説明

真正性識別体および真正性識別可能な基材

【課題】ホログラム上にコレステリック液晶層を組み合わせたときに、ホログラムの視認性、並びに、コレステリック液晶によって生じる、見る角度により色彩が変化する効果および偏光効果を、いずれも同じように発揮することが可能な真正性識別体を提供することを課題とする。
【解決手段】透明基材2の上面にコレステリック液晶層3、下面にホログラム形成層4およびホログラム形成層4の微細凹凸に沿った反射性金属層5および着色層6の両層を、上面から見てパターン状になるよう積層して真正性識別体1とすることにより、課題を解決することができた。さらに下面に接着剤層7を積層してもよく、また、このような真正性識別体1を他の物品に適用し、真正性識別可能とすることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばIDカード等に適用して、偽造防止性を高めることが可能な真正性識別体に関するものであり、また、そのような真正性識別体が適用された、種々の用途に用いることが可能な真正性識別可能な基材に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
物品の真正性を確認できるようにする目的で、物品に確認用のシールを貼り付けることがよく行なわれており、この目的でホログラムをシール状に形成したものがよく用いられている。この理由は、ホログラムを製造するためには高い技術を要するからである。しかし、ホログラムは既に長期にわたって用いられているため、不正な意図による偽造が試みられることも少なくない。この意味で、ホログラムとしては偽造の一層困難なものが求められている。
【0003】
また、一方で、ホログラムは、簡単な手段により、その真正性を確認できることも求められる。例えば、IDカードの一つであるクレジットカードを例に取れば、多種類のクレジットカードが出回っていて、色々な場面で使用されているが、クレジットカードの真正性を判定するのは専門の判定員ではなく、店頭の販売員等であるため、真正性を判定する方法としては、簡便で時間を要しないものが求められている。
【0004】
そこで、ホログラムとコレステリック液晶を組み合わせ、コレステリック液晶によって生じる、見る角度により色彩が変化する効果、および偏光効果を加味することが試みられている。
【0005】
例えば、コレステリック高分子液晶顔料を含有する樹脂層にホログラムを形成し、この樹脂層よりも屈折率の高い高屈折率層、有色の層としての黒色層等を積層した偽造防止体が提案されている。(特許文献1)。
【0006】
あるいは、コレステリック液晶層にホログラムの微細凹凸を形成し、この微細凹凸を熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂により充填して耐熱性を補ない、好ましくは暗色もしくは濃色の着色層を伴なった真正性識別構造が提案されている。(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−163797号公報。
【特許文献2】特開2003−185835号公報。
【0007】
特許文献1および特許文献2に記載された発明のいずれにおいても、ホログラムを設けた層の背景に暗色の層を有しているので、コレステリック液晶によって生じる、見る角度により色彩が変化する効果、および偏光効果は見やすくなる反面、ホログラムの輝度が乏しく、ホログラムの視認性が不十分であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明においては、ホログラムとコレステリック液晶を組み合わせたときに、ホログラムの視認性、並びに、コレステリック液晶によって生じる、見る角度により色彩が変化する効果および偏光効果を、いずれも同様に発揮することが可能な真正性識別体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者等の検討によれば、ホログラム上にコレステリック液晶層を重ね、ホログラムが形成された層の背面の微細凹凸に沿って、着色層と反射性金属層とを並べることにより、着色層によってコレステリック液晶層の、見る角度により色彩が変化する効果および偏光効果が確保され、また、反射性金属層によってホログラムの視認性を確保することができた。また、着色層と反射性金属層を並べる際に、微細なパターン状とすることにより、同じ背景によって、上記のコレステリック液晶層の効果およびホログラムの視認性のいずれも確保することができた。
【0010】
第1の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面に反射性金属層および着色層が並んで積層されていることを特徴とする真正性識別体に関するものである。
【0011】
第2の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一部分に反射性金属層が積層されており、さらに、前記反射性金属層が積層されていない部分では前記ホログラム形成層の前記微細凹が形成された面に、また、前記反射性金属層が積層されている部分では前記反射性金属層に重ねて、着色層が積層されていることを特徴とする真正性識別体に関するものである。
【0012】
第3の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一部分に着色層が積層されており、さらに、前記着色層が積層されていない部分では前記ホログラム形成層の前記微細凹が形成された面に、また、前記着色層が積層されている部分では前記着色層に重ねて、反射性金属層が積層されていることを特徴とする真正性識別体に関するものである。
【0013】
第4の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、反射性金属層および着色層が並んで積層されたことによる微細パターン層を有することを特徴とする真正性識別体に関するものである。
【0014】
第5の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、反射性金属層の有無で構成された反射性金属微細パターン層が積層されており、さらに、前記反射性金属微細パターン層を覆って着色層が積層されていることを特徴とする真正性識別体に関するものである。
【0015】
第6の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、着色層の有無で構成された着色微細パターン層が積層されており、さらに、前記着色微細パターン層を覆って反射性金属層が積層されていることを特徴とする真正性識別体に関するものである。
【0016】
第7の発明は、第1〜第6いずれかの発明の真正性識別体の前記コレステリック液晶層とは反対側の面に接着剤層が積層されて構成された貼着用の真正性識別体に関するものである。
【0017】
第8の発明は、第2または第5の発明において、前記着色層が着色された接着剤層であることを特徴とする貼着用の真正性識別体に関するものである。
【0018】
第9の発明は、第8の発明において、前記着色層が着色された接着剤層であると共に全面に積層されていることを特徴とする貼着用の真正性識別体に関するものである。
【0019】
第10の発明は、第1〜第6いずれかの発明の真正性識別体が、前記コレステリック液晶層とは反対側の面が別の基材に積層されて構成された真正性識別可能な基材に関するものである。
【0020】
第11の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一部分に反射性金属層が積層されており、さらに、前記反射性金属層を有する側の少なくとも前記反射性金属層が積層されていない区域が着色層を介して、別の基材に積層されて構成された真正性識別可能な基材に関するものである。
【0021】
第12の発明は、透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、反射性金属層の有無で構成された反射性金属微細パターン層が積層されており、さらに、前記反射性金属微細パターン層を有する側の少なくとも前記反射性金属微細パターン層が積層された区域が着色層を介して、別の基材に積層されて構成された真正性識別可能な基材に関するものである。
【0022】
第13の発明は、第1〜第6いずれかの発明の真正性識別体が、前記透明基材とは別の基材に可視可能に埋め込まれて構成された真正性識別可能な基材に関するものである。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、着色層により、コレステリック液晶層によって生じる、見る角度により色彩が変化する効果および偏光効果があり、かつ、反射性金属層により、ホログラムの視認性が高い真正性識別体を提供することができる。
【0024】
第2の発明によれば、第1の発明のものと同様な効果を有し、反射性金属層がある部分を含めた全面を着色層により覆うことにより、製造が容易な真正性識別体を提供することができる。
【0025】
第3の発明によれば、第1の発明のものと同様な効果を有し、着色層がある部分を含めた全面を反射性金属により覆うことにより、製造が容易な真正性識別体を提供することができる。
【0026】
第4の発明によれば、反射性金属層および着色層が並んで積層されたことにより構成された微細パターン層を背景とすることにより、コレステリック液晶層によって生じる、見る角度により色彩が変化する効果および偏光効果があり、かつ、ホログラムの視認性が高い真正性識別体を提供することができる。
【0027】
第5の発明によれば、第4の発明のものと同様な効果を有し、反射性金属層がある部分を含めた全面を着色層により覆うことにより、微細パターンの製造が容易な真正性識別体を提供することができる。
【0028】
第6の発明によれば、第4の発明のものと同様な効果を有し、着色層がある部分を含めた全面を反射性金属層により覆うことにより、微細パターンの製造が容易な真正性識別体を提供することができる。
【0029】
第7の発明によれば、接着剤層が積層されたことにより、第1〜第6いずれかの発明の効果を発揮し得る真正性識別体を物品に適用することが容易な貼着用の真正性識別体を提供することができる。
【0030】
第8の発明によれば、第2または第5の発明の効果に加えて、接着剤層を別層とせず、積層構造がより簡素な貼着用の真正性識別体を提供することができる。
【0031】
第9の発明によれば、第8の発明の効果を発揮でき、しかも着色層と接着剤層を一つの層で兼ねることにより構造がより簡単な貼着用の真正性識別体を提供することができる。
【0032】
第10の発明によれば、基材に、第1〜第6いずれかの発明の真正性識別体を積層したので、第1〜第6いずれかの発明の効果を発揮することにより、真正性識別可能な基材を提供することができる。
【0033】
第11の発明によれば、第1の発明のものと同様な効果を有し、基材側に設ける着色層を替えることにより、外観を変えることが容易となる、真正性識別可能な基材を提供することができる。
【0034】
第12の発明によれば、第4の発明のものと同様な効果を有し、基材側に設ける着色層を替えることにより、外観を変えることが容易となる、真正性識別可能な基材を提供することができる。
【0035】
第13の発明によれば、基材に、第1〜第6いずれかの発明の真正性識別体を可視可能に積層したので、第1〜第6いずれかの発明の効果を発揮することにより、真正性識別可能な基材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1〜図3は、本発明の真正性識別体の積層構造を示す図である。図4は図1〜図3に示す真正性識別体におけるパターンを示す図である。図5〜図7は、本発明の真正性識別体の他の例を示す図である。図8は本発明の真正性識別体におけるパターンを示す図である。図9〜図11は、本発明の真正性識別体を別の基材に適用した真正性識別可能な基材を示す図である。
【0037】
図1に例示するように、本発明の真正性識別体1は、透明基材2の片面(図では上面である。以降において上下は図中の上下を基準とする。なお、本発明の真正性識別体は、上面側が観察側である。)にコレステリック液晶層3が積層され、透明基材2の他方の面(下面)には透明樹脂からなるホログラム形成層4が積層され、ホログラム形成層4は、その下面にホログラムの微細凹凸が形成されたものである。ホログラム形成層4には、その微細凹凸に沿って、反射性金属層5および着色層6が並んで積層されており、反射性金属層5および着色層6とにより、視覚的な、即ち肉眼観察可能なパターンを構成している。
【0038】
図4は、反射性金属層5および着色層6とからなるパターンを例示する図である。図4(a)に示すように、左右方向の幅が狭く上限方向に長い四角形が等間隔で配列した反射性金属層5と、反射性金属層5の各々の四角形の間に配列した、やはり左右方向の幅が狭く上限方向に長い四角形の着色層6とが、交互に配列して縞状のパターンを構成している。あるいは、図4(b)に示すように、幾何学形状(図では長方形と星形)の着色層6と、着色層6以外の部分の反射性金属層5とが、パターンを構成している。反射性金属層5着色層6とは互いに入れ替わってもよい。これらのパターンは例示であって、パターンは、主に意匠的な観点から自由に決めることができ、幾何学形状以外の文字や記号であってもよく、任意の形状であってよい。
【0039】
また、パターンの大きさは、肉眼で解像し得るものであればよいが、コレステリック液晶が見る角度により色彩が変化するのを観察する上で、着色層6は形状が四角形であれば、縦横が1mm×1mm以上、好ましくは3mm×3mm以上であり、より好ましくは5mm×5mm以上である。幾何学形状の場合には、円形であれば、直径が1mm以上、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、そのほかの形状の場合には、内接円の直径が1mm以上、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上である。
【0040】
上記のような真正性識別体1をコレステリック液晶層3側から観察すると、背面に着色層6を伴なう部分では、コレステリック液晶層3が見る角度により色彩が変化することが観察でき、また、背面に反射性金属層5を伴なう部分では、ホログラムを観察することができる。
【0041】
本発明の真正性識別体1における反射性金属層5および着色層6は、コレステリック液晶層3側から見てパターンが構成される限り、反射性金属層5および着色層6は単に並ぶ以外に次のように積層されていても同様な効果を生じる。
【0042】
図2は、反射性金属層5および着色層6の上記とは異なる積層状態を示す図である。図2(a)に示す真性性識別体1においては、ホログラム形成層4の微細凹凸に沿って、反射性金属層5が、図示の例では、反射性金属層5の小さい区域が間隔をあけて部分的に配列して積層されており、さらに下面全体に着色層6が積層されたものである。また、図2(b)に示す真性性識別体1においては、ホログラム形成層4の微細凹凸に沿って、着色層6が、図示の例では、着色層6の小さい区域が間隔をあけて部分的に配列して積層されており、さらに下面全体に反射性金属層5が積層されたものである。
【0043】
図2を引用して説明した上記の二例においては、反射性金属層5と着色層6とが部分的に重なっているものの、コレステリック液晶層3側から見たときの、反射性金属層5および着色層6とが構成するパターンは、図1および図4を引用して説明したものと同じである。図1を引用して説明したものの場合、反射性金属層5および着色層6のいずれも、パターン状に形成する必要があり、また、隙間を生じさせないためには、両層のいずれを形成する際にも見当精度が高いことが好ましいが、図2を引用して説明した例の場合、間隔をあけて配列する方の層のみ、製造の際の見当精度を考慮すればよいので、製造が容易になる。
【0044】
本発明の真正性識別体1は、上記のような基本的な積層構造を有し、この基本的な積層構造のものをそのまま使用することもできるが、この真正性識別体1を別の基材に適用して、適用された基材に真性性識別性を付与するという使用法がある。
【0045】
図3は、別の基材に適用するのに適した形態の真正性識別体1を例示する図であって、図3(a)に示すように、真正性識別体1は、図2(a)を引用して説明したものの着色層6の下面の全面に接着剤層7を積層したものであってもよいし、また、図3(b)に示すように、図2(b)を引用して説明したものの反射性金属層5の下面の全面に接着剤層7を積層したものであってもよい。また、図示はしないが、図1を引用して説明したものの下面の全面に接着剤層を積層したものであってもよい。このように接着剤層7が積層されていることにより、真正性識別体1を種々の物品に適用する際に、その都度、接着剤層を設ける必要がなく、貼り付けが容易になる利点が生じる。
【0046】
段落「0039」において説明したように、上記の説明においては、反射性金属層5および着色層6とからなるパターンの大きさが肉眼観察可能なものであり、好ましくは肉眼観察が容易なものであるが、本発明のやや特殊な例として、パターンの大きさが、明視の距離からの肉眼観察、即ち、通常の観察では観察しにくいか、もしくは観察不可能な微細なものもある。
【0047】
図5に例示するように、本発明の真正性識別体1は、透明基材2の上面にコレステリック液晶層3が積層され、透明基材2の下面には透明樹脂からなるホログラム形成層4が積層され、ホログラム形成層4は、その下面にホログラムの微細凹凸が形成されたものであり、ホログラム形成層4には、その微細凹凸に沿って、反射性金属層5および着色層6が並んで積層されて微細パターンを構成している。
【0048】
図8は、反射性金属層5および着色層6とからなる微細パターンを例示する図である。
図8(a)に示すように、図では下方の向かって左側から上方の向かって右側を向いた有限幅の線条からなる着色層が幅方向に幅の2倍のピッチで配列し、各々の間に、反射性金属層が配列した万線パターン状の微細パターンを構成したものであってもよく、あるいは図8(b)に示すように、円形状もしくは四角形状の微細な形状が等ピッチで配列し、それら以外の部分には反射性金属層を配置することによって網点状の微細パターンを構成したものであってもよい。
【0049】
これらの微細パターンは例示であって、微細パターンのパターン自体は、自由に決めることができるので、万線パターン状や網点状以外の幾何学形状、文字もしくは記号等の形状のものであってもよい。パターンの大きさは、通常の観察では観察しにくいか、もしくは観察不可能な微細なものであることが好ましく、万線パターン状の場合、線の幅が0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下であり、形成可能である限り、かなり小さくてもよいが、実際上0.01mm程度以上であることが好ましい。網点が円形状の場合には、直径が0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下であり、0.01mm程度以上であることが好ましい。また、網点が四角形状の場合には、縦横が0.3mm×0.3mm以下、好ましくは0.1mm×0.1mm以下であり、0.01mm×0.01mm程度以上であることが好ましい。そのほかの形状の場合には、内接円の直径が0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下であり、0.01mm程度以上であることが好ましい。
【0050】
反射性金属層5および着色層6とで微細パターンを構成する場合、各々の占める面積の割合は、コレステリック液晶層3が見る角度により色彩が変化する効果を確保する意味では、着色層6の面積の割合(面積率)が微細パターン中の30%〜80%程度を占めることが好ましく、より好ましくは40%〜70%である。また、ホログラムの視認性から言えば、反射性金属層5の面積が多いほうが好ましいが、反射性金属層5の面積率は、着色層6が占める部分の残りの面積率であってよく、即ち、着色層6の面積率が30%であれば反射性金属層5の面積率は70%であり、また、着色層6の面積率が80%であれば反射性金属層5の面積率は20%である。
【0051】
なお、上記のような微細パターンは、真正性識別体1の全面にあってもよいが、一部分にあればよい。微細パターンが一部分を占める場合、その他の部分は、反射性金属層5のみであっても、もしくは着色層6のみであってもよく、または、反射性金属層5と着色層6からなる、図1〜図4を引用して説明したような、視覚的な、即ち眼に見えるパターンが形成されていてもよい。
【0052】
上記のような微細パターンを有する真正性識別体1をコレステリック液晶層3側から観察すると、背面に微細パターンを伴なう部分では、同じ部分を背景として、コレステリック液晶層3が見る角度により色彩が変化することが観察できると共に、ホログラムを観察することもできる。
【0053】
通常の観察では観察しにくいか、もしくは観察不可能な、上記の微細パターンの場合も、反射性金属層5および着色層6は、コレステリック液晶層3側からの観察(好ましくは拡大観察である。)で微細パターンが構成されている限り、反射性金属層5および着色層6は単に並ぶ以外に次のように積層されていても同様な効果を生じる。
【0054】
即ち、図6(a)に示すように、反射性金属層5からなる微細な形状が間隔をあけて積層された下面の全面に着色層6が積層されていてもよいし、あるいは、図6(b)に示すように、着色層6からなる微細な形状が間隔をあけて積層された下面の全面に反射性金属層5が積層されていてもよい。やはり、反射性金属層5および着色層6のうちのいずれかの、間隔をあけて配列する方の層のみ、製造の際の見当精度を考慮すればよいので、製造が容易になる。
【0055】
図6(a)および(b)を引用して説明した、反射性金属層5および着色層6とで微細パターンを構成した上記の真正性識別体も、下面側に接着剤層7を積層することができ(それぞれ、図7(a)および(b)が対応する。)、積層した接着剤層7を利用して、別の基材に適用して、適用された基材に真性性識別性を付与することができる。また、図示はしないが、図5を引用して説明したものの下面の全面に接着剤層を積層してもよい。
【0056】
図1もしくは図2、または図5もしくは図6を引用して説明した本発明の真正性識別体1は、種々の物品に適用された場合、不正な意図で物品から分離して他の物品に適用する、いわゆる貼り替えの防止性を高めるために、真正性識別体1を構成する各層のいずれかを比較的脆弱な材料で構成するか、もしくは隣接する層どうしの間の接着性を弱めることにより、物品から分離しようとする際に、破壊されるよう構成してもよい。例えば、透明基材2とホログラム形成層4の間に、両者の接着性を低下させるための低接着性材料もしくは、脆性材料を介在させることにより、適用された真正性識別体1を剥離しようとすると、真正性識別体1が破壊されるよう構成することができる。
【0057】
真正性識別体1の透明基材2としては、機械的強度を有し、製造時もしくは他の物品への適用時の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
【0058】
透明基材2のコレステリック液晶層3を積層する側には、必要に応じて配向膜を設けることが好ましく、配向膜は、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリイミド樹脂等の一般に配向膜として使用し得るものであれば、いずれを用いて構成したものでもよい。配向膜は、これらの樹脂の溶剤溶液を、上記のような透明基材2の表面に適宜な塗布方法により塗布し、乾燥させた後に、布、ブラシ等を用いて摩擦するラビングを行なって形成することができる。
【0059】
着色層6は、上方に設けられたコレステリック液晶層3の、見る角度により色彩が変化する効果、および偏光効果を観察しやすくするためのものである。この効果を発揮しやすくするためには、着色層6の色は、有彩色の暗色もしくは濃いグレーであり、より好ましくは黒色である。また、着色層6は、これらの色とは関係なく、透明もしくは不透明であってよいが、透明である場合には、コレステリック液晶層3の上記の効果に加えて、ホログラムの視認性も生じる利点がある。着色層6の形成は、所望の色相を与えるための色材、例えば、染料もしくは顔料を配合した着色層形成用組成物を用いて、公知の印刷法により行なえる。
【0060】
コレステリック液晶層3は、配向状態にあるものであり、入射した光のうち、左円偏光もしくは右円偏光のいずれか一方のみを反射する性質を有するものであるか、もしくは、各々の性質を持つものを並べてもよいし、または、左円偏光もしくは右円偏光のいずれか一方のみを反射する性質を有する材料を混合して、両方の偏光作用を有するものとしてもよい。左右両方の円偏光を持つものを用いる場合には、両者の色相は互いに同じでもよく、または、互いに異ならせてもよい。このようなコレステリック液晶層3は、コレステリック液晶の溶剤溶液を各種の塗布法によって適用し、乾燥させることにより形成することができ、あるいは、このとき、重合性のコレステリック液晶を用いて紫外線重合性組成物を調製し、得られた紫外線重合性組成物を各種の塗布法によって適用し、乾燥後に、紫外線を照射して重合させて形成することもできる。コレステリック液晶層3は、図1〜図3、および図5〜図7においては、一様な層として描いてあるが、コレステリック液晶層3は、一様な層であっても、平面形状がパターン状であってもよい。パターン状である場合のパターンとしては、幾何学形状、または、文字もしくは記号等を例示することができ、任意の形状でよい。コレステリック液晶パターン層の形成は、上記のコレステリック液晶の溶剤溶液もしくは紫外線重合性組成物を用いて公知の印刷法により行なうことができる。
【0061】
ホログラム形成層4は、下面にホログラムの微細凹凸が形成されたものであるが、層自体は、ホログラムの微細凹凸の形成が可能な種々の素材を用いて構成し得るものである。例えば、ホログラム形成層4は、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの透明な熱可塑性樹脂で構成することができる。あるいは、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレートなどの透明熱硬化性樹脂で構成することができる。さらには、上記の熱可塑性樹脂と上記の熱硬化性樹脂とを混合して使用し、更には、ラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質、或いは、これらにラジカル重合性不飽和単量体を加え電離放射線硬化性としたものなどを使用して構成することができる。
【0062】
ホログラム形成層4へのホログラムの微細凹凸の形成は、回折格子やホログラムの干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型として用い、透明基材2に上記の樹脂を塗布用組成物として調製したものを、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法などの手段で塗布して、塗膜を形成し、その上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着する等により、行なうことができる。また、フォトポリマーを用いる場合は、透明基材2上に、フォトポリマーを同様に塗布した後、前記原版を重ねてレーザー光を照射することにより複製してもよい。
【0063】
反射性金属層5は、ホログラムの微細凹凸の回折効率を高めるためのもので、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、もしくはRb等の金属を用いて構成することができ、またはこれらの金属の酸化物、もしくはそれらの窒化物を単独で、もしくは組合わせて構成することもできるので、便宜上、金属の酸化物、もしくはそれらの窒化物も金属の範囲として含めるものとする。上記のうちでも、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、もしくはAu等が特に好ましい。反射性金属層5は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの薄膜形成法によって形成することが好ましいが、メタリック顔料を含有するメタリックインクを用いて印刷することによって形成してもよい。なお、反射性金属層5をパターン状に形成するには、薄膜形成法をマスクパターンを介して行なうか、一様な反射性金属層5を形成した後、レジストパターンを設けてエッチングする等によるか、もしくは予め除去したい部分に、水洗プライマー(水溶性樹脂系インキ)を印刷法により適用しておき、その上に薄膜を形成し、形成後、水洗することによって行なえばよい。
【0064】
接着剤層7は、種々の物品に対する接着性を確保するためのものであるので、接着剤層7を構成する接着剤としては、反射性金属層7との接着性がよく、被着体と強固に接着できるものが好ましい。具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変性物などが挙げられ、これらの中から適するものを適宜選択して使用でき、また、これらは単体、もしくは2種以上の混合系で、更に必要に応じてハードレジンや可塑剤、その他の添加剤を加えて使用することができる。この他、ポリアクリル酸エステル樹脂系、もしくはゴム系の粘着剤を用いることもできる。接着剤層7が粘着剤で構成されるときは、剥離性のあるプラスチックフィルムや剥離性を付与した紙等を粘着剤の表面に貼り付けておくことが好ましい。
【0065】
図3(a)もしくは図7(a)を引用して説明したように、ホログラム形成層4の微細凹凸に沿って、反射性金属層5が間隔をあけて配列して積層され、下面全体に着色層6が積層され、さらに最下面に接着剤層7を積層する場合があるが、着色層6および接着剤層7の両層を、着色された接着剤層で置き換えれば、着色層6および接着剤層7の二層の役割を一層で代用することができる。
【0066】
以上のような本発明の真正性識別体1は、単独でも用い得るが、真正性の識別を必要とする適宜な物品に適用することにより、それらの物品の真正性の識別を可能にすることができる。
【0067】
図9に示すように、真正性識別体1を適宜な基材12上に積層して、真正性識別可能な基材11とすることができる。図9(a)は平面図であり、図9(b)は正面図である。積層は適宜な方法で行なえるが、図3もしくは図7に示したように、反射性金属層5の下面に接着剤層7が積層された真正性識別体1を用いれば、この接着剤層7を利用して接着させることにより積層することができる。接着剤層を伴なわない真正性識別体を用いるときは、必要に応じ、基材12もしくは真正性識別体1の互いに接着する面の少なくともいずれか一方に接着剤層を適用する。
【0068】
なお、真正性識別体を印刷された基材等に積層する場合、基材の上面に適宜な着色層を施しておき、真正性識別体としては、ホログラム形成層4の下面に反射性金属層5のみが間隔をあけて配列して積層され、着色層が設けられていないものを準備して積層しても、結果的には反射性金属層5と着色層からなるパターンもしくは微細パターンを構成することができる。
【0069】
また、真正性識別体1は、図10(a)の平面図および図10(b)の正面図に示すように、幅の狭い、例えば、0.2mm〜5mm程度のごく狭い幅のテープ状もしくは糸状の形状のスレッドの形に加工されたものを、基材12の上面に積層し、真正性識別可能な基材11としてもよい。
【0070】
スレッドの形に加工された真正性識別体1は、図11(a)の平面図に示すように、真正性識別体1の一部が、基材12の表面に設けられた凹部12aの底から現われたものであってもよい。具体的には、図11(b)の斜視図に示すように、孔(貫通孔である。)12a’があけられた上用基材12Aと、孔のあけられてない下用基材12Bとを用意して、上用基材12Aと下用基材12Bとの間に、スレッドの形に加工された真正性識別体1をはさんで積層することにより、上用基材12Aの孔12a’が基材12の上面に凹部12aを形成して、凹部12aの底から真正性識別体1の一部が現われ、凹部12a以外の部分では、真正性識別体1が基材12の内部に埋め込まれた積層構造とすることができる。このような積層構造を取ることによって、真正性識別体1と基材12との接着性がより一層高まる上、真正性識別体1の視認性も確保できる。
【0071】
本発明の真正性識別体1は、真正性を識別する必要性のある種々の物品に貼り付ける等により適用すると価値が高いものである。このような真正性を識別する必要性のある物品としては様々なものがあり、必要とされる真正性識別性のレベルも一定ではないが、次のようなものを例示することができる。
【0072】
即ち、真正性を識別する必要性のある種々の物品としては、保持者の本人確認(ID)用であるID証、金券類、純正品、ブランドが著名な高級ブランド品等がある。ID証とは、例えば、パスポート、運転免許証、保険証、図書カード(図書館の貸出し用カード)等である。金券とは、例えば、商品券、ギフト券等の有価証券、プリペイドカード等である。純正品とは、種々の機器類に用いるための部品や消耗品等であって、純正である認証の必要なものであり、物品としては、電子機器、電気機器、コンピュータ製品、プリンタ等に用いる消耗品、医薬品、化学薬品等がある。高級ブランド品としては、著名なブランドの高価な商品、例えば、時計、衣類、バッグ、宝飾品、スポーツ用品、化粧品がある。さらに、コンピュータソフト、音楽ソフトもしくは映像ソフトが記憶された媒体類も真正性を識別する必要性のある種々の物品として挙げることができる。
【0073】
従って、本発明の真正性識別可能な基材11における基材12は、上記のような物品そのもの、もしくは、それら物品のケースであってよく、それらに真正性識別体を貼り付ける等して適用することができる。あるいは、上記の物品に荷札としてくくりつける等により適用することもできる。
【実施例1】
【0074】
厚みが50μmのPETフィルムの片方の面にラビング処理(配向処理)を行った後、処理面に右円偏光性を有するコレステリック液晶インクを用いてグラビア印刷法により、英文字「N」の形状のコレステリック液晶パターンを形成した。コレステリック液晶インクとしては、重合性のネマチック液晶(BASF(株)製、商品名;「パリオカラーLC242」)、カイラル剤(BASF(株)製、商品名;「パリオカラーLC756」)および紫外線重合開始剤を配合したものの40%溶液(溶剤はトルエンである。)を用い、グラビア印刷後、紫外線を照射して、硬化させた。
【0075】
コレステリック液晶パターンを形成したのとは反対の面に、アクリル系樹脂の塗料を塗布して一様な樹脂層を形成し、この樹脂層の表面に熱エンボスすることによりホログラムの微細凹凸を形成した。形成された微細凹凸の上に、水洗プライマー(水溶性樹脂系インキ)を用い、先に英文字「N」を印刷した位置の背面に、英文字「N」に外接するよりやや大きめの四角形に相当する部分にパターン状に印刷し、印刷後、アルミニウムを一様に蒸着した後、水洗して、水洗プライマーが施された部分の蒸着膜を除去し、蒸着膜のパターンを形成した。
【0076】
続いて、カーボンブラックにより着色した黒色インキを用い、グラビア印刷により、蒸着膜のパターンが形成された面の全面に一様に印刷して、黒色層を形成した後、黒色層に重ねて粘着剤を塗布し、粘着剤面に剥離紙(セパ紙)をラミネートし、以上のようにして得られたものを、所定の形状になるよう打抜き加工を行ない、コレステリック液晶/ホログラム複合ラベルを得た。
【0077】
得られたコレステリック液晶/ホログラム複合ラベルは、蒸着膜が背面にある部分ではホログラムが高い輝度を有しており、ホログラムの視認性が高いものであり、また、コレステリック液晶パターンは、真上から見たときには緑色の英文字「N」が、また、斜め方向から見たときには青色の英文字「N」を見ることができ、このようにカラーシフトを有するコレステリック液晶パターンを明瞭に視認することができた。
【0078】
また、得られたコレステリック液晶/ホログラム複合ラベルの上面に、左円偏光板と右円偏光板とを並べて設けた判定具を重ねたところ、左円偏光板を重ねた部分ではコレステリック液晶パターン層の色相が消え、右円偏光板を重ねた部分ではコレステリック液晶パターンの色相が見えたため、このコレステリック液晶/ホログラム複合ラベルが本物であることが確認できた。
【実施例2】
【0079】
コレステリック液晶パターンとしては、商品のメーカー名と、純正品であることを示す「GENUIN」の語を印刷し、水洗プライマーの印刷をストライプ状に行ない、ただし、水洗プライマーの印刷部が、商品のメーカー名および「GENUIN」の語の背面に位置するようにし、また、黒色層は設けず、その他については実施例1と同様にして、コレステリック液晶/ホログラム複合ラベルを得た。この状態では、コレステリック液晶パターンの見る角度により色彩が変化する効果はほとんど生じていない。
【0080】
上記で得られたコレステリック液晶/ホログラム複合ラベルを、インクジェットプリンターのトナーカートリッジの箱の表面の、予め黒色層を印刷して設けておいた部分に貼り付けたところ、商品のメーカー名および「GENUIN」の語が、真上から見たときには緑色となり、また、斜め方向から見たときには青色となって見えた。
【0081】
また、得られたコレステリック液晶/ホログラム複合ラベルの上面に、左円偏光板を重ねたところ、商品のメーカー名および「GENUIN」の語の色相が消え、このコレステリック液晶/ホログラム複合ラベルが本物であることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】真正性識別体の基本的な積層構造を示す図である。
【図2】真正性識別体の他の積層構造を示す図である。
【図3】接着剤層を有する真正性識別体の積層構造を示す図である。
【図4】真正性識別体の反射性金属層と着色層のパターンを示す図である。
【図5】微細パターンを有する真正性識別体の積層構造を示す図である。
【図6】微細パターンを有する真正性識別体の他の積層構造を示す図である。
【図7】微細パターンと接着剤層を有する真正性識別体の積層構造を示す図である。
【図8】微細パターンのパターンを示す図である。
【図9】真正性識別体を適用した基材を示す図である。
【図10】スレッド状の真正性識別体を適用した基材を示す図である。
【図11】スレッド状の真正性識別体の一部を埋め込んだ基材を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1……真正性識別体
2……透明基材
3……コレステリック液晶層
4……ホログラム形成層
5……反射性金属層
6……着色層
7……接着剤層
11……真正性識別可能な基材
12……基材(12A;上用基材、12B;下用基材、12a;凹部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面に反射性金属層および着色層が並んで積層されていることを特徴とする真正性識別体。
【請求項2】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一部分に反射性金属層が積層されており、さらに、前記反射性金属層が積層されていない部分では前記ホログラム形成層の前記微細凹が形成された面に、また、前記反射性金属層が積層されている部分では前記反射性金属層に重ねて、着色層が積層されていることを特徴とする真正性識別体。
【請求項3】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一部分に着色層が積層されており、さらに、前記着色層が積層されていない部分では前記ホログラム形成層の前記微細凹が形成された面に、また、前記着色層が積層されている部分では前記着色層に重ねて、反射性金属層が積層されていることを特徴とする真正性識別体。
【請求項4】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、反射性金属層および着色層が並んで積層されたことによる微細パターン層を有することを特徴とする真正性識別体。
【請求項5】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、反射性金属層の有無で構成された反射性金属微細パターン層が積層されており、さらに、前記反射性金属微細パターン層を覆って着色層が積層されていることを特徴とする真正性識別体。
【請求項6】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、着色層の有無で構成された着色微細パターン層が積層されており、さらに、前記着色微細パターン層を覆って反射性金属層が積層されていることを特徴とする真正性識別体。
【請求項7】
請求項1〜請求項6いずれかの真正性識別体の前記コレステリック液晶層とは反対側の面に接着剤層が積層されて構成された貼着用の真正性識別体。
【請求項8】
前記着色層が着色された接着剤層であることを特徴とする請求項2または請求項5記載の貼着用の真正性識別体。
【請求項9】
前記着色層が着色された接着剤層であると共に全面に積層されていることを特徴とする請求項8記載の貼着用の真正性識別体。
【請求項10】
請求項1〜請求項6いずれかの真正性識別体が、前記コレステリック液晶層とは反対側の面が別の基材に積層されて構成された真正性識別可能な基材。
【請求項11】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一部分に反射性金属層が積層されており、さらに、前記反射性金属層を有する側の少なくとも前記反射性金属層が積層されていない区域が着色層を介して、別の基材に積層されて構成された真正性識別可能な基材。
【請求項12】
透明基材の一方の側にコレステリック液晶層が、また、他方の側に、透明樹脂層の表面にホログラムの微細凹凸が形成されたホログラム形成層が積層されており、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の少なくとも一部分に、反射性金属層の有無で構成された反射性金属微細パターン層が積層されており、さらに、前記反射性金属微細パターン層を有する側の少なくとも前記反射性金属微細パターン層が積層された区域が着色層を介して、別の基材に積層されて構成された真正性識別可能な基材。
【請求項13】
請求項1〜請求項6いずれかの真正性識別体が、前記透明基材とは別の基材に可視可能に埋め込まれて構成された真正性識別可能な基材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−153990(P2006−153990A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−340962(P2004−340962)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】