説明

監視装置

【課題】アイセーフ光を用いた監視を実現することのできる監視装置を提供することを目的とする。
【解決手段】1400nm以上の波長帯域のレーザ光を射出する送光部と、送光部から射出されたレーザ光が物体に到達し、物体により反射された反射光を受光し、画像信号に変換して出力する撮像部12と、撮像部12からの画像信号を用いて監視画像を作成する画像処理装置とを備え、撮像部12は、入射光を増幅する増幅機能とシャッタ機能とを備えたイメージインテンシファイア123と、イメージインテンシファイア123よりも光の入射側に配置され、イメージインテンシファイア123の適用可能な波長範囲に反射光の波長を変換する波長変換デバイス122と、イメージインテンシファイア123を通過した光を受光するカメラ124とを備える監視装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、船舶などに設置され、周囲の障害物などの監視を行う監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶等に設置され、広範囲に渡り物体を探知する監視装置として、レーザレーダを使用した監視装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
レーザレーダを用いた監視装置は、例えば、図5に示すように、レーザレーダ51と、レーザレーダ51を制御するレーザレーダ制御部52と、レーザレーダ51により得られた画像信号を表示する表示部53とを備えている。レーザレーダ51は、旋回台54により、その迎角及び回転角が制御される構成となっている。
【0003】
このような構成において、監視時においては、レーザレーダ51内のレーザヘッドからパルスレーザ光を船舶の周辺に射出し、このレーザ光が監視対象Aに到達して反射された反射光をレーザレーダ51内に設けられたカメラによって撮像し、この画像信号を表示部53に出力することにより、周囲に存在する物体Aが表示部53に表示される。
【0004】
また、従来、上記カメラの手前に、シャッタ機能と光増幅機能を有するデバイスであるイメージインテンシファイア(Image Intensifier)を設けた監視装置が提案されている。このような監視装置では、監視対象からの反射光がカメラに到達するタイミングでイメージインテンシファイアのシャッタを開くことで、雨滴等からの不要な散乱光の写り込みを回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−102001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したようなイメージインテンシファイアを有する監視装置においては、レーザヘッドから射出されるレーザ光の波長帯域は、イメージインテンシファイアの特性に適した波長帯とされ、主に約1100nm以下の波長帯域のレーザが用いられている。図7に、現在、一般的に市販されているイメージインテンシファイアの波長と量子効率特性を示す。図7に示すように、現在のイメージインテンシファイアの適用波長は、約200nm以上約1100nm以下であり、レーザレーダで用いるレーザもこの特性に応じて1100nm以下のものが使用されている。
【0007】
近年、眼や皮膚に対する安全性の高いアイセーフ光、換言すると、1400nm以上の波長のレーザ光を利用した監視装置が求められている。例えば、JIS規格(JIS C 6802)では、図6に示すように、眼又は皮膚が損傷を受けず被ばくできる最大の露光量として最大許容露光量(MPE:maximum permissible exposure)が定義されている。図6に示すように、アイセーフ波長は、近赤外波長に比べて最大許容露光量が2倍以上であるため、出力パワーの増大が比較的容易であるという利点がある。
【0008】
しかしながら、図7に示したように、現在、市販されているイメージインテンシファイアは、適応可能な最大波長がせいぜい1100nm程度であり、光源としてアイセーフレーザ光を用いてしまうと、イメージインテンシファイアの適用範囲を外れてしまい、従来通りの画質の監視画像を得ることが難しくなってしまう。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、アイセーフ光を用いた監視を実現することのできる監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、1400nm以上の波長帯域のレーザ光を射出する送光手段と、前記送光手段から射出された前記レーザ光が物体に到達し、前記物体により反射された反射光を受光し、画像信号に変換して出力する撮像手段と、前記撮像手段からの画像信号を用いて監視画像を作成する監視画像作成手段とを備え、前記撮像手段は、入射光を増幅する増幅機能とシャッタ機能とを備えたイメージインテンシファイアと、前記イメージインテンシファイアよりも光の入射側に配置され、前記イメージインテンシファイアの適用可能な波長範囲に前記反射光の波長を変換する波長変換手段と、前記イメージインテンシファイアを通過した光を受光する受光手段とを備える監視装置を提供する。
【0011】
このような構成によれば、送光手段から射出された1400nm以上の波長帯域の光であるアイセーフレーザ光は、物体に到達することにより反射される。反射波は、撮像手段内の波長変換手段に導かれ、イメージインテンシファイアに適した波長範囲にその波長が変換される。波長が変換された反射波は、イメージインテンシファイアに導かれ、増幅機能により増幅されるとともに、シャッタを通過して受光手段に導かれる。受光手段に導かれた光は、画像信号に変換され、この画像信号に基づいて監視画像作成手段により監視画像が作成される。
このように、入射光を増幅する増幅機能とシャッタ機能とを備えたイメージインテンシファイアの光入射側に、物体からの反射光の波長をイメージインテンシファイアの適用可能な範囲に変換する波長変換手段を設けたので、イメージインテンシファイアの適用可能な範囲外の波長帯であるアイセーフレーザ光を用いた場合でも、イメージインテンシファイアに入射される反射光の波長帯をイメージインテンシファイアの適用可能範囲とすることができる。これにより、アイセーフレーザ光とイメージインテンシファイアとを併用することができる。
【0012】
上記監視装置において、前記撮像手段は、前記波長変換手段よりも光の入射側に配置され、入射光を集光させる第1光学系と、前記波長変換手段と前記イメージインテンシファイアとの間に配置され、入射光の径を拡大させる第2光学系とを備えていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、波長変換手段よりも光の入射側に光を集光させる第1光学系を設けたので、波長変換手段へ導かれる光の径を縮小させることができ、よって、波長変換手段への入射光のパワー密度を高めることができる。この結果、波長変換手段から出力される光のパワー密度を高めることが可能となる。また、波長変換手段とイメージインテンシファイアとの間には、光の径を拡大する第2光学系が設けられているので、イメージインテンシファイアに入射させる光の径を拡大させることが可能となる。
【0014】
上記監視装置において、光軸方向における前記第1光学系及び前記第2光学系の少なくともいずれか一方の位置を調整する調整手段を備えることとしてもよい。
【0015】
光軸方向における第1光学系の位置を変化させることにより、波長変換手段への集光率を変化させることができ、第2光学系の位置を変化させることにより、イメージインテンシファイアへの光の径の拡大率を変化させることが可能となる。これら集光率及び拡大率を変えることによって、最終的に得られる監視画像の質を変化させることができる。したがって、監視画像に応じて第1光学系、第2光学系の位置を調整することにより、監視画像の質(例えば、輝度、解像度等)をカスタマイズすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アイセーフ光を用いた監視を実現できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る監視装置の全体構成を概略的に示したブロック図である。
【図2】図1に示した撮像部の内部構成を概略的に示した図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る監視装置が備える撮像部の内部構成を概略的に示した図である。
【図4】IRコンバータの入力パワー密度と出力パワー密度との関係を示した図である。
【図5】従来の監視装置の全体構成を示した図である。
【図6】JIS規格(JIS C 6802)で定義される波長と最大許容露光量との関係を示した図である。
【図7】イメージインテンシファイアの特性の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態に係る監視装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る監視装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る監視装置は、レーザレーダ1、レーザレーダ制御部2、制御装置3、及び表示装置(表示手段)4を備えて構成されている。
【0019】
レーザレーダ1は、送光部(送光手段)11及び撮像部(撮像手段)12を備えて構成されている。
上記送光部11は、例えば、パルス状のレーザ光を連続的に射出するレーザ光源111と、レーザ光源111から射出されたレーザ光を目標物へ照射させる送光レンズ112、及び送光レンズ112の角度を調整するための送光レンズアクチュエータ(図示略)を主な構成要素として備えている。
上記レーザ光源111は、後述するレーザレーダ制御部2内のレーザ電源26から電源供給をうけ、パルス状のレーザ光を連続的に射出する。レーザ光源111から射出されるレーザ光は、例えば、1400nm以上の波長帯域に属するアイセーフレーザ光とされる。なお、1400nm以上の波長帯域におけるどの波長のレーザ光を使用するかという点については、ユーザが任意で選択できるものとする。
【0020】
送光レンズアクチュエータは、後述するレーザレーダ制御部2から供給される制御信号に基づいて、送光レンズ112の位置を調整する。これにより、送光レンズ112に入射されるレーザ光の角度を調整し、所望の範囲に、レーザ光を射出させることが可能となる。
【0021】
撮像部12は、例えば、図2に示すように、ズームレンズ121、波長変換デバイス(波長変換手段)122、イメージインテンシファイア123、及びカメラ(受光手段)124を備えている。
ズームレンズ121は、上記送光部11から発せられ、目標物により反射された反射光を集光して、波長変換デバイス122に導く。
【0022】
波長変換デバイス122は、入力光の波長をイメージインテンシファイア123の適用波長範囲に変換して出力する。波長変換デバイス122の具体例としては、IRコンバータ(InfraRed Converter)が挙げられる。本実施形態では、1495nmから1540nm程度の入射光を950nmから1075nmの間の波長の光に変換して出力する能力を有するIRコンバータを採用している。
【0023】
イメージインテンシファイア123は、入射光を増幅する増幅機能とシャッタ機能とを備えている。イメージインテンシファイア123のシャッタは、後述するレーザレーダ制御部2内に設けられたシャッタ制御部24により駆動される。
カメラ124は、イメージインテンシファイア123からの光を取り込み、電気信号に変換して画像信号を生成し、この画像信号を後述するレーザレーダ制御部2内の画像処理装置(監視画像作成手段)25へ出力する。
また、上記イメージインテンシファイア123及びカメラ124は、個別にそれぞれ設けられていても良いし、一体化されたICCDカメラを使用することとしてもよい。
このようなレーザレーダ1は、旋回台5によりその回転角及び迎角が所望の角度に調節される構造とされている。
【0024】
レーザレーダ制御部2は、制御装置3から供給される各種制御信号に基づいて、上記レーザレーダ1の送光部11、撮像部12、及びレーザレーダ1の回転角などを調整する旋回台5を制御する。レーザレーダ制御部2は、例えば、旋回台駆動部21、同期回路22、制御信号変換装置23、シャッタ制御部24、画像処理装置25、及びレーザ電源26などを備えている。
制御装置3は、レーザレーダ1を制御するための各種制御信号を生成し、生成した各種制御信号をレーザレーダ制御部2に出力するとともに、レーザレーダ制御部2から供給される監視画像を表示装置4へ出力する。
【0025】
制御装置3は、レーザ光源111からパルス状のレーザ光が所定のパルス周期で連続的に射出されるように、レーザレーダ制御部2を制御する。
また、制御装置3は、上記レーザ光源111から連続的に射出されるパルス状のレーザ光が所望の監視距離に存在する物体に到達し、該物体により反射された反射光が到達するタイミングにあわせて、イメージインテンシファイア123のシャッタを開くように、レーザレーダ制御部2を制御する。
【0026】
レーザレーダ制御部2における画像処理装置25は、撮像部12のカメラ124(図2参照)から出力される画像信号を所定期間に渡って蓄積し、蓄積した複数の画像信号を重畳することにより、監視画像を作成する。画像処理装置25によって作成された監視画像は、制御装置3を経由して表示装置4に出力されるように構成されている。
表示装置4は、制御装置3から出力される監視画像等を表示する表示モニタ(図示略)を備えている。
【0027】
次に、本実施形態に係る監視装置の作用について説明する。
まず、監視時において、制御装置3は、パルス状のレーザ光を所定のパルス周期で連続的に射出させるために必要となる同期制御信号、レーザ光源111から連続的に射出されたパルス状のレーザ光が監視距離の位置にある物体に到達し、反射された反射光のみをカメラ124が取り込むためのシャッタ駆動信号などを生成し、これらをレーザレーダ制御部2に出力する。
【0028】
制御装置3から出力された上記同期制御信号及びシャッタ駆動信号は、レーザレーダ制御部2内の制御信号変換装置23を経由して、同期回路22、シャッタ制御部24へそれぞれ供給される。
同期回路22は、入力された同期制御信号に基づいて、レーザ光の送光と受光の同期を取るための同期信号を生成し、この同期信号をレーザ電源26及びシャッタ制御部24に出力する。
レーザ電源26は、同期回路22から供給された同期信号に基づいて、レーザレーダ1が備える送光部11内のレーザ光源111の動作信号を生成し、この動作信号に基づいてレーザ光源111を駆動する。
一方、シャッタ制御部24は、制御装置3から入力されたシャッタ駆動信号及び同期回路22から入力された同期信号に基づいて、レーザレーダ1が備える撮像部12のイメージインテンシファイア123内のシャッタを駆動する。
【0029】
これにより、まず、レーザ電源26により半導体レーザ光源111が駆動されることにより、レーザ光源111から所定のパルス周期で連続的にパルス状のレーザ光が射出される。このレーザ光は、送光レンズ112により所定の範囲を有する照射領域に拡張されて、外部へ射出され、更に、照射領域内に存在する物体により反射された上記レーザ光が撮像部12に導かれることとなる。
【0030】
撮像部12に導かれた反射光は、図2に示された受光用レンズ121を介して波長変換デバイス122に入射する。入射した光は、波長変換デバイス122により、イメージインテンシファイア123に適した波長範囲に変換された後、イメージインテンシファイア123に導かれる。
イメージインテンシファイア123では、シャッタ制御部24(図1参照)が制御装置3からのシャッタ駆動信号に基づいてシャッタを駆動することにより、所定の監視距離の位置に存在する物体によって反射されてきたレーザ光のみがカメラ124へ導かれる。なお、このときカメラ124へ導かれる光は、イメージインテンシファイア123の増幅機能により、増幅されたものとなる。
【0031】
そして、カメラ124により取り込まれた反射光の情報は、電気信号である画像信号に変換されて、レーザレーダ制御部2内の画像処理装置25に出力される。画像処理装置25は、所定の期間においてカメラ124から出力された複数の画像信号を蓄積し、蓄積した複数の画像を積算(重畳)することにより輝度の高い監視画像を作成し、この監視画像を出力する。
画像処理装置25により作成された監視画像は、制御信号変換装置23を経由して制御装置3へ入力される。制御装置3は、入力された監視画像を表示装置4に出力する。これにより、例えば、監視距離の位置にあった浮遊物の輪郭などが可視情報として、表示装置4の表示モニタに鮮明に(輝度が高く)表示されることとなる。この結果、表示モニタに表示された画像を乗組員等が確認することにより、照射領域に存在した物体の形状や大きさなどの情報を取得することが可能となる。
【0032】
以上、述べてきたように、本実施形態に係る監視装置によれば、レーザレーダ1の撮像部12において、イメージインテンシファイア123の光入射側に入射光の波長を変換する波長変換デバイス122を設けたので、イメージインテンシファイア123に入射させる光の波長をイメージインテンシファイア123の適用範囲の波長帯とすることが可能となる。これにより、1400nm以上の波長を有するアイセーフレーザ光とイメージインテンシファイア123との併用が可能となり、安全性を高めながらも従来と同様の品質を有する監視画像を得ることが可能となる。
【0033】
以下の表1に、IRコンバータ及びイメージインテンシファイアを使用せずに、カメラ124のみを使用したときの性能(センサ感度+カメラゲイン)と、波長変換デバイス122としてのIRコンバータとイメージインテンシファイア123とを併用したときのカメラ124の性能とを比較して示す。ここで、カメラ124としては、InGaAsカメラを用いた場合を例示している。
【0034】
【表1】

【0035】
上記表1のように、カメラのみを使用する場合に比べて、IRコンバータとイメージインテンシファイアとの組み合わせの場合は、10倍の性能(センサ感度+カメラゲイン)を得ることができる。
【0036】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る監視装置について説明する。本実施形態に係る監視装置は、図3に示すように、撮像部12´において、図2に示した受光用レンズ121に代えて第1レンズ(第1光学系)130を採用する点、及び波長変換デバイス122とイメージインテンシファイア123との間に、入射光の径を拡大させる第2レンズ(第2光学系)132を配置する点が上述した第1実施形態に係る監視装置と異なる。
第1レンズ130は、波長変換デバイス122であるIRコンバータの蛍光面126に集光させる目的で設けられており、第2レンズ132は、第1レンズ130によって集光された光の径をイメージインテンシファイア123の受光面サイズまで拡大させる目的で設けられている。
【0037】
ここで、波長変換デバイス122としてIRコンバータを採用する場合、IRコンバータの出力パワー密度は、IRコンバータの入力パワー密度に依存する。図4は、IRコンバータの入力パワー密度と出力パワー密度との関係を示した図であり、横軸が入力パワー密度、縦軸が出力パワー密度を示している。
また、イメージインテンシファイア123の特性から、イメージインテンシファイア123に入射させる光のパワー密度は、イメージインテンシファイア123の最小感度露光量に相当するパワー密度以上である必要がある。そうすると、波長変換デバイス122の出力パワー密度は、イメージインテンシファイア123の最小感度露光量に相当するパワー密度(例えば、図4における値A)以上である必要があり、したがって、IRコンバータの入力パワー密度は図4における値B以上である必要がある。
【0038】
IRコンバータに入射させる光のパワー密度を増加させるには、送光部11から射出させるレーザ光の出力パワー密度を高くすればよいが、図6に示すように、その出力値には限界がある。そこで、本実施形態では、IRコンバータの光入射側に、IRコンバータの蛍光面126に入射光を集光させる第1レンズ130を設け、光を集光させることでIRコンバータへの入力パワー密度を高めることとしている。
【0039】
これにより、送光部11における出力調整を行わずに、IRコンバータの蛍光面126における入力パワー密度を容易に高めることが可能となる。なお、光を集光させることで、蛍光面126に投影される像の分解能は低下してしまうことから、第1レンズ130の集光度は予め検討する必要がある。
【0040】
また、波長変換デバイス122とイメージインテンシファイア123との間には、光の径を拡大するための第2レンズ132を配置しているので、波長変換デバイス122の蛍光面に集光された光の径を拡大して、イメージインテンシファイア123の受光面へ導くことが可能となる。ここで、第2レンズ132による光の拡大率は、イメージインテンシファイア123の受光面のサイズに応じて決められることが好ましい。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る監視装置によれば、波長変換デバイス122の光入力側に第1レンズ130を設けているので、波長変換デバイス122への光の入力パワー密度を高めることが可能となる。これにより、波長変換デバイス122の光の出力パワー密度を高めることができ、アイセーフレーザ光を利用していたとしても、イメージインテンシファイア123へ導かれる光のパワー密度を高めることができ、より鮮明な監視画像の取得が期待できる。
また、波長変換デバイス122とイメージインテンシファイア123の間に第2レンズ132を配置したので、集光されることによって縮小した光の径を再度拡大させて、イメージインテンシファイア123へ導くことが可能となり、画像の大きさを従来通りとすることができる。
【0042】
また、本実施形態に係る監視装置では、光軸方向における第1レンズ130及び第2レンズ132の少なくともいずれか一方の位置を変更可能とする図示しないレンズ位置調整機構(調整手段)を備えることとしてもよい。
【0043】
このように、レンズ位置を調整する機構を有することで、例えば、監視画像を確認しながらレンズ位置を調整することが可能となる。例えば、輝度よりも解像度が気になる場合には、第1レンズ130による集光度が小さくなるように第1レンズ130の位置を調整すればよい。このように、表示装置4に表示された監視画像の状態に応じて第1レンズ130および第2レンズ132の位置を調整することで、表示装置4に表示させる監視画像の品質をカスタマイズすることが可能となる。
また、監視画像の品質に応じてレンズ位置調整機構を駆動させる制御部を設け、自動的に画質を調整することとしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 レーザレーダ
2 レーザレーダ制御部
3 制御装置
4 表示装置
5 旋回台
11 送光部
12,12´ 撮像部
21 旋回台駆動部
22 同期回路
23 制御信号変換装置
24 シャッタ制御部
25 画像処理装置
26 レーザ電源
111 レーザ光源
112 送光レンズ
121 ズームレンズ
122 波長変換デバイス
123 イメージインテンシファイア
124 カメラ
130 第1レンズ
132 第2レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1400nm以上の波長帯域のレーザ光を射出する送光手段と、
前記送光手段から射出された前記レーザ光が物体に到達し、前記物体により反射された反射光を受光し、画像信号に変換して出力する撮像手段と、
前記撮像手段からの画像信号を用いて監視画像を作成する監視画像作成手段と
を備え、
前記撮像手段は、
入射光を増幅する増幅機能とシャッタ機能とを備えるイメージインテンシファイアと、
前記イメージインテンシファイアよりも光の入射側に配置され、前記イメージインテンシファイアの適用可能な波長範囲に前記反射光の波長を変換する波長変換手段と、
前記イメージインテンシファイアを通過した光を受光する受光手段と
を備える監視装置。
【請求項2】
前記撮像手段は、
前記波長変換手段よりも光の入射側に配置され、入射光を集光させる第1光学系と、
前記波長変換手段と前記イメージインテンシファイアとの間に配置され、入射光の径を拡大させる第2光学系と
を備える請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
光軸方向における前記第1光学系及び前記第2光学系の少なくともいずれか一方の位置を調整する調整手段を備える請求項2に記載の監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−108835(P2013−108835A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253808(P2011−253808)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】