説明

眼鏡レンズ供給システム

【課題】 システムの大型化、設置スペースの増大を抑え、経済的に有利する。
【解決手段】
1つのコンベアラインユニットは、コンベアラインと、1台の加工装置に対して少なくとも2つのトレイをコンベアラインから離脱させて待機位置まで移動させ、加工済みレンズが入ったトレイをコンベアラインに載せるトレイ移動ユニットと、レンズを加工装置に供給し、加工されたレンズをトレイに戻すロボットシステムと、トレイの識別情報を得る個別制御ユニットと、を有し、複数のコンベアラインユニットが並べられたときに、コンベアラインが1本のコンベアラインのように接続され、主制御ユニットは、各個別制御ユニットと通信し、搬入用コンベアラインのトレイを何れのコンベアラインユニットに搬送するかを決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の眼鏡レンズ周縁加工装置に眼鏡レンズを供給する眼鏡レンズ供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡レンズ周縁加工工場では、レンズ周縁加工装置を複数台並べ、レンズが入れられたトレイをベルト等のコンベアラインによってレンズ周縁加工装置に自働搬送するシステムが採られている(例えば、特許文献1参照)。コンベアラインによって加工装置に運ばれたトレイ内のレンズは、ロボットによって加工装置に移動される。加工装置によって加工されたレンズは、再びロボットによってコンベアライン上のトレイに戻される。加工済みレンズが入ったトレイは、コンベアラインによって下流側に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−94283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
眼鏡レンズを大量に加工するための大規模のレンズ加工工場では、加工装置を複数台並べ、レンズを収納するトレイを各加工装置に搬送するためのコンベアラインのシステムを構築している。加工装置を複数台使用する従来のコンベアラインのシステムは、例えば、次のように構成されていた。
【0005】
加工装置に対応する個別コンベアラインは、トレイ搬入用の主コンベアラインに対して並列的(又は枝分かれ的)に設置されていた。また、トレイ搬入用の主コンベアラインと別に、トレイ搬出用の主コンベアラインが設けられていた。そのトレイ搬出用の主コンベアラインは、トレイ搬入用の主コンベアラインに対して平行に設けられていた。この構成の場合、主コンベアラインで搬送されたトレイは、個別コンベアラインの数分だけ用意されたトレイ振り分け機構により、各個別コンベアラインに振り分けて搬送される。個別コンベアライン上のトレイに入れられたレンズは、ロボットにより加工装置に移される。加工装置で加工されたレンズは、ロボットにより、再び、個別コンベアライン上のトレイに戻される。加工済みレンズが入れられたトレイは、個別コンベアラインにより搬出用の主コンベアラインに合流される。
【0006】
このようなコンベアラインの構成では、トレイを搬入及び搬出するための別々の主コンベアラインと、個別コンベアラインの数分だけ用意された振り分け機構と、各個別コンベアライン上のトレイをトレイ搬出用の主コンベアラインに合流させるための合流機構と、が必要となる。このため、コンベアラインのシステム全体が大型化する。また、並列的に配置された各個別コンベアラインのため、システム全体のスペースも多く必要となる。またさらに、加工装置、レンズを移動するロボット、振り分け機構及び合流機構の各台数は、レンズ加工システムを使用するユーザの要望により様々であり、各ユニットの配置もユーザの要望により様々である。このため、これら各ユニットを統合する制御プログラム(制御ソフト)は、ユーザが要望する仕様に合わせて特注となり、制御プログラムの開発時間が掛かるとともに、コスト高となる。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、システムの大型化、設置スペースの増大を抑え、また、経済的に有利な眼鏡レンズ供給システムを提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 複数の眼鏡レンズ周縁加工装置に眼鏡レンズを供給する眼鏡レンズ供給システムにおいて、複数のコンベアラインユニットであって、1つのコンベアラインユニットが、レンズが入ったトレイを搬送する少なくとも1つのコンベアラインと、ベース上に載置された少なくとも1台の前記加工装置と、1台の前記加工装置に対して少なくとも2つのトレイを前記コンベアラインから離脱させてそれぞれの待機位置まで移動させ、加工終了したレンズが入ったトレイを前記コンベアラインに載せるトレイ移動ユニットと、待機位置に離脱されたトレイ内のレンズを保持して前記加工装置に供給し、加工されたレンズをトレイに戻すロボットシステムと、前記加工装置がホストコンピュータから加工情報を得られるように、トレイの識別情報を得る個別制御ユニットと、を有し、複数のコンベアラインユニットが並べられたときに、前記コンベアラインが実質的に1本のコンベアラインのように接続される複数のコンベアラインユニットと、最上流のコンベアラインユニットのコンベアラインと接続される搬入用コンベアラインと、最下流のコンベアラインユニットのコンベアラインと接続される搬出用コンベアラインと、各個別制御ユニットと通信し、前記搬入用コンベアラインのトレイ内のレンズを何れの前記加工装置に加工させるか、又は前記搬入用コンベアラインのトレイを何れのコンベアラインユニットに搬送するか、を決める主制御ユニットと、を備えることを特徴とする。
(2) (1)の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記個別制御ユニットは、待機位置にトレイが受け入れ可能になると、トレイを要求する信号を前記主制御ユニットに送信し、
前記主制御ユニットは、その要求信号が有ると、トレイの搬送先のコンベアラインユニットを決め、最上流のコンベアラインへトレイを供給することを特徴とする。
(3) (2)の眼鏡レンズ供給システムにおいて、最上流側のコンベアラインよりさらに上流に、前記搬入用コンベアラインによって搬送されるのトレイの搬送を停止するストッパユニットが設けられ、前記主制御ユニットは、前記要求信号が有ると、前記ストッパユニットの停止を解除し、最上流のコンベアラインへトレイを供給することを特徴とする。
(4) (2)の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記搬入用コンベアラインのトレイの識別情報を読み取る第1読取器が最上流のコンベアラインユニットのコンベアラインより上流に配置され、各コンベアラインユニットには上流から搬送されてくるトレイの識別情報を読み取る第2読取器が配置され、前記主制御ユニットは、決定した搬送先のコンベアラインユニットの前記個別制御ユニットへ前記第1読取器で読み取られた識別情報を送り、各コンベアラインユニットの前記個別制御ユニットは、前記主制御ユニットから送信された識別情報と第2読取器で読み取られた識別情報とが一致する場合には、前記トレイ移動ユニットを作動させ、トレイをコンベアラインから離脱させて前記待機位置へ順次移動させ、前記主制御ユニットから送信された識別情報と前記第2読取器で読み取られた識別情報とが一致しない場合には、前記トレイ移動ユニットを作動させず、トレイを下流のコンベアラインに送ることを特徴とする。
(5) (1)の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記ロボットシステムは、前記待機位置に離脱された1つのトレイに加工済みレンズを戻すと、他の待機位置に離脱されたトレイ内のレンズを加工装置に供給し、前記トレイ移動ユニットは、加工済みレンズがトレイに戻されると、トレイをコンベアラインに載せ、前記個別制御ユニットは、前記待機位置にトレイが受け入れ可能になると、トレイを要求する信号を前記主制御ユニットに送信し、前記主制御ユニットは、その要求信号が有ると、トレイの搬送先のコンベアラインユニットを決め、最上流のコンベアラインユニットのコンベアラインへトレイを供給することを特徴とする。
(6) (1)の眼鏡レンズ供給システムにおいて、各コンベアラインユニットが有するコンベアラインは、未加工レンズが入れられたトレイを搬送するための第1コンベアラインと、加工済みレンズが入れられたトレイを搬送するための第2コンベアラインと、を含み、前記トレイ移動ユニットは加工終了したレンズが入ったトレイを第2コンベアラインに載せることを特徴とする。
(7) 眼鏡レンズが入れられたトレイをコンベアラインによって搬送し、複数の眼鏡レンズ周縁加工装置に眼鏡レンズを供給する眼鏡レンズ供給システムにおいて、トレイを搬送するコンベアラインをそれぞれ有する複数の個別コンベアラインユニットであって、コンベアラインに対して配置された少なくとも1台の眼鏡レンズ周縁加工装置と、トレイをコンベアライン上から所定位置に移動し、コンベアライン上にトレイを再び戻す少なくとも1個のトレイ移動ユニットと、該トレイ移動ユニットによって所定位置に移動されたトレイ内の眼鏡レンズを眼鏡レンズ周縁加工装置に移動し、眼鏡レンズ周縁加工装置によって加工された眼鏡レンズをトレイ内に戻す少なくとも1個のレンズ移動ユニットと、前記トレイ移動ユニットよりも上流に配置され、トレイに付された識別子を読み取る第1識別子読取器と、前記第1識別子読取器により読み取られた識別子に基づいて前記トレイ移動ユニットを制御する個別制御ユニットと、を各個別コンベアラインユニットが有し、コンベアラインが直列的に接続された複数の個別コンベアラインユニットと、直列的に接続された最上流側の個別コンベアラインユニットよりもさらに上流側に配置され、トレイに付された識別子を読み取る第2識別子読取器を有するトレイ振り分けユニットであって、前記第2識別子読取器によって読み取られたトレイの搬送先の個別コンベアラインユニットを何れにするかを決定し、決定した個別コンベアラインユニットが有する前記個別制御ユニットに前記第2識別子読取器によって読み取られたトレイの識別子情報を送信する主制御ユニットと、を有するトレイ振り分けユニットと、を備えることを特徴とする。
(8) (7)の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記個別制御ユニットは、自己の担当する個別コンベアラインユニットにおける前記トレイ移動ユニットが新規のトレイを受け入れ可能なときに、トレイを要求する要求信号を前記主制御ユニットに送信し、前記主制御ユニットは、送信された要求信号に基づいてトレイの搬送先の個別コンベアラインユニットを何れにするかを決定し、決定した個別コンベアラインユニットが有する前記個別制御ユニットに前記第2識別子読取器によって読み取られたトレイの識別子情報を送信し、前記個別制御ユニットは、さらに前記主制御ユニットから送信されてきた識別子情報と前記第1識別子読取器によって読み取られた識別子情報とに基づき、上流側から搬送されてきたトレイが自己の個別コンベアラインユニットに振り分けられたトレイか否かを判定し、自己の個別コンベアラインユニットに振り分けられたトレイであるときには、前記トレイ移動ユニットを作動させることによりトレイをコンベアライン上から移動させ、自己の個別コンベアラインユニットに振り分けられたトレイで無いときには、前記トレイ移動ユニットを作動させずに、トレイを下流側に通過させるように設定されていることを特徴とする。
(9) (8)の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記トレイ振り分けユニットは、トレイ搬入用のコンベアラインから搬送されてくるトレイを停止するストッパユニットを備え、前記主制御ユニットは、前記個別制御ユニットからのトレイの要求信号がない時には、前記ストッパユニットを作動させ、下流側へのトレイの搬送を停止することを特徴とする。
(10) (7)〜(9)の何れかの眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記第2識別子読取器は最上流側の個別コンベアラインユニットが有する前記第1識別子読取器に兼用され、最上流側の個別コンベアラインユニットが有する前記個別制御ユニットが前記主制御ユニットの役割を持つことを特徴とする。
(11) (7)〜(9)の何れかの眼鏡レンズ供給システムにおいて、各個別コンベアラインユニットは、前記第1識別子読取器によってトレイの識別子を読み取るときにトレイの搬送を停止するストッパユニットを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、システムの大型化、設置スペースの増大を抑え、経済的に有利な眼鏡レンズ供給システムを構築することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る眼鏡レンズ供給システムの全体概略図である。
【0011】
眼鏡レンズ供給システム1000は、トレイTRを搬送するための少なくとも1つのベルト式のコンベアライン102を有する個別コンベアラインユニット(以下、RLCユニット)100を複数台備える。各RLCユニット100はベース101を有し、コンベアライン102に対応して少なくとも1台の眼鏡レンズ周縁加工装置10がベース101上に配置されている。加工装置10は、眼鏡レンズLEを保持するレンズチャック軸と、レンズLEの周縁を加工する周縁加工具と、を有し、入力された玉型に基づいてレンズLEと周縁加工具との相対的に移動を制御してレンズLEの周縁を加工する。この加工装置10の構成としては、特開平2004−34167号等に記載された周知のものであるので、説明は省略する。
【0012】
トレイTRに左右一対の眼鏡レンズLE(図5参照)が収納されている。図1では、システム1000は3台のRCLユニット100(以下、3台のRCLユニット100を区別するときには、符号100A,100B,100Cを用いる)を備える。各RCLユニット100は、直列的に接続されている。すなわち、各RCLユニット100が有するコンベアライン102が直列的に接続されることにより、複数のコンベアラインユニット100が並べられたときに、コンベアライン102が実質的に1本のコンベアラインのように接続される。トレイTRは、上流側(図1上の右側)のRCLユニット100Aが有するコンベアライン102から、下流側(図1上の左側)のRCLユニット100Cが有するコンベアライン102に搬送される。
【0013】
RCLユニット100Aの上流側には、未加工のレンズLEが入れられたトレイTRを搬入するための搬入用コンベアライン3000Aが配置されている。RCLユニット100Cの下流側には、加工済みのレンズLEが入れられたトレイTRを搬出するための搬出用コンベアライン3000Bが配置されている。また、RCLユニット100Aと搬入用コンベアライン3000Aとの間には、コンベアライン2002を有する振り分けユニット2000が配置されている。すなわち、最上流側のRCLユニット100Aより上流に振り分けユニット2000が設けられている。振り分けユニット2000は、最上流側のRCLユニット100Aのコンベアライン102にトレイTRを供給するトレイ供給ユニットとして機能し、上流側の搬入用コンベアライン3000Aから搬送されるトレイTRの移動を止めるストッパユニット2200と、識別子読み取り器(バーコードリーダ)2250と、主制御ユニット2050と、を備える。
【0014】
図2は、個別コンベアラインユニット100の構成を説明するための外観斜視図である。図3は、個別コンベアラインユニット100の概略的な正面図である。
【0015】
コンベアライン102は2本のベルト104を有し、駆動部110によって2本のベルト104が同時に移送される。コンベアライン102は、本実施形態のようにベルト式で構成される他、ローラ式等の種々の方式によって構成されても良い。コンベアライン102は、ベース101上に配置されている。ベルト104上に載せられたトレイTRは、図3上の右側から左側へ搬送される。コンベアライン102の上流側(図3の右側)には、ベルト104上のトレイTRの移動を止めるストッパユニット200と、トレイTRに添付された識別子であるバーコードBCを読み取る識別子読み取り器(バーコードリーダ)250と、が配置されている。
【0016】
図4A及び図4Bは、ストッパユニット200の構成図であり、トレイTRの進行方向左から見た図(図3の見た図)である。ストッパユニット200は、図4A(図4B)の左右方向に延びるガイド軸203に沿って移動可能に保持された左ベース202L及び右ベース202Rを有する。左ベース202Lの上部及び右ベース202Rの上部には、それぞれストッパピン204が垂直に立てられている。左ベース202L及び右ベース202Rは、モータ208を有する駆動部206によって、互いに接近及び離れるように左右方向に移動される。駆動部206は、ラック及びピニオン等の周知の移動機構によって構成することができる。図4Aでは、2つのストッパピン204がベルト104上に載せられたトレイTRの幅WYより広く開いた状態が示されている。この場合、ベルト104の移動によってトレイTRが搬送される。図4Bでは、2つのストッパピン204がトレイTRの幅WY(トレイTRの進行方向に対して直交する方向の幅)より狭く閉じた状態が示されている。この場合、ストッパピン204がトレイTRの脚部に当り、ベルト104の移動に対してトレイTRの移動が停止される。
【0017】
図4A及び図4Bにおいて、トレイTRに添付されたバーコードBCを読み取る識別子読み取り器250が同時に示されている。トレイTRの搬送がストッパユニット200により止められた時、識別子読み取り器250によってバーコードBCが読み取られる。
【0018】
図2及び図3において、コンベアライン104上からトレイTRを移動し、加工済みレンズLEが入れられたトレイTRを再びコンベアライン104上に載せるトレイ移動ユニットとしてのトレイ昇降ユニット300が、加工装置10に対応して配置されている。トレイ昇降ユニット300は、1台の加工装置に対してコンベアライン104上から少なくとも2つのトレイTRを離脱させ、レンズ加工の待機のために設けられたそれぞれ所定の待機位置へ移動する。この例では、1台の加工装置10に対応して2台のトレイ昇降ユニット300が配置されている。図3では、RCLユニット100に対して2台の加工装置10が配置されているため、RCLユニット100に対して4台のトレイ昇降ユニット300が配置されている。
【0019】
図5は、トレイ昇降ユニット300の説明図である。コンベアライン102(ベルト104)に載せられたトレイTRは、矢印AX方向に搬送される。トレイ昇降ユニット300は、トレイTRの下端の脚部が載るプレート302を有する。プレート302は、上下移動のベース部304の上部に取り付けられている。ベース部304は、モータ306を有する上下移動機構310によって上下方向に移動される。上下移動機構310は、モータ306の回転軸に連結された送りネジを有するスライド機構、又はベルト方式のスライド機構等の周知のスライド機構によって構成される。
【0020】
図5において、プレート302上の矢印AX方向(トレイTRの進行側)には、トレイTRの搬送を止める2個のストッパ部材320がコンベアライン102(2本のベルト104)を挟んで取り付けられている。2個のストッパ部材320の間隔は、トレイTRの幅WYより狭くされている。また、プレート302上には、トレイTRの幅WY方向の位置を整える接触部材322が配置されている。接触部材322はトレイTRに側面に接触される。
【0021】
図6は、トレイ昇降ユニット300の上下移動の説明図である。図6(a)は、ベース部304が最下位の退避位置にある状態であり、ストッパ部材320の上端がコンベアライン102のベルト104の高さHBより下の位置にある。この場合、コンベアライン102(ベルト104)によって搬送されてきたトレイTRは止められず、トレイ昇降ユニット300上を通過する。
【0022】
コンベアライン102(ベルト104)によって搬送されてきたトレイTRを止めるときには、図6(b)のように、ベルト104の高さHBと同じ高さにプレート302が上昇される。このとき、ストッパ部材320がトレイTRに当り、トレイTRの搬送が止められる。
【0023】
図6(c)は、図6(b)に対してプレート302を上昇させることにより、プレート302上に載せられたトレイTRをベルト104上から離脱させた状態の図である。プレート302は、ベルト104によって搬送されてくるトレイTRの高さよりも高い所定位置に上昇される。これにより、ベルト104によって搬送されてくるトレイTRを通過させることができる。
【0024】
再び、図2及び図3において、加工装置10とコンベアライン102との間には、レンズLEをトレイTRから取り出して加工装置10に移動し、加工装置10によって加工されたレンズLEを加工装置10から取り出し、再びトレイTRに移動するためのレンズ移動ユニットとしてのロボット400が配置されている。ロボット400は、特開2004−34167号公報に記載されたロボットハンドユニットと同様な機構により構成される。ロボット400は、ベルト104と平行に延びるレールに沿って、図3上の左右方向に移動される。ロボット400は、上下移動及び回転されるアーム402を有し、アーム402の先端にレンズLEを吸着する吸着部404が取り付けられている。トレイTR上のレンズLEは、吸着部404によって保持され、ロボット400の移動により加工装置10が有するレンズチャック軸に移動される。
【0025】
ロボット400は、RCLユニット100に対して少なくとも1台が設けられていれば良い。本実施形態の図2及び図3においては、RCLユニット100に2台のロボット400が配置されている。2台のロボット400により、レンズLEが効率よくトレイTRと加工装置10との間で移動される。
【0026】
図7は、眼鏡レンズ供給システム1000の制御ブロック図である。RCLユニット100は、個別制御ユニット50を備える。個別制御ユニット50は、加工装置10、コンベアライン102の駆動部110、ストッパユニット200、識別子読み取り器250、トレイ昇降ユニット300、ロボット400に接続され、これらに制御信号を送り、これらを動作させる。
【0027】
以上のような構成を有するRCLユニット100は、符号100A,100B,100Cで示される個別コンベアラインユニットで同じ構成とされている。このため、RCLユニット100B,100Cにおいては、個別制御ユニット50のみが図示され、他の構成は図示が略されている。
【0028】
各RCLユニット100が有する個別制御ユニット50は、振り分けユニット2000が有する主制御ユニット2050に接続されている。振り分けユニット2000は、図4A,図4Bのストッパユニット200と同様な構成のストッパユニット2200を備える。また、トレイTRに添付されたバーコードBCを読み取る識別子読み取り器2250を備える。コンベアライン2002の駆動部2110、ストッパユニット2200、識別子読み取り器2250は、主制御ユニット2050に接続されている。また、各加工装置10はホストコンピュータHCに接続されている。ホストコンピュータHCには、作業番号に対応するレンズLEの加工条件データが記憶されている。左右一対のレンズLEの作業番号はバーコードBCに割り当てられる。作業番号が割り当てられたバーコードBCがトレイTRに添付されている。個別制御ユニット50によって取得されたバーコードBCは、加工装置10に送信される。加工装置10は、バーコードBCに対応する玉型等の加工条件データをホストコンピュータHCから取得する。加工装置10により、加工条件データに従ってレンズLEの周縁が加工される。
【0029】
以上のような眼鏡レンズ供給システム1000において、その動作を説明する。搬入用コンベアライン3000Aには、未加工のレンズLEが入れられたトレイTRが載せられる。トレイTRは、振り分けユニット2000のコンベアライン2002に移動される。主制御ユニット2050は、ストッパユニット2200を作動させてトレイTRの移動を一旦停止し、識別子読み取り器2250によってトレイTRのバーコードを読み取る。
【0030】
ここで、主制御ユニット2050が有するメモリには、下流側に接続されるRCLユニット100の数(図1の例では、RCLユニット100A,100B,100Cの3台である)と、各RCLユニット100が受け入れ可能なトレイTRの数(すなわち、各RCLユニット100が備えるトレイ昇降ユニット300の数)が登録されている。また、RCLユニット100の制御ユニット50は、トレイ昇降ユニット300上の待機位置にトレイTRが無く、トレイ昇降ユニット300が新規のトレイTRを受け入れ可能(搬入可能)であるときに、トレイTRを要求する要求信号を主制御ユニット2050に送信する。主制御ユニット2050は、各RCLユニット100の制御ユニット50から、トレイTRの要求信号が入力されると、識別子読み取り器2250で読み取ったバーコードを持つトレイTRの搬送先のRCLユニット100を何れにするかを決定した後、決定した搬送先のRCLユニット100の制御ユニット50に読み取ったバーコードの信号を送信する。
【0031】
初期段階では、全てのRCLユニット100におけるトレイ昇降ユニット300がそれぞれの待機位置へトレイTRを移動可能な状態である。各制御ユニット50は、自己の担当するRCLユニット100が有するトレイ昇降ユニット300の数分の要求信号を主制御ユニット2050に送る。主制御ユニット2050は、各制御ユニット50と通信し、要求信号に基づいて搬入用コンベアライン3000A上のトレイTRを何れのRCLユニット100に搬送するかを決定する。又は、主制御ユニット2050は、搬入用コンベアライン3000Aのトレイ内のレンズを何れの加工装置10に加工させるかを決定することでも良い。そして、主制御ユニット2050は、各RCLユニット100の制御ユニット50にトレイTRに付された識別情報であるバーコードBCの信号を送信する。例えば、主制御ユニット2050は、最下流のRCLユニット100CからトレイTRを順番に搬送するように、搬送先のRCLユニット100を決定する。すなわち、主制御ユニット2050は、1番目のトレイTRをRCLユニット100Cへの振り分けに決定し、読み取り器2250で読み取ったバーコードBCの信号をユニット100Cの制御ユニット50に送信する。その後、主制御ユニット2050は、ストッパユニット2200のストッパピン204を開き、トレイTRを下流側のRCLユニット100Aに供給する。次に、制御ユニット2050は、2番目のトレイTRのバーコードBCを読み取るために、ストッパユニット2200のストッパピン204を閉じる。
【0032】
各RCLユニット100では、上流から搬送されてきたトレイTRの識別情報であるバーコードBCを読み取り器250によって読み取り、制御ユニット50は、読み取られた識別情報と送信された識別情報とが一致する場合には、トレイ昇降ユニット300によって待機位置へトレイTRを移動させる。一方、読み取られた識別情報と送信された識別情報と一致しない場合には、制御ユニット50は、下流側のRCLユニット100へトレイTRを送る。具体的には以下である。
【0033】
RCLユニット100Aの制御ユニット50は、ストッパユニット200により1番目のトレイTRの移動を停止し、読み取り器250によってバーコードBCを読み取る。RCLユニット100Aの制御ユニット50は、このバーコードBCの読み取りにより、RCLユニット100Aに振り分けられたトレイTRで無いので、ストッパユニット200を開き、トレイTRを通過させる。次のRCLユニット100Bの制御ユニット50も、ストッパユニット200により1番目のトレイTRの移動を停止し、読み取り器250によってバーコードBCを読み取る。RCLユニット100Bの制御ユニット50も、RCLユニット100Aの場合と同様に、バーコードBCの読み取りにより、RCLユニット100Bに振り分けられたトレイTRで無いので、ストッパユニット200を開き、トレイTRを通過させる。
【0034】
RCLユニット100Cの制御ユニット50は、ストッパユニット200により1番目のトレイTRの移動を停止し、読み取り器250によってバーコードBCを読み取る。そして、制御ユニット50は、バーコードBCの読み取りにより、RCLユニット100Cに割り当てられたトレイTRであると判定すると、このトレイTRのレンズLEを加工装置10に加工させるために、4台のトレイ昇降ユニット300の内の一つを動作させる。始めは、下流側の加工装置10にレンズLEを加工させるように、その加工装置10に対応する下流側のトレイ昇降ユニット300を動作させる。
【0035】
図6(b)に示されたように、制御ユニット50は、高さHBの位置にプレート302を上昇させることにより、ストッパ部材320がベルト104より高い位置に移動され、ベルト104により搬送されてくるトレイTRが停止する。その後、さらにプレート302を上昇させる。これにより、図6(c)のように、トレイTRはプレート302に載せられ、所定の高さまの待機位置へ移動される。RCLユニット100Cの制御ユニット50は、トレイ昇降ユニット300に搭載されたトレイTRが所定の待機位置に位置すると、ロボット400を作動し、トレイTRに入れられた左右のレンズLEの一方を下流側の加工装置10に移動させる。その後、制御ユニット50は、加工装置10に加工指令信号及びバーコードBCの作業番号を送り、レンズLEの加工を開始させる。加工装置10は、バーコードBCの作業番号をホストコンピュータHCに送り、加工条件データを要求する。ホストコンピュータHCは、作業番号に対応する加工条件データを要求元の加工装置10に送信する。これにより、作業番号に対応付けられた所定の加工条件に基づいてレンズLEの周縁加工が行われる。
【0036】
また、振り分けユニット2000の主制御ユニット2050は、RCLユニット100B及び100Aの各制御ユニット50からの要求により、2番目のトレイTRをRCLユニット100Bに振り分け、3番目のトレイTRをRCLユニット100Aに振り分ける。2番目のトレイTRはRCLユニット100Bに振り分けられているので、RCLユニット100Aの制御ユニット50は、先の説明と同様に、2番目のトレイTRのバーコードBCを読み取ると、ストッパユニット200を開放し、RCLユニット100B側に送る。RCLユニット100Bの制御ユニット50は、ストッパユニット200を作動させて2番目のトレイTRのバーコードBCを読み取ると、そのトレイTRが自己のRCLユニット100Bに振り分けられているので、RCLユニット100Cの時と同様に、下流側のトレイ昇降ユニット300を作動させる。そして、RCLユニット100Bの制御ユニット50は、ベルト104によって搬送されてきた2番目のトレイTRの移動を停止した後、プレート302を上昇させ、トレイTRを所定位置に移動させる。その後、ロボット400及び加工装置10が作動される。
【0037】
3番目のトレイTRがRCLユニット100Aのコンベアライン102に搬送されてくると、RCLユニット100Aの制御ユニット50は、ストッパユニット200及び読み取り器250の作動により、自己のユニット100Aに振り分けられたことを識別する。そして、先の説明と同様に、RCLユニット100Aの制御ユニット50は、下流側のトレイ昇降ユニット300を作動させ、トレイTRを所定位置に移動させた後、ロボット400及び加工装置10を作動させる。
【0038】
以後、同様に、振り分けユニット2000のコンベアライン2002に搬送されてきたトレイTRの振り分け先は、各制御ユニット50からの要求信号を受けた主制御ユニット2050により順次決定される。RCLユニット100A,100B及び100Cの各制御ユニット50は、自己のRCLユニット100に振り分けられたトレイTRで無い時には、トレイ昇降ユニット300を作動させずに、トレイTRを下流側のコンベアライン102又は搬出用コンベアライン3000Bへ送るために通過させる。制御ユニット50は、自己のRCLユニット100に振り分けられたトレイTRが搬送されてきたときには、トレイTRを待機位置へ移動可能なトレイ昇降ユニット300を決定し、そのトレイ昇降ユニット300を作動させ、トレイTRをコンベアライン102から離脱させる。
【0039】
なお、トレイTRには左右一対のレンズLEが入れられている。左右一対のレンズLEは、同一の加工装置10により加工されるように、ロボット400によりトレイTRに入れられた未加工のレンズLEが加工装置10に移動される。加工装置10は、レンズLEの加工が終了すると、その終了信号を制御ユニット50へ送る。制御ユニット50は、ロボット400を作動させ、加工装置10の加工済みレンズLEを元のトレイTRへ戻す。そして、トレイTRに左右のもう一方のレンズLEが未加工として残っていれば、ロボット400を作動し、その未加工のレンズLEを加工装置10へ移動する。制御ユニット50は、トレイTRに左右の加工済みレンズが戻されると、トレイ昇降ユニット300を作動させ、トレイTRをコンベアライン102に載せる。
【0040】
また、1台の加工装置10に対して2台のトレイ昇降ユニット300が用意されている。このため、加工済みレンズLEの入ったトレイTRが次のトレイTRに交換されるのを待つことなく、2台目のトレイ昇降ユニット300によってトレイTRが待機位置へ移動され、準備されているトレイTR内のレンズLEの加工に移行することができる。すなわち、第1のトレイ昇降ユニット300によって第1待機位置へ移動されたトレイTR内のレンズLEの加工が終了した後、第1のトレイ昇降ユニット300にてトレイTRの交換中に、第2のトレイ昇降ユニット300によって第2待機位置に移動されたトレイTR内のレンズLEを加工装置10により加工させる。この加工中に、トレイTRを第1待機位置からコンベアライン102上に移動する。第1待機位置にトレイTRを受け入れ可能になると、コンベアライン102によって搬送されて来る次のトレイTR(未加工レンズが入れられたトレイ)を第1待機位置へ移動し、第1待機位置でトレイTRを待機させる。そして、第2待機位置のトレイTR内のレンズLEの加工が終了すれば、再び、第1待機位置で待機されているトレイTRのレンズLEの加工に移行する。これにより、加工装置10の稼働効率を上げることができ、レンズLEが効率よく加工される。
【0041】
待機位置のトレイTR内の左右一対のレンズLEが加工されると、プレート302が下降され、コンベアライン102のベルト104上にトレイTRが載せられる。これにより、トレイTRが下流側の搬出用コンベアライン3000Bまで搬送される。
【0042】
制御ユニット50は、トレイ昇降ユニット300のプレート302が最下位の退避位置に移動すると、次のトレイTRを待機位置へ受け入れる準備ができた旨の要求信号を主制御ユニット2050に送る。主制御ユニット2050は、各ユニット100の制御ユニット50からトレイTRの受け入れの要求信号を受信すると、ストッパユニット2200により搬送を停止していたトレイTRの振り分け先を順次決定する。そして、主制御ユニット2050は、ストッパユニット2200の停止を解除し、最上流側のコンベアライン102へトレイTRの供給を行う。各制御ユニット50からの要求信号が無いときには、ストッパユニット220によりトレイTRの搬送が停止したままとされ、振り分けユニット2000のコンベアライン2002及び搬入用コンベアライン3000AにトレイTRが待機することとなる。
【0043】
以上のように、搬入用コンベアライン3000Aと搬出用コンベアライン3000Bとの間で、複数のRCLユニット100がそれぞれ有するコンベアライン102が直列的に配置されているので、眼鏡レンズ供給システム1000の設置スペースの節約が図られる。また、複数のRCLユニット100が有するコンベアライン102を直列的に接続することにより、実質的に1本のコンベアラインとし、さらに、各RCLユニット100のトレイTRの搬送等の動作処理は、各ユニット100に設けた個別制御ユニット50により行われるため、システム1000全体を統合するための制御プログラムとして大掛かりなものが不要となる。主制御ユニット2050には、RCLユニット100の台数等の簡単な登録で済むため、ユーザの要望によってRCLユニット100の台数が変動しても、容易に対応できる。このため、ユーザの要望に対して、コストを掛けずに、経済的に有利なレンズ加工システムを構築することができる。
【0044】
なお、最上流側に位置するRCLユニット100Aに振り分けユニット2000の機能を受け持たせ、振り分けユニット2000を省略することもできる。すなわち、RCLユニット100Aに設けられたストッパユニット200がストッパユニット2200を兼用すると共に、RCLユニット100Aに設けられた読み取り器250が読み取り器2250を兼用する。また、RCLユニット100Aの制御ユニット50が主制御ユニット2050の機能の役割を受け持つ。
【0045】
また、図2に示すコンベアライン102は、未加工レンズが入れられたトレイTRの搬送用と、加工済みレンズが入れられたトレイTRの搬送用と、に兼用される構成とした、加工済みレンズが入れられたトレイTRを搬送するためのコンベアラインは、未加工レンズが入れられたトレイTRを搬送するコンベアラインとは別に設けられていても良い。例えば、図2において、未加工レンズが入れられたトレイTRを搬送するための第1コンベアライン102と平行に、加工済みレンズが入れられたトレイTRを搬送するための第2コンベアラインを各RCLユニット100に設ける。各RCLユニット100の第2コンベアラインも、直列的に接続されことで、実質的に1本のコンベアラインのように接続される。トレイ移動ユニット(トレイ昇降ユニット300)は、加工済みレンズが入れられたトレイTRを第2コンベアラインに載せるように制御される。これにより、加工済みレンズが入れられたトレイTRと未加工レンズが入れられたトレイTRとが、それぞれスムーズに搬送される。
【0046】
また、各個別コンベアラインユニット100(100A,10B,100C)では、読み取り器250によってトレイTRの識別情報を読み取る際には、必ずしもストッパユニット200を動作させなくても良い。読み取り器250が移動中のトレイTRのバーコードBCを読み取ることにより、搬送時間を短縮できる。
【0047】
このように、本件発は種々の変容が可能であり、技術的思想を同一にする範囲において、本件発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る眼鏡レンズ供給システムの全体概略図である。
【図2】個別コンベアラインユニット100の外観斜視図である。
【図3】個別コンベアラインユニット100の概略的な正面図である。
【図4A】ストッパユニットの構成図である。
【図4B】ストッパユニットの構成図である。
【図5】トレイ昇降ユニットの説明図である。
【図6】トレイ昇降ユニットの上下移動の説明図である。
【図7】眼鏡レンズ供給システムの制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
10 加工装置
50 個別制御ユニット
100 個別コンベアラインユニット
102 コンベアライン
104 ベルト
200 ストッパユニット
250 識別子読み取り器
300 トレイ昇降ユニット
400 ロボット
1000 眼鏡レンズ供給システム
2000 振り分けユニット
2002 コンベアライン
2050 主制御ユニット
2200 ストッパユニット
2250 識別子読み取り器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の眼鏡レンズ周縁加工装置に眼鏡レンズを供給する眼鏡レンズ供給システムにおいて、
複数のコンベアラインユニットであって、1つのコンベアラインユニットが、レンズが入ったトレイを搬送する少なくとも1つのコンベアラインと、ベース上に載置された少なくとも1台の前記加工装置と、1台の前記加工装置に対して少なくとも2つのトレイを前記コンベアラインから離脱させてそれぞれの待機位置まで移動させ、加工終了したレンズが入ったトレイを前記コンベアラインに載せるトレイ移動ユニットと、待機位置に離脱されたトレイ内のレンズを保持して前記加工装置に供給し、加工されたレンズをトレイに戻すロボットシステムと、前記加工装置がホストコンピュータから加工情報を得られるように、トレイの識別情報を得る個別制御ユニットと、を有し、複数のコンベアラインユニットが並べられたときに、前記コンベアラインが実質的に1本のコンベアラインのように接続される複数のコンベアラインユニットと、
最上流のコンベアラインユニットのコンベアラインと接続される搬入用コンベアラインと、
最下流のコンベアラインユニットのコンベアラインと接続される搬出用コンベアラインと、
各個別制御ユニットと通信し、前記搬入用コンベアラインのトレイ内のレンズを何れの前記加工装置に加工させるか、又は前記搬入用コンベアラインのトレイを何れのコンベアラインユニットに搬送するか、を決める主制御ユニットと、
を備えることを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項2】
請求項1の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記個別制御ユニットは、待機位置にトレイが受け入れ可能になると、トレイを要求する信号を前記主制御ユニットに送信し、
前記主制御ユニットは、その要求信号が有ると、トレイの搬送先のコンベアラインユニットを決め、最上流のコンベアラインへトレイを供給することを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項3】
請求項2の眼鏡レンズ供給システムにおいて、最上流側のコンベアラインよりさらに上流に、前記搬入用コンベアラインによって搬送されるのトレイの搬送を停止するストッパユニットが設けられ、
前記主制御ユニットは、前記要求信号が有ると、前記ストッパユニットの停止を解除し、最上流のコンベアラインへトレイを供給することを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項4】
請求項2の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記搬入用コンベアラインのトレイの識別情報を読み取る第1読取器が最上流のコンベアラインユニットのコンベアラインより上流に配置され、
各コンベアラインユニットには上流から搬送されてくるトレイの識別情報を読み取る第2読取器が配置され、
前記主制御ユニットは、決定した搬送先のコンベアラインユニットの前記個別制御ユニットへ前記第1読取器で読み取られた識別情報を送り、
各コンベアラインユニットの前記個別制御ユニットは、前記主制御ユニットから送信された識別情報と第2読取器で読み取られた識別情報とが一致する場合には、前記トレイ移動ユニットを作動させ、トレイをコンベアラインから離脱させて前記待機位置へ順次移動させ、前記主制御ユニットから送信された識別情報と前記第2読取器で読み取られた識別情報とが一致しない場合には、前記トレイ移動ユニットを作動させず、トレイを下流のコンベアラインに送ることを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項5】
請求項1の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記ロボットシステムは、前記待機位置に離脱された1つのトレイに加工済みレンズを戻すと、他の待機位置に離脱されたトレイ内のレンズを加工装置に供給し、
前記トレイ移動ユニットは、加工済みレンズがトレイに戻されると、トレイをコンベアラインに載せ、
前記個別制御ユニットは、前記待機位置にトレイが受け入れ可能になると、トレイを要求する信号を前記主制御ユニットに送信し、
前記主制御ユニットは、その要求信号が有ると、トレイの搬送先のコンベアラインユニットを決め、最上流のコンベアラインユニットのコンベアラインへトレイを供給することを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項6】
請求項1の眼鏡レンズ供給システムにおいて、各コンベアラインユニットが有するコンベアラインは、未加工レンズが入れられたトレイを搬送するための第1コンベアラインと、加工済みレンズが入れられたトレイを搬送するための第2コンベアラインと、を含み、前記トレイ移動ユニットは加工終了したレンズが入ったトレイを第2コンベアラインに載せることを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項7】
眼鏡レンズが入れられたトレイをコンベアラインによって搬送し、複数の眼鏡レンズ周縁加工装置に眼鏡レンズを供給する眼鏡レンズ供給システムにおいて、
トレイを搬送するコンベアラインをそれぞれ有する複数の個別コンベアラインユニットであって、コンベアラインに対して配置された少なくとも1台の眼鏡レンズ周縁加工装置と、トレイをコンベアライン上から所定位置に移動し、コンベアライン上にトレイを再び戻す少なくとも1個のトレイ移動ユニットと、該トレイ移動ユニットによって所定位置に移動されたトレイ内の眼鏡レンズを眼鏡レンズ周縁加工装置に移動し、眼鏡レンズ周縁加工装置によって加工された眼鏡レンズをトレイ内に戻す少なくとも1個のレンズ移動ユニットと、前記トレイ移動ユニットよりも上流に配置され、トレイに付された識別子を読み取る第1識別子読取器と、前記第1識別子読取器により読み取られた識別子に基づいて前記トレイ移動ユニットを制御する個別制御ユニットと、を各個別コンベアラインユニットが有し、コンベアラインが直列的に接続された複数の個別コンベアラインユニットと、
直列的に接続された最上流側の個別コンベアラインユニットよりもさらに上流側に配置され、トレイに付された識別子を読み取る第2識別子読取器を有するトレイ振り分けユニットであって、前記第2識別子読取器によって読み取られたトレイの搬送先の個別コンベアラインユニットを何れにするかを決定し、決定した個別コンベアラインユニットが有する前記個別制御ユニットに前記第2識別子読取器によって読み取られたトレイの識別子情報を送信する主制御ユニットと、を有するトレイ振り分けユニットと、
を備えることを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項8】
請求項7の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記個別制御ユニットは、自己の担当する個別コンベアラインユニットにおける前記トレイ移動ユニットが新規のトレイを受け入れ可能なときに、トレイを要求する要求信号を前記主制御ユニットに送信し、
前記主制御ユニットは、送信された要求信号に基づいてトレイの搬送先の個別コンベアラインユニットを何れにするかを決定し、決定した個別コンベアラインユニットが有する前記個別制御ユニットに前記第2識別子読取器によって読み取られたトレイの識別子情報を送信し、
前記個別制御ユニットは、さらに前記主制御ユニットから送信されてきた識別子情報と前記第1識別子読取器によって読み取られた識別子情報とに基づき、上流側から搬送されてきたトレイが自己の個別コンベアラインユニットに振り分けられたトレイか否かを判定し、自己の個別コンベアラインユニットに振り分けられたトレイであるときには、前記トレイ移動ユニットを作動させることによりトレイをコンベアライン上から移動させ、自己の個別コンベアラインユニットに振り分けられたトレイで無いときには、前記トレイ移動ユニットを作動させずに、トレイを下流側に通過させるように設定されていることを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項9】
請求項8の眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記トレイ振り分けユニットは、トレイ搬入用のコンベアラインから搬送されてくるトレイを停止するストッパユニットを備え、
前記主制御ユニットは、前記個別制御ユニットからのトレイの要求信号がない時には、前記ストッパユニットを作動させ、下流側へのトレイの搬送を停止することを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項10】
請求項7〜9の何れかの眼鏡レンズ供給システムにおいて、前記第2識別子読取器は最上流側の個別コンベアラインユニットが有する前記第1識別子読取器に兼用され、最上流側の個別コンベアラインユニットが有する前記個別制御ユニットが前記主制御ユニットの役割を持つことを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。
【請求項11】
請求項7〜9の何れかの眼鏡レンズ供給システムにおいて、各個別コンベアラインユニットは、前記第1識別子読取器によってトレイの識別子を読み取るときにトレイの搬送を停止するストッパユニットを有することを特徴とする眼鏡レンズ供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−183633(P2012−183633A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27507(P2012−27507)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000135184)株式会社ニデック (745)
【Fターム(参考)】