説明

監視システム

【課題】
従来は、画像受信側(モニタ側)に指示に従って、画像送信側(カメラ側)の音声発生器からスピーカを介して音声を出力していた。
本発明は、カメラ側で侵入者検知を行い、検知結果に基づいて侵入者を威嚇するための音声をスピーカから発生させると共に監視センターに音声情報を伝送し、監視センターの表示装置に音声情報を表示することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、複数の撮像手段と撮像手段から出力される信号を伝送する伝送手段と伝送手段によって伝送された信号を受信し、受信した信号を表示手段で表示する監視システムにおいて、撮像手段に侵入者検知手段と侵入者検知手段の検知結果に基づいて音声信号を出力する音声出力手段を設け、音声出力手段から音声信号を出力するとともに音声信号を映像文字信号に変換して表示手段に表示するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システムに関し、特に撮像部で撮像した画像から侵入者検知を行い、侵入者を音声で威嚇すると共に監視センターへ音声情報を伝送し、監視センターの表示装置に音声情報を表示する監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、監視システムにおいて、画像送信側(カメラ側)に音声発生器を備えておき、画像受信側(モニタ側)からの指示により、画像送信側の音声発生器から指示された音声信号を出力し、スピーカから音声を発生させていた。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平06−098326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述の従来技術には、画像受信側(モニタ側)に指示に従って、画像送信側(カメラ側)の音声発生器からスピーカを介して音声を出力していた。
本発明は、カメラ側で侵入者検知を行い、検知結果に基づいて侵入者を威嚇するための音声をスピーカから発生させると共に監視センターに音声情報を伝送し、監視センターの表示装置に音声情報を表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、複数の撮像手段と撮像手段から出力される信号を伝送する伝送手段と伝送手段によって伝送された信号を受信し、受信した信号を表示手段で表示する監視システムにおいて、撮像手段に侵入者検知手段と侵入者検知手段の検知結果に基づいて音声信号を出力する音声出力手段を設け、音声出力手段から音声信号を出力するとともに音声信号を映像文字信号に変換して表示手段に表示するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、自動的にカメラ側で侵入者検知を行い、検知結果に基づいて侵入者を威嚇するための音声をスピーカから発生させると共に監視センターに音声情報を伝送し、監視センターの表示装置に音声情報を表示することができる。監視センターでは、伝送された音声情報で侵入者と威嚇情報を同時に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明による監視システムの一実施例について図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施例の監視システム構成を示すブロック図である。
図1において、1−1,1−2,・・・,1−N(Nは自然数)は図示しない被写体を撮像するN台のカメラである。3はカメラ1−1〜カメラ1−Nから出力する映像音声データを監視する監視センターである。2はカメラ1−1〜カメラ1−Nから出力する映像音声データを監視センター3に伝送するためのネットワークである。本実施例ではネットワーク2をインターネットのような公衆回線として説明するが、専用回線でも良い。4−1,4−2,・・・,4−Nはカメラ1−1〜カメラ1−Nが撮像する被写体を各々結像するレンズ部である。5−1,5−2,・・・,5−Nはカメラ1−1〜カメラ1−Nから各々出力する音声信号を音声に変換するスピーカ部である。
【0007】
カメラ1−1〜カメラ1−Nの内部ブロック構成は同じであるため、カメラ1−1を代表として説明する。12はレンズ部4−1で結像した光を光電変換する撮像部、13は撮像部12から出力された映像信号に所定のレベル増幅や輪郭強調等の映像処理を施す映像信号処理部、14はネットワーク2に配信するため映像信号処理部13から出力された映像信号を画像圧縮処理して映像データにすることとCPU18から出力された情報を情報データにするエンコーダである。18はカメラ1−1を制御するためのCPU(Central Processing Unit)、17は映像信号処理部13から出力される映像信号から侵入者検知を行う侵入者検知部、19は案内や威嚇等の音声データを記憶する音声データメモリ部、20は音声データメモリ部19から出力される音声データを音声信号に変換する音声信号変換部、20は音声信号変換部20から出力される音声信号をレベル増幅する増幅部、15はエンコーダ14から出力される映像情報データ、16は監視センター3から配信される制御データである。
【0008】
監視センター3の31はネットワーク2を介して伝送された映像情報データであり、33は映像情報データ31を受信し、受信したデータを圧縮画像データと音声情報に分離するデコーダである。ここで、圧縮画像データは伸張処理して映像信号に変換される。
36はデコーダ33から出力された音声信号を映像文字信号に変換し、デコーダ33から出力された映像信号に合成する機能と、カメラ1−1〜カメラ1−Nを制御するための制御信号を出力する制御部である。32はデコーダ33からネットワーク2に配信される制御データである。37は制御部36を操作する操作部であり、38は制御部36から出力される映像信号を表示するモニタである。
【0009】
次に本発明の一実施例の動作を図1で説明する。
カメラ1−1が立ち入り禁止区域を監視している場所に侵入者が侵入した場合について説明する。音声データメモリ部19には、“ここは立ち入り禁止区域です。ただちに移動して下さい。(女性の声)”の音声データを予め記憶しておく。音声データメモリ部19に記憶する音声データは予め監視センター3から伝送しておいても良い。また、侵入者検知部17の検知精度等の設置値は予めCPU18から設定しておく。
【0010】
カメラ1−1に取り付けてあるレンズ部4−1は侵入者からの光を撮像部12に結像し、撮像部12は結像した光を映像信号に光電変換して映像信号処理部13に出力する。映像信号処理部13は入力された映像信号に所定のレベル増幅や輪郭強調等の映像処理を施してエンコーダ14と侵入者検知部17に出力する。侵入者検知部17は入力された映像信号から背景差分法やテンプレートマッチング等の周知の技術で侵入者を検知し、CPU18に侵入者検知信号を出力する。CPU18は侵入者検知信号が入力されると音声データメモリ部19に予め記憶してある音声データの出力を指示し、音声データメモリ部19はCPU18の指示に従い予め記憶してある音声データを音声信号変換部20に出力し、音声信号変換部20は音声データを“ここは立ち入り禁止区域です。ただちに移動して下さい。(女性の声)”の音声に変換して増幅部21に出力し、増幅部21は入力された音声を所定のレベルに増幅してスピーカ部5−1に出力し、スピーカ部5−1は女性の声で“ここは立ち入り禁止区域です。ただちに移動して下さい。”の音声を出力する。また、CPU18は侵入者検知信号が入力されると監視センター3に侵入者が侵入したことを知らせるため、エンコーダ14に“侵入者”の情報データを出力する。エンコーダ14は入力された映像信号を画像圧縮処理して映像データにしてから情報データと合成して映像情報データ15を生成し、ネットワーク2に配信する。映像情報データ15はネットワーク2を介して映像情報データ31となりデコーダ33に入力される。デコーダ33は映像情報データ31を圧縮画像データと音声情報に分離し、圧縮画像データは伸張処理して映像信号に変換し、音声情報と映像信号を制御部36に出力する。制御部36はデコーダ33から出力された音声信号を映像文字信号に変換し、デコーダ33から出力された映像信号と合成してモニタ38に出力する。モニタ38は入力された映像信号を表示する。
【0011】
モニタ38に表示する表示画面の一実施例を図2に示す。図2は4台のカメラの映像を4分割して表示する一実施例である。モニタ38の表示画面の左上にカメラ1−1の映像を表示し、右上にカメラ1−2の映像を表示し、左下にカメラ1−3の映像を表示し、右下にカメラ1−Nの映像を表示している。モニタ38の表示画面の左上にはカメラ番号である“カメラ1−1”の文字とカメラ1−1の映像を表示している。カメラ1−1から“侵入者”の情報データが出力されるとモニタ38の表示画面の左上には“ここは立ち入り禁止区域です。ただちに移動して下さい。(女性の声)”の警告メッセージの文字が表示される。この文字に色を付けても良いし、点滅させても良い。
【0012】
次に他の一実施例について図1と図2を用いて動作を説明する。
カメラ1−Nが果樹園等を監視している場所に侵入者が侵入した場合の発報(威嚇)について説明する。音声データメモリ部19には、“泥棒、泥棒(男性の声)”と“(サイレンの音)”の音声データを予め記憶しておく。このように、通常の警告メッセージと発報メッセージとを異なる人物の声とするのが良い。
【0013】
カメラ1−Nが侵入者を検知すると、前述と同様にスピーカ部1−Nから男性の声で“泥棒、泥棒”と音声を出力する。引き続きスピーカ部1−Nからサイレンの音を出力する。このように侵入者を威嚇すると共に監視センター3に映像データと“侵入者”の情報データをネットワーク2を介して配信する。監視センター3では配信された映像情報データを入力して、モニタ38の表示画面の右下にカメラ1−Nの映像と共に“泥棒、泥棒(男性の声)(サイレンの音)”の文字が表示される。
【0014】
本発明は上記で説明したように自動的にカメラ側で侵入者検知を行い、検知結果に基づいて侵入者を威嚇するための音声をスピーカから発生させると共に監視センターに音声情報を伝送し、監視センターの表示装置に音声情報を表示することができる。監視センターでは、伝送された音声情報で侵入者と威嚇情報を同時に知ることができる。
【0015】
上述の実施例では、カメラ1−1〜1−Nから情報データを監視センター3に配信したが、情報データの代わりに音声データを配信しても良い。
次に更に他の一実施例について図1と図3を用いて動作を説明する。
【0016】
図3は本発明の他の一実施例である侵入者情報を記憶する内容を説明する図である。
図3はカメラ1−1で侵入者を検知した時の侵入者情報を音声データメモリ部19で記憶している内容の一実施例である。侵入者情報として、侵入者を検知した日付、時間、場所、侵入者の顔の覆い、衣服の色、出力した音声を音声データメモリ部19に記憶する。音声データメモリ部19に、日付は“2005年6月17日”、時間は“02時27分”、場所は“A地点”、顔の覆いは“ヘルメット”、衣服の色は“黒”、出力した音声は“ここは立ち入り禁止区域です。・・・・”等を記憶している。侵入者を検知した時は逐次記憶する。このデータがある程度、記憶された段階(例えば20程度)で公知の統計的手法を使用して、侵入者に合わせて威嚇をするための文章を自動生成して音声を出力する。このように侵入者に合わせて威嚇する音声を変えることにより未然に犯罪を防ぐことが可能となる。
【0017】
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された監視システムに限定されるものではなく、上記以外の監視システムに広く適用することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例の監視システム構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例である表示画面を示す図。
【図3】本発明の他の一実施例である侵入者情報を記憶する内容を説明する図。
【符号の説明】
【0019】
1−1〜N:カメラ、2:ネットワーク、3:監視センター、4−1〜N:レンズ部、5−1〜N:スピーカ部、12:撮像部、13:映像信号処理部、14:エンコーダ、17:侵入者検知部、18:CPU、19:音声データメモリ部、20:音声信号変換部、21:増幅部、33:デコーダ、36:制御部、37:操作部、38:モニタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像手段と該撮像手段から出力される信号を伝送する伝送手段と該伝送手段によって伝送された信号を受信し、該受信した信号を表示手段で表示する監視システムにおいて、
前記撮像手段に侵入者検知手段と該侵入者検知手段の検知結果に基づいて音声信号を出力する音声出力手段を設け、前記音声出力手段から前記音声信号を出力するとともに前記音声信号を映像文字信号に変換して前記表示手段に表示することを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−60332(P2007−60332A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243632(P2005−243632)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】