説明

監視システム、監視方法および監視プログラム

【課題】携帯端末装置の所持者を監視する監視システムを提供する。
【解決手段】通信手段31は、携帯端末装置100から所定の時間間隔で送信された位置情報を受信する。通信不能区域検出手段32は、通信手段31が前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、携帯端末装置100が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する。推定手段33は、通信手段31が位置情報を受信しなかった場合に、過去に受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定する。異常判定手段34は、推定手段33が推定した現在位置と、情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、所持者に異常が生じたか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置の所持者を監視する監視システム、監視方法および監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視者による監視対象である被監視者の現在位置を示す位置情報にもとづいて、被監視者が事件や事故に巻き込まれているおそれがあることを監視装置が報知するシステムの例として、特許文献1に記載されているシステムがある。特許文献1に記載されているシステムは、設定時間間隔で情報を送信する被監視者の携帯端末装置によって送信された情報を管理装置が設定時間を超えて無線基地局を介して受信しなかった場合に、監視装置が被監視者が事件や事故に巻き込まれているおそれがあることを報知する報知動作を行う。
【0003】
被監視者が、例えば、痴漢や強盗、暴行等の事件に巻き込まれるなどして、犯人によって、携帯端末装置が奪われて破壊された場合や、被監視者が拉致されて、例えば自動車における荷物搭載用空間や地下倉庫などのように携帯端末装置が送信した電波が無線基地局に届かない場所に閉じ込められた場合などに、管理装置は携帯端末装置によって送信された情報を受信することができず、その旨を監視装置に通知し、監視装置は報知動作を行う。
【0004】
また、特許文献1に記載されているシステムは、被監視者が、例えば地下道や地下鉄、トンネルなどのように携帯端末装置が通信を行うことができない区域である通信不能区域を通過して移動する予定である場合に、予め監視者または被監視者によって、被監視者が通信不能区域の通過に要する時間が設定時間として登録され、被監視者が当該通信不能区域の通過中に監視装置によって報知動作が行われることを防ぎ、報知動作の信頼性を高めている。
【0005】
なお、特許文献2には、携帯端末装置が送信した電波が無線基地局に届かない領域である通信不能領域を検出する方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、携帯端末装置が、通信可能状態から通信不能状態に遷移するタイミングを示す情報を蓄積し、蓄積した情報にもとづいて、通信可能状態から通信不能状態に遷移するタイミングであると判定した場合に、所定の処理を実行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−17174号公報(段落0021〜0052、図1)
【特許文献2】特開2004−235827号公報(段落0019〜0036、図1)
【特許文献3】特開2007−251840号公報(段落0020〜0061、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載されているシステムは、予め被監視者等によって手動で登録された情報や、予め被監視者の携帯端末装置において蓄積したりした情報にもとづいて、報知動作を行わせるか否かを判定するので、被監視者が、移動予定経路から外れて移動した場合や、移動予定経路を進行中に何らかの原因(例えば、交通渋滞や鉄道事故など)で通信不能区域に長時間滞在した場合に、監視装置によって報知動作が行われてしまい、報知動作の信頼性が低下するという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、被監視者が移動したことにもとづいて、高い精度で報知動作を行わせるための監視システム、監視方法および監視プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による監視システムは、携帯端末装置の所持者を監視する監視システムであって、携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信手段と、通信手段が前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出手段と、通信手段が位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定する推定手段と、推定手段が推定した現在位置と、情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明による監視方法は、携帯端末装置の所持者を監視する監視方法であって、携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信ステップと、通信ステップで前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出ステップと、通信ステップで位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定する推定ステップと、推定ステップで推定した現在位置と、情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明による監視プログラムは、コンピュータに、携帯端末装置の所持者を監視させる監視プログラムであって、コンピュータに、携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信処理と、通信ステップで前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出処理と、通信処理で位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定する推定処理と、推定処理で推定した現在位置と、情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、被監視者の行動に応じて通信不能区域を示す情報が情報記憶手段に記憶されるので、予め監視者や被監視者によって手動で通信不能区域に応じた情報を登録する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による監視システムの実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明による監視システムの実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明による監視システムの実施形態の構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、本発明による監視システムである管理装置3は、監視対象である被監視者によって携帯される携帯端末装置1、および被監視者が事件や事故に巻き込まれているおそれがあることを報知する報知動作を行う監視装置2と、通信ネットワーク4を介して情報を送受信する。
【0017】
携帯端末装置1は、例えば、携帯電話機や、PHS(Personal Handy Phone System)端末である。監視装置2は、例えば、携帯電話機や、PHS端末、パーソナルコンピュータ等である。管理装置3は、例えば、プログラム制御に従って処理を実行するコンピュータシステムやサーバであり、例えば、防犯サービス事業者などに設置されている。なお、通信ネットワーク4には、複数の携帯端末装置と複数の監視装置とがそれぞれ接続されている。
【0018】
携帯端末装置1は、操作ボタン等の入力手段5、制御手段6および表示部等の出力手段7を含む。制御手段6は、GPS(Global Positioning System)衛星によって送信された信号を受信して、携帯端末装置1の現在位置を示す位置情報を所定時間間隔で生成するGPS手段8と、CPU(Central Processing Unit)などによって構成され、情報を処理する演算処理手段9と、メモリなどによって構成され、携帯端末装置1を識別する識別情報を記憶する記憶手段10と、通信ネットワーク4を介して、管理装置3と情報を送受信する通信手段11とを含む。
【0019】
監視装置2は、被監視者(例えば、児童や高齢者)の行動を監視する監視者(例えば、児童や高齢者を保護する立場にある者)によって操作される入力手段12と、警報音や警報メッセージを出力する報知動作を行ったり、被監視者の行動履歴などを出力したりする出力手段14と、各手段を制御する制御手段13とを含む。制御手段13は、CPUなどから構成され、情報を処理する演算処理手段15と、メモリなどから構成され、情報を記憶する記憶手段16と、通信ネットワーク4を介して、管理装置3と情報を送受信する通信手段17とを含む。
【0020】
管理装置3は、携帯端末装置1によって送信された位置情報によって示される位置および当該位置情報を受信したタイミングにもとづいて通信不能区域を示す情報を生成する演算処理手段18と、情報を記憶する記憶手段19と、通信ネットワーク4を介して、携帯端末装置1および監視装置2と各種の信号や各種の情報などを送受信する通信手段20と、監視装置2に報知動作を行わせるための異常信号を生成するか否かを判断する異常判断手段25とを含む。
【0021】
記憶手段19は、通信ネットワーク4を介して位置情報を受信する複数の携帯端末装置のそれぞれに応じた情報が記憶される個別情報記憶領域21と、複数の携帯端末装置に共通な通信不能区域を示す共通通信不能区域情報が記憶される共通情報記憶領域22とを含む。なお、記憶手段19には、携帯端末装置ごとに個別情報記憶領域21が用意されている。そして、各個別情報記憶領域21は、各携帯端末装置を識別するID情報などが記憶される基本情報記憶領域23と、通信不能区域を示す個別通信不能区域情報や被監視者の行動履歴などを示す行動履歴情報が記憶される監視情報記憶領域24を含む。
【0022】
次に、図1に示す管理装置3の動作について、図面を参照して説明する。図2は、図1に示す管理装置3の動作を示すフローチャートである。
【0023】
携帯端末装置1において、GPS手段8は、GPS衛星から受信した信号にもとづいて、現在位置を示す位置情報を所定時間間隔(例えば、1分間隔)で生成する。演算処理手段9は、GPS手段8が生成した位置情報と、記憶手段10に記憶されている識別情報とを含む電文を生成する。通信手段11は、通信ネットワーク4を介して、演算処理手段9が生成した電文を管理装置3に送信する。従って、携帯端末装置1の通信手段11は、所定時間間隔で、位置情報と識別情報とを含む電文を生成して通信ネットワーク4を介して管理装置3に送信する。
【0024】
管理装置3において、通信手段20は、携帯端末装置1によって送信された電文を受信して演算処理手段18に出力する。演算処理手段18は、通信手段20によって出力された電文に含まれる識別情報にもとづいて、当該電文の送信元の携帯端末装置1を識別する。そして、演算処理手段18は、記憶手段19における当該携帯端末装置1に応じた個別情報記憶領域21の監視情報記憶領域24に、当該電文に含まれる位置情報を記憶させる。
【0025】
管理装置3の演算処理手段18は、通信手段20が今回位置情報を受信したタイミングと前回位置情報を受信したタイミングとの時間間隔が予め決められた時間(例えば、3分)を超えている場合に(ステップS101のY)、通信手段20によって今回受信された位置情報によって示される位置と、前回受信された位置情報によって示される位置との間の区域を示す情報を個別通信不能区域情報として監視情報記憶領域24に記憶させる(ステップS102)。
【0026】
なお、通信手段20によって今回受信された位置情報によって示される位置(例えば、位置a)と、前回受信された位置情報によって示される位置(例えば、位置b)との間の区域とは、例えば、位置aと位置bとを通る直線を長軸とし、位置aと位置bとをそれぞれ焦点とする楕円形状の区域である。
【0027】
また、管理装置3の演算処理手段18は、ステップS102の処理で通信不能区域として監視情報記憶領域24に記憶させた区域と、記憶手段19における他の携帯端末装置に応じた個別情報記憶領域21の監視情報記憶領域24に記憶されている個別通信不能区域情報によって示される区域とで重複している区域がある場合に(ステップS103のY)、共通情報記憶領域22に、重複している当該区域を示す共通通信不能区域情報を記憶させる(ステップS104)。
【0028】
異常判断手段25は、通信手段20が前回位置情報を受信してから、予め決められた時間(例えば、3分)が経過しても位置情報を受信しなかった場合に(ステップS105のY)、通信手段20によって過去に受信された複数の位置情報によって示される位置にもとづいて、携帯端末装置1の現在位置を推定する(ステップS106)。
【0029】
異常判断手段25は、携帯端末装置1の現在位置を推定する場合に、例えば、通信手段が前々回受信した位置情報によって示される位置から、前回受信した位置情報によって示される位置への移動距離と移動方向とを算出する。また、演算処理手段18は、算出した移動距離と予め決められた時間とにもとづいて、携帯端末装置1の移動速度を算出する。そして、異常判断手段25は、前回受信した位置情報によって示される位置から、算出した移動方向に、算出した移動速度で、予め決められた時間移動した場合に到達する位置を携帯端末装置1の現在位置と推定する。
【0030】
異常判断手段25は、推定した携帯端末装置1の現在位置が、共通情報記憶領域22に記憶されている共通通信不能区域情報によって示される区域に含まれているか否かを判定する(ステップS107)。現在位置が、共通通信不能区域情報によって示される区域に含まれている場合には、異常判断の処理を終了する。
【0031】
異常判断手段25は、推定した携帯端末装置1の現在位置が、共通情報記憶領域22に記憶されている共通通信不能区域情報によって示される区域に含まれておらず(ステップS107のN)、監視情報記憶領域24に記憶されている個別通信不能区域情報によって示される区域に含まれている場合に(ステップS108のY)、危険度が低いことを示すレベル1(低レベル)の異常信号を生成する。管理装置3の通信手段20は、異常判断手段25が生成したレベル1の異常信号を、通信ネットワーク4を介して監視装置2に送信する(ステップS109)。
【0032】
異常判断手段25は、推定した携帯端末装置1の現在位置が、共通情報記憶領域22に記憶されている共通通信不能区域情報によって示される区域に含まれておらず(ステップS107のN)、監視情報記憶領域24に記憶されている個別通信不能区域情報によって示される区域に含まれていない場合に(ステップS108のN)、危険度が高いことを示すレベル2の異常信号を生成する。管理装置3の通信手段20は、演算処理手段18が生成したレベル2の異常信号を、通信ネットワーク4を介して監視装置2に送信する(ステップS110)。
【0033】
監視装置2の出力手段14は、通信手段17が管理装置から異常信号を受信した場合に、受信した異常信号のレベルに応じた警報音を出力したり、警報メッセージを表示したりして、監視者に異常を報知する。
【0034】
なお、管理装置3の共通情報記憶領域22に記憶されている共通通信不能区域情報の数および監視情報記憶領域24に記憶されている個別通信不能区域情報の数が少ない場合には、監視装置2に異常信号を送信するか否かを判定する精度が低くなり、管理装置3の通信手段20が頻繁に監視装置2に異常信号を送信してしまうおそれがある。そこで、管理装置3は、監視装置2の要求に応じて、携帯端末装置1から受信した位置情報を当該監視装置2に送信するように構成されていてもよい。そして、監視装置2の出力手段に、当該位置情報によって示される位置が地図上に表示されるように構成されていてもよい。
【0035】
また、管理装置3は、他の携帯端末装置や、監視装置2、管理装置3を管理する事業者以外の事業者の装置等に、記憶手段19に記憶されている情報を提供するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、通信不能区域を避けて移動する必要がある被監視者等のユーザに、有用な情報を提供することができる。
【0036】
また、上記の実施形態では、管理装置3と監視装置2とが別装置として設けられているが、それらを1つの装置として実現してもよい。
【0037】
次に、本発明の概要について説明する。図3は、本発明の概要を示すブロック図である。図3に示すように、本発明による監視システム300は、携帯端末装置100および監視装置200に接続され、通信手段31(図1に示す通信手段20に相当)、通信不能区域検出手段32(図1に示す演算処理手段18に相当)、推定手段33(図1に示す異常判断手段25に相当)および異常判定手段34(図1に示す異常判断手段25に相当)を含む。
【0038】
通信手段31は、携帯端末装置100から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する。通信不能区域検出手段32は、通信手段31が前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、携帯端末装置100が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段(図1に示す記憶手段19に相当)に格納する。推定手段33は、通信手段31が位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定する。異常判定手段34は、推定手段33が推定した現在位置と、情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、所持者に異常が生じたか否かを判定する。
【0039】
そのような構成によれば、被監視者の行動に応じて通信不能区域を示す情報が情報記憶手段32に記憶されるので、予め監視者や被監視者によって手動で通信不能区域を登録する手間を省くことができる。
【0040】
また、上記の実施形態では、以下の(1)〜(4)に示すような監視システムも開示されている。
【0041】
(1)情報記憶手段が、被監視者に応じた通信不能区域を示す個別通信不能区域情報を記憶する個別情報記憶手段(図1に示す個別情報記憶領域21に相当)と、複数の個別情報記憶手段にそれぞれ記憶されている個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域のうち、重複する区域を示す共通通信不能区域情報を記憶する共通情報記憶手段(図1に示す共通情報記憶領域22に相当)とを含む監視システム。
【0042】
(2)推定手段33が、通信手段31が位置情報を複数回受信してから予め決められた時間が経過しても位置情報を受信しなかった場合に、受信した複数の位置情報によってそれぞれ示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定し、異常判定手段34が、推定手段33が推定した被監視者の現在位置が、被監視者に応じた個別情報記憶手段に記憶されている個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれているが共通情報記憶手段に記憶されている共通通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれていない場合に、低レベルの異常が生じたと判定する監視システム。
【0043】
(3)異常判定手段34が、推定手段33が推定した被監視者の現在位置が、被監視者に応じた個別情報記憶手段に記憶されている個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれていない場合には、高レベルの異常が生じたと判定する監視システム。
【0044】
(4)通信手段31が、携帯端末装置100に、情報記憶手段32に記憶されている通信不能区域を示す情報を提供する監視システム。
【0045】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0046】
(付記1)携帯端末装置の所持者を監視する監視方法であって、前記携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信ステップと、前記通信ステップで前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、前記携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出ステップと、前記通信ステップで位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、前記被監視者の現在位置を推定する推定ステップと、前記推定ステップで推定した前記現在位置と、前記情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、前記所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定ステップとを含むことを特徴とする監視方法。
【0047】
(付記2)推定ステップで、通信ステップで位置情報を複数回受信してから予め決められた時間が経過しても位置情報を受信しなかった場合に、受信した複数の位置情報によってそれぞれ示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定し、異常判定ステップで、前記推定ステップで推定した前記被監視者の現在位置が、情報記憶手段に記憶されている前記被監視者に応じた個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれているが、前記情報記憶手段に記憶されている複数の個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域のうち、重複する区域を示す共通通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれていない場合に、低レベルの異常が生じたと判定する付記1記載の監視方法。
【0048】
(付記3)コンピュータに、携帯端末装置の所持者を監視させる監視プログラムであって、コンピュータに、前記携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信処理と、前記通信処理で前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、前記携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出処理と、前記通信処理で位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、前記被監視者の現在位置を推定する推定処理と、前記推定処理で推定した前記現在位置と、前記情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、前記所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定処理とを実行させるための監視プログラム。
【0049】
(付記4)コンピュータに、推定処理で、通信処理で位置情報を複数回受信してから予め決められた時間が経過しても位置情報を受信しなかった場合に、受信した複数の位置情報によってそれぞれ示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定させ、異常判定処理で、前記推定処理で推定した前記被監視者の現在位置が、情報記憶手段に記憶されている前記被監視者に応じた個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれているが、前記情報記憶手段に記憶されている複数の個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域のうち、重複する区域を示す共通通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれていない場合に、低レベルの異常が生じたと判定する付記3記載の監視プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明を、携帯端末装置の所持者を監視する装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1、100 携帯端末装置
2、200 監視装置
3 管理装置
4 通信ネットワーク
5、12 入力手段
6、13、34 制御手段
7、14 出力手段
8 GPS手段
9、15、18 演算処理手段
10、16、19 記憶手段
11、17、20、31 通信手段
21 個別情報記憶領域
22 位置情報記憶領域
23 基本情報記憶領域
24 監視情報記憶領域
25 異常判断手段
32 通信不能区域検出手段
33 推定手段
34 異常判定手段
300 監視システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置の所持者を監視する監視システムであって、
前記携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信手段と、
前記通信手段が前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、前記携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出手段と、
前記通信手段が位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、前記被監視者の現在位置を推定する推定手段と、
前記推定手段が推定した前記現在位置と、前記情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、前記所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定手段とを備えた
ことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
情報記憶手段は、被監視者に応じた通信不能区域を示す個別通信不能区域情報を記憶する個別情報記憶手段と、複数の前記個別情報記憶手段にそれぞれ記憶されている個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域のうち、重複する区域を示す共通通信不能区域情報を記憶する共通情報記憶手段とを含む
請求項1記載の監視システム。
【請求項3】
推定手段は、通信手段が位置情報を複数回受信してから予め決められた時間が経過しても位置情報を受信しなかった場合に、受信した複数の位置情報によってそれぞれ示される位置にもとづいて、被監視者の現在位置を推定し、
異常判定手段は、前記推定手段が推定した前記被監視者の現在位置が、前記被監視者に応じた個別情報記憶手段に記憶されている個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれているが共通情報記憶手段に記憶されている共通通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれていない場合に、低レベルの異常が生じたと判定する
請求項2記載の監視システム。
【請求項4】
異常判定手段は、推定手段が推定した被監視者の現在位置が、前記被監視者に応じた個別情報記憶手段に記憶されている個別通信不能区域情報によって示される通信不能区域に含まれていない場合には、高レベルの異常が生じたと判定する
請求項3記載の監視システム。
【請求項5】
通信手段は、携帯端末装置に、情報記憶手段に記憶されている通信不能区域を示す情報を提供する
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
携帯端末装置の所持者を監視する監視方法であって、
前記携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信ステップと、
前記通信ステップで前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、前記携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出ステップと、
前記通信ステップで位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、前記被監視者の現在位置を推定する推定ステップと、
前記推定ステップで推定した前記現在位置と、前記情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、前記所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定ステップとを含む
ことを特徴とする監視方法。
【請求項7】
コンピュータに、携帯端末装置の所持者を監視させる監視プログラムであって、
コンピュータに、
前記携帯端末装置から所定の時間間隔で送信された現在位置を示す位置情報を受信する通信処理と、
前記通信処理で前回位置情報を受信してから予め決められた時間が経過した後に位置情報を受信した場合に、前回受信した位置情報によって示される位置と今回受信した位置情報によって示される位置とにもとづいて、前記携帯端末装置が通信を行うことができない区域を検出し、検出した区域である通信不能区域を示す情報を情報記憶手段に格納する通信不能区域検出処理と、
前記通信処理で位置情報を受信してから予め決められた時間が経過するまで位置情報を受信しなかった場合に、受信した位置情報によって示される位置にもとづいて、前記被監視者の現在位置を推定する推定処理と、
前記推定処理で推定した前記現在位置と、前記情報記憶手段に記憶されている情報によって示される通信不能区域とにもとづいて、前記所持者に異常が生じたか否かを判定する異常判定処理とを実行させる
ための監視プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−103775(P2012−103775A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249603(P2010−249603)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】