説明

直流配線用のコンセント及びプラグ

【課題】直流電流を用いるプラグのコンセントからの抜き挿し時において、アークの発弧を防止して、安全性を向上させた直流接続装置を提供する。
【解決手段】コンセント3は、給電路を開閉する電路開閉部であるリレー45及びプラグ2との接続を確認する接続確認部31を備える。リレー45は、接続確認部31により検出されるプラグ2とコンセント3との接続状態に基づいて給電路を開閉する。この構成により、接続確認部31においてプラグ2とコンセント3とが非接続状態となる場合には給電路がオフとなり、プラグ2のコンセント3からの抜き挿し時において、アークの発弧を防止して、安全性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流配線用のコンセント及びプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池や燃料電池が爆発的に普及している。これら太陽電池や燃料電池で発電される電力は直流であり、家庭用電気機器で使用したり、余剰電力を逆潮流させたりするためにインバータを用いて交流に変換している。ノート型パーソナルコンピュータや固定電話機などの電気機器は、一般的に交流を直流に変換するAC/DCアダプタを用いて直流で動作する。また、デスクトップ型パーソナルコンピュータや液晶テレビ受像機など、コンセントから直接電力の供給を受ける電気機器も、その内部で交流を直流に変換している。そのため、太陽電池などで発電された直流電力を、インバータを用いて一旦直流から交流に変換し、さらにAC/DCアダプタで交流から直流に再変換させることになる。その際、インバータやAC/DCアダプタなどの変換効率によっては、最初に発電された電力の約2割近くが失われてしまう。
【0003】
そのため、近年では、太陽光発電設備などにより発電された直流電力をリチウムイオン電池などの蓄電池に蓄電して、この蓄電池から住宅などに設置された直流配線用のコンセントを介して電気機器に電力を供給することが提案されている。そして、このコンセントから直接直流電力の供給を受けて動作する照明機器や電気機器などの実用化が進められている。
【0004】
ところで、コンセントからプラグを引き抜く際、直流系統の方が交流系統よりもアークが発弧しやすい。そのため、プラグを構成する一対の接続端子のうち、一方の接続端子がコンセント側の接続端子から離反するタイミングを、他方の接続端子がコンセントの接続端子から離反するタイミングと相違させることで、プラグとコンセントの接続端子の間でアークが発弧することを防止した直流接続装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、直流系統での電圧降下を考慮して、DC/DCコンバータを備え、直流機器に対して一定の直流電圧を供給することが可能な直流配線用のコンセントも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−146777号公報
【特許文献2】特開2009−146827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の直流接続装置において、従来の交流用コンセントや交流用プラグと同様の構造とすると、電気機器に通電している状態でもプラグをコンセントから抜くことができる。その場合、プラグの接続端子とコンセントの接続端子との間に発弧するアークが問題となる。特に、直流は交流と異なり電流及び電圧のゼロクロス点がなく、一定値を有するため、アークが発弧すると消えにくく、非常に危険である。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、直流電流を用いるプラグをコンセントに対して抜き挿しする際に、アークの発弧を確実に防止して、より安全性を向上させた直流配線用のコンセント及びプラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、一対の第1接続端子を有するプラグが着脱される直流配線用のコンセントであって、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられ、前記一対の第1接続端子が電気的に接続される給電用の一対の第2接続端子と、前記第2接続端子に接続された給電路を開閉する電路開閉部と、前記プラグとの接続を確認する接続確認部を備え、前記電路開閉部は、前記接続確認部により検出される前記プラグと前記コンセントとの接続状態に応じて前記給電路を開閉することを特徴とする。
【0009】
上記構成において、前記電路開閉部は、リレーを有し、前記接続確認部は、前記プラグにさらに設けられた導電性の第3端子に対応して接触される導電性の接点を備え、前記リレーは、前記接点と前記第3端子とが接触状態のときにオンとなり、前記接点と前記第3端子とが非接触状態のときにオフとなることが好ましい。
【0010】
また、前記コンセントは、さらに、電流値を計測する電流計測部と、前記プラグを前記コンセントに固定するロック機構部と、前記接点及び前記端子の接続状態に応じて前記電路開閉部の開閉を制御すると共に、前記電流計測部において電流値が計測されると前記ロック機構部を用いて前記プラグが前記コンセントから抜けないように制御する制御部とを備えたことが好ましい。
【0011】
また、前記接続確認部は、前記プラグが前記コンセントから抜けないように備えられたロック機構部の動きに伴い所定方向へ動く可動片であり、前記電路開閉部は、前記ロック機構部がロックされる場合に前記可動片が所定位置に動くことでオンになり、前記ロック機構部がロックされていない場合には前記可動片が所定位置に戻ることでオフになる開閉機構であることが好ましい。
【0012】
また、前記電路開閉部は、前記コンセントと信号線及び電力線を介して接続され、前記コンセント外に設置されたブレーカであり、前記接続確認部は、前記コンセントと前記プラグとの接続情報を、前記信号線を通して前記ブレーカに送信し、前記ブレーカは、当該接続情報に基づいて開閉動作することが好ましい。
【0013】
また、前記コンセントは、電流値を計測する電流計測部と、通電状態を表示する表示部と、前記電流計測部において電流値が計測される場合に前記表示部の表示を行う制御部とをさらに備えたことが好ましい。
【0014】
また、前記コンセントは、通電状態を表示する表示部をさらに備え、前記制御部は、前記電流計測部において電流値が計測される場合に前記表示部の表示を行うことが好ましい。
【0015】
また、前記表示部は、発光ダイオード又は液晶表示素子であることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係るプラグは、上記いずれかの直流配線用のコンセントに対応して使われるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る直流配線用の直流配線用のコンセント及びプラグにおいて、電路開閉部は、コンセントに設けられた接続確認部により検出されるプラグとコンセントとの接続状態に基づいて給電路を開閉する。そのため、直流系統において用いられるプラグをコンセントに対して抜き挿しする際に、アークの発弧を確実に防止することができ、より安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る直流配線用のコンセント及びプラグの結合部分の構成を示す断面図、(b)はコンセント及びプラグのブロック構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る直流配線用のコンセント及びプラグのブロック構成図である。
【図3】(a)は本発明の第3実施形態に係る直流配線用のコンセント及びプラグの概略構成を示す図、(b)は同直流配線用のコンセント及びプラグのブロック構成図である。
【図4】(a)〜(c)本発明の第4実施形態に係る直流配線用のコンセント及びプラグの構成及び動作を説明するための断面図である。
【図5】(a)本発明の第5実施形態に係る直流配線用のコンセント及びプラグの概略構成を示すブロック図、(b)同直流配線用のコンセント及びプラグの他の概略構成を示すブロック図、(c)同直流配線用のコンセント及びプラグの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照してより詳細に説明する。図面全体において同一又は類似する部分については同一参照符号を付して説明を省略する。
【0020】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2について、図1(a)及び(b)を参照しつつ説明する。各図に示すように、プラグ2は、直流駆動される電気機器に接続される一対の第1接続端子21と、コンセント3との接続確認に用いられる、金属部材などの導電性を有する接続確認用の第3端子22を備えている。なお、このプラグ2は、直流電流を用いる照明機器、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ受像機などの電気機器のプラグとして用いられる。
【0021】
コンセント3は、例えば壁コンセント或いは床コンセントなどの形態で屋内に設置され、プラグ2が着脱自在に接続される。コンセント3のハウジングの内部には、プラグ2の第1接続端子21と電気的に接続される直流給電用の一対の第2接続端子30が設けられている。さらに、コンセント3は、プラグ2が接続されたことを確認する接続確認部31と、電力線(給電路)32と直列接続されたスイッチ33と、通電状態でスイッチ33を閉状態(ON)に、非通電状態でスイッチ33を開状態(OFF)にするコイル34aと、コイル34aに電力を供給するリレー電源34とを備えている。ここで、スイッチ33とコイル34aで電路開閉部であるリレー45を構成する。
【0022】
接続確認部31は、プラグ2の第3端子22と接触し電気的に接続される2つの接点A及び接点Bを有し、プラグ2の第3端子22がコンセント3に差し込まれることで、接続確認部31、リレー電源34及びコイル34aから成る電気回路が通電される。スイッチ33は、プラグ2がコンセント3に差し込まれていないときには開状態(OFF)であり、プラグ2がコンセント3に差し込まれたときにはコイル34aの電磁作用で閉状態(ON)となる。
【0023】
次に、第1実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2の動作について説明する。プラグ2がコンセント3に差し込まれると、第1接続端子21と第2接続端子30が接続された後、プラグ2の第3端子22が接点A及び接点Bに繋がり、リレー電源34からの電力がコイル34aに流れ、それによってスイッチ33が閉状態(ON)になり、プラグ2への通電が開始される。一方、プラグ2が引き抜かれるときには、第1接続端子21が第2接続端子30から離れる前に、接続確認部31の接点Bが第3端子22から離れるので、すぐにスイッチ33が開状態(OFF)となり、その後、第1接続端子21も第2接続端子30から離れる。
【0024】
以上のように、第1実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2では、接続確認部31におけるプラグ2の接続状態確認とスイッチ33のON/OFF動作が連動するので、プラグ2が挿入されていない時には、コンセント3の第2接続端子30間に電圧が発生しない。また、誤ってプラグ2が抜けても、プラグ2が抜け始めると同時に第3端子22が接点Bから離れ、スイッチ33がOFFとなり、プラグ2を介した電気機器への通電が停止される。すなわち、第1接続端子21が第2接続端子30から離れる前にスイッチ33がOFFとなるので、プラグ2とコンセント3との接点部でアークが発弧することはなく、安全性が向上する。
【0025】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2について、図2を参照しつつ説明する。第2実施形態に係るコンセント3は、上記第1実施形態の構成とは違って、計測部35、制御部36、及びロック機構部37をさらに備えている。なお、コイル34a及びリレー電源34は図示を省略している。計測部35は、電力線32に直列接続された電流計などであり、検出された電流値を制御部36に送信する。制御部36は、CPUを備え、接続確認部31においてプラグ2との接続が確認されるとリレー45のスイッチ33をONにすると共に、計測部35において電流値が検出される間はロック機構部37を作動させることでプラグ2がコンセント3から抜けないようにする。ロック機構部37は、制御部36と接続され、制御部36からの所定信号に基づいて自動的に開閉動作を実行する。
【0026】
次に、第2実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2の動作について説明する。最初、ロック機構部37の抜け止め機構は働いておらず、リレー45のスイッチ33はOFF状態である。次に、プラグ2が差し込まれると、接続確認部31の接点Cとプラグ2の第3端子22とが接触し、それによって、制御部36はプラグ2とコンセント3との接続を検知し、開閉機構部であるリレー45のスイッチ33をONにする。さらに、制御部36は、計測部35での電流値を検知すると、ロック機構部37の抜け止め機構を働かせて、プラグ2がコンセント3から抜けないようにする。
【0027】
一方、計測部35で電流が測定されないときは、制御部36は、ロック機構部37を外して、プラグ2の抜き挿しが可能な状態とする。そして、制御部36は、プラグ2がコンセント3から抜かれた状態では、接続確認部31の接点Cと第3端子22とが離れることでプラグ2とコンセント3との分離を検知してリレー45のスイッチ33をOFFにする。あるいは、ロック機構部37を外すと同時にリレー45のスイッチ33をOFFにするように、制御部36を構成してもよい。
【0028】
以上のように、第2実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2では、接続確認部31の接点Cとプラグ2の第3端子22が接触した後に、計測部35で電流を計測し、制御部36は、計測部35において電流が検知されるとロック機構部37を働かせてプラグ2がコンセント3から抜けないようする。そのため、通電中に誤ってプラグ2が抜けることがなくなり、アークの発弧を防止して安全性を向上させることができる。
【0029】
なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、プラグ2がコンセント3に差し込まれる際には、接触端子21と接触端子30が接続された後に、プラグ2の第3端子22が接続確認部31の接点Cに接触し、プラグ2が引き抜かれる際には、接触端子21が接触端子30から離れる前に、接触確認部31の接点Cが第3端子22から離れるように構成されていることが望ましい。
【0030】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2について、図3(a)及び図3(b)を参照しつつ説明する。第3実施形態では、コンセント3と配線用遮断器であるリモコンブレーカ4を、電力線32及び信号線5を介して接続している。接続確認部31は、プラグ2とコンセント3との接続状態を示すビット信号などをリモコンブレーカ4側に信号線5を介して送信する機能を有する。なお、接続確認部31を機械的ボタンとし、その通電状態によってプラグ2とコンセント3との接続状態を確認するように構成してもよい。
【0031】
次に、第3実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2の動作について説明する。最初に、プラグ2がコンセント3に差し込まれると、接続確認部31は、プラグ2とコンセント3との接続情報を、信号線5を介してリモコンブレーカ4に送信する。そして、リモコンブレーカ4は、受信した接続情報に基づいて、接続状態がONの場合にはブレーカをON(閉状態)にする。一方、プラグ2がコンセント3から抜かれる際には、接続確認部31は、OFFに対応する接続情報をリモコンブレーカ4に送信し、当該接続情報を受信したリモコンブレーカ4はブレーカをOFF(開状態)とする。すなわち、第3実施形態におけるリモコンブレーカ4は電路開閉部として動作する。
【0032】
以上のように、第3実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2では、接続確認部31によりプラグ2の接続が確認されていない時には、リモコンブレーカ4のブレーカがOFF(開状態)になっている。そのため、コンセント3の第2接続端子30間には電圧が発生せず、アークの発弧を防止することができる。また、電路開閉機構であるリモコンブレーカ4がコンセント3の外部に設けられるので、コンセント3の構成を簡素化することができる。
【0033】
なお、第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、プラグ2がコンセント3に差し込まれる際には、接触端子21と接触端子30が接続された後に、接続確認部31によりプラグの完全に挿入されたことを確認して、その情報をリモコンブレーカ4に送信し、プラグ2が引き抜かれる際には、接触端子21が接触端子30から完全に離れる前に、接続確認部31によりプラグの引き抜き開始を確認して、その情報をリモコンブレーカ4に送信するように構成することが望ましい。
【0034】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2について、図4(a)〜(c)を参照しつつ説明する。第4実施形態におけるプラグ2は、抜け止め機構であるロック機構部23を備えている。コンセント3は、接続確認部となる可動片38と、ロック機構部23のロック動作に伴う可動片38の動きによって、機械的に電力線32の接続状態をON/OFFする開閉機構39を備えている。第4実施形態では、コンセント3に設けられた開閉機構39が、電路開閉部として動作する。
【0035】
第4実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2の動作について説明する。図4(a)はプラグ2がコンセント3に差し込まれる前の状態、図4(b)はプラグ2がコンセント3に差し込まれただけの状態を示す。図4(c)はロック機構部23が動作された通電状態を示す。可動片38の先端部、すなわちロック機構部23と当接される部分がテーパ状に形成されており、ばね38aによって所定方向(図中上向き)に付勢されている。開閉機構39は、固定部材39bと回転部材39c及び固定部材39bと回転部材39cにそれぞれ設けられた一対の接点39aで構成されている。回転部材39cは、一端が可動片38の後端部に当接し、可動片38の変位に伴って回転軸39dの周りに回転される。固定部材39b及び回転部材39cは、それぞれ電力線32(図1など参照)に接続されている。
【0036】
図4(a)又は図4(b)に示す状態では、接続確認部である可動片38は動作していない。そのため、電路開閉部である開閉機構39の一対の接点39aは離反しており、電力線32は非通電状態である。そして、図4(c)に示すように、プラグ2のロック機構部23を動作させると、すなわち、プラグ2がコンセント3に挿入された状態でロック機構部23がプラグ2からコンセント3の方向(図中右側)に移動させると、可動片38がばね38aの付勢力に逆らって図中下方に移動される。それにより、可動片38が、開閉機構39の回転部材39cを反時計方向に回転させ、回転部材39c側の接点39aが固定部材39b側の接点39aに接触し、電力線32が通電状態となる。図4(c)に示す通電状態では、プラグ2は、ロック機構部23によりコンセント3から抜けないように固定されている。
【0037】
一方、プラグ2をコンセント3から引き抜くには、ロック機構部23を解除する必要がある。すなわち、プラグ2がコンセント3に挿入された状態で、ロック機構部23をコンセント3からプラグ2の方向(図中左側)に移動させると、可動片38がばね38aの力により図中上方に移動する。それにより、可動片38が回転部材39cを押している状態が解除され、回転部材39c側の接点39aが固定部材39b側の接点39aから離反し、電力線32が非通電状態となる。なお、回転部材39cは、図示しないばねによって時計方向に回転するように付勢されているものとする。
【0038】
第4実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2では、プラグ2がコンセント3から自由に抜き挿しできないロック機構部23のロック状態では、開閉機構39の接点39aが常に接触状態になっている。また、プラグ2がコンセント3から自由に抜き挿しできるロック機構部23の解除状態では、開閉機構39の接点39aが常に離反状態になっている。そのため、通電状態において誤ってプラグ2が引き抜かれることはなく、プラグ2を抜く場合においても、アークの発弧を防止して安全性を向上させることができる。
【0039】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2について、図5(a)〜(c)を参照しつつ説明する。図5(a)に示すように、第5実施形態のコンセント3は、電流を計測する計測部35と、計測部35からの電流値を表示する表示部41と、表示部41を制御する制御部40を備えている。また、図5(b)に示すように、プラグ2も、電流を計測する計測部24と、計測部22からの電流値を表示する表示部26と、表示部26を制御する制御部25を備えている。なお、図5(c)に示すように、表示部26及び41は、例えば発光ダイオード(LED)であってもよいし、あるいは液晶表示素子であってもよい。表示部26及び41がLEDの場合には、通電時に赤色点灯させ、非通電時に緑色点灯させてもよいし、通電時に点灯させ、非通電時に消灯させてもよい。また、表示部26及び41が液晶表示素子の場合には、電流値を表示させてもよい。さらに、これら計測部、表示部及び制御部は、コンセント3とプラグ2の何れか一方にだけ設けられていてもよい。
【0040】
第5実施形態に係る直流配線用のコンセント3及びプラグ2では、通電状態をプラグ2の表示部26又はコンセント3の表示部41の少なくとも一方に表示することができるので、使用者が通電中にプラグ2を抜かないように注意を喚起することができる。さらに、第5実施形態に係る構成を上記第1乃至第4実施形態の構成と組合せて使用することができる。例えば、図5(a)に示す表示部41を第2実施形態の構成に適用する場合、制御部40の機能を第2実施形態の制御部36に加えてもよい。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲の範疇において様々な変更及び修正を加えることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
2 プラグ
3 コンセント
4 リモコンブレーカ
21 第1接続端子
22 第3端子
23,37 ロック機構部
24,35 計測部
25,36,40 制御部
26,41 表示部
30 第2接続端子
31 接続確認部
32 電力線
33 スイッチ
34 リレー電源
38 可動片
38a ばね
39 開閉機構
39a 接点
39b 固定部材
39c 回転部材
39d 回転軸
45 リレー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の第1接続端子を有するプラグが着脱される直流配線用のコンセントであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記一対の第1接続端子が電気的に接続される給電用の一対の第2接続端子と、
前記第2接続端子に接続された給電路を開閉する電路開閉部と、
前記プラグとの接続を確認する接続確認部を備え、
前記電路開閉部は、前記接続確認部により検出される前記プラグと前記コンセントとの接続状態に応じて前記給電路を開閉することを特徴とする直流配線用のコンセント。
【請求項2】
前記電路開閉部は、リレーを有し、
前記接続確認部は、前記プラグにさらに設けられた導電性の第3端子に対応して接触される導電性の接点を備え、
前記リレーは、前記接点と前記第3端子とが接触状態のときにオンとなり、前記接点と前記第3端子とが非接触状態のときにオフとなることを特徴とする請求項1記載の直流配線用のコンセント。
【請求項3】
前記コンセントは、さらに、電流値を計測する電流計測部と、前記プラグを前記コンセントに固定するロック機構部と、前記接点及び前記端子の接続状態に応じて前記電路開閉部の開閉を制御すると共に、前記電流計測部において電流値が計測されると前記ロック機構部を用いて前記プラグが前記コンセントから抜けないように制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項2記載の直流配線用のコンセント。
【請求項4】
前記接続確認部は、前記プラグが前記コンセントから抜けないように備えられたロック機構部の動きに伴い所定方向へ動く可動片であり、
前記電路開閉部は、前記ロック機構部がロックされる場合に前記可動片が所定位置に動くことでオンになり、前記ロック機構部がロックされていない場合には前記可動片が所定位置に戻ることでオフになる開閉機構であることを特徴とする請求項1記載の直流配線用のコンセント。
【請求項5】
前記電路開閉部は、前記コンセントと信号線及び電力線を介して接続され、前記コンセント外に設置されたブレーカであり、
前記接続確認部は、前記コンセントと前記プラグとの接続情報を、前記信号線を通して前記ブレーカに送信し、
前記ブレーカは、当該接続情報に基づいて開閉動作することを特徴とする請求項1記載の直流配線用のコンセント。
【請求項6】
前記コンセントは、電流値を計測する電流計測部と、通電状態を表示する表示部と、前記電流計測部において電流値が計測される場合に前記表示部の表示を行う制御部とをさらに備えたことを特徴とする請求項1、2、4及び5のいずれか一項に記載の直流配線用のコンセント。
【請求項7】
前記コンセントは、通電状態を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記電流計測部において電流値が計測される場合に前記表示部の表示を行うことを特徴とする請求項3に記載の直流配線用のコンセント。
【請求項8】
前記表示部は、発光ダイオード又は液晶表示素子であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の直流配線用のコンセント。
【請求項9】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の直流配線用のコンセントに対応して使われるプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−89477(P2012−89477A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199890(P2011−199890)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】