説明

眼用レンズを製造するための型枠

【課題】さまざまな種類のソフトコンタクトレンズを生産するのに使用できるレンズ型枠を提供する。
【解決手段】本発明は、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とする、MFIが21未満の熱可塑性ポリオレフィンから作った、改良された型枠部品を開示しており、この型枠部品は、眼用レンズの型枠の製造という用途で必要とされるような高精密かつ高精度を得るための、例えば、連続プロセス、インラインプロセス、又はバッチプロセスのような製造プロセスで使用可能である。また、本発明には、その改良された型枠部品を使用して作った眼用レンズが含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズの製造に役立つ型枠及びその型枠の使用方法を説明するものである。
【背景技術】
【0002】
コンタクトレンズは、視力改善のために1950年代から商業的に使用されている。最初のコンタクトレンズは硬質材料から作られていた。このレンズは広く使用されているが、最初はあまり快適でないことと、酸素透過性が比較的低いことから、全ての患者に適するものではない。その後の開発で、ヒドロゲルをベースにしたソフトコンタクトレンズができ、今日、非常の普及している。このレンズは、硬質材料から作られたコンタクトレンズより酸素透過性が高く、また、多くの場合により装着感がよい。固いプラスチック部品を旋盤加工することで量産するハードレンズと異なり、展性のあるソフトコンタクトレンズは、多くの場合、2つ一組の型枠を用いてレンズを成形することにより量産される。ここで、この2つ一組の型枠の各半部は、所望の最終的なレンズと同一のトポグラフィを有している。
【0003】
レンズの2つ一組の型枠には、その凸面が出来上がったレンズの後面カーブ(back curve)に対応している雄部材と、その凹面が出来上がったレンズの前面カーブ(front curve)に対応している雌部材とが含まれている。このような型枠を用いてレンズを作成するには、未硬化のレンズ配合物を型枠の半部の凹面及び凸面の間に配置し、続いて硬化させる。硬化中、レンズ配合物は、普通、型枠に付着する。通常、硬化したレンズを型枠の表面からはずすために、硬化したレンズ及び型枠を、その後、液状媒体で処理する。
【0004】
このようなレンズの作成は簡単であるが、使用可能なレンズを生産するために満たさなければならない条件がたくさんある。第一に、型枠を作る材料は、未硬化のレンズ配合物と化学的に相性がよい特性を有していなければならない。第二に、型枠の材料は、硬化条件に適したものでなければならない。例えば、レンズは、熱及び光の一方又は両方で硬化させることがある。未硬化のポリマーまで光を伝搬させることでレンズを硬化させる場合には、型枠が適切な波長の光の透過を許容することが重要である。第三に、型枠の材料は、硬化したレンズをはずせなくなるほど硬化したレンズにはりついてはならない。多くの場合、レンズは、繰り返し可能かつ予測可能な方法で剥離できる状態で指定のレンズ用型枠の半部に取り外し可能に付着することが重要である製造環境で生産される。このために、型枠を作るのに適当な材料を選択するということが、ソフトコンタクトレンズ製造者にとっての関心事であり続けている。
【0005】
レンズ用の2つ一組の型枠を作成するのに、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチル・メタクリレート、及び主鎖に脂環式部分を含む変性ポリオレフィンのような材料を使用することが一般的である。これらの材料は有用であるが、さまざまなレンズ配合物、特にシリコンヒドロゲル・レンズ配合物の発見に伴い、他の有用な型枠材料が必要となっている。
【0006】
さらに、この分野での新たな成果により、レンズの快適さを向上させるために、ポリマーでコーティングされたヒドロゲル及びシリコンヒドロゲルからコンタクトレンズが作られるようになった。多くの場合、レンズは、硬化したレンズをポリマーで処理することによってコーティングされる。最近、ポリマーでコーティングしたレンズは、2つ一組の型枠の表面をポリマーでコーティングし、未硬化の配合物をコーティングしたレンズ型枠に加え、レンズを硬化させ、そしてその後に硬化したレンズを型枠からはずすことで生産される。硬化したレンズを型枠からはずすと、硬化したレンズの表面は、もともとは型枠の表面に付着していたポリマーでコーティングされている。
【0007】
よって、さまざまな種類のソフトコンタクトレンズを生産するのに使用できるレンズ型枠を生産するというニーズが満たされずに残っている。
【発明の開示】
【0008】
したがって、本発明には、眼用レンズを作るのに有用な、改良された型枠及びプロセスが含まれる。本発明によれば、2つ以上の型枠部品から構成された、所望形状のキャビティの中でレンズ形成用混合物を硬化させる。型枠部品の少なくとも一つは、チーグラ・ナッタ(Zieglar-Natta)触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂であって、ASTM D 1238によるメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から成型される。キャビティは、眼用レンズの形状及び大きさになっていることがある。
【0009】
実施形態には、重合可能なレンズ形成用混合物をキャビティに配置でき、そして、型枠部品及び重合可能な成分を重合開始用放射で感光させることができるように、型枠部品の少なくとも一つが重合開始用放射に対して透明である、ということが含まれることがある。
【0010】
一部の実施形態は、第1の型枠部品及び第2の型枠部品を有する眼用レンズを成形するための型枠であって、第1の型枠部品及び第2の型枠部品が互いに相対的に配置されて、眼用レンズを形成するのに適した形状及び大きさのキャビティを形成する型枠を有することもある。第1の型枠部品及び第2の型枠部品の少なくとも一方がレンズ形成面を有していることがある。さらに、第1の型枠部品及び第2の型枠部品の少なくとも一方は、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂であってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から作られている。
【0011】
他の態様では、一部の実施形態において、第1の型枠部品及び第2の型枠部品を剥離しやすくするため、又は硬化したレンズの成形面への付着を軽減するために、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂に添加剤を加えることがある。
【0012】
実施形態には、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィンであってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から形成された型枠部品の面に未硬化のレンズ配合物を一定量配置し、そして、そのレンズ配合物に適した条件下でそのレンズ配合物を硬化させることによって製造されたレンズが含まれていることもある。レンズには、例えば、シリコンヒドロゲル配合物又はヒドロゲル配合物が含まれていることがある。一定の例では、アクアフィルコンA(acquafilcon A)、バラフィルコンA(balafilcon A)、及びロトラフィルコンA(lotrafilcon A)、エタフィルコンA(etafilcon A)、ジェニフィルコンA(genifilcon A)、レネフィルコンA(lenefilcon A)、ポリマコン(polymacon)及びガリフィルコンA(galyfilcon A)、及びセノフィルコンA(senofilcon A)から形成されたレンズが含まれることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
したがって、本発明には、眼用レンズを作るための型枠及び方法が含まれる。本発明によれば、眼用レンズの量産に使用できる、複数部品からなる型枠の少なくとも一つの部品が、メルトフローレートが21g/10分未満の熱可塑性ポリオレフィン樹脂から射出成形されている、又は他の方法で作られている。本明細書で使用する限り、「メルトフローレート(melt flow rate)」という用語は、産業で公知の規格ASTM D 1238を意味する。
【0014】
型枠部品は、他の点では当該分野で公知の方法により、熱可塑性ポリオレフィン樹脂から射出成形してもよい。射出成形装置は、通常、精密金型を有し、この精密金型は、例えば真鍮、ステンレススチール、若しくはニッケル、又はそれらの組合せのような金属から機械加工されたものである。通常、金型は所望の形状に作られ、そして、機械加工又は研磨を行って精密な表面品質を得ている。精密な表面にした結果、その金型から射出成形する型枠部品の品質が向上する。
【0015】
本発明の教示するところによれば、型枠部品は、精密金型及び特定の種類の熱可塑性ポリオレフィン樹脂を使用して作られる。この特定種類の熱可塑性ポリオレフィン樹脂は、(後で詳述するように)眼用レンズの量産に適した特質をもたらすものである。特に、本発明によれば、型枠部品は、精密金型を用いて、眼用レンズの量産に資するよう特性を改善した眼用レンズを製造するために、MFIが21g/10分未満のポリオレフィンから作られる。
【0016】
MFIが21g/10分未満であるポリオレフィン製の型枠材料を利用することの利点には、量産されたレンズにおいて穴、切りくず(chips)、及び傷が減るということが含まれうる。
【0017】
レンズの穴は、主に表面張力及び環境条件(すなわち、静電気/地域)を因子とするものであり、ポリオレフィンの表面は、これらの条件に影響されにくい。切りくず(chip)、傷、及び他のレンズのエッジにおける欠陥は、通常、成型品取り出し工程の強引さを因子とするものである。MFIが21g/10分未満のポリオレフィンから作られたポリオレフィン製の後面カーブ用型枠部品を使用すると、レンズは攻撃にさらされにくい。さらに、レンズの型枠の量産にチーグラ・ナッタ触媒のポリオレフィンを使用すると、通常、メタロセン触媒のポリオレフィンに比べて問題が経済的に解決される。
【0018】
よって、MFIが21g/10分未満である型枠部品は、他の樹脂よりも効率的で、生産高もより大きい眼用レンズの製造方法を提供でき、それでいて、径のバラツキ及び表面品質のような品質特性が同一又はより良いレンズを提供する。
【0019】
一般に、本明細書で言及するように、チーグラ・ナッタ触媒は、ある温度で化学反応の速度を加速させるが、その反応で別の物質に変わったり、消費されてしまったりしない物質である。チーグラ・ナッタ触媒には、(例えばTiCl3のような)遷移金属及び(例えば第III属の金属のような)共触媒が含まれ、そして反応に関与するが、化学反応物でも化学生成物でもない。
【0020】
市販のチーグラ・ナッタ触媒のポリオレフィン材料であってMFIが21g/10分未満であるものには、例えば、a)チーグラ・ナッタ・ポリプロピレン(ときどきznPPと呼ばれる)樹脂であって、FDA規則21 CFR(c)3.2による清浄な成型用のPP 9544 MEDクラリファイド・ランダム共重合体(clarified random copolymer)の名称で入手可能な樹脂であり、米国テキサス州ヒューストンのエクソンモービル化学社(ExxonMobile Chemical Co.)ポリマーグループによって入手可能になっており、エチレン基を有し、MFIが約12g/10分であるランダム共重合体(znPP)(以下、9544 MEDという);b)MFIが18g/10分であるアトフィナ・ポリプロピレン3761 (Atofina Polypropylene 3761);及びc)MFIが18g/10分であるアトフィナ・ポリプロピレン3620WZ (Atofina Polypropylene 3620WZ)、がある。
【0021】
レンズ
本明細書で使用する限り、「レンズ」は、眼の中にある、又は眼に載っているあらゆる眼用装置をいう。このような装置は、光学的な補正を行うことができ、又は、美容用であることもある。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼球内レンズ、重ねレンズ(overlay lens)、眼内挿入物(ocular insert)、オプティカルインサート(optical insert)、又は、それを用いて視力を補正又は変更する、若しくはそれを用いて視界を妨げることなく眼の生理機能(例えば、瞳の色)を美容の点から向上させる他の同様の装置をいう。
【0022】
本明細書で使用する限り、「レンズ形成用混合物」という用語は、反応して、すなわち硬化して、眼用レンズを形成する材料の混合物をいう。このような混合物には、重合可能な成分(モノマー)、紫外線遮断剤及びティント(tints)のような添加剤、光開始剤又は触媒、及び、コンタクトレンズ又は眼球内レンズのような眼用レンズで望まれることのある他の添加剤が含まれる。適するレンズ形成用混合物は、米国特許第5,849,209号(架橋剤及び開始剤を含む反応性モノマーとして);同第5,770,669号(モノマー及び開始剤を含む予備重合混合物として);及び同第5,512,205号(架橋剤及び開始剤を含む、プリポリマーにモノマーが加わったものとして)にさらに多く記載されている。
【0023】
一部の実施形態では、好ましい種類のレンズにシリコンエラストマー又はヒドロゲルから作られたレンズが含まれていることがあり、ヒドロゲルは、例えばシリコンヒドロゲル、シリコン/親水性マクロマーを備えたものを含むフルオロヒドロゲル、シリコンを基剤とするモノマー、開始剤、及び添加剤などである。レンズ形成用混合物、又はソフトコンタクトレンズの配合物は、例えば、米国特許第5,710,302号、WO 9421698、EP 406161, JP2000016905, 米国特許第5,998,498号、2001年9月20日に出願の米国特許出願第09/957,299号、同第09/532,943号、米国特許第6,087,415号、同第5,760,100号、同第5,776,999号、同第5,789,461号、同第5,849,811号及び同第5,965,631号に開示されている。ソフトコンタクトレンズを形成するのに使用できる他のポリマーは、例えば、以下の米国特許第6,419,858号、同第6,308,314号及び同第6,416,690号に開示されている。
【0024】
非限定的な例として、一部の好ましい種類のレンズは、エタフィルコンA(etafilcon A)、ジェニフィルコンA(genifilcon A)、レネフィルコンA(lenefilcon A)、ポリマコン(polymacon)、アクアフィルコンA(acquafilcon A)、バラフィルコンA(balafilcon A)、 ロトラフィルコンA(lotrafilcon A)、ガリフィルコンA(galyfilcon A)、セノフィルコンA(senofilcon A)、 シリコンヒドロゲルを含むこともある。
【0025】
型枠
次に図1を参照すると、眼用レンズのための典型的な型枠の図が示されている。本明細書で使用する限り、「型枠」及び「型枠アセンブリ」という用語は、キャビティ105を有する型であって、レンズ形成用混合物(不図示)の反応、すなわち硬化によって所望形状の眼用レンズが生産されるように、そのキャビティ105にレンズ形成用混合物を一定量入れることができるものをいう。本発明の型枠及び型枠アセンブリ100は、2つ以上の「型枠部品」又は「型枠部分」101−102から構成されている。型枠部品101−102は、中でレンズを形成できるキャビティ105が型枠部品101−102の間に形成されるように合わせることができる。型枠部品101−102をこのように組むのは、好ましくは一時的なものである。レンズが形成されたら、型枠101−102は、レンズを取り出すために再びばらすことができる。
【0026】
「型枠部品」は、この用語を本明細書で使用する限りにおいては、型枠101−102の一部であって、型枠101−102の他の一部と組み合わせると型枠100(型枠アセンブリ100ともいう)を形成するものをいう。少なくとも一つの型枠部品101−102は、その表面103−104の少なくとも一部をレンズ形成用混合物と接触させ、レンズ形成用混合物が反応する又は硬化することによって、その表面103−104が所望の輪郭及び形状を接触しているレンズの部位に与えるようにしている。同じことは、少なくとも一つの他の型枠部品101−102にも当てはまる。
【0027】
このように、例えば、好ましい実施形態では、型枠アセンブリ100が2つの部品101−102、つまり、凹形雌部分(前側部分)102及び凸形雄部分(後側部分)101から構成され、その間にキャビティが形成されている。レンズ形成用混合物と接触する凹面104の部分は、この型枠アセンブリ100で製造する眼用レンズの前面カーブの曲率を有し、十分に滑らかであり、かつ、凹面104と接触しているレンズ形成用混合物の重合により形成される眼用レンズの表面が光学的に許容できるものとなるように形成されている。
【0028】
一部の実施形態では、前側型枠部分102が、円形の周縁部108を囲み、かつ、それと一体である環状フランジをも有することがあり、この環状フランジは、周縁部108からその軸に垂直な平面に沿って延びている(図示せず)。
【0029】
後側型枠部分101は、中央湾曲部を有し、この中央湾曲部は凹面106、凸面103及び円形周縁部107を備えており、レンズ形成用混合物と接触する凸面103の部分は、この型枠アセンブリ100で製造する眼用レンズの後面カーブの曲率を有し、十分に滑らかであり、後面103と接触しているレンズ形成用混合物の反応又は硬化により形成される眼用レンズの面が光学的に許容できるものとなるように形成されている。したがって、前側型枠半部102の内側凹面104は眼用レンズの外側の面を定め、一方、ベース型枠半部101の外側凸面103は眼用レンズの内側の面を定める。
【0030】
一部の好ましい実施形態では、型枠100が上記のように2つの型枠部品101−102を有し、型枠100の前面カーブ部品102又は後面カーブ部品101の一方又は両方がチーグラ・ナッタ触媒によるポリオレフィン・ランダム共重合体及び/又は単重合体であってMFIが約21g/10分以下であるもの、例えば9544 MEDなどから作られることがある。
【0031】
本発明による型枠100を作るための一部の好ましい方法では、射出成形が公知の方法で利用されるが、実施形態は、例えば旋盤加工、ダイヤモンドターニング、又はレーザ切断を含む他の技法によって作られた型枠を含むこともある。
【0032】
通常、レンズは、両型枠部品101−102の少なくとも一つの面で作られる。しかし、必要であれば、レンズの一方の面を型枠部品101−102で形成し、そして、他方のレンズ面を旋盤加工法又は他の方法を用いて形成してもよい。
【0033】
本明細書で使用する限り、「レンズ形成面」は、レンズを成型するのに使用する面103−104を意味する。一部の実施形態では、このような面103−104が全て光学品質仕上げになっている。光学品質仕上げとは、面が十分に滑らかであり、成形面と接触しているレンズ形成用材料の重合によって作られたレンズ面が光学的に許容できるものとなるように形成されていることを意味する。さらに、一部の実施形態では、レンズ形成面103−104がレンズ面に所望の光学的性質を与えるのに必要な形状をしていることがある。所望の光学的性質には、球面度数、非球面度数及び円柱度数、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正(corneal topography correction)等、及びそれらの任意の組合せが含まれるが、これに限定はされない。
【0034】
方法
次に図2を参照すると、本発明の一部の実施形態は、以下に説明するステップを含む、から基本的に構成される、又は構成される眼用レンズ作成方法を含む。201では、チーグラ・ナッタ触媒によるポリオレフィン・ランダム共重合体及び/又は単重合体であってMFIが約21g/10分以下であるものの樹脂に可塑性を持たせ、射出成形プロセスで使用できるように用意する。射出成形の方法は公知であり、通常、樹脂ペレットを融点以上に加熱することを伴う。
【0035】
202では、可塑性を持たせた樹脂を射出成形金型に注入する。射出成形金型は、眼用レンズの型枠部品101−102の作成に適するように形づくられている。203では、射出成形金型が、通常、適当な時間パックアンドホールド状態(pack and hold status)に置かれる。この適当な時間は、例えば利用する樹脂及び型枠部品の形状と大きさに左右されることがある。204では、形成された型枠部品101−102の冷却が可能になり、そして205では、型枠101−102を排出する、又は他の方法で射出成形金型から取り出すことができる。
【0036】
次に図3を参照すると、本発明の一部の実施形態は、以下のステップを含む、から基本的に構成される、又は構成される眼用レンズ作成方法を含む。301では、一つ以上の型枠部品101−102が作成され、この型枠部品は、チーグラ・ナッタ触媒によるポリオレフィン・ランダム共重合体及び/又は単重合体であってASTM D 1238によるMFIが約21g/10分以下であるものを含む、から基本的に構成される、又は構成される。302では、未硬化のレンズ配合物をその一つ以上の型枠部品101−102に一定量入れ、そして303では、そのレンズ配合物を適当な条件下で硬化させる。その他のステップとして、例えば硬化したレンズを型枠部品101−102から外れるまで水和させ、レンズから眼にとって非常に不快な薬品を浸出させることが含まれることがある。
【0037】
本明細書で使用する限り、「未硬化」という用語は、レンズ配合物が最終的に硬化してレンズを作る前のレンズ配合物の物理的な状態をいう。一部の実施形態では、レンズ配合物に、一度だけ硬化するモノマーの混合物が含まれていることがある。他の実施形態には、モノマー、一部硬化したモノマー、マクロマー及び他の成分が入っている一部硬化したレンズ配合物が含まれていることがある。一部硬化している配合物の例は、米国特許第6,419,858号、同第6,308,314号及び同第6,416,690号に開示されている。
【0038】
本明細書で使用する限り、「適当な条件下で硬化させる」という句は、光、熱、及び適当な触媒を使用して硬化したレンズを製造するなどのような、適するあらゆるレンズ配合物硬化方法をいう。
【0039】
添加剤
チーグラ・ナッタを基剤とするポリオレフィンに加えて、本発明の型枠には、レンズ形成面の剥離を容易にする、硬化したレンズの成形面への付着を低減させる、又は両方を行う添加剤が入っていることがある。例えば、ステアリン酸の金属塩若しくはアンモニウム塩、アミド・ワックス、ポリエチレン若しくはポリプロピレン・ワックス、有機リン酸エステル、グリセロールエステル又はアルコールエステルのような添加剤を型枠の形成前にポリプロピレンに加えても良い。このような添加剤の例には、限定はされないが、以下のものが含まれる:ダウ・シロサーネ(Dow Siloxane) MB50-321(シリコン・ディスパージョン)(silicone dispersion)、ヌークレル(Nurcrel) 535 & 932(エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、登録番号25053-53-6)、エルカマイド(Erucamide)(脂肪酸アミド、登録番号112-84-5)、オレアミド(Oleamide) (脂肪酸アミド、登録番号301-02-0)、マイカ(Mica) (登録番号12001-26-2)、アトマー(Atmer) 163 (脂肪アルキルジェエタノールアミン、登録番号107043-84-5)、プルロニック(Pluronic) (ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン・ブロック共重合体、登録番号106392-12-5)、テトロニック(Tetronic) (アルキオキシレーテッドアミン(alkyoxylated amine)110617-70-4)、フルーラ(Flura) (登録番号7681-49-4)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、スーパーフロス・アンチブロック(Super-Floss anti block) (スリップ/粘着防止剤、登録番号61790-53-2)、ゼオスフィア・アンチブロック(Zeospheres anti-block) (スリップ/粘着防止剤)、アムパセット(Ampacet) 40604 (脂肪酸アミド)、ケムアミド(Kemamide)(脂肪酸アミド)、リコワックス(Licowax) 脂肪酸アミド、ハイパーマー(Hypermer) B246SF、XNAP、ポリエチレングリコールモノラウレート(静電防止剤)エポキシ化大豆油、タルク(水和珪酸マグネシウム)、炭酸カルシウム、ベヘン酸、テトラステアリン酸ペンタエリスリトール(pentaerythritol tetrastearate)、コハク酸、エポレンE43−ワックス(epolene E43-Wax)、メチルセルロース、コカミド(cocamide)(粘着防止剤、登録番号61789-19-3)、ポリビニルピロリジノン(360,000 MW)及び米国特許第5,690,865号に開示されている添加剤。米国特許第5,690,865号は、言及したことでその全文を本明細書に含めるものとする。
【0040】
一部の実施形態では、好ましい添加剤にポリビニルピロリジノン、ステアリン酸鉛及びグリセロールモノステアレートが含まれることがあり、ポリマーの総重量に基づいた添加剤の重量パーセントは、約0.05から約10.0重量パーセントであり、好ましくは約0.05から約3.0、最も好ましくは約2.0重量パーセントである。
【0041】
界面活性剤
添加剤に加えて、レンズ形成面の剥離は、1つ以上のレンズ形成面103−104に界面活性剤を塗布することにより容易にすることができる。適する界面活性剤の例には、米国特許第5,837,314号に記載のように、トウィーン(Tween)の界面活性剤、特にトウィーン80(Tween 80)が含まれることがある。界面活性剤の他の例は、米国特許第5,264,161号に開示されている。
【0042】
型枠特性の比較
次に図4を参照すると、メタロセン触媒を基剤とするポリプロピレン406−407及びチーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリプロピレン408−409であってMFI<21であるものから作られたサンプル型枠についてのいろいろな型枠特性401−405を定量化するデータを含む表400が与えられている。
【0043】
測定した型枠特性には、半径標準偏差ザイゴ(Zygo)401、半径標準偏差ブラスII(Brass II)402、表面のムラ403、半径のバラツキ・デルタ404、及び表面のムラ405が含まれている。種々の型枠サンプルのサンプルサイズ410も示されている。おおむね、フローレートが21g/10分未満のチーグラ・ナッタ型枠で作られたサンプルレンズは、メタロセン触媒を基剤とするポリプロピレンから作られた型枠と同等またはそれより良い品質の徴候をもたらした。例えば、半径標準偏差の測定値401−402は、メタロセン触媒を基剤とするポリオレフィンの型枠406−407と同程度又はそれより良い半径標準偏差の測定値を有する型枠408−409を、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィンが製造することを示している。
【0044】
さらに、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィンより製造された型枠408−409は、表面のムラPV(ウェーブ)403及び半径のバラツキ・デルタ404が、メタロセン触媒を基剤とするポリプロピレンの型枠406−407に比べて、より好ましい値であった。表面特性値405は、両方の種類の型枠406−409について同様であった。
【0045】
したがって、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィンは、同一又はより優れた品質の型枠を作ることができ、また、チーグラ・ナッタ触媒を基剤にするポリオレフィンに関係した経済的な利益及び他の利益をも与えるのである。
【0046】
結論
上述し、かつ、さらに特許請求の範囲で定義した本発明は、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とした熱可塑性ポリオレフィンであってMFIが約21g/10分以下であるものから作られる型枠部品101−102を、量産環境に適したプロセスとともに提供する。量産環境に適したプロセスは、例えば、連続プロセス、インラインプロセス、及びバッチプロセスなどである。型枠部品101−102は、高精度・高精密で提供でき、それ故に眼用レンズを用途とする型枠の量産に適している。例えば、9544 MED、つまり、1.5%のエチレン基を備えたランダム共重合体(znPP)であってMFIが12g/10分であるものが、本発明のいくつか特定の実施形態を実行するのに使用できる市販のポリオレフィンである。
【0047】
好ましい態様は以下の通りである:
(1)眼用レンズを成型する改良された方法であって、2つ以上の型枠部品で作られた所望形状のキャビティの中でレンズ形成用混合物を硬化させる方法であり、
改良した点に、前記型枠部品の少なくとも一つが、チーグラ・ナッタ(Zieglar-Natta)触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂であってASTM(米国材料試験協会) D 1238によるメルトフローレート(melt flow rate)が21g/10分未満である樹脂から成型されていることが含まれる、方法。
(2)態様1の方法であって、第1の型枠部品が凹面を備え、第2の型枠部品が凸面を備え、かつ、少なくとも前記第2の型枠部品がチーグラ・ナッタ触媒を基剤とする熱可塑性ポリオレフィン樹脂であってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から成型されている、方法。
(3)態様1の方法であって、第1の型枠部品が凹面を備えており、第2の型枠部品が凸面を備えており、前記第1の型枠及び前記第2の型枠の両方がチーグラ・ナッタ触媒を基剤とする熱可塑性ポリオレフィン樹脂であってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から成型されている、方法。
(4)態様1の方法であって、前記型枠部品の少なくとも一つが重合を開始する放射に対して透明であり、前記キャビティが眼用レンズの形状と大きさを備え、前記方法は、
重合可能な成分を含むレンズ形成用混合物を前記キャビティに配置するステップと、
前記型枠部品及び前記重合可能な成分を重合を開始する放射で感光させるステップと、
をさらに含む、方法。
(5)態様4の方法であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂は、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とする樹脂であってMFI(melt flow index)が9から18g/10分である樹脂を含む、方法。
【0048】
(6)態様4の方法であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂は、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とする樹脂であってMFIが10から14g/10分である樹脂を含む、方法。
(7)態様4の方法であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂は、0%から5%を含む範囲のエチレン基を含む、方法。
(8)眼用レンズを形成するための型枠であって、
眼用レンズを形成するのに適した形状及び大きさのキャビティを形成するように互いに相対的に配置されている第1の型枠部品及び第2の型枠部品を具備し、
前記第1の型枠部品及び前記第2の型枠部品の少なくとも一方がレンズ形成面を備えており、
前記第1の型枠部品及び前記第2の型枠部品の少なくとも一方がチーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂であってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から作られている、型枠。
(9)態様8の型枠であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂の添加剤であって前記1の型枠部品及び前記第2の型枠部品の剥離を容易にするのに適した添加剤をさらに含む、型枠。
(10)態様8の型枠であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂の添加剤であって硬化したレンズの前記成型面への付着を軽減するのに適した添加剤をさらに含む、型枠。
【0049】
(11)所与の方法により製造されたレンズであって、当該方法は、
チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィンであってメルトフローレートが21g/10分未満であるポリオレフィンを含む樹脂から形成された型枠部品の面に未硬化のレンズ配合物を配置するステップと、
前記レンズ配合物に適した条件下で前記レンズ配合物を硬化させるステップと、
を含む、レンズ。
(12)態様11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、シリコンヒドロゲル配合物を含む、レンズ。
(13)態様11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、ヒドロゲル配合物を含む、レンズ。
(14)態様11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、アクアフィルコンA(acquafilcon A)、バラフィルコンA(balafilcon A)、及びロトラフィルコンA(lotrafilcon A)の少なくとも一つを含む、レンズ。
(15)態様11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、エタフィルコンA(etafilcon A)、ジェニフィルコンA(genfilcon A)、レネフィルコンA(lenefilcon A)、ポリマコン(polymacon)、ガリフィルコンA(galyfilcon A)、及び、セノフィルコンA(senofilcon A)の少なくとも一つを含む、レンズ。
【0050】
(16)態様11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、セノフィルコンAを含む、レンズ。
(17)態様11のレンズであって、前記型枠部品の表面が光学品質に仕上げられた面を含み、前記光学品質に仕上げられた面は、眼用レンズの前面カーブ及び眼用レンズの後面カーブの少なくとも一方に適する形状及び大きさに形成されている、レンズ。
(18)態様11のレンズであって、前記チーグラ・ナッタ触媒が非分岐ポリオレフィン鎖の作成に関わる触媒である、レンズ。
(19)態様11のレンズであって、前記硬化したレンズ配合物が付着している型枠部品から前記硬化したレンズ配合物が外れるまで前記硬化したレンズ配合物を水和させるステップをさらに含む方法で製造されている、レンズ。
(20)態様11のレンズであって、レンズを濾して眼にとって非常に不快な薬剤を除去するステップをさらに含む方法によって製造されている、レンズ。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の一部の実施形態による型枠アセンブリを示している。
【図2】図2は、型枠部品を作るために本発明の一部の実施形態を実施している間に実行することができる典型的なステップのフローチャートである。
【図3】図3は、眼用レンズを作るための本発明の一部の実施形態を実施している間に実行することができる典型的なステップのフローチャートである。
【図4】図4は、メタロセン(metallocene)触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂から作った型枠と比較した、チーグラ・ナッタ触媒の樹脂から作った型枠の品質を示す典型的なデータを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼用レンズを成型する改良された方法であって、2つ以上の型枠部品で作られた所望形状のキャビティの中でレンズ形成用混合物を硬化させる方法であり、
改良した点に、前記型枠部品の少なくとも一つが、チーグラ・ナッタ(Zieglar-Natta)触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂であってASTM(米国材料試験協会) D 1238によるメルトフローレート(melt flow rate)が21g/10分未満である樹脂から成型されていることが含まれる、方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、第1の型枠部品が凹面を備え、第2の型枠部品が凸面を備え、かつ、少なくとも前記第2の型枠部品がチーグラ・ナッタ触媒を基剤とする熱可塑性ポリオレフィン樹脂であってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から成型されている、方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、第1の型枠部品が凹面を備えており、第2の型枠部品が凸面を備えており、前記第1の型枠及び前記第2の型枠の両方がチーグラ・ナッタ触媒を基剤とする熱可塑性ポリオレフィン樹脂であってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から成型されている、方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、前記型枠部品の少なくとも一つが重合を開始する放射に対して透明であり、前記キャビティが眼用レンズの形状と大きさを備え、前記方法は、
重合可能な成分を含むレンズ形成用混合物を前記キャビティに配置するステップと、
前記型枠部品及び前記重合可能な成分を重合を開始する放射で感光させるステップと、
をさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項4の方法であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂は、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とする樹脂であってMFI(melt flow index)が9から18g/10分である樹脂を含む、方法。
【請求項6】
請求項4の方法であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂は、チーグラ・ナッタ触媒を基剤とする樹脂であってMFIが10から14g/10分である樹脂を含む、方法。
【請求項7】
請求項4の方法であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂は、0%から5%を含む範囲のエチレン基を含む、方法。
【請求項8】
眼用レンズを形成するための型枠であって、
眼用レンズを形成するのに適した形状及び大きさのキャビティを形成するように互いに相対的に配置されている第1の型枠部品及び第2の型枠部品を具備し、
前記第1の型枠部品及び前記第2の型枠部品の少なくとも一方がレンズ形成面を備えており、
前記第1の型枠部品及び前記第2の型枠部品の少なくとも一方がチーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂であってメルトフローレートが21g/10分未満である樹脂から作られている、型枠。
【請求項9】
請求項8の型枠であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂の添加剤であって前記1の型枠部品及び前記第2の型枠部品の剥離を容易にするのに適した添加剤をさらに含む、型枠。
【請求項10】
請求項8の型枠であって、前記チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィン樹脂の添加剤であって硬化したレンズの前記成型面への付着を軽減するのに適した添加剤をさらに含む、型枠。
【請求項11】
所与の方法により製造されたレンズであって、当該方法は、
チーグラ・ナッタ触媒を基剤とするポリオレフィンであってメルトフローレートが21g/10分未満であるポリオレフィンを含む樹脂から形成された型枠部品の面に未硬化のレンズ配合物を配置するステップと、
前記レンズ配合物に適した条件下で前記レンズ配合物を硬化させるステップと、
を含む、レンズ。
【請求項12】
請求項11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、シリコンヒドロゲル配合物を含む、レンズ。
【請求項13】
請求項11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、ヒドロゲル配合物を含む、レンズ。
【請求項14】
請求項11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、アクアフィルコンA(acquafilcon A)、バラフィルコンA(balafilcon A)、及びロトラフィルコンA(lotrafilcon A)の少なくとも一つを含む、レンズ。
【請求項15】
請求項11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、エタフィルコンA(etafilcon A)、ジェニフィルコンA(genfilcon A)、レネフィルコンA(lenefilcon A)、ポリマコン(polymacon)、ガリフィルコンA(galyfilcon A)、及び、セノフィルコンA(senofilcon A)の少なくとも一つを含む、レンズ。
【請求項16】
請求項11のレンズであって、前記未硬化のレンズ配合物は、セノフィルコンAを含む、レンズ。
【請求項17】
請求項11のレンズであって、前記型枠部品の表面が光学品質に仕上げられた面を含み、前記光学品質に仕上げられた面は、眼用レンズの前面カーブ及び眼用レンズの後面カーブの少なくとも一方に適する形状及び大きさに形成されている、レンズ。
【請求項18】
請求項11のレンズであって、前記チーグラ・ナッタ触媒が非分岐ポリオレフィン鎖の作成に関わる触媒である、レンズ。
【請求項19】
請求項11のレンズであって、前記硬化したレンズ配合物が付着している型枠部品から前記硬化したレンズ配合物が外れるまで前記硬化したレンズ配合物を水和させるステップをさらに含む方法で製造されている、レンズ。
【請求項20】
請求項11のレンズであって、レンズを濾して眼にとって非常に不快な薬剤を除去するステップをさらに含む方法によって製造されている、レンズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−76295(P2006−76295A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−244703(P2005−244703)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(500092561)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (153)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway−Suite 100, Jacksonville, Florida 32256, U.S.A.
【Fターム(参考)】