説明

省電力モード復帰制御装置、画像形成装置および省電力モード復帰制御方法

【課題】 使用者の操作回数を減少させ、必要なジョブ処理機能に係る機能動作部のみ復帰させることができるようにする。
【解決手段】 機能動作部3〜13は、装置のジョブ処理機能を実現するため動作する。省電力モード制御部15は、機能動作部3〜13を省電力モードに移行制御する一方、省電力モードから通常モードに復帰制御する。第1の指示入力部7eは、操作に係る機能動作部7を復帰させる第1の起動指示を受け付ける。第2の指示入力部7aは、第1の起動指示によって復帰させた操作に係る機能動作部7において、ジョブ処理機能を実現させる機能動作部3〜13を復帰させる第2の起動指示を受け付ける。復帰制御部17は、第1の起動指示が入力されたとき、操作に係る機能動作部を復帰させ、所定期間内に第2の起動指示が入力されたとき、対応する機能動作を復帰させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は省電力モード復帰制御装置、画像形成装置および省電力モード復帰制御方法に係り、省電力モードに移行させた機器を省電力モードから復帰させる省電力モード復帰制御装置、およびこれを搭載した複写機、ファクシミリ機、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置および省電力モード復帰制御方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置、例えば複合機では、原稿から画像データを読み取り、この読み取った画像データを用紙に印刷(印字)したり、外部へファクシミリ送信したり、記憶部に格納する一方、ネットワークを介して外部のコンピュータから送信された画像データをプリントする等の複数の動作機能が搭載されている。
【0003】
しかも、複合機においては、起動に最低限必要な部分以外への電源供給を遮断して電力エネルギーを節約する省電力モードへ移行する機能が搭載しているうえ、省電力モードから通常モードへの復帰動作を簡素化する工夫がなされている。
【0004】
例えば、特開2004−222234号公報(特許文献1)の画像形成装置もこの種の提案である。
【0005】
この特許文献1は、電源ボタンの押下に加えて、機能毎に設けたコピーボタン、ドキュメントボックスボタン、ファックスボタン、プリンターボタン又はスキャナーボタンを選択押下することにより、使用者が希望する機能部分だけスリープ状態から電源復帰を行えるようにして消費電力を抑えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−2222234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した画像形成装置においては、必要な部分にだけ電源を供給してスリープ状態から復帰させるとき、電源ボタンおよび機能ボタンを連続して2回押下する必要があり、たとえパネル操作が2回であっても、種々の操作表示項目や操作ボタンのある中から、求められるボタンを2回操作することになり、操作が煩雑で、改善の余地がある。
【0008】
そこで、本発明者は、画像形成装置の諸動作を鋭意観察検討した結果、画像形成装置において種々の動作機能を実行する場合、全ての動作機能を通常モードに復帰させる必要がないうえ、例えば操作部を起動させてから順次ジョブ処理機能を起動させ、いずれの起動指示もないとき、予め設定された動作機能を起動させれば良い点に着目し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、使用者が必要とする機能動作部を省電力モードから復帰させるとき、使用者の操作を減少させて操作性を向上させることが容易な省電力モード復帰制御装置、画像形成装置および省電力モード復帰制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る省電力モード復帰制御装置は、画像形成装置が搭載するジョブ処理機能を実現するため動作する複数の機能動作部と、個々の機能動作部に対する電源供給を制限して省電力モードに移行制御するとともに、電源を供給して前記省電力モードから通常モードに復帰制御する省電力モード制御部と、操作部に係る機能動作部を省電力モードから復帰させる第1の起動指示を受け付ける第1の指示入力部と、その第1の起動指示によって復帰させた操作部に係る機能動作部において、それらジョブ処理機能を実現させる機能動作部を省電力モードから復帰させる第2の起動指示を受け付ける第2の指示入力部と、その第1の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた操作部に係る機能動作部を省電力モードから復帰するよう省電力モード制御部を制御し、その第1の起動指示の入力後、所定期間内にその第2の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた機能動作を復帰するよう省電力モード制御部を制御する復帰制御部とを具備している。
【0011】
本発明の請求項2に係る省電力モード復帰制御装置は、上記ジョブ処理機能が、スキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せであり、その機能動作部はそれらのジョブ処理機能を実現するものである構成を有している。
【0012】
本発明の請求項3に係る省電力モード復帰制御装置は、上記第2の指示入力部が、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せの復帰を指示する構成を有している。
【0013】
本発明の請求項4に係る省電力モード復帰制御装置は、上記復帰制御部が、その所定期間内に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る第2の起動指示が入力されず、上記データ記憶処理機能に係る第2の起動指示が入力されたとき、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰するよう省電力モード制御部を制御する構成を有している。
【0014】
本発明の請求項5に係る省電力モード復帰制御装置は、上記復帰制御部は、その所定期間経過後に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る機能動作部が復帰していないとき、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰するよう省電力モード制御部を制御する構成を有している。
【0015】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、上記請求項1〜5いずれか1記載の省電力モード復帰制御装置を有して構成されている。
【0016】
本発明の請求項7に係る省電力モード復帰制御方法は、画像形成装置が搭載するジョブ処理機能を実現するため動作する複数の機能動作部であって、電源供給を制限して省電力モードに移行制御された個々の機能動作部のうち、操作に係る機能動作部を省電力モードから復帰させる第1の起動指示を受け付ける第1の指示入力処理と、その第1の起動指示に基づき、これに対応付けられた操作に係る機能動作部を省電力モードから復帰制御する第1の復帰制御処理と、その第1の起動指示によって復帰させた操作部に係る機能動作部において、そのジョブ処理機能を実現させる機能動作部を省電力モードから復帰させる第2の起動指示を受け付ける第2の指示入力処理と、その第1の起動指示の入力後、所定期間内にその第2の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた機能動作を省電力モードから復帰制御する第2の復帰制御処理とを具備している。
【0017】
本発明の請求項8に係る省電力モード復帰制御方法は、上記ジョブ処理機能が、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せであり、その機能動作部がそれらのジョブ処理機能を実現する構成を有している。
【0018】
本発明の請求項9に係る省電力モード復帰制御方法は、上記第2の指示入力処理が、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せを復帰させる第2の起動指示を受け付ける構成を有している。
【0019】
本発明の請求項10に係る省電力モード復帰制御方法は、上復帰制御処理が、その所定期間内に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る第2の起動指示が入力されず、そのデータ記憶処理機能に係る第2の起動指示が入力されたとき、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰するよう省電力モード制御部を制御する構成を有している。
【0020】
本発明の請求項11に係る省電力モード復帰制御方法は、上記復帰制御処理が、その所定期間経過後に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る機能動作部が復帰していないとき、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰するよう省電力モード制御部を制御する構成を有している。
【発明の効果】
【0021】
このような本発明の請求項1、7に係る省電力モード復帰制御装置および省電力モード復帰制御方法では、省電力モードに移行した個々の機能動作部に対し、第1の起動指示に基づきこれに対応付けられた操作部に係る機能動作部を省電力モードから復帰させ、復帰動作させた操作部に係る機能動作部において、ジョブ処理機能を実現させる機能動作部を省電力モードから復帰させる第2の起動指示が所定期間内に入力されると、これに対応付けられた機能動作を省電力モードから復帰させるから、種々の機能動作部を省電力モードから復帰させるとき、使用者の操作を減少させて操作性を向上させることが容易であるうえ、使用者に必要なジョブ処理機能に係る機能動作部のみを復帰させることが可能である。
【0022】
本発明の請求項2、8に係る省電力モード復帰制御装置および省電力モード復帰制御方法では、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せを上記ジョブ処理機能とし、その機能動作部がそれらのジョブ処理機能を実現するから、ジョブ処理機能として、スキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せの何れにも対応可能である。
【0023】
本発明の請求項3、9に係る省電力モード復帰制御装置および省電力モード復帰制御方法では、上記第2の指示入力処理として、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せを復帰させる第2の起動指示を受け付けるから、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せの何れにおいても、第2の指示入力に基づく何れかの復帰処理が可能である。
【0024】
本発明の請求項4、10に係る省電力モード復帰制御装置および省電力モード復帰制御方法では、所定期間内に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る第2の起動指示が入力されず、そのデータ記憶処理機能に係る第2の起動指示が入力されたとき、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰させるから、所定期間内に、データ記憶処理機能が起動指示されると、最低限の処理機能が復帰して使用し易い。
【0025】
本発明の請求項5、11に係る省電力モード復帰制御装置および省電力モード復帰制御方法では、所定期間経過後に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る機能動作部が復帰していないとき、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰させるから、所定期間経過後に、何れのジョブ処理機能も復帰されないとき、最低限の操作機能が復帰するから使用し易い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る省電力モード復帰制御装置を画像形成装置とともに実施の形態を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の内部構成を説明する概略構成図である。
【図3】本発明に係る省電力モード復帰制御装置における起動情報テーブルを説明する図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の操作パネル部を説明する図である。
【図5】本発明に係る省電力モード復帰制御装置の動作を画像形成装置の動作とともに説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る省電力モード復帰制御装置、画像形成装置および省電力モード復帰制御方法の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明に係る省電力モード復帰制御装置および省電力モード復帰制御方法は本発明に係る画像形成装置を説明する過程で説明する。
【0028】
図1は本発明に係る画像形成装置としての複合機の構成を示す概略ブロック図であり、本発明に係る省電力モード復帰制御装置を搭載し本発明の省電力モード復帰制御方法を実施するものである。
【0029】
図1において、複合機Aは、主制御部1を中心としてこれに接続された画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、ファクシミリ送受信部11、データ送受信部13、省電力モード制御部15および復帰制御部17を有して構成された画像形成装置である。
【0030】
それら画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、ファクシミリ送受信部11およびデータ送受信部13は、ジョブ処理機能としてのスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能およびこれらの組合せを実現する個々の機能動作部を形成している。
【0031】
複合機Aは、これら以外にも構成要素を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。なお、主制御部1の機能については後述する。
【0032】
画像読取部3は、主制御部1の制御の下、原稿から画像を光学的に読み取り、フィルタ処理等した電子情報としての画像データを生成する公知のスキャナであるとともに本発明における入力部であり、生成した画像データを主制御部1を介して原稿の頁毎に記憶部5に順次記憶する機能動作部である。
【0033】
画像読取部3は、図2に示すように、複合機Aの本体ケース19の上部に配置されており、原稿から画像データを光学的に読み取るスキャナ部3aと、これに搭載され原稿を自動的にスキャナ部3aに給紙する自動給紙部3bを有している。
【0034】
記憶部5は、主制御部1の制御の下、主制御部1の動作アプリケーションプログラム、複合機Aを操作するための操作画面情報、画像読取部3やデータ送受信部13からの画像データ、起動復帰テーブル等を記憶する読み書き可能な例えばハードディスク(HDD)であり、何れのジョブ処理機能の実現にも利用可能になっている。
【0035】
起動復帰テーブルは、図3に示すように、ジョブ処理機能としてのスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能を起動指示するとき、いずれの機能動作部、すなわち画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、ファクシミリ送受信部11およびデータ送受信部13の何れを起動するかを対応させたテーブルであり、予め、装置の供給業者又は管理者が設定したものである。
【0036】
記憶部5は、所定の区分、例えばユーザ毎の記憶領域(出力部)としてのBOX5aが複数確保されたり、後述するように電子データが主制御部1を介してそれらBOX5aに読み書き可能になっている。
【0037】
操作パネル部7は、図2のように複合機Aの本体ケース19の上部に配置され、例えば液晶ディスプレイからなる表示部と、この表示部に重ねるようには配置されたボタンキーからなる入力部であり、主制御部1の制御の下、複合機Aにおける動作状態や諸データを表示するとともに、後述するようにジョブ処理機能の起動指示を入力し、主制御部1に出力する機能を有している。
【0038】
操作パネル部7は、例えば図4に示すように、印刷(コピー)処理機能、プリント処理機能、スキャナ処理機能、ファックス処理機能等の種々の処理機能操作指示や選択をする第2の指示入力部としての選択キー7a、それらの操作に係る設定や変更等を入力する入力部としてのテンキー7b、スタートキー7c、表示パネル部7d等を有している。
【0039】
図3中の節電キー7eは、操作パネル部7全体を復帰させる第1の指示入力部として機能するものである。
【0040】
印刷部9は、主制御部1の制御の下、図2に示すように、複数の給紙段9a、9bから選択的に印刷用紙を1次給紙し、搬送される印刷用紙を2次給紙する一方、主制御部1を介して指示された画像データを画像形成部9cで画像イメージデータに展開するとともにトナー画像を形成し、2次給紙された印刷用紙にそのトナー画像を転写させ、定着部9dで定着させて排紙部9eに排紙するモノクロ又はフルカラー印刷エンジンである。
【0041】
図1のファクシミリ送受信部11は、主制御部1の制御の下、公衆回線を介して外部ファクシミリ機器(何れも図示せず。)に接続され、所定のファクシミリ伝送プロトコルに従って、ファクシミリ信号を送受信するインターフェース部である。
【0042】
すなわち、ファクシミリ送受信部11は、外部ファクシミリ機器からファクシミリ信号を受信したとき、ファクシミリ信号を復号化して主制御部1に出力するとともに、主制御部1から外部ファクシミリ機器への送信ファクシミリ信号を出力するとき、ファクシミリ信号を圧縮等して送信する機能を有する。
【0043】
データ送受信部13は、主制御部1の制御の下、ネットワーク21を介して外部の画像形成装置例えば複合機Bに接続されており、所定のデータ伝送プロトコルに従って、画像データ、電子メールその他を送受信するインターフェース部である。
【0044】
省電力モード制御部15は、主制御部1の制御の下、画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、ファクシミリ送受信部11およびデータ送受信部13に対して図示しない電源部からの電源供給を制限して省電力モードに移行制御するとともに、電源を供給して前記省電力モードから復帰制御する機能を有している。なお、操作パネル部7においては、節電キー7eのみは操作受付け動作するよう制御されている。
【0045】
復帰制御部17は、省電力モード制御部15が省電力モードに移行制御した状態において、上述した第1の起動指示が入力されたとき、これに予め対応付けられた操作パネル部7を省電力モードから復帰制御するよう省電力モード制御部15を制御し、第1の起動指示の入力後、所定期間(例えば1〜3分)内に第2の起動指示が入力されたとき、図4の起動情報テーブルを参照し、それに予め対応付けられた機能動作を動作させる機能動作部を復帰制御するよう省電力モード制御部15を制御する機能を有している。
【0046】
すなわち、復帰制御部17は、図3の節電キー7eが操作されると、操作パネル部7全体が省電力モードから通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御し、通常モードに復帰した操作パネル部7で選択キー7aを操作して例えば複写機能の起動指示が入力されると、画像読取部3および印刷部9が省電力モードから通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御する機能を有している。
【0047】
復帰制御部17は、所定期間内に、印刷(コピー)処理機能、プリンタ処理機能、スキャナ処理機能、ファックス処理機能等の種々の処理機能操作指示や選択をする第2の指示入力部としての選択キー7aの何れかが入力されず、データ記憶処理機能に係る第2の指示入力部としての選択キー7aが操作入力されたとき、少なくとも画像読取部3および印刷部9を復帰するよう省電力モード制御部15を制御する機能を有している。
【0048】
さらに、復帰制御部17は、所定期間経過しても、印刷(コピー)処理機能、プリンタ処理機能、スキャナ処理機能、ファックス処理機能又は電子メール通信処理機能に係る機能動作部3〜13が復帰されていないとき、画像読取部3および印刷部9を復帰するよう省電力モード制御部15を制御する機能を有している。
【0049】
主制御部1は、CPU、このCPUの起動プログラムを記憶したROMその他を有し、記憶部5に記憶されたアプリケーションプログラムによって画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、ファクシミリ送受信部11、データ送受信部13、省電力モード制御部15および復帰制御部17を制御してそれらの機能の一部を担っている。
【0050】
次に、上述した本発明の省電力モード復帰制御装置の動作を画像形成装置の動作とともに図5を参照して簡単に説明する。なお、便宜上、図5において操作パネル部は操作部と、画像読取部は読取部と、ファクシミリをFAXと略す。
【0051】
動作プログラムがスタートすると、図5のステップS1にて節電キー7eが操作されたか否か復帰制御部17が判別し、節電キー7eが操作されてステップS1がYESになるまで待機し、ステップS1がYESになると(第1の指示入力処理)、ステップS2にて復帰制御部17が操作パネル部7全体を省電力モードから通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御する(第1の復帰制御処理)。
【0052】
続く、ステップS3にて節電キー7eが操作されてから所定期間経過したか否か判別される。通常は、節電キー7eが操作されても所定期間経過しないのでステップS4に移る。
【0053】
操作パネル部7全体が起動した状態で、ステップS4では復帰制御部17がスキャナ処理機能が起動指示されたか否か判別し、操作パネル部7からスキャナ処理機能が起動指示されずにステップS7がNOであれば、ステップS5にて復帰制御部17が複写処理機能の起動指示がなされたか否か判別し、複写処理機能の起動指示がなされずにステップS5がNOであれば、ステップS6にて復帰制御部17がプリント処理機能の起動指示がなされたか否か判別する。
【0054】
プリント処理機能の起動指示がなされずにステップS6がNOであれば、ステップS7にて復帰制御部17がファクシミリ処理機能の起動指示がなされたか否か判別し、ファクシミリ処理機能の起動指示がなされずにステップS7がNOであれば、ステップS8にて操作パネル部7からドキュメントのBOX処理機能の起動指示がなされたか否か判別され、その起動指示がなされずにステップS8がNOであればステップS3に戻る。
【0055】
ドキュメントのBOX処理機能の起動指示があってステップS8がYESであれば(第2の指示入力処理)、ステップS9にて復帰制御部17が画像読取部3および印刷部9を省電力モード状態から通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御し(第2の復帰制御処理)、終了する。
【0056】
ドキュメントのBOX処理機能が起動されると、一般的に画像読取部3および印刷部9を使用する頻度が多いので、それら画像読取部3および印刷部9を起動させる。
【0057】
上述したステップS4において、操作パネル部7からスキャナ処理機能が起動指示されてステップS4がYESであれば(第2の指示入力処理)、ステップS10にて復帰制御部17が画像読取部3を省電力モード状態から通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御し(第2の復帰制御処理)、終了する。
【0058】
ステップS5において、操作パネル部7から複写処理機能が起動指示されてステップS5がYESであれば(第2の指示入力処理)、ステップS11にて復帰制御部17が画像読取部3および印刷部9を省電力モード状態から通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御し(第2の復帰制御処理)、終了する。
【0059】
ステップS6において、操作パネル部7からプリント処理機能が起動指示されてステップS6がYESであれば(第2の指示入力処理)、ステップS12にて復帰制御部17が印刷部9を省電力モード状態から通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御し(第2の復帰制御処理)、終了する。
【0060】
ステップS7において、ファクシミリ処理機能の起動指示がなされてステップS7がYESであれば(第2の指示入力処理)、ステップS13にて復帰制御部17が画像形成部3およびファクシミリ送受信部11を省電力モード状態から通常モードに復帰するよう省電力モード制御部15を制御し(第2の復帰制御処理)、終了する。
【0061】
さらに、上述したステップS3において、節電キー7eが操作されて所定期間経過したと判別したときはステップS14に移り、復帰制御部17がスキャナ機能の復帰の有無を判別する。
【0062】
操作パネル部7からスキャナ処理機能が起動指示されていてステップS14がYESであれば(第2の指示入力処理)、ステップS10を経て終了する。
【0063】
スキャナ処理機能が起動指示されておらずにステップS14がNOであれば、ステップS15に移って復帰制御部17が印刷機能の復帰の有無を判別する。
【0064】
印刷部9が通常モードに復帰していてステップS15がYESあれば、ステップS12を経て終了する。
【0065】
印刷部9が通常モードに復帰しておらずにステップS15がNOであれば、ステップS16にて復帰制御部17がプリント機能について省電力モード状態から通常モードに復帰したか判別し、プリント処理機能が復帰していてステップS16がYESであれば、ステップS12を経て終了する。
【0066】
プリント処理機能が復帰しておらずにステップS16がNOであれば、ステップS17にて復帰制御部17がファクシミリ処理機能の復帰の有無を判別し、復帰していてステップS17がYESであれば、ステップS13を経て終了する。
【0067】
ファクシミリ処理機能が復帰しておらずにステップS17がNOであればステップS9を経て終了する。
【0068】
そして、これらの処理過程が本発明に係る省電力モード復帰制御方法に相当する。
【0069】
このように本発明の省電力モード復帰制御装置は、複合機Aが搭載するジョブ処理機能を実現するため動作する画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、ファクシミリ送受信部11およびデータ送受信部13(機能動作部)と、これらの機能動作部3〜13に対する電源供給を制限して省電力モードに移行制御するとともに、電源を供給して前記省電力モードから通常モードに復帰制御する省電力モード制御部15と、操作部に係る機能動作部5を省電力モードから復帰させる第1の起動指示を受け付ける節電キー7e(第1の指示入力部)と、その第1の起動指示によって復帰させた操作部に係る機能動作部5において、それらジョブ処理機能を実現させる機能動作部3〜13を省電力モードから復帰させる第2の起動指示を受け付ける操作パネル部7(第2の指示入力部)と、その第1の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた操作部に係る機能動作部5を省電力モードから復帰するよう省電力モード制御部15を制御し、sの第1の起動指示の入力後、所定期間内にその第2の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた機能動作を復帰するよう省電力モード制御部15を制御する復帰制御部17とを具備している。
【0070】
そのため、まず操作に係る操作パネル部7を予備的に起動させ、その後、操作パネル部7において個々のジョブ処理機能に応じた第2の起動指示を個別に1回だけ操作入力させるのみで、該当する機能動作部3〜13のみを起動させるから、種々の機能動作部を省電力モードから復帰させるとき、使用者の操作を減少させ、必要なジョブ処理機能に係る機能動作部のみ復帰させることが可能で、操作性を向上させることが容易である。
【0071】
しかも、ジョブ処理機能として、スキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せの何れにも対応可能で、任意の機能動作部の復帰が可能である。
【0072】
また、所定期間内に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る第2の起動指示が入力されず、そのデータ記憶処理機能に係る第2の起動指示が入力されたとき、スキャナ処理機能および複写処理機能を復帰させるから、所定期間内に、何れのジョブ処理機能も復帰されないとき、最低限の操作機能を復帰可能で、使用し易い。
【0073】
もっとも、復帰させる処理機能は、スキャナ処理機能および複写処理機能に限らず、それ以外であっても良く、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰させれば本発明の目的達成が可能である。
【0074】
さらに、所定期間経過後に、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能又は電子メール通信処理機能に係る機能動作部が復帰していないとき、スキャナ処理機能および複写処理機能を復帰させるから、所定期間経過後しても、何れのジョブ処理機能も復帰されないとき、最低限の操作機能が復帰するから使用し易い。この場合にも、同様に、少なくともスキャナ処理機能および複写処理機能を復帰させれば本発明の目的達成が可能である。
【0075】
上述した省電力モード復帰制御装置においては、第1の指示入力部として節電キー7e(電源投入検出部)とする構成であったが、本発明では操作に係る機能動作部を起動させるものであれば良い。
【0076】
また、本発明の省電力モード復帰制御装置においては、第2の指示入力部として操作パネル部7を用い、それらスキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せを入力する構成であったが、本発明ではこれに限定されず、画像読取部3、記憶部5、操作パネル部7、印刷部9、ファクシミリ送受信部11又はデータ送受信部13の何れかから入力する構成も可能である。
【0077】
本発明に係る画像形成装置は、上述した省電力モード復帰制御装置と、原稿を自動給紙して表面の画像を光学的に読み取って電子画像データを取得する原稿読取部3と、読み取った画像データを印刷する印刷部9とを有して構成されており、同様に上述した効果を有する。
【0078】
さらに、本発明の省電力モード復帰制御方法においても、上述した省電力モード復帰制御装置と同様の効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 主制御部
3 画像読取部(機能動作部)
3a スキャナ部
3b 自動給紙部
5 記憶部(機能動作部)
5a BOX
7 操作パネル部(機能動作部)
7a 選択キー(第2の指示入力部)
7b テンキー
7c スタートキー
7d 表示パネル部(表示部)
7e 節電キー(第1の指示入力部)
9 印刷部(機能動作部)
9a、9b 給紙段
9c 画像形成部
9d 定着部
9e 排紙部
11 ファクシミリ送受信部(FAX送受信部、機能動作部)
13 データ送受信部(機能動作部)
15 省電力モード制御部
17 復帰制御部
19 本体ケース
21 ネットワーク
A、B 画像形成装置(複合機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置が搭載するジョブ処理機能を実現するため動作する複数の機能動作部と、
個々の前記機能動作部に対する電源供給を制限して省電力モードに移行制御するとともに、電源を供給して前記省電力モードから通常モードに復帰制御する省電力モード制御部と、
操作部に係る前記機能動作部を前記省電力モードから復帰させる第1の起動指示を受け付ける第1の指示入力部と、
前記第1の起動指示によって復帰させた操作部に係る前記機能動作部において、前記ジョブ処理機能を実現させる前記機能動作部を前記省電力モードから復帰させる第2の起動指示を受け付ける第2の指示入力部と、
前記第1の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた操作部に係る前記機能動作部を前記省電力モードから復帰するよう前記省電力モード制御部を制御し、前記第1の起動指示の入力後、所定期間内に前記第2の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた前記機能動作を復帰するよう前記省電力モード制御部を制御する復帰制御部と、
を具備することを特徴とする省電力モード復帰制御装置。
【請求項2】
前記ジョブ処理機能は、スキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せであり、前記機能動作部はそれらのジョブ処理機能を実現するものである請求項1記載の省電力モード復帰制御装置。
【請求項3】
前記第2の指示入力部は、前記スキャナ処理機能、前記複写処理機能、前記プリント処理機能、前記ファクシミリ通信処理機能、前記データ記憶処理機能、前記電子メール通信処理機能又はこれらの組合せの復帰を指示するものである請求項2記載の省電力モード復帰制御装置。
【請求項4】
前記復帰制御部は、前記所定期間内に、前記スキャナ処理機能、前記複写処理機能、前記プリント処理機能、前記ファクシミリ通信処理機能又は前記電子メール通信処理機能に係る前記第2の起動指示が入力されず、前記データ記憶処理機能に係る前記第2の起動指示が入力されたとき、少なくとも前記スキャナ処理機能および前記複写処理機能を復帰するよう前記省電力モード制御部を制御する請求項3記載の省電力モード復帰制御装置。
【請求項5】
前記復帰制御部は、前記所定期間経過後に、前記スキャナ処理機能、前記複写処理機能、前記プリント処理機能、前記ファクシミリ通信処理機能又は前記電子メール通信処理機能に係る前記機能動作部が復帰していないとき、少なくとも前記スキャナ処理機能および前記複写処理機能を復帰するよう前記省電力モード制御部を制御する請求項3又は4記載の省電力モード復帰制御装置。
【請求項6】
前記請求項1〜5いずれか1記載の省電力モード復帰制御装置を有する画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置が搭載するジョブ処理機能を実現するため動作する複数の機能動作部であって、電源供給を制限して省電力モードに移行制御された個々の前記機能動作部のうち、操作に係る前記機能動作部を前記省電力モードから復帰させる第1の起動指示を受け付ける第1の指示入力処理と、
前記第1の起動指示に基づき、これに対応付けられた操作に係る前記機能動作部を前記省電力モードから復帰制御する第1の復帰制御処理と、
前記第1の起動指示によって復帰させた操作部に係る前記機能動作部において、前記ジョブ処理機能を実現させる前記機能動作部を前記省電力モードから復帰させる第2の起動指示を受け付ける第2の指示入力処理と、
前記第1の起動指示の入力後、所定期間内に前記第2の起動指示が入力されたとき、これに対応付けられた前記機能動作を前記省電力モードから復帰制御する第2の復帰制御処理と、
を具備することを特徴とする省電力モード復帰制御方法。
【請求項8】
前記ジョブ処理機能は、スキャナ処理機能、複写処理機能、プリント処理機能、ファクシミリ通信処理機能、データ記憶処理機能、電子メール通信処理機能又はこれらの組合せであり、前記機能動作部はそれらのジョブ処理機能を実現するものである請求項7記載の省電力モード復帰制御方法。
【請求項9】
前記第2の指示入力処理は、前記スキャナ処理機能、前記複写処理機能、前記プリント処理機能、前記ファクシミリ通信処理機能、前記データ記憶処理機能、前記電子メール通信処理機能又はこれらの組合せを復帰させる前記第2の起動指示を受け付ける請求項8記載の省電力モード復帰制御方法。
【請求項10】
前記復帰制御処理は、前記所定期間内に、前記スキャナ処理機能、前記複写処理機能、前記プリント処理機能、前記ファクシミリ通信処理機能又は前記電子メール通信処理機能に係る前記第2の起動指示が入力されず、前記データ記憶処理機能に係る前記第2の起動指示が入力されたとき、少なくとも前記スキャナ処理機能および前記複写処理機能を復帰するよう前記省電力モード制御部を制御する請求項9記載の省電力モード復帰制御方法。
【請求項11】
前記復帰制御処理は、前記所定期間経過後に、前記スキャナ処理機能、前記複写処理機能、前記プリント処理機能、前記ファクシミリ通信処理機能又は前記電子メール通信処理機能に係る前記機能動作部が復帰していないとき、少なくとも前記スキャナ処理機能および前記複写処理機能を復帰するよう前記省電力モード制御部を制御する請求項9又は10記載の省電力モード復帰制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−29744(P2011−29744A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170798(P2009−170798)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】