説明

目標運動解析方法及び目標運動解析装置

【課題】目標運動解析の解の収束を早め、解の精度を向上させること。
【解決手段】本発明の目標運動解析方法は、センサにて前記目標を探知する探知ステップと、前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する生成ステップと、前記センサにて信号を受信可能な探知領域を計算する計算ステップと、前記センサの目標探知情報及び探知領域を使用し、前記センサの探知領域と前記目標の探知方位とが重なる領域を前記目標の存在圏と限定した上で、前記目標の位置を推定する第1の推定ステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動する移動目標物体(以下、「目標」という)の位置の推定を行う目標運動解析を実施する目標運動解析方法及び目標運動解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、目標運動解析方法として、目標から発せられる音波又は電波をパッシブセンサにより受信して目標の方位及び周波数を観測し、観測した目標の方位及び周波数の時系列データを用いて目標運動解析を実施し、目標位置を推定する方法が知られている。
【0003】
また、目標運動解析を実施する際に、カルマンフィルタを用いたり(非特許文献1)、最小二乗法を用いたりすること(非特許文献2)が知られている。
【0004】
また、目標運動解析の解(推定目標位置)の収束を早めるため、目標の方位及び周波数の観測データ以外の情報を使用した目標運動解析方法も提案されている。例えば、目標運動解析方法(特許文献1)、目標運動解析方法(特許文献2)、オペレータ介在型目標運動解析方法及び装置(特許文献3)などである。
【0005】
特許文献1に記載の目標運動解析方法は、目標の状態量に関する概略値とその値の精度に関する先見情報が得られている場合に、これらの情報を目標運動解析の初期値として取り込んだ上で、目標運動解析を実施する方法である。
【0006】
特許文献2に記載の目標運動解析方法は、目標の速度の大きさの上限値を拘束条件として、目標運動解析の初期値を算出した上で、目標運動解析を実施する方法である。
【0007】
特許文献3に記載の目標運動解析方法は、目標の距離上下限値、速力上下限値、針路等のオペレータ入力を拘束条件として、目標運動解析を実施する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−133750号公報
【特許文献2】特許第3129388号
【特許文献3】特許第3881967号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】TAEK L.SONG AND JASON L.SPEYER 「A Stochastic Analysis of a Modified Gain Extended Kalman Filter with Application to Estimation with Bearing Only Measurements」 IEEE会報1985年Vol. AC-30 No.10
【非特許文献2】STEVEN C.NARDONE, ALLEN G.LINDGREN AND KAI F.GONG 「Fundamental Properties and Performance of Conventional Bearing-only Target Motion Analysis」 IEEE会報1984年Vol. AC-29 No.9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の目標運動解析方法には、以下のような課題がある。
(1)パッシブセンサを使用する目標運動解析方法では、パッシブセンサを使用して観測した目標の方位及び周波数の観測データのみを用いて目標運動解析を行う。そのため、目標が遠距離に存在し目標以外からの信号(雑音)のレベルが高くなる場合や観測データが少ない場合には、目標運動解析を実施しても妥当な解が得られない場合又は解の収束に時間がかかる場合があるという課題が存在する。
【0011】
また、特許文献1〜3に記載のように、目標の観測データ以外に、目標の距離、速度等のオペレータ入力値を用いる目標運動解析方法では、オペレータの経験等に基づき入力される入力値が適切でない場合等に、目標運動解析の解の収束時間が遅延したり適切な解が出なかったりするという課題が存在する。
(2)また、1センサのみを使用する目標運動解析方法では、目標位置の推定精度が低く、目標位置の推定に時間を要し、目標を失探し継続追尾が不可となる確率が高い。特に、ラインアレイ状のパッシブセンサを使用した場合、目標がセンサの左右どちら側に存在するかを判断するために、ラインアレイ状のパッシブセンサを搭載しているビークルを変針させつつ目標を継続追尾する必要があるため、目標位置を推定するまでに時間を要するという課題が存在する。さらに、ビークルを変針させることにより目標を失探し継続追尾が不可となる確率が上昇するという課題が存在する。
【0012】
そこで、本発明の目的は、上述した課題のいずれかを解決することができる目標運動解析方法及び目標運動解析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の目標運動解析方法は、
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置による目標運動解析方法であって、
前記ビークルのセンサにて前記目標を探知する探知ステップと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する生成ステップと、
前記センサにて信号を受信可能な探知領域を計算する計算ステップと、
前記センサの目標探知情報及び探知領域を使用し、前記センサの探知領域と前記目標の探知方位とが重なる領域を前記目標の存在圏と限定した上で、前記目標の位置を推定する第1の推定ステップと、を有する。
【0014】
本発明の第2の目標運動解析方法は、
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置による目標運動解析方法であって、
前記ビークルのセンサにて前記目標を探知する探知ステップと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する生成ステップと、
前記目標を探知する味方ビークルから、該味方ビークルに搭載された味方ビークルセンサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記味方ビークルセンサの位置情報を含む目標探知情報を受信する受信ステップと、
前記センサ及び前記味方ビークルセンサの目標探知情報を使用して、前記目標の位置を推定する推定ステップと、を有する。
【0015】
本発明の第1の目標運動解析装置は、
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置であって、
前記目標を探知するセンサと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する目標探知情報生成部と、
前記センサにて信号を受信可能な探知領域を計算する探知領域計算部と、
前記センサの目標探知情報及び探知領域を使用し、前記センサの探知領域と前記目標の探知方位とが重なる領域を前記目標の存在圏と限定した上で、前記目標の位置を推定する第1の目標位置推定部と、を有する。
【0016】
本発明の第2の目標運動解析装置は、
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置であって、
前記目標を探知するセンサと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する目標探知情報生成部と、
前記目標を探知する味方ビークルから、該味方ビークルに搭載された味方ビークルセンサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記味方ビークルセンサの位置情報を含む目標探知情報を受信する目標探知情報入力部と、
前記センサ及び前記味方ビークルセンサの目標探知情報を使用して、前記目標の位置を推定する目標位置推定部と、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の目標運動解析方法によれば、自センサの探知領域を拘束条件として目標運動解析を実施するように構成されているため、目標運動解析の解の収束を早め、解の精度を向上させることができるという効果が得られる。
【0018】
本発明の第2の目標運動解析方法によれば、複数センサを配置して1目標を追尾し複数センサの目標探知情報を使用した目標運動解析を実施するように構成されているため、目標位置の推定に要する時間を短縮し、目標位置の推定精度及び目標を継続追尾できる確率を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一態様の目標運動解析装置の動作の概略を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の目標運動解析装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の目標運動解析装置の動作例1を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態の目標運動解析装置の動作例2を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態の目標運動解析装置の動作例2において、複数センサの目標探知情報を用いて、目標位置を推定する方法を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の目標運動解析装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の目標運動解析装置の動作例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(A)本発明の概略
まず、本発明の概略を説明する。
(A−1)上記のように、パッシブセンサを使用する目標運動解析方法では、目標運動解析を実施しても妥当な解が得られない場合又は解の収束に時間がかかる場合があるといった課題が存在する。また、この課題を解決するために、特許文献1〜3に記載のように、オペレータ入力値を使用したとしても、入力値が適切でない場合等に、目標運動解析の解の収束時間が遅延したり適切な解が出なかったりするといった課題が存在する。
【0021】
この課題に対し、本発明の一態様では、推定される環境下で自センサが信号を受信可能な空間的範囲(以下、「探知領域」という)を計算し、自センサの探知領域と自センサにて探知した目標の探知方位とが重なる領域を目標の存在圏として限定する。このようにして、自センサの探知領域の計算結果を、目標運動解析を実施する際の拘束条件として使用することにより上記の課題を解決する。
【0022】
本発明の一態様の考え方を、図1の概念図を用いて簡単に説明する。図1においては、図の中心を自センサの位置(●)とし、自センサから延びる半直線を時刻txにおける目標探知方位(観測値)とする。
【0023】
パッシブセンサの観測データのみを用いた目標運動解析方法では、上記の目標探知方位及び観測される周波数変化より目標位置を推定する。目標位置は、方位については観測値より明らかに限定されるが、距離については直接的な観測値を得ることはできない。
【0024】
そこで、本発明の一態様では、自センサが目標を探知可能と推定される探知領域を計算し(図1の塗潰し部分)、目標存在圏を、目標探知方位(観測値)と自センサの探知領域とが重なる部分(観測誤差及び探知領域計算の推定誤差も含む)に限定する(図1の点線囲み部分)。
(A−2)また、1センサのみを使用する目標運動解析方法では、例え上記の解決手段(A−1)を適用したとしても、目標位置の推定精度が低く、目標位置の推定に時間を要し、目標を失探し継続追尾が不可となる確率が高いという課題が依然として存在する。
【0025】
この課題に対し、本発明の他の態様では、複数センサを配置して1目標を追尾し、全センサの目標探知情報(センサが探知した目標の探知方位及び探知周波数、その探知した探知時刻、その探知時刻におけるセンサの位置情報)を使用した目標運動解析を実施することとする。これにより、目標位置の推定に要する時間を短縮し、目標位置の推定精度及び目標を継続追尾できる確率を向上させることができる。
【0026】
特に、ラインアレイ状のパッシブセンサを使用した場合、複数センサの目標探知情報を使用することにより、ラインアレイ状のパッシブセンサを搭載しているビークルの変針を伴わずに、目標がセンサの左右どちら側に存在するかの判断が可能となる。これにより、ビークルの変針に要していた時間が不要となるため、目標位置の推定に要する時間を短縮できる。また、ビークルの変針に伴う目標失探の危険性がなくなるため、目標を継続追尾できる確率を向上させることができる。
(B)本発明の実施形態
続いて、本発明を実施するための実施形態を説明する。
(B−1)第1の実施形態
(B−1−1)第1の実施形態の構成
最初に、本発明の第1の実施形態の目標運動解析装置の構成について説明する。
【0027】
図2を参照すると、本実施形態の目標運動解析装置は、ビークルに搭載されるものであり、目標探知情報入力部100と、予察計算部200と、目標運動解析部300と、データベース400と、表示部500と、を有している。
【0028】
目標探知情報入力部100は、パッシブセンサ110と、パッシブ信号処理部120と、目標探知情報生成部130と、味方ビークル目標探知情報入力部140と、を含む。
【0029】
これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。
【0030】
パッシブセンサ110は、目標からの目標信号及び目標以外からの信号(雑音)を含む周囲が発する全ての信号を受信する。
【0031】
パッシブ信号処理部120は、パッシブセンサ110が受信した信号に対し、整相処理、帯域制限、及び積分処理を実施し、S/N比(雑音レベルに対する目標からの信号強度)を向上させる。
【0032】
目標探知情報生成部130は、自センサ(パッシブセンサ110)の位置の測定と、必要に応じてオペレータ判断を介在し、パッシブ信号処理部120の信号処理結果からの目標信号の抽出を行う。そして、これらに基づき、自センサの目標探知情報(自センサが探知した目標の探知方位及び探知周波数、その探知した探知時刻、その探知時刻における自センサの位置情報)を生成し出力する。
【0033】
味方ビークル目標探知情報入力部140は、自センサが探知する目標と同一の目標を探知する他のビークル(以下、「味方ビークル」という)が周囲に存在する場合に、味方ビークルから、味方ビークルに搭載されたセンサ(以下、「味方ビークルセンサ」という)の目標探知情報(味方ビークルセンサが探知した目標の探知方位及び探知周波数、その探知した探知時刻、その探知時刻における味方ビークルセンサの位置情報)を受信する。
【0034】
なお、味方ビークルは、パッシブセンサ110、パッシブ信号処理部120、及び目標探知情報生成部130と同様の機能を備える他、味方ビークルセンサの目標探知情報を味方ビークル目標探知情報入力部140に送信する機能を備えているものとする。
【0035】
目標探知情報入力部100からは、目標探知情報生成部130にて生成された自センサの目標探知情報と、味方ビークル目標探知情報入力部140にて受信された味方ビークルセンサの目標探知情報と、が出力される。
【0036】
予察計算部200は、パラメータ設定部210と、探知領域計算部220と、を含む。
【0037】
これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。
【0038】
パラメータ設定部210は、各センサ(自センサ及び味方ビークルセンサ)の探知領域の計算に必要な各種パラメータ(センサの位置情報、周囲温度等の環境情報、センサの能力・設定値等のセンサ情報)の設定を行う。
【0039】
探知領域計算部220は、パラメータ設定部210により設定されたパラメータを使用して、各センサの探知領域を計算する。
【0040】
予察計算部200からは、探知領域計算部220にて計算された各センサの探知領域の計算結果が出力される。
【0041】
目標運動解析部300は、拘束条件計算部310と、目標位置推定部320と、拘束条件付目標位置推定部330と、目標位置推定計算部340と、を含む。
【0042】
これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。
【0043】
拘束条件計算部310は、予察計算部200から出力された自センサの探知領域に対し、目標運動解析の拘束条件として使用するための変換計算を行う。
【0044】
目標位置推定部320は、目標探知情報入力部100から出力された自センサの目標探知情報の時系列データを使用して、従来の目標運動解析を実施して、目標位置を推定する。この際、まず、各探知時刻ごとの目標位置(目標の移動経路)を推定し、次に、その推定結果から目標の速力、針路及び今後の予測経路を推定する。
【0045】
拘束条件付目標位置推定部330は、目標探知情報入力部100から出力された自センサの目標探知情報の時系列データと、拘束条件計算部310にて計算された探知領域計算結果に基づく拘束条件と、を使用して、自センサの探知領域と目標の探知方位とが重なる領域を目標の存在圏と限定した上で、目標位置を推定する。なお、目標位置の推定に際しては、目標位置推定部320と同様の事項の推定を行う。
【0046】
目標位置推定計算部340は、目標探知情報入力部100から同一の目標を探知する複数センサ(自センサ及び味方ビークルセンサ)の目標探知情報が出力された場合に、複数センサの目標探知情報を使用して、目標位置を推定する。なお、目標位置の推定に際しては、目標位置推定部320と同様の事項の推定を行う。
【0047】
目標運動解析部300からは、目標位置推定部320、拘束条件付目標位置推定部330、及び目標位置推定計算部340にて推定された目標位置の推定結果(目標の推定移動経路、推定速力、推定針路及び今後の予測経路)が出力される。
【0048】
データベース400は、環境情報データベース410と、センサ情報データベース420と、を含む。
【0049】
これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。
【0050】
環境情報データベース410は、予察計算部200において探知領域の計算に必要なパラメータとして設定される環境情報を格納し管理する。
【0051】
センサ情報データベース420は、予察計算部200において探知領域の計算に必要なパラメータとして設定されるセンサ情報を格納し管理する。
【0052】
表示部500は、目標探知情報表示部510と、目標運動解析結果表示部520と、目標探知圏(探知領域計算結果)表示部530と、を含む。
【0053】
これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。
【0054】
目標探知情報表示部510は、目標探知情報入力部100から出力された目標探知情報を基に、目標の探知方位及び探知時刻を表示する。
【0055】
目標運動解析結果表示部520は、目標運動解析部300から出力された目標位置の推定結果を目標運動解析結果として表示する。
【0056】
目標探知圏(探知領域計算結果)表示部530は、予察計算部200から出力された各センサの探知領域の計算結果を目標探知圏として表示する。
(B−1−2)第1の実施形態の動作
次に、図2に示した本実施形態の目標運動解析装置の動作について説明する。
【0057】
以下では、本実施形態の目標運動解析装置の動作を、2つの動作例に分けて説明する。
(B−1−2−1)動作例1
本動作例は、自センサの探知領域を拘束条件として使用して目標の存在圏を限定し、その上で目標運動解析を実施するものである。本動作例を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0058】
図3を参照すると、まず、パッシブセンサ110が受信した信号に対し、パッシブ信号処理部120が信号処理を実施した結果を基に、目標探知情報生成部130は、必要に応じてオペレータ判断を介在して目標信号を抽出する。そして、自センサ(パッシブセンサ110)の目標探知情報(自センサが探知した目標の探知方位及び探知周波数、その探知した探知時刻、その探知時刻における自センサの位置情報)を生成し出力する(図3のステップA11)。
【0059】
目標探知情報生成部130から出力された自センサの目標探知情報は、予察計算部200及び目標運動解析部300に入力されるとともに、目標の探知時刻及び探知方位が目標探知情報表示部510に表示される(図3のステップE11)。本動作は、自センサにて目標を探知する毎に繰り返される。
【0060】
予察計算部200においては、目標探知情報入力部100から自センサの目標探知情報が入力されると、パラメータ設定部210は、自センサの探知領域の計算のためのパラメータ(センサの位置情報、周囲温度等の環境情報、センサの能力・設定値等のセンサ情報)を設定する(図3のステップB11)。
【0061】
この際、パラメータ設定部210は、自センサの探知領域の計算に必要となるパラメータ(周囲温度等の環境情報、センサの能力・設定値等のセンサ情報)をデータベース400から検索し使用する(図3のステップD11及びD12)。
【0062】
その後、探知領域計算部220は、パラメータ設定部210にて設定されたパラメータを使用して、目標探知情報入力部100にて目標を探知した時点(すなわち、目標の探知時刻)での自センサの探知領域を計算する(図3のステップB12)。
【0063】
探知領域計算部220にて計算された自センサの探知領域は、自センサの目標探知圏として目標探知圏(探知領域計算結果)表示部530に表示される(図3のステップE13)とともに、目標運動解析部300に入力される。
【0064】
図3のステップB11及びB12の動作は、目標探知情報入力部100から目標探知情報が入力され続けている間、自ビークルが一定距離進む毎に繰り返される。
【0065】
目標運動解析部300においては、目標探知情報入力部100から自センサの目標探知情報が入力されると、目標位置推定部320は、自センサの目標探知情報を使用して、従来の目標運動解析を行い、目標位置を推定する(図3のステップC11)。この際、目標の推定移動経路、推定速力、推定針路及び今後の予測経路が計算される。
【0066】
目標位置推定部320にて推定された目標位置の推定結果(目標の推定移動経路、推定速力、推定針路及び今後の予測経路)は、目標運動解析結果として目標運動解析結果表示部520に表示される(図3のステップE12)。
【0067】
次に、拘束条件計算部310は、予察計算部200から入力された自センサの目標探知圏を、目標運動解析の拘束条件として使用するための変換計算を行う(図3のステップC12)。ここで、自センサの探知領域を自センサの目標探知圏とみなすことにより、目標運動解析を実施する際に、目標が目標探知圏内を移動しているという空間的制限を設定可能となる。この目標探知圏内に目標運動解析の解(推定目標位置)を収束させるために、実施する目標運動解析の形態に合わせた形式の拘束条件を計算する。
【0068】
次に、拘束条件付目標位置推定部330は、目標探知情報入力部100から入力された自センサの目標探知情報と、拘束条件計算部310にて計算された探知領域計算結果に基づく拘束条件と、を使用して、自センサの探知領域と目標の探知方位とが重なる領域を目標の存在圏と限定した上で、目標位置を推定する(図3のステップC13)。この際、目標の推定移動経路、推定速力、推定針路及び今後の予測経路が計算される。
【0069】
拘束条件付目標位置推定部330にて推定された目標位置の推定結果(目標の推定移動経路、推定速力、推定針路及び今後の予測経路)は、目標運動解析結果として目標運動解析結果表示部520に表示される(図3のステップE14)。
【0070】
図3のステップC11〜C13の動作は、目標探知情報入力部100から目標探知情報が入力される毎に繰り返される。
【0071】
また、上記の動作により、表示部500には、目標探知情報(図3のステップE11)、計算した目標探知圏(探知領域)(図3のステップE13)、通常の目標運動解析により推定した目標位置(図3のステップE12)、及び、拘束条件を付加して推定した目標位置(図3のステップE14)が重畳されて表示されることにより、オペレータが、実際の目標探知情報、探知領域計算結果、従来の目標運動解析結果、及び今回提案する予察計算を用いた拘束条件付目標運動解析結果を比較検討することが可能である。
(B−1−2−2)動作例2
本動作例は、味方ビークルセンサの目標探知情報が受信された場合に、複数センサ(自センサ及び味方ビークルセンサ)の目標探知情報を使用して目標運動解析を実施するものである。本動作例を図4のフローチャートを参照して説明する。
【0072】
図4を参照すると、まず、パッシブセンサ110が受信した信号に対し、パッシブ信号処理部120が信号処理を実施した結果を基に、目標探知情報生成部130は、必要に応じてオペレータ判断を介在して目標信号を抽出する。そして、自センサ(パッシブセンサ110)の目標探知情報(自センサが探知した目標の探知方位及び探知周波数、その探知した探知時刻、その探知時刻における自センサの位置情報)を生成し出力する(図4のステップA21)。
【0073】
また、味方ビークル目標探知情報入力部140は、味方ビークルから、味方ビークルセンサの目標探知情報(味方ビークルセンサが探知した目標の探知方位及び探知周波数、その探知した探知時刻、その探知時刻における味方ビークルセンサの位置情報)を受信し出力する(図4のステップA22)。
【0074】
目標探知情報生成部130から出力された自センサ及び味方ビークルセンサの目標探知情報は、予察計算部200及び目標運動解析部300に入力されるとともに、それぞれの目標の探知方位及び探知時刻が目標探知情報表示部510に表示される(図4のステップE21及びE22)。本動作は、自センサで目標を探知する毎及び味方ビークルセンサの目標探知情報を受信する毎に繰り返される。
【0075】
予察計算部200においては、目標探知情報入力部100から自センサ及び味方ビークルセンサの目標探知情報が入力されると、まず、パラメータ設定部210は、各センサ(自センサ及び味方ビークルセンサ)の探知領域の計算のためのパラメータ(センサの位置情報、周囲温度等の環境情報、センサの能力・設定値等のセンサ情報)を設定する(図4のステップB21)。
【0076】
この際、パラメータ設定部210は、各センサの探知領域の計算に必要となるパラメータ(周囲温度等の環境情報、センサの能力・設定値等のセンサ情報)をデータベース400から検索し使用する(図4のステップD21及びD22)。
【0077】
その後、探知領域計算部220は、パラメータ設定部210により設定されたパラメータを使用して、自センサ及び味方ビークルセンサの探知領域を計算する(図4のステップB22)。
【0078】
探知領域計算部220にて計算された自センサ及び味方ビークルセンサの探知領域は、目標探知圏として目標探知圏(探知領域計算結果)表示部530に表示される(図4のステップE24)。
【0079】
図4のステップB21及びB22の動作は、目標探知情報入力部100から目標探知情報が入力され続けている間、自ビークル及び味方ビークルが一定距離進む毎に繰り返される。
【0080】
ただし、本動作例では、探知領域の計算結果は、上記の動作例1とは異なり、目標運動解析の拘束条件としては使用せず、目標存在圏の参考情報として目標探知圏(探知領域計算結果)表示部530に表示するのみである。
【0081】
目標運動解析部300においては、目標探知情報入力部100から目標探知情報が入力されると、目標位置推定計算部340は、複数センサ(自センサ及び味方ビークルセンサ)の目標探知情報を用いた目標運動解析を行い、目標位置を推定する(図4のステップC21)。この際、目標の推定移動経路、推定速力、推定針路及び今後の予測経路が計算される。
【0082】
ここで、複数センサの目標探知情報を用いて目標位置を推定する方法を、図5を参照して説明する。
【0083】
図5において、自センサ及び味方ビークルの位置をシンボルで、また各ビークルのセンサが同時刻に探知した目標の探知方位を半直線で表す。ここで、いわゆる交差方位法の考え方を利用すると、各センサの同時刻の探知方位線が交差する部分が目標の推定位置(★)となる。実際には、各センサの能力、目標からの距離等を要因とした誤差が発生するため、探知方位線は1点では交わらない。しかし、誤差で重み付けした観測データを使用し最小二乗法等を適用することにより、目標位置を精度良く推定することが可能となる。
【0084】
目標位置推定計算部340にて推定された目標位置の推定結果(目標の推定移動経路、推定速力、推定針路及び今後の予測経路)は、目標運動解析結果として目標運動解析結果表示部520に表示される(図4のステップE23)。
【0085】
図4のステップC21の動作は、目標探知情報入力部100から目標探知情報が入力される毎に繰り返される。
【0086】
上記の動作により、表示部500には、自センサ及び味方ビークルセンサで探知した目標探知情報(図4のステップE21及びE22)、計算した目標探知圏(自センサ及び味方ビークル探知領域)(図4のステップE24)、及び、複数センサの目標探知情報を用いた目標運動解析結果(図4のステップE23)が重畳されて表示されることにより、オペレータが、実際の目標探知情報、探知領域計算結果、及び目標運動解析結果を比較検討することが可能である。
(B−1−3)第1の実施形態の効果
本実施形態の動作例1では、自センサの探知領域の計算結果を拘束条件として目標運動解析を実施するように構成されているため、従来に比べて、目標運動解析の解の収束を早め、精度を向上させることができる。
【0087】
さらに、本実施形態の動作例1では、実際の目標探知情報、探知領域計算結果、従来の目標運動解析結果、及び、拘束条件付目標運動解析結果を重畳して表示するため、オペレータは、これらを比較検討することができる。そのため、オペレータ判断により、状況に応じて従来の目標運動解析結果又は拘束条件付目標運動解析結果を選択することができる。
【0088】
本実施形態の動作例2では、複数センサを配置して1目標を追尾し、全センサの目標探知情報を使用した目標運動解析を実施するように構成されているため、目標位置の推定に要する時間を短縮し、目標位置の推定精度及び目標を継続追尾できる確率を向上させることができる。
【0089】
特に、ラインアレイ状のパッシブセンサを使用した場合、複数センサの目標探知情報を使用することにより、ラインアレイ状のパッシブセンサを搭載しているビークルの変針を伴わずに探知目標がセンサの左右どちら側に存在するかの判断が可能となる。
【0090】
これにより、ビークルの変針に要していた時間が不要となるため、目標位置の推定に要する時間を短縮できる。また、ビークルの変針に伴う目標失探の危険性がなくなるため目標を継続追尾できる確率を向上させることができる。
【0091】
さらに、本実施形態の動作例2では、実際の目標探知情報、探知領域計算結果、及び目標運動解析結果を重畳して表示するため、オペレータは、これらを比較検討することができる。
(B−2)第2の実施形態
(B−2−1)第2の実施形態の構成
最初に、本発明の第2の実施形態の目標運動解析装置の構成について説明する。
【0092】
本実施形態では、自ビークルの行動予定(空路・航路等)に従い、事前に自センサの探知領域計算を実施した計算結果を目標運動解析の拘束条件として使用する点が第1の実施形態とは異なる。
【0093】
このため、目標探知後に時間を要する探知領域計算を実施する必要がなく、自センサの探知領域の計算結果を拘束条件として使用した目標運動解析を早急に開始することができ、目標位置の推定に要する時間を短縮することができる。
【0094】
図2及び図6を参照すると、本実施形態の目標運動解析装置の構成(図6)は、第1の実施形態の構成(図2)と比較して、予察計算部200の探知領域計算結果選択部230が追加された点が異なるため、該当部分についてのみ説明を実施する。
【0095】
予察計算部200は、パラメータ設定部210と、探知領域計算部220と、探知領域計算結果選択部230と、を含む。
【0096】
これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。
【0097】
パラメータ設定部210及び探知領域計算部220は、第1の実施形態と同様に動作する。
【0098】
探知領域計算結果選択部230は、事前に実施した探知領域の計算結果の中から、自ビークルの現況に応じて計算結果を選択する。
(B−2−2)第2の実施形態の動作
次に、図6に示した本実施形態の目標運動解析装置の動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0099】
本実施形態の動作(図7)は、第1の実施形態の動作例1(図3)の予察計算部200の動作のみを変更したものであるため、該当部分についてのみ説明を実施する。
【0100】
図7を参照すると、予察計算部200は、自ビークルの行動予定(空路・航路等)に従い、自センサの探知領域計算を実施する。例えば、予定されている経路途中の各位置の位置情報と、その位置を通過する予想時刻における予想温度と、をパラメータに設定した上で、自センサの探知領域を計算する。
【0101】
まず、パラメータ設定部210は、自センサの探知領域の計算のためのパラメータ(センサの位置情報、周囲温度等の環境情報、センサの能力・設定値等のセンサ情報)を設定する(図7のステップB11’)。
【0102】
この際、パラメータ設定部210は、自センサの探知領域の計算に必要となるパラメータ(周囲温度等の環境情報、センサの能力・設定値等のセンサ情報)をデータベース400から検索し使用する(図7のステップD11及びD12)。
【0103】
その後、探知領域計算部220は、パラメータ設定部210にて設定されたパラメータを使用して、自ビークルの行動予定に沿った自センサの探知領域を計算する(図7のステップB12’)。
【0104】
次に、第1の実施形態の動作例1と同様に、パッシブセンサ110が受信した信号に対し、パッシブ信号処理部120が信号処理を実施した結果を基に、目標探知情報生成部130は、必要に応じてオペレータ判断を介在して目標信号を抽出する。そして、自センサ(パッシブセンサ110)の目標探知情報(自センサが探知した目標の探知方位及び探知周波数、その探知した探知時刻、その探知時刻における自センサの位置情報)を生成し出力する(図7のステップA11)。
【0105】
目標探知情報生成部130から出力された自センサの目標探知情報は、予察計算部200及び目標運動解析部300に入力されるとともに、目標の探知時刻及び探知方位が目標探知情報表示部510に表示される(図7のステップE11)。本動作は、自センサにて目標を探知する毎に繰り返される。
【0106】
予察計算部200においては、目標探知情報入力部100から自センサの目標探知情報が入力されると、探知領域計算結果選択部230は、その中から、自ビークルの現況に応じて計算結果を選択する(図7のステップB13’)。例えば、自ビークルの現在位置に最も近い位置に設定して計算した計算結果を選択する。
【0107】
探知領域計算結果選択部230にて選択された自センサの探知領域は、自センサの目標探知圏として目標探知圏(探知領域計算結果)表示部530に表示される(図7のステップE13)とともに、目標運動解析部300に入力される。
【0108】
図7のステップB13’の動作は、目標探知情報入力部100から目標探知情報が入力され続けている間、自ビークルが一定距離進む毎に繰り返される。
【0109】
以降の目標運動解析部300の動作(図7のステップC11〜C13)、表示部500の動作(図7のステップE12及びE14)については、第1の実施形態の動作例1と同様である。
(B−2−3)第2の実施形態の効果
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0110】
本実施形態では、時間を要する自センサの探知領域計算を事前に実施するように構成されているため、第1の実施形態の動作例1と比較して、探知領域の計算結果を拘束条件として使用した目標運動解析を早急に開始することができ、目標位置の推定に要する時間をさらに短縮することができるという効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、水中、水上、空中等に存在する目標が発する音波信号をセンサにより受信して探知し、目標運動解析を実施するといった用途に適用できる。
【0112】
また、水上、空中等に存在する目標が発する電波信号をセンサにより受信して探知し、目標運動解析を実施するといった用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0113】
100 目標探知情報入力部
110 パッシブセンサ
120 パッシブ信号処理部
130 目標探知情報生成部
140 味方ビークル目標探知情報入力部
200 予察計算部
210 パラメータ設定部
220 探知領域計算部
230 探知領域計算結果選択部
300 目標運動解析部
310 拘束条件計算部
320 目標位置推定部
330 拘束条件付目標位置推定部
340 目標位置推定計算部
400 データベース
410 環境情報データベース
420 センサ情報データベース
500 表示部
510 目標探知情報表示部
520 目標運動解析結果表示部
530 目標探知圏(探知領域計算結果)表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置による目標運動解析方法であって、
前記ビークルのセンサにて前記目標を探知する探知ステップと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する生成ステップと、
前記センサにて信号を受信可能な探知領域を計算する計算ステップと、
前記センサの目標探知情報及び探知領域を使用し、前記センサの探知領域と前記目標の探知方位とが重なる領域を前記目標の存在圏と限定した上で、前記目標の位置を推定する第1の推定ステップと、を有する目標運動解析方法。
【請求項2】
前記計算ステップでは、前記ビークルの行動予定に従い、自センサの探知領域計算を事前に実施し、
前記計算ステップにて事前に計算された前記センサの探知領域の中から、前記ビークルの現況に応じて、前記第1の推定ステップにて使用する探知領域を選択する選択ステップをさらに有する、請求項1に記載の目標運動解析方法。
【請求項3】
前記センサの目標探知情報を使用して、前記目標の位置を推定する第2の推定ステップと、
前記センサの目標探知情報、前記センサの探知領域、前記第1の推定ステップによる前記目標の位置の推定結果、及び、前記第2の推定ステップによる前記目標の位置の推定結果を重畳して表示する表示ステップと、をさらに有する、請求項1又は2に記載の目標運動解析方法。
【請求項4】
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置による目標運動解析方法であって、
前記ビークルのセンサにて前記目標を探知する探知ステップと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する生成ステップと、
前記目標を探知する味方ビークルから、該味方ビークルに搭載された味方ビークルセンサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記味方ビークルセンサの位置情報を含む目標探知情報を受信する受信ステップと、
前記センサ及び前記味方ビークルセンサの目標探知情報を使用して、前記目標の位置を推定する推定ステップと、を有する目標運動解析方法。
【請求項5】
前記センサ及び前記味方ビークルセンサが信号を受信可能な探知領域をそれぞれ計算する計算ステップと、
前記センサ及び前記味方ビークルセンサの目標探知情報、前記センサ及び前記味方ビークルセンサの探知領域、及び、前記目標の位置の推定結果を重畳して表示する表示ステップと、をさらに有する、請求項4に記載の目標運動解析方法。
【請求項6】
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置であって、
前記目標を探知するセンサと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する目標探知情報生成部と、
前記センサにて信号を受信可能な探知領域を計算する探知領域計算部と、
前記センサの目標探知情報及び探知領域を使用し、前記センサの探知領域と前記目標の探知方位とが重なる領域を前記目標の存在圏と限定した上で、前記目標の位置を推定する第1の目標位置推定部と、を有する目標運動解析装置。
【請求項7】
前記探知領域計算部は、前記ビークルの行動予定に従い、自センサの探知領域計算を事前に実施し、
前記探知領域計算部にて事前に計算された前記センサの探知領域の中から、前記ビークルの現況に応じて、前記第1の目標位置推定部にて使用する探知領域を選択する探知領域計算結果選択部をさらに有する、請求項6に記載の目標運動解析装置。
【請求項8】
前記センサの目標探知情報を使用して、前記目標の位置を推定する第2の目標位置推定部と、
前記センサの目標探知情報、前記センサの探知領域、前記第1の目標位置推定部による前記目標の位置の推定結果、及び、前記第2の目標位置推定部による前記目標の位置の推定結果を重畳して表示する表示部と、をさらに有する、請求項6又は7に記載の目標運動解析装置。
【請求項9】
ビークルに搭載され、目標の位置を推定する目標運動解析装置であって、
前記目標を探知するセンサと、
前記センサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記センサの位置情報を含む目標探知情報を生成する目標探知情報生成部と、
前記目標を探知する味方ビークルから、該味方ビークルに搭載された味方ビークルセンサにて探知された前記目標の探知方位及び探知周波数、該探知された探知時刻、及び、該探知時刻における前記味方ビークルセンサの位置情報を含む目標探知情報を受信する目標探知情報入力部と、
前記センサ及び前記味方ビークルセンサの目標探知情報を使用して、前記目標の位置を推定する目標位置推定部と、を有する目標運動解析装置。
【請求項10】
前記センサ及び前記味方ビークルセンサが信号を受信可能な探知領域をそれぞれ計算する探知領域計算部と、
前記センサ及び前記味方ビークルセンサの目標探知情報、前記センサ及び前記味方ビークルセンサの探知領域、及び、前記目標位置推定部による前記目標の位置の推定結果を重畳して表示する表示部と、をさらに有する、請求項9に記載の目標運動解析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−141125(P2011−141125A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−496(P2010−496)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】