説明

監視システムおよび監視方法

【課題】大容量のメモリを用いることなく、確認済みの警報情報であるか未確認の警報情報であるかを表示させることができる。
【解決手段】データベース220は、監視対象設備110で発生または復旧した警報情報を、発生または復旧した時刻と関連付けて記憶する。表示受付部2301は、表示端末310から送信される確認済みメッセージを受け付ける。時刻情報管理部2303は、確認済みメッセージが送信された時刻を記憶する。検索表示部2302は、データベース220が記憶する監視対象設備110で発生または復旧した警報情報のうち、確認済みメッセージが送信された時刻以前に発生または復旧した警報情報を確認済み警報として表示端末310に表示させ、確認済みメッセージが送信された時刻より後に発生または復旧した警報情報を未確認警報として表示端末310に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報を監視する監視システムおよび監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力設備や空調設備などの設備の状態変化(警報の発生または復旧)を確認するシステムとしては、設備を設置しているビルに警報表示盤を設置し、この警報表示盤上で確認を行うものが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。また、設備を設置しているビルには情報転送装置を設置し、情報転送装置が設備の警報情報を監視センタに転送する。そして、監視センタに設置した警報表示端末(汎用パーソナルコンピュータ)上で、設備の警報情報の確認を行うものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−188998号公報
【特許文献2】特開平4−157599号公報
【特許文献3】特開平4−346198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、警報表示盤を用いて設備の状態情報を確認する方法では、ゲート回路を有する警報表示盤という専用の装置を設置しなければならない。
【0005】
また、監視センタに設置した警報表示端末上で設備の警報情報を確認する方法では、警報表示端末は、個々の警報情報毎に、操作者によって確認された警報情報であるか、未確認の警報情報であるかという情報をメモリ上に記憶することで、操作者によって確認された警報情報であるか否かを表示することができる。
【0006】
さらに、このような警報表示端末を用いる場合において、監視対象の設備が大量にある場合、もしくは警報情報が大量に発生した場合には、個々の警報情報毎に操作者によって確認された警報情報であるか、未確認の警報情報であるかという情報をメモリ上に記憶するため、監視対象の設備の数の増大に伴って大容量のメモリが必要となるという問題がある。すなわち、ハードウェアのリソースに懸念が発生してしまう。
【0007】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、大容量のメモリを用いることなく、確認済みの警報情報であるか未確認の警報情報であるかを表示させることができる監視システムおよび監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、監視対象設備で発生または復旧した警報情報を、発生または復旧した時刻と関連付けて記憶するデータベースと、表示端末から送信される確認済みメッセージを受け付ける表示受付部と、前記確認済みメッセージが送信された時刻を記憶する時刻情報管理部と、前記データベースが記憶する監視対象設備で発生または復旧した警報情報のうち、前記確認済みメッセージが送信された時刻以前に発生または復旧した警報情報を確認済み警報として前記表示端末に表示させ、前記確認済みメッセージが送信された時刻より後に発生または復旧した警報情報を未確認警報として前記表示端末に表示させる検索表示部と、を備えたことを特徴とする監視システムである。
【0009】
この構成によれば、データベースは、監視対象設備で発生または復旧した警報情報を、発生または復旧した時刻と関連付けて記憶する。また、表示受付部は、表示端末から送信される確認済みメッセージを受け付ける。また、時刻情報管理部は、確認済みメッセージが送信された時刻を記憶する。また、検索表示部は、データベースが記憶する監視対象設備で発生または復旧した警報情報のうち、確認済みメッセージが送信された時刻以前に発生または復旧した警報情報を確認済み警報として表示端末に表示させ、確認済みメッセージが送信された時刻より後に発生または復旧した警報情報を未確認警報として表示端末に表示させる。これにより、監視システムは、大容量のメモリを用いることなく、確認済みの警報情報であるか未確認の警報情報であるかを表示させることができる。
【0010】
また、本発明は、データベースが、監視対象設備で発生または復旧した警報情報を、発生または復旧した時刻と関連付けて記憶する記憶ステップと、表示受付部が、表示端末から送信される確認済みメッセージを受け付ける表示受付ステップと、時刻情報管理部が、前記確認済みメッセージが送信された時刻を記憶する時刻情報管理ステップと、検索表示部が、前記データベースが記憶する監視対象設備で発生または復旧した警報情報のうち、前記確認済みメッセージが送信された時刻以前に発生または復旧した警報情報を確認済み警報として前記表示端末に表示させ、前記確認済みメッセージが送信された時刻より後に発生または復旧した警報情報を未確認警報として前記表示端末に表示させる検索表示ステップと、を含むことを特徴とする監視方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大容量のメモリを用いることなく、確認済みの警報情報であるか未確認の警報情報であるかを表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態における監視システムの構成を示した概略図である。
【図2】本実施形態におけるデータベースが記憶する警報情報テーブルのデータ構造を示した概略図である。
【図3】本実施形態における警報一覧画面を示した概略図である。
【図4】本実施形態における警報一覧画面を示した概略図である。
【図5】本実施形態における警報一覧画面を示した概略図である。
【図6】本実施形態における監視システムにおいて、表示端末に警報一覧画面を表示させる動作手順を示したフローチャートである。
【図7】本実施形態における監視システムの具体的な動作例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態における監視システムの構成を示した概略図である。監視システムを構成する装置は、監視対象ビル100と、監視センタ200と、保守センタ300とに設置されている。監視システムは、情報転送装置120と、監視サーバ210と、データベース220と、アプリケーションサーバ230と、表示端末310とを備えている。なお、監視対象ビル100と、監視センタ200と、保守センタ300とに設置されている各装置は、互いに通信可能なネットワーク400で接続している。
【0014】
監視対象ビル100は、監視対象の設備である監視対象設備110が設置されているビルである。また、監視対象ビル100には、情報転送装置120が設置されている。監視対象設備110と情報転送装置120とは、ネットワークを介して接続している。監視対象設備110は、自身に警報が発生した場合、または自身に発生していた警報が復旧した場合、警報情報を生成し、情報転送装置120に送信する。警報情報は、設備の状態の変化を示す情報であり、警報が発生または復旧した日時と、警報が発生または復旧したのかを示す情報と、警報が発生または復旧した監視対象設備110を示す情報と、警報の内容を示す情報とを含む情報である。情報転送装置120は、監視対象設備110から送信された警報情報を監視サーバ210に送信する。
【0015】
監視センタ200は、監視対象設備110の状態を一括して監視する施設である。監視センタ200には、監視サーバ210と、データベース220と、アプリケーションサーバ230とが設置されている。監視サーバ210は、情報転送装置120から送信された警報情報をデータベース220に記憶させる。データベース220は、監視対象設備110の警報情報を警報情報テーブルに記憶する。
【0016】
アプリケーションサーバ230は、表示受付部2301と、検索表示部2302と、時刻情報管理部2303とを備えている。表示受付部2301は、表示端末310から送信される表示要求メッセージを受け付ける。検索表示部2302は、データベース220が記憶する監視対象設備110の警報情報を検索し、検索した結果に基づいて、表示端末310に監視対象設備110の警報情報を表示させる。時刻情報管理部2303は、操作者が警報情報を確認した時刻などの時刻情報を記憶する。
【0017】
保守センタ300は、監視対象設備110の保守を行う担当者が待機している施設である。保守センタ300には、表示端末310が設置されている。表示端末310は、例えば汎用PC(パーソナルコンピュータ)であり、監視対象設備110の警報情報を表示する。これにより、監視対象設備110の保守を行う担当者は、監視対象設備110の警報情報を確認して、監視対象設備110で発生または復旧した警報を把握することができる。
【0018】
なお、図示する例では、説明を簡略化するために監視対象ビル100を1つのみ記載しているが、実際には監視センタは複数の監視対象ビル100に設置されている監視対象設備110の監視を行っている。また、説明を簡略化するために保守センタ300を1つのみ記載しているが、実際には保守センタ300は保守対象の地域の範囲に応じて複数設置されている。
【0019】
次に、データベース220が記憶する警報情報テーブルについて説明する。図2は、本実施形態におけるデータベース220が記憶する警報情報テーブルのデータ構造を示した概略図である。
【0020】
図示する例では、警報情報テーブルは表形式のデータ構造を有しており、「日時」と、「発生/復旧」と、「設備」と、「警報内容」とのデータ項目を有する。また、警報情報テーブルは、各データ項目の情報を行毎に関連付けて記憶している。
【0021】
「日時」は、警報が発生または復旧した日時を示す。「発生/復旧」は、警報が発生または復旧したのかを示す。「設備」は、警報が発生または復旧した監視対象設備110を示す。「警報内容」は、監視対象設備110において発生した異常状態を示す情報であり、例えば、停電や温度異常である。
【0022】
次に、警報情報テーブルの各行が示す内容について説明する。例えば、行201に示す例では、日時「2009年7月24日9時20分25秒」に、警報が「発生」し、警報が発生した監視対象設備110は「装置A」であり、警報の内容は「警報A」であることを示している。また、行203に示す例では、日時「2009年7月24日9時21分7秒」に、警報が「復旧」し、警報が復旧した監視対象設備110は「装置A」であり、警報の内容は「警報A」であることを示している。なお、他の行が示す内容については図示するとおりである。
【0023】
また、図示する例では、2009年7月24日9時21分7秒の時点において、データベース220の警報情報テーブルが記憶している内容を示している。データベース220は、監視対象設備110で警報が発生または復旧する毎に、監視対象設備110で発生または復旧した警報を警報情報テーブルに記憶する。
【0024】
次に、本実施形態において、表示端末310が表示する警報一覧画面について説明する。図3から図5は、本実施形態における警報一覧画面を示した概略図である。警報一覧画面は、データベース220が記憶する警報情報テーブルの内容に基づいて、監視対象設備110で発生または復旧した警報の一覧を表示する画面である。また、警報一覧画面は、「確認」ボタン510と、「閉じる」ボタン520とを表示している。
【0025】
図3に示す警報一覧画面は未確認警報一覧画面の一例である。未確認警報一覧画面は、未確認の警報がある場合において、表示端末310が表示する警報一覧画面である。図示する例では、警報一覧画面は、領域301に、日時「2009/07/24 09:21:07」と、発生/復旧「復旧」と、設備「装置A」と、警報内容「警報B」とを表示している。この表示は、「2009年7月24日9時21分7秒」に、警報が「復旧」し、警報が復旧した監視対象設備110は「装置A」であり、警報内容は「警報B」であることを示している。なお、他の領域が表示している内容は図示するとおりである。また、画面下部に「確認」ボタン510と、画面右上部に「閉じる」ボタン520とが表示されており、マウスなどでクリックが可能である。
【0026】
また、図3に示す例では、領域301と領域302との背景色が他の領域とは異なる色(ここでは例えば黒色)で表示されている。これは、領域301と領域302に表示されている警報が、未確認の警報であることを示している。一方、領域303と領域304との背景色は白色である。これは、領域303と領域304とに表示されている警報は、確認済みの警報であることを示している。すなわち、警報一覧画面では、背景色が黒色の警報は未確認の警報(未確認警報)であることを示しており、背景色が白色の警報は確認済みの警報(確認済み警報)であることを示している。
【0027】
図4に示す警報一覧画面は確認済み警報一覧画面である。確認済み警報一覧画面は、未確認の警報が無い場合において、表示端末310が表示する警報一覧画面である。図示する例は、図3に示した未確認警報一覧画面が表示する警報を操作者によって全て確認された後に、表示端末310が表示する確認済み警報一覧画面を示した概略図である。図4に示す確認済み警報一覧画面は図3に示す例と同様の警報の一覧を表示しているが、領域401と領域402との背景色が白色である。これは、領域401と領域402とに表示されている警報は確認済みの警報であることを示している。
【0028】
図5に示す警報一覧画面は、未確認警報一覧画面である。図示する例は、図4に示した警報一覧画面を表示した後、新たに警報が発生した場合に、表示端末310が表示する未確認警報一覧画面を示した概略図である。図5に示す未確認警報一覧画面は、図4に示した確認済み警報一覧画面の内容に加えて、領域501と領域502に新たな警報を表示している。また、領域501と領域502の背景色は黒色である。これは、領域501と領域502に表示されている警報が新たに発生または復旧し、新たに発生または復旧した警報は未確認の警報であることを示している。
【0029】
次に、本実施形態における監視システムにおいて、表示端末310に警報一覧画面を表示させる動作について説明する。図6は、本実施形態における監視システムにおいて、表示端末310に警報一覧画面を表示させる動作手順を示したフローチャートである。
【0030】
なお、常に、監視対象設備110は、警報が発生または復旧した場合には警報情報を生成し、生成した警報情報を情報転送装置120に送信する。情報転送装置120は、監視対象設備110から警報情報が送信されると、送信された警報情報を監視サーバ210に送信する。監視サーバ210は、警報情報が送信されると、送信された警報情報をデータベース220の警報情報テーブルに記憶させる。これにより、監視対象設備110で警報が発生または復旧する度に、データベース220は、警報情報テーブルに、監視対象設備110で発生または復旧した警報全てを、警報が発生または復旧した時刻と関連付けて記憶する。
【0031】
(ステップS101)表示端末310は、警報一覧画面を表示していない場合、「時系列表示」ボタンを表示している。操作者(例えば、監視対象設備110の保守を行う担当者)は、警報一覧画面を確認したい場合、「時系列表示」ボタンを押下する。その後、ステップS102の処理に進む。
【0032】
(ステップS102)表示端末310は、ステップS101で時系列表示ボタンが押下されたため、画面初期表示要求メッセージをアプリケーションサーバ230に送信する。その後、ステップS103の処理に進む。
【0033】
(ステップS103)アプリケーションサーバ230の表示受付部2301は、表示端末310から送信される画面初期表示要求メッセージを受信する(受け付ける)。時刻情報管理部2303は、表示受付部2301が画面初期表示要求メッセージを受信した場合、「表示基点日時」と「確認日時」とを画面初期表示要求メッセージを受信した日時に初期化して記憶する。その後、ステップS104の処理に進む。
【0034】
なお、「表示基点日時」は、操作者が「時系列表示」ボタンを押下した日時である。すなわち、アプリケーションサーバ230の表示受付部2301が画面初期要求メッセージを受信した日時である。また、「確認日時」は、操作者が「確認」ボタン510を押下した日時である(後述する)。すなわち「確認日時」は、表示端末310が表示する警報情報が操作者によって確認された日時である。但し、表示端末310が表示する警報情報が操作者によって一度も確認されていない場合は、「確認日時」は、アプリケーションサーバ230の表示受付部2301が画面初期要求メッセージを受信した日時とする。
【0035】
例えば、アプリケーションサーバ230の表示受付部2301が時刻「10:00:00」に画面初期要求メッセージを受信した場合、時刻情報管理部2303は、「表示基点日時」を時刻「10:00:00」に初期化して記憶する。また、ステップS103の処理時点では、表示端末310が表示する警報情報は操作者によって一度も確認されていないため、時刻情報管理部2303は、「確認日時」を時刻「10:00:00」に初期化して記憶する。
【0036】
(ステップS104)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報の検索を開始する。その後、ステップS105の処理に進む。
【0037】
(ステップS105)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報のうち、「表示基点日時」より後の時刻から現在までに発生または復旧した警報があるか否かを判定する。
【0038】
具体的には、データベース220の警報情報テーブルの「日時」が、警報が発生または復旧した日時を示すため、検索部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている全ての「日時」と「表示基点日時」とを比較し、「日時」が「表示基点日時」よりも後の時刻であれば、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報のうち、「表示基点日時」より後の時刻から現在までに発生または復旧した警報があると判定する。
【0039】
検索表示部2302が、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報のうち、「表示基点日時」より後の時刻から現在までに発生または復旧した警報があると判定した場合にはステップS107の処理に進み、それ以外の場合にはステップS106の処理に進む。
【0040】
(ステップS106)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、画面表示応答「該当警報なしメッセージ」を表示端末310に送信する。画面表示応答「該当警報なしメッセージ」を受信した表示端末310は、「該当警報なし」を画面に表示する。その後、ステップS113の処理に進む。
【0041】
(ステップS107)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報のうち、「確認日時」より後の時刻から現在までに発生または復旧した警報があるか否かを判定する。すなわち、検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている警報が発生または復旧した日時と、時刻情報管理部2303が記憶する「確認日時」とを比較し、未確認の警報が存在するか否かを判定する。検索表示部2302が、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報のうち、「確認日時」より後の時刻から現在までに発生または復旧した警報があると判定した場合にはステップS108の処理に進み、それ以外の場合にはステップS109の処理に進む。
【0042】
(ステップS108)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、画面表示応答「未確認警報一覧画面」を表示端末310に送信する。表示端末310は、送信された「未確認警報一覧画面」を表示する。その後、ステップS110の処理に進む。なお、「未確認警報一覧画面」は、例えば図3または図5に示した画面である。このとき、未確認警報一覧画面は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報のうち、「表示基点日時」より後の時刻かつ「確認日時」以前の時刻に監視対象設備110で発生または復旧した警報を確認済み警報として表示し、「確認日時」より後の時刻から現在までの時刻に監視対象設備110で発生または復旧した警報を未確認警報として表示する。
【0043】
(ステップS109)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、画面表示応答「確認済み警報一覧画面」を表示端末310に送信する。表示端末310は、送信された「確認済み警報一覧画面」を表示する。その後、ステップS110の処理に進む。なお、「確認済み警報一覧画面」は、例えば図4に示した画面である。このとき、確認済み警報一覧画面は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報のうち、「表示基点日時」より後の時刻かつ「確認日時」以前の時刻に監視対象設備110で発生または復旧した警報を確認済み警報として表示する。
【0044】
(ステップS110)操作者は、警報一覧画面に表示されている警報を確認した場合、表示端末310が表示している警報一覧画面の「確認」ボタン510を押下する。表示端末310は「確認」ボタン510が押下されたか否かを判定する。表示端末310は、「確認」ボタン510が押下されたと判定した場合にはステップS111の処理に進み、それ以外の場合にはステップS113の処理に進む。
【0045】
(ステップS111)表示端末310は、ステップS110で「確認」ボタン510が押下されたため、確認後画面再表示要求メッセージ(確認済みメッセージ)をアプリケーションサーバ230に送信する。その後、ステップS112の処理に進む。
【0046】
(ステップS112)アプリケーションサーバ230の表示受付部2301は、表示端末310から送信される確認後画面再表示要求メッセージを受信する。時刻情報管理部2303は、表示受付部2301が確認後画面初期表示要求メッセージを受信した場合、「確認日時」を、確認後画面再表示要求メッセージを受信した日時に更新して記憶する。その後、ステップS104の処理に戻る。
【0047】
例えば、アプリケーションサーバ230の表示受付部2301が時刻「10:10:00」に画面初期要求メッセージを受信した場合、すなわち、操作者が時刻「10:10:00」に警報一覧画面に表示されている警報を確認した場合、時刻情報管理部2303は、「確認日時」を時刻「10:10:00」に更新して記憶する。
【0048】
(ステップS113)操作者は、表示端末310が表示している警報一覧画面を閉じる場合には、表示端末310が表示している警報一覧画面の「閉じる」ボタン520を押下する。表示端末310は「閉じる」ボタン520が押下されたか否かを判定する。表示端末310は、「閉じる」ボタン520が押下されたと判定した場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップS114の処理に進む。
【0049】
(ステップS114)表示端末310は、画面再表示要求メッセージをアプリケーションサーバ230に送信する。アプリケーションサーバ230の表示受付部2301は、表示端末310から送信される画面再表示要求メッセージを受信する。その後、ステップS104の処理に戻る。なお、表示端末310は、前回アプリケーションサーバ230に何らかのメッセージを送信した後一定時間(例えば30秒)経過する毎に、画面再表示要求メッセージをアプリケーションサーバ230に送信するようにしてもよい。
【0050】
次に、本実施形態の監視システムの具体的な動作例について説明する。図7は、本実施形態の監視システムの具体的な動作例を示したシーケンス図である。このシーケンス図は、時刻「0:00:00」に、表示端末310が表示している「時系列表示」ボタンを操作者が押下し、時刻「0:00:45」に、監視対象設備110で警報が発生し、時刻「0:01:10」に、表示端末310が表示している「確認」ボタン510を操作者が押下し、時刻「0:01:20」に、表示端末310が表示している「閉じる」ボタン520を操作者が押下した場合のシーケンス図である。また、図7には、アプリケーションサーバ230の検索表示部2302がデータベース220の警報情報テーブルを検索する時点において、時刻情報管理部2303が記憶する「表示基点日時」と「確認日時」とが示されている。
【0051】
(ステップS201)操作者は、時刻「0:00:00」に表示端末310が表示している「時系列表示」ボタンを押下する。
(ステップS202)表示端末310は、画面初期表示要求メッセージをアプリケーションサーバ230に送信する。
【0052】
(ステップS203)アプリケーションサーバ230の時刻情報管理部2303は、「表示基点日時」と「確認日時」とを、画面初期表示要求メッセージを受信した時刻「0:00:00」に初期化して記憶する。
【0053】
(ステップS204)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報の検索を開始する。
【0054】
(ステップS205)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、表示基点日時「0:00:00」より後に発生または復旧した警報が無いため、画面表示応答「該当警報なしメッセージ」を表示端末310に送信する。
【0055】
(ステップS206)表示端末310は、「該当警報なし」を画面に表示する。
(ステップS207)表示端末310は、前回メッセージを送信した後一定時間(30秒)経過したため、時刻「0:00:30」に画面再表示要求メッセージをアプリケーションサーバ230に送信する。
【0056】
(ステップS208)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報の検索を開始する。
【0057】
(ステップS209)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、表示基点日時「0:00:00」より後に発生または復旧した警報が無いため、画面表示応答「該当警報なしメッセージ」を表示端末310に送信する。
(ステップS210)表示端末310は、「該当警報なし」を画面に表示する。
【0058】
(ステップS211)時刻「0:00:45」に監視対象設備110で警報が発生する。警報が発生した監視対象設備110は、発生した警報内容に応じた警報情報を生成し、生成した警報情報を情報転送装置120に送信する。情報転送装置120は、監視対象設備110から送信された警報情報を監視サーバ210に送信する。
(ステップS212)監視サーバ210は、情報転送装置120から送信された警報情報をデータベース220の警報情報テーブルに記憶させる。
【0059】
(ステップS213)表示端末310は、前回メッセージを送信した後一定時間(30秒)経過したため、時刻「0:01:00」に画面再表示要求メッセージをアプリケーションサーバ230に送信する。
【0060】
(ステップS214)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報の検索を開始する。
【0061】
(ステップS215)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、表示基点日時「0:00:00」より後に発生または復旧した警報(時刻「0:00:45」に発生した警報)があり、確認日時「0:00:00」より後に発生または復旧した警報(時刻「0:00:45」に発生した警報)があることが検索されると、検索表示部2302は、画面表示応答「未確認警報一覧画面」を表示端末310に送信する。
(ステップS216)表示端末310は、送信された「未確認警報一覧画面」を表示する。
【0062】
(ステップS217)操作者は、時刻「0:01:10」に表示端末310が表示している警報一覧画面の「確認」ボタン510を押下する。
(ステップS218)表示端末310は、「確認」ボタン510が押下されると、確認後画面再表示要求メッセージ(確認済みメッセージ)をアプリケーションサーバ230に送信する。
【0063】
(ステップS219)アプリケーションサーバ230の時刻情報管理部2303は、「確認日時」を、確認後画面再表示要求メッセージを受信した時刻「0:01:10」に更新して記憶する。
【0064】
(ステップS220)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている監視対象設備110で発生または復旧した警報の検索を開始する。
【0065】
(ステップS221)アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、表示基点日時「0:00:00」より後に発生または復旧した警報(時刻「0:00:45」に発生した警報)があり、確認日時「0:01:10」より後に発生または復旧した警報がないため、アプリケーションサーバ230の検索表示部2302は、画面表示応答「確認済み警報一覧画面」を表示端末310に送信する。
【0066】
(ステップS222)表示端末310は、送信された「確認済み警報一覧画面」を表示する。
(ステップS223)操作者は、時刻「0:01:20」に表示端末310が表示している警報一覧画面の「閉じる」ボタン520を押下する。これにより、表示端末310は処理を終了する。
【0067】
上述したとおり、時刻情報管理部2303は、操作者が警報を確認した日時「確認日時」を記憶する。また、検索表示部2302は、データベース220の警報情報テーブルに記憶されている警報が発生または復旧した日時と、時刻情報管理部2303が記憶する「確認日時」とを比較し、未確認の警報が存在するか否かを判定する。そして、検索表示部2302は、未確認の警報が存在する場合には、未確認警報一覧画面を表示端末310に表示させ、全ての警報が確認済みの場合には確認済み警報一覧画面を表示端末310に表示させる。
【0068】
以上、説明した実施形態によれば、本実施形態における監視システムは、個々の警報ごとに、確認済みの警報であるか、未確認の警報であるかという情報を記憶すること無いため、大容量のメモリを用いることなく、確認済みの警報情報であるか未確認の警報情報であるかを表示させることができる。
【0069】
また、メモリ容量のリソースを削減することができるため、表示装置310に低スペックの汎用PCを用いることができ、さらにシステム的に安定に(軽い処理で)警報の確認が可能となる。すなわちコストダウンやシステムの安定稼動にも繋がる。
【0070】
以上、説明した実施形態において、監視センタ200は、監視対象設備110をそれぞれ管理する施設であるため、監視対象設備110で発生した全ての警報情報を確実に確認する必要がある。そのため、監視センタ200で用いる監視センタ表示装置(図示せず)は、警報情報毎に確認済みであるか未確認であるかをメモリなどに記憶する必要がある。
【0071】
一方、保守センタ300は、監視対象設備110の保守を行う担当者が待機している施設であり、この担当者は、どの設備でどれ位の警報が発生したかを画面上で把握できれば十分であり、個々の警報に対して確認したかどうかということはそれ程重要にはならない。すなわち、保守センタ300の担当者は、各地域において、どれくらいの警報が発生しているかを把握することによって、各地域の警報状況に応じた対応を検討する。一方、監視センタ200は、各監視対象設備110において発生する警報の内容を把握し、その警報内容に応じた措置を行う。そのため保守センタ300では、警報情報毎に個別に確認済みであるか未確認であるかをメモリなどに記憶する必要はなく、ある程度の量をまとめて確認できればよい。
【0072】
しかしながら、監視センタ200で用いる監視センタ表示装置を保守センタ300に用いた場合、監視センタ表示装置は、保守センタ300では不必要であるにも関わらず、警報情報毎に確認済みであるか未確認であるかをメモリなどに記憶することとなる。
【0073】
特に、監視対象設備110が複数台(例えば数万台以上)ある場合や、大量の警報が発生した場合には、監視センタ200で用いる監視センタ表示装置のように、警報情報毎に確認済みであるか未確認であるかをメモリなどに記憶していると、監視対象設備110の保守を行う担当者は、一括して確認したか否かを把握できれば十分であるにも関わらず、警報情報毎に確認したことを入力する必要があり操作が煩雑であるという問題もある。
【0074】
本実施形態の監視システムでは、監視対象設備110が複数台(例えば数万台以上)ある場合や、大量の警報が発生した場合においても、監視対象設備110の保守を行う担当者は、表示装置310が表示する確認ボタン510を押下するだけで、表示装置310が表示している警報情報を自分が把握できた範囲を対象として一括して確認済みとすることができる。これにより、監視対象設備110の保守を行う担当者は、少ない操作手順で警報情報を確認済みとすることができる。
【0075】
また、本実施形態の監視システムは、警報情報を汎用のパーソナルコンピュータである表示端末310に表示させるため、コストのかかる警報表示盤の設置は不要である。すなわち、コストダウンに繋がる。
【0076】
なお、上述した実施形態における監視システムが備える各装置の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0077】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0078】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0079】
100・・・監視対象ビル、110・・・監視対象設備、120・・・情報転送装置、200・・・監視センタ、210・・・監視サーバ、220・・・データベース、230・・・アプリケーションサーバ、300・・・保守センタ、310・・・表示端末、400・・・ネットワーク、2301・・・表示受付部、2302・・・検索表示部、2303・・・時刻情報管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象設備で発生または復旧した警報情報を、発生または復旧した時刻と関連付けて記憶するデータベースと、
表示端末から送信される確認済みメッセージを受け付ける表示受付部と、
前記確認済みメッセージが送信された時刻を記憶する時刻情報管理部と、
前記データベースが記憶する監視対象設備で発生または復旧した警報情報のうち、前記確認済みメッセージが送信された時刻以前に発生または復旧した警報情報を確認済み警報として前記表示端末に表示させ、前記確認済みメッセージが送信された時刻より後に発生または復旧した警報情報を未確認警報として前記表示端末に表示させる検索表示部と、
を備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
データベースが、監視対象設備で発生または復旧した警報情報を、発生または復旧した時刻と関連付けて記憶する記憶ステップと、
表示受付部が、表示端末から送信される確認済みメッセージを受け付ける表示受付ステップと、
時刻情報管理部が、前記確認済みメッセージが送信された時刻を記憶する時刻情報管理ステップと、
検索表示部が、前記データベースが記憶する監視対象設備で発生または復旧した警報情報のうち、前記確認済みメッセージが送信された時刻以前に発生または復旧した警報情報を確認済み警報として前記表示端末に表示させ、前記確認済みメッセージが送信された時刻より後に発生または復旧した警報情報を未確認警報として前記表示端末に表示させる検索表示ステップと、
を含むことを特徴とする監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−170458(P2011−170458A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31724(P2010−31724)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】