定監視領域の画像の制御情報を送信する制御情報送信手段と、
前記端末装置からの変更要求に応じて前記特定監視領域の画像の制御情報を変更する制御情報変更手段とを備え、
前記端末装置は、
前記サーバから送信された制御情報に基づいて前記複数の監視領域の画像を切換表示する切換表示手段と、
前記複数の監視領域の配置に対応するように配列され、画面上で選択可能に設けられた複数の単位画像で構成されるレイアウト画像を生成する画像生成手段と、
画面上で選択された前記単位画像に対応する監視領域の画像の制御情報を変更する制御変更情報を前記サーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記制御情報は、前記複数の撮像装置の通常時における切換順及び切換タイミング、並びに撮像装置の角度制御パラメータの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の監視システム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記選択された監視領域の画像の表示頻度を変更する表示頻度変更手段を更に備え、
前記制御情報は、前記選択された監視領域の画像の表示頻度を変更する表示頻度変更情報を含み、
前記切換表示手段は、前記表示頻度変更情報に基づいて前記選択された監視領域の画像を表示することを特徴とする請求項1又は2記載の監視システム。
【請求項4】
前記複数の検知部は、前記複数の撮像装置と関連付けるように設けられ、
前記切換表示手段は、検知部からイベント情報を受信した場合は、前記検知部に関連付けられた撮像装置により撮像される監視領域の画像を通常画像に比して大きく表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記切換表示手段は、前記選択された監視領域の画像を通常画像に比して大きく表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
複数の監視領域の画像を撮像する複数の撮像装置と、前記複数の監視領域の画像を記憶すると共に前記複数の監視領域の画像を表示する端末装置と、前記複数の監視領域のイベント情報を検知する複数の検知部とがネットワークを介して互いに接続された監視システムに適用される監視方法であって、
前記検知部から送信されるイベント情報を記憶するイベント記憶ステップと、
前記複数の監視領域の画像の表示を制御する制御情報を記憶する制御情報記憶ステップと、
前記イベント情報に基づいて特定監視領域の画像の制御情報を送信する制御情報送信ステップと、
前記制御情報に基づいて前記複数の監視領域の画像を切換表示する切換表示ステップと、
前記複数の監視領域の配置に対応するように配列され、画面上で選択可能に設けられた複数の単位画像で構成されるレイアウト画像を表示する画像表示ステップと、
画面上で選択された単位画像に対応する監視領域の画像の制御情報を変更する制御変更情報を前記サーバに送信する送信ステップと、
前記制御変更情報に応じて前記特定監視領域の画像の制御情報を変更する制御情報変更ステップとを有することを特徴とする監視方法。
【請求項7】
複数の監視領域の画像を撮像する複数の撮像装置と、前記複数の監視領域の画像を記憶すると共に前記複数の監視領域の画像を表示する端末装置と、前記複数の監視領域のイベント情報を検知する複数の検知部とがネットワークを介して互いに接続された監視システムに適用される監視方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記検知部から送信されるイベント情報を記憶するイベント記憶モジュールと、
前記複数の監視領域の画像の表示を制御する制御情報を記憶する制御情報記憶モジュールと、
前記イベント情報に基づいて特定監視領域の画像の制御情報を送信する制御情報送信モジュールと、
前記制御情報に基づいて前記複数の監視領域の画像を切換表示する切換表示モジュールと、
前記複数の監視領域の配置に対応するように配列され、画面上で選択可能に設けられた複数の単位画像で構成されるレイアウト画像を表示する画像表示モジュールと、
画面上で選択された単位画像に対応する監視領域の画像の制御情報を変更する制御変更情報を前記サーバに送信する送信モジュールと、
前記制御変更情報に応じて前記特定監視領域の画像の制御情報を変更する制御情報変更ジュールとを有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−180829(P2007−180829A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376221(P2005−376221)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】