説明

真空処理装置

【課題】真空槽の内部で被処理物の処理を行うに際して、速やかにかつ繰り返して、所望の量の被処理物を追加装入することが可能な真空処理装置を提供する。
【解決手段】真空処理装置1は、真空槽10と、真空槽10の内部10aを真空雰囲気に排気可能な排気手段20と、真空槽10の内部で被処理物Wに所定の処理を行う処理手段30と、処理手段30に被処理物Wを供給する供給機構40とを備え、供給機構40は、真空槽10の内部10aに設けられ、被処理物Wが貯蔵された貯蔵部41と、貯蔵部41から被処理物Wを所望の量だけ取り出して処理手段30へ搬送する搬送手段43とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空雰囲気内で被処理物に所定の処理を行う真空処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空雰囲気内で被処理物に物理的あるいは化学的な処理を行う装置としては、例えば、真空雰囲気内で金属や合金を加熱して溶解させる真空誘導溶解炉などがある。このような真空誘導溶解炉は、外気に対して気密にされた真空槽と、該真空槽内で交流電力が供給される誘導加熱コイルと、該誘導加熱コイルの内側に被処理物である被溶解金属を収容するルツボと、追加装入される被処理物が載置された材料載置台と、真空槽の外部から操作して材料載置台上の被処理物を押し込んでルツボに落下させるプッシャーとを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような真空誘導溶解炉では、真空槽内部を真空雰囲気として、誘導加熱コイルに交流電力を供給すれば、ルツボの内部の被処理物は、発熱して溶解することとなる。さらに、プッシャーを操作することで、真空槽内部を真空雰囲気としたままルツボの内部に被処理物を追加装入することができ、真空槽内部の雰囲気を汚染することなく、簡単且つ短時間に被処理物の追加装入をすることができるとされている。
【特許文献1】特開平6−330203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の真空誘導溶解炉では、真空槽の内部を真空雰囲気とした状態で追加装入を行うことが可能であるものの、一回の追加装入に限られ、追加装入する量は、予め材料載置台に載置された被処理物の量に限られていて微調整することができなかった。
【0004】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、真空槽の内部で被処理物の処理を行うに際して、速やかにかつ繰り返して、所望の量の被処理物を追加装入することが可能な真空処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明は、真空槽と、該真空槽の内部を真空雰囲気に排気可能な排気手段と、前記真空槽の内部で被処理物に所定の処理を行う処理手段と、該処理手段に前記被処理物を供給する供給機構とを備えた真空処理装置であって、前記供給機構は、前記真空槽の内部に設けられ、前記被処理物が貯蔵された貯蔵部と、該貯蔵部から前記被処理物を所望の量だけ取り出して前記処理手段へ搬送する搬送手段とを備えることを特徴としている。
【0006】
この構成によれば、真空雰囲気で被処理物に対して所定の処理を行う場合には、まず、排気手段によって真空槽の内部を排気して真空雰囲気にする。そして、この状態で真空槽の内部で処理手段によって処理を行うことで、真空雰囲気での被処理物の処理を可能としている。そして、この処理の際に、被処理物の追加装入が必要である場合には、供給機構を駆動させる。すなわち、貯蔵部に貯蔵された被処理物から搬送手段によって必要な量の被処理物を取り出して処理手段まで搬送する。これより処理手段は、搬送手段によって搬送された分だけ追加された被処理物について処理を行うことができる。ここで、供給機構において、貯蔵部が真空槽の内部に設けられていることで、処理手段に被処理物を供給するに際して、弁の切替や排気手段による再排気などをする必要がないので、貯蔵部の被処理物を速やかに処理手段へ供給することができる。また、搬送手段は、貯蔵部の被処理物を、必要となる量だけ取り出して搬送することが可能であり、貯蔵部の被処理物全てを一度に搬送するわけではないので、必要に応じて繰り返し処理手段に被処理物を供給することができる。
【0007】
また、前記搬送手段は、一方側が前記貯蔵部の前記被処理物を受け取り可能に配置されるとともに、他方側が前記処理手段に前記被処理物を供給可能に配置されたトラフと、 該トラフ上の前記被処理物を前記一方側から前記他方側に向かって移動可能に前記トラフに振動を与える起振部とを有することが好ましい。
【0008】
この構成によれば、貯蔵部からトラフの一方側に受け渡される被処理物は、起振部から与えられる振動により、他方側に向かって順次搬送されていくことになる。このため、他方側に位置する処理手段には、被処理物が連続して供給されることとなり、搬送速度や搬送時間によって、被処理物の供給量を調整することが可能となる。
【0009】
また、前記搬送手段は、前記トラフ上の前記被処理物が所望の搬送量となるように前記起振部による振動を制御する制御部を有することが好ましい。
この構成によれば、制御部によって振動を制御、例えば、振動の振幅や周波数を制御することによって、被処理物を好適な搬送速度で搬送することができ、これにより自動的に被処理物の供給量を調整することができる。
【0010】
また、前記供給機構は、前記貯蔵部内の前記被処理物の重量を計測する計測手段を備え、前記搬送手段の前記制御部は、前記計測手段によって計測される前記被処理物の重量の変化に応じて前記起振部による振動を制御することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、計測手段によって貯蔵部内の被処理物の重量を計測することで、搬送手段によって貯蔵部から被処理物を取り出すことによる貯蔵されている被処理物の重量の変化を監視することができる。そして、制御部が計測手段による計測結果に基づいて起振部による振動を制御することによって、より正確に搬送手段によって所望の量の被処理物を処理手段に供給することができる。
【0012】
また、前記処理手段として、前記被処理物を収容するルツボと、該ルツボの外側に設けられて電源の供給により該ルツボ内の前記被処理物の加熱を行う誘導加熱コイルとを有し、前記ルツボ内の前記被処理物を溶解させる真空誘導溶解炉であることが好ましい。
この構成によれば、供給機構によって必要に応じて速やかにかつ繰り返しルツボ内に被処理物を供給しつつ、真空雰囲気において、誘導加熱コイルによって被処理物を加熱し、溶解させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の真空処理装置によれば、供給機構を備えることで、真空槽の内部で被処理物の処理を行うに際して、速やかにかつ繰り返して、被処理物を追加装入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、この発明に係る実施形態を示していて、真空雰囲気で被処理物を処理する真空処理装置の一例として、金属等を溶解する真空誘導溶解炉を示している。図1に示すように、真空誘導溶解炉1は、内部10aを気密に閉塞する真空槽10と、真空槽10の内部10aを所定の圧力となるまで排気可能な排気手段である真空ポンプ20と、処理手段として、金属等の被処理物Wを加熱溶解する溶解処理部30と、溶解処理部30に被処理物Wを供給する供給機構40とを備える。真空槽10は、溶解処理部30が収容された本体部11と、供給機構40が収容された供給部12とを有する。本体部11と供給部12とは、連絡部13によって連通している。本体部11には、覗き窓11aが設けられていて、外部から内部10aを観察可能となっている。また、真空槽10の本体部11には、真空ポンプ20が外部から接続されているとともに、内部10aを大気開放するための開放弁14が設けられている。真空ポンプ20は、本実施形態では到達圧力が例えば、10−5Pa以下の高真空雰囲気となるまで排気可能な性能を有している。
【0015】
また、溶解処理部30は、被処理物Wが収容されるルツボ31を有する溶解炉32と、ルツボ31を加熱する加熱手段33とを有する。溶解炉32のルツボ31は、底付きの筒状の部材で、例えば黒鉛などによって形成されている。加熱手段33は、ルツボ31に断熱材34を介して外装された誘導加熱コイル35と、真空槽10の外部に設けられ、誘導加熱コイル35に高周波電流を供給する図示しない高周波電源とで構成されている。そして、図示しない高周波電源から誘導加熱コイル35に高周波電流を供給すれば、交流磁界を生じ、特に磁束密度の大きいルツボ31の内部に収容された金属等の被処理物Wには誘導電流(渦電流)が発生することになる。このため、被処理物Wは、誘導電流により発熱して溶解することとなる。
【0016】
供給機構40は、真空槽10において供給部12内に設けられて被処理物Wが貯蔵された貯蔵部41と、貯蔵部41の重量を計測する計測手段であるロードセル42と、貯蔵部41から被処理物Wを取り出して溶解処理部30のルツボ31内部に被処理物Wを投入する搬送手段43とを備える。貯蔵部41は、被処理物Wが粒状または粉状となって貯蔵されているホッパーであり、上部開口41a及び下部開口41bが形成されている。下部開口41bは、上部開口41aに対して縮径して形成されており、上部開口41aから供給された被処理物Wを、略一定の排出量で下部開口41bから排出することを可能としている。なお、真空槽10の供給部12において、貯蔵部41の上部開口41aの上方には、外部から被処理物Wを供給可能に供給用窓12aが設けられている。また、ロードセル42は、予め貯蔵部41の空重量がキャンセルされており、これにより貯蔵部41内部の被処理物Wの実重量を計測することが可能となっている。
【0017】
搬送手段43は、貯蔵部41からの被処理物Wを搬送するフィーダ44と、フィーダ44によって搬送された被処理物Wを溶解炉32のルツボ31に投入するシュート45と、フィーダ44を制御する制御部46とで構成されている。フィーダ44は、搬送される被処理物Wが載置されるトラフ47と、トラフ47を支持するとともに、トラフ47に被処理物Wを搬送させるための振動を与える起振部48とを有している。トラフ47は、一端47aが貯蔵部41の下方に配置されていて、貯蔵部41の下部開口41bから被処理物Wの供給を受けることが可能となっているとともに、他端47bが真空槽10の連絡部13近傍となるように延設されている。起振部48は、トラフ47を直接支持する可動部48aと、可動部48aの下方に位置する固定部48bとを有していて、可動部48aと固定部48bとの間には、トラフ47の他端47b側から一端47a側へ傾倒した一対の板バネ48cが取り付けられている。また、可動部48aと固定部48bとの間において、可動部48aからは、固定部48bに向かって可動鉄心48dが突出している。また、固定部48bには、トラフ47が延設される方向で可動鉄心48dと対向配置された電磁石47eが設けられている。
【0018】
ここで、制御部46は、フィーダ44の電磁石48eと接続されているとともに、ロードセル42と接続されている。そして、制御部46は、ロードセル42によって計測された貯蔵部41内の被処理物Wの重量の変化に基づいて、電磁石48eに供給する交流電流の振幅、周波数を制御することが可能となっている。そして、制御部46によって振幅、周波数を設定してフィーダ44の電磁石48eに交流電流を供給すれば、電磁石48eには磁界が発生し、これにより可動鉄心48dには、入力された交流電流と対応する振幅、周波数の振動が与えられることとなる。ここで、電磁石48eが設けられた固定部48bと、可動鉄心48dが設けられた可動部48aとの間には板バネ48cが設けられていることから、トラフ47には、板バネ48cの傾斜に対応して、トラフ47に平行な成分と、トラフ47に垂直な成分とを有する振動が伝達されることとなり、これによりトラフ47上の被処理物Wを、一端47a側から他端47b側へ搬送させることが可能となっている。
【0019】
また、シュート45は、真空槽10内部において、供給部12から本体部11まで連絡部13の内部に挿通されている。シュート45において、供給部12側に位置する上端部45aは、フィーダ44のトラフ47の他端47b下方に配置されていて、大きく開口している。また、本体部11側に位置する下端部45bは、溶解炉32のルツボ31の上方に配置されていて、シュート45の内部を通過する被処理物Wをルツボ31内部に投入可能に下方に向かって開口している。
【0020】
次に、この実施形態の真空誘導溶解炉1によって被処理物Wの真空溶解処理を行う工程の詳細について説明する。
図1に示すように、真空槽10の内部には、被処理物Wを溶解するに際して、大気圧の状態で、予め溶解炉32のルツボ31の内部に被処理物Wを所定量投入しておくとともに、供給機構40の貯蔵部41にも追加装入するのに十分な量だけ被処理物Wを貯蔵しておく。次に、真空ポンプ20によって真空槽10の内部を所定の気圧となるまで排気する。この際、必要に応じて図示しない加熱装置によって真空槽10の内部を加熱して、ベーキングを行っても良い。そして、溶解処理部30において、誘導加熱コイル35に所定の交流電力を供給することで、ルツボ31内部の被処理物Wを加熱し、溶解させる。さらに、被処理物Wの溶解に応じてルツボ31の内部に被処理物Wの追加装入を行う。
【0021】
すなわち、例えば図示しない操作部により所定量の追加装入を指令すると、制御部46は、フィーダ44の電磁石48eに、指令値に対応する所定の振幅、周波数の交流電流を入力する。これによりトラフ47は、入力された交流電流と対応する振幅、周波数で振動することとなる。このため、貯蔵部41の下部開口41bからトラフ47に供給されている被処理物Wは、与えられた振動振幅及び周波数と対応する搬送速度で、トラフ47上を一端47aから他端47bに向かって搬送されることとなる。また、下部開口41bからトラフ47に供給されている被処理物Wがトラフ47上を搬送されることにより、貯蔵部41内部の被処理物Wは、自重によって下部開口41bからトラフ47へ順次供給されることとなる。
【0022】
そして、トラフ47上で搬送される被処理物Wは、トラフ47上における搬送速度と対応する時間当たりの供給量で、他端47b側に位置するシュート45の上端部45aに投入されることとなる。シュート45の上端部45aに投入された被処理物Wは、内部を通過して下端部45bから落下し、ルツボ31の内部に供給されることとなる。この際、制御部46は、電磁石48eに入力する交流電流を制御するとともに、ロードセル42で計測される貯蔵部41内部の被処理物Wの重量の変化を監視している。すなわち、計測される被処理物Wの重量変化から、ルツボ31の内部に供給された被処理物Wの重量を算出し、供給された被処理物Wの時間当たりの供給量と、総供給量とを算出している。そして、算出した時間当たりの供給量が、予め設定された目標値と異なる場合には、電磁石48eに入力する交流電流の振幅、周波数を調整し、被処理物Wの時間当たりの供給量が目標値となるようにフィードバック制御を行う。また、算出された総供給量が目標値に達した場合には、電磁石48eへの交流電流の供給を停止させる。これにより、貯蔵部41内の被処理物Wをフィーダ44によって必要な量だけ取り出してシュート45を介して溶解処理部30のルツボ31に供給することができ、溶解処理部30によって最適な量の被処理物Wを溶解処理することができる。
【0023】
ここで、供給機構40において、貯蔵部41が真空槽10の内部に設けられていることで、溶解処理部30に被処理物Wを供給するに際して、弁の切替や排気手段による再排気などをする必要がないので、貯蔵部41の被処理物Wを速やかに溶解処理部30へ供給することができる。また、被処理物Wの供給に際して、大気開放する必要がないことから、真空槽10の内部が汚染されてしまうことを防止することができ、被処理物Wの溶解物について、品質を向上させることができる。また、搬送手段43は、設定された搬送速度及び搬送時間に応じて、貯蔵部41の被処理物Wを必要となる量だけ取り出して搬送することが可能であり、貯蔵部41の被処理物W全てを一度に搬送するわけではない。このため、必要に応じて繰り返し溶解処理部30に被処理物Wを所望の供給量となるように正確に供給することができる。
【0024】
なお、上記においては、予め溶解処理部30のルツボ31の内部に被処理物Wを収容しておくものとしたが、これに限ることは無く、真空槽10の内部を真空雰囲気とした後に、供給機構40から必要な量の被処理物Wを供給するものとしても良い。また、供給機構40から溶解処理部30へ被処理物Wを供給する際には、制御部46によって制御を行い、所望の量となるまで被処理物Wを供給して停止させた後に、溶解処理を行うものとしたが、これに限ることは無い。予め設定した時間当たりの供給量で被処理物Wを連続供給しながら溶解処理を行うものとしても良い。
【0025】
また、上記においては、搬送手段として、フィーダ44、特に電磁石48eで駆動する電磁フィーダを例に挙げたが、これに限るものでは無い。例えば、振動フィーダとしては、圧電素子による振動で搬送させる圧電フィーダなどとしても良い。あるいは、ベルトコンベアなどを搬送手段として利用しても良い。しかしながら、本実施形態で説明した電磁フィーダを利用することで、圧電フィーダと比較して高い搬送能力を確保することができる。また、ベルトコンベアと比較して小型化を図ることができる。また、搬送手段の一部として、貯蔵部41からの被処理物Wの供給量を制御するために、貯蔵部41の下部開口41bに開閉可能な弁を設けるものとしても良い。
【0026】
また、真空槽10において、溶解処理部30の溶解炉32が設けられた本体部11と、供給機構40の貯蔵部41が設けられた供給部12とは、ともに真空ポンプ20で排気されるものとしたが、これに限るものでは無い。本体部11と供給部12とは、隔離されていて、別々の排気系統で排気するものとしても良い。また、真空槽10を本体部11と供給部12とに分けずに、溶解処理部30の溶解炉32と供給機構40の貯蔵部41とを一つのエリア内に配置するものとしても良い。
【0027】
また、本実施形態では、真空処理装置の一例として、真空誘導溶解炉を例として挙げたが、これに限るものでは無く、真空槽を有し、真空雰囲気で被処理物に対して物理的あるいは化学的な処理を行う様々な装置に適用可能である。
【0028】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の実施形態の真空誘導溶解炉の概要を示す全体図である。
【符号の説明】
【0030】
1 真空誘導溶解炉(真空処理装置)
10 真空槽
10a 内部
20 真空ポンプ(排気手段)
30 溶解処理部(処理手段)
31 ルツボ
35 誘導加熱コイル
40 供給機構
41 貯蔵部
42 ロードセル(計測手段)
43 搬送手段
46 制御部
47 トラフ
48 起振部
W 被処理物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空槽と、該真空槽の内部を真空雰囲気に排気可能な排気手段と、前記真空槽の内部で被処理物に所定の処理を行う処理手段と、該処理手段に前記被処理物を供給する供給機構とを備えた真空処理装置であって、
前記供給機構は、前記真空槽の内部に設けられ、前記被処理物が貯蔵された貯蔵部と、
該貯蔵部から前記被処理物を所望の量だけ取り出して前記処理手段へ搬送する搬送手段とを備えることを特徴とする真空処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の真空処理装置において、
前記搬送手段は、一方側が前記貯蔵部の前記被処理物を受け取り可能に配置されるとともに、他方側が前記処理手段に前記被処理物を供給可能に配置されたトラフと、
該トラフ上の前記被処理物を前記一方側から前記他方側に向かって移動可能に前記トラフに振動を与える起振部とを有することを特徴とする真空処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の真空処理装置において、
前記搬送手段は、前記トラフ上の前記被処理物が所望の搬送量となるように前記起振部による振動を制御する制御部を有することを特徴とする真空処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の真空処理装置において、
前記供給機構は、前記貯蔵部内の前記被処理物の重量を計測する計測手段を備え、
前記搬送手段の前記制御部は、前記計測手段によって計測される前記被処理物の重量の変化に応じて前記起振部による振動を制御することを特徴とする真空処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の真空処理装置において、
前記処理手段として、前記被処理物を収容するルツボと、該ルツボの外側に設けられて電源の供給により該ルツボ内の前記被処理物の加熱を行う誘導加熱コイルとを有し、前記ルツボ内の前記被処理物を溶解させる真空誘導溶解炉であることを特徴とする真空処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−22920(P2010−22920A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186030(P2008−186030)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】